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JP5207306B2 - 薄膜積層ガラス基板の薄膜除去方法及び装置 - Google Patents
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薄膜積層ガラス基板の薄膜除去方法及び装置 Download PDF

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本発明は、薄膜積層ガラス基板の薄膜除去方法及び装置に関するものである。更に詳しくは、薄膜積層ガラス基板の周辺部の不要な薄膜をレーザにより除去する際、薄膜積層ガラス基板に熱による損傷を与えることなく、加工点で発生する蒸発物やプラズマ、粉塵等の基板への付着を防止することができるものに関する。
例えば薄膜太陽電池やフラットパネルディスプレイなどの製造工程においては、機能性材料の薄膜を積層したガラス基板である薄膜積層ガラス基板が製作される。この薄膜積層ガラス基板は、基板同士の貼り合せや薄膜部分の気密性を保つために、ガラス基板周辺部の封止を行う場合がある。
その際、接着箇所となるガラス基板周辺部では、積層された機能性材料の薄膜が接着力の低下や外部への電気の漏洩などを引き起こす可能性があるため、予めその部分の薄膜を除去する工程が必要になる。従来、この工程は、研磨や湿式腐食処理により行われることが多かったが、ランニングコストや発生する廃棄物の観点から、近年においては、レーザを用いて薄膜を除去する装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載のレーザ加工装置は、被加工体にレーザ光を照射するレーザ装置と、レーザ光によって加工される被加工体のスキャンエリアに向く噴出口を備え、この噴出口からスキャンエリアにエアーを噴き付けるエアー噴出装置と、レーザ光によって被加工体から発生する塵埃を集塵する集塵装置とを備えており、レーザ加工時に発生する塵埃が被加工体に付着するのを防止することができるというものである。
特開2007−185685
しかしながら、特許文献1に記載のレーザ加工装置には、次のような課題があった。
すなわち、加工において、ガラス基板はデバイスが設けられている薄膜を上面側にしてセットされており、加工点で生じた蒸発物やプラズマ、粉塵等を吸引部へ送るエアーを斜め上方から吹き付ける作業をガラス基板の膜面上方で行うので、大量に生じた蒸発物やプラズマ、粉塵等のうち、エアーの流れから漏れた一部が重力によって薄膜上に降りてデバイスを構成する部分に付着し、絶縁箇所の抵抗値低下を引き起こす等、商品性が損なわれるおそれがあった。
また、一般的に、レーザを用いて薄膜の除去加工を行う場合、処理能力を高めるために、平均出力500W以上の高出力のパルスレーザが採用されることが多い。しかし、高出力のパルスレーザによる加工では、薄膜が除去される際に局所的にガラス基板の温度が極めて高温になり、薄膜と接するガラス板に熱の影響で微細なクラック等が発生するおそれがあった。
本発明の目的は、加工点で発生した蒸発物やプラズマ、粉塵等の、基板内のデバイスを構成する部分に対する付着をより確実に防止し、デバイスとしての品質を低下させることなく薄膜積層ガラス基板の周辺部の不要な薄膜をレーザにより除去することができる装置を提供することである。
また、本発明の他の目的は、前記目的に加えて、薄膜積層ガラス基板にレーザの熱による微細なクラック等の損傷が生じにくいようにすることである。
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
本発明は、
薄膜積層ガラス基板においてデバイスが設けられている薄膜の不要部分をガラス板から除去する装置であって、
薄膜を下側にして薄膜積層ガラス基板を保持する保持部と、
薄膜積層ガラス基板のガラス板側からガラス板を通し加工部にレーザを当てて薄膜の不要部分を除去するレーザ走査部と、
薄膜積層ガラス基板の下方において薄膜積層ガラス基板の非加工領域側から薄膜の膜面と平行に気体を供給する気体供給部と、
気体供給部で供給された気体と、薄膜積層ガラス基板の加工部で生じた蒸発物やプラズマ、粉塵等を含む雰囲気を薄膜積層ガラス基板の非加工領域側から薄膜の膜面と平行に各辺方向へ流れるように吸引する気体吸引部と、
を備えている、薄膜積層ガラス基板の薄膜除去装置である。
本発明は、
レーザ走査部によるレーザの走査は、薄膜積層ガラス基板の加工部において薄膜積層ガラス基板の辺部とほぼ平行に往復走査しながら気体の流れの方向と同じ方向へ移動させて、加工部の全面について行うようにしてある、
前記薄膜積層ガラス基板の薄膜除去装置である。
本発明は、
レーザ走査部のパルスレーザ発振器の平均出力が200W以下である、
前記薄膜積層ガラス基板の薄膜除去装置である。
本発明は、
薄膜積層ガラス基板においてデバイスが設けられている薄膜の不要部分をガラス板から除去する方法であって、
薄膜を下側にして薄膜積層ガラス基板を保持し、
薄膜積層ガラス基板の下方において薄膜積層ガラス基板の非加工領域側から薄膜の膜面と平行に気体を供給し、
薄膜積層ガラス基板のガラス板側からガラス板を通し加工部にレーザを当てて薄膜の不要部分を除去し、
供給された気体と、薄膜積層ガラス基板の加工部で生じた蒸発物やプラズマ、粉塵等を含む雰囲気を薄膜積層ガラス基板の非加工領域側から薄膜の膜面と平行に各辺方向へ流れるように吸引する、
薄膜積層ガラス基板の薄膜除去方法である。
本発明は、
レーザの走査は、薄膜積層ガラス基板の加工部において薄膜積層ガラス基板の辺部とほぼ平行に往復走査しながら気体の流れの方向と同じ方向へ移動させて、加工部の全面について行う、
前記薄膜積層ガラス基板の薄膜除去方法である。
本発明は、
平均出力が200W以下のパルスレーザ発振器より出射されたレーザを使用して薄膜の不要部分を除去する、
前記薄膜積層ガラス基板の薄膜除去方法である。
(作用)
本発明に係る薄膜積層ガラス基板用薄膜除去装置の作用を説明する。なお、ここでは、説明で使用する各構成要件に、後述する実施の形態において各部に付与した符号を対応させて付与するが、この符号は、特許請求の範囲の各請求項に記載した符号と同様に、あくまで内容の理解を容易にするためであって、各構成要件の意味を上記各部に限定するものではない。
薄膜積層ガラス基板用薄膜除去装置において、まず保持部(11)によって薄膜積層ガラス基板(5)をデバイスが設けられている薄膜(51)を下側にして所定の位置に保持する。
次に、薄膜積層ガラス基板(5)の下方において、気体供給部(2)によって薄膜積層ガラス基板(5)の非加工領域側から薄膜(51)の膜面と平行に空気等の気体を供給し、同時に気体吸引部(3)によって、気体供給部(2)で供給された気体と、それを含む周囲の雰囲気を吸い込む。これにより、薄膜積層ガラス基板(5)の下方において、非加工領域である薄膜積層ガラス基板(5)の内側から各辺部の外側へ向かう雰囲気の流れをつくることができる。
次に、この雰囲気の流れを維持した状態で、レーザ走査部(4)によって薄膜積層ガラス基板(5)のガラス板(50)側からガラス板(50)を通し薄膜積層ガラス基板(5)の加工部にレーザを当てて薄膜(51)の不要部分を除去するように走査する。
薄膜(51)においてレーザが当たる加工点においては、レーザの熱によって蒸発物やプラズマ、粉塵等が発生する。これら蒸発物等は、前記流れを維持している雰囲気中に浮遊するか、または重力で下方へ落下する。
蒸発物等のうち下方へ落下するものは、上方にある薄膜積層ガラス基板(5)の薄膜(51)の膜面に付着することはない。また、蒸発物等のうち雰囲気中に浮遊するものは、雰囲気と共に、上方にある薄膜積層ガラス基板(5)の薄膜(51)の膜面と平行に送られ、薄膜(51)に付着することなく薄膜積層ガラス基板(5)の非加工領域側から各辺部の外側へ送られ、外部へ排出される。
このようにして、薄膜積層ガラス基板(5)においてデバイスが設けられている薄膜(51)の不要部分をガラス板(50)から除去することができる。
レーザ走査部(4)によるレーザの走査を、ガラス基板(5)の加工部においてガラス基板(5)の辺部とほぼ平行に往復走査しながら気体の流れの方向と同じ方向へ移動させて、加工部の全面について行うようにしてあるものは、上流側の加工点で発生した蒸発物等は、万一下流側で薄膜(51)の膜面に付着したとしても、付着した部分はその後レーザで加工されるので、蒸発物等が付着したまま膜面に残る可能性を排除できる。
レーザ走査部(4)のパルスレーザ発振器(40)の平均出力が200W以下であるものは、加工点において発生する熱を抑えることができるので、ガラス基板(5)にレーザの熱による微細なクラック等の損傷が生じにくいようにすることができる。また、薄膜(51)の加工点の温度上昇を抑制して熱の影響を低減することができるので、加工点における薄膜(51)の気化やプラズマ化を抑制することができ、発生する蒸発物やプラズマ等の量を低減することができる。
本発明は、前記構成を備え、次のような効果を有している。
(a)加工点で発生した蒸発物やプラズマ、粉塵等は、ガラス基板の下面側の薄膜の膜面に沿って流れる気体とそれを含む雰囲気によって、非加工領域である薄膜積層ガラス基板の内側から各辺部の外側へ排出することができる。しかも、薄膜積層ガラス基板は薄膜を下側にして保持されて加工されるので、蒸発物等が雰囲気の流れから漏れても重力によって落下したものが薄膜に付着することはない。
これにより、薄膜積層ガラス基板においてデバイスを構成する部分に対する付着をより確実に防止することができるので、デバイスとしての品質を低下させることなく、薄膜積層ガラス基板の周辺部の不要な薄膜をレーザにより除去することができる。
(b)レーザ走査部のパルスレーザ発振器の平均出力が200W以下であるものは、加工点において発生する熱を抑えることができるので、ガラス基板にレーザの熱による微細なクラック等の損傷が生じにくいようにすることができる。また、薄膜の加工点の温度上昇を抑制して熱の影響を低減することができるので、加工点における薄膜の気化やプラズマ化を抑制することができ、発生する蒸発物やプラズマ等の量を低減することができる。
本発明に係る薄膜積層ガラス基板用薄膜除去装置の一実施の形態を示し使用状態を表した側面視断面説明図。 本発明に係る薄膜積層ガラス基板用薄膜除去装置の一実施の形態を示し使用状態を表した平面視説明図。 薄膜積層ガラス基板におけるレーザによる走査軌跡を示す説明図。
本発明を図面に示した実施の形態に基づき詳細に説明する。
なお、図2は、図示の便宜上、レーザ走査部4の図示を省略している。
薄膜積層ガラス基板用薄膜除去装置Aは、後述する薄膜積層ガラス基板5においてデバイスが設けられている薄膜51のうち、四角形のガラス板50の周辺部(四辺部)にある不要部分をガラス板50から除去する装置であり、台部1、気体供給部2、気体吸引部3及びレーザ走査部4を備えた構造を有している。以下、それぞれについて詳細に説明する。
(台部1)
薄膜積層ガラス基板用薄膜除去装置Aは、平面視で四角形状(長方形状)の台部1を備えている。台部1の上面10は水平になっており、上面10の中央部及び各隅部寄りには合計五箇所に薄膜積層ガラス基板5を載置して保持する受ピン11(保持部)が設けられている。各受ピン11は、薄膜積層ガラス基板5の膜面に損傷を与えないように有機高分子樹脂材料を使用している。各受ピン11の長さは同じに形成されており、本実施の形態では5mmである。なお、保持部としては前記受ピン11の他、薄膜積層ガラス基板5を吸着により保持する吸盤あるいは横方向から挟んで保持する挟持具等を採用することもできる。
したがって、各受ピン11で保持される薄膜積層ガラス基板5の下側の薄膜51の膜面と上面10との隙間(気体流通部13)の間隔は、同じく5mmとなる。なお、受ピン11の長さは5mmに限定されるものではなく、気体流通部13の必要な間隔に合わせて適宜設定することができ、受ピン11の数や配置も薄膜積層ガラス基板5の形状や大きさに合わせて適宜設定できるものである。
(気体供給部2)
また、上面10において前記中央部の受ピン11を囲む四箇所には、気体供給部2が設けられている。各気体供給部2は、上面10上において水平方向の全周方向に気体(本実施の形態においては空気)を射出することができる噴出部20と、噴出部20に気体を送る給気管21を備えている。なお、各噴出部20は各受ピン11より低くなるように設けられている。
これにより、各噴出部20は、各受ピン11で保持される薄膜積層ガラス基板5の下方の気体流通部13において、薄膜積層ガラス基板5の内側(非加工領域となる基板中央部分)から薄膜の膜面と平行に気体を供給することができる。なお、各噴出部20から噴出させる気体は、薄膜積層ガラス基板5中央部分の気体流通部13への粉塵等の流入を防ぐため、高圧の気体(圧縮空気等)を使用している。なお、気体としては、空気の他、例えばアルゴンやヘリウム等、無害で安全な気体を単一で、またはこれらを適宜割合で混合した混合気体として使用することもできる。
(気体吸引部3)
前記台部1は、四辺の側面部12を備えている。各側面部12近傍には、各気体供給部2から供給された気体と、薄膜積層ガラス基板5の加工部で生じた蒸発物やプラズマ、粉塵等を含む雰囲気を薄膜積層ガラス基板5の非加工領域側から薄膜51の膜面と平行に四辺方向へ流れるように吸引する気体吸引部3が設けられている。
各気体吸引部3は、吸気部30と気体噴射部31で構成されている。各吸気部30は、各側面部12の外側に側面部12ととやや隙間(気体流通部14)を設けて配されている。各吸気部30は、口部がラッパ状に拡がった形状の吸込具301に排気管302がつながれている構造である。各吸気部30は、図2に示すように長辺側の側面部12にはそれぞれ三箇所に設けられ、短辺側の側面部12にはそれぞれ二箇所に設けられている。
前記気体噴射部31は、各側面部12に設けられている。各気体噴射部31は、噴射ノズル311と、噴射ノズル311に気体を送る給気管312を備えている。各噴射ノズル311は、噴射口の幅が各側面部12の幅とほぼ同じ長さになるように設けられており、各噴射ノズル311の噴射方向は各吸込具301へ向けられている。
各気体噴射部31の噴射ノズル311から各吸込具301へ向け気体が高速で噴射されることにより、その周囲の気体は負圧となり(ベルヌーイの法則による)、気体流通部13、14において気体に流れをつくる。この気体により、ガラス基板の加工部で生じた蒸発物やプラズマ、粉塵等を含む雰囲気が取り込まれ、さらに各吸込具301で吸引され、排気管302を通り外部へ排出される。
(レーザ走査部4)
レーザ走査部4は、薄膜積層ガラス基板5のガラス板50側からガラスを通し加工部にレーザを当てて薄膜の不要部分を除去するものである。レーザ走査部4は、加工される薄膜積層ガラス基板5の四辺部に対応して、それらの上方四箇所に設けられている。
各レーザ走査部4は、レーザ発振器40と、光学系の二台のガルバノメータミラー41を備えている。レーザ発振器40は比較的低出力であり、本実施の形態では平均出力200Wのものが採用されている。
レーザ発振器40に低出力のものを採用することにより、レーザによりガラス基板にクラック等の熱影響による損傷が生じることを防止することができる。また、加工点でのガラス基板の温度上昇を抑制することができ、熱の影響を低減することができ、なおかつ加工時に発生する除去物である薄膜51の気化やプラズマ化を抑制することができる。
なお、レーザ走査部4は低出力のレーザを用いて加工を行うため、高出力のレーザを用いた場合よりも加工処理能力は低下するので、これを改善するためにレーザのスポット部P(図3参照)の径を微小に絞り、ガルバノメータミラー41によりレーザを高速に走査できるようにして十分な処理能力を発揮できるようにしている。
(作用)
図1ないし図3を参照して薄膜積層ガラス基板用薄膜除去装置Aの作用及び薄膜積層ガラス基板の薄膜を除去する方法を説明する。
なお、図1、図2における矢印は、気体や雰囲気の流れを表したものである。
加工される薄膜積層ガラス基板5は、ガラス板50と、その一方側の表面に積層されておりデバイス(図示省略)が設けられている薄膜51で構成されている。
薄膜積層ガラス基板用薄膜除去装置Aにおいては、まず各受ピン11によって薄膜積層ガラス基板5がデバイスが設けられている薄膜51を下側にして載置保持される。
次に、薄膜積層ガラス基板5の下方において、気体供給部2の噴出部20から気体流通部13に空気が供給される。この空気は、雰囲気と共に薄膜積層ガラス基板5の内側の非加工領域側から薄膜51の膜面と平行に供給される。
前記空気の供給と同時に、台部1の各側面部12近傍の気体吸引部3によって、気体流通部13、14にある、気体供給部2で供給された気体と、それを含む周囲の雰囲気を吸い込む。これにより、薄膜積層ガラス基板5の下方において、非加工領域である薄膜積層ガラス基板5の内側から各辺部の外側へ向かう雰囲気の流れがつくられる。
次に、気体流通部13、14における雰囲気の流れを維持した状態で、レーザ走査部4によって薄膜積層ガラス基板5のガラス板50側からガラス板50を通し加工部にレーザを当てて薄膜の不要部分を除去するように走査する。
レーザ走査部4によるレーザの走査は、薄膜積層ガラス基板5の各辺部(四辺部)が同時に行われる。この走査は、図3に示すように薄膜積層ガラス基板5の各辺と平行に行われ、一回の走査により線状の加工を行う。この線状の加工を線幅の分ずらし往復を繰返してレーザを走査していくことで、面状の加工を行うことができる。図3では、各辺における走査範囲が両端部において一部が重なるようにしているが、より広い範囲で重なるようにしてもよいし、薄膜51の残りが生じないのであれば重ならないようにしてもよい。
なお、図3においては、図示の便宜上、走査線間に隙間を設けて表している。
その際、最初のレーザの走査箇所は、対象となる加工部分において薄膜積層ガラス基板5の中央に近い位置とする。その後、レーザの走査する位置を徐々に薄膜積層ガラス基板5の外側に移動させて加工を行う。すなわち、前記加工は、時系列的に薄膜積層ガラス基板5の中心部より徐々に外側に向けて拡張していくことになる。
これによれば、上流側の加工点Pで発生した蒸発物等は、万一下流側で薄膜51の膜面に付着したとしても、付着した部分はその後レーザで加工され、最終的には除去されるので、蒸発物等が付着したまま膜面に残る可能性を排除できる。
レーザは、ガラス板50内部を透過した後、ガラス板50に積層されている薄膜51の加工点Pで吸収され、熱的なエネルギーに変換される。これによって、薄膜51は蒸発物やプラズマ、またはその衝撃による固体状の粉塵となり、ガラス板50から除去される。
その際、発生した蒸発物やプラズマ、粉塵等は、前記流れを維持している雰囲気中に浮遊するか、または重力で薄膜積層ガラス基板5下方へ落下し飛散する。
なお、レーザ走査部4のパルスレーザ発振器40の平均出力は200Wであるので、加工点Pにおいて発生する熱を抑えることができ、薄膜積層ガラス基板5にレーザの熱による微細なクラック等の損傷が生じにくいようにすることができる。また、薄膜51の加工点Pの温度上昇を抑制して熱の影響を低減することができるので、加工点Pにおける薄膜51の気化やプラズマ化を抑制することができる。
蒸発物等のうち重力で下方へ落下し飛散するものは、上方にある薄膜積層ガラス基板5の薄膜51の膜面に付着することはない。また、蒸発物等のうち雰囲気中に浮遊するものは、雰囲気に捕捉されて雰囲気と共に、上方にある薄膜積層ガラス基板5の薄膜51の膜面と平行に送られ、薄膜51に付着することなく薄膜積層ガラス基板5の内側の非加工領域側から各辺部の外側へ送られ、気体吸引部3によって外部へ排出される。
このように薄膜積層ガラス基板用薄膜除去装置Aによれば、薄膜積層ガラス基板5においてデバイスが設けられている薄膜51の不要部分をガラス板50から除去することができる。
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
A 薄膜積層ガラス基板用薄膜除去装置
1 台部
10 上面
11 受ピン
12 側面部
13 気体流通部
14 気体流通部
2 気体供給部
20 噴出部
21 給気管
3 気体吸引部
30 吸気部
301 吸込具
302 排気管
31 気体噴射部
311 噴射ノズル
312 給気管
4 レーザ走査部
40 レーザ発振器
41 ガルバノメータミラー
5 薄膜積層ガラス基板
50 ガラス板
51 薄膜

Claims (5)

  1. 薄膜積層ガラス基板(5)においてデバイスが設けられている薄膜(51)の不要部分をガラス板(50)から除去する装置であって、
    薄膜(51)を下側にして薄膜積層ガラス基板(5)を保持する保持部(11)と、
    薄膜積層ガラス基板(5)のガラス板(50)側からガラス板(50)を通し加工部にレーザを当てて薄膜(51)の不要部分を除去するレーザ走査部(4)と、
    薄膜積層ガラス基板(5)の下方において薄膜積層ガラス基板(5)の非加工領域側から薄膜(51)の膜面と平行に気体を供給する気体供給部(2)と、
    気体供給部(2)で供給された気体と、薄膜積層ガラス基板(5)の加工部で生じた蒸発物やプラズマ、粉塵等を含む雰囲気を薄膜積層ガラス基板(5)の非加工領域側から薄膜(51)の膜面と平行に各辺方向へ流れるように吸引する気体吸引部(3)と、
    を備えている、薄膜積層ガラス基板の薄膜除去装置。
  2. レーザ走査部(4)によるレーザの走査は、薄膜積層ガラス基板(5)の加工部において薄膜積層ガラス基板(5)の辺部とほぼ平行に往復走査しながら気体の流れの方向と同じ方向へ移動させて、加工部の全面について行うようにしてある、
    請求項1記載の薄膜積層ガラス基板の薄膜除去装置。
  3. 薄膜積層ガラス基板(5)においてデバイスが設けられている薄膜(51)の不要部分をガラス板(50)から除去する方法であって、
    薄膜(51)を下側にして薄膜積層ガラス基板(5)を保持し、
    薄膜積層ガラス基板(5)の下方において薄膜積層ガラス基板(5)の非加工領域側から薄膜(51)の膜面と平行に気体を供給し、
    薄膜積層ガラス基板(5)のガラス板(50)側からガラス板(50)を通し加工部にレーザを当てて薄膜(51)の不要部分を除去し、
    供給された気体と、薄膜積層ガラス基板(5)の加工部で生じた蒸発物やプラズマ、粉塵等を含む雰囲気を薄膜積層ガラス基板(5)の非加工領域側から薄膜(51)の膜面と平行に各辺方向へ流れるように吸引する、
    薄膜積層ガラス基板の薄膜除去方法。
  4. レーザの走査は、薄膜積層ガラス基板(5)の加工部において薄膜積層ガラス基板(5)の辺部とほぼ平行に往復走査しながら気体の流れの方向と同じ方向へ移動させて、加工部の全面について行う、
    請求項3記載の薄膜積層ガラス基板の薄膜除去方法。
  5. 平均出力が200W以下のパルスレーザ発振器より出射されたレーザを使用して薄膜の不要部分を除去する、
    請求項3または4のいずれかに記載の薄膜積層ガラス基板の薄膜除去方法。
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