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JP4358137B2 - 切削加工時の異常振動診断方法および異常振動診断システム - Google Patents
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切削加工時の異常振動診断方法および異常振動診断システム Download PDF

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Description

本発明は、切削加工時の異常振動診断方法および異常振動診断システムに関し、特に、エンドミル加工などの切削加工において発生する異常振動の要因が工具にあるか否かを判定する診断方法および診断システムに関する。
切削加工においては、多かれ少なかれ加工点において振動が発生する。これに伴い加工点から音が発生することとなり、これが切削音と呼ばれる。特に、断続切削や、工具や被削材の剛性不足等に伴って発生するびびり振動の状態においては、大きな切削音が生じることがよく知られている。このようなびびり振動は、切削音のほか、仕上げ面の劣化、工具刃先の損傷加速といった悪影響を及ぼし易い。
上記のようなびびり振動は経験的に、工具系の剛性が高く、被削材系の剛性が低い場合、逆に工具系の剛性が低く、被削材系の剛性が高い場合に生じ易いとされており、剛性の低い側が大きく振動することとなる。このため、びびり振動を防ぐには、切削条件の調整のほか、被削材系・工具系のいずれか、あるいは両方の機械的特性を調整することが必要となる。
工具系に関する機械的特性の調整としては、工具系の減衰性を向上させたり、超硬合金等により剛性を向上させるといった特徴を有する防振型の工具が用いられることが多い。防振型工具は通常の工具よりも高価であるため、使用する場合には確実に効果が出ることが期待されるが、実際には効果が現れない場合も多々ある。その主な原因の1つとして、被削材側が大きく振動しているケースを挙げることができる。この場合には防振型工具を使用するような工具側の対策で効果を出すのは困難となる。そこで、防振型工具を使用する前に、事前に振動の要因を特定し、効果発現の可能性を見極めることが重要になってくる。
特許第3249111号公報 特開2002−139377号公報
上述のように切削音は振動の結果現れるものであり、切削中の振動の状態を反映したものとなるため、音の解析は振動を評価する上で有効であると考えられる。切削音の評価に関しては、これまでにも多くの研究・発明がなされており、たとえば特許第3249111号公報では、複数のマイク(マイクアレイ)を使用して環境音成分を排除し、実際の切削音のみを抽出し、それらの経時的変化から工具摩耗の進展を推定する手法が開示されている。しかし、単純に切削音の解析を行っただけでは、いずれの箇所が異常振動の原因となっているかを特定することができない。
他方、振動箇所を特定するための解析は切削加工以外においても有効であり、以前より試みられている。たとえば特開2002−139377号公報では、評価対象に対して複数の音センサを取付け、評価点での機器の異常音の周波数を特定し、その周波数において複数の音センサのエネルギー比から各箇所の異常音に対する寄与割合を求めることで、異常音の発生部位を特定するという方法を提示している。
しかし、加工現場で評価を実施するには上記の方法はあまりにも複雑かつ大掛かりであり、実際の使用上は簡便な方法が要望される。また、切削加工中は工具と被削材は接しており、たとえ複数のマイクを使用しても、それぞれの発する切削音を抽出することは困難である。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、切削加工のような加工時の異常振動の原因の系を特定し、防振型工具の効果発現可能性を見極めることが可能となる切削加工時の異常振動診断方法および異常振動診断システムを提供することを目的とする。
本発明に係る切削加工時の異常振動診断方法は、切削加工中に発生する切削音の周波数分析を行い切削音の主要振動周波数を特定するステップと、振動中の工具の加速度もしくは変位を測定して周波数分析を行い工具の主要振動周波数を特定するステップと、振動中の被削材の加速度もしくは変位を測定して周波数分析を行い被削材の主要振動周波数を特定するステップと、工具と被削材の主要振動周波数の少なくとも一方と、切削音の主要振動周波数とを比較することで切削音の発生原因が、工具、被削材、これら以外のいずれにあるかを判定するステップとを備える。なお、上記工具、被削材それぞれの主要振動周波数を切削音の主要振動周波数と比較することが望ましい。また、切削音の周波数分析は、切削音を録音して行ってもよい。さらに、工具や被削材の加速度や変位の測定は、切削加工中に行ってもよく、ハンマなどで工具や被削材を振動させて行ってもよい。
また、上記主要振動周波数を特定するステップは、解析周波数帯域を複数の帯域に分割し、各帯域の中で上記周波数分析により得られた評価値(成分値:音声成分値や振動成分値)が最大となる帯域を主要振動周波数帯域として選定するステップを含むものであってもよい。ここで、「評価値が最大となる帯域」とは、評価値の積分値が最大となる帯域をいう。
上記切削音の主要振動周波数を特定するステップは、切削音の周波数分析の際に非切削時の加工点付近の音を測定することにより切削音以外の音声成分を除去するステップを含むことが好ましい。切削音以外の音声成分を除去するには、たとえば切削時と非切削時の加工点付近の音を測定してそれぞれ周波数分析を行い、切削時の各周波数における評価値(成分値)から非切削時の各周波数における評価値(成分値)を差し引けばよい。
記工具の主要振動周波数と、被削材の主要振動周波数との比の値に応じて切削音の発生原因の判定基準を異ならせ。たとえば、工具の主要振動周波数と被削材の主要振動周波数とにおいて、主要振動周波数の値が大きい側を主要振動周波数の値が小さい側で除し(値が大きい側の主要振動周波数/値が小さい側の主要振動周波数)、この比の値に応じて切削音の発生原因の判定基準を異ならせることが考えられる。
本発明に係る切削加工時の異常振動診断システムは、切削加工中に発生する切削音データと振動中の工具および被削材の振動データを登録するとともに診断結果を出力するデータ入出力部と、切削音および工具、被削材の振動データの周波数分析を行う周波数分析部と、該周波数分析部から出力されたデータから切削音、工具および被削材の主要振動周波数を抽出する主要振動数抽出部と、切削音の主要振動周波数と、工具と被削材の少なくとも一方の主要振動周波数とを比較して、切削加工時の異常振動の発生原因が、工具、被削材、これら以外のいずれにあるかを判定する比較部とを備える。
上記切削音データは具体的には音圧の時系列のデジタルデータであり、上記振動データは加速度または変位の時系列のデジタルデータであり、これらの時系列データとサンプリング周波数が上記データ入出力部に入力されるものとする。また上記主要振動数抽出部は解析周波数帯域を複数の帯域に分割し、各帯域の中で切削音成分が最大となる帯域の中心値を切削音の主要振動周波数として特定するものであってもよい。
本発明によれば、加工点から発する切削音と、工具と被削材の少なくとも一方の振動状態から、加工中の振動の主体が工具、被削材、あるいはこれら以外のいずれにあるかを判別することができる。したがって、加工中の振動を抑制するための対策が立て易くなり、たとえば高価な防振型工具を導入すべきか否かを簡便に判断可能であり、無駄な投資を効果的に抑制することができる。
以下、図1〜図4を用いて、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における切削加工時の異常振動診断方法のフロー手順を示す図である。
図1に示すように、まず切削音の測定と、工具の振動測定と、被削材の振動測定とを行う。これらの測定は同時に行ってもよい、個別に行ってもよい。切削音の測定と、工具の振動測定と、被削材の振動測定とを個別に行う場合、いずれを先に測定してもよい。
切削音の測定は、切削加工点近くにマイクロフォンを設置して行う。そして、該マイクロフォンを用いて切削音を録音する。たとえばパーソナルコンピュータに上記のマイクロフォンを接続して切削音を録音することにより、切削音のデータをWAVE形式のファイルとして簡便に取り込むことが可能である。このようにして得られた切削音のデータを、時系列の音圧データとして登録する。
なお、びびり振動の周波数は、高い場合には数kHzのレベルであることから、マイクロフォンとしては10kHz程度まで音声を録音可能なものを使用することが望ましい。
また、切削音測定の際には、工作機械のモータなどから発せられる音や、周囲環境からの騒音なども同時に録音されてしまう。高周波のびびり振動が発生しているような場合には、一般に他の音とは周波数帯域が大きく異なり、かつ音声レベルが非常に高くなるので、単純に加工点付近を測定しただけでも充分切削音を測定することは可能である。しかし、比較的振動レベルが低い場合や周辺騒音が大きい場合などには、切削音以外の音と切削音との分離が困難となる。そこで、このような場合には、非切削時の加工点付近の音を測定しておき、その周波数分析結果を加工時の周波数分析結果から差し引くことで、切削音以外の音の成分を除去するようにすればよい。それにより、工作機械のモータ音などの切削音以外の音声成分を除去して評価することができ、より正確に切削音成分を評価することができる。
工具の振動測定は、工具先端に加速度ピックアップを取り付けることにより行うことができる。たとえば加工していない状態で、工具にハンマなどでパルス的な力を加えることによって、加速度ピックアップから出力される信号をアンプにて増幅し、レコーダに時系列の電圧データ(加速度データ)として登録する。他方、加工中の振動を測定するには、レーザ式などの変位計で測定する方法が挙げられる。
被削材の振動についても、工具の場合と同様の手法で測定可能である。具体的には、たとえば加速度ピックアップを被削材に取り付けて、加振時の加速度データを測定する。切削加工であれば、被削材は回転しないため、ハンマによる加振の他、切削加工中の振動を直接測定してもよい。この場合も、加速度ピックアップから出力される信号をアンプにて増幅し、レコーダに時系列の電圧データ(加速度データ)として登録する。
上記のように時系列の音圧データと、工具と被削材についての時系列の加速度データとを登録した後、周波数分析を行う。
音圧データの周波数分析は、FFT(Fourier Fast Transform)などの計算法を用いてコンピュータ上で行うことができる。このように音圧データの周波数分析を行うことで、切削音スペクトルを得ることができる。たとえばFFT計算法を用いて周波数分析を行った場合、図2(a)のようなスペクトルを得ることができる。
加速度データの周波数分析も、音圧データの場合と同様にコンピュータ上で行える。該加速度データの周波数分析により、加速度スペクトルを得ることができる。なお、アンプからの信号をFFTアナライザに入力して直接周波数分析結果を得るようにしてもよい。また、切削音についても周波数分析機能を有する騒音計などを用いて、直接周波数分析結果を得るようにしてもよい。
次に、主要振動周波数の特定を行う。つまり、切削音や、工具および被削材の振動の主たる振動周波数を特定する。単純には、解析対象周波数帯域の中で評価値(成分値:音声成分値や振動成分値)が最大値となる周波数を求めればよい。たとえば図2(a)のようなスペクトルでは、ピーク値となる周波数が、対象となる切削加工の主要振動周波数であると考えられる。この振動周波数での振動を抑制することで、加工中の異常な切削音を抑制することができ、また切削仕上げ面を向上することができ、さらには工具損傷をも抑制することができる。
ところが、図2(b)に示すようにピンポイントで特定の周波数にて高い値となった場合には、単に最大値を有する周波数を求めるだけでは主要振動周波数を特定することができない。つまり、最大値を有する周波数が必ずしも振動の主要周波数であるとはいえない場合がある。
そこで、このような場合には、次のような処理を行うことで、振動の主要周波数を特定することができる。すなわち、図2(c)に示すように、解析対象の周波数帯域を複数に分割する。そして、周波数帯域ごとの評価値(成分値:音声成分値や振動成分値)の積分値を求め、最も大きな値となった帯域を主要振動周波数帯域と特定する。帯域の分割については、たとえばマシニングセンター主軸にエンドミルなどの工具を取付けた場合、工具主軸系の固有振動数が数百Hzレベルであることが多いことから、たとえば5〜50Hz程度ずつに分割することが望ましい。このようにして主要な振動周波数帯域が得られれば、たとえばその中心値をそれぞれの主要振動周波数として設定する。かかる処理を行うことで、評価プロセスを自動化する場合に有利となる。
次に、上記の手法で得られた、切削音の主要振動周波数と、工具の主要振動周波数と、被削材の主要振動周波数とを比較する。切削加工の場合、旋削加工と違って工具系と被削材系の固有振動数が近いケースが生じ易い。そのため、値を比較しても確実な判断ができない場合がある。そこで、本実施の形態では、図3に示すルールに基づき、工具系と被削材系の主要振動周波数で小さい側をX(Hz)、大きい側をY(Hz)とした時に、1)Y/X>1.5、2)1.2<Y/X≦1.5、3)1≦Y/X≦1.2の3つのケースに分けて判断する。
まず、1)のケースでは、切削音の主要振動周波数を、工具や被削材の主要振動周波数と比較し、工具や被削材の主要振動周波数のいずれか一方の±20%の範囲なら、該当する側が異常振動の要因と判定し、その旨の診断結果が出力される。いずれの主要振動周波数にも該当しない場合は、工作機械や外部振動による外乱型の異常振動であると判定し、その旨の診断結果が出力される。
2)のケースでは、切削音の主要振動周波数がX,Yの中間になった場合、工具・被削材の両方の主要振動周波数から±20%の範囲にあることになる。そこで、切削音の主要振動周波数をZ(Hz)とした場合に、0.8X≦Z≦Xの場合、あるいはY≦Z≦1.2Yの場合にはそれぞれ該当する主要振動周波数の側を異常振動の要因と判定し、その旨の診断結果が出力される。逆に、X<Z<Yの場合には、いずれか一方との判断が難しいため、工具、被削材のいずれも異常振動の要因である可能性があると判断し、その旨の診断結果が出力される。それ以外の場合には外乱型の異常振動であると判定する。
3)のケースでは、工具、被削材の主要振動周波数がほぼ一致していると言える。そこで、0.8X≦Z≦1.2Yの場合には、工具、被削材のいずれも異常振動の要因である可能性があると判断し、それ以外の場合には外乱型の異常振動であると判定し、その旨の診断結果が出力される。
この診断結果を受けて、工具が原因である場合には、たとえば防振型工具などを採用することで振動発生を抑制し、被削材側が原因である場合には、被削材のチャッキングを変更するなどして被削材側の剛性を改善するなどの対策が有効となる。
(実施の形態2)
次に、図4を用いて、本発明の実施の形態2について説明する。図4は、上述の異常振動診断方法を実施可能な切削加工時の異常振動診断システムの一例を示す図である。
図4に示すように、本実施の形態2における異常振動診断システム10は、データ入出力部11と、本体システム部12と、周波数分析部13とを備える。
データ入出力部11は、システム利用者から入力された情報の受付を行うデータ入力部と、入力された情報形式の検査を行う情報形式検査部と、診断結果の出力を行うデータ出力部とを有する。
入力項目は、切削音のWAVE形式の電子ファイル、工具15と被削材16のそれぞれの時系列の加速度もしくは変位データの電子ファイルおよびそのサンプリング周波数である。なお、切削音の測定には、図4に示すように、パーソナルコンピュータに接続したマイクロフォン14を用いる。工具15の加速度データは、工具15に加速度ピックアップ18を取り付け、ハンマ17で工具15にパルス的な力を加えることによって測定する。被削材16の加速度データも、被削材16に加速度ピックアップ18を取り付け、ハンマ17で被削材16にパルス的な力を加えることによって測定する。
本体システム部12は、主要振動数抽出部と、比較部と、制御部とを有する。主要振動数抽出部は、切削音、工具15および被削材16の主要振動周波数を抽出し、比較部に入力する。該主要振動数抽出部は、好ましくは、解析周波数帯域を複数の帯域に分割し、各帯域の中で切削音成分の積分値が最大となる帯域の中心値を切削音の主要振動周波数として特定し、各帯域の中で工具15の振動成分の積分値が最大となる帯域の中心値を工具振動の主要振動周波数として特定し、各帯域の中で被削材16の振動成分の積分値が最大となる帯域の中心値を被削材振動の主要振動周波数として特定する。
比較部は、工具15、被削材16それぞれの主要振動周波数と切削音の主要振動周波数とを比較し、いずれかが一致するか否かを判断する。該比較部は、具体的には上記工具15および被削材16の主要振動周波数の周囲に一定の周波数帯域を設定し、それぞれの周波数帯域内に上記切削音の主要振動周波数が存在するかどうかを判断する。
制御部は、情報形式検査部にて情報形式の検査が行われた時系列音圧データ、時系列加速度データおよびサンプリング周波数を周波数分析部13に入力し、周波数分析部13にて得られた切削音スペクトル、工具振動スペクトルおよび被削材振動スペクトルを主要振動数抽出部に入力する。
また、制御部は、比較部による比較結果を出力部に送る。出力部では、たとえば比較部において各主要振動周波数を比較し、工具15の主要振動周波数が切削音の主要振動周波数と一致するとの結果が得られた場合、異常振動の原因が工具15側にあるとの診断結果をシステム利用者に提示する。
周波数分析部13は、時系列音圧データ、時系列加速度データ、サンプリング周波数に基づいてFFTなどの手法により周波数分析を行い、切削音スペクトル、工具振動スペクトルおよび被削材振動スペクトルを出力する。
次に、本発明の実施例について説明する。
SCM鋼のエンドミル加工による側面加工において大きな切削音が発生するとともに、仕上げ面にびびりマークが見られたことから、上述の診断方法を用いて原因追求を行った。
対象となるエンドミルは、φ10mmの2枚刃のものであり、鋼材のシャンク部に超硬合金の刃部をろう付けしたろう付けエンドミルである。エンドミル先端に加速度ピックアップを取付け、ハンマでパルス的に衝撃を加えて、時系列の加速度データを測定し、次に同様にして被削材に加速度ピックアップを取付け、ハンマでパルス的に衝撃を加えて、時系列の加速度データを測定した。その上で、上記エンドミルを用いて切削加工を行い、その際の切削音を測定した。そして、切削音データと、エンドミルおよび被削材の加速度データとの3つのデータを周波数分析して、解析対象の周波数帯域(〜2000Hz)を20Hzずつに分割し、各帯域での成分値を比較した結果、工具の主要振動周波数が310Hz、被削材の主要振動周波数が450Hzであった。また、切削音を同様に周波数分析したところ、切削音の主要振動周波数は290Hzであった。よって、被削材と工具の周波数比(被削材の主要振動周波数/工具の主要振動周波数)は、約1.45であり、前述のケース2)に該当することとなる。また、切削音の主要振動周波数は、工具の主要振動周波数の約93%であることから、工具の主要振動周波数よりも小さく、かつ工具の主要振動周波数の80%以上となっている。このことから、工具系の振動が切削異常音、すなわち異常振動の主要な原因であると考えられる。
そこで、実際に高価ではあるが剛性が大きく防振性の高い超硬ソリッドエンドミルを用いて加工したところ、切削異常音は低下し、仕上げ面性状も良好となった。
以上のように、本実施例の診断方法によれば、異常切削音の原因が、工具、被削材、これら以外のいずれにあるかを簡便に診断することが可能となる。この診断結果に基づき、たとえば防振工具を使用することによる効果の有無を予め予測することができ、振動抑制に対し効率的な投資が可能となる。
上述のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上記の各実施の形態および実施例の構成を適宜組合わせることも当初から予定されている。
また、本発明は上記の実施の形態および実施例に限定されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。
本発明は、切削加工時の異常振動診断方法および異常振動診断システムに有効に適用される。
本発明の実施の形態1における切削加工時の異常振動診断方法のフロー手順を示す図である。 (a)〜(c)は、周波数分析により得られたスペクトル例を示す図である。 本発明の実施の形態1における切削加工時の異常振動の判定方法を模式的に示す説明図である。 本発明の実施の形態2における切削加工時の異常振動診断システムの概略構成図である。
符号の説明
10 異常振動診断システム、11 データ入出力部、12 本体システム部、13 周波数分析部、14 マイクロフォン、15 工具、16 被削材、17 ハンマ、18 加速度ピックアップ。

Claims (4)

  1. 切削加工中に発生する切削音の周波数分析を行い、前記切削音の主要振動周波数を特定するステップと、
    振動中の工具の加速度もしくは変位を測定して周波数分析を行い、前記工具の主要振動周波数を特定するステップと、
    振動中の被削材の加速度もしくは変位を測定して周波数分析を行い、前記被削材の主要振動周波数を特定するステップと、
    前記工具と前記被削材の主要振動周波数の少なくとも一方と、前記切削音の主要振動周波数とを比較することで、前記切削音の発生原因が、前記工具、前記被削材、これら以外のいずれにあるかを判定するステップとを備え
    前記工具の主要振動周波数と前記被削材の主要振動周波数との比の値に応じて前記切削音の発生原因の判定基準を異ならせた、切削加工時の異常振動診断方法。
  2. 前記主要振動周波数を特定するステップは、解析周波数帯域を複数の帯域に分割し、各帯域の中で前記周波数分析により得られた評価値が最大となる帯域を主要振動周波数帯域として選定するステップを含む、請求項1に記載の切削加工時の異常振動診断方法。
  3. 前記切削音の主要振動周波数を特定するステップは、前記切削音の周波数分析の際に非切削時の加工点付近の音を測定することにより切削音以外の音声成分を除去するステップを含む、請求項1または請求項2に記載の切削加工時の異常振動診断方法。
  4. 切削加工中に発生する切削音データと振動中の工具および被削材の振動データを登録するとともに診断結果を出力するデータ入出力部と、
    切削音工具および被削材の振動データの周波数分析を行う周波数分析部と、
    前記周波数分析部から出力されたデータから前記切削音、前記工具および前記被削材の主要振動周波数を抽出する主要振動数抽出部と、
    前記切削音の主要振動周波数と、前記工具と前記被削材の少なくとも一方の主要振動周波数とを比較して、切削加工時の異常振動の発生原因が、前記工具、前記被削材、これら以外のいずれにあるかを判定する比較部とを備え
    前記工具の主要振動周波数と前記被削材の主要振動周波数との比の値に応じて前記切削音の発生原因の判定基準を異ならせた、切削加工時の異常振動診断システム。
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