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JP4359560B2 - フラッシュメモリの消去方法及びその装置 - Google Patents
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Description

本発明は、一般に、フラッシュメモリの消去方法及びその装置に関し、特に、不揮発性メモリデバイスのメモリアレイに対する消去操作であって、フラッシュメモリのトンネル酸化膜内にトラップされたホールの数を低減することができる方法及び装置に関する。
図1は、従来のフラッシュメモリセル100の断面図を示す。メモリセル100は、基体102、ソース104、制御ゲート108、二酸化シリコン(SiO2)の絶縁膜100によって電気的に絶縁されたフローティングゲート106、及びドレイン112を有する。従って、メモリセル100は、基本的に、フローティングゲートが付加されたnチャネルトランジスタである。フローティングゲート106に対する電気的アクセスは、フローティングゲート106を囲むSiO2膜と、ソース104、ドレイン112、チャネル105及び制御ゲート108との間に接続されたキャパシタを通じて行われる。フローティングゲート106に与えられた電荷は、Si−SiO2における固有のエネルギー障壁によって保持され、これがメモリセルの不揮発性の性質をもたらしている。
フラッシュメモリセルをプログラミングするとは、電荷(例えば電子)をフローティングゲート106に付加することを意味する。制御ゲート電圧を高レベルにすると共に、ドレインにソースバイアス電圧よりも高レベルの電圧を与える。ゲート電圧はチャネルを反転し、その間、ドレインバイアスは、電子をドレインに向けて移動させる。電子がチャネルを横切る過程において、電子は、シリコンの格子に衝突し、その移動方向がSi−SiO2の界面に向けられることになる。移動方向が切り換えられた電子のうちのいくつかは、ゲート電圧によって発生している電界によって、酸化膜を通過し、フローティングゲートに到達する。プログラミングが完了し、電子がフローティングゲートに付加された後、セルのしきい値は増加することとなる。プログラミングは選択的な操作であって、それぞれ特定のセルに対して行われる。
フラッシュメモリの読み出しは以下のようにして行われる。プログラムされたセルは、フローティングゲートへの電荷の増加によってターンオン電圧V1が増加している。制御ゲート電圧を与え、ドレイン電流をモニタすることによって、フローティングゲートに電荷が蓄積されたセルと蓄積されていないセルとの違いがわかる。センスアンプは、セルのドレイン電流と参照用セル(例えば製造テスト中に参照用レベルがプログラムされたフラッシュセル)のドレイン電流とを比較する。消去されたセルは、参照用セルよりも多くのセル電流が流れ、従って、論理「1」である。これに対して、プログラミングされたセルは、参照用セルよりも少ないセル電流が流れ、従って、論理「0」である。
フラッシュメモリを消去するとは、電荷(電子)をフローティングゲートから離脱させることを意味する。フラッシュメモリの消去は、多くのセルに対して、一度に電圧を印加することによって行われ、これにより、多くのセルが瞬間(flash)的に消去されることとなる。典型的なフラッシュメモリの消去操作は、正電圧をソース104に印加し、負電圧又は接地電圧を制御ゲートに印加し、メモリセルの基体を接地電圧に保持することによって行われる。ドレイン112は電位的にフローティング状態とされる。この状態下において、高電界(8〜10MV/cm)がフローティングゲートとソース間に与えられる。消去の間、ソース接合部分はゲートダイオード状態となり、電子は最初に数オングストロームのSiO2をトンネル通過し、次いで、ソース内に一掃される。消去が完了すると、電子はフローティングゲートから離脱移動し、しきい値Vtが低下する。プログラミングは選択的に特定のセルに対して行われるが、消去はそうではなく、多くのセルがいっせいに消去されることになる。
フラッシュメモリにおけるストレス誘起リーク電流(SILC)は、不正規の低電圧においてフローティングゲートから該フローティングゲートを囲む酸化膜を通じてトンネリングするときに生じる。これは、メモリセルに対して読み出し、書き込み及び消去の操作が何度も繰り返し行われて、すなわち、ストレスがかかる結果、ホールがフラッシュメモリのトンネル酸化膜内にトラップされることによって生じ、メモリの機能が著しく低下する。SILCは、フラッシュメモリの設計者や製造者に大きな難題を与え、しかも、デバイスの小型化傾向、フローティングゲートを囲む酸化膜の薄膜化という大きな課題もある。
SILCの問題を解決すべくいくつかの解決策が提案されている。例えば、Nウェルの内側に順番に形成されたPウェルの内側にメモリセルが形成されたトリプルウェル構造のチャネルを有するフラッシュメモリが提案されている。しかし、トリプルウェル構造は、複雑な製造工程が増えメモリエリアも増加する。従って、デバイスの繰返し動作によって生じるSILCを低減するためのフラッシュメモリの方法と装置が必要である。
上述した理由と以下に述べる付加的な理由のために、フラッシュメモリの消去のための改良された方法と装置に関する技術が必要である。このことは、当業者がこの明細書を読んで理解することで、明らかになるであろう。従来のフラッシュメモリの上述した問題及びその他の問題は、本発明によって解決される。本発明の少なくとも一部は、以下の明細書を読んで研究することによって理解されるであろう。
これらの実施の形態は、特定の電子的な要素を使用して表しているが、本発明を実施するためにその他の回路要素が使用され得ること、並びに本発明が開示された回路要素の配置に限定されないことは、また、本発明が、フラッシュメモリ回路以外のデバイスにおけるメモリを消去する場合にも適用されることを当業者によって理解されるであろう。このように、本発明は、フラッシュメモリを消去するための方法及び装置に制限されない。
詳細な説明
図1は、n+型ソース104、p型チャネル105、n+型ドレイン112及びp型基体102を有する従来のフローティングゲートメモリセル100を示す。フローティングゲート106は、チャネル105上において絶縁膜110と薄膜のトンネル酸化膜114間にサンドイッチされている。フローティングゲート106は、フラッシュメモリ内のメモリ素子であり、該メモリセルの他の素子から電気的に絶縁されている。制御ゲート108は、フローティングゲート106上であって、かつ、絶縁膜110のトップに位置されている。
図2は、本発明に係るフラッシュメモリ200の概略回路図を示す。フラッシュメモリ200は、読み出し、書き込み及び消去などのメモリの操作を制御するための制御回路202、列デコーダ204、センスアンプ/ビット線ドライバ206、カラムマルチプレクサ218、ワード線212、メモリアレイ210、ビット線208及びワード線ドライバ216を含む行デコーダ214を有する。
従来例に係るフラッシュメモリにおける消去操作ための電圧パルスのシーケンスの例を図3に示す。図示されるように、ゲート−基体電圧が約−10Vに低下すると同時に、ソース−ドレイン電圧が、約5V乃至6Vに増加している。その電位差は、約10msほど保持され、その後、急峻に0Vまで放電する。この電圧値のコンビネーションは、フローティングゲート106とソース104間のトンネル酸化膜114を横切る電界を誘発させ、これにより、フローティングゲート106から電子が移動するというトンネリングが生じ、メモリセルを消去するという効果をもたらす。しかしながら、それと同時に、基体102とソース104間の接合部分における逆バイアス電圧がトンネル酸化膜114にホールを注入し、その注入されたホールのいくつかがトンネル酸化膜114内にトラップされるという現象が発生する。トラップされたホールのいくつかは消去操作の終了時点及び/又は次のプログラミングの後において中和されずに残る。トンネル酸化膜114内にトラップされたホールは、障壁を低下させ、低電界において電子をフローティングゲート106からトンネル酸化膜に注入するという影響をもたらし、その結果、SILCやチャージ損失又はフラッシュメモリセルのゲインに関連するSILCを引き起こす。
1層目のポリシリコンによるゲートが並列に接続された4096フラッシュメモリのアレイにおけるSILCの例を図4に示す。曲線201は、初期段階のストレスがかかっていないアレイのトンネル電流−電圧の特性(IP1−VP1特性)を示すもので、基体とソースを接地とし、1層目のポリシリコンによるゲートに印加される電圧を負電圧方向に掃引(電圧掃引)したときの特性を示す。曲線201に示されるように、初期段階のストレスがかかっていないアレイは、ゲート−基体間の電位差が−10Vまでリーク電流は生じていない。曲線202は、ストレスがかかった結果、すなわち、フローティングゲートセルのアレイに連続的に消去−書込みサイクルを行ったアプリケーションの結果を示す。この例では、一定電圧のストレス、すなわち、200秒にわたって、ゲート−基体間が−10Vに保持され、ソース−基体間が6Vに保持されるという高い逆バイアスによるストレスがかかるように設定されている。曲線202は、アレイに対するストレス後、リーク電流が不正規の低電圧である約−7Vで始まっていることを示している。曲線203、204及び205は、連続的に電圧を掃引し、ストレス電圧を移動させた場合を示し、基体とソースを接地電圧に保持して、ゲート電圧をさらに負電圧に向けて連続的に掃引した場合を示す。アレイのソース−基体間を横切る電圧を0Vにし、ゲート電圧を掃引した結果、曲線203、204及び205に示すように、SILCが抑圧され、トンネリングの開始がゲート−基体間の負電圧のより高い方向(絶対値が高い方向)にシフトしている。それぞれの連続した電圧掃引曲線に示すように、トンネリングの開始が高い電圧に向かって戻っており、これはSILCがより効果的に抑圧されていることを示す。
上述した結果に基づき、SILCを生成する質的モデルやSILCを抑圧する質的モデルが考え得る。SILCは、ゲート−ソース間に形成されるダイオード(ゲートダイオード)に高い逆バイアス電圧が印加されて、ゲート酸化膜を横切るトンネリング電流が低くなることで生成され、拡大する。この状態は、ホールの生成とホールのゲートダイオードへの注入に都合がよい。一方、SILCは、ゲート−ソース間のダイオードが高いトンネリング電流であるとき、すなわち、ゲート酸化膜を横切るトンネリング電流が高く、ソース接合部に向かう逆電流バイアスが0あるいは低い場合に、抑圧され得る。
上述したモデルに基づいていくつかのアプローチが考えられる。1つの可能性として、消去パルスの終了時点でゲートに高い負電圧を印加し、ソースに高い正電圧をかけて一定のトンネリング状態を与えることによって、消去パルスを印加している間にトラップされたホールを中和する方法がある。この従来のアプローチを図5に示す。図示するように、10msの消去期間において、パルス幅が約3msで振幅6Vの2つの正電圧パルスがソース(Vs)に印加される。2番目の正のソースパルスと同時に基体にも正電圧6Vのパルスが印加される。10msに消去期間にわたって、ゲート−基体間電圧(VG)は−10Vに保持される。基体への正電圧パルスの印加によって、単一ステップによるチャネル消去というを消去処理が実現される。しかしながら、これは、3層ウェルの内部にメモリアレイを構築するという複雑な構造を加える必要がある。
また、チャネル消去状態は、通常の消去パルスが印加された後、ソースが基体(グランド)と同じ電位にバイアスされる間に、絶対値が高い方向に向かう負の付加的な電圧パルスをゲート(ワード線)に与えることによって実現される。この処理を図6に示す。図示されるように、10msの期間に、約5Vの正電圧パルスがソースと基体間に印加される。それと同時に、ゲート−基体間電圧が−10Vとされる。10msの期間の終了時点において、ソース−基体間電圧は0Vまで低減され、ゲートと基体間の電圧は、−15Vまで負電圧であって絶対値が高い方向に増加し、付加的な5msの期間にわたって、その電位が維持される。このアプローチは、アレイを取り囲む3層のウェルなしにフラッシュメモリを実装することができるが、特別の消去時間が別途必要であることと、絶対値の高い負電圧を印加しなければならないという点で不利である。
さらに改善されたアプローチを図7Aに示す。このアプローチは、通常の消去パルスの終了時点において、制御ゲート(ワード線)に対する負電圧が維持されている間に、ソースを基体の電位に向けて放電することにある。図示されるように、10msの期間に、約5Vの正電圧がソースと基体との間に印加される。同時に、ゲート−基体間電圧は−10Vとされ、それが10msの期間保持される。10msの期間の終了時点において、ソース−基体間の電位は、ミリセカンドのわずかにて急速に放電され、ゲート−基体間の負電圧の放電は、1〜100msのレンジの時間だけ遅延される。この期間に負電圧はフローティング状態となり、負方向への変動が終了した時点でその電圧が決定される。従って、ワード線の負方向への超過電圧は次の段落で説明されるいわゆる「負のゲートブートストラップ」を引き起こす。この場合、ソース−基体間電圧の急速な降下は、フローティングゲートや制御ゲート上と効果的につなぎ、これらを負方向への移動操作によって印加された電圧よりも負にさせる。従って、ソース−基体間が0Vにバイアスされると共に、ワード線とフローティングゲート間の絶対値が高い負の電圧とされた所望の状態は、より絶対値が高い負の電圧や消去処理のための付加的な時間を必要とせずに、一時的なバイアスで実現できる。
図7Aは、1ミリセカンドのわずかの時間あるいはそれよりも速い時間に強制的な放電を実行する場合のゲート電圧VGSubの予期された時間的遷移を示す。ソース(VSSub)の放電後であって、かつ、ゲートの強制放電前におけるゲート電圧VGSub波形の負のゲート電圧の超過分とその段階的な減少は、一時的で、かつ、その後に制御ゲート(ワード線)の電位がフローティングとなる期間において自然に減少するソースVSSubの容量結合を提供する。減少の時間レートはゲートの全リークに基づく。全リークは、メモリアレイの周辺における各セルの制御ゲート、すなわち、ゲート線を駆動するトランジスタの構成やレイアウトによって決まる。図4に示されるトンネル酸化膜を介しての制御ゲートのリークは、制御ゲートに対するリークに寄与しないため、図7Aにおけるゲート電圧VGSubの減少の時間レートに影響を及ぼさない。
周辺におけるワード線ドライバが各行のメモリセルにおけるソースと制御ゲート(ワード線)間の容量よりも低い寄生容量を有し、低リークとなる範囲で、ゲート電圧の超過分を大きく、より長い時間だけ保持することができる。無視できる程度の寄生容量とVSSubの速い放電の限度内において、負のゲート電圧の超過部分の最大振幅をソース電圧の振幅の絶対値と等しくされる。一方、ワード線ドライバのリークが理想的にゼロであれば、負のゲート電圧の超過部分は、外部回路によって接地電位まで強制的に放電されなければ、減少することなく永久に保持されると推測される。
従って、メモリ回路の設計を上述された3つの条件、すなわち、
1.VSSubのための速い放電(1msよりも速い)、
2.低いワード線ドライバの寄生容量(1〜10fFオーダーあるいはそれよりも低い)、
3.同じワード線ドライバの低いドレインリーク(pAオーダー)、
で実行すれば、図7Aの波形によって示される各消去パルスは連続した2つの消去メカニズム(ソース消去とチャネル消去)に関連したものとなり、各消去メカニズムの関連する継続時間は、個々のメモリの設計仕様に応じ、設計者によって調整され得る。
メモリの仕様が、速い消去が必要であるが、個々のセルにおける保持能力の限度がそれほど厳しいものでない場合、そのようなメモリは、チャネル消去時間がソース消去時間よりも短くなるように設計される。ソース消去は、印加電圧に関する結合係数が優れていることから、等しい印加電圧下において、チャネル消去よりも本質的により効率的である。従って、そのような設計は、ソース消去によって生成されたホールが、消去パルスの次のチャネル消去部分において中和される時間がより短くなることから、消去のトータル時間の短縮化をもたらすが、データの保持能力は低下する結果となる。このような設計は、大きな記録密度のデータメモリにおけるプログラムに対する消去のレートを向上させる上で有利であり、記録した付加パリティコードのようなデータ訂正対策は、本質的に不十分な保持部分に対する訂正を実施することができる。
上記とは反対に、個々のメモリが、非常に強い保持力を必要とするが、消去時間に厳しい限度を必要としない場合、消去パルス内におけるソース消去の時間は、1msまで、あるいはそれよりも短い時間に短縮され、それに続くチャネル消去は、100msあるいはそれよりも長い時間に設定される。このような場合、各セルのフローティングゲートにストアされた電子のほとんどは、消去パルスにおけるチャネル消去部分においてトンネリングによって飛び出し、ソース消去によって引き起こされたホールのトラップ現象は、長い消去時間の経過によって効果的に解消される。このプローチは、めったに発生せず、速い時間速度を必要としなが、長い期間にわたって記録データを保存することが重要な、コードストレージアプリケーション(消去と再プログラミング操作)を行う場合に有用である。
負電圧を制御ゲートに印加することによる消去は、行デコーダを使うことによってフラッシュメモリに対して実行することができる。行デコーダは、全てがPチャネルであるワード線ドライバ用トランジスタか、あるいは3層のウェル内にNチャネル・プルダウン・トランジスタが形成されたCMOSドライバを有する。下記においては、メモリのための「負のゲートブートストラップ」をPチャネルのワード線ドライバで実施する場合を想定して説明する。メモリのための「負のゲートブートストラップ」を3層のウェル構造を有するNチャネルのワード線ドライバで実施する場合においても少しの変更でよい。
図8は、例えば図2に示すメモリ200のようなメモリデバイスの行デコーダにおける全てがPチャネルのワード線ドライバ回路の構成を示す。メモリ200は、プルアップトランジスタ702とプルダウントランジスタ704とを有する。この回路は、メモリデバイスのメモリセル706に接続されたワード線703を駆動する。電圧VH及び電圧VLは、それぞれ「高」電圧及び「低」電圧の電源電圧を意味する。これらの絶対値は、読み出し、プログラム及び消去のような各メモリ機能に特有とされており、これらの相対的な差異(VH−VL)は常に正である。それぞれA及びBで示されるプルアップ信号及びプルダウン信号の値は、メモリ機能や各行の選択/非選択状態に対して特有とされている。
特に、消去機能においてメモリブロックの全ての行が選択され、これにより、信号A及びBは、メモリブロック内の全てのワード線が消去されるように、それぞれ同じ値とされる。これらの値の組み合わせは、できれば、
VH=3.3V; VL=−10V; A=3.3V; B=−10V
である。
これにより、ワード線の電圧は、Pチャネルトランジスタのしきい値に応じて−8.5V〜9Vとなる。
消去モードのワード線に対して、上述した「負のブートストラップ」を実行するために、図8に図示された変数VH、VL、A、Bは、図7B又は図7Cで示されるダイナミックレンジよりも低い値に設定される。
図8のフラッシュメモリアレイにおける容量成分Cws並びにCwchは、全てのメモリセルにおける各ワード線とソース間の容量並びに全てのメモリセルにおける各ワード線とチャネル間の容量を示す。消去期間において、チャネルは蓄積状態であって、1つのブロック内の全てのメモリセルにおける共通の基体に対して電気的に接続された状態となる。
図7A、7B及び7Cにおけるソースパルスの立下りエッジは、Cwsを介しての容量結合によってVGSubに負のブートストラップ(負の過電圧)を生じさせる。ドライバトランジスタの寄生容量を無視した場合、負電圧のオーバーシュートの振幅は、
|Δ(VGSub)|=VSSub×Cws/(Cws+Cwch)
で計算される。
従って、負のブートストラップは、Cwsが増加する及び/又はCwchが減少することで向上する。
消去が図7Bに示すように実行された場合、「負のブートストラップ」効果においてワード線の容量結合を増加させるためには、図8の行デコーダにおける全てのPチャネルトランジスタの寄生容量成分Cgd及びCjを低減させる必要がある。ゲート−ドレイン間の寄生容量Cgdは、ゲートとその他の部分(ドレイン表面とゲートの積層サイドウォール間の縁状の領域)によるドレイン拡散領域のオーバーラップ成分を有する。これらの要素は共に、ゲートのサイドウォールと隣接するドレイン拡散領域との間に位置された酸化物のスペーサによって低減させることができる。低いドレイン−基体間の接合容量Cjは、ドレイン拡散のための低濃度ドーピング及び/又はチャネル(Nウェル)への低濃度ドーピングによって実現できる。
一方、図7Cの駆動は消去のために実施される。電圧VHとAは、図7Cに示すように、VSSubパルスの終了時点で低下する。この場合、図8に示すように、プルダウントランジスタ704に関するCgd(ワード線と信号Bとの間の結合容量)を除く全ての寄生容量は、実際には「負のブートストラップ」のための結合を助け、最小化させる必要はない。このような場合、負のブートストラップのための結合は、図8に示す回路のVH電源とワード線間に余分の容量710を付加することでさらに増加させることができる。
消去パルスのチャネル消去期間における過剰の負電圧VGSubの保持は、ワード線を駆動するPチャネルトランジスタにおけるドレイン−基体間のリークによって悪影響を及ぼされる。このリークは、図8において、トランジスタにおけるソース/ドレイン拡散領域と基体(Nウェル)間の可変電流生成回路708に相当する。実際、このようなリークの重要な要素は、ゲート誘導ドレインリーク(GIDL)として知られており、ゲートとドレイン間の電圧降下に伴って急激に増加する。従って、GIDLは、消去期間において、図8におけるプルアップPチャネルトランジスタ702のゲート−ドレイン間の電圧降下が大きくなることのみに関係すると思われる。このような電圧降下は、図7Cに示すような駆動に従った消去ではより小さくなる。これは、過剰の負のゲート電圧のための保持と結合が共に改善することとなる。
トランジスタの構造に関して、上述されたゲート−ドレイン間の寄生容量の低減のための手法、すなわち、ゲートスペーサの設置及び/又はドレイン拡散領域への低濃度ドーピングは、GIDLの低減をも実現できる。図9は、寄生容量Cgd、Cjに関連する全ての要素を伴う典型的なPチャネルMOSFET802の構成を示す。寄生容量を最小化し、GIDLを低減化するためには、ワード線駆動トランジスタの低ドープトドレイン(LDD)領域が、図9に示すように、寄生容量が最小化されるように構成されるべきである。加えて、低誘電体層間絶縁膜SiO2のゲートスペーサが寄生容量の低減化のために付加される。同様に、当業者において知られている寄生容量を低減化するためのその他の技術が施される。
従って、上述した事項からもわかるように、メモリデバイスは、予め定められた所定の消去時間に基づいて設計される。一方、新規のメモリは、ソース消去とチャネル消去の各継続時間が、特殊機能レジスタ内、あるいはパラメータを制御するために設けられるその他の不揮発性メモリ内に格納されたアルゴリズムコードを実行することによって調整可能に設計される。この場合、製造者は、一般的なメモリを作製し、その後、製造テスト時に両方の消去メカニズムの継続時間を調整する、あるいは、その他、ユーザが、システムを使用するために該システム内にデバイスが組み込まれる前あるいは組み込まれた後に、調整するようにしてもよい。
結論
フラッシュメモリの消去方法及び装置を説明した。消去方法は、消去期間にわたってメモリセルの制御ゲートに負電圧パルスを供給し、消去期間よりも短い時間にわたってメモリセルのソースに正電圧パルスを供給し、第2の期間の終了時点で正電圧パルスの供給を停止することを含み、この正電圧パルスの供給を停止することによって、負電圧パルスの振幅が効果的に増加する。
この明細書において実施の形態の詳細が図示並びに説明されたが、同じ目的を達成し、これら実施の形態に置き換わる様々な変形例が案出されることは当業者において理解されるであろう。このアプリケーションは、本発明のいくつかの応用やバリエーションをカバーするために意図されるものである。つまり、本発明は、特許請求の範囲とその均等物によって制限されることは明らかである。
従来のフラッシュメモリセルを示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係るフラッシュメモリの概略回路図を示す。 消去操作においてソースに印加される従来のパルス波形例を示すグラフである。 フラッシュメモリアレイに連続した消去プログラムサイクルを施した際のストレス誘起リーク電流(SILC)のシミュレーションを示すグラフである。 チャンネル消去の特別な処理を示すトリプルウェルに形成されたメモリセルの消去操作における従来のパルス波形例を示すグラフである。 本発明に関し、トラップされたホールが中和されたフラッシュメモリの消去操作におけるパルス波形例を示すグラフである。 本発明に関し、トラップされたホールがソースに対する高い負電圧を必要とせずに中和されたフラッシュメモリの消去操作におけるパルス波形例を示すグラフである。 本発明に関し、フラッシュメモリの消去操作におけるパルス波形の変形例を示すグラフである。 本発明に関し、フラッシュメモリの消去操作におけるパルス波形の変形例を示すグラフである。 Pチャネルワード線ドライバを有するフラッシュメモリの概略回路図である。 寄生容量に関する要素を示すPチャネルトランジスタの側断面図である。

Claims (43)

  1. 制御ゲート、フローティングゲート、ソース、ドレイン及び基体を有する不揮発性メモリセルの消去方法において、
    消去期間に、前記制御ゲートにコモン電圧に対して負の電圧パルスを供給し、
    消去期間よりも短い第2の期間に、前記ソースにコモン電圧に対して正の電圧パルスを供給し、
    前記第2の期間の終了時点で前記正の電圧パルスの供給を停止し、
    前記第2の期間の終了時点で前記正の電圧パルスの供給を停止することで、前記負の電圧パルスの振幅を効果的に増加させることを特徴とする不揮発性メモリセルの消去方法。
  2. 請求項1記載の方法において、
    さらに、データ保持と消去速度間で所望のバランスを得るためのソース消去とチャネル消去の相対的寄与率を取得するために、前記負の電圧パルス及び前記正の電圧パルスの時間的長さを調整することを特徴とする方法。
  3. 請求項2記載の方法において、
    さらに、データ保持と消去速度間で所望のバランスを得るために、消去アルゴリズムによって、ソース消去とチャネル消去の相対的寄与率を調整することを特徴とする方法。
  4. 請求項3記載の方法において、
    データ保持と消去速度間での所望のバランスは、製造過程において設定可能であることを特徴とする方法。
  5. 請求項3記載の方法において、
    データ保持と消去速度間での所望のバランスは、ユーザによって調整可能であることを特徴とする方法。
  6. 請求項1記載の方法において、
    前記第2の期間は、消去期間より約2ms短いことを特徴とする方法。
  7. 請求項1記載の方法において、
    前記負の電圧パルスの振幅の増加は3Vを超えることを特徴とする方法。
  8. メモリ内においてそれぞれソース、ドレイン、フローティングゲート及び制御ゲートを有する不揮発性メモリセルの消去方法において、
    第1の時間の開始時点から1つあるいはそれ以上のセルの前記制御ゲートにコモン電圧に対して負の電圧を印加し、
    第1の時間のほぼ同じ時間の開始時点から前記1つあるいはそれ以上のセルの前記ソースにコモン電圧に対して正の電圧を印加し、
    前記第1の時間後に生じる第2の時間で前記正の電圧を放電して、前記第2の時間で前記負の電圧を増加させ、
    前記第2の時間後に生じる第3の時間で前記負の電圧を放電することを特徴とする不揮発性メモリセルの消去方法。
  9. 請求項8記載の方法において、
    前記第2の時間での負の電圧の増加は、それが前記制御ゲートに結合するように、前記正の電圧パルスの放電速度によってもたらされることを特徴とする方法。
  10. 請求項8記載の方法において、
    前記負の電圧の大きさは、ワード線容量と比較して低寄生ドレイン容量のワード線駆動トランジスタを使用することによって効果的に増加することを特徴とする方法。
  11. 請求項10記載の方法において、
    前記低寄生ドレイン容量は、前記ワード線駆動トランジスタへのドーピング濃度の調整によって定められることを特徴とする方法。
  12. 請求項11記載の方法において、
    前記ワード線駆動トランジスタへのドーピング濃度の調整は、前記ワード線駆動トランジスタにおけるドレイン、あるいは前記ドレインに近接するチャネル領域、あるいはこれら両者へのドーピング濃度を低くすることを特徴とする方法。
  13. それぞれソース、ドレイン、フローティングゲート及び制御ゲートを有する不揮発性メモリセルの消去方法において、
    第1の時間の開始時点から1つあるいはそれ以上のセルの前記制御ゲートにコモン電圧に対して第1の極性の電圧を印加し、
    第1の時間のほぼ同じ時間の開始時点から前記1つあるいはそれ以上のセルの前記ソースにコモン電圧に対して第2の極性の電圧を印加し、
    前記第1の時間後に生じる第2の時間で前記第2の極性の電圧を放電して、前記第2の時間で前記第1の極性の電圧をフローティング状態にし、
    前記第2の時間後、少なくとも2マイクロセカンド経過後に前記第1の極性の電圧を放電することを特徴とする不揮発性メモリセルの消去方法。
  14. 請求項13記載の方法において、
    前記第1の極性は負であり、前記第2の極性は正であることを特徴とする方法。
  15. 請求項13記載の方法において、
    前記第1の電圧は、4〜6Vであることを特徴とする方法。
  16. 請求項15記載の方法において、
    前記第2の電圧は、−8〜−13Vであることを特徴とする方法。
  17. 請求項13記載の方法において、
    前記負の電圧の大きさは、ワード線容量と比較して低寄生ドレイン容量のワード線駆動トランジスタを使用することによって効果的に増加することを特徴とする方法。
  18. 請求項17記載の方法において、
    前記ワード線駆動トランジスタの寄生ドレイン容量は、前記ワード線駆動トランジスタへの低濃度ドーピングによって低減されることを特徴とする方法。
  19. 請求項17記載の方法において、
    前記ワード線駆動トランジスタの寄生ドレイン容量は、ゲートスペーサを有することによって低減されることを特徴とする方法。
  20. 請求項13記載の方法において、
    さらに、前記第2の極性の電圧の放電後における前記第1の極性の電圧の放電を緩和することによって低ドレインリークとされたワード線駆動トランジスタを使用することを特徴とする方法。
  21. 制御ゲート、フローティングゲート、ソース、ドレイン及び基体を有する不揮発性メモリセルの消去方法において、
    第1の所定期間に、前記ソースにコモン電圧に対して正の電圧を印加し、
    前記制御ゲートにコモン電圧に対して負の電圧を印加し、
    前記第1の所定期間の終了時点で前記正の電圧を放電し、
    前記第1の所定期間の終了時点で前記負の電圧についていくつかの規定電圧から解放し、
    前記第1の所定期間を超えた所定の遅延時間だけ前記負の電圧を放電するための時間を延ばすことを特徴とする不揮発性メモリセルの消去方法。
  22. 請求項21記載の方法において、
    前記負の電圧の増加は、前記第1の所定期間の終了時点での前記正の電圧の急速放電によって前記所定の遅延時間に生じることを特徴とする方法。
  23. 請求項21記載の方法において、
    前記所定の遅延時間での前記負の電圧の大きさは、ワード線容量と比較して低寄生ドレイン容量のワード線駆動トランジスタを使用することによって増加することを特徴とする方法。
  24. 請求項21記載の方法において、
    前記所定の遅延時間に、ホールは、前記フローティングゲートと前記ソース間のトンネル酸化膜から離脱することを特徴とする方法。
  25. 制御ゲート、フローティングゲート、ソース、ドレイン及び基体を有するメモリセルの消去方法において、
    前記制御ゲートにコモン電圧に対して負の電圧を印加し、
    前記ソースにコモン電圧に対して正の電圧を印加し、
    前記正の電圧を放電し、
    前記正の電圧が放電されている時間において前記負の電圧を増加し、
    前記負の電圧の増加が達成した後に前記負の電圧を放電することを特徴とするメモリセルの消去方法。
  26. 請求項25記載の方法において、
    前記負の電圧は、前記正の電圧の急速放電によって効果的に増加することを特徴とする方法。
  27. 請求項26記載の方法において、
    さらに、データ保持と消去速度間で所望のバランスを得るためのソース消去とチャネル消去の相対的寄与率を取得するために、前記負の電圧パルス及び前記正の電圧パルスの時間的長さを調整することを特徴とする方法。
  28. 請求項26記載の方法において、
    さらに、データ保持と消去速度間で所望のバランスを得るために、消去アルゴリズムによって、ソース消去とチャネル消去の相対的寄与率を調整することを特徴とする方法。
  29. 請求項28記載の方法において、
    データ保持と消去速度間での所望のバランスは、アルゴリズムヒューズによって設定可能であることを特徴とする方法。
  30. 請求項28記載の方法において、
    データ保持と消去速度間での所望のバランスは、ユーザによって調整可能であることを特徴とする方法。
  31. 請求項26記載の方法において、
    前記フローティングゲートと前記ソース間のトンネル酸化膜にトラップされたホールを中和する前記負の電圧を増加することを特徴とする方法。
  32. 制御ゲート、フローティングゲート、ソース、ドレイン及び基体を有するメモリセルの消去方法において、
    消去期間に、前記制御ゲートに負電圧パルスを供給し、
    前記消去期間の開始とほぼ同じに、前記ソースに正電圧パルスを供給し、
    第1の所定期間後に前記正電圧パルスの供給を停止し、
    第2の所定期間後に前記負電圧パルスの供給を停止し、
    前記第2の所定期間は、前記消去期間よりも長く、
    前記正電圧パルスの供給の停止の結果として、前記負電圧が所定の遅延時間に増加することを特徴とする方法。
  33. 請求項32記載の方法において、
    フローティングゲートとチャネル領域との間に位置したトンネル酸化膜にトラップされたホールの数が、所定の遅延時間に低減されることを特徴とする方法。
  34. ソース、ドレイン、制御ゲート、フローティングゲート及び基体を有する少なくとも1つのメモリセルと、メモリ制御回路と、ワード線と、複数のワード線駆動トランジスタとを有するフラッシュメモリにおいて、
    前記メモリ制御回路は、第1の所定期間に前記ソースとコモン電圧の領域との間に正電圧を印加し、第2の所定期間に前記ゲートとコモン電圧の領域との間に負電圧を印加し、
    前記第2の所定期間は、前記第1の所定期間とほぼ同じ時間に開始し、前記第1の所定期間の終了後、所定の遅延時間が経過して終了し、
    前記負電圧の振幅は、前記所定の遅延時間に効果的に増加することを特徴とするフラッシュメモリ。
  35. 請求項34記載のフラッシュメモリにおいて、
    前記負電圧は、前記第1の所定期間の終了時点に、急速に放電されることを特徴とするフラッシュメモリ。
  36. 請求項34記載のフラッシュメモリにおいて、
    前記負電圧の振幅は、前記所定の遅延時間に、約5V程度増加することを特徴とするフラッシュメモリ。
  37. 請求項34記載のフラッシュメモリにおいて、
    前記負電圧の振幅は、前記所定の遅延時間に効果的に増加することを特徴とするフラッシュメモリ。
  38. 請求項34記載のフラッシュメモリにおいて、
    前記ソースとコモン電圧の領域間に印加される前記正電圧が3〜6Vであることを特徴とするフラッシュメモリ。
  39. 請求項38記載のフラッシュメモリにおいて、
    さらに、ワード線駆動トランジスタは、ワード線容量と比較して低寄生ドレイン容量を有することを特徴とするフラッシュメモリ。
  40. 請求項39記載のフラッシュメモリにおいて、
    前記低寄生ドレイン容量が、LDD領域によって、少なくとも部分的に実現されていることを特徴とするフラッシュメモリ。
  41. 請求項39記載のフラッシュメモリにおいて、
    前記低寄生ドレイン容量は、ゲートスペースによって、少なくとも部分的に実現されていることを特徴とするフラッシュメモリ。
  42. 請求項38記載のフラッシュメモリにおいて、
    前記所定の遅延時間の前に、前記ゲートとコモン電圧の領域との間に印加される前記負電圧は、約10Vであることを特徴とするフラッシュメモリ。
  43. ソース、制御ゲート、フローティングゲート、ドレイン及び基体を有するフラッシュメモリの消去方法において、
    前記ソースに、コモン電圧に対して第1の所定の継続時間を有する正電圧パルスを供給し、
    ほぼ同時に、前記制御ゲートに、コモン電圧に対して第2の所定の継続時間を有する負電圧パルスを供給し、
    前記第2の所定の継続時間は、前記第1の所定の継続時間よりも長く、
    前記正電圧が放電された後に、前記負電圧が効果的に増加することを特徴とする方法。
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