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JP4362349B2 - プラズマディスプレイパネルの点灯安定化処理装置およびそれに用いられる点灯用回路 - Google Patents
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JP4362349B2 - プラズマディスプレイパネルの点灯安定化処理装置およびそれに用いられる点灯用回路 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの点灯安定化処理装置およびそれに用いられる点灯用回路 Download PDF

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Description

本発明は、テレビなどの表示装置に用いられるプラズマディスプレイパネル(以下、適宜「PDP」と略記する)およびそれに用いられる点灯用回路に係り、特に、PDPを全面にわたって所定期間点灯させることによってPDPの点灯の安定化処理(以下、適宜「エージング」と称する)を行うPDPのエージング技術に関する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)は、複数枚の基板を貼り合わせて形成される。貼り合わされた基板のすきまにガスを封入して、そのすきまに電圧を印加することによって、プラズマ放電が発生する。そのプラズマ放電を利用して、PDPを点灯させるように構成されている。
通常PDPには、放電を発生させる走査電極と、PDPの領域(以下、適宜「セル」とする)を指定してその指定されたセルを点灯させるデータ電極(アドレス電極ともいう)とが配設されている。走査電極に電圧を印加してプラズマ放電を発生させるには、例えば200V〜300V程度の電圧が必要である。プラズマ放電が発生するのに必要な電圧はセルによってバラツキがあり、例えば200V程度で放電して点灯するセルもあれば、250V程度になっても放電しないセルもある。特に、製造直後の新品のPDPにおいて、上記現象は顕著に見られる。
そこでPDPの製造工程が完了すると、走査電極に点灯用電源を一括に接続して、PDPを全面にわたって所定期間(例えば12時間〜24時間程度)点灯させることによってPDPの点灯の安定化を行うエージング処理が行われる。すなわち、製造直後の新品のPDPにおいて、プラズマ放電が発生するのに必要な電圧を、走査電極に一定期間にわたって印加し続けると、上記電圧は所定の電圧に収束する。この現象を利用してPDPを全面にわたって所定期間点灯させると、点灯直後には上記電圧はセル毎にバラツキが見られるが、所定期間だけ経過すると全セルにおいて上記電圧は一様になる。その結果、上記エージング処理を行うことによって、PDPの点灯の安定化を図ることができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−187702号公報(第2−3頁、図7)
しかしながら、異なる種類やサイズのPDPに取り換えた場合には、前のエージング条件でエージング処理が行えない。エージング条件としては、例えば走査電極に印加する印加用電圧の値や、その印加用電圧の立ち上がり時間や立下り時間などがある。これらの条件はPDPの容量などに依存し、エージングの対象となるPDPが換わるたびにエージング条件の特性が変化する。そこで、エージングの対象となるPDPが換わるたびにエージング条件の最適化を行う。
通常は、印加用電圧に印加するための入力信号の波形(例えば波形の振幅や周波数など)を変化させる、あるいは入力信号の波形(入力波形)を変化させずに、印加用電圧を出力するドライバ回路(点灯用回路)のインピーダンス(例えばインダクタンスなど)の値を逐次に変化させてエージング条件の最適化を行う。前者のように入力波形を変化させる場合には、変化させるたびに入力波形を切り換えなければならず時間や手間がかかる。後者のようにドライバ回路のインピーダンスの値を変化させる場合には、インピーダンスの変化によって変化する印加用電圧の値が不連続となり、最適となるエージング条件が求めにくい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、入力信号の波形を変えずにエージング(点灯の安定化)条件を簡単に求めることができるプラズマディスプレイパネルの点灯安定化処理装置およびそれに用いられる点灯用回路を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の問題を解決するために鋭意研究した結果、次のような知見を得た。
すなわち、ドライバ回路のインピーダンス以外で可変できる要素について考えてみた。なお、ドライバ回路には入力信号の波形(入力波形)のスイッチングを行うスイッチング素子が設けられている。スイッチング素子としては、例えば絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor))や、電界効果トランジスタ(FET(Field Effect Transistor))などが用いられている。本発明者は、このスイッチング素子について着目してみた。
スイッチング素子のゲート電圧の値を変化させた場合に、ゲート電圧Vgを横軸に、走査電極に印加することにより走査電極に流れる走査電流のピーク値を縦軸にとったときの結果は、図7に示すとおりである。図7の結果からもわかるように、ゲート電圧の値を変化させると走査電流のピーク値(図7では「ピーク電流Ip」)が連続的に変化している。
本発明者は、図7の結果からゲート電圧を変化させることに想到した。このような知見に基づく本発明は、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、複数枚の基板を貼り合わせて形成され、貼り合わされた基板のすきまにガスを封入して、そのすきまに電圧を印加することによって、プラズマ放電を発生させて点灯させるプラズマディスプレイパネルに対して、プラズマ放電を発生させる走査電極に点灯用回路を接続して、その点灯用回路から出力された印加用電圧を走査電極に印加し、前記プラズマディスプレイパネルの全面に対して所定期間点灯させることで、プラズマディスプレイパネルの点灯の安定化処理を行うプラズマディスプレイパネルの点灯安定化処理装置であって、点灯用回路は、印加用電圧のための入力信号のスイッチングを行うスイッチング素子と、そのスイッチング素子のゲート電圧を可変させる可変電源とを備え、可変電源によるゲート電圧の変化で印加用電圧の値を変化させるとともに、印加用電圧走査電極に印加することにより走査電極に流れる走査電流の値を印加用電圧の変化で変化させることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、点灯用回路は、印加用電圧のための入力信号のスイッチングを行うスイッチング素子と、そのスイッチング素子のゲート電圧を可変させる可変電源とを備えている。可変電源によるゲート電圧の変化で印加用電圧の値を変化させるとともに、印加用電圧走査電極に印加することにより走査電極に流れる走査電流の値を印加用電圧の変化で変化させる。このとき、ゲート電圧の値を変化させると走査電流の値が連続的に変化するので、入力信号の波形を変えずにエージング(点灯の安定化)条件を簡単に求めることができる。
上述した発明の一例は、各々のプラズマディスプレイパネルに応じて予め求められたゲート電圧と走査電流との相関関係を記憶する相関関係記憶手段と、点灯安定化処理の対象となるプラズマディスプレイに切り換わると、その切り換わったプラズマディスプレイパネルに応じた相関関係を相関関係記憶手段から読み出して、その相関関係に基づいたゲート電圧を出力する指令を可変電源に与える指令手段とを備えること(請求項2に記載の発明)である。
このような手段を備えることで、点灯安定化処理の対象となる各々のプラズマディスプレイパネルに応じた走査電流をそれぞれ最適に求めることができ、点灯安定化処理を自動的に制御することができる。
さらに、上述した請求項2に記載の発明において、好ましくは、点灯安定化処理の対象となるプラズマディスプレイを識別する識別手段を備え、点灯安定化処理の対象となるプラズマディスプレイに切り換わると、その切り換わったプラズマディスプレイパネルを識別手段が識別して、その識別結果を指令手段に与え、指令手段はその識別結果と上述した相関関係とに基づいて上述した指令を可変電源に与える(請求項3に記載の発明)。
このような識別手段を備え、各手段とを関連付けることで、プラズマディスプレイが切り換わる際にも点灯安定化処理を自動的に制御することができ、点灯安定化処理の制御について、より一層の自動化を図ることができる。
また、請求項4に記載の発明は、複数枚の基板を貼り合わせて形成され、貼り合わされた基板のすきまにガスを封入して、そのすきまに電圧を印加することによって、プラズマ放電を発生させて点灯させるプラズマディスプレイパネルに対して、その全面に所定期間点灯させることで、プラズマディスプレイパネルの点灯の安定化処理を行うプラズマディスプレイパネルの点灯安定化処理装置に用いられる点灯用回路であって、プラズマ放電を発生させる走査電極に接続されて点灯用回路は構成されており、点灯用回路から出力された印加用電圧を走査電極に印加することでプラズマディスプレイパネルの全面に対して所定期間点灯させ、点灯用回路は、印加用電圧のための入力信号のスイッチングを行うスイッチング素子と、そのスイッチング素子のゲート電圧を可変させる可変電源とを備え、可変電源によるゲート電圧の変化で印加用電圧の値を変化させるとともに、印加用電圧走査電極に印加することにより走査電極に流れる走査電流の値を印加用電圧の変化で変化させることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項4に記載の発明によれば、請求項2に記載の点灯用回路は、印加用電圧のための入力信号のスイッチングを行うスイッチング素子と、そのスイッチング素子のゲート電圧を可変させる可変電源とを備えている。可変電源によるゲート電圧の変化で印加用電圧の値を変化させるとともに、印加用電圧走査電極に印加することにより走査電極に流れる走査電流の値を印加用電圧の変化で変化させる。このとき、ゲート電圧の値を変化させると走査電流の値が連続的に変化するので、入力信号の波形を変えずにエージング(点灯の安定化)条件を簡単に求めることができる。
本発明に係るプラズマディスプレイパネルの点灯安定化処理装置およびそれに用いられる点灯用回路によれば、点灯用回路は、印加用電圧のための入力信号のスイッチングを行うスイッチング素子と、そのスイッチング素子のゲート電圧を可変させる可変電源とを備えており、ゲート電圧の値を変化させると走査電流の値が連続的に変化するので、入力信号の波形を変えずにエージング(点灯の安定化)条件を簡単に求めることができる。
以下、図面を参照して本発明に係るPDPの点灯安定化処理装置(エージング処理装置)の一実施例を説明する。
図1は、本実施例装置の構成を示す概略斜視図であり、図2は、本実施例装置のPDPの各電極を模式的に示した平面図であり、図3は、PDPとドライバ回路との電気的接続を示す回路図であって、図4は、本実施例装置のブロック図であり、図5は、ドライバ回路に関する概略回路図である。
実施例装置は、図1〜図4に示すように、エージング用のトレー11、走査電極用のショートバー12、データ電極用のショートバー13、識別部14、相関関係メモリ15、制御部16、ドライバ回路20などを備えて構成されている。トレー11は、プラズマディスプレイパネル(PDP)1を載置する台である。
一方、PDP1は、図2に示すように、前面基板2および背面基板3を貼り合わせて形成されている。前面基板2は、例えばガラスなどから形成されており、背面基板3は前面基板2と同じ物質から形成されている。
前面基板2の下面には、X電極4a,Y電極4bからなる走査電極4、図示を省略する透明誘電体層、保護層が上から順に積層されている。走査電極4は、例えばITO膜(イソジウムとスズとの合金酸化膜)またはSnO2(酸化スズ膜)などによって形成され、透明誘電体層、例えば低融点のガラスのペーストなどによって形成され、保護層は、例えばMgO(酸化マグネシウム)などによって形成されている。保護層は、走査電極4がプラズマに直に晒されないように保護するための層である。
背面基板3の上面には、データ電極5、図示を省略する『リブ』と呼ばれる隔壁が上から順に積層されている。データ電極5は走査電極4に直交するように積層されている。また、隣接する隔壁に囲まれた各溝は各データ電極5の真上に位置するように積層されている。上述した溝には、蛍光体から形成される蛍光層(図示省略)が隔壁に沿ってそれぞれ積層されている。データ電極5は、例えばAg(銀)のペーストまたはAlなどによって形成され、隔壁は、例えばRuO2 (酸化ルテシウム)のペースト、または低融点のガラスとアルミナなどの金属酸化物との混合物などによって形成されている。
また、PDP1がカラーの場合には、蛍光層は、R(Red),G(Green),B(Blue)の3色の蛍光体が規則的に隔壁ごとに配設されている。上述した蛍光体は図示を省略する『母体』と『発光センタ』とから形成されており、プラズマ放電によって発生する紫外線によって、上述した母体が電離して発光センタに母体が衝突する。母体の衝突によって発光センタが励起して、励起した発光センタが基底状態に戻る際に、可視光が発生して、PDP1の表面にその可視光が透過してPDP1の表面から点灯される。
実施例装置の説明に戻って、図1、図3に示すように、PDP1を支持した際に上述した走査電極用のショートバー12が走査電極4に電気的に接続するとともに、データ電極用のショートバー13がデータ電極5に電気的に接続されるように構成されている。すなわち、図3に示すように、PDP1を支持した際に前面基板2の下面に走査電極用のショートバー12が接触することでショートバー12が走査電極4に電気的に接続する。また、PDP1を支持した際に背面基板3の上面にデータ電極用のショートバー13が接触することでショートバー13がデータ電極5に電気的に接続する。各ショートバー12,13は2組分設けられており、それぞれの組が互いに対向している。特に走査電極用のショートバー12のうち、一方の組はX電極4aに電気的に接続されるとともに、他方の組はY電極4bに電気的に接続されている。
なお、走査電極用のショートバー12が背面基板3に接触しないように、図3に示すように、前面基板2は電極の接続箇所の部分だけショートバー12の対向方向に沿って背面基板3よりも張り出しているとともに、データ電極用のショートバー13が前面基板2に接触しないように、背面基板3は電極の接続箇所の部分だけショートバー13の対向方向に沿って前面基板2よりも張り出している。各ショートバー12,13は上述したドライバ回路20に電気的に接続されている。
ドライバ回路20は、図5に示すように、大別すると走査電極用のドライバ回路20Aとデータ電極用のドライバ回路20Bとから構成されている。ドライバ回路20は、本発明における点灯用回路に相当する。
走査電極用のドライバ回路20Aは、2段のスイッチング素子21,22と、走査電極用のインピーダンス回路23と、スイッチング素子21のゲート電圧Vgを可変させる可変電源24と、スイッチング素子22のゲート電圧Vgを可変させる可変電源25とを備えて構成されている。スイッチング素子21のドレイン側とスイッチング素子22のソース側とを接続することで各スイッチング素子21,22は直列に接続されており、スイッチング素子21のソース側には入力信号の波形(入力波形)の入力電圧Vsが印加されるように接続されている。また、走査電極用のインピーダンス回路23の入力側はスイッチング素子21のドレイン側およびスイッチング素子22のソース側に接続されているとともに、走査電極用のショートバー12(図1、図3参照)を介して出力側は走査電極4のX電極4aおよびY電極4bに接続されている。インピーダンス回路23の出力側を走査電極4に接続することで、ドライバ回路20から出力された印加用電圧Vx,Vyを走査電極4に印加する。ここで、印加用電圧VxはX電極4aの電圧、印加用電圧VyはY電極4bの電圧である。
データ電極用のドライバ回路20Bは、2段のスイッチング素子26,27と、データ電極用のインピーダンス回路28と、スイッチング素子26のゲート電圧Vg´を印加する電源29と、スイッチング素子27のゲート電圧Vg´を印加する電源30とを備えて構成されている。各スイッチング素子26,27は、走査電極用のドライバ回路20Aの各スイッチング素子21,22と同様の構成であり、データ電極用のインピーダンス回路28は、走査電極用のドライバ回路20Aのインピーダンス回路23と同様の構成である。また、スイッチング素子26のソース側には入力波形の入力電圧Vaが印加されるように接続されている。また、データ電極用のショートバー13(図1、図3参照)を介してデータ電極用のインピーダンス回路28の出力側はデータ電極5に接続されている。インピーダンス回路28の出力側をデータ電極5に接続することで、ドライバ回路20から出力された印加用電圧Vadsをデータ電極5に印加する。ここで、印加用電圧Vadsはデータ電極の電圧である。なお、各電源29,30は、走査電極用のドライバ回路20Aの可変電源24,25と相違し、ゲート電圧Vg´は固定の状態で印加する。
本実施例ではスイッチング素子21,22,26,27として、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor))を用いている。スイッチング素子はIGBTに限定されず、例えば電界効果トランジスタ(FET(Field Effect Transistor))などのようにスイッチング素子に通常用いられているものであればよい。
上述した識別部14は、図4に示すようにエージング用のトレー11に載置されたPDP1を識別する。すなわち、識別部14は、点灯安定化処理(エージング処理)の対象となるPDP1を識別する。エージングの対象となるPDP1に切り換わると、その切り換わったPDP1を識別部14が識別して、その識別結果を後述する制御部16に与える。識別部14については、PDP1の形状を識別するCCDカメラや、各サイズに合わせて配設された検出部(光センサや接触型センサなど)などに例示されるように通常に用いられる識別する手段で構成すればよい。識別部14は、本発明における識別手段に相当する。
上述した相関関係メモリ15は、各々のPDP1に応じて予め求められたゲート電圧Vgと走査電流Ipanelとの相関関係を記憶するメモリである。ゲート電圧Vgと走査電流Ipanelとの相関関係は、例えば図7に示すように、ゲート電圧Vgを横軸に、走査電極4に印加することにより走査電極4に流れる走査電流Ipanelのピーク値であるピーク電流Ipを横軸にとり、可変電源24,25(図5参照)によりスイッチング素子21,22のゲート電圧Vgを可変させたときのピーク電流Ipを逐次に計測することで得られる。これらの相関関係を予め計測して相関関係メモリ15に書き込んで記憶している。予め記憶する際には、PDPの種類やサイズに応じて行えばよい。相関関係メモリ15は、ROM(Read-Only Memory)やRAM(Random-Access Memory)などに代表される記憶媒体などで構成されている。相関関係メモリ15は、本発明における相関関係記憶手段に相当する。
制御部16は、実施例装置の各構成を統括・制御するもので、CPU(中央演算処理部)などで構成されている。また、本実施例では制御部16は、エージングの対象となるPDP1に切り換わると、その切り換わったPDP1に応じた相関関係を相関関係メモリ15から読み出して、上述した識別結果と相関関係とに基づいた所望のゲート電圧Vgを出力する指令を可変電源24,25に与える機能をも備えている。制御部16は、本発明における指令手段に相当する。
次に、エージングの操作手順について、図6のフローチャートを参照して説明する。
(ステップS1)PDPを識別
識別部14は、エージングのためにエージング用のトレー11に載置されたPDP1を識別して、その識別結果を制御部16に与える。
(ステップS2)ゲート電圧の出力指令
例えば、図7に示す相関関係が現時点でのエージングの対象となるPDP1に応じたものであれば、識別結果と図7中の相関関係とに基づいて所望のゲート電圧Vgを出力する指令を可変電源24,25に与え、可変電源24,25によりゲート電圧Vgを所望の値に変化させる。
(ステップS3)エージング開始
走査電極用のショートバー12と走査電極4とを電気的に接続させるとともに、データ電極用のショートバー13とデータ電極5とを電気的に接続した状態でドライバ回路20から各ショートバーに(印加用)電圧を印加する。すると、走査電極4に印加することにより走査電極4に走査電流Ipanelが流れるとともに、データ電極5に印加することによりデータ電極5にデータ電流が流れる。ゲート電圧Vgの所望の値が例えばV1 の場合には、図7に示すように相関関係のグラフ上のV1 に対応するピーク電流I1 が走査電流Ipanelのピーク値となって走査電極4に流れる。
実際には、走査電極4に電圧Vx,Vyを印加するとデータ電極5の電位が変位するので、データ電極5側にも電圧Vadsを印加して電圧が接地電位あるいは電圧Vadsの半分程度などになるように強制的にコントロールしている。本実施例では、データ電極5に印加する電圧Vadsを走査電極4に印加する電圧Vx,Vyの半分程度にしている(例えば走査電極用のドライバ回路20Aの入力電圧Vsを250V、データ電極用のドライバ回路20Bの入力電圧Vaを125V)。
(ステップS4)エージング対象のPDPがあるか?
PDP1を全面にわたって所定期間点灯させてエージングを行い、エージング終了後にエージング対象のPDP1が他に存在するか否かを確認する。
(ステップS5)PDPの切換
PDP1があれば、現時点で終了したPDP1をトレー11から外して次にエージング対象のPDP1をトレー11に載せ換えてPDP1を切り換える。そして、ステップS1に戻る。なお、ステップS4でエージング対象のPDP1がなければ一連の操作を終了する。
上述の構成を有する実施例装置によれば、ドライバ回路20は、印加用電圧Vx,Vyのための入力信号のスイッチングを行うスイッチング素子21,22と、そのスイッチング素子21,22のゲート電圧Vgを可変させる可変電源24,25とを備えている。可変電源24,25によるゲート電圧Vgの変化で印加用電圧Vx,Vyの値を変化させるとともに、印加用電圧Vx,Vy走査電極4に印加することにより走査電極4に流れる走査電流Ipanelの値を印加用電圧Vx,Vyの変化で変化させる。このとき、ゲート電圧Vgの値を変化させると、図7に示すように走査電流Ipanelの値(図7ではピーク電流Ip)が連続的に変化するので、入力信号の波形を変えずにエージング条件を簡単に求めることができる。
本実施例では、各々のPDP1に応じて予め求められたゲート電圧Vgと走査電流Ipanelとの相関関係(図7参照)を記憶する相関関係メモリ15と、エージングの対象となるPDP1に切り換わると、その切り換わったPDP1に応じた相関関係を相関関係メモリ15から読み出して、その相関関係に基づいたゲート電圧Vgを出力する指令を可変電源24,25に与える制御部16とを備えている。このような構成を備えることで、エージングの対象となる各々のPDP1に応じた走査電流Ipanelをそれぞれ最適に求めることができ、エージング処理を自動的に制御することができる。
さらに、エージングの対象となるPDP1を識別する識別部14を備え、エージングの対象となるPDP1に切り換わると、その切り換わったPDP1を識別部14が識別して、その識別結果を制御部16に与え、制御部16はその識別結果と上述した相関関係とに基づいて上述した指令を可変電源24,25に与える。このような識別部14を備え、各構成(識別部14や相関関係メモリ15や制御部16や可変電源24,25など)を関連付けることで、ステップS5のようにPDP1に切り換わる際にもエージングを自動的に制御することができ、エージングの制御について、より一層の自動化を図ることができる。
また、上述したようにゲート電圧Vgの値を変化させると、走査電流Ipanelの値が連続的に変化することが図7によって確かめられた。また、ゲート電圧Vgの値を変化させると、印加用電圧Vx,Vyの値も変化することが図8〜図10から確かめられた。
図8〜図10は、ゲート電圧Vgの値をそれぞれ変化させたときの各電極に関する電圧の値および走査電流の値の時間的変化を示したグラフである。図8〜図10の横軸は時間であって、縦軸は電圧または電流の値である。図8(a),図9(a),図10(a)はX電極4aの電圧Vxの時間的変化、データ電極の電圧Vadsの時間的変化をそれぞれ示す。図8(b),図9(b),図10(b)はY電極4bの電圧Vyの時間的変化、走査電流Ipanelの時間的変化をそれぞれ示す。入力波形の周波数fは40kHzで、電圧Vx,Vyにかける入力電圧Vsは250Vで、電圧Vadsにかける入力電圧Vaは125Vである。
エージング中は走査電極4の一方の電極に電圧が印加されている間は他方の電極に電圧印加されていない。一方の電極が立ち下がるとそれに入れ換わるようにして他方の電極が立ち上がる。図8〜図10に示すように、走査電極4のX電極4aに電圧Vxが印加されている間はY電極4bに電圧Vyが印加されていない。電圧Vxが立ち下がるとそれに同期して電圧Vyが立ち上がる。この電圧Vyの立ち上がりの際に走査電流Ipanelが負の値に立ち下がった後に正の値に立ち上がり減衰しながら正と負との間を振幅する。この最初の負の値に立ち下がった時間が点灯時間となる。もっとも立ち下がった値がピーク電流Ipとなる。
図8はゲート電圧Vgが15.0Vのときで、図9はゲート電圧Vgが9.0Vのときで、図10はゲート電圧Vgが8.0Vのときであるが、ゲート電圧Vgの変化に伴って電圧Vxの立ち下がり時間および電圧Vyの立ち下がり時間が変化し、走査電流Ipanelの振幅も変化することが図8〜図10からもわかる。
なお、データ電極用のドライバ回路20Bでのゲート電圧Vg´は固定の状態なので、本来ならば電圧Vadsの値は変化しない。しかし、上述したように走査電極4に電圧Vx,Vyを印加するとデータ電極5の電位が実際には変位するので、電圧Vx,Vyの変化に伴ってデータ電極5に印加される電圧Vadsの値も多少変化する。この変化については図8〜図10から確かめられた。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、両スイッチング素子21,22のゲート電圧Vgをともに可変させる構造であったが、各スイッチング素子21,22のうちいずれか一方のゲート電圧Vgのみ可変で、他方のゲート電圧Vgを固定してもよい。
(2)上述した実施例では、スイッチング素子として2段構造(スイッチング素子21,22)であったが、1段のみあってもよいし、3段以上の複数段であってもよい。
(3)上述した実施例では、データ電極用のドライバ回路20Bでのゲート電圧Vg´は固定であったが、ゲート電圧Vg´も可変に構成してもよい。
(4)上述した実施例では、PDP1に切り換わる際にもエージングを自動的に制御するために、エージングの対象となるPDP1を識別する識別部14を備えたが、自動的に制御しないのであれば、識別部14は必ずしも必要でない。
(5)上述した実施例では、エージング処理を自動的に制御するために、識別部14や相関関係メモリ15や制御部16を備えたが、自動的に制御しないのであれば、これらの構成は必ずしも必要でない。
(6)本発明は、AC(交流)型PDPに適用してもよいし、DC(直流)型PDPに適用してもよい。AC型PDPの場合にはドライバ回路20は交流電源に接続され、DC型PDPの場合にはドライバ回路20は直流用電源に接続される。
(7)本発明は、面放電型のPDPに適用してもよいし、対向放電型のPDPに適用してもよい。面放電型のPDPの場合には、上述した実施例のようにX電極4a,Y電極4b(図2参照)を同じ前面基板2上で形成して、同一面内で放電が発生する構造となり、対向放電型のPDPの場合には、前面基板にX電極を、背面基板にY電極をそれぞれ形成して、前面基板・背面基板間で放電が発生する構造となる。
(8)本発明は、反射型PDPに適用してもよいし、透過型PDPに適用してもよい。反射型PDPの場合には、プラズマ放電によって発生された可視光をPDPの表面に透過させて、PDPの表面(上面)から点灯を確認する構造となり、透過型PDPの場合には、プラズマ放電によって発生された可視光をPDPの裏面にそのまま透過させて、PDPの裏面(下面)から点灯を確認する構造となる。
本実施例装置の構成を示す概略斜視図である。 プラズマディスプレイパネル(PDP)の各電極を模式的に示した平面図である。 PDPとドライバ回路との電気的接続を示す回路図である。 本実施例装置のブロック図である。 ドライバ回路に関する概略回路図である。 PDPのエージング処理における一連の流れを示すフローチャートである。 スイッチング素子のゲート電圧の値を変化させたときの走査電流のピーク値であるピーク電流の変化を示すグラフである。 (a),(b)は、ゲート電圧の値をそれぞれ変化させたときの各電極に関する電圧の値および走査電流の値の時間的変化を示したグラフである。 (a),(b)は、ゲート電圧の値をそれぞれ変化させたときの各電極に関する電圧の値および走査電流の値の時間的変化を示したグラフである。 (a),(b)は、ゲート電圧の値をそれぞれ変化させたときの各電極に関する電圧の値および走査電流の値の時間的変化を示したグラフである。
符号の説明
1 … プラズマディスプレイパネル(PDP)
2 … 前面基板
3 … 背面基板
4 … 走査電極
20 … ドライバ回路
21,22 … スイッチング素子
24,25 … 可変電源
Vg … ゲート電圧
Vx,Vy … 印加用電圧
Ipanel … 走査電流

Claims (4)

  1. 複数枚の基板を貼り合わせて形成され、貼り合わされた基板のすきまにガスを封入して、そのすきまに電圧を印加することによって、プラズマ放電を発生させて点灯させるプラズマディスプレイパネルに対して、プラズマ放電を発生させる走査電極に点灯用回路を接続して、その点灯用回路から出力された印加用電圧を走査電極に印加し、前記プラズマディスプレイパネルの全面に対して所定期間点灯させることで、プラズマディスプレイパネルの点灯の安定化処理を行うプラズマディスプレイパネルの点灯安定化処理装置であって、
    点灯用回路は、
    印加用電圧のための入力信号のスイッチングを行うスイッチング素子と、
    そのスイッチング素子のゲート電圧を可変させる可変電源とを備え、
    可変電源によるゲート電圧の変化で印加用電圧の値を変化させるとともに、印加用電圧走査電極に印加することにより走査電極に流れる走査電流の値を印加用電圧の変化で変化させることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの点灯安定化処理装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの点灯安定化処理装置において、
    各々のプラズマディスプレイパネルに応じて予め求められた前記ゲート電圧と走査電流との相関関係を記憶する相関関係記憶手段と、
    点灯安定化処理の対象となるプラズマディスプレイに切り換わると、その切り換わったプラズマディスプレイパネルに応じた前記相関関係を相関関係記憶手段から読み出して、その相関関係に基づいたゲート電圧を出力する指令を前記可変電源に与える指令手段とを備えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの点灯安定化処理装置。
  3. 請求項2に記載のプラズマディスプレイパネルの点灯安定化処理装置において、
    点灯安定化処理の対象となるプラズマディスプレイを識別する識別手段を備え、
    点灯安定化処理の対象となるプラズマディスプレイに切り換わると、その切り換わったプラズマディスプレイパネルを識別手段が識別して、その識別結果を前記指令手段に与え、
    指令手段はその識別結果と前記相関関係とに基づいて前記指令を前記可変電源に与えることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの点灯安定化処理装置。
  4. 複数枚の基板を貼り合わせて形成され、貼り合わされた基板のすきまにガスを封入して、そのすきまに電圧を印加することによって、プラズマ放電を発生させて点灯させるプラズマディスプレイパネルに対して、その全面に所定期間点灯させることで、プラズマディスプレイパネルの点灯の安定化処理を行うプラズマディスプレイパネルの点灯安定化処理装置に用いられる点灯用回路であって、
    プラズマ放電を発生させる走査電極に接続されて点灯用回路は構成されており、
    点灯用回路から出力された印加用電圧を走査電極に印加することでプラズマディスプレイパネルの全面に対して所定期間点灯させ、
    点灯用回路は、
    印加用電圧のための入力信号のスイッチングを行うスイッチング素子と、
    そのスイッチング素子のゲート電圧を可変させる可変電源とを備え、
    可変電源によるゲート電圧の変化で印加用電圧の値を変化させるとともに、印加用電圧走査電極に印加することにより走査電極に流れる走査電流の値を印加用電圧の変化で変化させることを特徴とする点灯用回路。
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