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JP4362566B2 - 着色ポリマー粒子およびその製造方法 - Google Patents
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JP4362566B2 - 着色ポリマー粒子およびその製造方法 - Google Patents

着色ポリマー粒子およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、重合体粒子(シード粒子)に単量体および染料を吸収させて、このシード粒子に吸収された単量体を重合することにより製造する、着色ポリマー粒子およびその製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来、着色重合体粒子の製造方法する方法としては、無色または白色の重合体粒子を染色する方法がある。しかし、この方法では、重合体粒子の表面のみしか染色されず、着色剤が溶出しやすく、色調の薄い粒子しか得られないという問題があった。
【0003】
また、重合体粒子の表面を顔料で被覆する方法がある。しかし、この方法では、顔料が重合体粒子の表面に付着するのみであって、顔料が剥離しやすいという問題があった。
さらに、重合体と着色剤とを混練したのち、造粒、分級する方法がある。このような方法としては、たとえば、着色剤を粘着性樹脂および用途に応じて必要とされる種々の添加剤とともにニーダーなどで溶融混練し、冷却後に粗粉砕し、さらに微粉砕する方法が挙げられる。しかしながら、この粉砕方法によって得られる着色ポリマー粒子は、粒子径分布が広いため、粒子径による分級を必要とし、しかもその形状が不定形であることから、場合によっては球形化処理を行う必要があり、多くの工程を必要とするという問題があった。また、着色剤および添加剤を粘着性樹脂中に均一に分散させることは極めて困難であり、得られる着色ポリマー粒子の光学特性や電気特性などにむらが生じるという問題があった。
【0004】
またさらに、着色剤を含む単量体を懸濁重合あるいは乳化重合して着色粒子を得たのち分級する方法があるが、着色剤と重合されたポリマーとの親和性が低い場合には、粒子が脆くなるという問題があった。また、着色剤により重合反応が阻害されたり、着色剤が重合中に褪色したりしやすいという問題があった。さらに、このような方法で重合して得られる粒子は、形状および粒子径の分布が広いため、粒子の形状および径により分級する必要があり、工程が複雑であるという問題があった。
【0005】
このような問題を解決する方法として、油溶性染料を溶解した重合性単量体溶液を、フィルターを通過させて水系媒体中に分散し、その後ラジカル重合開始剤を用いて重合して、比較的粒度分布の狭い球形着色粒子を製造する方法が提案されている(特開平6‐256408号公報)。しかしながら、この方法では、重合性単量体溶液をフィルター通過させる工程が必要であり、さらに依然として重合後の粒子の分級が必要であり、工程が複雑であるという問題があった。また、使用する重合開始剤など、重合条件によっては褪色が生じるという問題があった。
【0006】
一方、分級を行うことなく、均一な粒子径を有する油溶性染料含有ポリマー粒子を製造する方法が提案されている(特開昭63‐270538号公報)。この方法では、まず種ポリマー粒子の水系分散体に親油性物質を添加して、種ポリマーに吸収させて膨潤させ、さらにスチレン系のモノマーおよび油溶性染料を種ポリマー粒子に吸収させ、重合させることに油溶性染料含有ポリマー粒子を製造するものである。このようにして、膨潤助剤の作用により重合性モノマーをシード粒子に吸収させて重合させる方法では、重合粒子を形成する樹脂とは異なる物質であり、これらの物質が得られる重合体粒子に残存すると、経時的にこうした物質の溶出が問題となることがある。また、このような方法は、スチレン系の重合体粒子の製造には有効であるが、アクリル系の重合体粒子の製造には有効ではなかった。
【0007】
ところで、本願出願人は、耐溶剤性に優れた真球状の単分散重合体粒子を製造する方法を提案している(特開平8‐120005号公報)。
本発明者は、このような状況に鑑みて鋭意研究した結果、アクリル系単量体と油溶性染料とを、シード粒子に吸収させ、アゾ系の重合開始剤を用いて重合させることにより、重合時の染料の褪色などの問題を生じることなく、染料が溶出しにくい着色ポリマー粒子を製造し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、製造時に染料の褪色などの問題を生じることなく、染料が溶出しにくい、着色ポリマー粒子およびその製造方法、特にアクリル系の着色ポリマー粒子およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【発明の概要】
本発明の着色ポリマー粒子の製造方法は、
アクリル系単量体、メチルメタクリレート100重量部に対して25℃で1.0重量部以上溶解する油溶性染料、シード粒子およびアゾ系重合開始剤を、膨潤剤を含有しない水系媒体中で接触させて、
シード粒子にアクリル系単量体と油溶性染料とを吸収させた、シード粒子分散液を調製し、
シード粒子に吸収されたアクリル系単量体を重合させる、重合・着色工程を有することを特徴としている。
【0010】
また、本発明の着色ポリマー粒子は、前記着色ポリマー粒子の製造方法により得られることを特徴している。
【0011】
【発明の具体的説明】
以下、本発明について具体的に説明する。
<着色ポリマー粒子>
本発明の着色ポリマー粒子は、膨潤剤を含有しない水系媒体中に分散されたシード粒子に、アクリルモノマーおよび油溶性染料を吸収させ、該アクリルモノマーを重合させることにより粒子成長させて得られる。
【0012】
このような本発明の着色ポリマー粒子は、後述する本発明の着色ポリマー粒子の製造方法で用いるシード粒子を用いて得ることができ、好ましくはアクリル系シード粒子を用いて得ることができる。
本発明の着色ポリマー粒子は、平均粒子系が0.5〜100μm、好ましくは1〜20μmの範囲内にあるのが望ましい。また、本発明の着色ポリマー粒子は、ほぼ真球状であるのが好ましく、同一粒子において、直径(長径)と短径との比は通常1.2以下、好ましくは1.1以下であるのが望ましい。さらに、本発明の着色ポリマー粒子の相対標準偏差(CV値)は、通常は10%以下、好ましくは1〜5%の範囲にあるのが望ましい。
【0013】
このような本発明の着色ポリマー粒子は、好ましくは、後述する本発明の着色ポリマー粒子の製造方法により得ることができる。
<着色ポリマー粒子の製造方法>
本発明によれば、アクリル系単量体、油溶性染料、シード粒子および重合開始剤を、膨潤剤を含有しない水系媒体中で接触させて、シード粒子にアクリル系単量体と油溶性染料とを吸収させた、シード粒子分散液を調製し、次いで、シード粒子に吸収されたアクリル系単量体を重合させることによって、着色ポリマー粒子を製造することができる。なお、本発明でいう吸収とは、シード粒子内部への吸収およびシード粒子表面への吸着のいずれをも意味する。
【0014】
本発明で用いるアクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸エステル系の単量体をいずれも好ましく用いることができ、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2-エチルへキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-プロピル(メタ)アクリレート、クロロ-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートおよびイソボロノル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。本発明では、このうち、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレートなどの、炭素数1〜4のメタクリレートが好ましく用いられる。
【0015】
本発明では、アクリル系単量体として、このようなアクリル系単量体を単独で用いてもよく、二種以上混合して用いてもよいが、炭素数1〜4のメタクリレートを50重量%以上、より好ましくは65重量%以上、特に好ましくは80重量%以上の割合で含有するアクリル系単量体を用いるのが望ましい。
また、このようなアクリル系単量体は、本発明の目的を損なわない範囲で、アクリル系以外の単量体を含有していてもよい。
【0016】
本発明で用いる油溶性染料としては、メチルメタクリレート(MMA)に溶解性を示す油溶性染料が望ましく、25℃でMMA100重量部に対して通常1.0重量部以上、好ましくは2.0重量部以上、より好ましくは4.0重量部以上溶解する油溶性染料を用いるのが望ましい。
一方、MMAへの溶解度が低い油溶性染料を用いると、染料のシード粒子への吸着しにくい場合や、染料の褪色が生じる場合もある。
【0017】
本発明で好ましく用いられる油溶性染料としては、具体的には、例えばカラーインデックス番号(C.I.)が、ソルベントブルー35(MMAへの溶解度が4.2重量部)、ソルベントレッド132(MMAへの溶解度が4.3重量部)、ソルベントブラック27(MMAへの溶解度が13.0重量部)、ソルベントイエロー16(MMAへの溶解度が4.7重量部)およびソルベントブルー70(MMAへの溶解度が1.6重量部)である油溶性染料、OIL GREEN 502(オリエント化学工業(株)製、MMAへの溶解度が13.2重量部)、OIL GREEN BG(オリエント化学工業(株)製、MMAへの溶解度が1.5重量部)、VALIFAST RED 3306(オリエント化学工業(株)製、MMAへの溶解度が37.0重量部)などが挙げられるが、このうちMMAへの溶解度が4.0重量部以上であるものが特に好ましく挙げられる。
【0018】
このようなMMAへの溶解度が高い油溶性染料を用いると、充分量の染料を用いることができ、また重合時などの着色ポリマー粒子の製造工程で染料が褪色することなく、均一な色調の着色ポリマー粒子が得られるため好ましい。
このような油溶性染料は、単独で用いても組合わせて用いてもよい。
本発明において、油溶性染料は、所望の色調などにもよるが、アクリル系単量体100重量部に対して、通常1.0〜20重量部、好ましくは1.5〜15重量部、さらに好ましくは2.0〜10重量部の割合で用いることができる。
【0019】
本発明の着色ポリマー粒子の製造方法では、シード粒子を用いる。
本発明で用いるシード粒子は、種々の樹脂で形成することができる。本発明で用いるシード粒子を形成する樹脂の例としては、(メタ)アクリル系(共)重合体、スチレン系(共)重合体、または、(メタ)アクリル系単量体とスチレン系単量体との共重合体を挙げることができる。
【0020】
このシード粒子を形成することのできる、(メタ)アクリル系(共)重合体としては、(メタ)アクリル酸エステル系の単量体の(共)重合体、あるいは(メタ)アクリル酸エステル系の単量体と他の単量体との共重合体であることが好ましい。
ここで(メタ)アクリル酸エステル系の単量体の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルへキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロへキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-プロピル(メタ)アクリレート、クロロ-2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートおよびイソボロノル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0021】
また、シード粒子を形成することのできる、スチレン系単量体の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、へキシルスチレン、ヘプチルスチレンおよびオクチルスチレン等のアルキルスチレン;フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨウドスチレンおよびクロロメチルスチレンなどのハロゲン化スチレン;ならびに、ニトロスチレン、アセチルスチレンおよびメトキシスチレンを挙げることができる。
【0022】
シード粒子は、上記のような(メタ)アクリル系(共)重合体またはスチレン系(共)重合体のいずれかの樹脂単独で形成されていることが好ましいが、これらの樹脂からなる組成物から形成されていてもよい。また、上記(メタ)アクリル酸エステル系の単量体とスチレン系の単量体との共重合体であってもよい。
さらに、この(メタ)アクリル系樹脂またはスチレン系樹脂には、上記のような(メタ)アクリル酸エステル系の単量体および/またはスチレン系の単量体と共重合可能な他の単量体が共重合していてもよい。
【0023】
上記のような(メタ)アクリル酸エステル系の単量体あるいはスチレン系単量体と共重合可能な他の単量体の例としては、ビニル系単量体、不飽和カルボン酸単量体を挙げることができる。
ここでビニル系単量体の具体的な例としては、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、ビニルアセテートおよびアクリロニトリル;ブタジエン、イソプレンおよびクロロプレン等の共役ジエン単量体;塩化ビニルおよび臭化ビニル等のハロゲン化ビニル、塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデンを挙げることができる。
【0024】
また、不飽和カルボン酸単量体の具体的な例としては、(メタ)アクリル酸、α-エチル(メタ)アクリル酸、クロトン酸、α-メチルクロトン酸、α-エチルクロトン酸、イソクロトン酸、チグリン酸およびウンゲリカ酸等の付加重合性不飽和脂肪族モノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸およびヒドロムコン酸等の付加重合性不飽和脂肪族ジカルボン酸を挙げることができる。
【0025】
本発明で用いるシード粒子は、上述の樹脂から形成されるものであって、平均粒子径が0.05〜100μm、好ましくは0.05〜20μmの、真球状単分散粒子であるのが望ましい。このような本発明で用いるシード粒子としては、ソープフリー乳化重合、懸濁重合、乳化重合などで得られる、平均粒子径が0.05〜1μm程度の、粒子径の小さなシード粒子であってもよく、このような粒子径の小さなシード粒子を用いて、さらにこのシード粒子に単量体を吸収させ、吸収された単量体を重合して得られる、平均粒子径が1〜100μm程度の比較的粒子径の大きなシード粒子であってもよい。
【0026】
本発明で用いるシード粒子を形成する重合体としては、例えば、上述した(メタ)アクリル酸エステル系単量体を通常は0〜100重量部、好ましくは50〜100重量部、スチレン系単量体を通常は0〜80重量部、好ましくは0〜50重量部、ビニル系単量体等の他の単量体を通常は0〜80重量部、好ましくは0〜50重量部の量で共重合させて得られる重合体が挙げられる。なお、このような重合体は、さらに上記単量体と共重合可能な成分が、このシード粒子の特性を損なわない範囲で共重合していてもよい。
【0027】
本発明で用いるシード粒子は、2官能性あるいは多官能性単量体を使用して、架橋構造を形成していてもよい。2官能性あるいは多官能性単量体の例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレートおよびジビニルベンゼンなどを挙げることができる。
【0028】
本発明で用いるシード粒子のうち、粒子径0.05〜1μm程度の粒子径の小さなものは、ソープフリー乳化重合、懸濁重合、乳化重合など種々の方法で調製することができるが、ソープフリー乳化重合によって調製することが特に好ましい。
ソープフリー乳化重合によりシード粒子を含有する懸濁液を調製する場合には、通常、重合開始剤を使用する。ここで使用される重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩等を挙げることができるが、重合の際に使用される水性媒体に可溶な重合開始剤であればよく、これらに限られるものではない。このような重合開始剤は、ソープフリー乳化重合の際に使用される単量体100重量部に対して、通常は0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜2重量部の量で使用するのが望ましい。
【0029】
また、乳化重合により、本発明で用いるシード粒子を含有する懸濁液を調製する場合には、通常、上記単量体より選択される任意の単量体を、水性媒体に乳化剤と共に混合して乳化させ、重合開始剤を加えて重合させることができる。
このような乳化重合で使用される重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩を挙げることができるが、重合の際に使用する水性媒体に可溶な重合開始剤であればよく、これらに限られるものではない。この重合開始剤は、単量体100重量部に対して、通常は0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜2重量部の量で使用するのが望ましい。
【0030】
また、この乳化重合によりシード粒子を調製する際には、乳化剤を使用するのが望ましい。ここで使用される乳化剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテルなどを挙げることができる。このような乳化剤は、単量体100重量部に対して通常は0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部の量で使用するのが望ましい。
【0031】
こうして形成されるシード粒子は、通常は0.05〜1μm、好ましくは0.2〜0.6μmの平均粒子径を有している。また、こうして得られたシード粒子の粒子径の相対標準偏差は、通常は10%以下、好ましくは5%以下であるのが望ましい。
また、本発明では、上述のようにして得られる、粒子径の小さなシード粒子をそのまま用いてもよいが、このようなシード粒子を用いて、シード粒子に単量体を吸収させ、吸収された単量体を重合させる、シード粒子成長工程を1回以上行い、粒子径の大きなシード粒子を調製して用いてもよい。
【0032】
粒子径の大きなシード粒子を調製するための、シード粒子成長工程は、通常は、水性媒体に、上述のような小さな粒子径のシード粒子、単量体および重合開始剤、さらに必要により乳化剤および分散安定剤を配合して行うことができる。
このようなシード粒子成長工程で用いる単量体としては、上述した、シード粒子を形成することのできる単量体をいずれも用いることができる。ここで用いられる単量体は、小さな粒子径のシード粒子を形成した単量体と同一であっても異なっていてもよい。また、ここで用いることのできる重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、過酸化ベンゾイル(BPO)、過酸化ラウリルなどの過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物を挙げることができ、このような重合開始剤は、一種のみで用いても二種以上用いてもよく、単量体100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部使用することができる。さらに、このシード粒子成長工程では、後述する重合・着色工程で用いる乳化剤および分散安定剤の説明で挙げられる、乳化剤および分散安定剤をいずれも用いることができる。
【0033】
このようなシード粒子の調製では、所望の粒子径のシード粒子が得られるよう、上述のようなシード粒子成長工程を、繰返して数回行ってもよく、通常1〜10回、好ましくは1〜5回行うのが望ましい。所望の重量および粒子径を有する、粒子系の大きなシード粒子は、たとえば、ソープフリー乳化重合などの1段階目の重合で得られた、粒子系の小さなシード粒子を用いて、1.1〜50倍程度の重量になるように、粒子系の小さなシード粒子に単量体を吸収させ、吸収された単量体を重合するシード粒子成長工程(2段階目の重合)を行い、必要であれば、その後さらに1〜10回程度同様のシード粒子成長工程を繰返すことにより調製することができる。
【0034】
本発明では、このようなシード粒子のうち、少なくとも粒子表面を形成する樹脂を構成する単量体として、(メタ)アクリル系モノマーを含有するアクリル系シード粒子を用いるのが好ましく、炭素数1〜4のメタクリレートを含有するアクリル系シード粒子を用いるのが特に好ましい。
本発明では、アクリル系単量体、油溶性染料、シード粒子および重合開始剤を、膨潤剤を含有しない水系媒体中で接触させて、シード粒子にアクリル系単量体と油溶性染料とを吸収させた、シード粒子分散液を調製し、次いで、シード粒子に吸収されたアクリル系単量体を重合させる、重合・着色工程を行うことにより着色ポリマー粒子を製造することができる。
【0035】
重合・着色工程は、通常は、水系媒体に、シード粒子、アクリル系単量体、および重合開始剤、さらに必要により乳化剤および分散安定剤を配合して行う。このような重合・着色工程は、アクリル系単量体がシード粒子に吸収される前に重合することを防ぐため、水系媒体中に重合禁止剤を配合して行ってもよい。またさらに、重合・着色工程を妨げない範囲で、水系媒体中にその他の添加剤を配合して行ってもよい。
【0036】
このような重合・着色工程は、アクリル系単量体と、油溶性染料と、重合開始剤とを含有する水系媒体を調製したのち、シード粒子を混合してシード粒子分散液を調製し、攪拌下に60〜99℃、好ましくは65〜95℃程度に加熱することによって行うことができる。このとき水系媒体は、上記のほか、乳化剤、分散安定剤などを含有していてもよい。またこのとき、油溶性染料は、あらかじめアクリル系単量体に溶解して用いるのが好ましい。
【0037】
本発明では、このような重合・着色工程を、着色ポリマーの粒子径や着色度合いなどの所望に応じて、数回繰返して行うこともできる。
なお、本発明では、このような重合・着色工程を行う水系媒体中に、膨潤剤を実質的に含有しない。ここでいう膨潤剤とは、ヘキサン、1-クロルドデカン、アジピン酸、ジオクチル、メタクリル酸ステアリルなどの、非重合性の有機溶剤を意味する。水系媒体中に膨潤剤を含有しない場合には、シード粒子を膨潤剤で膨潤させることなく重合・着色工程を行うことができるため、着色ポリマー粒子に不要な有機溶剤が残存することがなく、経時的に溶剤が溶出する恐れがなく、また粒子が脆くなりにくいため好ましい。
【0038】
また本発明では、重合・着色工程において、公知の重合開始剤を用いることができるが、アゾ系重合開始剤を用いるのが特に好ましい。アゾ系重合開始剤を用いて重合を行うと、油溶性染料の褪色を生じることなく、良好に着色ポリマー粒子を得ることができる。
アゾ系重合開始剤としては、2,2'‐アゾビス(2‐メチルプロピオニトリル)、2,2'‐アゾビス(2‐メチルブチロニトリル)、2,2'‐アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)、2,2'‐アゾビス(2‐シクロプロピルプロピオニトリル)、1,1'‐アゾビス(シクロヘキサン‐1‐カルボニトリル)、ジメチル‐2,2'‐アゾビス(2‐メチルプロピオネート)などが挙げられ、公知のアゾ系重合開始剤をいずれも好ましく用いることができるが、トルエンに可溶なアゾ系重合開始剤を用いるのが好ましく、また、シアノ基を有さないアゾ系重合開始剤を用いるのがより好ましい。また、上述したアゾ系開始剤の中では、ジメチル‐2,2'‐アゾビス(2‐メチルプロピオネート)を特に好ましく用いることができる。
【0039】
このようなアゾ系重合開始剤は、単独で用いても複数組合わせて用いてもよく、アゾ系重合開始剤とアゾ系以外の重合開始剤をと組合わせて用いてもよい。アゾ系重合開始剤と組合わせて用いることのできるものとしては、過酸化物系の重合開始剤などが挙げられる。
本発明では、このようなアゾ系重合開始剤を、アクリル系単量体100重量部に対して通常は、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜2重量部の量で使用することができる。
【0040】
また、重合・着色工程で使用することのできる乳化剤の例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、アリルエーテルおよびそれらの硫酸エステルの塩などを挙げることができるが、特にポリオキシエチレン多環フェニルエーテルの硫酸エステル塩を用いるのが好ましい。このような乳化剤は、アクリル系単量体100重量部に対して、通常は0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部の量で使用することができる。
【0041】
さらに、重合・着色工程で使用することのできる分散安定剤の例としては、部分鹸化されたポリビニルアルコール;ポリビニルアルコール;ポリアクリル酸、その共重合体およびこれらの中和物ならびにポリメタクリル酸、その共重合体およびこれらの中和物などを挙げることができる。このような分散安定剤は、アクリル系単量体100重量部に対して、通常は0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜2重量部の量で使用することができる。
【0042】
また、重合・着色工程において、水系媒体中に配合することのできる重合禁止剤としては、亜硝酸ナトリウム、ヒドロキノンなどが挙げられる。このような重合禁止剤は、水系媒体中に通常0.01〜0.5重量%、好ましくは0.02〜0.1重量%の量で含有させて用いるのが望ましい。
本発明では、上述のような重合・着色工程を経ることにより、シード粒子に吸収された単量体が重合してシード粒子が成長するとともに、シード粒子内に均一な着色が形成される。本発明においては、着色ポリマー粒子の粒子径、重量、着色度合いなどが所望のものとなるよう、重合・着色工程を複数回繰返して行うこともできる。このような重合・着色工程は、通常は1〜10回、好ましくは1〜5回繰返して行うことができ、特に好ましくは1回行うことができる。
【0043】
また、本発明では、着色ポリマー粒子を構成する樹脂に、架橋構造を形成させることもできる。このような架橋構造は、2官能性あるいは多官能性単量体を使用して形成することができる。架橋構造を形成させる、2官能あるいは多官能性単量体の例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメチルエタンジアクリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメチルエタントリアクリレート、1,1,1-トリスヒドロキシメチルプロパントリアクリレート、N-メチロールアクリルアマイドおよびジビニルベンゼンなどを挙げることができる。
【0044】
重合・着色工程において、上記2官能性単量体あるいは多官能性単量体を用いる場合には、単量体100重量部に対して、通常は0.5〜50重量部、好ましくは1〜10重量部の量で使用するのが望ましい。
上述のような重合・着色工程により、着色ポリマー粒子が分散された乳化液が調製される。このような方法により得られる乳化液中には、残存モノマーが少なく、アクリル系単量体が効率よくシード粒子に吸着し、分散することなく重合していることがわかる。重合・着色工程の後において、乳化液中の残存モノマー量は、通常用いたアクリル系単量体の2重量%以下、好ましくは1.5重量%以下、特に好ましくは0.1〜1.0重量%である。このようにして得られた着色ポリマー粒子は、濾過、脱水など公知の方法で適宜乳化液中より分離し、必要に応じて洗浄して製品化することができる。
【0045】
このような本発明の製造方法により得られた着色ポリマー粒子は、通常、平均粒子系が0.5〜100μm、好ましくは1〜20μmの範囲内にあり、また、この着色ポリマー粒子の相対標準偏差(CV値)は、通常は10%以下、好ましくは1〜5%の範囲にある。
さらに本発明で得られた着色ポリマー粒子は、ほぼ真球状であり、電子顕微鏡写真を用いて粒子径を測定すると、同一粒子において、直径(長径)と短径との比は通常1.2以下、好ましくは1.1以下である。
【0046】
本発明によれば、シード粒子を有機溶剤などで膨潤させることなく、アクリル系単量体および油溶性染料をシード粒子に吸収させて重合させて得られるため、着色ポリマー粒子に不要な有機溶剤が残存することがなく、経時的に溶剤が溶出する恐れがなく、また粒子が脆くなりにくいため、多岐の分野で良好に用いることができる優れた着色ポリマー粒子を製造することができる。
【0047】
本発明の着色ポリマー粒子および、本発明の製造方法により得られる着色ポリマー粒子は、真球状で単分散性を示すため、各種の素材に容易に均一に混合することができ、クレヨン、トナー、プラスチック素材などの着色料、各種マット剤、塗料用添加剤、液晶ディスプレー用スペーサなどの用途に好適に使用することができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、製造時に染料の褪色などの問題を生じることなく、均一な着色がなされ、染料が溶出しにくい着色ポリマー粒子を良好に得ることができる。また、本発明によれば、真球状で単分散性を示す、均一な性状の着色ポリマー粒子を提供することができる。
【0049】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例および比較例において、着色ポリマー粒子の色調は以下のとおり測定する。
【0050】
<色調測定方法>
着色粒子を固形分10重量部となるように水に分散したものを試料とし、この試料を容器に入れ、その上に厚さ1.75mmのガラス板をのせて、測定機(カラーエース MODEL TC‐PIII(東京電色(株)製))により測定し、Lab表色系の値(L値、a値、b値)を求める。
【0051】
なお、L値は明度(白・黒)を表し、数値の増加は黒方向である。また、a値およびb値は色相および彩度を表すものであり、a値は赤・緑の指標であって数値の増加は赤方向を示し、b値は黄・青の指標であって数値の増加は黄方向を示す。
【0052】
【実施例1】
<シード粒子の調製>
(1段階目の重合:ソープフリー乳化重合)
温度計と窒素導入管とを装着した、容量1リットルの四つ口フラスコに、単量体であるメチルメタクリレート(MMA)100重量部と、水300重量部とを投入して攪拌混合し、さらに窒素気流下で攪拌を行いながら80℃に昇温した。
【0053】
次いで混合液中に過硫酸カリウム0.5重量部を加え、80℃に保持しながら6時間反応させ、重合体粒子の分散液(A)を得た。
分散液(A)中の重合体粒子を電子顕微鏡写真により観察したところ、この重合体粒子は、ほぼ一定の粒子径を有する真球状であって、平均粒子径は0.41μm、相対標準偏差(CV値)は1.8%であった。また、分散液(A)中の固形分量は24.2重量%であった。
【0054】
(2段階目の重合)
温度計と窒素導入管とを装着した、容量1リットルの四つ口フラスコに、MMA 91.7重量部と、過酸化ベンゾイル1.0重量部とを投入して溶解させ、さらにこの溶液に、水200重量部、ニューコール707SN(日本乳化剤(株)製)3.3重量部および亜硝酸ナトリウム0.1重量部を加え、強攪拌下に10分間混合した。
【0055】
次いで、この混合液に、1段階目の重合で得た分散液(A)中の重合体粒子34.6重量部を添加し、50℃で30分間穏やかに攪拌したあと、75℃で2時間反応させて、重合体粒子の分散液(B)を得た。
分散液(B)中の重合体粒子を電子顕微鏡写真により観察したところ、この重合体粒子は、平均粒子径0.93μmで、相対標準偏差(CV値)は2.1%である、真球状の単分散粒子であった。また、分散液(B)中の固形分量は32.1重量%であった。
【0056】
(3段階目の重合)
次に同様の装置において、MMA95.0重量部と、過酸化ベンゾイル1.0重量部とを混合して溶解させ、さらにこの溶液に、水200重量部、ニューコール707SN(日本乳化剤(株)製)3.3重量部および亜硝酸ナトリウム0.1重量部を加え、強攪拌下に10分間混合した。
【0057】
次いで、この混合液に、2段階目の重合で得た分散液(B)中の重合体粒子15.6重量部を添加し、50℃で30分間穏やかに攪拌したあと、75℃で2時間反応させて、重合体粒子の分散液(C)を得た。この分散液(C)中の固形分量は32.1重量%であった。
この分散液(C)中の重合体粒子をシード粒子とする。
【0058】
得られたシード粒子を電子顕微鏡写真により観察したところ、このシード粒子は、平均粒子径2.47μmで、相対標準偏差(CV値)は3.1%である、真球状の単分散粒子であった。
<重合・着色>
アクリル系モノマーであるメチルメタクリレート(MMA)80.0重量部に、油溶性染料であるC.I.ソルベントブルー35(MMAへの溶解度:4.2重量部)2.0重量部、アゾ系重合開始剤であるV‐601(和光純薬工業(株)製、ジメチル‐2,2'‐アゾビス(2‐メチルプロピオネート))1.0重量部を投入して溶解させ、さらに水200重量部、乳化剤であるニューコール707SN(日本乳化剤(株)製)10.0重量部、および、重合禁止剤である亜硝酸ナトリウム0.05重量部を添加し、強攪拌下に10分間混合した。
【0059】
次いで、この混合物に、上述の分散液(C)中の重合体粒子であるシード粒子を62.3重量部添加し、50℃で30分間穏やかに攪拌したあと、80℃で2時間反応させ、つづいて90℃で2時間反応させ、着色ポリマー粒子の分散液(I)を得た。この分散液(I)中の固形分量は27.0重量%、残存モノマー量は0.73重量%であった。
【0060】
得られた分散液(I)中の着色ポリマー粒子を、電子顕微鏡写真により観察したところ、この着色ポリマー粒子は、平均粒子径が4.21μmである、真球状の単分散粒子であり、その相対標準偏差(CV値)は4.2%であって、均一に着色されていた。
また、着色ポリマー粒子の色調を測定した。結果を表1に示す。
【0061】
【実施例2】
アクリル系モノマーであるメチルメタクリレート(MMA)75.0重量部に、2官能性単量体であるエチレングリコールジメタアクリレート5.0重量部、C.I.ソルベントレッド132(MMAへの溶解度:4.3重量部)2.5重量部、アゾ系重合開始剤であるV‐601(和光純薬工業(株)製)1.0重量部、過酸化物系重合開始剤である過酸化ベンゾイル0.2重量部を投入して溶解させ、さらに水200重量部、乳化剤であるニューコール707SN(日本乳化剤(株)製)10.0重量部、および、重合禁止剤である亜硝酸ナトリウム0.05重量部を添加し、強攪拌下に10分間混合した。
【0062】
次いで、この混合物に、実施例1で調製したシード粒子を62.3重量部添加し、50℃で30分間穏やかに攪拌したあと、80℃で2時間反応させ、つづいて90℃で2時間反応させ、着色ポリマー粒子の分散液(II)を得た。分散液(II)中の固形分量は27.1重量%、残存モノマー量は0.65重量%であった。
得られた分散液(II)中の着色ポリマー粒子を、電子顕微鏡写真により観察したところ、この着色ポリマー粒子は、平均粒子径が4.18μmである、真球状の単分散粒子であり、その相対標準偏差(CV値)は4.5%であって、均一に着色されていた。
【0063】
また、着色ポリマー粒子の色調を測定した。結果を表1に示す。
【0064】
【比較例1】
アクリル系モノマーであるメチルメタクリレート(MMA)80.0重量部に、C.I.ソルベントブルー35(MMAへの溶解度:4.2重量部)2.0重量部、および過酸化物系重合開始剤である過酸化ベンゾイル1.0重量部を投入して溶解させ、さらに水200重量部、乳化剤であるニューコール707SN(日本乳化剤(株)製)10.0重量部、および、重合禁止剤である亜硝酸ナトリウム0.05重量部を添加し、強攪拌下に10分間混合した。
【0065】
次いで、この混合物に、実施例1で調製したシード粒子を62.3重量部添加し、50℃で30分間穏やかに攪拌したあと、80℃で2時間反応させ、つづいて90℃で2時間反応させ、着色ポリマー粒子の分散液(III)を得た。
得られた分散液(III)中の着色ポリマー粒子を、電子顕微鏡写真により観察したところ、この着色ポリマー粒子は、平均粒子径が4.12μmである、真球状の単分散粒子であり、その相対標準偏差(CV値)は4.2%であった。また、分散液(III)中の固形分量は27.0重量%、残存モノマー量は1.21重量%であった。
【0066】
また、着色ポリマー粒子の色調を測定した。結果を表1に示す。
【0067】
【比較例2】
アクリル系モノマーであるメチルメタクリレート(MMA)75.0重量部に、2官能性単量体であるエチレングリコールジ(メタ)アクリレート5.0重量部、C.I.ソルベントレッド132(MMAへの溶解度:4.3重量部)2.5重量部、過酸化物系重合開始剤である過酸化ベンゾイル1.0重量部を投入して溶解させ、さらに水200重量部、乳化剤であるニューコール707SN(日本乳化剤(株)製)10.0重量部、および、重合禁止剤である亜硝酸ナトリウム0.05重量部を添加し、強攪拌下に10分間混合した。
【0068】
次いで、この混合物に、実施例1で調製したシード粒子を62.3重量部添加し、50℃で30分間穏やかに攪拌したあと、80℃で2時間反応させ、つづいて90℃で2時間反応させ、着色ポリマー粒子の分散液(IV)を得た。
得られた分散液(IV)中の着色ポリマー粒子を、電子顕微鏡写真により観察したところ、この着色ポリマー粒子は、平均粒子径が4.11μmである、真球状の単分散粒子であり、その相対標準偏差(CV値)は4.5%であった。また、分散液(IV)中の固形分量は27.1重量%、残存モノマー量は1.02重量%であった。
【0069】
また、着色ポリマー粒子の色調を測定した。結果を表1に示す。
【0070】
【比較例3】
アクリル系モノマーであるメチルメタクリレート(MMA)80.0重量部に、油溶性染料であるKayaset Blue A-O(日本化薬(株)製、MMAへの溶解度:0.9重量部)0.5重量部、およびアゾ系重合開始剤であるV‐601(和光純薬工業(株)製)1.0重量部を投入して溶解させ、さらに水200重量部、乳化剤であるニューコール707SN(日本乳化剤(株)製)10.0重量部、および、重合禁止剤である亜硝酸ナトリウム0.05重量部を添加し、強攪拌下に10分間混合した。
【0071】
次いで、この混合物に、実施例1で調製したシード粒子を62.3重量部添加し、50℃で30分間穏やかに攪拌したあと、80℃で2時間反応させ、つづいて90℃で2時間反応させ、着色ポリマー粒子の分散液(V)を得た。
得られた分散液(V)中の着色ポリマー粒子を、電子顕微鏡写真により観察したところ、この着色ポリマー粒子は、平均粒子径が4.09μmである、真球状の単分散粒子であり、その相対標準偏差(CV値)は4.2%であった。また、分散液(V)中の固形分量は27.0重量%、残存モノマー量は1.15重量%であった。
【0072】
また、着色ポリマー粒子の色調を測定した。結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
Figure 0004362566
【0074】
以上の実施例および比較例より、MMAへの溶解度の高い油溶性染料を選択し、同種の油溶性染料を同量用いた場合であっても、アゾ系重合開始剤を用いて重合・着色工程を行った実施例1および2では、アゾ系重合開始剤を用いずに該工程を行った比較例1および2よりも、染料の色調を示す数値の絶対値が大きく、染料の褪色を生じることなく、より濃色に着色されていることがわかる。また、MMAへの溶解度が低い油溶性染料は、MMAに対して少量しか用いることができないため、MMAへの溶解度が低い油溶性染料を用いた比較例3では、色調を示す数値の絶対値が小さい淡色の着色ポリマー粒子しか得られないことがわかる。
【0075】
このように、MMAへの溶解度の高い油溶性染料を選択し、アゾ系重合開始剤を用いて重合・着色工程を行った本発明の実施例では、製造工程で染料の褪色を生じることなく、効率的に着色ポリマー粒子が形成されていることがわかる。

Claims (5)

  1. アクリル系単量体、メチルメタクリレート100重量部に対して25℃で1.0重量部以上溶解する油溶性染料、シード粒子およびアゾ系重合開始剤を、膨潤剤を含有しない水系媒体中で接触させて、
    シード粒子にアクリル系単量体と油溶性染料とを吸収させた、シード粒子分散液を調製し、
    シード粒子に吸収されたアクリル系単量体を重合させる、重合・着色工程を有することを特徴とする着色ポリマー粒子の製造方法。
  2. シード粒子が、アクリル系シード粒子である、請求項1に記載の着色ポリマー粒子の製造方法。
  3. アクリル系単量体が、炭素数1〜4のメタクリレートを50重量%以上含有する単量体である、請求項1または2に記載の着色ポリマー粒子の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の着色ポリマー粒子の製造方法により得られることを特徴とする着色ポリマー粒子。
  5. 平均粒子径が0.5〜100μmの範囲内にあり、粒子の相対標準偏差が10%以下であり、かつ真球状単分散粒子であることを特徴とする請求項4に記載の着色ポリマー粒子。
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