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JP4371560B2 - 画像形成方法及びその装置 - Google Patents
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JP4371560B2 - 画像形成方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、RGB多値画像信号を画像形成に使用する色材に対応した色信号に変換する画像処理方法、画像形成方法及びそれらの装置、コンピュータ可読メモリに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー出力装置の一例として、カラーインクジェットプリンタの場合は、シアン(以下、C)、マゼンタ(以下、M)、イエロー(以下、Y)の3色、またはこれに黒(以下、K)を加えた4色の色インクで画像を表現することが多い。
【0003】
通常、プリンタにおいては、印刷対象の画像データは、あらかじめ決められた色処理パラメータで、プリンタに備えられた色インクのデータに変換されて記録される。
【0004】
従来、画像データの種類によって色処理パラメータを使い分ける方法がよく知られている。すなわち、写真のような画像には、より階調性を重視した色処理パラメータを当てはめ、自然な階調表現を可能にしている。また、グラフや図形など、階調性のさほど必要ない画像には階調性を犠牲にしてその分より鮮やかに彩度の高い記録が得られるような色処理パラメータを当てはめる。これにより、それぞれの画像に適した記録が行える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術におけるプリンタの記録において、画像データの種類によって色処理パラメータを使い分ける方法では、色成分については違いがあるものの、色空間の中心である無彩色軸には何ら変化はなかった。
【0006】
ところが、画像において、無彩色(白、グレー、黒)は、その画質を決める大変重要な色であり、無彩色の色味によっては画像に不快感を与える場合があった。特に、写真画像における黒と、黒文字における黒では、無彩色の色味によってユーザによって視認される画質に大きな影響を与えることがあり、より良好な画質を得るためには、画像の種類に応じて好適な無彩色の色味を使用することが必要とされている。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、写真画像においても黒文字画像においても好ましい黒色を再現することができる画像形成装置及びその方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明による画像形成方法は以下の構成を備える。即ち、
RGB多値画像信号を画像形成に使用する色材に対応した色信号に変換し、該変換した色信号に基づいて画像を被記録媒体に形成する画像形成方法であって、
最大濃度値のRGB多値画像信号を色信号に変換し前記色材を用いて被記録媒体上に形成した第1画像を測色して得られる第1色度と、前記最大濃度値より一段階低い濃度値の前記RGB多値画像信号を前記色信号に変換し前記色材を用いて被記録媒体上に形成した第2画像を測色して得られる第2色度との色差が以上8以下となるように、前記RGB多値画像信号を前記色信号に変換する変換工程と、
前記変換工程で変換された色信号に基づいて、前記被記録媒体に画像を形成する画像形成工程とを備え
前記色差は、以下の式によって算出される色差△Fであり、
Figure 0004371560
前記第1色度及び前記第2色度は、CIE1976(L*a*b*)色空間におけるa*、b*色度座標で表され、
前記第2色度の色度座標に対する前記第1色度の色度座標の変動の方向は、前記被記録媒体の地の色の色度座標の符号に一致する
【0013】
上記の目的を達成するための本発明による画像形成方法は以下の構成を備える。即ち、
RGB多値画像信号を画像形成に使用する色材に対応した色信号に変換し、該変換した色信号に基づいて画像を形成する画像形成方法であって、
写真を主とする画像の最大濃度値のRGB多値画像信号を色信号に変換し前記色材を用いて被記録媒体上に形成した第1画像を測色して得られる第1色度と、黒文字を主とする画像の最大濃度値のRGB多値画像信号を色信号に変換し前記色材を用いて被記録媒体上に形成した第2画像を測色して得られる第2色度との色差が所定値以上となるように、前記RGB多値画像信号を前記色信号に変換する変換工程と、
前記変換工程で変換された色信号に基づいて、前記被記録媒体に画像を形成する画像形成工程と
を備える。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
【0015】
本願発明者は、カラー出力装置において、写真画像(あるいは写真を主とする画像)においても、黒文字画像(あるいは黒文字を主とする画像)においても好ましい黒色を再現するために、以下のような点を見出し、それに基づいて本発明を実現した。
【0016】
尚、以下の説明の色表現については、国際照明委員会CIE(Commission Internationale de l'Eclairage)が定めた均等色空間である、CIE1976(L*a*b*)表色系(以下、CIEL*a*b*色空間ともいう)を用いる。ここで、L*は無彩軸を表し、CIEL*a*b*色空間においてL*で表される座標は、その色の明度を表す。また、CIEL*a*b*色空間においてa*、b*で表される座標は、その色の色度を表す。
【0017】
写真画像では、背景などにグレーがある場合、緑や赤など、黄色味が強い、つまり、CIEL*a*b*色空間のb*がプラス方向のグレーは大変に嫌われる。むしろ、ブルー味のほうに、つまり、b*がマイナス方向に許容範囲が広い。明度50のときの好ましいグレーは、CIEL*a*b*色空間で、(a*=0、b*=−6)近辺の色度座標が良いことを、本発明者は、目視による実験で見出した。無彩色では、人間の目は色の変化に大変に敏感である。そのため、白から黒へのグラデーションにおいて、色相が振れるのは好ましくない。最大濃度を与える黒も上記色度座標にすると良い。CMYの3色でのプリントモードや、Kインクを使用しても、さらにCMYインクを使用して黒を調色できるプリントモードでは、黒を望みの色にすることが可能である。
【0018】
しかしながら、黒文字画像は、上記色度座標の色で記録を行うと、茶色く見えてしまう。これは、写真画像では一面にいろいろな色が乗っていて、被記録媒体の地の色が目に入りにくいのに比べ、黒文字画像は被記録媒体の地の色が目に入りやすいためである。人間の目は色に順応する性質があるため、測色的には同じ色でも背景の色によって見え方は変ってくる。そのため、特に、白色度の高い青みがかった被記録媒体の場合、黒がより茶色っぽく見えてしまう。黒文字画像においても黄色が強い色は嫌われ、むしろ、ブルー方向に許容範囲が広い。そして、黒文字画像の黒も写真画像と同じように黒く見えるためには、下地の色も考慮し、測色的には違った色の色度座標を選択しなければならない。黒文字画像に対する色度座標は、上記写真画像に対する色度座標よりも、a*軸でマイナス方向、つまり、シアンよりの方向にすると良いことを本発明者は見出した。
【0019】
以上のことから、写真画像における黒と、黒文字画像における黒が同じように黒く見えるためには、測色的には違う色にすることが好ましいことが言える。
【0020】
以下、上記の点を考慮して、写真画像においても、黒文字画像においても好ましい黒色をカラー出力装置において再現する本発明の実施形態について説明する。
(実施形態1)
実施形態1では、CMY3色のインクを用いて、従来公知のカラーインクジェットプリンタで、インクジェット専用コート紙(キヤノン株式会社製:HR−101S)に記録する場合について説明する。
【0021】
図1は本発明の実施形態1の画像処理システムの構成図である。
【0022】
図1において、ホストコンピュータ201はCPU202と、メモリ203と、外部記憶部204と、入カ部205と、カラー出力装置207であるカラーインクジェットプリンタとのインターフェイス206とを備えている。CPU202は、メモリ203に格納されたプログラムを実行することで後述する色処理、量子化処理等の各種処理を実現する。このプログラムは、外部記憶部204に記憶され、あるいは外部装置から供給される。ホストコンピュータ201は、インターフェイス206を介してカラー出力装置207と接続されており、色処理を施した画像データをカラー出力装置207に送信して記録を行わせる。
【0023】
図2は本発明の実施形態1の画像処理システムの主要な機能構成を示すブロック図であり、入力されるRGB各色8ビット(256階調)画像データをCMY各色1ビットデータとして出力する。
【0024】
尚、図2に示す機能構成は、カラーインクジェットプリンタを制御するホストコンピュータ201上で動作するプリンタドライバとして実現される。
【0025】
入力データとして、例えば、RGB各色8ビットデータは、まず、第1色変換処理部301において、第1の3次元ルックアップテーブル(LUT)、つまり、色変換テーブルにより、カラーインクジェットプリンタの出力色に合わせたRGB各色8ビットデータに変換される。さらに、第2色変換処理部302において、第2の3次元LUTにより、CMY各色8ビットデータに変換される。この処理は入力系のRGB系カラーから出力系のCMY系カラーに変換する処理である。入力データは、ディスプレイなど発光体の加法混色の3原色(RGB)であることが多いが、該カラーインクジェットプリンタではCMYの色材が用いられるので該変換処理が行われる。
【0026】
上記の色処理に用いられる第1及び第2の3次元LUTは、離散的にデータを保持しており、保持しているデータ間は補間処理で求めるが、該補間処理は公知の技術であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0027】
色処理が施されたCMY各色8ビットデータは、出力ガンマ補正部303で、1次元LUTによって出力γ補正が施される。単位面積当たりの記録ドット数と出力特性(反射濃度等)の関係は多くの場合に線形関係とはならないので、この出力γ補正を施すことにより、CMY8ビットデータの入力レベルと、その時の出力特性との線形関係とを保証する。
【0028】
以上が、第1及び第2色変換処理部301、302、出力γ補正部303の動作説明で、入力RGB各色8ビットデータが、出力機器であるカラーインクジェットプリンタの有する色材CMY各色8ビットデータに変換される。
【0029】
実施形態1におけるカラーインクジェットプリンタは2値プリンタであるので上記CMY各色8ビットデータは、量子化処理部304で、CMY各色1ビットデータに量子化処理される。量子化方法は、従来公知の誤差拡散法やディザ法が用いられる。
【0030】
図3は、写真画像用として、上記プリンタドライバにより制御されてグレースケールの8ビット出力値0〜255(白〜黒)に対するCMYインクの打ちこみ量の関係を示すグラフを示す図である。本グラフは、上記第2色変換処理部302の第2の3次元LUTに対応する。図3によるグレースケールの色は、CIEL*a*b*色空間のa*b*色度座標が(0、−6)近辺である(Gretagmacbeth社のSpectrochartという測色装置、絶対白基準で測定)。図3より、最大濃度を与える黒は、C=204、M=255、Y=230の組み合わせである。
【0031】
これに基づいて、特に、写真画像の黒を好ましい黒で再現するための第2色変換処理部302で用いる第2の3次元LUTは、図4のようになる。
【0032】
図4に示すように、第2色変換処理部302への入力RGB各色8ビットデータの離散的な組み合わせに対する変換結果であるCMY各色8ビットデータの写像が示されている。そして、入力RGB各色8ビットデータがR=G=B=0、即ち、黒のポイントに対するCMY各色8ビットデータは、図3、4の通り、C=204、M=255、Y=230である。
【0033】
ところで、実施形態1における記録媒体であるインクジェット専用コート紙は、その紙自体がL=93、a*=1、b*=−10の色を持っていて、若干青みがかっている。この記録媒体に前述の第2の3次元LUT、つまり、R=G=B=0の時にC=204、M=255、Y=230である値を用いて、つまり、a*=0、b*=−6の黒として黒文字画像を記録すると、紙が青っぽい分、文字が茶色に見えてしまい、好ましくない。この紙に対して、黒文字画像の黒として好ましい色は、実験の結果、測色的にはa*=−5、b*=−6であり、これを実現するCMYの組み合わせは、C=249、M=248、Y=249であった。
【0034】
そこで、実施形態1では、黒文字画像の黒を良好に再現するために、図5に示すような3次元LUTを、第2色変換処理部302で用いる第2の3次元LUTとして採用する。
【0035】
図5は本発明の実施形態1の第2色変換処理部の第2の3次元LUTを示すである。
【0036】
黒文字画像において使用される入力RGB各色8ビットデータR=G=B=0に対する変換結果としては、好ましい黒文字が生成できるように、CMY各色8ビットデータは、C=249、M=248、Y=249であり、それ以外は写真画像に適した値、つまり、図4に示した値となる。
【0037】
図5に示した第2の3次元LUTを適応すると、黒文字画像は好ましい黒色が再現できる。また、写真画像においては、R=G=B=0という画素は少なく、無彩色は大部分がR=G=B≠0であり、この領域は、写真画像に好ましいグレーを用いているので、写真画像の無彩色も良好に再現することができる。
【0038】
図5に示した第2の3次元LUTの特徴を定量的に示すとすると、本第2の3次元LUTは、最大濃度R=G=B=0の時は、黒文字画像の再現に適したa*=−5、b*=−6の黒を採用し、最大濃度より一段階低い濃度R=G=B=1以降の時は、写真画像の黒の再現に適したa*=0、b*=−6の黒を採用する。この関係と、最大濃度の時の色度座標と、最大濃度より一段階低い濃度に対する色度座標の色差△Fを示すと、表1のようになる。
【0039】
【表1】
Figure 0004371560
【0040】
尚、色差△Fは、最大濃度の時の色度座標をa1=−5、b1=−6、最大濃度より一段階低い濃度の時の色度座標a2=0、b1=−6として、以下の式に基づいて算出している。
【0041】
【数1】
Figure 0004371560
【0042】
以上説明したように、実施形態1によれば、写真画像と黒文字画像の双方において好ましい黒色を再現することができる。また、実施形態1では、黒文字画像の黒を再現する場合について説明したが、もちろん、黒線等の階調性がない画像の黒も好ましい色で表現することができるのは言うまでもない。
【0043】
尚、本発明は、上記実施形態1に限定されるものではなく、公知技術の範囲内でさまざまな応用が可能である。実施形態1ではCMY3色のインクで記録する例を示したが、これに黒を加えた4色のインクでの記録や、CやMに同系色の薄インクを備えた装置でも良い。また、インクジェットプリンタに限らず、電子写真方式や熱転写方式のプリンタに適用しても良い。
【0044】
更に、第2色変換処理部302の第2の3次元LUTに採用する色度座標は、本実施形態の数値には限らない。使用する記録用紙、あるいは国や文化、人種によって好まれる色が違うので、それぞれのユーザに最適な色度座標を採用して良い。
【0045】
更に、また、実施形態1では、本発明をホストコンピュータ201で実現する構成としたが、カラー出力装置207であるプリンタ本体に備える構成であっても良い。
(実施形態2)
実施形態1では、画像の形成に用いる記録媒体として、インクジェット専用コート紙を用いる場合の例を示した。
【0046】
記録媒体の紙色が違えば、目の順応が違うので、黒文字画像に対する黒の色が同じ色に見えるためには、測色上は違う色度座標の値を黒を採用するのが好ましい。
【0047】
例えば、実施形態1とは異なるインクジェット専用紙(キヤノン株式会社製:GP−301)において、紙の地の白色がL=95、a*=2、b*=−8の場合、紙の影響を受けにくい写真画像用のグレーは実施形態1と同様にa=0、b*=−6として良いが、黒文字画像は、実施形態1よりも青くないa*=−2、b*=−8近辺を採用すると良い。
【0048】
この関係を、図1と同様に、定量的に示せば、表2のようになる。つまり、第2色変換処理部302の第2の3次元LUTにおいて、最大濃度R=G=B=0の時は、黒文字画像の再現に適したa*=−2、b*=−8の黒を採用し、最大濃度より一段階低い濃度R=G=B=1以降の時は、写真画像の黒の再現に適したa*=0、b*=−6の黒を採用する。
【0049】
【表2】
Figure 0004371560
(実施形態3)
実施形態1、2では、第2色変換処理部302の第2の3次元LUTの中で、写真画像用と黒文字画像用それぞれにおける黒を良好に再現するような値を混在させたが、この第2の3次元LUTを写真画像用と黒文字画像用それぞれに対して独立に構成しても良い。この場合は、記録対象の画像データを解析して、写真画像か黒文字画像かの画像種類を判定し、その判定結果に基づいて、専用の3次元LUTを使用する。画像種類の判定は、画像データのヒストグラムの解析、画像データ中のエッジの判定、画像データがビットマップデータであるか否かを判定する等、従来公知の方法で行えば良い。
【0050】
尚、第2の3次元LUTを写真画像用と黒文字画像用それぞれに対して独立に構成し、かつ、実施形態1で説明した記録媒体を用いる場合の写真画像用と黒文字画像用との第2の3次元LUTの関係を定量的に示せば、表3のようになる。
【0051】
【表3】
Figure 0004371560
また、第2の3次元LUTの例を示せば、写真画像用として図4、黒文字画像用として図6のようになる。
(実施形態4)
以上説明した実施形態では、画像形成に使用する記録媒体のCIEL*a*b*色空間における色に応じて、最適な写真画像と黒文字画像の黒を再現できるように、第2色変換処理部302の第2の3次元LUTの値を設定した。
【0052】
ここで、画像形成に使用する記録媒体は、用途に応じて複数種類存在することが通常であるので、カラー出力装置207で使用可能な複数種類の記録媒体それぞれのCIEL*a*b*色空間における色を管理しておき、各記録媒体に最適な第2色変換処理部302の第2の3次元LUTを用意する。そして、入力画像を記録媒体上に画像形成する場合には、その使用する記録媒体に対応する第2の3次元LUTを使用して、第2色変換処理部302の処理を行う。これにより、画像形成にどのような記録媒体を使用しても、最適な写真画像と黒文字画像の黒を再現することができる。
【0053】
ここで、以上説明した実施形態1〜4に対し、従来のRGB各色8ビットデータをCMY各色8ビットデータに変換するための3次元LUTでは、最大濃度R=G=B=0の時は、a*=0.3、b*=−8.3の黒を採用し、最大濃度より一段階低い濃度R=G=B=1の時は、a*=0.4、b*=−8.5の黒を採用していた。この関係を、上記実施形態と同様に定量的に示すと、表4のようになる。
【0054】
【表4】
Figure 0004371560
【0055】
ここで、上記実施形態1〜3の各表1〜3で示した色差△Fと、従来の表4で示した△Fについて注目すると、
実施形態1:色差△F=5
実施形態2:色差△F=2.8
実施形態3:色差△F=5
従来 :色差△F=0.22
となる。また、実験の結果、色差△Fが8より大きいと、再現する黒が別の色として認識されることを見い出し、また、特に、写真画像でR=G=B=0の点がある場合には、その点周辺で再生される画像の色に違和感が発生してしまうことを見い出した。また、色差△Fが2以上であると、写真画像と黒文字画像それぞれの黒が共に良好に再現できることを見出した。
【0056】
つまり、本発明では、最大濃度の色度と、最大濃度より一段階低い濃度の色度との色差△Fが2以上8以下であると、写真画像(あるいは写真を主とする画像)と黒文字画像(あるいは黒文字を主とする画像)それぞれの黒が共に良好に再現できること見出した。
【0057】
詳しくは、本発明は、色差△Fを2以上とすることで、従来のような2未満である色差(上記の例では、△F=0.22)場合に比べて、特に、黒文字として好ましい色相を再現することができる。また、色差△Fを2以上とすることで、誤差に左右されずに安定した黒文字の色相を再現することができる。
【0058】
また、色差△Fを8以下とすることで、視覚的に更に好ましい黒の色相を再現できるとともに、写真画像中にR=G=B=0の箇所がある場合でも視覚的な違和感のない画像を再現することができる。
【0059】
以上の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0060】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。
【0061】
この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0062】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0063】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書に記載された構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても良い。
【0064】
さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0065】
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0066】
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0067】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0068】
以上説明した実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0069】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0070】
このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0071】
さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。
【0072】
尚、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インターフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0073】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0074】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0075】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0076】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0077】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0078】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図2に示す)フローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、写真画像においても黒文字画像においても好ましい黒色を再現することができる画像形成装置及びその方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の画像処理システムの構成図である。
【図2】本発明の実施形態1の画像処理システムの主要な機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態1の写真画像再現に適したグレースケールのCMYドット打ち込み比率のグラフを示す図である。
【図4】本発明の実施形態1のLUTの一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態1のLUTの一例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態3のLUTの一例を示す図である。
【符号の説明】
301 第1色変換処理部
302 第2色変換処理部
303 出力γ補正部
304 量子化処理部

Claims (6)

  1. RGB多値画像信号を画像形成に使用する色材に対応した色信号に変換し、該変換した色信号に基づいて画像を被記録媒体に形成する画像形成方法であって、
    最大濃度値のRGB多値画像信号を色信号に変換し前記色材を用いて被記録媒体上に形成した第1画像を測色して得られる第1色度と、前記最大濃度値より一段階低い濃度値の前記RGB多値画像信号を前記色信号に変換し前記色材を用いて被記録媒体上に形成した第2画像を測色して得られる第2色度との色差が以上8以下となるように、前記RGB多値画像信号を前記色信号に変換する変換工程と、
    前記変換工程で変換された色信号に基づいて、前記被記録媒体に画像を形成する画像形成工程とを備え
    前記色差は、以下の式によって算出される色差△Fであり、
    Figure 0004371560
    前記第1色度及び前記第2色度は、CIE1976(L*a*b*)色空間におけるa*、b*色度座標で表され、
    前記第2色度の色度座標に対する前記第1色度の色度座標の変動の方向は、前記被記録媒体の地の色の色度座標の符号に一致する
    ことを特徴とする画像形成方法。
  2. RGB多値画像信号を画像形成に使用する色材に対応した色信号に変換し、該変換した色信号に基づいて画像を形成する画像形成方法であって、
    写真を主とする画像の最大濃度値のRGB多値画像信号を色信号に変換し前記色材を用いて被記録媒体上に形成した第1画像を測色して得られる第1色度と、黒文字を主とする画像の最大濃度値のRGB多値画像信号を色信号に変換し前記色材を用いて被記録媒体上に形成した第2画像を測色して得られる第2色度との色差が以上8以下となるように、前記RGB多値画像信号を前記色信号に変換する変換工程と、
    前記変換工程で変換された色信号に基づいて、前記被記録媒体に画像を形成する画像形成工程とを備え
    前記色差は、以下の式によって算出される色差△Fであり、
    Figure 0004371560
    前記第1色度及び前記第2色度は、CIE1976(L*a*b*)色空間におけるa*、b*色度座標で表され、
    前記第2色度の色度座標に対する前記第1色度の色度座標の変動の方向は、前記被記録媒体の地の色の色度座標の符号に一致する
    ことを特徴とする画像形成方法。
  3. RGB多値画像信号を画像形成に使用する色材に対応した色信号に変換し、該変換した色信号に基づいて画像を被記録媒体に形成する画像形成装置であって、
    最大濃度値のRGB多値画像信号を色信号に変換し前記色材を用いて被記録媒体上に形成した第1画像を測色して得られる第1色度と、前記最大濃度値より一段階低い濃度値の前記RGB多値画像信号を前記色信号に変換し前記色材を用いて被記録媒体上に形成した第2画像を測色して得られる第2色度との色差が以上8以下となるように、前記RGB多値画像信号を前記色信号に変換する変換手段と、
    前記変換手段で変換された色信号に基づいて、前記被記録媒体に画像を形成する画像形成手段とを備え
    前記色差は、以下の式によって算出される色差△Fであり、
    Figure 0004371560
    前記第1色度及び前記第2色度は、CIE1976(L*a*b*)色空間におけるa*、b*色度座標で表され、
    前記第2色度の色度座標に対する前記第1色度の色度座標の変動の方向は、前記被記録媒体の地の色の色度座標の符号に一致する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  4. RGB多値画像信号を画像形成に使用する色材に対応した色信号に変換し、該変換した色信号に基づいて画像を形成する画像形成装置であって、
    写真を主とする画像の最大濃度値のRGB多値画像信号を色信号に変換し前記色材を用いて被記録媒体上に形成した第1画像を測色して得られる第1色度と、黒文字を主とする画像の最大濃度値のRGB多値画像信号を色信号に変換し前記色材を用いて被記録媒体上に形成した第2画像を測色して得られる第2色度との色差が以上8以下となるように、前記RGB多値画像信号を前記色信号に変換する変換手段と、
    前記変換手段で変換された色信号に基づいて、前記被記録媒体に画像を形成する画像形成手段とを備え
    前記色差は、以下の式によって算出される色差△Fであり、
    Figure 0004371560
    前記第1色度及び前記第2色度は、CIE1976(L*a*b*)色空間におけるa*、b*色度座標で表され、
    前記第2色度の色度座標に対する前記第1色度の色度座標の変動の方向は、前記被記録媒体の地の色の色度座標の符号に一致する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記画像形成手段は、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドを用いて画像形成を行う
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の画像形成装置。
  6. 前記インクジェット記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出する記録ヘッドであって、インクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換体を備えている
    ことを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
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