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JP4371806B2 - 果物、野菜および鳥の卵、特に有機栽培生産物に有用な被覆用水性分散液 - Google Patents
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JP4371806B2 - 果物、野菜および鳥の卵、特に有機栽培生産物に有用な被覆用水性分散液 - Google Patents

果物、野菜および鳥の卵、特に有機栽培生産物に有用な被覆用水性分散液 Download PDF

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Description

本発明は、生鮮食品、例えば、果物、野菜および鳥の卵の被覆用水性分散液であって、前記生鮮食品を保護し、その保存寿命を延長するための水性分散液に関する。本発明の水性分散液は、有機栽培した果物および野菜の保護に特に有用である。
生鮮食品、例えば、果物、野菜および鳥の卵の市場では、前記農産物の収穫または前記卵の回収から、前記生鮮食品の販売および使用までに数週間はかかる。この間、前記果物、野菜および卵の半多孔質の表面を通して酸素呼吸が続く。果物および野菜では、植物ホルモン、エチレンおよびオーキシンの放出が続くことによって、この間に老化が起こり、その結果、糖が分解され、前記果物内から水分が蒸発する。果物および野菜を老化することは、結果として、前記生鮮食品の外観、風合いおよび風味を明らかに変化させることから望ましくない。鳥の卵においても同様に、脱水反応および酸素呼吸が前記卵の殻を通して行われ、前記殻の微小な孔を通じた微生物の進入により、前記卵の腐敗がおこる。先行技術では、フィルムで生鮮食品を被覆し、呼吸の速度を低下させることで生鮮食品の老化過程を遅延させることが試みられている。使用される被膜は半多孔膜で、全体的に不透性の被膜により、前記生鮮食品内での無気呼吸を引き起し、結果として、前記生鮮食品を発酵および腐敗させる結果となる。しばしば、蝋を殺菌剤と組み合わせて使用されており、前記蝋は、前記果物に光沢、望ましい外観を与える。ポリエチレン被膜が、従来使用されている。現在、広く使用されている処理剤としては、オルトフェニルフェノールナトリウム(SOPP)を溶解してイオン化したオルトフェニルフェノール(OPP)である。果物は、通常、前記処理剤を含む浸漬用タンクにそれらを浸すか、または泡状の前記処理剤を塗布することで被膜する。特許文献1(Sunkist Growers, Inc.)は、果物へのSOPPの利用方法に関する。特許文献2には、蝋と殺菌剤との第1の混合物で果物を被覆し、さらに蝋単独の第2の被覆剤で、果物を被覆する自動装置が開示されている。特許文献3は、2工程で行う被覆に関するもので、それらの表皮に砂糖が付着した果物(粘着性果物)、例えば、ドライフルーツ、ナツメヤシおよびイチジクを被覆するのに有用である。木蝋、植物性油脂および湿剤を含む第1の混合物を、前記粘着性果物に塗布し、ついで、タンパク質を含む第2の混合物を塗布する。
有機栽培農産物は、化学処理した果物および野菜を有害食品であるとみなす人に求められている。有機農産物市場では、化学肥料が受け入れられていないだけではなく、ポストハーベスト処理、例えば、前記農産物への化学的被覆剤の塗布も同様に受け入れられていない。有機農産物市場に許容されると考えられる農産物を保護するための被覆用水性分散液の必要性がある。
米国特許4,990,351号 米国特許5,101,763号 米国特許4,946,694号
本発明の目的は、果物および野菜の被覆用水性分散液の提供であって、有機農産物の化学処理を最小限にするという要望にこたえ、前記生鮮食品を保護し、その保存寿命を延ばすことを目的とする。本発明の成分は、有機栽培の果物および野菜に利用することができ、同様に、化学肥料を使用して生育した果物および野菜を、一般の人に提供する幅広い市場に利用することができる。本発明は、あらゆる供給源の鳥の卵にも同様に提供することができる。
一部の天然蝋が、これらの蝋を果物および野菜の表面の外部被覆剤として利用することで、前記農産物の保護に有用であることが主張されている。蜜蝋、カンデリラ蝋およびカルナウバ蝋は、この目的に利用されている。これらの天然蝋を高濃度に濃縮すると、希釈なしでは利用することができない。その理由としては、濃縮した状態で利用すると、完全な不透性被膜となる結果、前記農産物を発酵させるからである。したがって、これらの高い疎水性の蝋は、前記農産物の表面のすべての部分に均一に塗布できる配合とする必要性がある。米国特許3,997,674号には、本質的に天然蝋、もしくは野菜または鉱物油、および高分子ポリマーを含む配合が記載されている。Hagenmaier &Baker J.Agric. &FoodChem. 45 (2), 349-352, 1997には、バレンシアオレンジへの各種組み合わせの天然蝋を含むエマルジョンの利用が記載されている。多岐にわたる果物に対して、天然蝋由来の種々の被覆剤が記載されている(例えば、Edible Coatings and Films to Improve Food Quality, Krochta, Baldwin &Nisperos Editors, Technomic Publ., 1994, p37-50参照)。前述の被覆剤は、天然蝋由来とはいえ承認されていない合成添加物、例えば、乳化剤、可塑剤、消泡剤、界面活性剤および防腐剤として働く合成添加物を含んでいるため、有機農産物市場で許容されているものはない(同書に記載)。本発明の目的は、有機農産物市場で認可されていない合成添加物を含まない果物の保護用被覆水性分散液の提供である。
これらのことおよび本発明の目的は、以下の発明を実施するための最良の形態によってより明確になる。
(定義)
本発明において、「天然生物由来」という用語は、植物または動物由来であることを意味する。
本発明において、「天然蝋」という用語は、植物または動物由来の蝋を意味する。
本発明において、「生鮮食品」という用語は、果物、野菜および鳥の卵を意味する。
本発明において、「エタノール抽出液」という用語は、エタノールを溶媒として使用し、抽出した植物由来の原料の抽出液を意味する。
本発明において、「アルカリ剤」という用語は、添加することでpH6〜pH9.5の範囲内で、水性分散液のpHを変化することができる化合物を意味する。
(本発明の要約)
したがって、本発明は、果物、野菜、鳥の卵、特に有機栽培生産物を被覆する水性分散液に関するものであり、果物、野菜および鳥の卵の保護および貯蔵寿命の延長に有用な水性分散液であって、以下の成分を含む水性分散液
a)天然蝋または植物性油脂からなる群の少なくとも一つを含む疎水性成分。
b)アルカリ剤。
c)水。
前記成分(a)および(b)は、天然成分由来のものである。
本発明の好ましい実施形態によると、前記水性分散液は、さらに、乳化剤を含む。
さらに、本発明の好ましい実施形態によると、前記乳化剤は、ニコチン酸、パントテン酸、アスコルビン酸、ビタミンB3塩、ビタミンB5塩、ウッドロジン、軟性レジン、シェラック、天然蝋の遊離酸もしくはこれらの塩または誘導体から選択される。
さらに、本発明の好ましい実施形態によると、前記乳化剤の濃度は、前記分散液の0.1〜3重量%の範囲である。
さらには、本発明の好ましい実施形態によると、前記水性分散液中の天然蝋は、蜜蝋、カンデリラ蝋、カルナウバ蝋またはベリー蝋からなる群から選択される。
加えて、本発明の好ましい実施形態によると、前記水性分散液において、前記植物性油脂は、大豆油、パーム油、トウモロコシ油、小麦麦芽油、オリーブ油、アマニ油、綿実油、ヒマワリ湯、菜種油、ゴマ油またはブドウの種子油からなる群から選択される。
さらには、本発明の好ましい実施形態によると、前記アルカリ剤は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムからなる群から選択される。
さらには、本発明の好ましい実施形態によると、前記水性分散液は、さらに、保護コロイドを含む。
さらに、本発明の好ましい実施形態によると、前記保護コロイドは、前記分散液の1重量%以下である。
さらに加えて、本発明の好ましい実施形態によると、前記保護コロイドは、タンパク質、多糖類、リンタンパク質またはリン脂質からなる群から選択される。
さらに、本発明の好ましい実施形態によると、前記タンパク質は、カゼインまたはゼラチンから選択される。
さらには、本発明の好ましい実施形態において、前記リン脂質がレシチンである。
さらには、本発明の好ましい実施形態において、前記多糖類は、キサンタン、デキストリン、アルギン酸、カンテンまたはグアールガムから選択される。
加えて、本発明の好ましい実施形態において、前記水性分散液が、さらに、添加剤を含む。ある実施形態において、前記添加剤が、ローズマリーエキス、セージエキス、緑茶、ユーカリ油、ラベンダー油、シトラス豆油、エタノール、カモミルエタノール抽出液、イトスギエタノール抽出液、ウチワサボテンエタノール抽出液またはアロエエタノール抽出液からなる群から選択される。ある好ましい実施形態において、前述の添加剤が、前記最終分散液の15重量%以下の濃度である。
さらには、本発明の好ましい実施形態において、前記分散液のpHが、pH6〜10の範囲である。
さらには、本発明の好ましい実施形態において、前記疎水性成分が、前記分散液の0.01〜9重量%を構成する。
さらに、本発明の好ましい実施形態において、前記水性分散液を塗布する果物が、りんご、オリーブ、桃、プラム、レモン、キウイ、オレンジ、マンダリン、アボガド、メロン、マンゴー、パイナップル、イチゴ、キンカン、イチジクまたはチェリーからなる群から選択される。
加えて、本発明の好ましい実施形態において、前記果物が、柑橘類の果物である。
さらには、本発明の好ましい実施形態において、前記水性分散液を塗布する野菜が、キュウリまたはトマトから選択される。
また、本発明は、農産物および鳥の卵への前記水性分散液の適用方法であって、前記水性分散液に、前記農産物または前記鳥の卵を浸すか、または前記農産物または前記鳥の卵の表面に前記水性分散液を塗布することと、前記水性分散液を乾燥させることとを含む方法を提供する。
(本発明の詳細な説明)
以下の詳細な説明は、一部の本発明の好ましい実施形態のみを詳述するものである。前記請求の範囲に記載の本発明の範囲を限定するものではない。
本発明は、生鮮食品を保護し、その保存寿命を延長する役割を果たす農産物および鳥の卵用の食用被膜に関する。前記被膜は、半透過膜であって、すなわち、その生産物の呼吸速度を落とし、老化および腐敗を遅らせる。この結果、前記被膜は、その成分が農産物への使用が許容されている点で、従来の被膜と比較して独創的である。すなわち、主要な成分が天然生物由来であって、任意成分が高純度および非毒性であり、それらは、米国食品医薬品局により、「生物純(biopure)」生産物への使用が認可されている。前記天然生物由来被覆用成分は、化学合成ではなく、最小限の化学的介入、例えば、穏やかな抽出方法および穏やかな圧搾方法での生物由来であることが好ましく、すなわち、それらが前記成分および前記最終製品を形成するため、農産物の消費者に支持される。
本発明において、前記被覆用水性分散液、は、主成分として、少なくとも1種類の動物または植物由来の天然蝋、および/または少なくとも1種類の植物性油脂、分散液のpHを較正するアルカリ剤、および前記分散媒質として水を含む水性分散液である。前記天然蝋および/または植物性油脂、および前記アルカリ剤は、天然生物由来である。
前記天然蝋または植物性油脂は、前記生鮮食品に疎水性半透過膜を効果的に形成し、前記食品の内側からのガス交換の速度を落とすため、老化を抑制し、前記食品への病原体の進入を妨げる。好ましい天然蝋は、(好ましい順に)蜜蝋、ベリー蝋、カルナウバ蝋またはカンデリラ蝋である。好ましい植物性油脂は、大豆油、アマニ油、綿実油、パーム油、トウモロコシ油、小麦麦芽油、オリーブ油、ヒマワリ油、菜種油、ゴマ油またはブドウの種子油である。
前記アルカリ剤は、前記被膜が硬化する前に前記被覆用水性分散液内で働き、具体的には、前記被覆剤を前記生鮮食品に塗布する前に、前記水性分散液のpHを所望の範囲に変化させる役割をする。前記食品に前記被膜剤を塗布する前に測定した場合、前記アルカリ剤が前記pHをpH6〜8の範囲にすることが好ましい。好ましいアルカリ剤は、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、水酸化ナトリムまたは水酸化カリウムである。
前記水性分散液は、必要に応じて、前記分散液を安定させるか、または前記果物の内側からのガス交換の速度を落とす役割をするさらなる添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、乳化剤、保護コロイド、エタノールおよび前記分散液を安定化するエタノール性油、例えば、エタノール抽出液および水性植物抽出液を含み、それらは、前記天然蝋または植物性油脂内で、共同的に、前記生鮮食品の老化作用を遅らせる働きをする。
乳化剤は必要に応じて使用してもよく、好ましいものとしては、例えば、ウッドロジン、軟性レジンまたはシェラック(昆虫由来)である。加えて、一部の低分子量化合物(以下に示す)は、水性溶媒中の天然蝋の溶解に役立つため、これらを乳化剤とみなしてもよい。これらには、例えば、ニコチン酸、アスコルビン酸、パントテン酸、ビタミンB3塩およびビタミンB5塩が含まれる。前記天然蝋に存在する前記遊離酸は、前記蝋の乳状化したものであってもよい。前記乳化剤の濃度は、前記分散液の0.1〜3重量%であることが好ましい。
保護コロイドを添加してもよく、前記保護コロイドとしては、タンパク質(例えば、カゼインまたはゼラチン)、多糖類(例えば、キサンタン、デキストリン、アルギン酸、カンテン、グアールガム)、リン脂質(例えば、レシチン)またはリンタンパク質が好ましい。前記保護コロイドの濃度としては、前記分散液の1重量%以下であることが好ましい。
エタノール性油は、必要に応じて、前記分散液に含まれていてもよく、ユーカリ油、ラベンダー油およびシトラス豆油が好ましい。種々の植物由来の水性抽出液またはエタノール抽出液が、必要に応じて、前記分散液に含まれていてもよく、前記抽出液としては、例えば、ローズマリーエキス、セージエキス、緑茶、カモミールエタノール抽出液、イトスギエタノール抽出液、ウチワサボテンエタノール抽出液およびアロエエタノール抽出液が含まれる。
前記分散液の疎水性成分としては、前記天然蝋または植物性油脂を含むことが好ましく、必要に応じて、さらなる油、例えば、エタノール性油を含んでいてもよく、前記疎水性成分は、前記分散液の0.01〜9重量%を構成する。
前記被覆用水性分散液は、以下の方法を用いて、生鮮食品に利用する。
前記生鮮食品を前記水性分散液に浸すか、または前記食品の表面に塗布する。例えば、気流下に前記生鮮食品を置くことで、前記水性分散液を乾燥させる。前記水性分散液の脱水反応の結果、硬化し、硬い被膜となる。
前記被膜は、果物、野菜および鳥の卵の保護に有用である。特に、有機栽培農産物に有用であるが、有機栽培農産物には限定されず、化学肥料を使用して生育した果物および野菜を供給する幅広い市場の生鮮食品に利用することができる。本発明は、有機栽培の鳥の卵(処置、例えば、ホルモン療法を受けていない産卵鶏から得られたもの)だけでなく、あらゆる鳥の卵に利用することができる。
前記被覆剤を、例えば、りんご、オリーブ、桃、プラム、レモン、キウイ、マンダリン、アボガド、メロン、マンゴー、キュウリ、トマトおよび鳥の卵に適用して、前記農産物の保存寿命を延長する効果を、以下の実施例に示すように証明した。
水性分散液を、以下の成分組成に従って調製した。
成分 濃度%(wt/wt)
蜜蝋 0.9
ホホバ豆油 0.1
軟性レジン 0.3
炭酸ナトリウム 〜0.06(pH9.5以下)
水 100以下
前記分散液は、まず水に軟性レジンを添加し、ついで混ぜ合わせながら炭酸ナトリウムを加えることで調製した。得られた溶液は乳液状であった。ついで、前記乳状液を80〜85℃に加熱した。前記溶液を約25000RPMで混合し、それにホホバ豆油と液状化した蜜蝋との混合物を予め溶解して混和しながら添加した。前記ホホバ豆油は、最終製品の混合物を塗布した果物の呼吸速度を遅くする働きをする。さらに、ホホバ油を添加することで、前記水性分散液中に使用する蝋の濃度を低くすることができる。冷却後に、農産物の被覆に使用する分散液を得た。
本実施例において、スターキングという種類のリンゴを、前記分散液に前記リンゴを浸し、気流で乾燥させることで、前記分散液で被覆した。被覆したリンゴを室温(20〜25℃)で保存し、その外観および重量損失の割合を、数週間後に測定し、被覆していないコントロールのリンゴの外観および重量損失の割合と比較した。その結果を以下(表1)に示す。
(表1)
重量損失(%)
時間 被覆リンゴ コントロールリンゴ
7日間 1.0 1.8
14日間 2.3 3.9
21日間 3.1 5.3
28日間 3.6 6.6
35日間 4.2 7.8
42日間 5.0 9.0
49日間 5.9 10.3
56日間 6.5 11.8
63日間 7.1 13.2
表1に示す結果は、被覆していないリンゴに対して被覆したリンゴにおいて、重量損失の割合が顕著に低いことを示す。前記被覆したリンゴは、63日間保存しても外観は保持されていたが、一方、被覆してないリンゴは、腐敗の徴候が現れ始めた。前記実験が終了した後、味覚試験を行ったところ、被覆したリンゴは、前記実験の期間にわたってその味覚が保持されていたが、被覆していないリンゴにおいては、その味覚が実験の終わりには損なわれていた。
以下の成分の水性分散液を調製した。
成分 濃度%(wt/wt)
ベリー蝋 2.0
ココナッツ油 0.05
緑茶水抽出液 5.0
ウッドロジン 0.5
水酸化カリウム 〜0.08(pH8.7まで)
水 100以下
前記分散液は、水にウッドロジンを添加し、ついで混和しながら水酸化カリウムおよび緑茶水抽出液を添加することで調製した。得られた溶液は乳液状の役割を担う。前記溶液を55〜60℃に加熱し、ついで、約25000RPMで、ココナッツ油と液状ベリー蝋との混合物を予め溶解して混和した。得られた水性分散液を冷却し、キュウリを前記分散液に浸し、熱気流下で乾燥させることで、キュウリに塗布した。
前記被覆したキュウリを、10℃で21日間保存し、その間、その外観および重量損失を記録し、さらに、同一の条件下で保存した被覆していないキュウリと比較した。その結果を以下(表2)に示す。
(表2)
重量損失(%)
時間 被覆キュウリ コントロールキュウリ
7日間 2.1 6.7
14日間 4.3 10.8
21日間 6.7 16.9
表2に示す結果は、被覆していないキュウリに対して、被覆したキュウリの重量損失が少ないことを示し、被覆したキュウリは、長期の保存期間(21日間)にわたって外観が保持されていた。被覆していないキュウリは、この期間の後、しおれた徴候を示した。味覚試験では、被覆したキュウリは、被覆していないキュウリよりも評価が高かった。
以下の成分の水性分散液を調製した。
成分 濃度%(wt/wt)
蜜蝋 5.0
レシチン 1.0
ローズマリー水抽出液 5.0
ニコチン酸ナトリウム 0.2
重炭酸ナトリム 〜0.01(pH6.0まで)
水 100以下
前記分散液は、保護コロイドとして機能するレシチンと、防腐剤活性を持つローズマリー水抽出液とを、ニコチン酸ナトリウム溶液に添加することで調製した。前記ニコチン酸ナトリウムは、乳化剤として機能する。得られた混合液を70〜75℃に加熱し、高速(約25000RPM)で混和しながら、溶解した蜜蝋を添加した。
前記分散液を冷却し、それをオリーブの被覆に用いた。前記オリーブを被覆後、熱気流を用いて乾燥させた。前記オリーブを9℃で35日間保存し、重量損失の割合およびその外観を記録して、同一条件下で保存した被覆していないコントロールと比較した。その結果を表3に示す。
(表3)
重量損失(%)
時間 被覆オリーブ コントロールオリーブ
7日間 2.2 4.2
14日間 4.5 7.5
21日間 7.0 10.7
28日間 10.4 15.1
35日間 14.6 19.8
結果は、被覆したオリーブが、被覆してないコントロールのオリーブよりも重量損失が少ないことを示す。
以下の成分の水性分散液を調製した。
成分 濃度%(wt/wt)
蜜蝋 4.0
カモミルエタノール抽出液 3.0
炭酸ナトリム 〜0.06(pH8.4まで)
水 100以下
前記分散液は、炭酸ナトリウムとカモミルエタノール抽出液とを含む水溶液に、溶解した蜜蝋成分を67〜72℃で、急速(約25000RPMで)に混和しながら添加することで調製した。
得られた分散液を冷却して、桃の表面に塗布し、気流をあてることで前記分散液を硬化させ、硬い被膜とした。前記桃を8℃で18日間保存し、その間、重量損失の割合および外観の変化を観測し、さらに、同一条件で保存した被覆していないコントロール桃と比較した。結果を表4に示す
(表4)
重量損失(%)
時間 被覆桃 コントロール桃
7日間 4.8 13.5
14日間 9.3 25.2
18日間 10.6 28.7
表4に示す結果は、被覆していない桃に対して、被覆した桃の重量損失が少ないことを示す。前記被覆した桃は、長期にわたる保存期間(18日間)にわたって外観が保持された。被覆していない桃は、この期間後しなびた徴候を示した。味覚試験では、被覆した桃が、被覆していない桃よりも高い評価を得た。
以下の成分の水性分散液を調製した。
成分 濃度%(wt/wt)
カルナウバ蝋 3.5
オリーブ油 0.4
ラベンダー油 0.05
アルギン酸 0.1
シェラック 1.0
炭酸ナトリム 〜0.15(pH8.5まで)
水 100
前記分散液は、シェラック(昆虫由来)、炭酸ナトリウムおよびアルギン酸を、87〜92℃、約25000RPMで混和しながら混合することで調製した、混和を続けながら、ついで、ラベンダー油を添加し、続いてカルナウバ蝋とオリーブ油との混合物を予め溶解して添加した。得られた分散液を冷却し、プラムの表面に塗布し、気流をあてることで乾燥させ、被膜を硬化させた。前記プラムを室温で16日間保存し、その間、重量損失の割合および外観の変化を観測し、同一条件下で保存した被覆していないプラムをコントロールとして比較した。得られた結果を表5に示す。
(表5)
重量損失(%)
時間 被覆プラム コントロールプラム
2日間 1.4 3.0
6日間 3.6 7.4
9日間 5.3 10.4
13日間 7.2 14.8
16日間 8.9 17.9
重量損失は、前記被覆していないプラムと比較して前記被覆したプラムにおいて減少し、前記被覆した果物の外観は保持された。味覚試験では、前記被覆したプラムが前記被覆していないプラムよりもよいと評価された。
以下の成分の水性分散液を調製した。
成分 濃度%(wt/wt)
カンデリラ蝋 3.0
大豆油 0.3
カゼイン 0.1
セージ水抽出液 2.5
パントテン酸ナトリウム 0.7
炭酸ナトリム 〜0.08(pH7.5まで)
水 100以下
カゼインとセージ水抽出液とを、乳化剤の機能を果たす前記パントテン酸ナトリウムに添加した。カゼインは、前記最終製品の分散液の安定性を保つ保護コロイドとして機能する。液化カンデリラ蝋(70〜75℃)を、約25000RPMで混和しながら添加した。得られた分散液を冷却し、ミニトマトの表面に塗布した、前記トマトを気流下におき、前記分散液を乾燥させて、硬い被膜を形成した。前記トマトを室温で27日間保存し、その間、重量損失の割合および外観の変化を記録して、同一条件下で保存したコントロールの被覆していないトマトと比較した。結果を表6に示す。
(表6)
重量損失(%)
時間 被覆トマト コントロールトマト
5日間 1.1 2.7
12日間 3.1 6.0
19日間 4.7 8.9
27日間 6.8 12.4
重量損失は、前記被覆していないトマトと比較して前記被覆したトマトのほうが小さく、前記被覆した果物の外観は保持された。味覚試験では、被覆したトマトが、前記被覆していないトマトよりも評価された。
以下の成分の水性分散液を調製した。
成分 濃度%(wt/wt)
蜜蝋 6.0
小麦麦芽油 3.0
グアールガム 0.2
シトラス豆油 0.25
シェラック 0.9
炭酸ナトリム 〜0.12(pH9.0まで)
水 100以下
前記分散液は、シェラック、炭酸ナトリウムおよびグアールガムの水溶液を形成し、75〜80℃に加熱して、シトラス豆油を混和しながら(約25000RPMで)添加することで調製した。ついで、液化蜜蝋と小麦麦芽油との混合物を予め溶解して混和しながら添加した。得られた分散液を冷却し、レモンの外皮に塗布した。前記レモンを気流下におき、前記分散液を乾燥させ、硬い被膜を形成した。前記レモンを8℃で30日間保存し、その間、重量損失の割合および外観を記録し、同一条件で保存したコントロールの被覆していないレモンと比較した。結果を表7に示す
(表7)
重量損失(%)
時間 被覆レモン コントロールレモン
3日間 0.9 4.0
5日間 2.0 8.6
10日間 3.6 14.4
20日間 6.0 22.0
30日間 9.8 34.1
重量損失は、被覆していないレモンと比較して被覆したレモンのほうが少なく、被覆した果物の外観は保持されていた。味覚試験では、被覆したレモンが、被覆していないレモンよりもよりよい評価を得た。
以下の成分の水性分散液を調製した。
成分 濃度%(wt/wt)
ベリー蝋 4.0
ゼラチン 0.15
イトスギニードルエタノール抽出液 3.0
アスコルビン酸ナトリム 0.6
重炭酸ナトリム 〜0.05(pH6.0まで)
水 100以下
前記分散液は、ゼラチンとイトスギニードルエタノール抽出液とをアスコルビン酸ナトリウム溶液に添加することにより調製した。前記ゼラチンとエタノール抽出液とは、保護コロイドとして機能し、最終製品の分散液を安定化する。前記アスコルビン酸ナトリウムは、乳化剤として機能する。前記ベリー蝋成分を予め60〜65℃に加熱することで液化し、ついで、前記成分を約25000RPMで混和しながら添加した。得られた分散液を冷却し、キウイの表面に塗布した。前記キウイを気流下におき、前記分散液を乾燥させて、硬い被膜を形成した。前記キウイを室温で21日間保存し、その間、重量損失の割合および外観を記録し、同一条件下で保存したコントロールの被覆していないキウイと比較した。結果を表8に示す。
(表8)
重量損失(%)
時間 被覆キウイ コントロールキウイ
7日間 1.8 7.3
14日間 4.6 14.4
21日間 6.9 22.1
重量損失は、被覆していないキウイと比較して被覆したキウイのほうが少なく、被覆した果物の外観は保持されていた。味覚試験では、被覆したキウイが、被覆していないキウイよりもよりより評価を得た。
以下の成分の水性分散液を調製した。
成分 濃度%(wt/wt)
蜜蝋 5.0
小麦麦芽油 0.25
デキストリン 0.07
ウチワサボテンエタノール抽出液 2.5
炭酸ナトリム 〜0.08(pH8.0まで)
水 100以下
前記分散液は、水に炭酸ナトリウムとデキストランとを溶解し、ついで75〜80℃に加熱することで調製した。液化した蜜蝋と小麦麦芽油との混合物を予め溶解したものを、約25000RPMで混和しながら前記水溶液に添加し、ついでウチワサボテンエタノール抽出液を添加した。得られた分散液を冷却し、マンダリンの表皮に塗布した。前記マンダリンを気流下におき、前記分散液を乾燥させ、硬い被膜を形成した。前記マンダリンを8℃で63日間保存し、その間、重量損失の割合および外観を記録し、同一条件下で保存したコントロールの被覆していないマンダリンと比較した。結果を表9に示す。
(表9)
重量損失(%)
時間 被覆マンダリン コントロールマンダリン
7日間 1.7 4.1
14日間 3.1 7.9
21日間 4.3 11.1
28日間 5.7 14.4
35日間 7.2 17.1
42日間 8.5 20.1
49日間 9.6 22.4
56日間 10.7 24.6
63日間 12.1 26.8
重量損失は、被覆していないマンダリンと比較して被覆したマンダリンのほうが少なく、被覆した果物の外観は保持されていた。味覚試験では、被覆したマンダリンが、被覆していないマンダリンよりもよりよい評価を得た。
以下の成分の水性分散液を調製した。
成分 濃度%(wt/wt)
蜜蝋 4.0
パーム油 0.4
アロエエタノール抽出液 5
アガール−アガール 0.1
軟性レジン 3.0
水酸化ナトリム 〜0.6(pH9.0まで)
水 100以下
前記分散液は、水に軟性レジンを添加することで調製し、ついで混和しながら水酸化ナトリウムを添加した。得られた溶液は乳液状であった。前記溶液を67〜73℃に加熱し、液化した蜜蝋とパーム油との混合物を予め溶解したものを、混和(約25000RPMで)しながら添加した。ついで、残りの成分を添加した。前記分散液を冷却し、ついでアボガド(リード種(Reed Strain))に塗布した。前記アボガドを気流下におき、前記分散液を乾燥させて、硬い被膜を形成した。前記アボガドを6℃で35日間保存し、ついで、室温でさらに7日間保存して、その間、重量損失の割合および外観を記録し、同一条件下で保存したコントロールの被覆していないアボガドと比較した。
(表10)
重量損失(%)
時間 被覆アボガド コントロールアボガド
7日間 0.7 3.9
14日間 1.6 6.3
21日間 2.5 8.3
28日間 3.5 10.2
35日間 4.8 13.4
42日間 8.2 21.2
前記実験の最後の7日間に記録した結果は、前記アボガドを室温で保存した期間を意味する。重量損失は、被覆していない果物と比較して被覆した果物のほうが少なく、被覆した果物の外観は保持されていた。味覚試験では、被覆した果物が、被覆していない果物よりもよりよい評価を得た。
以下の成分の水性分散液を調製した。
成分 濃度%(wt/wt)
蜜蝋 4.0
大豆麦芽油 0.2
アスコルビン酸ナトリウム 1.0
炭酸ナトリム 〜0.05(pH9.2まで)
エタノール 3.0
水 100以下
前記分散液は、炭酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウムおよびエタノールの水溶液を作成することで調製した。前記溶液を67〜72℃に加熱し、液化蜜蝋と大豆麦芽油との混合物を予め溶解したものを、約25000RPMで混和しながら添加した。得られた分散液を冷却して、アボガド(ハス(Hass)種)に塗布した。前記アボガドを気流下におき、前記分散液を乾燥させて、硬い被膜を形成した。前記アボガドを6℃で26日間保存し、ついで、室温で13日間さらに保存し、その間、重量損質の割合および外観を記録し、同一条件下で保存したコントロールの被覆していないアボガドと比較した。結果を表11に示す。
(表11)
重量損失(%)
時間 被覆アボガド コントロールアボガド
7日間 1.3 2.6
14日間 2.2 4.0
26日間 3.7 6.2
29日間 5.8 8.8
39日間 11.2 16.0
最後の13日間に記録した結果は、前記アボガドを室温で保存した期間を意味する。重量損失は、被覆していない果物と比較して被覆した果物のほうが少なく、被覆した果物の外観は保持されていた。味覚試験では、被覆した果物が、被覆していない果物よりもよりよい評価を得た。
以下の成分の水性分散液を調製した。
成分 濃度%(wt/wt)
蜜蝋 5.0
カンデリラ蝋 2.5
レシチン 0.2
ユーカリ油 0.15
アスコルビン酸ナトリウム 0.8
水 100以下
前記分散液は、アスコルビン酸ナトリウムとレシチンとの溶液を作成し、ついで、70〜75℃に加熱することで調製した。液化した蜜蝋とカンデリラ蝋との混合物を予め溶解して混和しながら添加して、続いて混和しながらユーカリ油を添加した。得られた分散液をメロンの外皮に塗布した。前記メロンを気流下におき、前記分散液を乾燥させて、硬い被膜を形成した。前記メロンを8℃で28日間保存し、その間の重量損失の割合および外観を記録し、同一条件下で保存した被覆していないメロンと比較した。結果を表12に示す。
(表12)
重量損失(%)
時間 被覆メロン コントロールメロン
2日間 0.9 1.6
7日間 3.2 5.2
14日間 4.9 8.2
21日間 6.7 10.8
28日間 8.1 14.6
重量損失は、被覆していない果物と比較して被覆した果物のほうが少なく、被覆した果物の外観は保持されていた。味覚試験では、被覆した果物が、被覆していない果物よりもよい評価を得た。
以下の成分の水性分散液を調製した。
成分 濃度%(wt/wt)
蜜蝋 4.0
アマニ油 0.2
軟性レジン 1.0
炭酸ナトリウム 〜0.25(pH8.8まで)
エタノール 3.0
水 100以下
前記分散液は、水に軟性レジンを溶解し、ついで炭酸ナトリウムを混ぜ合わせながら添加することで調製した。得られた溶液は、乳化剤として機能するものであって、それを70〜75℃に加熱し、アマニ油と液化蜜蝋との混合物を予め溶解して混和しながら(約25000RPMで)添加した。ついで、エタノールを添加した。得られた分散液を冷却し、マンゴー(トミー(Tommi)種)に塗布した。
前記マンゴーを気流下におき、前記分散液を乾燥させて、硬い被膜を形成した。前記マンゴーを12℃で3週間保存し、ついで室温でさらに16日間保存して、その間、重量損失の割合および外観を記録し、同一条件下で保存したコントロールの被覆したマンゴーと比較した。結果を表13に示す。
(表13)
重量損失(%)
3週間後 さらに6日後 16日後
(12℃) (室温) (室温)
被覆マンゴー 0.8 2.2 3.1
コントロールマンゴー 1.2 3.5 5.1
被覆してから27日後に、生物学的分析を行い、前記マンゴー中の糖および酸の割合を決定し、コントロールマンゴーの結果と比較した。前述のように、この期間の最初の21日間は、マンゴーを12℃で保存し、残りの期間は、マンゴーを室温で保存した。結果を表14に示す。
(表14)
硬さ(N) 糖(%) 酸(%) *
被覆マンゴー 38.9 14.8 0.64
コントロールマンゴー 17.1 14.1 0.25
*酸の割合は、クエン酸の割合を基にして決定した。
本実験の最後に、専門家による総合的な味覚試験を行った。結果を表15に示す。
(表15)
甘味 酸味 後味 全般的な香り
(1〜9) (1〜9) (1〜9) (1〜9)
被覆マンゴー 5.38 3.77 2.11 5.82
コントロールマンゴー 5.05 2.16 2.38 4.47
全体的な味覚好みは以下のとおりである。
92.8%が被覆したメロンを好み、7.2%がコントロールメロンを好んだ。
エタノールがないことを除いては、実施例13と同様に水性分散液を調製した。前記分散液を、前述のように冷却した。キット(Kit)種のマンゴーを洗浄し、自動吹き付け塗りおよびハケ塗り装置を使用して、前記分散液を塗布した。前記分散液を乾燥させて、ついで前記果物を包装して、12℃で14日間保存し、ついで室温でさらに5日間保存した。この期間、それらの重量損失の割合および外観を記録し、同一条件下で保存したコントロールの被覆していないマンゴーと比較した。結果を表16に示す。
(表16)
重量損失(%) 硬さ(N)
2週間後 さらに5日後 2週間後 さらに5日後
(12℃) (室温) (12℃) (室温)
被覆マンゴー 2.7 4.2 64.9 37.6
コントロールマンゴー 3.9 5.8 14.0 13.4
重量損失は、被覆していない果物と比較して被覆した果物のほうが少なく、硬さに加えて被覆していない果物の外観は保持されていた。味覚試験では、被覆していない。果物よりも被覆した果物のほうが評価された。
以下の成分の水性分散液を調製した。
成分 濃度%(wt/wt)
蜜蝋 6.0
綿実油 1.5
軟性レジン 1.5
炭酸カリウム 〜0.4(pH9.0まで)
エタノール 11.5
水 100以下
前記分散液は、水に軟性レジンを混ぜ合わせながら添加し、ついで炭酸カリウムを添加して調製した。得られた溶液は、乳化剤として機能するものであって、それを70〜75℃に加熱し、綿実油と液化した蜜蝋とのあらかじめ溶解した混合物を混ぜ合わせながら(約25000RPM)添加した。ついで、エタノールを添加した。得られた分散液を冷却し、ニワトリの卵に塗布した。前記卵を気流下で乾燥させて、6℃で35日間、ついで室温でさらに7日間保存した。この期間、その卵の相対的な重量損失の割合および外観を記録し、同一条件下で保存したコントロールの被覆していない卵と比較した。結果を表17に示す。
(表17)
重量損失(%)
時間 被覆卵 コントロール卵
7日間 0.3 1.6
14日間 0.6 3.1
21日間 0.9 4.7
30日間 1.2 6.3
37日間 1.4 8.0
重量損失は、被覆していない卵と比較して被覆した卵のほうが少なかった。前記実験を終了したとき、前記卵を開き、その中身の様子を調べた。被覆した卵の卵白は、透明なままで変化がなかったが、被覆していない卵の卵白は濁りがあり、被覆していない卵の卵白に細菌増殖を示していた。被覆した卵の卵黄は、丸く、完全であり、物理的特性が保持されているように思われた。被覆していない卵の卵黄は濁りがあり、卵黄膜内に収縮が見えた。
以下の成分の水性分散液を調製した。
成分 濃度%(wt/wt)
蜜蝋 2.0
ヒマワリ油 0.2
グアールガム 0.01
炭酸カリウム 〜0.01(pH9.2まで)
エタノール 15.0
水 100以下
グアールガムと炭酸カリウムとを含む熱水に、エタノール、蜜蝋、ヒマワリ油を混合したものを徐々に添加して、70〜75℃、約25000RPMで混和した。冷却し、分散液を得て、ついで、それを用いて農産物を被覆した。
本実施例において、パイナップルを前記分散液に浸し、気流下で乾燥することによって、パイナップルを前記分散液で被覆した。被覆したパイナップルを9℃で15日間保存し、ついで室温でさらに5日間保存した。その外観および重量損失の割合をその期間にわたって観察し、被覆していないパイナップルの外観および重量損失の割合と比較した。その結果を以下(表18)に示す。
(表18)
重量損失(%)
時間 被覆パイナップル コントロールパイナップル
5日間 1.6 2.6
10日間 3.4 5.0
15日間 4.5 6.9
20日間 9.1 13.2
表18に示す結果は、被覆していないパイナップルに対して被覆したパイナップルにおいて、重量損失の割合が著しく低いことを示す。被覆したパイナップルは、保存した20日間にわたってその外観を保持していたが、被覆していないパイナップルは、腐敗の徴候を示し始めた。本実験の終わりに味覚試験を行ったところ、被覆したパイナップルは実験期間にわたって味覚を保持していたが、被覆していないパイナップルは、実験の終わりにはその味覚が損なわれた。
以下の成分の水性分散液を調製した。
成分 濃度%(wt/wt)
蜜蝋 3.0
ブドウの種子油 0.2
緑茶 1.0
炭酸ナトリウム 〜0.05(pH8.8まで)
水 100以下
75〜80℃に加熱し、約25000RPMで激しく混合しながら、緑茶を含む水に、ブドウの種子油と蜜蝋とを加えた。ついで、混合しながら、炭酸ナトリウムを添加した。それを冷却して、分散液を得て、ついで、それを用いて農産物を被覆した。
本実施例において、前記分散液にストロベリーを浸し、気流下で乾燥させることで、ストロベリーを上記分散液で被覆した。前記被覆したストロベリーを4℃で3日間保存し、ついで、室温でさらに2日間保存した。その間、外観および重量損失の割合を、数日間にわたって記録し、被覆していないコントロールのストロベリーの外観および重量損失の割合を記録して比較した。その結果を以下(表19)に示す。
(表19)
重量損失(%)
時間 被覆ストロベリー コントロールストロベリー
3日間 4.2 10.1
5日間 11.2 22.7
表19に示す結果は、重量損失の割合が、被覆していないストロベリーに対して、被覆したストロベリーのほうが顕著に小さいことを示す。被覆したストロベリーは、保存期間の5日間を通してその外観が保持されていたが、被覆していないストロベリーは、腐敗の徴候を示し始めた。実験の最後に行った味覚試験では、被覆したストロベリーは実験の間その味を保持していたが、被覆していないストロベリーの味は、実験の終わりには損なわれた。
以下の成分の水性分散液を調製した。
成分 濃度%(wt/wt)
蜜蝋 1.5
ゴマ油 0.01
エタノール 5.0
炭酸ナトリウム 〜0.01(pH9.0まで)
水 100以下
前記分散液は、炭酸ナトリウムとエタノールとを含む水溶液を、溶解した蜜蝋とゴマ油との混合物に、74〜76℃で急激に(約25000RPMで)混合しながら添加することで調製した。冷却して、分散液を得て、ついで、それを用いて農産物を被覆した。
本実施例では、キンカンを前記分散液に浸し、気流下で乾燥させることで、キンカンを上記分散液で被覆した。被覆したキンカンを6℃で保存し、外観および重量損失の割合を、数日間にわたって記録し、被覆していないコントロールのキンカンの外観および重量損失の割合を記録して比較した。その結果を以下(表20)に示す。
(表20)
重量損失(%)
時間 被覆キンカン コントロールキンカン
7日間 4.3 10.4
14日間 7.7 18.8
21日間 11.4 25.6
表20に示す結果は、重量損失の割合が、被覆していないキンカン対して、被覆したキンカンのほうが顕著に少ないことを示す。被覆したキンカンは、保存期間の21日間を通してその外観が保持されていたが、被覆していないキンカンは、腐敗の徴候を示し始めた。実験の最後に行った味覚試験では、被覆したキンカンは実験の間その味を保持していたが、被覆していないキンカンの味は、実験の終わりには損なわれた。
以下の成分の水性分散液を調製した。
成分 濃度%(wt/wt)
蜜蝋 4.0
レシチン 0.05
ブドウの種子油 0.6
炭酸ナトリウム 〜0.07(pH9.5まで)
水 100以下
前記分散液は、レシチンと炭酸ナトリウムとの溶液を形成し、ついで70〜75℃に加熱することで調製した。混和しながら、あらかじめ溶解した液化蜜蝋を添加し、続いて混和しながら(約25000RPMで)ブドウの種子油を添加した。冷却して、分散液を得て、ついでそれを用いて農産物を被覆した。
本実施例では、イチジクを前記分散液に浸し、気流下で乾燥させることでイチジクを上記分散液で被覆した。被覆したイチジクを8℃で保存し、外観および重量損失の割合を、数日間にわたって記録し、被覆していないコントロールのイチジクの外観および重量損失の割合を記録して比較した。その結果を以下(表21)に示す。
(表21)
重量損失(%)
時間 被覆イチジク コントロールイチジク
4日間 5.6 9.3
9日間 11.0 16.9
14日間 18.3 27.1
表21に示す結果は、重量損失の割合が、被覆していないイチジク対して、被覆したイチジクのほうが顕著に小さいことを示す。被覆したイチジクは、保存期間の14日間を通してその外観が保持されていたが、被覆していないイチジクは、腐敗の徴候を示し始めた。実験の最後に行った味覚試験では、被覆したイチジクは実験の間その味を保持していたが、被覆していないイチジクの味は、実験の終わりには損なわれた。
以下の成分の水性分散液を調製した。
成分 濃度%(wt/wt)
蜜蝋 0.01
エタノール 8.0
炭酸ナトリウム 〜0.005(pH10まで)
水 100以下
前記分散液は、74〜76℃で、急激に(約25000RPMで)混合しながら、溶解した蜜蝋成分に、炭酸ナトリウムとエタノールとを含む水溶液を添加することで調整した。冷却して、分散液を得て、ついでそれを用いて農産物を被覆した。
本実施例では、オウトウを前記分散液に浸し、気流下で乾燥させることでオウトウを上記分散液で被覆した。被覆したイチジクを8℃で保存し、外観および重量損失の割合を、数日間にわたって記録し、被覆していないコントロールのオウトウの外観および重量損失の割合を記録して比較した。その結果を以下(表21)に示す。
(表22)
重量損失(%)
時間 被覆オウトウ コントロールオウトウ
5日間 2.5 5.3
10日間 6.1 11.8
15日間 9.6 18.7
表22に示す結果は、重量損失の割合が、被覆していないオウトウ対して、被覆したオウトウのほうが顕著に少ないことを示す。被覆したオウトウは、保存期間の14日間を通してその外観が保持されていたが、被覆していないオウトウは、腐敗の徴候を示し始めた。実験の最後に行った味覚試験では、被覆したオウトウは実験の間その味を保持していたが、被覆していないオウトウの味は、実験の終わりには損なわれた。
前記分散液を異なる方法で使用した場合でも、前記表に示す結果と類似した結果を得ることができた。

Claims (20)

  1. 果物、野菜、鳥の卵および有機栽培生産物の被覆用水性分散液であって、
    a)天然蝋と植物性油脂とを含む疎水性成分、
    b)アルカリ剤、
    c)水、
    d)ローズマリーエキス、セージエキス、緑茶、ユーカリ油、ラベンダー油、シトラス豆油、エタノール、カモミルエタノール抽出液、イトスギエタノール抽出液、ウチワサボテンエタノール抽出液またはアロエエタノール抽出液からなる群から選択される添加剤、
    を含み、
    前記疎水性成分(a)および前記添加剤(d)は、合成物ではなく、かつ、天然成分由来であり、
    前記水性分散液は、合成添加物を含んでおらず、
    前記疎水性成分が、前記分散液の0.01〜9重量%を構成し、
    前記添加物(d)の濃度が、前記分散液の15重量%以下であり、
    前記分散液のpHが、pH6〜10の範囲である、水性分散液。
  2. さらに、乳化剤を含む請求項1記載の水性分散液。
  3. 前記乳化剤が、ニコチン酸、パントテン酸、アスコルビン酸、ビタミンB3塩、ビタミンB5塩、ウッドロジン、軟性レジン、シェラック、天然蝋の遊離酸、およびこれらの塩または誘導体から選択される請求項2記載の水性分散液。
  4. 前記乳化剤の濃度が、前記分散液の0.1〜3重量%の範囲である請求項2記載の水性分散液。
  5. 前記天然蝋が、蜜蝋、カンデリラ蝋、カルナウバ蝋およびベリー蝋からなる群から選択される請求項1記載の水性分散液。
  6. 前記植物性油脂が、大豆油、パーム油、トウモロコシ油、小麦麦芽油、オリ−ブ油、アマニ油、綿実油、ヒマワリ油、菜種油、ゴマ油およびブドウの種子油からなる群から選択される請求項1記載の水性分散液。
  7. 前記アルカリ剤が、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、水酸化ナトリム、および水酸化カリウムからなる群から選択される請求項1記載の水性分散液。
  8. さらに、保護コロイドを含む請求項1記載の水性分散液。
  9. 前記保護コロイドの濃度が、前記分散液の0重量%より大きく、1重量%以下である請求項8記載の水性分散液。
  10. 前記保護コロイドが、タンパク質、多糖類、リンタンパク質およびリン脂質からなる群から選択される請求項8記載の水性分散液。
  11. 前記タンパク質が、カゼインおよびゼラチンからなる群から選択される請求項10記載の水性分散液。
  12. 前記リン脂質が、レシチンである請求項10記載の水性分散液。
  13. 前記多糖類が、キサンタン、デキストリン、アルギン酸、カンテンおよびグアールガムから選択される請求項10記載の水性分散液。
  14. 前記添加物(d)が、エタノールを、ローズマリーエキス、セージエキス、緑茶、ユーカリ油、ラベンダー油、シトラス豆油、カモミルエタノール抽出液、イトスギエタノール抽出液、ウチワサボテンエタノール抽出液およびアロエエタノール抽出液からなる群から選択されるいずれかとの併用で含む請求項1記載の水性分散液。
  15. 前記果物が、りんご、オリーブ、桃、プラム、レモン、キウイ、オレンジ、マンダリン、アボガド、メロン、マンゴー、パイナップル、イチゴ、キンカン、イチジクおよびチェリーからなる群から選択される請求項1記載の水性分散液。
  16. 前記果物が、柑橘類の果物である請求項1記載の水性分散液。
  17. 前記野菜が、キュウリおよびトマトからなる群から選択される請求項1記載の水性分散液。
  18. 農産物および鳥の卵に請求項1記載の水性分散液を適用する方法であって、
    前記水性分散液に前記農産物若しくは前記鳥の卵を浸すか、または前記農産物若しくは前記鳥の卵の表面に前記水性分散液を塗布すること、および、
    前記合水性分散液を乾燥させること、を含む水性分散液の適用方法。
  19. 有機栽培生産物の貯蔵性を改善するために処方された水性分散液であって、
    a)天然蝋と植物性油脂とを含む疎水性成分、
    b)アルカリ剤、
    c)水、
    d)ローズマリーエキス、セージエキス、緑茶、ユーカリ油、ラベンダー油、シトラス豆油、エタノール、カモミルエタノール抽出液、イトスギエタノール抽出液、ウチワサボテンエタノール抽出液またはアロエエタノール抽出液からなる群から選択される添加剤を含み、
    前記疎水性成分(a)および前記添加剤(d)は、合成物ではなく、かつ、天然成分由来であり、
    前記水性分散液は、合成添加物を含んでおらず、
    前記疎水性成分が、前記分散液の0.01〜9重量%を構成し、
    前記添加物(d)の濃度が、前記分散液の15重量%以下であり、
    前記分散液のpHが、pH6〜10の範囲である、水性分散液。
  20. 前記分散液は、果物、野菜および鳥の卵からなる群から選択される少なくとも一つの種類の農産物を被覆するために製造されたものである、請求項19記載の水性分散液。
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