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JP4373601B2 - 自己発熱性ビルダー - Google Patents
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JP4373601B2 - 自己発熱性ビルダー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自己発熱性ビルダーおよびその安定化方法に関する。詳しくは、特定の無水物組成の、結晶水を有するゼオライトを加熱処理することにより得られる自己発熱性ビルダーおよびその安定化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゼオライトはカチオン交換能を有することから、洗剤用ビルダーとして用いられている。ゼオライトは一般に水中で合成されることから、得られた結晶は結晶水を有しており、このような結晶水を有するゼオライトが洗剤用ビルダーとして利用されている。
【0003】
一方、結晶水を有しないゼオライト、つまり無水物のゼオライトは吸湿剤として古くから知られており、また吸湿あるいは水と接触することにより水和熱を発生することが知られている。このような自己発熱性を利用したものとして、たとえば、特開平11−310797号公報に開示されているように洗浄剤への利用がある。この発明は、無水物のゼオライトの発熱性のみに着目して、かかる性質を利用した洗浄剤を提供したものであり、かかるゼオライトのカチオン交換能については何も記載されていない。
【0004】
また、特開平3−167297号公報には、漂白成分を安定化させるために、ゼオライトから結晶水を除去する方法が開示されている。この発明は、漂白成分の保護が目的であり、ゼオライト自体の自己発熱性を利用することや、カチオン交換能を高めることを目的とするものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、衣料用洗剤等に配合された場合、その高いカチオン交換能および発熱性により前記衣料洗剤等の洗浄性能を有意に高めることができる自己発熱性ビルダー、ならびに該ビルダーの機能を安定的に保持させるのに有効な該ビルダーの安定化方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、
(1) 無水物の組成がxM2 O・ySiO2 ・Al2 3 ・zMeO(ただし、Mはアルカリ金属原子、Meはアルカリ土類金属原子を表し、x=0.2〜2、y=0.5〜6、z=0.005〜0.1である)で表される結晶水を有するゼオライトを加熱処理することにより得られ得る自己発熱性ビルダー、
(2) 前記(1)記載の自己発熱性ビルダーを、水分含量1重量%以下の物質で被覆するか、または該物質中に分散させる自己発熱性ビルダーの安定化方法、に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の自己発熱性ビルダーは、原料として無水物の組成がxM2 O・ySiO2 ・Al2 3 ・zMeOで表される結晶水を有するゼオライトを用い、それを加熱処理することにより得られるものである。加熱処理により、結晶水を有するゼオライトから、その一部または全部の結晶水が除去されることになる。従って、本発明の自己発熱性ビルダーは、本発明の所望の効果を発現し得る、ゼオライトの完全な無水物および一部結晶水を含む、ゼオライトの実質的な無水物からなる。
【0008】
洗剤ビルダーとして配合されている従来のゼオライトは結晶水を有することから、理論的には無水物と比較してカチオン交換能が低く、また自己発熱性を有さない。そこで、本発明のビルダーのような自己発熱性を有するビルダーを得ようとしてかかる従来のゼオライトから結晶水を除去してゼオライトの無水物を得たとしても、加熱によりカチオン交換能が低下するため、優れたカチオン交換能を有する自己発熱性ゼオライトは得ることができない。
【0009】
本発明の自己発熱性ビルダーでは、前記するような特定の無水物組成の、結晶水を有するゼオライトを原料として用いるため、かかるゼオライトから結晶水を除去して得られた該ビルダーは、優れたカチオン交換能を有し、しかも自己発熱性を有する。本発明ではこのような自己発熱性を有するゼオライトを種々の洗剤に配合し、たとえば、洗濯の際に水と接触させることにより発熱させ、その熱により該洗剤の洗浄性能を高めることを目的の一つとしており、洗剤配合物として使用する観点から、自己発熱性を有するゼオライトを自己発熱性ビルダーと称している。
【0010】
なお、本明細書において「自己発熱性ビルダー」とは、該ビルダーを構成する無水物のゼオライトがその結晶中に再び水分を取り込む性質に応じて、水分(たとえば、水蒸気や水)と接触した場合に結晶中に水分を取り込み、その際、該ビルダーを構成するゼオライトが水和熱を発生するという性質を有するビルダーをいう。また、「カチオン交換能」とは、後述する「カチオン交換速度」および「カチオン交換容量」の両者をまとめていう。
【0011】
本発明において用いられる結晶水を有するゼオライトは、無水物の組成がxM2 O・ySiO2 ・Al2 3 ・zMeO(ただし、Mはアルカリ金属原子、Meはアルカリ土類金属原子を表し、x=0.2〜2、y=0.5〜6、z=0.005〜0.1)で表されるものであり、結晶水を有する場合の組成は、xM2 O・ySiO2 ・Al2 3 ・zMeO・mH2 O(ただし、M、Me、x、yおよびzは前記と同様であり、mは0を超える数)で表わされる。なお、m=3〜10が好ましい。このように、原料としての結晶水を有するゼオライトから結晶水を除去した場合、組成式中、結晶水の項(mH2 O)が消失するのみで、他の項については変化はない。結晶水はゼオライトの結晶構造中に取込まれている水であり、大気圧下100℃を超える温度での加熱により脱離する水で、100℃以下で脱離する自由水とは区別される。
【0012】
M成分であるアルカリ金属原子としては、周期表のIA族に属する元素より選ばれるが、このうちM成分を含む原料の入手の容易さやコストの観点から、Naおよび/またはKが好ましい。Me成分であるアルカリ土類金属原子としては、周期表のIIA族に属する元素より選ばれるが、このうちMe成分を含む原料の入手の容易さやコストの観点から、Caおよび/またはMgが好ましい。ゼオライトから結晶水を除去すると理論的にはカチオン交換能は向上することになるが、従来のゼオライトでは結晶水の除去を目的として実際に加熱処理を行うとカチオン交換能は低下してしまう。しかしながら、本発明においては、原料としての結晶水を有するゼオライト中にMe成分を存在させることで、加熱処理による結晶水の除去によってもカチオン交換能を維持または向上させることができる。また、本発明の所望の効果の発現の観点から、xは0.2〜2であり、好ましくは0.5〜1.5、yは0.5〜6であり、好ましくは1〜3である。Me成分の係数であるzとしては、カチオン交換速度の加熱処理による低下を抑制する観点から0.005以上であり、好ましくは0.01以上である。また、カチオン交換容量の維持・向上の観点から0.1以下であり、好ましくは0.08以下である。
【0013】
結晶水を有するゼオライトの結晶形態は特に限定されるものではないが、A型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、P型ゼオライト等が例示される。このうち本発明の自己発熱性ビルダーの原料として好適なものは、カチオン交換容量の高さの観点からA型ゼオライトである。結晶水除去後においても該結晶形態は、後述するように実質的に維持され得、それゆえ、本発明の自己発熱性ビルダーのカチオン交換容量の維持・向上に寄与することができる。
【0014】
原料となる結晶水を有するゼオライトのカチオン交換能は、洗剤用ビルダーとして充分な値を有していることが好ましい。本明細書において「カチオン交換能」とはゼオライトがCaイオンを捕捉する能力のことをいい、前記するようにカチオン交換速度およびカチオン交換容量の両者をさす。後述する実施例において詳細に説明するが、カチオン交換速度とは、1分間でゼオライト1g当たりがイオン交換したCa量(CaCO3 換算量)をいい、一方、カチオン交換容量とは、10分間でゼオライト1g当たりがイオン交換したCa量(CaCO3 換算量)をいう。
【0015】
本発明で用いる結晶水を有するゼオライトのカチオン交換速度は特に限定されるものではないが、本発明の所望の効果の発現の観点から、後述する実施例における測定方法において、100mgCaCO3 /g以上が好ましく、130mgCaCO3 /g以上がより好ましく、180mgCaCO3 /g以上が特に好ましい。また、カチオン交換容量も特に限定されるものではないが、後述する実施例における測定方法において、カチオン交換速度と同様の観点から、190mgCaCO3 /g以上が好ましく、200mgCaCO3 /g以上がより好ましく、210mgCaCO3 /g以上が特に好ましい。
【0016】
原料としての結晶水を有するゼオライトの平均一次粒子径ならびに平均凝集粒径は特に限定されるものではないが、本発明のビルダーのカチオン交換速度ならびに分散性の維持・向上の観点から、平均一次粒子径としては0.03〜2μmが好ましく、0.1〜1.0μmがより好ましく、一方、平均凝集粒径としては0.1〜13μmが好ましく、0.3〜1.5μmがより好ましい。
【0017】
本発明の自己発熱性ビルダーの原料としては、以上のような性質を持つ結晶水を有するゼオライトであれば特に限定されるものではない。かかるゼオライトは、たとえば、Me成分を有さないゼオライト〔xM2 O・ySiO2 ・Al2 3 ・mH2 O(ただし、Mはアルカリ金属)〕をMe成分を含む水溶液と接触させてMの一部とMeとをイオン交換することによって得られ得るが、かかる方法ではゼオライト特有の水軟化能を発現する活性なCaイオン交換サイトがMe成分に占有されて、水軟化能の発現に必要な、結晶水を有するゼオライト自身のカチオン(Caイオン)交換能の低下が生ずる。それゆえ、好ましくは、ゼオライト合成反応、すなわち、水ガラスのようなシリカ源とアルミン酸ナトリウムのようなアルミ源との反応をMe成分の存在下に行って得られ得るゼオライトが好ましい。かかるゼオライトでは、ゼオライト合成反応時にMe成分がゼオライトのシリカネットワーク中に取り込まれるため、カチオン交換能を低下させることなく、カチオン交換能の熱安定性をも維持または向上させることができる。たとえば、特願平11−318604号明細書に記載のゼオライトの製造方法により得られ得る微粒子ゼオライトが好適に用いられる。
【0018】
原料である結晶水を有するゼオライトを加熱処理する場合の加熱処理条件は、本発明の所望の効果が得られれば特に限定されるものではない。たとえば、大気圧下で行う場合、加熱処理温度は結晶水の脱離を促進させる観点から、好ましくは450℃以上、より好ましくは500℃以上である。また、カチオン交換容量を維持・向上させる観点から、好ましくは650℃以下、より好ましくは600℃以下である。たとえば、好ましくは450〜650℃、より好ましくは500〜600℃である。また、加熱処理を減圧下で行うことも可能であり、その際の加熱処理温度としては、結晶水の脱離効率の観点から、その圧力(減圧下における圧力)下での水の沸点(℃)の2倍以上の温度(℃)が好ましく、4倍以上の温度(℃)がより好ましい。また、カチオン交換容量を維持・向上させる観点から、好ましくは650℃以下、より好ましくは600℃以下、さらに好ましくは550℃以下である。
【0019】
加熱処理は、たとえば、大気圧下、所望の温度に維持されている加熱装置の中に結晶水を有するゼオライトを添加して、後述の時間保持することにより行ってもよいが、急加熱によるカチオン交換能の低下を防ぐ観点からは、所望の温度まで昇温しながら加熱することが好ましい。その際の昇温速度は特に限定されるものではないが、熱処理効率の観点から、50℃/h以上が好ましく、100℃/h以上がより好ましい。また、カチオン交換能の低下を防ぐ観点から、500℃/h以下がより好ましく、300℃/h以下がさらに好ましい。
【0020】
加熱処理時間は特に限定されるものではないが、原料である結晶水を有するゼオライトに対する、本発明の自己発熱性ビルダーを構成する、加熱処理後に得られるゼオライトの無水物の重量減少率が1%以下となるまで加熱処理時間をとれば良く、通常、好ましくは1時間程度である。なお、加熱処理時間とは、前記重量減少率が所望の値となるまでの時間をいう。
【0021】
加熱処理に用い得る加熱装置は特に限定されるものではないが、乾燥機、箱型炉、トンネル炉、ロータリーキルン等が好適に用いられる。
【0022】
次いで、上記のような方法により加熱処理されたゼオライトを冷却する。加熱処理されたゼオライトは、結晶水の一部または全部が脱離したものであり、水分があると再びその水を結晶中に取込む性質がある。それゆえ、冷却の際、かかるゼオライトが水分と接触すると水和してしまい、その結果、自己発熱性能が低下するため、水分を除去した雰囲気中で冷却することが好ましい。かかる条件下での冷却方法としては特に限定されるものではないが、たとえば、シリカゲル等を存在させ、予め水分を除去したデシケータ中で室温にて冷却すればよい。
【0023】
以上のようにして得られた自己発熱性ビルダーは優れたカチオン交換能を有しており、洗浄性能の観点から好適には、カチオン交換速度が180mgCaCO3 /g以上および/またはカチオン交換容量が200mgCaCO3 /g以上である。また、カチオン交換速度としては、洗浄性能の観点からより好適には200mgCaCO3 /g以上、特に好適には210mgCaCO3 /g以上である。一方、カチオン交換容量としては、洗浄性能の観点からより好適には215mgCaCO3 /g以上、特に好適には230mgCaCO3 /g以上である。かかるカチオン交換能は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
【0024】
本発明において原料として用いる特定の無水物組成を有する前記ゼオライトは、結晶水を除去することで、前記するように、他の一般のゼオライトから結晶水を除去する場合と異なり、そのカチオン交換能が維持され、または向上する。それゆえ、本発明の自己発熱性ビルダーは前記のように優れたカチオン交換能を発現し得るのである。
【0025】
具体的には、原料である結晶水を有するゼオライトのカチオン交換速度に対し、自己発熱性ビルダーにおいては、該カチオン交換速度の増加率が、洗浄性能の観点から、0%以上であるのが好ましく、5%以上であるのがより好ましい。かかる増加率は、加熱処理する前の結晶水を有するゼオライトのカチオン交換速度(A)と加熱処理を行った後に得られる自己発熱性を有するゼオライトのカチオン交換速度(B)から、以下の式:
カチオン交換速度の増加率(%)=(B−A)/A×100
により求められる。
【0026】
一方、カチオン交換容量については、原料である結晶水を有するゼオライトのカチオン交換容量に対し、自己発熱性ビルダーにおいては、該カチオン交換容量の増加率が、洗浄性能の観点から、0%以上であるのが好ましく、5%以上であるのがより好ましい。かかる増加率は、加熱処理する前の結晶水を有するゼオライトのカチオン交換容量(C)と加熱処理を行った後に得られる自己発熱性を有するゼオライトのカチオン交換容量(D)から、以下の式:
カチオン交換容量の増加率(%)=(D−C)/C×100
により求められる。
【0027】
特に、本発明の自己発熱性ビルダーにより発揮される、たとえば、該ビルダーを配合した洗剤の洗浄性能の向上効果を十分に発現させるという観点から、カチオン交換能の内、カチオン交換容量の増加率が前記範囲にあることが好ましい。
【0028】
原料ゼオライトから結晶水を除去する場合、結晶水を全て除去するのが好ましいが、必ずしも全て除去する必要はなく、本発明の所望の効果が発現され得る範囲において、結晶中に結晶水が残存していてもよい。残存する結晶水の量は、後述の実施例における含水率の測定方法に従って測定することができる。水和による発熱量の観点から、含水率としては8重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましい。
【0029】
本発明の自己発熱性ビルダーの発熱温度としては、後述の実施例における最高発熱温度の測定方法による発熱温度の測定により少なくとも温度上昇が確認されれるようであれば特に限定されるものではないが、洗浄性能を高める観点から、かかる測定方法において最高発熱温度が30℃以上が好ましく、35℃以上がより好ましく、38℃以上が特に好ましい。
【0030】
本発明の自己発熱性ビルダーを構成するゼオライトの無水物の結晶構造の特徴であるが、原料である結晶水を有するゼオライトがA型ゼオライトである場合、かかるゼオライトのX線回折パターンでは具体的に、JCPDS(Joint Commitee on Powder Diffraction Standards)によって提示された4A型ゼオライト(No.38−241)に示される位置に回折ピークが現れるが、かかるゼオライトを加熱処理して得られる自己発熱性ビルダーも同様の位置に回折ピークが現れる。ただし、自己発熱性ビルダーの特徴として、d=12.29オングストロームのピーク(100面)とd=8.71オングストロームのピーク(110面)の回折強度比、すなわち、(110面)ピーク強度÷(100面)ピーク強度が1以上という特徴を有する。このピーク強度比は自己発熱量と相関があり、特に限定されるものではないが、発熱量の観点より1以上が好ましく、1.1以上がより好ましく、1.3以上が特に好ましい。なお、X線回折パターンは、後述の実施例における結晶形態の測定方法により得られる。
【0031】
本発明の自己発熱性ビルダーの平均一次粒子径ならびに平均凝集粒径は特に限定されるものではなく、それらは原料であるゼオライトに依存する。従って、好ましい範囲は、原料であるゼオライトのそれらについての前記好ましい範囲と同様である。
【0032】
次に、自己発熱性ビルダーの安定化方法について説明する。本発明の自己発熱性ビルダーは、前記するように水分と接触した場合、該水分を吸収してしまい、その結果、該ビルダーの自己発熱性が低下する。そこで、たとえば、粉末状態で自己発熱性ビルダーの機能を安定的に保持させるには、該ビルダーの外気との接触、特に水分との接触を遮断することが必要となる。
【0033】
遮断する方法としては、たとえば、水分を遮へいできる密閉容器中で保存する方法が挙げられる。しかしながら、このような保存方法では実際に洗剤ビルダーとして使用するには便宜が悪い。
【0034】
そこで、実質的に無水な物質、すなわち、水分含量が1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0重量%の物質で本発明の自己発熱性ビルダーを表面被覆するか、該物質中に分散させることにより、自己発熱性を低下させずに安定化できる。なお、水分含量は水分計(電量滴定式水分測定装置CA−06型、三菱化成株式会社製)で測定することができる。
【0035】
このような実質的に無水な物質としては、水分含量が前記範囲内であれば該物質の親水性または疎水性は無関係であり、特に限定されるものではない。たとえば、界面活性剤や水溶性有機溶剤等の洗剤組成物として通常用いられている物質が好適に用いられる。それらの水分含量が前記範囲にないようであれば、たとえば、モレキュラーシーブ等を用いて水分含量を調節して用いることもできる。
【0036】
界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤などが例示される。
【0037】
具体的にはノニオン性界面活性剤としては、たとえば、日本国特許庁公報「周知・慣用技術集(衣料用粉末洗剤)の3章の1」記載の、公知のノニオン性界面活性剤を用いることができる。その他のノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ショ糖脂肪酸エステル類、脂肪酸グリセリンモノエステル類、高級脂肪酸アルカノ−ルアミド類、ポリオキシエチレン高級脂肪酸アルカノールアミド類、アミンオキサイド類、アルキルグリコシド類、アルキルグリセリルエーテル類およびNアルキルグルコンアミド類等も使用することができる。
【0038】
アニオン性界面活性剤としては、たとえば、日本国特許庁公報「周知・慣用技術集(衣料用粉末洗剤)の3章の1」記載の、公知のアニオン性界面活性剤を用いることができる。
【0039】
これらアニオン性界面活性剤の対イオンとしては、好ましくは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、エタノールアミン類等のアミンがプロトン化された陽イオン、第4級アンモニウム塩およびそれらの混合物からなる群から選択される。上記アニオン性界面活性剤を用いる場合は、酸型で自己発熱性ビルダーと混合した後に別途アルカリを添加するような方法を用いても良い。
【0040】
カチオン性界面活性剤は、たとえば、日本国特許庁公報「周知・慣用技術集(衣料用粉末洗剤)の3章の1」記載の、公知のカチオン性界面活性剤を用いることができる。
【0041】
両性イオン界面活性剤は、たとえば、日本国特許庁公報「周知・慣用技術集(衣料用粉末洗剤)の3章の1」記載の、公知の双性界面活性剤を用いることができる。
【0042】
界面活性剤としては前記されるものが好適に用いられるが、中でも、衣料用洗剤の洗浄力を向上させる効果の顕著な界面活性剤を選択することが好ましく、例えばノニオン性界面活性剤としては炭素数8〜16の第1級もしくは第2級アルコールにエチレンオキシドを平均5〜15モル付加したポリオキシエチレンアルキルエーテルが、アニオン性界面活性剤としては平均炭素数8〜22を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩やアルキル硫酸塩が、カチオン性界面活性剤としてはベンザルコニウム型等の4級アンモニウム塩が、両性イオン界面活性剤としてはアルキルベタイン型の両性イオン界面活性剤がより好ましい。上記界面活性剤は単独あるいは混合して用いることができる。
【0043】
前記水溶性有機溶剤としては、たとえば、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類、多価アルコール類のモノ−、ジ−またはトリ−アルキルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類、グリコール類のモノアルキルエーテルまたはモノアリルエーテルまたはモノフェニルエーテル、ポリエーテル、アルキルアミン、脂肪族アミン、脂肪族または芳香族カルボン酸のアミドまたはアルキルエステル類、低級アルキルエステル、ケトン、アルデヒド、グリセリド等を挙げることができる。中でも、衣料用洗剤に配合されている界面活性剤と相互溶解性が高いものが好ましく、例えばエチレングリコールやプロピレングリコールが好ましい。上記水溶性有機溶剤は単独あるいは混合して用いることができる。
【0044】
前記のような実質的に無水な物質で自己発熱性ビルダーを被覆する場合、該物質の自己発熱性ビルダーに対する使用量は、本発明の所望の効果が発現され得る限り特に限定されるものではないが、自己発熱性ビルダーの表面を完全に被覆させる観点から、自己発熱性ビルダーの重量に対して0.1重量%以上が好ましく、0.5重量%以上がより好ましい。また、自己発熱性ビルダーの発熱効果を有効に発揮させる観点から、90重量%以下が好ましく、80重量%以下がより好ましく、70重量%以下が特に好ましい。一方、該物質に自己発熱性ビルダーを分散させる場合、該物質の自己発熱性ビルダーに対する使用量は、同様に特に限定されるものではないが、自己発熱性ビルダーを完全に該物質中に分散させる観点から、自己発熱性ビルダーの重量に対して5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましい。また、自己発熱性ビルダーの発熱効果を有効に発揮させる観点から、90重量%以下が好ましく、80重量%以下がより好ましく、70重量%以下が特に好ましい。
【0045】
本発明の自己発熱性ビルダーを前記実質的に無水な物質で表面被覆する被覆方法としては、公知の粒子の被覆方法に従えばよく特に限定されるものではないが、たとえば、自己発熱性ビルダーを混合機中で混合している中に実質的に無水の物質を添加し表面被覆する方法や特開平9−208218号公報記載の表面処理方法などが好適に用いられる。一方、本発明の自己発熱性ビルダーを前記実質的に無水な物質中に分散させる分散方法としては、かかる場合、実質的に無水な物質としては液体であるものが好適に用いられ、公知の粒子の分散方法に従えばよく特に限定されるものではないが、たとえば、該物質中に自己発熱性ビルダーを添加して分散混合させる方法が好適に用いられる。混合方法は混合機を用いても良いし、粉砕機などによって自己発熱性ビルダーを粉砕した後、または粉砕しながら、該粉砕機中で実質的に無水な液体中に分散させてもよい。
【0046】
分散方法として特に好ましい態様としては、実質的に無水な物質として液体であるものを用い、該液体中に分散させる際に自己発熱性ビルダーを粉砕する方法が挙げられる。具体的には、自己発熱性ビルダーを実質的に無水な液体と共に湿式粉砕する手法が好適に用いられる。
【0047】
具体的な手法として、たとえば、ボールミルやビーズミル等の球状の粒子を粉砕メディアとしてバッチ式で湿式粉砕する装置やアトライターやダイノミルなど連続式で湿式粉砕できる装置を用いて、実質的に無水な液体中に添加した自己発熱性ビルダーを粉砕しながら分散して、自己発熱性ビルダーを安定化する方法が好ましい。さらに所望により実質的に無水な分散剤を、自己発熱性ビルダーのカチオン交換能や自己発熱性を阻害しない範囲で添加しても良い。
【0048】
前記実質的に無水な分散剤としては、たとえば、ポリアクリル酸塩のような中和されたカルボキシル基を有する高分子型分散剤等が挙げられる。なお、「実質的に無水な分散剤」とは、本発明の自己発熱性ビルダーの安定化方法において用いられる前記実質的に無水な物質の水分含量と同様の水分含量を有する分散剤をいう。
【0049】
自己発熱性ビルダーを分散安定化する場合、実質的に無水な物質として用いられる液体中で自己発熱性ビルダーは沈降せず、分散していることが好ましい。
【0050】
たとえば、前記のように湿式粉砕によって粉砕しながら自己発熱性ビルダーを分散する場合、自己発熱性ビルダーの平均凝集粒径は特に限定されるものではないが、分散安定性の観点から2μm以下が好ましく、1.5μm以下がより好ましく、1μm以下が特に好ましい。また、平均一次粒子径も特に限定されるものではないが、カチオン交換速度や粉砕する際の粉砕効率の観点から、2μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましく、0.5μm以下が特に好ましい。
【0051】
本発明の自己発熱性ビルダーは、衣料用洗剤、ポイント洗浄剤、クレンザー、食器用洗剤、自動食器洗浄機用洗剤、自動車用洗剤、器具洗浄剤、住居用洗剤、漂白剤、全身洗浄剤、シャンプー、洗顔剤、クレンジング剤、ハンドウォッシュ等に用いることができ、これらのうち特に衣料用洗剤に好適に用いられる。また漂白剤との安定性が高く、漂白剤入り衣料用洗剤にも好適に用いられる。一方、自己発熱性ビルダーの安定化方法よれば、そのままでは吸湿して発熱性の低下を生ずる自己発熱性ビルダーを発熱性の低下から保護でき、自己発熱性ビルダーの保存性や取扱い性を向上させることができる。
【0052】
【実施例】
本実施例および比較例における物性評価は次に示す方法により行った。なお、「%」は「重量%」を示す。
【0053】
(1)カチオン交換速度
100mLビーカーに試料を0.04g精秤し、塩化カルシウム水溶液(カルシウム濃度はCaCO3 換算で100ppm)を100mL加え、20℃で1分間攪拌したあと、0.2μmのメンブランフィルターでろ過を行った。そのろ液10mLを採って、ろ液中のCa量をEDTA滴定により測定し、1分間で試料1g当たりがイオン交換したCa量(CaCO3 換算)をカチオン交換速度(mgCaCO3 /g)とした。
【0054】
(2)カチオン交換容量
100mLビーカーに試料を0.04g精秤し、塩化カルシウム水溶液(カルシウム濃度はCaCO3 換算で100ppm)を100mL加え、20℃で10分間攪拌したあと、0.2μmのメンブランフィルターでろ過を行った。そのろ液10mLを採って、ろ液中のCa量をEDTA滴定により測定し、10分間で試料1g当たりがイオン交換したCa量(CaCO3 換算)をカチオン交換容量(mgCaCO3 /g)とした。
【0055】
(3)平均一次粒子径
電解放射型高分解能走査型電子顕微鏡(FE−SEM、日立製作所製S―400)により撮影した試料のSEM写真をもとに、デジタイザー(グラフティック製、デジタイザーKW3300)により、各ゼオライト粒子の一次粒子径(50個以上)を測定した。次いで、得られた一次粒子径の平均値を求め平均一次粒子径(μm)とした。
【0056】
(4)平均凝集粒径
レーザー回折/散乱式粒度分布装置(堀場製作所製LA−920)を用い、試料を、イオン交換水を分散媒として超音波で1分間分散させた後、該試料の粒度分布を測定した。分散媒との相対屈折率を1.2に設定することにより得られたメジアン径を平均凝集粒径(μm)とした。
【0057】
(5)最高発熱温度
100mLのビーカーに25℃のイオン交換水40gを入れ、マグネチックスターラーにより攪拌した。そこに試料10gを添加し、発熱に伴う温度変化を測定して、最高到達温度を最高発熱温度(℃)とした。
【0058】
(6)含水率
試料4gを、ノニオン性界面活性剤(商品名:エマルゲン108、水分含量:0.4%、花王社製)3.6gとポリオキシエチレンフェニルエーテル(水分含量:0.3%、日本乳化剤社製)2.4gの混合液中に添加し、均一に攪拌混合した。得られた40%試料混合液0.05gについて水分計(電量滴定式水分測定装置CA−06型、三菱化成社製)により含水率を測定した。次いで、得られた値を2.5倍することにより、試料中の含水率(%)を計算した。
【0059】
(7)結晶形態
X線回折装置(株式会社リガク製、モデルRINT2500VPC)を用いて、CuKα線、40kV、120mAの条件でX線回折パターンを測定し、JCPDSに提示された回折パターンに基づいて定性した。
【0060】
実施例1
図1に概略的に示す装置〔混合機5(ラインミキサー、特殊機化工業社製、2S6型)を有する外部循環ライン6を設置した反応層3(350Lのステンレス槽)を有し、循環ライン6へは送液ポンプ2(ダイドーメタル社製、WPポンプ,WP3WL140CO 型)を用いて送液でき、混合機5入り口直前に原料槽1(200Lのステンレス槽)から原料供給ライン7を介して原料を供給できる。また、原料槽1は、直径210mmの攪拌羽根を有する攪拌機8を、反応槽3は、それぞれ直径500mmのピッチパドルおよびアンカーパドルを1つずつ有する攪拌機4を有する。〕を用い、以下の方法によりゼオライトの合成を行った。
【0061】
原料槽1に3号水ガラス水溶液(Na2 O:9.68%、SiO2 :29.83%)105.6kgを入れ攪拌機8で100r/minの攪拌速度で攪拌した。次いで、原料槽1に48%の水酸化ナトリウム水溶液を28.3kg入れ、更に0.808%塩化カルシウム水溶液72.17kgを入れ、50℃に昇温した。次に反応槽3にアルミン酸ナトリウム水溶液(Na2 O:21.01%、Al2 3 :28.18%)95kgを入れ、攪拌機4で100r/minの攪拌速度で攪拌しながら50℃に昇温した。攪拌機4を動かしたまま、アルミン酸ナトリウム水溶液を予め循環ライン6に送液ポンプ2にて40kg/minの流量で循環させながら、混合機5の回転数を3600r/minとし、原料槽1の水ガラス水溶液を原料供給ライン7を介して循環ライン6に供給して反応を開始した。反応終了後、循環流量を130kg/minとなるように送液ポンプ2を調節し、循環ライン6にて得られたスラリーを循環させながら80℃に昇温し、80℃を保持したまま60分間熟成を行った。得られたスラリーをろ液のpHが11.4になるまでNo.2のろ紙を用いてろ過洗浄を繰返し、100℃で13時間乾燥してゼオライトの粉末を得た。
【0062】
得られたゼオライトは、平均一次粒子径が0.8μm、平均凝集粒径が8μmのA型ゼオライトで、組成が1.02Na2 O・ 2.05SiO2 ・Al2 3 ・0.02CaO・ 4.3H2 Oである結晶水を有するゼオライトであった。また、含水率は21.1%、カチオン交換速度は202mgCaCO3 /g、カチオン交換容量は220mgCaCO3 /gであった。
【0063】
以上の手法で合成した結晶水を有するゼオライト50gを容量300mLのニッケル製蒸発皿にのせ、箱型電気炉(商品名:スーパーバーン、モトヤマ社製)中で200℃/hの昇温速度にて表1に示す5種類の加熱処理温度まで昇温し、1時間保持することにより加熱処理を行った。その後、電気炉より取り出し、水分を予め除去したデシケーター中で室温まで冷却し、表1に示す5種類〔(1)〜(5)〕の自己発熱性ビルダーを得た。得られた自己発熱性ビルダーはポリエチレン製のボトル中に密栓保存した。得られた自己発熱性ビルダーの物性評価結果を表1に併記する。表1から、いずれのものも加熱処理前の結晶水を有するゼオライトより高いカチオン交換速度およびカチオン交換容量を示した。
【0064】
【表1】
Figure 0004373601
【0065】
実施例2
実施例1で得られた(2)の自己発熱性ビルダー32gを、ノニオン性界面活性剤(商品名:エマルゲン108、水分含量:0.4%、花王社製)29.7g、ポリオキシエチレンフェニルエーテル(水分含量:0.3%、日本乳化剤社製)17.8gおよび高分子型分散剤(商品名:アクアロック FC600S、日本触媒社製)を凍結乾燥して水分を0.7%にしたもの0.5gの混合溶液の中に添加し、均一に攪拌混合した。次に直径1mmのジルコニア製ビーズを500g充填した容量1Lのバッチ式サンドミル(アイメックス社製)を用いて、ディスク回転数1500r/minで20分間粉砕し均一混合した。
【0066】
得られたスラリーは常温で1ヶ月間静置保存しても自己発熱性ビルダーが沈降することはなく、分散安定性は良好であった。また、1ヶ月間保存した後の該自己発熱性ビルダーの含水率は4.3%で変化することはなく、カチオン交換速度、カチオン交換容量および最高発熱温度の低下もみられなかった。
【0067】
なお、スラリー中に存在する自己発熱性ゼオライトの物性評価は、以下のようにして行った。すなわち、得られたスラリー40gを含水率が0.3%のエタノールを用いて乾燥窒素で除湿したグローブボックス中で洗浄し、ノニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンフェニルエーテルおよび高分子型分散剤を除去した。得られたものを室温で0.2μmのフィルターでろ過して、残渣を80℃、2時間かけてエタノールを除去し、ゼオライトの粉末15gを得た。以上のようにして得られた自己発熱性ビルダーについて前記物性評価方法に準じて物性評価を行った。平均一次粒子径は0.8μm、平均凝集粒径は1.1μmであった。また、含水率は4.3%であった。
【0068】
比較例1
実施例1おいて得られた結晶水を有するゼオライトの最高発熱温度を測定した。その結果、発熱することはなく、水温は25℃のままであった。
【0069】
比較例2
市販のゼオライト(トヨビルダー、東ソー社製:平均一次粒子径1.8μm、平均凝集粒径4.1μm、カチオン交換速度165mgCaCO3 /g、カチオン交換容量220mgCaCO3 /gで、組成が1.04Na2 O・ 2.03SiO2 ・Al2 3 ・4.2H2 O、含水率20.8%)を、表2に示す6種類の加熱処理条件で実施例1と同様にして加熱処理し、6種類〔(1)〜(6)〕のゼオライトを得た。得られたゼオライトは実施例1と同様にして保存し、物性評価を行った。その結果を表2に併記する。いずれのものも加熱処理前の結晶水を有するゼオライトよりも低いカチオン交換速度およびカチオン交換容量を示した。
【0070】
【表2】
Figure 0004373601
【0071】
比較例3
実施例1で得られた(2)の自己発熱性ビルダー32gをノニオン性界面活性剤(エマルゲン108、含水率10.4%、花王社製)29.7gとポリオキシエチレンフェニルエーテル(含水率9.2%、日本乳化剤社製)17.8gおよび高分子型分散剤(アクアロック FC600S、含水率56.5%、日本触媒社製)0.5gの混合溶液の中に添加し、均一に攪拌混合した。次に直径1mmのジルコニア製ビーズを500g充填した容量1Lのバッチ式サンドミル(アイメックス社製)を用いて、ディスク回転数1500r/minで20分間粉砕し均一混合した。
【0072】
得られたスラリー40gを含水率が0.3%のエタノールを用いて実施例2と同様の方法で界面活性剤等を洗浄除去し、ゼオライトの粉末15gを得、物性評価を行った。このゼオライトの平均凝集粒径は1.3μmであり、含水率は15.2%であった。また、カチオン交換速度は189mgCaCO3 /gであり、実施例1の(2)の自己発熱性ビルダーに比べ低下しており、また、カチオン交換容量は199mgCaCO3 /gであり、実施例1の(2)の自己発熱性ビルダーに比べ低下していた。さらに発熱はしなかった。
【0073】
比較例1および2との比較において、実施例1から、アルカリ土類金属成分を含むゼオライトを原料として加熱処理することにより得られた本発明の自己発熱性ビルダーは、加熱処理前のゼオライトよりも高いカチオン交換速度およびカチオン交換容量を示し、充分に発熱することが分かる。また、実施例2から本発明の安定化方法によれば、自己発熱性ビルダーの機能を安定的に保持できることが分かる。比較例3では用いた界面活性剤等の含水率が高く、所望の安定化効果は得られないことが分かる。
【0074】
【発明の効果】
本発明によれば、衣料用洗剤等に配合された場合、その洗浄性能を有意に高めることができる、高いカチオン交換能を有する自己発熱性ビルダー、ならびに該ビルダーの機能を安定的に保持させるのに有効な該ビルダーの安定化方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明において原料として用いられる結晶水を有するゼオライトの製造装置の一例の概略説明図である。
【符号の説明】
1 原料槽
2 送液ポンプ
3 反応槽
4 攪拌機
5 混合機
6 循環ライン
7 原料供給ライン
8 攪拌機

Claims (5)

  1. 無水物の組成がxM2 O・ySiO2 ・Al2 3 ・zMeO(ただし、Mはアルカリ金属原子、Meはアルカリ土類金属原子を表し、x=0.2〜2、y=0.5〜6、z=0.01〜0.1である)で表される結晶水を有するゼオライトを加熱処理することにより得られ得る自己発熱性ビルダーであって、カチオン交換速度が180mgCaCO 3 /g以上である自己発熱性ビルダー
  2. チオン交換容量が200mgCaCO3 /g以上である請求項1記載の自己発熱性ビルダー。
  3. 結晶水を有するゼオライトのカチオン交換容量に対し、その増加率が0%以上である、請求項1または2記載の自己発熱性ビルダー。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の自己発熱性ビルダーを、水分含量1重量%以下の物質で被覆するか、または該物質中に分散させる自己発熱性ビルダーの安定化方法。
  5. 水分含量1重量%以下の物質が液体であり、該液体中に分散させる際に、さらに自己発熱性ビルダーを粉砕する請求項4記載の自己発熱性ビルダーの安定化方法。
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