JP4382249B2 - 車載用衛星追尾装置及び車載用衛星受信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載された衛星アンテナの向きを所望の衛星方向に自動追尾させる車載用衛星追尾装置、及び、この衛星追尾装置を用いた車載用衛星受信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、放送衛星(BS)からの送信電波を受信する衛星アンテナ(BSアンテナ)や、このアンテナからの受信信号の中から所望チャンネルの放送信号を受信・復調する衛星チューナ(BSチューナー)等を車両に搭載し、衛星チューナが復調した映像信号や音声信号を車両に搭載されたモニタやスピーカに出力することで、乗員がBS放送を視聴できるようにした車載用衛星受信システムが知られている。
【0003】
また、この種のシステムにおいては、車両の走行状態(進行方向等)が変化しても衛星アンテナが常に放送衛星からの送信電波を受信できるようにするために、衛星アンテナの向き(方位角,仰角)を自動制御する衛星追尾装置が設けられている。
【0004】
そして、従来、こうした車載用の衛星追尾装置は、衛星チューナにて選局・復調される所望チャンネルの放送信号を追尾用信号として用い、この追尾用信号の信号レベルが最大となるように、衛星アンテナの向きを制御するようにされている。尚、このように追尾用信号として、衛星チューナにて選局・復調された所望チャンネルの放送信号を用いるのは、衛星アンテナを、受信対象となる放送衛星(BS)とは異なる人工衛星に向けてしまうことのないようにするためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の車載用衛星受信システムは、放送衛星(BS)を介して行われているBSアナログ放送を移動中の車両で視聴できるようにするためのシステムであるが、最近では、こうしたBSアナログ放送だけでなく、通信衛星を使ったデジタル放送についても、移動中の車両で視聴できるようにすることが要求されている。また、最近では、放送衛星(BS)を介して行われる衛星放送も、従来のアナログ放送からデジタル放送に移行することになり、こうしたBSデジタル放送が開始された際には、この放送についても、移動中の車両で視聴できるようにすることが要求されている。
【0006】
ところが、従来の車載用衛星受信システムに組み込まれる衛星追尾装置は、追尾用信号として、衛星チューナにて選局・復調された所望チャンネルの放送信号を使用することから、従来の車載用衛星受信システムでは、上記要求に応えることができなかった。
【0007】
つまり、従来の車載用衛星追尾装置では、衛星チューナにて選局・復調する放送信号がアナログ信号であり、その信号レベルは、衛星アンテナの向きによって変動することから、追尾用信号として衛星チューナによる選局・復調後の放送信号を用いるようにしているのであるが、デジタル放送受信用の衛星チューナによる選局・復調後の放送信号は、デジタル信号であり、その信号レベルは、衛星アンテナの向きによって変動することはなく、衛星アンテナが人工衛星に向いているか否かによって「0」,「1」に変動するだけである。よって、従来の車載用衛星追尾装置を使って、衛星アンテナを、デジタル放送を行う放送衛星(BS)やデジタル放送或いはデジタル通信を行う通信衛星(CS)に向けて自動追尾させることはできず、従来の車載用衛星受信システムを使って、デジタル放送受信用のシステムを構築することはできないのである。
【0008】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、車両に搭載された衛星アンテナの向きを、デジタル放送若しくはデジタル通信を行う人工衛星方向に自動追尾させることができる車載用衛星追尾装置、及び、この衛星追尾装置を用いた車載用衛星受信システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載の車載用衛星追尾装置においては、選局手段が、衛星アンテナからの受信信号の中から予め追尾用信号として設定された所定信号を選局し、進行方位検出手段が、車両の進行方位の変化を検出する。そして、制御手段が、選局手段にて選局された追尾用信号の信号レベルが最大となるように、衛星アンテナの向きを制御し、補正手段が、進行方位変化検出手段にて検出された進行方位の変化量に応じて衛星アンテナの向きを補正する。
【0010】
この結果、衛星アンテナの向き(換言すれば、方位角及び仰角)は、制御手段により、選局手段が選局した追尾用信号を送信してきた人工衛星方向を向くように制御され、しかも、車両の進行方位が変化した際には、補正手段によって補正されることから、衛星アンテナは常に追尾用信号を送信してきた人工衛星方向を向くことになる。
【0011】
また、本発明では、制御手段の制御動作によって衛星アンテナの向きが確実に所望の人工衛星方向となるようにするために、選局手段が選局する追尾用信号を、人工衛星側に設けられたビーコンから送信されてくる衛星位置確認用のビーコン信号とし、選局手段にてこのビーコン信号を正確に選局できるようにするために、選局手段を、局部発振手段と、水晶発振器と、発振周波数制御手段と、混合手段と、狭帯域のクリスタルフィルタとから構成している。
【0012】
つまり、ビーコン信号は、各人工衛星毎に周波数が設定されていることから、選局手段にて、所望周波数のビーコン信号を選局するようにすれば、その選局したビーコン信号の信号レベルから、衛星アンテナの向きを所望の人工衛星方向に最適に制御することができる。
【0013】
そこで、本発明では、ビーコン信号を追尾用信号として選局することにより、追尾させるべき人工衛星からの送信信号がデジタル放送或いはデジタル通信用の信号であっても、衛星アンテナの向きをその人工衛星方向に確実に制御することができるようにしている。
【0014】
また、ビーコン信号を用いて衛星アンテナの向きを制御するには、ビーコン信号の信号レベルを正確に検出する必要があるが、ビーコン信号は、一般に無変調のキャリア(搬送波)であり、帯域幅を有しないことから、その信号レベルを正確に検出するには、選局手段にて、ビーコン信号付近の周波数帯のノイズ成分をカットし、ビーコン信号のみを高精度に抽出する必要がある。
【0015】
そして、このためには、選局手段にて、ビーコン信号を、信号レベルを検出可能な低周波の信号に周波数変換し、その周波数変換後のビーコン信号を狭帯域のバンドパスフィルタを通過させることにより、ビーコン信号を抽出すればよい。ところが、ビーコン信号抽出用のバンドパスフィルタを狭帯域にした場合、ビーコン信号を周波数変換するのに使用する周波数変換用信号の周波数を高精度に制御する必要がある。つまり、周波数変換用信号の周波数が規定値からずれると、周波数変換後のビーコン信号が、バンドパスフィルタの信号通過帯域から外れて、ビーコン信号を抽出することができなくなることから、周波数変換用信号の周波数を高精度に制御しなければならない。
【0016】
そこで、本発明では、選局手段を上記のように構成することにより、選局手段にて、追尾対象となる人工衛星から送信されてきたビーコン信号を高精度に選局できるようにしているのである。
即ち、本発明では、選局手段において、発振周波数制御手段が、混合手段を介して受信信号を周波数変換するのに用いる局部発振信号の周波数(詳しくは、局部発振手段の発振周波数)を、発振周波数の温度補償機能を有する水晶発振器(所謂TCXO;Temperature Compensated Crystal Oscillator)が発生する基準信号に基づき制御することにより、衛星アンテナからの受信信号に含まれるビーコン信号を予め設定された所定周波数の信号に高精度に周波数変換できるようにし、しかも、その周波数変換後のビーコン信号を、狭帯域のクリスタルフィルタを介して抽出することにより、選局手段から出力される選局後のビーコン信号がノイズ成分の少ない(換言すれば純度の高い)信号となるようにしている。
【0017】
よって、本発明によれば、従来装置のように、衛星チューナにて選局・復調した放送信号の信号レベルを検出することなく、衛星アンテナの向きを、追尾させるべき人工衛星方向に高精度に制御することが可能となり、衛星アンテナを追尾させるべき人工衛星が、デジタル放送或いはデジタル通信用の人工衛星であっても、衛星アンテナの向きをその人工衛星方向に高精度に制御することができる。
【0018】
尚、制御手段が衛星アンテナの向きを制御するために用いる追尾用信号(本発明ではビーコン信号)の信号レベルとしては、選局手段にて選局されたビーコン信号の電圧をそのまま使用してもよいが、より好ましくは、ビーコン信号周囲のノイズ成分の信号レベル(電圧)を検出し、その検出結果に基づきビーコン信号のC/N(信号対ノイズ比)を求めるようにするとよい。
【0019】
また、請求項1に記載の車載用衛星追尾装置には、位置検出用の電波を送信してくる複数の人工衛星(Global Positioning System(GPS) 用の人工衛星)からの送信電波に基づき車両の進行方位を検出する進行方位検出手段が備えられている。
【0020】
そして、制御手段において、衛星アンテナの向きが追尾すべき人工衛星から外れている場合には、衛星探索制御手段が、選局手段にて追尾用信号を選局できるように衛星アンテナの向きを制御することにより、追尾すべき人工衛星を探索し、この衛星探索制御手段の動作によって衛星アンテナの向きが追尾すべき人工衛星方向に制御されると、衛星追尾制御手段が、衛星アンテナの向きをその人工衛星方向に保持する制御を実行する。
【0021】
ところで、衛星探索制御手段は、追尾すべき人工衛星を衛星アンテナにて捕捉できていないときに、衛星アンテナの向きを変化させることによって、衛星アンテナにてその人工衛星からのビーコン信号を受信できるようにするためのものであることから、探索動作時には、衛星アンテナの向きを制御可能な全方向に変化させるのが一般的である。
【0022】
しかし、本発明では、車両の走行時にその進行方位(絶対方位)を検出できる進行方位検出手段を備えていることから、衛星探索制御手段が人工衛星の探索動作に入ると、まず、進行方位検出手段にて車両の進行方位が検出されているか否かを判定し、車両の進行方位が検出されているときには、その検出された車両の進行方位と探索すべき人工衛星の現在位置からの方位とに基づき、衛星アンテナの向きを変化させる探索範囲を設定し、その探索範囲内で衛星アンテナの向きを制御することにより人工衛星を探索するようにしている。
【0023】
つまり、車両の進行方位(絶対方位)がわかれば、その進行方位と人工衛星が打ち上げられている方位(絶対方位)とに基づき、車両の進行方向を基準として衛星アンテナを向けるべき方向(車体に対する相対方位)を求めることができる。そこで、本発明(請求項1)では、進行方位検出手段を利用して車両の進行方位(絶対方位)を検出し、その検出結果に基づき、人工衛星の探索時に衛星アンテナの向きを変化させる探索範囲を設定し、その探索範囲内で人工衛星の探索動作を行うことにより、人工衛星を速やかに捕捉できるようにしているのである。
【0024】
よって、本発明によれば、車載用衛星追尾装置の起動直後や、車両の走行変化等によって衛星アンテナにて人工衛星を捕捉できなくなったとき(所謂追尾外れが生じたとき)に、人工衛星を探索するのに要する時間を短くすることができる。
【0025】
尚、進行方位検出手段は、複数の人工衛星からの送信電波に基づき車両の進行方位を検出するものであり、所謂GPS受信機の一機能として従来より周知のものであるが、この進行方位検出手段では、車両が停止しているときや、低速走行しているときには、進行方位を正確に検出することができないので、この場合には、衛星探索制御手段は、探索範囲を設定することなく衛星アンテナの向きを制御することにより、人工衛星を探索することになる。
【0026】
また、上記のように探索範囲を設定するには、現在位置での人工衛星の方位を知る必要があるが、追尾すべき人工衛星が、放送衛星(BS)や通信衛星(CS)のように、静止軌道上に打ち上げられている静止衛星の場合には、その方位を予め設定しておけばよい。つまり、本発明の衛星追尾装置は、自動車等の車両に搭載されるものであるが、こうした車両は、例えば、日本国内というように、通常、特定の地域で使用されるものであり、その地域が定まれば、静止衛星の方位も略一定であることから、人工衛星の方位を一定値として設定しておき、その方位と車両の進行方位とから、探索範囲を設定すればよい。また、追尾すべき人工衛星が周回軌道上に打ち上げられている場合は、その人工衛星の方位が時々刻々と変化することから、探索範囲を設定する際には、その人工衛星の方位を、現在時刻に基づき設定するようにすればよい。
【0027】
また次に、進行方位検出手段は、車載用衛星追尾装置専用のものとして構成してもよいが、請求項2に記載のように、進行方位検出手段による検出結果を、衛星追尾装置以外の車載装置(例えばナビゲーション装置等)にも出力するよう構成することにより、進行方位検出手段を、衛星追尾装置とナビゲーション装置等の他の車載装置とで共用するようにしてもよい。
【0028】
一方、請求項3、4に記載の車載用衛星追尾装置においては、衛星アンテナが、静止軌道上に打ち上げられている放送衛星及び通信衛星を含む複数の人工衛星からの送信電波を受信できるように構成され、選局手段において局部発振手段の発振周波数を制御する発振周波数制御手段は、局部発振手段の発振周波数を外部から指定された衛星からのビーコン信号に対応した周波数に設定することにより、衛星アンテナにて受信可能な複数のビーコン信号の内の一つを選局させる。
【0029】
よって、本発明(請求項3、4)の車載用衛星追尾装置によれば、例えば、BSチューナ、CSチューナといった、異なる人工衛星(BS,CS)からの放送信号を選局・復調することのできる1又は複数の受信装置を車両に搭載した場合であっても、使用者がその受信装置で受信したい人工衛星を指定すれば、衛星アンテナの向きが指定した人工衛星方向に自動で制御されることになり、使い勝手を向上できる。
【0030】
ところで、上記請求項1〜請求項4記載の車載用衛星追尾装置を実現するには、追尾すべき人工衛星が発生するビーコン信号の周波数を予め設定しておく必要があるが、例えば、BS放送やCS放送に用いられる人工衛星(BS,CS)は、衛星の寿命等によって将来変更されることがある。そして、このように、受信したい放送信号を送信してくる人工衛星が変更されると、その放送内容やチャンネル割り当てが同じであったとしても、ビーコン信号の周波数は今までとは異なる周波数になってしまう。従って、この場合は、選局手段が追尾用信号として選局するビーコン信号の周波数を変更する必要があるが、このような変更作業を使用者が行うのは困難であり、また、サービス業者に頼むと費用がかかるという問題がある。
【0031】
そこで、請求項5記載の車載用衛星追尾装置では、このような場合でも、自動的にビーコン信号を探索できるようにするために、選局情報取得手段を設けている。即ち、請求項5に記載の衛星追尾装置において、選局情報取得手段は、追尾すべき衛星からのビーコン信号を選局するのに必要な選局情報が不明なときに、その選局情報を自動で取得するためのものであり、追尾用信号候補探索手段と、受信状態判定手段と、選局情報登録手段とを備えている。
【0032】
そして、この選局情報取得手段においては、まず、追尾用信号候補探索手段が、発振周波数制御手段が制御する局部発振手段の発振周波数を予め設定された下限周波数から上限周波数までの範囲内で変化させつつ、衛星アンテナの向きを変化させ、そのとき、クリスタルフィルタを通過した信号の信号レベルが設定値以上となると、その信号を前記追尾用信号の候補として選択する。そして、その後、受信状態判定手段が、選局手段に対して、追尾用信号候補探索手段により追尾用信号の候補として選択された信号を選局させ、そのとき、衛星アンテナからの受信信号を選局・復調する受信装置(衛星チューナ等)側で所望の情報を復調できているか否かを判定し、この受信状態判定手段にて受信装置側で所望の情報を復調できたと判定されると、選局情報登録手段が、そのとき選局手段が選局している信号が追尾すべき衛星からのビーコン信号であるとして、そのビーコン信号を選局手段に選局させるのに必要な選局情報(詳しくは、ビーコン信号の周波数等)を、メモリに記憶する。
【0033】
よって、請求項5記載の車載用衛星追尾装置によれば、放送に用いる人工衛星の変更等によって、追尾すべき人工衛星から送信されてくるビーコン信号の周波数が不明となった場合であっても、そのビーコン信号の選局情報を自動的に取得することができるようになり、極めて使い勝手のよい衛星追尾装置を提供できる。
【0034】
ところで、選局情報取得手段は、追尾用信号候補探索手段により追尾用信号の候補となる信号を抽出し、その後、候補として抽出した信号を受信するように衛星アンテナの向きを制御して、外部の受信装置(衛星チューナ等)で所望の信号を復調できたか否かを判断することにより、追尾用信号として使用するビーコン信号の周波数を特定することから、選局情報取得手段にて追尾用信号の候補として選択された信号が多くなる程、選局情報の設定に時間がかかることになる。
【0035】
これに対して、人工衛星には、ビーコン信号として、特定周波数の一波(搬送波)だけを送信してくるものと、メインの搬送波に加えて、その搬送波よりも信号レベルが低く、一定周波数だけずれたサブキャリアを送信してくるものとがある。具体的には、現在、BS放送を行っている放送衛星(BS)からは、サブキャリアを付与したビーコン信号が送信され、CS放送を行っている通信衛星(CS)からは、サブキャリアを付与しないビーコン信号が送信されている。従って、選局情報を取得したい人工衛星が送信してくるビーコン信号にサブキャリアが付与されているか否かがわかれば、追尾用信号の候補なる信号を絞り込むことができる。
【0036】
そこで、請求項6記載の車載用衛星追尾装置においては、請求項5記載の装置において、更に、選局情報取得手段に、追尾用信号候補探索手段により追尾用信号の候補として選択された信号毎に、サブキャリアが付与されているか否かを判定するサブキャリア判定手段と、追尾用信号候補として探索すべきビーコン信号を送信してくる人工衛星が、サブキャリアを付与したビーコン信号を送信してくる人工衛星であるか否かを判定する衛星種別判定手段とを設けている。
【0037】
そして、請求項6記載の車載用衛星追尾装置において、受信状態判定手段は、衛星種別判定手段による判定結果に応じて、人工衛星がサブキャリアを付与したビーコン信号を送信してくる場合には、追尾用信号候補探索手段により追尾用信号の候補として選択された信号の内、サブキャリア判定手段にてサブキャリアが付与されていると判定された信号を選局手段に選局させ、逆に、人工衛星がサブキャリアの無いビーコン信号を送信してくる場合には、追尾用信号候補探索手段により追尾用信号の候補として選択された信号の内、サブキャリア判定手段にてサブキャリアが付与されていないと判定された信号を選局手段に選局させる。
【0038】
よって、請求項6記載の車載用衛星追尾装置によれば、放送に用いる人工衛星の変更等によって、追尾すべき人工衛星から送信されてくるビーコン信号の周波数が不明となった場合に、選局情報取得手段がビーコン信号の選局情報を取得するのに要する時間を短くできる。
【0039】
一方、請求項7記載の発明は、上述した請求項1〜請求項6いずれか記載の車載用衛星追尾装置を用いて構成された車載用衛星受信システムであり、この衛星追尾装置によりアンテナの向きが自動制御される衛星アンテナからの受信信号を選局・復調することにより、人工衛星から送信されてきた所望チャンネルの放送又は通信信号を復元する受信装置とを備える。
【0040】
従って、請求項7記載の車載用衛星受信システムによれば、上述した衛星追尾装置の動作によって、受信用の衛星アンテナの向きが、受信すべき人工衛星方向に常に最適に制御されることから、受信装置(衛星チューナ等)において、その人工衛星から送信されてきた所望チャンネルの放送信号を選局・復調することができる。
【0041】
ところで、衛星放送には、放送信号にスクランブルをかけることにより、そのスクランブルを解除して放送信号を復元するための復元情報を有する特定の加入者だけに放送信号を配信するようにした放送チャンネル(一般に有料放送)があるが、車載用衛星受信システムでも、使用者からの要求によって、こうした放送チャンネルを受信できるようにすることが望ましい。
【0042】
そこで、請求項8記載の車載用衛星受信システムでは、こうした要求に応えるために、請求項7記載の車載用衛星受信システムに対して、更に、使用者が指定した特定チャンネルの放送又は通信信号を受信装置で復元するのに必要な復元情報を取得するできるようにするための無線通信手段を設けている。そして、この無線通信手段は、まず、受信装置が選局・復調する放送又は通信信号を送信してくる人工衛星に対してこの信号を発信する地球局を無線通信回線を介して呼び出し、その呼び出した地球局に対して、受信装置にて選局・復調したい所望チャンネルの放送又は通信信号の送信要求を行い、その送信要求に応じて地球局から送信されてくる復元情報を受信する。
【0043】
この結果、請求項8記載の車載用衛星受信システムによれば、車両において、その移動中に、地上局が人工衛星を介して特定の加入者に対して配信する放送信号(或いは通信信号)を受信することができるようになる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明が適用された実施例の車載用衛星受信システム全体の構成を表す構成図である。
【0045】
本実施例の車載用衛星受信システムは、自家用車等、一般車両(自動車)に搭載されて、放送衛星(BS)及び通信衛星(CS)からの送信電波を、これら各電波共通の受信アンテナ(衛星アンテナであり、本実施例では平面アンテナからなる)20にて受信し、その平面アンテナ20からの受信信号の中から所望の放送チャンネルの放送信号を選局・復調して、車室内に設けられた液晶ディスプレイ等からなるテレビモニタやスピーカに復調信号(映像信号や声信号等)を出力することで、車両乗員が衛星放送(BS放送及びCS放送)を視聴できるようにするためのものである。
【0046】
そして、本実施例の車載用衛星受信システムは、平面アンテナ20の方向(方位角及び仰角)を人工衛星2(BS又はCS)に向けて自動調整するための受信部4及び制御部6からなる衛星追尾装置と、平面アンテナ20からの受信信号を受けて放送信号を選局・復調するための衛星チューナ(図ではCSチューナ8)と、CSチューナ8を使ってスクランブルのかかった特定チャンネルの放送信号を復元するのに必要な復元情報を地球局12から取得するための地上通信装置10とから構成されている。
【0047】
ここで、衛星追尾装置を構成する受信部4は、車室外に設けられ、制御部6は、オーディオ装置やナビゲーション装置と共に車室内に設けられている。そして、受信部4には、上述の平面アンテナ20に加えて、この平面アンテナ20の方向(方位角及び仰角)を調整するための調整機構22や、この調整機構22の駆動源となるモータ(例えばステップモータ)24が備えられている。
【0048】
また、受信部4において、平面アンテナ20からの受信信号S0は、増幅回路26にて増幅された後、混合回路28に入力される。混合回路28は、受信信号S0と周波数変換用の局部発振信号(以下、局発信号という)C2とを混合することにより、受信信号S0を所定周波数帯の中間周波信号S1に周波数変換するためのものであり、周波数変換後の中間周波信号S1は、増幅回路38にて増幅された後、制御部6に出力される。
【0049】
一方、受信部4には、混合回路28にて受信信号S0を中間周波信号S1に周波数変換するのに必要な局発信号C2を生成する回路として、一定周波数(例えば、2.6695GHz)の局発信号C1を発生する局部発振回路30と、この局部発振回路30からの局発信号C1の周波数を所定値倍(例えば4倍)する逓倍回路32と、この逓倍回路32で逓倍された一定周波数(例えば、10.678GHz)の局発信号C2を選択的に通過させる、狭帯域のバンドパスフィルタ34とが備えられている。そして、このバンドパスフィルタ34を通過した局発信号C2は、増幅回路36にて所定レベルまで増幅された後、混合回路28に入力される。
【0050】
また、局部発振回路30は、発振周波数を電圧制御可能な発振回路(所謂VCO)から構成されており、本実施例では、この局部発振回路30の発振周波数を一定にするために、制御部6から受信部4に対して周波数が安定した基準信号C0(例えば、周波数:20.855469MHz)を出力し、受信部4側では、この基準信号C0をPLL回路42に入力し、PLL回路42の動作によって、局部発振回路30の発振周波数を、基準信号C0に位相同期した一定周波数に制御するようにされている。
【0051】
尚、中間周波信号S1及び基準信号C0は、受信部4と制御部6との間で、共通の信号線(例えば同軸ケーブル)を介して入・出力される。このため、受信部4において、増幅回路38からの中間周波信号S1の出力経路上には、分波フィルタ40が設けられており、この分波フィルタ40を介して、増幅回路38から出力された中間周波信号S1を制御部6側に送出し、制御部6からの基準信号C0をPLL回路42側に取り込むようにされている。
【0052】
また、受信部4において、局部発振回路30から逓倍回路32に至る信号経路上には、分岐回路44が設けられており、この分岐回路44を介して局部発振回路30からの出力(C1)の一部を分岐させ、これをPLL回路42にフィードバックするようにされている。
【0053】
そして、このように構成された受信部4においては、平面アンテナ20にて受信されたCS信号は、例えば、1572〜2072MHzの中間周波信号(CS−IF)に周波数変換されて、制御部6に入力され、平面アンテナ20にて受信されたBS信号は、例えば、1035〜1335MHzの中間周波信号(BS−IF)に周波数変換されて、制御部6に入力される。
【0054】
次に、制御部6には、受信部4から入力される受信信号(中間周波信号S1)をそのまま外部の衛星チューナ(図ではCSチューナ8)に出力するための出力経路が設けられると共に、上述した基準信号C0を生成するための基準信号発生手段として、発振周波数の温度補償機能を有し、しかも、発振周波数を外部からの印加電圧によって制御可能な水晶発振器(所謂VC−TCXO)50が設けられている。
【0055】
そして、上記受信信号の出力経路上には、混合フィルタ52が設けられ、この混合フィルタ52を介して、受信信号である中間周波信号S1を衛星チューナ側に通過させると共に、水晶発振器50からの基準信号C0を受信部4側に出力するようにされている。
【0056】
また、上記受信信号の出力経路上には、混合フィルタ52を通過した受信信号(中間周波信号S1)の一部を分岐させる分岐回路54が設けられている。そして、この分岐回路54にて分岐された受信信号(中間周波信号S1)は、混合手段としての混合回路56に入力され、混合回路56にて、局部発振手段としての局部発振回路58が発生した局部発振信号(局発信号)と混合されることにより、第2の中間周波信号に周波数変換される。
【0057】
また、この周波数変換後の第2の中間周波信号は、増幅回路62にて増幅された後、例えば、中心周波数が10.7MHzで、信号通過帯域幅が例えば±3.75kHzに設定された狭帯域のクリスタルフィルタ64に入力される。そして、このクリスタルフィルタ64を通過した中心周波数10.7MHzの信号(以下、選局信号という)S2は、増幅回路66にて更に増幅された後、A/D変換回路68を介して、自動追尾制御用のマイクロコンピュータ(以下、単にマイコンという)70に入力される。
【0058】
次に、局部発振回路58は、発振周波数を電圧制御可能な発振回路(所謂VCO)から構成されており、その発振周波数は、発振周波数制御手段としてのPLL回路60により制御される。即ち、PLL回路60は、水晶発振器50からの基準信号C0を基に、局部発振回路58の発振周波数が、マイコン70からの指令信号に対応した一定周波数となるように、局部発振回路58をフィードバック制御するためのものであり、PLL回路60には、水晶発振器50からの基準信号C0が入力されると共に、局部発振回路58からの発振信号が分岐回路59を介して入力されている。
【0059】
尚、本実施例においては、上述した局部発振手段としての局部発振回路58、水晶発振器50、発振周波数制御手段としてのPLL回路60、混合手段としての混合回路56、及び、クリスタルフィルタ64が、本発明(請求項1)の選局手段として機能する。
【0060】
また、クリスタルフィルタ64は、追尾用信号として用いられる人工衛星からのビーコン信号をノイズ成分の影響を受けることなく高精度に抽出するためのものであり、上述したように、本実施例では、その信号通過帯域幅が±3.75kHzに設定される。
【0061】
これは、クリスタルフィルタの通過帯域は、その加工精度によって変動するが、クリスタルフィルタの加工精度の交差は、一般に、±500Hzであることから、本願出願時点で量産可能な(換言すれば安価に入手可能な)クリスタルフィルタの通過帯域幅は、中心周波数±3kHz〜±4kHzとなるためである。従って、将来、クリスタルフィルタの加工精度が上がり、より狭帯域のフィルタを使用できるようになれば、そのフィルタを使用するようにしてもよい。
【0062】
但し、このクリスタルフィルタ64の信号通過帯域幅を狭くすればするほど、PLL回路60による局部発振回路58の発振周波数の制御精度(換言すれば水晶発振器50の発振周波数の精度)が要求されることから、クリスタルフィルタ64の信号通過帯域幅を狭くすれば、水晶発振器50の発振周波数の精度を高める必要はある。
【0063】
因みに、現在、TCXOにて発振可能な周波数は、数十MHzで、その周波数誤差は1Hz以下であるため、例えば、TCXO(水晶発振器50)の発振周波数が20.855469MHzで、PLL回路60内の分周回路の分周比を調整することにより、PLL回路60がこの基準信号C0を基に局部発振回路58の発振周波数を10.678GHz(←20855469Hz×128×4)に制御するように設計した場合、局部発振回路58からの発振周波数の設計値からのずれは約±512Hzとなり、その誤差は、約1kHzとなる。従って、この場合、周波数変換後のビーコン信号の周波数のばらつきは、クリスタルフィルタ64の加工精度に比べて十分小さく、周波数変換後のビーコン信号は、クリスタルフィルタ64を確実に通過できることになる。
【0064】
一方、マイコン70には、上記PLL回路60の他、水晶発振器50の発振周波数を制御するための指令信号を制御用の電圧信号に変換するためのD/A変換回路72、受信部4側のモータ24を駆動して平面アンテナ20の方向(方位角,仰角)を制御するためのモータコントローラ74、車両旋回時の回転角速度等を検出するためのジャイロ76、及び、位置検出用(前述したGPS用)の複数の人工衛星からの送信電波を受信して車両現在位置や走行速度、進行方向等を表す検出信号を発生するGPS受信機78が接続されている。尚、GPS受信機78には、その検出信号を、マイコン70だけでなく、ナビゲーション装置等の他の車載装置にも出力するための出力端子TGPが設けられている。
【0065】
また、マイコン70は、地上通信装置10に対して追尾状態を表すステイタス情報を出力したり、地上通信装置10側から衛星チューナ(図ではCSチューナ8)の動作状態や追尾すべき人工衛星2の種別(BS又はCS)等を表すステイタス情報を取り込み、追尾条件等を設定できるようにされている。
【0066】
そして、マイコン70は、例えば、制御部6から受信信号(中間周波信号S1)を受ける衛星チューナがCSチューナであり、平面アンテナ20の向きを通信衛星(CS)方向に追尾させる必要がある場合には、PLL60に対して、局部発振回路58からの発振周波数を、CSからのビーコン信号の周波数(例えば2071.8MHz)に10.7MHzを加えた周波数(例えば2082.5MHz)に制御するための指令信号を出力することにより、混合回路56及びクリスタルフィルタ64に対して、CSからのビーコン信号を選局させ、その選局信号S2をA/D変換回路68を介して取り込むことにより、CSからのビーコン信号の信号レベルを検出する。
【0067】
また、例えば、衛星チューナがBSチューナであり、平面アンテナ20の向きを放送衛星(BS)方向に追尾させる必要がある場合には、PLL60に対して、局部発振回路58からの発振周波数を、BSからのビーコン信号の周波数(例えば1030.5MHz)に10.7MHzを加えた周波数(1041.2MHz)に制御するための指令信号を出力することにより、混合回路56及びクリスタルフィルタ64に対して、CSからのビーコン信号を選局させ、その選局信号S2をA/D変換回路68を介して取り込むことにより、BSからのビーコン信号の信号レベルを検出する。
【0068】
また、マイコン70は、平面アンテナ20の方向を人工衛星(CS又はBS)に向ける追尾制御を実行する際には、上記のように対応する衛星からのビーコン信号の信号レベルを検出するだけではなく、PLL回路60を介して局部発振回路58の発振周波数を、そのビーコン信号周囲のノイズ信号を選局するための周波数に切り替えることにより、ノイズ信号の信号レベルについても検出し、その検出したノイズ信号の信号レベルと、ビーコン信号の信号レベルとから、ビーコン信号のC/N(信号対ノイズ比)を求め、このC/Nが最大となるようにモータコントローラ74を介してモータ24を駆動制御することにより、平面アンテナ20の方向(方位角及び仰角)を制御する。
【0069】
一方、地上通信装置10は、上記のように制御部6のマイコン70から出力されたステイタス信号を取り込み、平面アンテナ20が人工衛星2の方向に向いていないとき(追尾外れ)に、衛星チューナ(図ではCSチューナ8)の選局動作を停止させるとか、或いは、衛星チューナの動作状態や追尾すべき人工衛星2の種別(BS又はCS)等を表すステイタス情報を制御部6のマイコン70側に出力するというように、衛星追尾装置と衛星チューナとの間の情報交換を行う。
【0070】
また、地上通信装置10は、車両乗員が所謂パーソナルコンピュータとしても使用できるようになっており、例えば、乗員が、地上通信装置10に設けられたマウス若しくはキーボードを操作することにより、スクランブルのかかった特定チャンネルの放送信号の受信要求を入力すると、人工衛星2(通信衛星:CS)を介して各種放送信号を配信するために人工衛星2にバラボラアンテナ14を介してアップリンクされた地球局12(詳しくは地球局12に設けられた通信端末)を地上の無線通信回線を介して呼び出し、地球局12に対して、所望チャンネルの放送信号の送信要求を行う。
【0071】
また、この送信要求に対応して、地球局12(詳しくは地球局12に設けられた通信端末)から、地上の無線通信回線を介して、要求した放送信号の伝送条件(請求項8記載の復元情報に相当し、具体的には、放送信号のスクランブルを解除するための鍵情報や放送信号の変調方式を表す情報等)を受信し、これをCSチューナ8に出力することにより、CSチューナ8側で、今回送信要求を行ったチャンネルの放送信号を復元できるようにする。
【0072】
尚、本実施例においては、衛星チューナ(図ではCSチューナ8)が、請求項7記載の受信装置に相当し、地上通信装置10が、請求項8記載の無線通信手段に相当する。そして、図1には、地上通信装置10は、地球局12(詳しくは地球局12側の通信端末)との間で、無線通信用のアンテナ10a,12aを介して、直接無線通信を行うように記載されているが、この間の通信は、例えば、携帯電話等の無線電話回線を使用するようにしてもよい。
【0073】
次に、上記のように構成された本実施例の車載用衛星受信システムにおいて、地上通信装置10を構成するパーソナルコンピュータにて実行される本発明に関わる制御処理、及び、制御部6内のマイコン70にて衛星追尾のために実行される制御処理について説明する。
【0074】
図2は、地上通信装置10にて実行される制御処理を表すフローチャートであり、(a)は、制御部6による衛星追尾状態と衛星チューナによる受信状態とを夫々監視するために実行される追尾・受信状態監視処理を表し、(b)は、乗員からの指令に従い通信衛星(CS)の地球局12に対して所望チャンネルの送信要求を行うCS専用ch受信設定処理を表す。
【0075】
図2(a)に示す追尾・受信状態監視処理は、地上通信装置10において電源投入後にメインルーチンの一つとして繰り返し実行される処理であり、処理が開始されると、まずステップ110(以下、ステップをSと記載する)にて、制御部6内のマイコン70から出力されるステイタス情報に基づき、現在、平面アンテナ20は人工衛星2(BS又はCS)方向に正常に制御されているか否か(換言すれば衛星追尾は正常か否か)を判定する。
【0076】
そして、衛星追尾が正常でなければ、S120にて、衛星チューナの動作モードを、選局・復調を停止して復調信号(映像信号,音声信号)の出力経路を遮断する待機モードにセットし、続くS125にて、マイコン70側に出力する衛星チューナのステイタス情報として、放送信号を復調できない旨を表す「復調不能」を設定し、当該処理を終了する。
【0077】
一方、S110にて、衛星追尾が正常に行われていると判断された場合には、S130に移行して、衛星チューナの動作モードを、乗員が指定した任意のチャンネルの放送信号を選局・復調する受信モードにセットすることにより、衛星チューナ(CSチューナ8等)に対して、所望チャンネルの放送信号を選局・復調させる。
【0078】
そして、続くS140では、衛星チューナが所望チャンネルの放送信号を正常に復調できているか否かを判断し、正常に復調できていなければ、S120に移行し、S120及びS125の処理を実行した後、当該処理を一旦終了する。また、逆に、S140にて、衛星チューナが放送信号を正常に復調できていると判断された場合には、S150に移行して、マイコン70側に出力する衛星チューナのステイタス情報として、放送信号を正常に復調できている旨を表す「復調可能」を設定し、当該処理を終了する。
【0079】
次に、図2(b)に示すCS専用ch受信設定処理は、乗員がスクランブルのかかった特定チャンネルの放送信号の受信要求を入力したときに実行される処理であり、この処理が開始されると、まずS170にて、上述したように地球局12を無線通信回線を介して呼び出し、地球局12に対して乗員が指定した特定チャンネルの放送信号の送信要求を行う。
【0080】
そして、続くS180では、この送信要求に対応して、地球局12から送信されてくる伝送条件(前述の復元情報)を受信し、続くS190にて、受信した伝送条件をCSチューナ8に出力することにより、CSチューナ8側で、今回送信要求を行ったチャンネルの放送信号を復元できるようにする。
【0081】
次に、図3は、衛星追尾装置を構成する制御部6内のマイコン70において、電源投入後にメインルーチンの一つとして繰り返し実行される、衛星自動追尾処理を表すフローチャートである。
図3に示すように、この処理が開始されると、S210にて、地上通信装置10から、CSチューナ8等の外部の衛星チューナの動作状態や平面アンテナ20を追尾させるべき衛星の種別(CS・BS)等を表すステイタス情報を、追尾情報として読み込む。
【0082】
そして、続くS220では、制御部6から外部の地上通信装置10に対して出力するステイタス情報として、現在、追尾すべき衛星(以下、追尾衛星という)を探索中である旨を表す「サーチ」を設定する。尚、このS220の処理により、地上通信装置10側では、上述のS110の実行時に、衛星追尾が正常に行われていないことを判定できるようになる。
【0083】
次に、S230では、後述する進行方位検出処理によりセット・リセットされる方位検出フラグFを読み込み、続くS240にて、この方位検出フラグFがセット(値1)されているか否かを判断する。尚、方位検出フラグFは、後述する方位検出処理により、車両の進行方位を正常に検出できた際にセット(値1)され、進行方位を検出できない場合には、リセット(値0)されるフラグである。
【0084】
そして、S240にて、方位検出フラグFがセットされていると判断されると(換言すれば車両の進行方位が正常に検出されている場合には)、続くS250にて、進行方位検出処理にて検出された最新の方位データDirを読み込み、続くS260にて、その方位データDirと、追尾衛星の方位を表す方位データDsとに基づき、追尾衛星を探索するために平面アンテナ20の向きを変化させる範囲(探索範囲)を設定した後、S270の衛星サーチ処理に移行する。
【0085】
ここで、S250にて読み込む方位データDirは、車両の進行方向を表す絶対方位である。また、追尾衛星の方位データDsは、当該衛星受信システムが搭載される車両の所属地域から見て追尾衛星がどの方向にあるのかを表す絶対方位であり、予め設定されている。そして、S260では、これら各方位データDir,Dsに基づき、車両の進行方位を基準として平面アンテナ20のビーム中心を向けるべきアンテナ方位角θAと、このアンテナ方位角θAを中心に平面アンテナ20の向きを変化させるサーチ範囲θALとを設定する。
【0086】
尚、アンテナ方位角θAは車両の進行方位を基準とする相対方位であり、例えば式「θA=Ds−Dir」にて算出される。また、サーチ範囲θALは、設定したアンテナ方位角θAを中心として、平面アンテナ20の向きを上下左右に何度変化させるかを表すものであり、S260では、予め設定された設定値d(例えば、±10度)が設定される。
【0087】
一方、S240にて、方位検出フラグFがリセットされていると判断されると(換言すれば車両の進行方位を正常に検出できていない場合には)、続くS280に移行して、S230にて最初に方位検出フラグFを読み込んだ後、所定時間(t秒)が経過したか否かを判断し、所定時間が経過していなければ、再度S230に移行することにより、所定時間の間、後述の進行方位検出処理にて車両の進行方位が検出されるのを待つ。
【0088】
そして、S280にて、所定時間が経過したと判断されると、現在、車両は進行方位を検出できる状態にないと判断して、続くS290に移行し、衛星サーチのためのアンテナ方位角θAとして、車両の進行方位に対応した値0度を設定すると共に、サーチ範囲θALとして、車両を中心とする全方位である360度を設定し、S270に移行する。つまり、S290では、追尾衛星を探索するために平面アンテナ20の向きを変化させる探索範囲を設定することなく、S270の衛星サーチ処理を実行させる。
【0089】
次に、S270の衛星サーチ処理では、平面アンテナ20のビーム中心と車両の前後方向に沿った車両中心軸とがなす角度が、S260又はS290にて設定されたアンテナ方位角θAとなり、車体平面に対する平面アンテナ20の仰角が、地上から追尾衛星を見た際の仰角となるように、平面アンテナ20の向きを制御し、その後、S260又はS290にて設定されたサーチ範囲θAL内で平面アンテナ20の方位を変化させることにより、追尾衛星からのビーコン信号を受信できるようにする。
【0090】
具体的には、前述したように、追尾衛星からのビーコン信号、及び、このビーコン信号から所定周波数だけずれた信号成分(ノイズ)を、局部発振回路58、水晶発振器50、PLL回路60、混合回路56及びクリスタルフィルタ64等からなる選局回路を介して選局させ、これら各信号の信号レベルをA/D変換回路68を介して取り込むことにより、追尾制御用のビーコン信号の信号レベルとしてビーコン信号のC/Nを算出し、その算出したビーコン信号のC/Nが最大となるように、上記サーチ範囲θAL内で平面アンテナ20の方向を調整する。
【0091】
こうしてS270の衛星サーチ処理が実行されると、今度は、S275にて、S270の衛星サーチ処理により追尾衛星を正常にサーチできたか否かを判断する。そして、追尾衛星を正常にサーチできていなければ、再度S220に移行して、S220以降の処理を再度実行し、追尾衛星を正常にサーチできていれば、続くS300にて、外部の地上通信装置10に出力するステイタス情報として、追尾衛星の探索が完了した旨を表す「ロック」を設定する。尚、このS300の処理により、地上通信装置10側では、上述のS110の実行時に、衛星追尾が正常に実行されたことを判定できるようになる。
【0092】
また、続くS310では、地上通信装置10から入力されるステイタス情報に基づき、衛星チューナ側で所望チャンネルの放送信号を正常に復調できているか否かを判断する。そして、衛星チューナ側で放送信号を正常に復調できていなければ、再度S220に移行して、上記S220以降の処理を実行し、放送信号を正常に復調できていれば、S320に移行する。
【0093】
S320では、S230と同様に、方位検出フラグFを読み込む。そして、続くS330では、その読み込んだ方位検出フラグFがセットされているか否かを判断し、方位検出フラグFがセットされていれば、S340にて、後述の進行方位検出処理にて検出された方位データDirを読み込み、S360に移行する。また、方位検出フラグFがセットされていなければ、後述の進行方位検出処理にて、車両の進行方位(絶対方位)を正常に検出できない場合に、ジャイロ76の出力から求められた方位変化量△Dを読み込み、S360に移行する。
【0094】
次に、S360では、S340で読み込んだ方位データDir又はS350で読み込んだ方位変化量△Dに基づき、車両の進行方位は変化したか否かを判断する。そして、S360にて、車両の進行方位が変化したと判断された場合には、続くS370に移行して、平面アンテナ20の方向を、車両の進行方向の変化分を相殺する方向に補正する。具体的には、平面アンテナ20の向きを、車両の進行方向の変化分だけ、車両の進行方向の変化方向とは反対方向に変化させる。
【0095】
また次に、S360にて、車両の信号方向は変化していないと判断されるか、或いは、S370にて、平面アンテナ20の方向を車両の進行方向の変化に応じて補正した後は、S380に移行し、平面アンテナ20の方向を、衛星からのビーコン信号のC/Nが最大となるように所定範囲内で微調整することにより、平面アンテナ20の方向を衛星に追尾させる衛星追尾処理を実行する。
【0096】
そして、この衛星追尾処理が一旦終了すると、今度は、S385にて、S380の衛星サーチ処理により追尾衛星を正常に追尾できているか否かを判断する。このS385の処理は、車両の進行方位の変化等によって追尾外れが生じていないかどうかを確認するための処理であり、例えば、衛星追尾処理の際に検出したビーコン信号のC/Nが判定値以下になった際に、追尾外れが生じたものと判定する。そして、S385にて、追尾外れが生じたと判断されると、追尾衛星をサーチし直すために、S210に移行し、逆に、S385にて追尾外れは生じていないと判断されると、S390に移行する。
【0097】
S390では、地上通信装置10からサーチ指令が入力されたか否かを判断する。そして、サーチ指令が入力された場合には、再度S210に移行し、逆に、サーチ指令が入力されていなければ、S320に移行する。尚、サーチ指令は、追尾衛星をBSからCS或いはCSからBSへと変更したいときに、乗員が地上通信装置10若しくは衛星チューナを操作することによって入力してくるものであり、マイコン70には、地上通信装置10からステイタス情報の一つとして入力される。
【0098】
次に、図4は、衛星追尾装置を構成する制御部6内のマイコン70において、メインルーチンの一つとして、上記衛星自動追尾処理と並列に実行される進行方位検出処理を表すフローチャートである。
図4に示すように、進行方位検出処理では、まずS410にて、方位検出フラグFを値0にリセットする。そして、続くS420にて、GPS受信機78が位置検出用の電波を送信してくる複数の人工衛星からの送信電波を受信できているか否かを判断し、GPS受信機78がその電波を受信できていなければ(換言すれば、GPS受信機78により現在位置,速度,進行方位等を検出できていなければ)、S480に移行して、ジャイロ76からの出力に基づき車両の進行方位の変化量を算出し、続くS490にてその算出結果(方位変化量△D)を図示しないメモリに記憶した後、再度S410に移行する。つまり、ジャイロ76は、車両旋回時に生じる回転角速度等を検出するものであり、ジャイロ76の出力だけでは車両の進行方位(絶対方位)を求めることができないので、ここでは、ジャイロ76の出力に基づき、車両の進行方位の変化量を求め、これを方位変化量△Dとして記憶するのである。
【0099】
一方、S420にて、GPS受信機78は位置検出用の人工衛星からの送信電波を受信できていると判断されると、S430にて、GPS受信機78から車両の走行速度Vを読み込む。そして、続くS440では、この読み込んだ走行速度Vが予め設定された設定速度Vo(例えば、10km/h)以上であるか否かを判断し、走行速度Vが設定速度Vo未満であれば、GPS受信機78を用いて車両の進行方位を正確に検出できないと判断して、S470に移行し、逆に、走行速度Vが設定速度Vo以上であれば、GPS受信機78を用いて車両の進行方位を正確に検出することができることから、続くS450に移行する。
【0100】
そして、S450では、GPS受信機78を用いて車両の進行方位を検出し、続くS460にて、方位検出フラグFを値1にセットし、更に続くS465にて、S450で検出した進行方位を方位データDirとして図示しないメモリに格納した後、再度S420に移行する。
【0101】
一方、S470では、方位検出フラグFがセットされているか否かを判断する。そして、方位検出フラグFがセットされていなければ、上述のS480及びS490を実行することにより、ジャイロ76からの出力に基づき方位変化量△Dを算出・記憶した後、再度S410に移行する。
【0102】
また、S470にて、方位検出フラグFがセットされていると判断された場合には、S475に移行して、ジャイロ76からの出力に基づき、メモリに格納されている方位データDirを更新し、再度S410に移行する。つまり、ジャイロ76は、単体では、車両の進行方位を正確に検出することはできないものの、方位検出フラグFがセットされていれば、現在メモリに格納されている方位データDirは、GPS受信機78の検出結果に基づく正確な進行方位であることから、S475では、ジャイロ76の出力に基づき車両の進行方位の変化量を求め、この変化量を用いて、メモリに格納された方位データDirを更新するのである。
【0103】
以上説明したように、本実施例においては、マイコン70が、本発明の制御手段として、衛星自動追尾処理を実行するが、この処理では、平面アンテナ20の向きを追尾衛星方向に制御できていないときには、平面アンテナ20にて受信される追尾衛星からのビーコン信号が最大レベルとなるように平面アンテナ20の向きを制御する衛星探索制御手段としての処理(S210〜S310)を実行し、平面アンテナ20の向きが追尾衛星方向に制御されているときには、平面アンテナ20にて受信される追尾衛星からのビーコン信号が最大レベルとなるように平面アンテナ20の向きを微調整する衛星追尾制御手段としての処理(S320〜S390)を実行する。
【0104】
また、この衛星追尾制御手段としての処理(S320〜S390)の実行中には、S360にて車両の進行方位の変化を判定する進行方位変化検出手段としての処理を実行し、更に、このS360の処理にて車両の進行方位の変化が判定されると、S370にて、その変化に応じてアンテナ方向を補正する、補正手段としての処理を実行する。
【0105】
従って、本実施例によれば、CSチューナ8等の衛星チューナにて、CS放送若しくはBS放送を受信する際には、平面アンテナ20の向きが自動的にその放送信号を送信してくる人工衛星(追尾衛星)方向に制御されることになる。
また、本実施例では、衛星自動追尾処理を実行する際、追尾用信号として、局部発振回路58、水晶発振器50、PLL回路60、混合回路56及びクリスタルフィルタ64等からなる選局回路を介して、ビーコン信号を選局し、その選局したビーコン信号の信号レベル(詳しくはC/N)が最大となるように、平面アンテナ20の向きを制御する。
【0106】
従って、本実施例によれば、アナログ放送を行う放送衛星(BS)だけでなく、デジタル放送を行う放送衛星(BS)若しくは通信衛星(CS)に対しても、平面アンテナ20の向きをその衛星方向に高精度に制御することが可能となる。
また、衛星探索手段としてのS210〜S310の処理では、進行方位検出手段としての進行方位検出処理にて、GPS受信機78からの出力に基づき車両の進行方位が正確に検出されているか否かを判断し、進行方位が検出されていれば(F=1)、その検出された車両の進行方位と車両からみた追尾衛星の方位とに基づき、衛星探索のために平面アンテナ20の向きを変化させる範囲(探索範囲)を制限し、進行方位が検出されていなければ(F=0)、その探索範囲を制限することなく、平面アンテナ20の向きを変化させる。
【0107】
従って、進行方位検出処理にて、GPS受信機78からの出力に基づき車両の進行方位が検出されているときには、S270にて実行する衛星サーチ処理を短時間で終了することが可能となり、追尾外れが生じた場合等に、所望チャンネルの放送信号を視聴できなくなる時間を短くすることができる。
【0108】
また次に、本実施例の車載用衛星受信システムでは、通信衛星(CS)から、変調方式を変えたりスクランブルをかけることによって、特定の加入者に対して配信される専用チャンネルの放送信号であっても、車両に搭載したCSチューナ8で復調できるようにするために、無線通信手段としての地上通信装置10を設け、この地上通信装置10が地球局12との間で無線通信を行うことによって、その専用チャンネルの送信要求を行い、その放送信号を復調するのに必要な伝送条件を取得するようにされている。
【0109】
このため、本実施例によれば、こうした専用チャンネルの放送信号であっても、CSチューナ8を用いて選局・復調できることになり、車載用衛星受信システムとしての利便性を向上することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
【0110】
例えば、上記実施例では、BS或いはCSからのビーコン信号を選局するための局発信号を発生する局部発振回路58の発振周波数は予め設定されており、そのビーコン信号を選局させる際には、その発振周波数に対応してPLL回路60を制御するものとして説明した。
【0111】
しかし、BS放送やCS放送に用いられる人工衛星(BS,CS)は、衛星の寿命や故障等によって、将来、他の人工衛星に変更されることがあり、このような場合には、たとえ、放送内容やチャンネル割り当てが変更されない場合(換言すれば車両に搭載した衛星チューナをそのまま使用できる場合)であっても、ビーコン信号の周波数は、今までとは異なる周波数になってしまう。
【0112】
従って、車載用衛星受信システム(換言すれば車載用衛星追尾装置)としては、上記のように平面アンテナ20を追尾させるべき人工衛星(追尾衛星)が変更された場合には、追尾衛星からのビーコン信号を自動で探索して、その後は、その探索したビーコン信号の受信レベルから、追尾制御を実行できるようにすることが望ましい。
【0113】
そして、このようにするには、例えば、外部操作によって、マイコン70の動作モードを、追尾衛星を探索して自動追尾する通常モードから、追尾すべき衛星からのビーコン信号を探索する追尾用信号探索モードに切り替えることができるようにし、マイコン70は、この追尾用信号探索モードに入ると、図5に示す追尾用信号探索処理を実行して、追尾すべき衛星からのビーコン信号を自動的に探索するようにするとよい。
【0114】
以下、この追尾用信号探索処理について説明する。
図5に示す如く、この処理が開始されると、S510にて、外部の地上通信装置10に対して出力するステイタス情報として「サーチ」を設定し、続くS520にて、地上通信装置10若しくは図示しない他の設定装置から探索すべきビーコン信号を送信してくる人工衛星の種別(BS又はCS)を読み込む。そして、続くS530では、その読み込んだ人工衛星の種別に基づき、追尾用信号として探索すべきビーコン信号の周波数帯域やサブキャリアの有無といった追尾用信号探索条件を設定し、S540の追尾用信号候補サーチ処理に移行する。
【0115】
S540の追尾用信号候補サーチ処理では、まず、PLL回路60に対して、局部発振回路58の発振周波数を、探索すべきビーコン信号の周波数帯域に対応した下限周波数から上限周波数まで繰り返し変化させる制御信号を出力し、その後、局部発振回路58、水晶発振器50、PLL回路60、混合回路56及びクリスタルフィルタ64からなる選局回路を介して入力される選局信号S2の信号レベルを検出しつつ、平面アンテナ20の向きを制御可能な全範囲で変化させる。
【0116】
そして、この平面アンテナ20の向きを変化させているときに、選局信号S2の信号レベルが設定レベル以上となると、その選局信号S2を、追尾用信号として設定可能なビーコン信号の候補としてピックアップし、そのときPLL回路60を介して制御している局部発振回路58の発振周波数とアンテナ方位角とをメモリに記憶する。
【0117】
次に、S540の処理が実行されると、今度は、S550に移行して、上記サーチ処理にて追尾用信号の候補としてピックアップされた信号毎に、サブキャリアが付与されているか否かを判断する。具体的には、局部発振回路58の発振周波数及びアンテナ方位角を、追尾用信号の候補としてピックアップした選局信号S2を受信したときと同じ状態にし、局部発振回路58の発振周波数を所定量(例えば数百kHz)だけ増減させ、そのとき、選局信号S2のピークを検出できたか否かによって、サブキャリアの有無を判定する。
【0118】
そして、続くS560では、追尾用信号の探索対象となっている人工衛星が放送衛星(BS)であるか否かを判断し、放送衛星(BS)であれば、S570に移行して、S540のサーチ処理にて追尾用信号の候補としてピックアップされた信号の内、S550でサブキャリアが付与されていると判断された信号の一つを受信するように、局部発振回路58の発振周波数及びアンテナ方位角を制御し、S580にて、地上通信装置10に出力するステイタス情報に「ロック」を設定する。
【0119】
すると、地上通信装置10は、衛星チューナ(この場合BSチューナ)に対して受信可能である旨を表す信号を出力して、所望の放送チャンネルの放送信号を選局・復調させ、BSチューナ側での放送信号の復調状態をステイタス情報としてマイコン70に出力してくるので、続くS590では、そのステイタス情報から、BSチューナ側で放送信号を復調できたか否かを判断し、復調できていなければ続くS600に移行する。
【0120】
そして、S600では、S570にて、サブキャリアが付与された全候補に対する選局動作を行ったか否かを判断し、全候補に対する選局動作が完了していれば、S510に移行して、当該追尾用信号探索処理を再度実行し、逆に、全候補に対する選局動作が完了していなければ、S570に移行して、S550でサブキャリアが付与されていると判断された候補信号の内、まだ選局していない残りの一つを受信するように、局部発振回路58の発振周波数及びアンテナ方位角を制御して、再度、S580以降の処理を実行する。
【0121】
また、このS570〜S590の一連の処理を実行することにより、BSチューナにて放送信号を復調可能となると、そのとき、選局回路が選局している信号が、衛星変更後の放送衛星(BS)からのビーコン信号であると判断して、そのときの局部発振回路58の発振周波数やアンテナ方位角等、今後、このビーコン信号を選局するのに必要な選局情報を図示しない不揮発性メモリ(EEPROM等)に書き込み(S650)、当該処理を終了する。
【0122】
一方、S560にて、追尾用信号の探索対象となっている人工衛星が放送衛星(BS)ではない(換言すれば通信衛星(CS)である)と判断された場合には、S610に移行して、S540のサーチ処理にて追尾用信号の候補としてピックアップされた信号の内、S550でサブキャリアが付与されていないと判断された信号の一つを受信するように、局部発振回路58の発振周波数及びアンテナ方位角を制御し、S620にて、地上通信装置10に出力するステイタス情報に「ロック」を設定する。
【0123】
そして、続くS630では、S590と同様に、地上通信装置10からのステイタス情報に基づき、CSチューナ8側で放送信号を復調できたか否かを判断し、復調できていなければ、続くS640に移行して、S600と同様に、サブキャリアが付与されていない全候補に対する選局動作を行ったか否かを判断する。そして、全候補に対する選局動作が完了していれば、S510に移行して、当該追尾用信号探索処理を再度実行し、逆に、全候補に対する選局動作が完了していなければ、S610に移行して、S550でサブキャリアが付与されていないと判断された候補信号の内、まだ選局していない残りの一つを受信するように、局部発振回路58の発振周波数及びアンテナ方位角を制御して、再度、S620以降の処理を実行する。
【0124】
また、このS610〜S620の一連の処理を実行することにより、CSチューナ8にて放送信号を復調可能となると、そのとき、選局回路が選局している信号が、衛星変更後の通信衛星(CS)からのビーコン信号であると判断して、そのときの局部発振回路58の発振周波数やアンテナ方位角等、今後、このビーコン信号を選局するのに必要な選局情報を図示しない不揮発性メモリ(EEPROM等)に書き込み(S650)、当該処理を終了する。
【0125】
このように、追尾用信号探索処理では、平面アンテナ20を介して受信可能なビーコン信号の候補を探索すると共に、その探索した各候補に対して、サブキャリアが付与されているか否かを判断し、探索すべき人工衛星が、サブキャリアを付与したビーコン信号を送信するBSであれば、サブキャリアが付与された各候補の受信時にBSチューナにて放送信号を復調できたか否かを判定することにより、今後BS受信時に追尾させるべきビーコン信号を特定し、逆に、探索すべき人工衛星が、サブキャリアのないビーコン信号を送信するCSであれば、サブキャリアが付与されていない各候補の受信時にCSチューナにて放送信号を復調できたか否かを判定することにより、今後CS受信時に追尾させるべきビーコン信号を特定する。
【0126】
従って、こうした追尾用信号探索処理をマイコン70にて実行するように構成すれば、追尾衛星が変更された場合でも、変更後の衛星を自動で探索させることができることになり、長期に渡って使用可能な車載用衛星受信システムを構築できる。
【0127】
尚、図5に示す追尾用信号探索処理において、S540の処理は、請求項5記載の追尾用信号候補探索手段に相当し、S550の処理は、請求項6記載のサブキャリア判定手段に相当し、S560の処理は、衛星種別判定手段に相当する。また、S560の判定結果に応じて夫々実行されるS570〜S600及びS610〜S640の処理は、請求項5,6記載の受信状態判定手段に相当し、S650の処理は、請求項5記載の選局情報登録手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の車載用衛星追尾システム全体の構成を表す構成図である。
【図2】 図1の地上通信装置にて実行される追尾・受信状態監視処理及びCS専用ch受信設定処理を表すフローチャートである。
【図3】 図1のマイコンにて実行される衛星自動追尾処理を表すフローチャートである。
【図4】 図1のマイコンにて実行される進行方位検出処理を表すフローチャートである。
【図5】 図1のマイコンにて実行される追尾用信号探索処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
2…人工衛星、4…受信部、6…制御部、8…CSチューナ、10…地上通信装置、20…平面アンテナ、22…調整機構、24…モータ、50…水晶発振器(VC−TCXO)、56…混合回路、58…局部発振回路、59…分岐回路、60…PLL回路、64…クリスタルフィルタ、66…増幅回路、68…A/D変換回路、70…マイコン(自動追尾制御用マイクロコンピュータ)、74…モータコントローラ、76…ジャイロ、78…GPS受信機。
Claims (8)
- 車両に搭載され、人工衛星からの送信電波を受信する衛星アンテナと、
該衛星アンテナからの受信信号の中から予め追尾用信号として設定された所定信号を選局する選局手段と、
該選局手段にて選局された追尾用信号の信号レベルが最大となるように前記衛星アンテナの向きを制御する制御手段と、
車両の進行方位の変化を検出する進行方位変化検出手段と、
該進行方位変化検出手段にて検出された進行方位の変化量に応じて前記衛星アンテナの向きを補正する補正手段と、
を備えた車載用衛星追尾装置であって、
前記選局手段は、
前記衛星アンテナからの受信信号の中から、衛星位置確認用のビーコン信号を選局するための局部発振信号を発生する局部発振手段と、
発振周波数の温度補償機能を有する水晶発振器と、
該水晶発振器からの出力を基準信号として前記局部発振手段の発振周波数を制御する発振周波数制御手段と、
前記局部発振信号と前記衛星アンテナからの受信信号とを混合することにより、前記受信信号を周波数変換する混合手段と、
該混合手段を通過した周波数変換後の受信信号の内、前記ビーコン信号に対応した特定周波数の受信信号を通過させる狭帯域のクリスタルフィルタと、
を備え、前記追尾信号として前記ビーコン信号を選局すると共に、
当該車載用衛星追尾装置には、位置検出用の電波を送信してくる複数の人工衛星からの送信電波に基づき車両の進行方位を検出する進行方位検出手段が備えられ、
前記制御手段は、前記衛星アンテナの向きが追尾すべき人工衛星から外れているときに、前記選局手段にて前記追尾用信号を選局できるように前記衛星アンテナの向きを制御する衛星探索制御手段と、該衛星探索制御手段の動作によって前記衛星アンテナの向きが追尾すべき人工衛星方向に制御された後、前記衛星アンテナの向きを該人工衛星方向に保持する衛星追尾制御手段とを備え、
しかも、前記衛星探索制御手段は、
前記進行方位検出手段にて車両の進行方位が検出されているか否かを判定し、車両の進行方位が検出されているときには、該検出された車両の進行方位と探索すべき人工衛星の現在位置からの方位とに基づき、前記衛星アンテナの向きを変化させる探索範囲を設定して、該探索範囲内で前記衛星アンテナの向きを制御することにより人工衛星を探索し、
車両の進行方位が検出されていないときには、前記探索範囲を設定することなく前記衛星アンテナの向きを制御することにより人工衛星を探索すること、
を特徴とする車載用衛星追尾装置。 - 前記進行方位検出手段は、当該衛星追尾装置以外の車載装置にも検出結果を出力可能であることを特徴とする請求項1に記載の車載用衛星追尾装置。
- 前記衛星アンテナは、静止軌道上に打ち上げられている放送衛星及び通信衛星を含む複数の人工衛星からの送信電波を受信できるように構成され、
前記発振周波数制御手段は、前記局部発振手段の発振周波数を外部から指定された人工衛星からのビーコン信号に対応した周波数に設定することにより、衛星アンテナにて受信可能な複数のビーコン信号の内の一つを選局させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車載用衛星追尾装置。 - 車両に搭載され、人工衛星からの送信電波を受信する衛星アンテナと、
該衛星アンテナからの受信信号の中から予め追尾用信号として設定された所定信号を選局する選局手段と、
該選局手段にて選局された追尾用信号の信号レベルが最大となるように前記衛星アンテナの向きを制御する制御手段と、
車両の進行方位の変化を検出する進行方位変化検出手段と、
該進行方位変化検出手段にて検出された進行方位の変化量に応じて前記衛星アンテナの向きを補正する補正手段と、
を備えた車載用衛星追尾装置であって、
前記選局手段は、
前記衛星アンテナからの受信信号の中から、衛星位置確認用のビーコン信号を選局するための局部発振信号を発生する局部発振手段と、
発振周波数の温度補償機能を有する水晶発振器と、
該水晶発振器からの出力を基準信号として前記局部発振手段の発振周波数を制御する発振周波数制御手段と、
前記局部発振信号と前記衛星アンテナからの受信信号とを混合することにより、前記受信信号を周波数変換する混合手段と、
該混合手段を通過した周波数変換後の受信信号の内、前記ビーコン信号に対応した特定周波数の受信信号を通過させる狭帯域のクリスタルフィルタと、
を備え、前記追尾信号として前記ビーコン信号を選局すると共に、
前記衛星アンテナは、静止軌道上に打ち上げられている放送衛星及び通信衛星を含む複数の人工衛星からの送信電波を受信できるように構成され、
前記発振周波数制御手段は、前記局部発振手段の発振周波数を外部から指定された人工衛星からのビーコン信号に対応した周波数に設定することにより、衛星アンテナにて受信可能な複数のビーコン信号の内の一つを選局させることを特徴とする車載用衛星追尾装置。 - 追尾すべき人工衛星からのビーコン信号を前記選局手段にて選局するのに必要な選局情報が不明なときに該選局情報を自動で取得する選局情報取得手段として、
前記発振周波数制御手段が制御する前記局部発振手段の発振周波数を予め設定された下限周波数から上限周波数までの範囲内で変化させつつ、前記衛星アンテナの向きを変化させ、そのとき、前記クリスタルフィルタを通過した信号の信号レベルが設定値以上となると、該信号を前記追尾用信号の候補として選択する追尾用信号候補探索手段と、
前記選局手段に対して、前記追尾用信号候補探索手段により追尾用信号の候補として選択された信号を選局させ、そのとき、前記衛星アンテナからの受信信号を選局・復調する受信装置側で所望の情報を復調できているか否かを判定する受信状態判定手段と、
該受信状態判定手段にて前記受信装置側で所望の情報を復調できたと判定されると、そのとき選局手段が選局している信号が追尾すべき人工衛星からのビーコン信号であるとして、該ビーコン信号を前記選局手段に選局させるのに必要な選局情報をメモリに記憶する選局情報登録手段と、
を備えたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の車載用衛星追尾装置。 - 前記選局情報取得手段は、
前記追尾用信号候補探索手段により追尾用信号の候補として選択された信号毎に、サブキャリアが付与されているか否かを判定するサブキャリア判定手段と、
前記追尾用信号候補として探索すべきビーコン信号を送信してくる人工衛星が、サブキャリアを付与したビーコン信号を送信してくる人工衛星であるか否かを判定する衛星種別判定手段と、
を備え、前記受信状態判定手段は、
前記衛星種別判定手段にて探索すべきビーコン信号を送信してくる人工衛星がサブキャリアを付与したビーコン信号を送信してくるものであると判断された際には、前記追尾用信号候補探索手段により追尾用信号の候補として選択された信号の内、前記サブキャリア判定手段にてサブキャリアが付与されていると判定された信号を前記選局手段に選局させ、
前記衛星種別判定手段にて探索すべきビーコン信号を送信してくる人工衛星がサブキャリアの無いビーコン信号を送信してくるものであると判断された際には、前記追尾用信号候補探索手段により追尾用信号の候補として選択された信号の内、前記サブキャリア判定手段にてサブキャリアが付与されていないと判定された信号を前記選局手段に選局させること、
を特徴とする請求項5に記載の車載用衛星追尾装置。 - 請求項1〜請求項6いずれか記載の車載用衛星追尾装置と、
該衛星追尾装置によりアンテナの向きが自動制御される衛星アンテナからの受信信号を選局・復調することにより、人工衛星から送信されてきた所望チャンネルの放送又は通信信号を復元する受信装置とを備えたことを特徴とする車載用衛星受信システム。 - 使用者が指定した特定チャンネルの放送又は通信信号を前記受信装置にて復元するのに必要な復元情報を取得するために、前記受信装置が選局・復調する放送又は通信信号を送信してくる人工衛星に対して該信号を発信する地球局を無線通信回線を介して呼び出し、該地球局に対して、前記受信装置にて選局・復調したい所望チャンネルの放送又は通信信号の送信要求を行い、該送信要求に応じて前記地球局から送信されてくる復元情報を受信する無線通信手段を備えたことを特徴とする請求項7記載の車載用衛星受信システム。
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