JP4387150B2 - 積層セラミック電子部品およびその製造方法 - Google Patents
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Description
このような積層セラミックコンデンサとして、例えば、厚み5μmの絶縁体層用のグリーンシートを使用し積層セラミックコンデンサを作製したとき、絶縁体層の誘電体磁器組成物はセラミック粒子と該セラミック粒子を連結する酸化ケイ素を含有するガラス相からなり、該ガラス中にMn、V、Cr、Mo、Fe、Ni、Cu、及びCoから選択された1種類以上の添加物元素を固溶させることにより構成されている。
そして、このような磁器組成物の絶縁体層を用いることにより、絶縁体層の電気抵抗の低下を抑えることが可能となり、ショートやクラック等の構造欠陥が少なく信頼性の高い積層セラミックコンデンサを得ることができる(例えば、特許文献1参照)。
(1)前記第2層(A2)中の前記酸化ケイ素の含有量が、0.9〜2.4体積%であること、
(2)前記絶縁体層(A)中の、前記セラミック粒子の平均粒径が0.4μm以下であること
(3)前記絶縁体層(A)の各層の厚みがいずれも3μm以下であること、
(4)前記絶縁体層(A)における前記第2層(A2)の厚みの合計が全絶縁体層の厚みの1/2以下であることが望ましい。
(i)キャリアフィルム上に先ず、(a)セラミック粉末と、酸化ケイ素を主成分とする助剤とを含有する第1のセラミックスラリを塗布し、(b)その表面にセラミック粉末と、酸化ケイ素を主成分とする助剤であって該酸化ケイ素の含有量が前記第1のセラミックスラリの酸化ケイ素の30〜80体積%である助剤とを含有する第2のセラミックスラリを塗布して、多層構造をもつグリーンシートを作製する工程、(ii)この多層構造をもつグリーンシート表面の一部に導体パターンを形成し、前記キャリアフィルムを剥離する工程、(iii)該導体パターンが形成された前記多層構造をもつグリーンシートを複数積層して積層成形体を作製する工程、及び(iv)該積層成形体を所望の大きさに切断後焼成する工程を含むことを特徴とする。
(1)前記多層構造をもつグリーンシートにおいて、該グリーンシートの全体の厚みが3μm以下であること
(2)前記第2のセラミックスラリを塗布して形成されたグリーンシートの厚みが前記多層構造をもつグリーンシートの全体の厚みの1/2以下であることが望ましい。
即ち、このように絶縁体層を多層構造とし、その内部に高抵抗層を形成することから、耐電圧の向上が図られるため、内部導体間の有効厚みの減少を促進でき、積層セラミック電子部品の、例えば、積層セラミックコンデンサの静電容量を高くできる。
このような高抵抗層を絶縁体層中の一部の層とすることにより、絶縁体磁器の機械的特性と耐熱衝撃性が低下するのを防止又は抑制することが可能となる。
本発明の積層セラミック電子部品は、図1に例示されるような積層セラミックコンデンサに適用される。
この積層セラミック電子部品は積層体本体1の両端部に外部電極3を形成して構成されている。外部電極3の表面には、例えば、その表面から順にNiメッキ層、Snメッキ層もしくはSn−Pb合金メッキ層が形成されている。
積層体本体1は、多層からなる絶縁体層9と内部導体11を交互に積層して形成されている。
尚、絶縁体層9を構成するセラミック粒子としてチタン酸バリウム系、チタン酸ストロンチウム系、チタン酸カルシウム、チタン酸鉛等のセラミックス、及びこれらの複合酸化物が好適に使用できる。
絶縁体層9にこれらの助剤を配合することにより、セラミック粒子の焼結温度を低下させて、内部導体用材料との同時焼成を可能とし、その結果磁器を緻密化することが可能となる。
尚、これらの助剤の配合割合は、BaOが10〜30モル%、CaOが10〜30モル%、Li2Oが5〜20モル%、SiO2が40〜60モル%とするのが好ましい。
また、本発明において、セラミック粉末100質量部に対し、前記助剤を5〜32質量部配合するのが好ましい。
図2(a)は、A1とA2からなる2層構造の場合、図2(b)は、A1と2つのA2からなる3層構造の場合である。
図3は、絶縁層の内部構造を示す模式図である。
また、本発明の各絶縁体層(A)9において、前記第1層(A1)と第2層(A2)はそれぞれセラミック粒子10aと粒界層10bとからなり、粒界層10bは助剤の主成分である酸化ケイ素を含有し、かつ第2層(A2)中の酸化ケイ素の含有量が、第1層(A1)中の該酸化ケイ素の30〜80体積%であり、好ましくは40体積%以上、特に好ましくは45体積%以上であり、一方、好ましくは70体積%以下、特に好ましくは65体積%以下である。
各絶縁体層(A)の一部に高抵抗層である該第2層(A2)を積層することにより、絶縁破壊強度を著しく改善することができる。
第2層(A2)中の酸化ケイ素の含有量を、第1層(A1)中の酸化ケイ素の80体積%以下とすることにより、第1層(A1)と比較して高抵抗性が発現し、一方、30体積%以上とすることにより、絶縁体磁器の機械的特性と耐熱衝撃性の低下を回避するか、抑制することができる。
酸化ケイ素の含有量を前記2.4体積%以下とすることにより、高抵抗性が顕著に発現し、一方、0.9体積%以上とすることにより、絶縁体磁器の機械的特性と耐熱衝撃性の低下を回避するか、抑制することができる。
尚、第2層(A2)中の酸化ケイ素の含有量は、より好ましくは1.2体積%以上、特に好ましくは1.3体積%以上であり、一方、より好ましくは2.1体積%以下、特に好ましくは2.0体積%以下である。
このような粒径とすることにより、絶縁体層9をより高絶縁性化でき、また高強度化することができる。
一方、内部導体11の厚みは2μm以下が望ましく、この内部導体11に含まれる金属量の低減が図れるとともに、充分な有効面積を確保するという理由から、特に、0.5〜1.5μmであることが望ましい。
このような厚みの割合とすることにより、ガラス量低減による絶縁体層9の密度低下及び磁器強度の低下を抑制できる。また、その積層体本体1を構成する絶縁体層9が薄層多層化されても、この絶縁体層9上で、内部導体11の侵入が無くショートを防止できる。
また、本発明の積層セラミック電子部品の積層数は、セラミック積層体の小型高容量化に対してその積層数は100層以上が望ましい。
次に、本発明の積層セラミック電子部品として、例えば、積層セラミックコンデンサの製法について、図4を基に説明する。
(a)まず、平均粒径が0.4μm以下のBaTiO3を主成分とするセラミック粉末と、酸化ケイ素を主成分とする助剤を所定量混合して、第1のセラミックスラリを調製する。混合粉末における割合は、セラミック粉末100質量部に対して、助剤は1.2〜3質量部が好ましい。
次に、第2のセラミックスラリを、第1のセラミックスラリと同様に調製する。第2のセラミックスラリ中の混合粉末における割合は、セラミック粉末100質量部に対して、助剤は0.9〜2.4質量部が望ましい。ここで用いる助剤の平均粒径はセラミック粉末とほぼ同じであることが望ましい。
本発明の多層構造を有するグリーンシート27の全体厚みは3μm以下が望ましく、さらに、第2のセラミックスラリによって形成される第2グリーンシート27bの厚みはグリーンシート27の厚みの1/2以下であることが望ましい。
この導体ペーストは、金属粒子と、脂肪族炭化水素と高級アルコールとの混合物からなる有機溶剤と、この有機溶剤に対して可溶性のエチルセルロースからなる有機粘結剤を含有するものである。
導体ペースト中に含まれる金属粒子としては、平均粒径0.05〜0.5μmの卑金属粒子が用いられる。卑金属としては、Ni、Co、Cuおよびその合金があり、金属の焼成温度が一般の絶縁体の焼成温度と一致する点、およびコストが安いという点からNiが望ましい。
次に、この積層成形体を格子状に切断して、積層体本体1の成形体を得る。この成形体の両端面には、内部導体11となる内部導体パターン29の一端が交互に露出している。
この積層体本体1は、上記方法に限定されるものではなく、薄層化したグリーンシート27と内部導体パターン29とを交互に積層した成形体を作製できるものであればスラリーディップ等のような方法でも良い。
最後に、得られた積層体本体1に対し、各端面にCuペーストを塗布し、Ni/Snメッキ層を施し、内部導体11と電気的に接続された外部電極3を形成して積層セラミックコンデンサを作製する。
上記した通り、多層構造の絶縁体層の一部に高抵抗層が存在することから、積層セラミックコンデンサの絶縁特性が向上するとともに、誘電体磁器の機械的特性及び耐熱衝撃性の低下を抑制して、耐電圧の向上が図られる。このため、内部導体間の有効厚みの減少を促進でき、セラミック積層体である積層セラミックコンデンサの静電容量を高くできる。
尚、上記形態では、積層セラミックコンデンサに本発明を適用した例について説明したが、例えば、内部導体を有するセラミック基板にも適用できる。
次に、この第1、第2のセラミックスラリを順に、キャリアフィルム上に塗布して、第1グリーンシート上に第2グリーンシートが重畳した本発明のグリーンシートを作製した。このグリーンシートの厚みは、第1グリーンシートが1.5μm、第2グリーンシートが1μmとした。
次に、このグリーンシート上に、Niの導体ペーストを印刷して、導体パターンを形成した。
次に、導体パターンを形成したグリーンシートを100層積層し、さらにこの上下に導体パターンを形成していないグリーンシートを各10枚積層し、加圧加熱して積層成形体を形成した。
次に、この積層成形体を格子状に切断して積層体本体の成形体を作製した。この成形体の対向する端面には、導体パターンが各層交互に露出していた。
次に、この積層体本体の成形体を脱脂後、最高温度1260℃、酸素濃度が10−6Paの雰囲気にて2時間の焼成を行い、次いで、1000℃、酸素濃度が10−2Paの雰囲気にて熱処理を行い、積層体本体を形成した。
次に、この積層体本体の内部導体が露出した端面に、Cuを主成分とする電極ペーストを塗布し焼付けて、本発明の積層セラミック電子部品の一つである積層セラミックコンデンサを得た。
次に、作製した積層セラミックコンデンサについて、絶縁層中の2次相量を電子顕微鏡写真により面積比を求めた。また、各100個について以下の特性を評価した。静電容量は、周波数1kHz、入力信号レベル0.5Vrmsとし、この測定において同時にショート率も評価した。次に、絶縁破壊電圧を測定した。
また、機械的強度の評価として、各200個の試料を温度280℃の半田槽に浸せきして耐熱衝撃試験を行い、クラックの発生数を評価した。
これに対して、第2層中の2次相量を第1層中と同じとした試料No.1、8では、ショート不良が多発し、耐熱衝撃試験での不良も多かった。
3 外部電極
9 絶縁体層
10a セラミック粒子
10b 粒界相
11 内部導体
27 グリーンシート
29 内部導体パターン
A1 第1層
A2 第2層
Claims (8)
- 少なくともセラミック粒子と酸化ケイ素を主成分とする助剤とを含有する複数の絶縁体層(A)と、前記絶縁体層(A)間に内部導体(B)を介在せしめて一体的に積層してなる積層セラミック電子部品であって、各絶縁体層(A)は第1層(A1)と、前記酸化ケイ素の含有量が前記第1層(A1)における酸化ケイ素の30〜80体積%である高抵抗層の第2層(A2)とからなることを特徴とする積層セラミック電子部品。
- 前記第2層(A2)中の前記酸化ケイ素の含有量が、0.9〜2.4体積%であることを特徴とする請求項1記載の積層セラミック電子部品。
- 前記絶縁体層(A)中の、前記セラミック粒子の平均粒径が0.4μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層セラミック電子部品。
- 前記絶縁体層(A)の各層の厚みがいずれも3μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
- 前記絶縁体層(A)における前記第2層(A2)の厚みの合計が全絶縁体層の厚みの1/2以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の積層セラミック電子部品。
- 積層セラミック電子部品の製造方法であって、
(i)キャリアフィルム上に先ず、(a)セラミック粉末と、酸化ケイ素を主成分とする助剤とを含有する第1のセラミックスラリを塗布し、(b)その表面にセラミック粉末と、酸化ケイ素を主成分とする助剤であって該酸化ケイ素の含有量が前記第1のセラミックスラリの酸化ケイ素の30〜80体積%である助剤とを含有する第2のセラミックスラリを塗布して、多層構造をもつグリーンシートを作製する工程、(ii)この多層構造をもつグリーンシート表面の一部に導体パターンを形成し、前記キャリアフィルムを剥離する工程、(iii)該導体パターンが形成された前記多層構造をもつグリーンシートを複数積層して積層成形体を作製する工程、及び(iv)該積層成形体を所望の大きさに切断後焼成する工程を含むことを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。 - 前記多層構造をもつグリーンシートにおいて、該グリーンシートの全体の厚みが3μm以下であることを特徴とする請求項6に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
- 前記第2のセラミックスラリを塗布して形成されたグリーンシートの厚みが前記多層構造をもつグリーンシートの全体の厚みの1/2以下であることを特徴とする請求項6又は7に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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