JP4390975B2 - クリップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車におけるボデーパネルなどの取付板に対し、その表裏に貫通して形成されている取付孔を利用してピラーガーニッシュなどの被取付部材を脱着可能に装着するためのクリップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の部材の装着には金属製のクリップがよく使用されている。このクリップは、被取付部材(樹脂成形品)における取付板との対向面に突出して形成されたリブ部材とセットで用いられる。クリップ全体の形状はリブ部材を挟み込むことができ、かつ取付板の取付孔に挿入できるようにU字状もしくはV字状に形成されている。そしてクリップの内側には、リブ部材を挟み込んだときにその表面に食い込むように切り起こされた爪があり、これによってクリップとリブ部材との係合状態が保持されるようになっている。このようにリブ部材に取り付けられたクリップを前記取付孔に挿入することにより、取付板に被取付部材が装着される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記の被取付部材を取付板から取り外す場合は、この被取付部材を強く引っ張ることによってリブ部材とともにクリップを取付孔から引き抜く。これによってクリップの再使用できるのであるが、この脱着を繰り返すとリブ部材に対する前記爪の食い込み具合が不安定となってクリップにぐらつきが生じる。この結果、装着状態での異音発生の原因となったり、クリップがリブ部材から外れたりして信頼性に不安がある。
【0004】
本発明は前記課題を解決しようとするもので、その一つの目的は、取付板に対する被取付部材の脱着を繰り返してもクリップとしての信頼性を維持することである。
本発明の他の一つの目的は、取付板に対する被取付部材の装着状態では、取付板の取付孔から埃や臭いが侵入するのを解消することである。
本発明のさらに他の一つの目的は、前記のシール機能を果たしつつも、取付孔とリブ部材との相互の位置ずれを吸収可能とすることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するためのもので、請求項1記載の発明は、取付板に対し、その表裏に貫通して形成された取付孔を利用して所定の被取付部材を脱着可能に装着するためのクリップであって、前記取付孔に挿入することで取付板に組み付けられた状態に保持されるクリップ本体と、前記被取付部材における取付板との対向面から突出して形成されたリブ部材とからなる。前記クリップ本体にはリブ部材の挿入を受け入れ可能な受入部があるとともに、この受入部を構成している外郭部分が取付板の取付孔に挿入される挿入部になっている。受入部において可撓性をもたせた側壁の内側には係合突起が形成されている。一方、前記リブ部材には係合突起に係合することでクリップ本体とリブ部材とを係合状態に保持可能な係合孔が形成されている。そして前記係合突起は、受入部に対するリブ部材の挿入時にその先端が乗り越えるのを案内する挿入面と、リブ部材の抜き取り時に前記係合孔の縁が乗り越えるのを案内する抜去面とを備えている。
さらにクリップ本体は、挿入部の基端部に位置するスタビライザーと、受入部内の係合突起と同じ位置において全周にわたって内方へ張り出したシール部とを備えている。スタビライザーは、挿入部を取付孔に挿入したときに取付孔を塞いだ状態で取付板の表面に接触し、シール部は受入部に挿入されたリブ部材の外面全周に接触するように構成されている。
【0006】
この構成によれば、取付板から被取付部材を取り外すときにはこの被取付部材を強く引っ張ることにより、前記係合孔の縁が前記係合突起の抜去面を乗り越えてリブ部材がクリップ本体の受入部から抜き取られる。つまりクリップ本体を取付板の側に残したまま、前記係合突起および係合孔に損傷を与えることなく、被取付部材を外すことができ、このような脱着を繰り返してもクリップとしての信頼性が維持される。
【0007】
また、取付板に被取付部材が装着された状態では、取付孔と前記挿入部との間の隙間はスタビライザーで、受入部とリブ部材との間の隙間はシール部で個々に塞がれる。したがって取付板の取付孔から埃や臭いなどが侵入するおそれがある場合でも、そのような事態をクリップの使用によって解消することができる。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のクリップであって、前記挿入部の外側には、これが前記取付孔に挿入されたときに取付板の裏面に係合してクリップ本体を取付板に組み付けた状態に保持する爪があり、この爪の周辺を構成する壁の肉厚が薄くなっている。
したがって前記挿入部を取付孔に挿入するとき、前記の両爪が個々の壁を撓ませながら容易に取付孔を通過して取付板の裏面に係合し、これによってクリップ本体をボデーパネルに組み付けることができる。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1記載のクリップであって、クリップ本体の受入部と被取付部材のリブ部材との形状がこのリブ部材の挿入および抜き取りが可能な範囲でほぼ同寸法に設定され、取付板の取付孔とクリップ本体の挿入部とが、この取付孔と被取付部材のリブ部材との位置ずれ分を吸収する方向へ移動可能な寸法に設定されている。
これにより前記のようにクリップの使用によって取付孔から埃や臭いなどが侵入するのを防止しつつ、取付孔とリブ部材との製作誤差などによる相互の位置ずれを吸収することができる。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項3記載のクリップであって、クリップ本体の受入部における入り口側の内周がテーパ面になっている。
この場合には前記のように取付孔とリブ部材とに位置ずれがあっても、取付孔にクリップ本体の挿入部を挿入した後、その受入部にリブ部材を挿入する際に前記テーパ面に沿ってクリップ本体が取付孔に対して押し動かされ、自然に位置ずれが吸収される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明を実施したクリップの平面図、図2はクリップの底面図、図3はクリップを一部断面で表した正面図、図4はクリップを一部断面で表した側面図である。これらの図面で示すクリップ本体10は合成樹脂材による一体成形品であって、基本構造としては平面形状が長方形をした筒形状の挿入部12とその内部に構成された受入部20とを備えている。この挿入部12は受入部20の外郭をなしており、後述するボデーパネル30(取付板)の取付孔32に挿入される部分である。また受入部20は後述するリブ部材36の挿入を受け入れる部分である。このリブ部材36は、ボデーパネル30に装着されるピラーガーニッシュなどの樹脂成形品34(被取付部材)と一体に形成され、クリップ本体10とともにクリップを構成する部材である。
【0012】
前記挿入部12における先端側(図3,4の上端側)の外面は、前記取付孔32に対する挿入部12の挿入が容易となるようにテーパ面13になっている。さらに挿入部12の平面形状において長辺となる両側壁には、この挿入部12の基端寄りにおいて爪14がそれぞれ設けられている。これらの爪14の周辺を構成している所定領域の壁18は、その肉厚を他の部分よりも薄く形成することで適度の弾性(可撓性)をもっている。なお挿入部12の基端部には、その全周囲にわたって外方向に拡がる皿形状のスタビライザ16が位置しており、このスタビライザ16も適度の弾性をもっている。
【0013】
前記受入部20はその両端において開放しているとともに、その平面形状は前記リブ部材36の形状に対応させている。そしてこの受入部20における両端のほぼ中間位置には、前記の両爪14を有する側壁の内側において係合突起22がそれぞれ設けられている。これらの係合突起22の周辺を構成している所定領域の壁24についても、その肉厚を他の部分よりも薄く形成することで適度の弾性(可撓性)をもたせている。また受入部20において前記リブ部材36を挿入するときの入り口側の内周はテーパ面28になっている。
【0014】
図5は図3の一部を拡大して表した断面図である。この図面からも明らかなように前記係合突起22において、受入部20の入り口に対向する側の挿入面22aおよびその反対側の抜去面22bはそれぞれ所定角度の斜面となっている。さらに受入部20の内壁面には、係合突起22と同じ位置において内方へ張り出したシール部26が設けられていて、このシール部26は図1,2で示すように受入部20の全周にわたって連続している。ただしこのシール部26の張り出し寸法は係合突起22の突出寸法よりも小さいので(図5)、両係合突起22の個所ではシール部26が途切れた格好になっている。しかし後述するように係合突起22の個所ではシール部26を必要としないので、実質的には受入部20の全周にわたってシール部26が内方へ張り出していることになる。
【0015】
図6はクリップの使用状態を表した正面図、図7は図6のVII−VII矢視方向の断面図である。これらの図面において取付板として示されているボデーパネル30には、平面形状が長方形の取付孔32が表裏に貫通して形成されている。この取付孔32と前記挿入部12との平面形状を比較すると、相互の短辺はほぼ同じ寸法であるが、長辺は取付孔32の方が充分に長い寸法になっている(図6)。また図7において被取付部材として示されている樹脂成形品34は、ボデーパネル30との対向面から突出して形成されたリブ部材36を備えている。すでに説明したようにリブ部材36と前記受入部20との平面形状は、ほとんど同じ形状で同じ寸法になっている。このリブ部材36にはその両側に貫通する係合孔38が形成されていて、リブ部材36を受入部20に挿入したときに係合孔38に対して前記の両係合突起22が両側から係合する。
【0016】
さて前記のように構成されたクリップを用いてボデーパネル30に樹脂成形品34を装着するには、まずクリップ本体10の挿入部12を前記取付孔32に挿入する。これにより前記の両爪14が個々の壁18を撓ませながら取付孔32を通過してボデーパネル30の裏面に係合し、クリップ本体10はボデーパネル30に組み付けられた状態に保持される(図7)。このときの前記スタビライザ16は、ボデーパネル30の表面に対して弾性で撓みながら接触しており、結果的に取付孔32をボデーパネル30の表面側において塞いでいる。
なおこの状態でのクリップ本体10は、その挿入部12と取付孔32とにおける長辺の寸法差の範囲で移動可能である。ただしこの範囲でクリップ本体10が最も移動した状態でも、取付孔32はスタビライザ16によって塞がれている(図6)。
【0017】
つづいてクリップ本体10の受入部20に樹脂成形品34のリブ部材36を挿入すると、このリブ部材36の先端が前記の両係合突起22をその挿入面22aに案内されて個々の壁24を撓ませながら乗り越える。そこでリブ部材36がさらに挿入されると、前記係合孔38にその両側から係合突起22が係合し、かつこのときにリブ部材36の座部35がスタビライザ16に接触して挿入位置が規制される。またこの状態では前記シール部26がリブ部材36の外面に対して係合孔38を除く全周にわたって接触している。
【0018】
前記係合突起22と係合孔38との係合によってクリップ本体10とリブ部材36とが係合状態に保持され、結果としてボデーパネル30に樹脂成形品34が装着される。この装着状態において、挿入部12と取付孔32との間の隙間はスタビライザ16によって塞がれており、かつ受入部20とリブ部材36との間はシール部で塞がれている。したがって取付孔32から埃や臭いなどが侵入するおそれがある場合は、このクリップを使用するのが最適である。
【0019】
前記ボデーパネル30に複数個の取付孔32があり、樹脂成形品34にも取付孔32に対応する個数のリブ部材36がある場合には、これら相互間にピッチ誤差などによる位置ずれが生じやすい。この位置ずれがあるときに、前記のようにリブ部材36を受入部20に挿入し始めると、リブ部材36の先端が前記テーパ面28に接触することに伴い、クリップ本体10が挿入部12と取付孔32とにおける前記寸法差の範囲で移動して位置ずれが吸収される。
なおクリップの使用個所によっては前記シール部26を必要としないことがある。その場合には受入部20とリブ部材36との間に位置ずれを吸収するための寸法差を設け、挿入部12と取付孔32とはほとんど同寸法にすることも可能である。
【0020】
ボデーパネル30から樹脂成形品34を取り外す場合には、この樹脂成形品34を強く引っ張ることにより、前記係合孔38の縁が前記係合突起22をその抜去面22bに案内されて個々の壁24を撓ませながら乗り越え、リブ部材36が受入部20から抜き取られる。したがってクリップ本体10をボデーパネル30の側に残したままで樹脂成形品34を外すことができ、このような脱着を繰り返しても係合突起22や係合孔38に傷がつくことはほとんどなく、クリップとしての信頼性が維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】クリップの平面図。
【図2】クリップの底面図。
【図3】クリップを一部断面で表した正面図。
【図4】クリップを一部断面で表した側面図。
【図5】図3の一部を拡大して表した断面図。
【図6】クリップの使用状態を表した正面図。
【図7】図6のVII−VII矢視方向の断面図。
【符号の説明】
10 クリップ本体
20 受入部
22 係合突起
22a 挿入面
22b 抜去面
30 ボデーパネル(取付板)
32 取付孔
34 樹脂成形品(被取付部材)
36 リブ部材
38 係合孔
Claims (4)
- 取付板に対し、その表裏に貫通して形成された取付孔を利用して所定の被取付部材を脱着可能に装着するためのクリップであって、前記取付孔に挿入することで取付板に組み付けられた状態に保持されるクリップ本体と、前記被取付部材における取付板との対向面から突出して形成されたリブ部材とからなり、前記クリップ本体にはリブ部材の挿入を受け入れ可能な受入部があるとともに、この受入部を構成している外郭部分が取付板の取付孔に挿入される挿入部になっており、受入部において可撓性をもたせた側壁の内側には係合突起が形成されている一方、前記リブ部材には係合突起に係合することでクリップ本体とリブ部材とを係合状態に保持可能な係合孔が形成され、前記係合突起は、受入部に対するリブ部材の挿入時にその先端が乗り越えるのを案内する挿入面と、リブ部材の抜き取り時に前記係合孔の縁が乗り越えるのを案内する抜去面とを備え、
さらにクリップ本体は、挿入部の基端部に位置するスタビライザーと、受入部内の係合突起と同じ位置において全周にわたって内方へ張り出したシール部とを備え、スタビライザーは挿入部を取付孔に挿入したときに取付孔を塞いだ状態で取付板の表面に接触し、シール部は受入部に挿入されたリブ部材の外面全周に接触するように構成されているクリップ。 - 請求項1記載のクリップであって、前記挿入部の外側には、これが前記取付孔に挿入されたときに取付板の裏面に係合してクリップ本体を取付板に組み付けた状態に保持する爪があり、この爪の周辺を構成する壁の肉厚が薄くなっているクリップ。
- 請求項1記載のクリップであって、クリップ本体の受入部と被取付部材のリブ部材との形状がこのリブ部材の挿入および抜き取りが可能な範囲でほぼ同寸法に設定され、取付板の取付孔とクリップ本体の挿入部とが、この取付孔と被取付部材のリブ部材との位置ずれ分を吸収する方向へ移動可能な寸法に設定されているクリップ。
- 請求項3記載のクリップであって、クリップ本体の受入部における入り口側の内周がテーパ面になっているクリップ。
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