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JP4401987B2 - 熱アシスト磁気記録媒体 - Google Patents
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JP4401987B2 - 熱アシスト磁気記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、情報記録時に熱アシストを伴う磁気記録媒体に関する。
ハードディスクなどの記憶装置を構成するための記録媒体として、磁気ディスク(磁気記録媒体)が知られている。磁気ディスクは、ディスク基板と所定の磁性構造を有する記録膜とを含む積層構造を有する。コンピュータシステムにおける情報処理量の増大に伴い、磁気ディスクについては高記録密度化の要求が高まっている。
磁気ディスクへの情報記録に際しては、磁気ディスクの記録面(記録膜により構成される)に対して記録用の磁気ヘッドが近接配置され、当該磁気ヘッドにより、記録膜に対し、その保磁力より強い記録磁界が印加される。磁気ディスクに対して磁気ヘッドを相対移動させつつ磁気ヘッドからの記録磁界の向きを順次反転させることにより、記録膜において、磁化方向が順次反転する複数の記録マーク(磁区)が磁気ディスクの周方向ないしトラック延び方向に連なって形成される。このとき、記録磁界方向を反転させるタイミングが制御されることにより、各々に所定の長さで記録マークが形成される。このようにして、記録膜において、磁化方向の変化として所定の信号ないし情報が記録される。
磁気ディスクの技術分野においては、記録膜の保磁力が高いほど、記録膜に形成される磁区の熱安定性が高く、微小ないし幅狭で安定した磁区を形成しやすいことが、知られている。記録膜にて安定に形成され得る最小の磁区が微小であるほど、磁気ディスクにおいて、より大きな記録密度を得ることが可能である。
磁気ディスクへの情報記録においては、上述のように、記録膜の保磁力より強い記録磁界を印加しなければ適切に記録マークを形成することができない。そのため、記録膜について設定される保磁力の増大に伴い、磁気ヘッドにより印加すべき記録磁界の強度を増大することが考えられる。しかしながら、磁気ヘッドにより印加できる記録磁界の強度については、例えば磁気ヘッドの構造や消費電力の観点から、制約を受ける。
そこで、磁気ディスクへの情報記録においては、いわゆる熱アシスト磁気記録方式が採用される場合がある。熱アシスト磁気記録方式で磁気ディスクに情報記録が実行される場合、例えば、回転する磁気ディスクの記録面に近接配置される所定の光学ヘッドからのレーザ照射により、磁気ディスクの記録膜が局所的に順次加熱される。記録膜において加熱により昇温した領域では、その周囲の非昇温領域よりも保磁力が低下する。そして、磁気ディスクの記録面に近接配置される磁気ヘッドにより、記録膜の昇温領域の保磁力より強い記録磁界が当該昇温領域に印加され、当該昇温領域の一部が所定方向に磁化される。この磁化は、当該磁化箇所の冷却の過程で定着することとなる。熱アシスト磁気記録方式では、このようにして、磁化方向が順次反転し且つ記録信号に応じた所定の長さを各々が有する複数の記録マーク(磁区)が、ディスク周方向に延びるトラックに沿って形成される。熱アシスト磁気記録方式の磁気ディスクにおいては、記録膜にて加熱により保磁力が低下された箇所に対する記録磁界印加により情報記録が実行されるため、情報保持時や情報再生時の常温での記録膜の保磁力を高く設定する場合であっても、磁気ヘッドにより印加すべき記録磁界の強度を過度に増大する必要はない。このような熱アシスト磁気ディスクについては、例えば下記の特許文献1や特許文献2に記載されている。
特開平6−243527号公報 特開2003−157502号公報
熱アシスト磁気ディスクの情報記録時に記録膜における記録予定箇所を加熱すると、当該記録予定箇所とともにその周囲も有意に昇温する。一方、熱アシスト磁気ディスクにおいては、高記録密度化の観点からは記録膜の保磁力は高い方が好ましく、記録膜の保磁力が高いほど、情報記録時に際し、記録膜に対する加熱の程度を強くする必要がある。しかしながら、従来の熱アシスト磁気ディスクでは、情報記録時に、加熱の程度が強すぎて記録膜における所定温度以上の昇温範囲が広すぎると、記録マークが順次形成されているトラックの隣りのトラックまで記録マーク幅が不当に広がることなどにより、当該隣りのトラックの記録マークが消失ないし劣化するという、クロスライト現象が生じる場合がある。クロスライト現象は、トラックの狭ピッチ化を阻害するので、磁気ディスクの高記録密度化の観点からは好ましくない。このように、従来の熱アシスト磁気ディスク(熱アシスト磁気記録媒体)は、記録密度を高めるうえで困難性を有する。
本発明は、以上のような事情の下で考え出されたものであって、情報記録時における記録膜内でのトラック横断方向への熱の広がりを抑制するのに適した熱アシスト磁気記録媒体を提供することを、目的とする。
本発明により提供される熱アシスト磁気記録媒体は、基板および記録膜を含む積層構造を有し、情報記録時に回転動作を伴い、並列して回転動作の回転中心まわりを延びる複数条の熱伝導部を備える。熱伝導部は、基板よりも高い熱伝導率を有し、基板における記録膜の側の表面から当該基板内に少なくとも一部が入り込む。また、熱伝導部は記録膜を貫通してもよい。このような構成の熱アシスト磁気記録媒体において、基板や記録膜の面内方向における熱伝導部間域ごとに記録膜内に一のトラックを設定して当該トラックに熱アシスト磁気記録方式で記録マークを形成する際には、記録膜内でのトラック横断方向への熱の広がりを適切に抑制することができる。
本磁気記録媒体において、基板や記録膜の面内方向における熱伝導部間域ごとに記録膜内に一のトラックを設定して熱アシスト磁気記録方式で情報記録を実行する場合、例えばレーザ照射により、所定のトラックに沿って記録膜を局所的に順次加熱するとともに、当該トラックに沿って記録膜に対して所定の記録磁界を順次印加する。このようにして、トラックに沿って連続して磁化方向が順次反転し且つ記録信号に応じた所定の長さを各々が有する複数の記録マーク(磁区)を記録膜に形成することができる。本磁気記録媒体では、記録膜における、情報記録進行中であって局所的に順次加熱されているトラック(第1トラック)と、これと隣り合う別のトラック(第2トラック)との間の領域は、基板よりも高い熱伝導率を有する熱伝導部と接する箇所を有する。そのため、第1トラックの昇温を目的として例えばレーザ照射により記録膜に供給された熱は、第1トラックから第2トラックに向って記録膜内を伝搬する途中、熱伝導部へと、更には熱伝導部から基板へと、拡散しやすい。したがって、本磁気記録媒体によると、基板や記録膜の面内方向における熱伝導部間域ごとに記録膜内に一のトラックを設定して当該トラックに熱アシスト磁気記録方式で記録マークを形成する際には、記録膜内でのトラック横断方向への熱の広がりを適切に抑制することができるのである。このような磁気記録媒体は、クロスライト現象の発生を防止または抑制してトラックの狭ピッチ化ないし高記録密度化を図るうえで、好適である。
好ましくは、回転中心に近い熱伝導部ほど、高い熱伝導率を有する。このような構成は、熱伝導部の上述の熱伝搬抑制能(隣りのトラックへの熱伝搬を抑制する機能)について、回転中心に近い熱伝導部ほど高く設定するうえで、好適である。熱アシスト磁気記録媒体の情報記録においては、記録が実行されるトラックが媒体回転中心に近いほど、当該トラックないし記録膜に対して単位時間あたりに供給される熱エネルギが大きい場合がある。このような場合には、上述の熱伝搬抑制能について、回転中心に近い熱伝導部ほど高く設定するのが好ましい。
好ましくは、回転中心に近い熱伝導部ほど、大きな横断面積を有する。例えば、回転中心に近い熱伝導部ほど、基板の厚さ方向に長い。或は、回転中心に近い熱伝導部ほど幅太である。このような構成は、回転中心に近い熱伝導部ほど熱伝搬抑制能を高く設定するうえで、好適である。
好ましくは、複数条の熱伝導部は、隣り合う複数条の熱伝導部から各群がなる複数の群に区分され、各熱伝導部は、属する群が回転中心に近いほど、高い熱伝導率を有する。このような構成は、回転中心に近い群に属する熱伝導部ほど熱伝搬抑制能を高く設定するうえで、好適である。
好ましくは、複数条の熱伝導部は、隣り合う複数条の熱伝導部から各群がなる複数の群に区分され、各熱伝導部は、属する群が回転中心に近いほど、大きな横断面積を有する。例えば、各熱伝導部は、属する群が回転中心に近いほど、基板の厚さ方向に長い。各熱伝導部は、属する群が回転中心に近いほど幅太である。このような構成は、回転中心に近い群に属する熱伝導部ほど熱伝搬抑制能を高く設定するうえで、好適である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る磁気ディスクXの径方向の部分断面図である。磁気ディスクXは、ディスク基板Bと、記録膜1と、保護膜2と、複数条の熱伝導部3とを有し、熱アシスト磁気記録方式による情報記録と情報再生とを実行可能な磁気記録媒体として構成されている。
ディスク基板Bは、主に、磁気ディスクXの剛性を確保するための部位であり、例えば、アルミニウム合金、ガラス、または樹脂よりなる。記録膜1は、例えば垂直磁化膜や面内磁化膜よりなり、磁気ディスクXにおいて情報が記録される記録面を構成する。このような記録膜1は、例えば、Co合金、Fe合金、または希土類遷移金属アモルファス合金よりなる。保護膜2は、記録膜1を外界から物理的および化学的に保護するための部位であり、例えば、SiN、SiO2、またはダイアモンドライクカーボンよりなる。これらディスク基板B、記録膜1、および保護膜2を含む磁気ディスクXの積層構造中には、必要に応じて他の膜が含まれてもよい。
複数条の熱伝導部3は、ディスク基板Bよりも高い熱伝導率を有し、ディスク基板Bの厚さ以内に設けられている。各熱伝導部3における記録膜1の側の端面3aと、ディスク基板Bにおける記録膜1の側の面1aとは、面一である。また、複数条の熱伝導部3は、一部を省略して図2に示すように、磁気ディスクXの回転中心Aを共通中心として同心円状に配されている。すなわち、複数条の熱伝導部3は、並列して磁気ディスクXの周方向に延びる。磁気ディスクXの径方向における複数条の熱伝導部3の配設ピッチは、記録膜1内に設定されるべきトラックのピッチに対応して例えば100〜200nmである。熱伝導部3について図1に示す長さL1(磁気ディスクXの径方向における長さ)は例えば5〜80nmでり、熱伝導部3について図1に示す長さL2(磁気ディスクXの厚さ方向における長さ)は例えば20〜100nmである。本実施形態では、各熱伝導部3の長さL1は全て同一に設定されており、且つ、各熱伝導部3の長さL2は全て同一に設定されている。したがって、本実施形態では、各熱伝導部3の横断面積(磁気ディスクXの径方向の断面の面積)は全て同一である。
このような熱伝導部3は、例えば、Ag、Ag合金(例えばAgSi)、Al、Al合金、Au、Cuなど、高熱伝導材料よりなる。本実施形態では、各熱伝導部3の熱伝導率を全て同一に設定してもよい。或は、回転中心Aに近い内周側の熱伝導部3ほど高い熱伝導率を設定してもよい(例えば、熱伝導部3を構成する材料としてAgSiを採用する場合、相対的に熱伝導率の高いAgの含有率を内周側の熱伝導部3ほど大きく設定することにより、内周側の熱伝導部3ほど高い熱伝導率を設定することができる)。或は、磁気ディスクXの全ての熱伝導部3を、隣り合う複数条の熱伝導部3から各群がなる複数の群に区分したうえで、各熱伝導部3について、属する群が回転中心Aに近いほど高い熱伝導率を設定してもよい。
図3は、磁気ディスクXの製造方法を表す。図3においては、磁気ディスクXの製造過程をその径方向の部分断面の変化として表す。
磁気ディスクXの製造においては、まず、図3(a)に示すように、複数条の溝11をディスク基板Bに形成する。具体的には、ディスク基板B上にパターン形成された、所定の開口部を有するマスク(図示略)を介し、図中上方側からディスク基板Bに対してエッチング処理を施すことにより、溝11を形成することができる。各溝11は、熱伝導部3を配設するためのスペースである。
次に、図3(b)に示すように複数条の熱伝導部3を形成する。各溝11に対応して開口するの上述のマスクの上方から、各溝11に所定の高熱伝導材料をスパッタリング法により堆積させることによって、各熱伝導部3を形成することができる。材料の堆積を終了した後に上述のマスクを除去する。各熱伝導部3の熱伝導率を全て同一に設定する場合には、例えば、単一のターゲットを用いて行うスパッタリング法により、各溝11に高熱伝導材料を堆積させる。内周側の熱伝導部3ほど高い熱伝導率を設定する場合には、例えば、相互に熱伝導率の異なる材料よりなる複数のターゲットを用いて行うスパッタリング法(コスパッタリング)により、溝11ごとに各材料の堆積速度を異ならしめつつ、溝11ごとに異なる組成比で高熱伝導材料を堆積させる。磁気ディスクXの全ての熱伝導部3を、隣り合う複数条の熱伝導部3から各群がなる複数の群に区分したうえで、各熱伝導部3について、属する群が内周側であるほど高い熱伝導率を設定する場合には、例えば、単一のターゲットを用いて行うスパッタリング法により、各群に対応する複数条の溝11ごとに高熱伝導材料を堆積させ、群ごとに、堆積させる高熱伝導材料の組成比を異ならしめる。
次に、図3(c)に示すように、ディスク基板B上に記録膜1を形成する。ディスク基板Bにおいて熱伝導部3が埋め込み形成された側に例えばスパッタリング法により所定の磁性材料を成膜することによって、記録膜1を形成することができる。次に、例えばスパッタリング法により所定材料を記録膜1上に成膜することによって、図3(d)に示すように保護膜2を形成する。以上のようにして、磁気ディスクXを製造することができる。
図4は、熱アシスト磁気記録方式による磁気ディスクXに対する情報記録の態様を表す。図4において、磁気ディスクXについては部分断面で表す。磁気ディスクXに対する情報記録時には、磁気ディスクXを所定の速度で回転させた状態で、磁気ディスクXの保護膜2の側にスライダ41を対向配置させる。
スライダ41には、集光レンズ(図示せず)と、記録用磁気ヘッド(図示せず)と、再生用磁気ヘッド(図示せず)とが設けられている。集光レンズは、図外の光源から発せられたレーザLを記録膜1にて集束させるためのものである。記録用磁気ヘッドは、記録膜1に対して所定の記録磁界Hを印加するためのものであり、磁界発生用の電流を流すためのコイルと、発生磁界を強い磁界に変換するための磁極とからなる。再生用磁気ヘッドは、記録膜1の磁化状態に由来する磁気信号を検知して電気信号に変換するためのものであり、例えばGMR素子やMR素子よりなる。このようなスライダ41は、板バネ状のサスペンションアーム42を介して図外のアクチュエータに連結されている。アクチュエータは、磁気ディスクXに対するスライダ41の径方向位置を制御する機能を有し、例えばボイスコイルモータにより構成されている。
磁気ディスクXでは、その面内方向における各熱伝導部間域Rにて記録膜1に一のトラックを設定する。したがって、磁気ディスクXに対する情報記録時には、スライダ41が所定の熱伝導部間域Rの目的トラックに対向するように、アクチュエータによりスライダ41を位置決め制御する。このようにスライダ41を磁気ディスクXに対して位置決め制御しつつ対向配置させたうえで、レーザLの照射により目的トラックに沿って記録膜1を局所的に順次加熱するとともに、当該トラックに沿って記録膜1に対して所定の記録磁界Hを順次印加する。以上のようにして、目的トラックに沿って連続して磁化方向が順次反転し且つ記録信号に応じた所定の長さを各々が有する複数の記録マーク(磁区)を記録膜1に形成することができる。
磁気ディスクXでは、記録膜1における、情報記録進行中であって局所的に順次加熱されているトラックT1と、これと隣り合う別のトラックT2との間の領域は、ディスク基板Bよりも高い熱伝導率を有する熱伝導部3と接する箇所を有する。そのため、トラックT1の局所的昇温を目的としてレーザ照射により記録膜1に供給された熱は、トラックT1からトラックT2に向って記録膜1内を伝搬する途中、図4において太線矢印で示すように、熱伝導部3へと、更には熱伝導部3からディスク基板Bへと、拡散しやすい。したがって、磁気ディスクXによると、その面内方向における熱伝導部間域Rごとに記録膜1内に一のトラックを設定して当該トラックに熱アシスト磁気記録方式で記録マークを形成する際には、記録膜1内でのトラック横断方向への熱の広がりを適切に抑制することができるのである。このような磁気ディスクXは、クロスライト現象の発生を防止または抑制してトラックの狭ピッチ化ないし高記録密度化を図るうえで、好適である。
磁気ディスクXにおいて、上述のように内周側の熱伝導部3ほど高い熱伝導率を設定する場合には、情報記録時に、内周側の熱伝導部3ほど高い熱伝搬抑制能を発揮することとなる。磁気ディスクXの情報記録においては、記録が実行されるトラックが内周側に位置するほど、当該トラックないし記録膜1に対して単位時間あたりに供給される熱エネルギが大きい場合がある(例えば、記録面において情報記録が実行される箇所のディスク径方向位置によらず、ディスク回転速度が一定であり且つ照射レーザのパワーが一定である場合)。このような場合には、内周側の熱伝導部3ほど高い熱伝搬抑制能を有することが好ましいのである。内周側の熱伝導部3ほど高い熱伝搬抑制能を有するように設定することにより、情報記録時の目的トラック近傍での熱分布について、目的トラックのディスク径方向位置にかかわらず、一様化することができる。
一方、磁気ディスクXの全ての熱伝導部3を、隣り合う複数条の熱伝導部3から各群がなる複数の群に区分したうえで、各熱伝導部3について、属する群が内周側であるほど高い熱伝導率を設定する場合には、情報記録時に、属する群が内周側であるほど、各熱伝導部3は高い熱伝搬抑制能を発揮することとなる。したがって、各熱伝導部3について、属する群が内周側であるほど高い熱伝導率が設定される構成は、情報記録時の目的トラック近傍での熱分布について目的トラックのディスク径方向位置にかかわらず一様化を図るうえで、好適である。
また、記録膜1におけるトラック間のスペースS(図4に示す)の幅については、情報記録進行中の例えばトラックT1に供給された熱エネルギが隣りの例えばトラックT2に至るのを阻止または抑制するという観点からは、より広い方が好ましく、トラックT1,T2に沿って記録される記録マークの幅を確保すべくトラック幅を確保するという観点からは、広すぎない必要がある。記録マーク幅ないしトラック幅が狭すぎると、情報再生時に充分な信号強度を得ることができない場合がある。これらの観点から、トラック幅/スペース幅については、例えば1.5〜15に設定するのが好ましい。
図5は、磁気ディスクXの第1変形例の径方向の部分断面図である。本変形例では、熱伝導部3が記録膜1を貫通する。本変形例に対する情報記録時には、記録膜1における、情報記録進行中であって局所的に順次加熱されているトラックT1と、これと隣り合う別のトラックT2との間の領域は、ディスク基板Bよりも高い熱伝導率を有する熱伝導部3に貫通される箇所を有する。そのため、トラックT1の局所的昇温を目的としてレーザ照射により記録膜1に供給された熱は、トラックT1からトラックT2に向って伝搬する途中、熱伝導部3内に進入する。したがって、当該伝搬熱は、太線矢印で示すように、熱伝導部3の図中下方へと、更には熱伝導部3からディスク基板Bへと、拡散しやすい。
図6は、磁気ディスクXの第1変形例の製造方法を表す。図6においては、第1変形例の製造過程をその径方向の部分断面の変化として表す。
第1変形例の製造においては、まず、図6(a)に示すように、例えばスパッタリング法によりディスク基板B上に記録膜1を形成する。次に、図6(b)に示すように複数条の溝12を形成する。各溝12は、熱伝導部3を配設するためのスペースを確保するためのものである。具体的には、記録膜1上にパターン形成された、所定の開口部を有するマスク(図示略)を介し、図中上方側から記録膜1およびディスク基板Bに対してエッチング処理を施すことにより、溝12を形成することができる。
次に、図6(c)に示すように複数条の熱伝導部3を形成する。各溝12に対応して開口するの上述のマスクの上方から、各溝12に所定の高熱伝導材料をスパッタリング法により堆積させることによって、各熱伝導部3を形成することができる。材料の堆積を終了した後に上述のマスクを除去する。各熱伝導部3の熱伝導率を全て同一に設定する場合には、例えば、単一のターゲットを用いて行うスパッタリング法により、各溝12に高熱伝導材料を堆積させる。内周側の熱伝導部3ほど高い熱伝導率を設定する場合には、例えば、相互に熱伝導率の異なる材料よりなる複数のターゲットを用いて行うスパッタリング法(コスパッタリング)により、溝12ごとに各材料の堆積速度を異ならしめつつ、溝12ごとに異なる組成比で高熱伝導材料を堆積させる。全ての熱伝導部3を、隣り合う複数条の熱伝導部3から各群がなる複数の群に区分したうえで、各熱伝導部3について、属する群が内周側であるほど高い熱伝導率を設定する場合には、例えば、単一のターゲットを用いて行うスパッタリング法により、各群に対応する複数条の溝12ごとに高熱伝導材料を堆積させ、群ごとに、堆積させる高熱伝導材料の組成比を異ならしめる。
次に、例えばスパッタリング法により所定材料を記録膜1上および熱伝導部3上にわたって成膜することによって、図6(d)に示すように保護膜2を形成する。以上のようにして、磁気ディスクXの第1変形例を製造することができる。
図7は、磁気ディスクXの第2変形例の径方向の部分断面図である。図7においては、図中左側が、図2に示す回転中心Aに近い側(内周側)である。本変形例では、内周側の熱伝導部3ほど基板厚さ方向に長い。本変形例は、例えば、図3(a)を参照して上述した工程において内周側の溝11ほど深く形成すること、および、図3(b)を参照して上述した工程において内周側の溝11ほど高熱伝導材料を多く堆積させること以外は、図1の磁気ディスクXと同様に製造することができる。
本変形例では、情報記録時において、内周側の熱伝導部3ほど高い熱伝搬抑制能を発揮する。内周側の熱伝導部3ほど、上述のように基板厚さ方向に長く、記録膜1から熱を遠ざけるように図中下方に熱を拡散させやすいからである。
図8は、磁気ディスクXの第3変形例の径方向の部分断面図である。図8においては、図中左側が、図2に示す回転中心Aに近い側(内周側)である。本変形例では、全ての熱伝導部3は、隣り合う複数条の熱伝導部3から各群がなる複数の群に区分される。図8には、群G1,G2,G3を示す。各熱伝導部3は、属する群が内周側であるほど、基板厚さ方向に長い。本変形例は、例えば、図3(a)を参照して上述した工程において、複数の群に区分された複数条の熱伝導部3に対応して形成すべき複数条の溝11について、内周側の群に属する溝11ほど深く形成すること、および、図3(b)を参照して上述した工程において内周側の群の溝11ほど高熱伝導材料を多く堆積させること以外は、図1の磁気ディスクXと同様に製造することができる。
本変形例では、情報記録時において、内周側の群に属する熱伝導部3ほど高い熱伝搬抑制能を発揮する。内周側の群に属する熱伝導部3ほど、上述のように基板厚さ方向に長く、記録膜1から熱を遠ざけるように図中下方に熱を拡散させやすいからである。
図9は、磁気ディスクXの第4変形例の径方向の部分断面図である。図9においては、図中左側が、図2に示す回転中心Aに近い側(内周側)である。本変形例では、内周側の熱伝導部3ほど幅太である。本変形例は、例えば、図3(a)を参照して上述した工程において内周側の溝11ほど幅太に形成すること以外は、図1の磁気ディスクXと同様に製造することができる。
本変形例では、情報記録時において、内周側の熱伝導部3ほど高い熱伝搬抑制能を発揮する。内周側の熱伝導部3ほど、記録膜1と接触する面積が大きいので、記録膜1から熱が拡散しやすいからである。
図10は、磁気ディスクXの第5変形例の径方向の部分断面図である。図10においては、図中左側が、図2に示す回転中心Aに近い側(内周側)である。本変形例では、全ての熱伝導部3は、隣り合う複数条の熱伝導部3から各群がなる複数の群に区分される。図10には、群G1’,G2’,G3’を示す。各熱伝導部3は、属する群が内周側であるほど、幅太である。本変形例は、例えば、図3(a)を参照して上述した工程において、複数の群に区分された複数条の熱伝導部3に対応して形成すべき複数条の溝11について、内周側の群に属する溝11ほど幅太に形成すること以外は、図1の磁気ディスクXと同様に製造することができる。
本変形例では、情報記録時において、内周側の群に属する熱伝導部3ほど高い熱伝搬抑制能を発揮する。内周側の群に属する熱伝導部3ほど、記録膜1と接触する面積が大きいので、記録膜1から熱が拡散しやすいからである。
本発明に係る磁気ディスクの径方向の部分断面図である。 図1に示す磁気ディスクのディスク基板および熱伝導部を表す平面図である。 図1に示す磁気ディスクの製造方法を表す。 図1に示す磁気ディスクに対する情報記録の態様を表す。 図1に示す磁気ディスクの第1変形例の径方向の部分断面図である。 第1変形例の製造方法を表す。 図1に示す磁気ディスクの第2変形例の径方向の部分断面図である。 図1に示す磁気ディスクの第3変形例の径方向の部分断面図である。 図1に示す磁気ディスクの第4変形例の径方向の部分断面図である。 図1に示す磁気ディスクの第5変形例の径方向の部分断面図である。
符号の説明
B ディスク基板
1 記録膜
2 保護膜
3 熱伝導部
11,12 溝
A 回転中心
L レーザ
H 記録磁界
T1,T2 トラック
R 熱伝導部間域
S スペース

Claims (10)

  1. 基板および記録膜を含む積層構造を有し、情報記録時に回転動作を伴う、熱アシスト磁気記録媒体であって、
    並列して前記回転動作の回転中心まわりを延びる複数条の熱伝導部を備え、
    前記熱伝導部は、前記基板よりも高い熱伝導率を有し、前記基板における前記記録膜の側の表面から当該基板内に少なくとも一部が入り込み、
    前記熱伝導部は前記記録膜を貫通し、
    熱伝導部間域ごとに前記記録膜内に一のトラックが設定されている、熱アシスト磁気記録媒体。
  2. 前記回転中心に近い熱伝導部ほど、高い熱伝導率を有する、請求項1に記載の熱アシスト磁気記録媒体。
  3. 基板および記録膜を含む積層構造を有し、情報記録時に回転動作を伴う、熱アシスト磁気記録媒体であって、
    並列して前記回転動作の回転中心まわりを延びる複数条の熱伝導部を備え、
    前記熱伝導部は、前記基板よりも高い熱伝導率を有し、前記基板における前記記録膜の側の表面から当該基板内に少なくとも一部が入り込み、
    熱伝導部間域ごとに前記記録膜内に一のトラックが設定されており、
    前記回転中心に近い熱伝導部ほど、高い熱伝導率を有する、熱アシスト磁気記録媒体。
  4. 基板および記録膜を含む積層構造を有し、情報記録時に回転動作を伴う、熱アシスト磁気記録媒体であって、
    並列して前記回転動作の回転中心まわりを延びる複数条の熱伝導部を備え、
    前記熱伝導部は、前記基板よりも高い熱伝導率を有し、前記基板における前記記録膜の側の表面から当該基板内に少なくとも一部が入り込み、
    熱伝導部間域ごとに前記記録膜内に一のトラックが設定されており、
    前記回転中心に近い熱伝導部ほど、大きな横断面積を有し、
    前記熱伝導部の前記横断面積は、当該熱伝導部の延びる方向に直交する断面の面積である、熱アシスト磁気記録媒体。
  5. 前記回転中心に近い熱伝導部ほど、前記基板の厚さ方向に長い、請求項4に記載の熱アシスト磁気記録媒体。
  6. 前記回転中心に近い熱伝導部ほど幅が太く、前記熱伝導部の前記幅は、当該熱伝導部の延びる方向に直交する断面における前記基板の面内方向の長さである、請求項4または5に記載の熱アシスト磁気記録媒体。
  7. 基板および記録膜を含む積層構造を有し、情報記録時に回転動作を伴う、熱アシスト磁気記録媒体であって、
    並列して前記回転動作の回転中心まわりを延びる複数条の熱伝導部を備え、
    前記熱伝導部は、前記基板よりも高い熱伝導率を有し、前記基板における前記記録膜の側の表面から当該基板内に少なくとも一部が入り込み、
    熱伝導部間域ごとに前記記録膜内に一のトラックが設定されており、
    前記複数条の熱伝導部は、隣り合う複数条の熱伝導部から各群がなる複数の群に区分され、
    前記各熱伝導部は、属する群が前記回転中心に近いほど、高い熱伝導率を有する、熱アシスト磁気記録媒体。
  8. 基板および記録膜を含む積層構造を有し、情報記録時に回転動作を伴う、熱アシスト磁気記録媒体であって、
    並列して前記回転動作の回転中心まわりを延びる複数条の熱伝導部を備え、
    前記熱伝導部は、前記基板よりも高い熱伝導率を有し、前記基板における前記記録膜の側の表面から当該基板内に少なくとも一部が入り込み、
    熱伝導部間域ごとに前記記録膜内に一のトラックが設定されており、
    前記複数条の熱伝導部は、隣り合う複数条の熱伝導部から各群がなる複数の群に区分され、
    前記各熱伝導部は、属する群が前記回転中心に近いほど、大きな横断面積を有し、
    前記熱伝導部の前記横断面積は、当該熱伝導部の延びる方向に直交する断面の面積である、熱アシスト磁気記録媒体。
  9. 前記各熱伝導部は、属する群が前記回転中心に近いほど、前記基板の厚さ方向に長い、請求項8に記載の熱アシスト磁気記録媒体。
  10. 前記各熱伝導部は、属する群が前記回転中心に近いほど幅が太く、前記熱伝導部の前記幅は、当該熱伝導部の延びる方向に直交する断面における前記基板の面内方向の長さである、請求項8または9に記載の熱アシスト磁気記録媒体。
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