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JP4404344B2 - 表面処理ドクターブレード - Google Patents
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JP4404344B2 - 表面処理ドクターブレード - Google Patents

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Description

本発明は、連続印刷特性に優れた表面処理ドクターブレードに関する。さらに詳しく言えば、製造ロットによる連続印刷特性にバラツキがなく、工業的に安価に製造できる表面処理ドクターブレードに関する。
グラビア(凹版)印刷では、図1に示すように、版面である円筒表面に、画像に対応するセルと呼ばれる微小な凹部(図示せず)を多数形成したシリンダー(1)を用い、このシリンダーの円周面にスチール製またはステンレス製のドクターブレード(2)を一定の圧力で押圧しておいて、版面の非画像部に付着しているインキ(3)を掻き落とし除去している。このドクターブレードは非画像部のインキを完全に除去すると共に、画像部に所定量のインキを残す機能を有するものであるから、シリンダーとドクターブレードとの接触圧は常に一定に維持されなければならず、その刃先には耐磨耗性が要求される。一般的には、図2に示すように、ブレード基材(7)の表面に表面処理皮膜(8)を有するドクターブレード(2)が使用されている。
例えば、(1)特許文献1(特開平4-70341号公報)には、鋼製ドクターの表裏面にニッケルめっき層とセラメッキ層を順次形成したドクター刃、
(2)特許文献2(特公平7-53439号公報)には、グラビア版に対するインキ除去側を表面としての背面側に、表面側より硬度が低く磨耗しやすい金属を積層すると共に、ドクター刃の先端形状を背面側の刃先表面を先端としたテーバーに形成したグラビア印刷用ドクター、
(3)特許文献3(特開2003-225988号公報)には、第一層としてニッケル系めっき(但し、めっき中に有機樹脂粒子が分散した有機樹脂分散複合めっきを除く)、その上層に第2層として低表面エネルギー皮膜からなる表面処理皮膜を有し、さらに刃先先端部のブレード基材の一部が露出してなる表面処理ドクターブレードがそれぞれ提案されている。
しかし、これらの従来技術には、以下の問題があった。
(1)で提案されているドクター刃は、刃先全面がセラミック複合めっきで覆われており、ドクターブレードによりシリンダーを押圧する時には、最初にブレードのめっき面がシリンダーに接触することになるため、それが原因となってスジ等の印刷不良が発生しやすく、印刷特性は満足できるものではなかった。また、製造ロット毎に印刷特性にバラツキがあり、使用に際して熟練したオペレーターを要するなど扱いにくいものであった。
(2)で提案されているブレードは、インキ除去側を表面とした場合、背面側に表面より磨耗しやすい金属を積層しているため、その金属皮膜によりブレードの耐磨耗性を向上させることは困難であり、磨耗が早く、連続印刷特性は十分ではなかった。また、刃先部がテーパーとなってはいるが、刃先角度等の形状に関する詳細な記述はなく、シリンダーとの接触により、偏磨耗、押圧不良に起因する印刷不良の問題が生じやすいという問題があり、さらにロット毎の品質性能のバラツキも大きいものであった。
(3)に記載の表面処理ドクターブレードによれば、空運転による印刷ロスを少なくできるが、表面処理皮膜が下層にセラミック粒子分散ニッケル−リン皮膜とその上層の低表面エネルギー皮膜(例えば、四フッ化エチレン樹脂粒子を分散させたニッケル−リン皮膜)の2層皮膜であるため、製造コストが高く、コストパフォーマンスに劣るものであった。また、刃先先端におけるブレード基材の露出処理は、刃先のなじみをよくして空運転による印刷ロスを少なくするためのものであり、本発明のように連続印刷特性のロット間のバラツキを極めて少なくして連続印刷特性の向上を図るという観点から刃先形状を詳細に検討しておらず、製造ロット毎の連続印刷特性にバラツキが多く、表面処理ドクターブレードの品質は十分ではなかった。
したがって、低コストで製造でき、製造ロット毎の連続印刷特性のバラツキが極めて少なく、連続印刷特性に優れた表面処理ドクターブレードが望まれていた。
特開平4−70341号公報 特公平7−53439号公報 特開2003−225988号公報
そこで、本発明者等は表面処理ドクターブレードの連続印刷特性に及ぼす刃先形状の影響に関して鋭意検討した。その結果、これまで着目されていなかった、シリンダーと最初に接することとなるブレードの最先端部分(図2中の5)のめっきの微細な凹凸(以下、「ザラ」という場合がある。)が、連続印刷特性およびロット毎の品質に大きな影響を及ぼすことが判明した。すなわち、表面処理ドクターブレードにおいて、シリンダーと接触するブレード最先端部分にめっきの微細な凹凸がある場合、この凹凸が起点となってスジ等の印刷不良が生じたり、あるいは刃先のなじみ運転時または連続印刷の初期の、刃先先端部のめっきのみが磨耗している段階において、ザラ部分が異常剥離または異常磨耗を生じ、その結果、ザラの無い正常なめっき部分との磨耗に差が生じてブレードとシリンダーとの接触面の均一性が損なわれ、印刷不良が生じやすいことが分かり、刃先先端部分のめっきのザラをなくすことが連続印刷特性の向上をはかる上で重要であることが判明した。
ザラの原因としては、(1)鋼帯への刃つけ工程等で生ずるブレード基材自体の欠陥や鋼帯ハンドリング時に生じる刃先先端のキズ、(2)めっきの前処理工程における、脱脂不良、過剰な酸活性化による素材自体の荒れ、酸処理後に空中放置時間が長い場合の錆の発生、(3)めっき工程のpH調整剤である水酸化ナトリウムとめっき液中の遊離金属イオンの反応による水酸化物の析出、めっき液中への不溶解物の混入による不溶解物の共析、局所的なめっき液のpH上昇による水酸化物の析出、メッキ液中の安定剤の不足、めっきが析出した治具からめっき液中に脱落した剥離物の共析等が考えられる。
本発明者等は、ザラを無くすべく上記全ての項目を詳細に検討し、刃先部のザラをラボスケールで低減あるいは無くすことに成功したが、工業的規模での生産ではザラを完全に無くすことはできず、生産する全てのロット(鋼帯)の全長にわたって、ザラを無くした状態を維持することは困難であった。
そこで、本発明者らは、上記の問題を解決するために、発想を転換し、予めザラが発生し印刷欠陥の問題となる刃先先端部のめっき、特に刃先厚さ方向で刃先厚の中央(1/2×t)よりシリンダー回転方向表側(R側)のめっき(図2中の9)を、めっき後に機械的に除去し、刃先最先端のブレード基材を露出させ、かつ刃先の形状を特定の形状にすることにより、連続印刷特性に優れ、製造ロットによる品質のバラツキの極めて少ない表面処理ドクターブレードを工業的に安定かつ安価に製造することに成功した。
また、ブレード基材と表面処理皮膜の硬度差を特定の範囲内とすることにより、連続印刷特性がより一層向上することがわかった。
さらに、めっきとしてニッケル系めっき、クロム系めっきまたは鉄系めっきを施すことにより、特に所望によりニッケル系下地めっきの上にセラミック粒子を含有したニッケル−リン系複合めっきを施すことにより、特許文献3の下層のセラミック粒子分散ニッケル−リン皮膜とその上の低表面エネルギー皮膜層からなりブレード基材の先端部を露出処理したドクターブレードに比べて、刃先なじみ性、連続印刷性(耐磨耗性)に遜色がなく、製造ロット間の連続印刷特性のバラツキが少なく、しかも、製造コストを著しく低減できる優れた表面処理ドクターブレードが得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本願発明は、以下の構成よりなる。
[1] 少なくとも刃先部の表面が、ニッケル系めっき、クロム系めっき及び鉄系めっきから選ばれる少なくともいずれか一つのめっきで被覆され、刃先最先端部でブレード基材の少なくとも一部が露出し、めっきを含めた刃先厚(t)が25〜200μm、刃先有効部長さ(L)が0.3〜5mmで、かつ刃先先端面とシリンダー回転方向に対向するブレード面(シリンダー回転方向表側(R側)の面)のなす角度の補角(α)が5°〜90°であることを特徴とする表面処理ドクターブレード。
[2]刃先断面における刃先最先端の頂点の位置(β)が、刃先厚(t)の中央部(t/2)よりもシリンダー回転方向の裏側(S側)に位置する前記1に記載の表面処理ドクターブレード。
[3]次式で表わされるブレード基材露出面積率(γ)が、20〜97%である前記1または2に記載の表面処理ドクターブレード:
γ=(X÷Y)×100
(式中、Yはめっきを含む刃先先端全体の長さであり、Xは刃先先端の基材露出長さである。)。
[4]ブレード基材のビッカース硬度(A)とめっきのビッカース硬度(B)の差(B−A)が、50Hv≦B−A≦1100Hvである前記1乃至3のいずれか1項に記載の表面処理ドクターブレード。
[5]ブレード基材のビッカース硬度(A)が、400〜800Hvである前記4に記載の表面処理ドクターブレード。
[6]刃先先端部のめっきが、セラミック粒子を含有したニッケル−リン系複合めっきの単層めっきである前記1に記載の表面処理ドクターブレード。
[7]刃先先端部のめっきが、ニッケル系下地めっきとその上のセラミック粒子を含有したニッケル−リン系複合めっきの2層めっきである前記1に記載の表面処理ドクターブレード。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の表面処理ドクターブレードに使用されるドクターブレード基材としては、印刷用、塗装用、表面処理用に使用されている公知のスチール製基材やステンレス製基材が使用可能である。
また、通常、ドクターブレード用基材は、刃先部となる側縁が薄刃状になるように段付け形成加工等が施されていて、刃先の形状の違いにより平行刃、傾斜刃、丸刃、角刃等がある。本発明はいずれの形状のものも使用することができるが、連続印刷特性の観点から平行刃を使用することが望ましい。また、刃先加工をブレードの片側のみに行う片刃タイプ、両側に行う両刃タイプのものがあるが、本発明はいずれのものも使用することが可能である。
ブレード基材の寸法に何ら制限は無く、用途に合わせて適宜選択できる。具体的には、例えば、厚さが0.1mm〜0.6mm、幅が30〜70mmの金属帯が使用できる。
本発明の表面処理ドクターブレードでは、ブレード基材の刃先最先端部のめっきを除去してブレード基材の少なくとも一部を露出させている。これにより、刃先のなじみ性が向上し、空運転による印刷ロスを少なくすることができる。
さらに以下のように刃先先端部を特定の形状とすると共に、特定のめっき皮膜を施すことにより、連続印刷特性のロット間のバラツキが極めて少なくなり、連続印刷特性が向上する。
本発明の表面処理ドクターブレードは、刃先の厚さ(t)が表面処理皮膜を含めて25〜200μmである。刃先厚が25μm未満では、刃先の強度不足により、シリンダーに十分な押圧を加えることができず、またシリンダーを傷つける危険性があり好ましくない。刃先厚が200μmを超えると、シリンダーとの接触面積が広がるため、インキを掻き取る際の抵抗が大きくなり、インキ切れが悪くなり、カブリ等の印刷不良が生じやすくなり好ましくない。好ましい刃先厚(t)は、35〜175μmであり、さらに好ましくは45〜95μmである。
本発明の表面処理ドクターブレードは、刃先の有効長さ(L)が0.3〜5mmである。刃先有効長さとは、図3及び図4のブレード板厚方向断面図に示すように、平行刃の場合はシリンダー回転方向表側(R側)の面と刃先先端の面との交点部から薄刃状刃付け部までの長さであり(図3)、傾斜刃の場合はシリンダー回転方向表側(R側)の面と刃先先端の面との交点部から傾斜刃刃付け部までの長さである(図4)。
刃先有効長さが0.3mm未満では、連続印刷時に頻繁にブレードを交換する必要があり生産効率が落ちるため好ましくない。5mmを超えても効果の向上は認められない。
有効長さ(L)は、平行刃の場合0.5〜3mmが好ましく、1〜2.1mmがさらに好ましい。傾斜刃の場合は、1〜4mmが好ましく、1.5〜3.5mmがさらに好ましい。
本発明の表面処理ドクターブレードは、シリンダーに接触する刃先先端面とシリンダー回転方向に対向するブレード面(シリンダー回転方向表側(R側)の面)のなす角度の補角(α)を5°〜90°とする。この角度αは、図3〜5に示すように、シリンダー回転方向表側(R側)面の延長線と刃先先端面とで形成される刃先外側の角度である。この角度が5°未満あるいは90°を超えると、ザラを除去し基材を露出させてもブレードをシリンダーへ押圧する際に接触不良を生じたり、押圧時にシリンダーに十分な圧を掛けることができずインクのキレが悪くなったり、偏磨耗が生じたり、印刷時にスジ、カブリ等の印刷欠陥を生じやすくなるため好ましくない。より好ましい角度αは10°〜80°であり、さらに好ましくは25°〜70°である。
表面処理皮膜がクロム系メッキあるいはセラミック粒子分散ニッケル−リン系複合めっきの場合は、特に30°〜68°の角度が好ましい。
また、本発明においては、刃先最先端の頂点位置(β)が、板厚方向で刃先厚tの中央(t×1/2)位置よりシリンダー回転方向裏側(S側)に位置する(刃先厚中央位置(t×1/2)を含む)ように刃先を形成することが好ましい。こにより、連続印刷特性が格段に向上する。(t×2/3)よりシリンダー回転方向裏側(S側)がより好ましく、(t×3/4)よりシリンダー回転方向裏側(S側)がさらに好ましい。
刃先先端角度(α)、刃先厚(t)、刃先有効長さ(L)および刃先最先端位置(β)は、任意の方法で測定可能である。例えば、光学顕微鏡または電子顕微鏡で刃先の断面を直接観察することにより測定することができる。
さらに、本発明では、刃先先端面におけるブレード基材露出面積率(γ)を20〜97%とすることが好ましく、35〜90%がより好ましく、50〜85%が特に好ましい。露出面積率(γ)は、刃先先端全体の長さ(図5のY)に対する刃先先端のブレード基材露出長さ(図5のX)の割合として、下記式により計算することができる。
γ(%)=(X/Y)×100
露出面積率(γ)が97%超では、めっき皮膜による耐磨耗性向上効果が得られにくくなり、また20%未満では、めっきのザラの影響を受けやすくなる。
露出面積率(γ)を求めるための刃先先端の基材露出長さおよび刃先先端全体の長さは、任意の方法で測定可能である。例えば、光学顕微鏡や電子顕微鏡により表面処理ブレードの刃先の断面を直接観察することにより測定することができる。
なお、図2〜図5の刃先断面図は、本発明及び従来のドクターブレードを概念的に説明するためにモデル化したものであって、実際のブレードとは一致しない。
本発明では、基材のビッカース硬度(A)と表面処理皮膜のビッカース硬度(B)の差を50Hv≦B−A≦1100Hvとすることが好ましく、この範囲とすることにより連続印刷特性をさらに向上させることができる。硬度差が50Hv未満では、表面処理皮膜によるブレードの耐磨耗性を向上させる効果が得られず好ましくなく、硬度差が1100Hv超では、それ以上の耐磨耗性を向上させる効果を得ることは困難となり意味がなくなるばかりか、逆に、めっきが剥離を生じやすくなり好ましくない。100Hv≦B−A≦800Hvがより好ましく、200Hv≦B−A≦600Hvがさらに好ましい。
ブレード基材自体の硬度(A)は、ビッカース硬度で400〜800Hvが好ましく、500〜700Hvがより好ましい。ブレード基材の硬度が400Hv未満では、表面処理を行っても耐磨耗性の向上効果は乏しい。また、硬度が800Hvを超えると、刃先先端の露出した基材とシリンダーとで接触不良が生じやすくなり印刷不良の原因となるので好ましくない。
なお、本明細書においてビッカース硬度(Hv)とは、JIS Z2251の微小硬さ試験方法のビッカース硬さ試験に準拠して測定される値である(試験荷重に関しては、50gf未満の荷重をも適宜選択することができる。)。
本発明のドクターブレードの表面処理に用いるめっきは、ニッケル系めっき、クロム系めっき及び鉄系めっきの中から選ばれる少なくとも一つである。
ニッケル系めっきとは、例えば、純ニッケルめっき、ニッケル−コバルト、ニッケル−鉄、ニッケル−クロム、ニッケル−タングステン、ニッケル−マンガン、ニッケル−スズ、ニッケル−リン、ニッケル−ボロン、ニッケル−リン−ボロン等の合金めっき、およびこれらニッケル系金属よりなるマトリックス中に四フッ化エチレン樹脂粒子等の有機樹脂粒子、またはAl23、Cr23、Fe23、TiO2、ZrO2、ThO2、SiO2、CeO2、BeO2、MgO、CdO、ダイヤモンド、SiC、TiC、WC、VC、ZrC、TaC、Cr32、B4C、BN、ZrB2、TiN、Si34、WSi2等の中から選ばれる少なくとも1種のセラミック粒子が分散したニッケル系分散めっきをいう。本発明ではこれらいずれのものを使用してもよい。
クロム系めっきとしては、例えば、純クロムめっき、クロム−タングステン、クロム−鉄等のクロム系合金めっき、およびこれらクロム系金属マトリックス中にAl23、TiO2、ZrO2、SiO2、CeO2、UO2、SiC、WC、ZaB2、TiB2等中から選ばれる少なくとも1種のセラミック粒子が含有したクロム系分散めっき等のことをいう。本発明ではこれらのいずれを使用しても良い。
鉄系めっきとしては、例えば、硬質鉄めっき、鉄−リンめっき、あるいはこれら鉄系金属よりなるマトリックス中に四フッ化エチレン樹脂等の有機樹脂粒子、Al23、Cr23、Fe23、TiO2、ZrO2、ThO2、SiO2、CeO2、BeO2、MgO、CdO、ダイヤモンド、SiC、TiC、WC、VC、ZrC、TaC、Cr32、B4C、BN、ZrB2、TiN、Si34、WSi2等の中から選ばれる少なくとも1種のセラミック粒子が分散した鉄系分散めっき等のことをいう。本発明ではこれらのいずれを使用しても良い。
これらのめっきは複層めっきとすることも可能であるが、コスト及び性能の観点から、単層めっきとすることが好ましい。特にセラミック粒子を分散したニッケル系めっきの単層めっき、さらにはSiC粒子が分散したニッケル−リン系複合めっきの単層めっきが、従来の第一層のニッケル系めっきとそのその上層の低表面エネルギー皮膜の2層からなる表面処理皮膜を有するものと実用上同等の性能を有することから好ましい。
また、ブレード基材とめっきとの密着性を上げたり、めっき皮膜の析出を促進させたい場合は、予めめっきの下地処理として、コスト的に安価なニッケル系めっきあるいは銅系めっきによる下地めっきを行い、その上にSiC粒子等のセラミック粒子を含有したニッケル−リン系複合めっきを行なった2層めっきとすることがより好ましい。
特に、ブレード基材としてステンレス素材を利用する場合は、第1層のめっき前の下地めっきとしてニッケル系ストライクめっきが有効である。
なお、本発明でめっき中に分散させて使用するセラミック粒子の粒子径は、特に限定されないが、0.05〜5μmが好ましく、0.1〜2μmがより好ましく、0.15〜1μmが特に好ましい。粒子径が0.05μm未満あるいは5μmを超えると、連続印刷特性、インキ掻き取り性、またはめっき密着性が劣るため本発明では適さない。
また、めっき中のセラミック粒子の含有量は、特に限定されないが、めっき中0.5〜40vol%が好ましく、3〜30vol%がより好ましく、5〜25vol%が特に好ましい。含有量が0.5vol%未満では、連続印刷特性を向上させる効果は得られず、40vol%を超えると、めっきの密着性が劣るため好ましくない。
以上説明したように、本発明による表面処理ドクターブレードは、刃先先端部のブレード基材が少なくとも一部露出し、かつ刃先先端部分が特定の形状を有する刃先を有し、ブレード基材露出部以外の刃先部分をニッケル系めっき、クロム系めっき、鉄系めっき皮膜のいずれかの皮膜で被覆することにより、本発明の優れた効果を得ることができる。
本発明による刃先先端部の基材が少なくとも一部露出したブレードは、例えば、「表面処理(めっき処理)」→「刃先先端部のみ機械研磨」→「焼鈍」→「刃先先端部のみを機械研磨」→[防錆処理工程]→「所定寸法に剪断」の工程により製造することができる。なお、刃先先端部の機械研磨の工程は、前述したように焼鈍の前後に行なっても良いし、焼鈍前あるいは焼鈍後のどちらか1回のみ行なっても良い。また、防錆処理工程は省いても良いし、ブレードの表面を研磨する工程をさらに設けても良い。
また、表面処理の具体的な手段としては、公知製造技術のいずれかの手段を利用して行うことができる。例えば、脱脂→水洗→活性化処理→水洗→めっき→水洗→乾燥により行うことができる。
めっきの手段としては、電気めっき、無電解めっき等の公知のめっき技術を利用することができる。
本発明の実施の形態としては、ドクターブレードの少なくとも刃先部が、本発明による処理が施されていればよく、本発明によりブレード刃先部以外の部分の処理は何ら制限されるものではない。
本発明の表面処理ドクターブレードの具体例としては、例えば以下の態様が挙げられる。
(1)ブレード全面の両側(シリンダー回転方向表側(R側)および裏側(S側))にめっき処理を施した態様、
(2)ブレード全面の片側にめっき皮膜を施した態様、具体的には刃先の表側(R側)または刃先の裏側(S側)のみにめっきを施したもの、
(3)少なくとも刃先のみの両側(R側およびS側)にめっきを施したもの
(4)少なくとも刃先の片側にめっき皮膜を施した態様、具体的に刃先の表側(R側)または刃先の裏側(S側)のみにめっきを施したもの。
連続印刷特性の観点から、上記(1)または(3)の態様が望ましい。
本発明では、刃先先端部の基材が露出しているために、製造後使用開始までの保管期間が長くなる場合、刃先先端表面が錆易くなっているので、刃先の基材露出部を保護する目的で、市販の防錆油、防錆潤滑油等を塗布したり、あるいは化成処理皮膜等の防錆皮処理を少なくとも刃先先端部に施すことが好ましい。
本発明の表面処理ドクターブレードは、グラビア印刷等の印刷用途に使用可能であるが、塗装用途、画像形成装置等に装備される残留トナー除去用途等の他の用途にも適宜使用可能である。また、印刷あるいは塗装時に利用されるインキあるいは塗料は、水性及び油性のいずれのものも利用可能である。さらに、印刷機のインキング装置としては、ドブ漬け方式、ファニシャローラー方式等があるが、本発明のブレードは、使用するいずれのインキング方式でも利用可能である。
本発明によれば、連続印刷特性に優れ、製造ロット毎の品質のバラツキが極めて少ない表面処理ドクターブレードを低コストで製造することができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の記載により限定されるものではない。
なお、実施例および比較例で製造したドクターブレードの刃先先端形状及びビッカース硬度は下記の方法により測定した。
[刃先先端形状]
刃先を樹脂により包埋、研磨し断面顕微鏡サンプルを作成し、刃先の断面を光学顕微鏡で直接観察し、刃先先端角度(α)、刃先有効長さ(L)、刃先厚(t)、刃先頂点位置(β)および基材露出面積率(γ)を測定した。
[ビッカース硬度]
刃先を樹脂により包埋、研磨し断面サンプルを作成し、めっき部、基材部の硬度を下記条件で5点測定し、その平均値をビッカース硬度(Hv)とした。
測定機:株式会社 島津製作所製 HMV−2000、
測定条件:試験荷重25gf、保持時間10秒。
実施例1
めっき工程:板幅50mm、板厚0.15mm、片側、平行刃(刃先厚60μm)のドクターブレードスチール基材(鋼帯、全長50m)を、エンボス加工により表面に凹凸を付与した金属鋼帯よりなるスペーサーとともにリールに渦巻状に巻き取り、リールに巻いた状態のまま、50℃のアルカリ脱脂液(パクナRT−T:60g/リットル)に15分間浸漬し、水洗後、塩酸活性液中で15分間、塩酸活性処理し、さらに水洗した。その後、平均粒径0.5μmのSiCを分散させた無電解Niめっき液(日本カニゼン(株)社製のめっき液、シューマ−SC−80−1:20vol%、シューマ−SC−80−4:2vol%)中に87℃で刃先厚が所定厚になるまで浸漬し、SiCを含有したニッケル−リン系複合めっきを行い水洗後、乾燥を行った。その後、スペーサーとブレードを巻き戻し分割し、SiC粒子含有ニッケル−リン系複合めっきブレード得た。
表面調整工程:上記めっきブレードにバフ研磨を行い表面のめっき残渣等を完全に除去した。
後処理工程:上記めっきブレードを、300℃×1時間の焼鈍処理に付した。
機械研磨工程:上記焼鈍後めっきブレードを、機械研磨装置により、所定刃先形状(刃先先端角度(α):55°、刃先厚(t):80μm、刃先有効長さ(L):1.4mm、刃先最先端位置(β):刃先厚方向でシリンダー回転方向表側(R側)から(t×3/4)(60μm)よりシリンダー回転方向裏側(S側)の位置、基材露出面積率(γ):75%)になるように機械研磨し、刃先先端のみ表面処理皮膜を除去した後、所定の寸法に剪断した。
この表面処理ドクターブレードの連続印刷特性、めっき密着性、および薬液コストを、刃先厚(t)、刃先先端角度(α)、刃先有効長さ(L)、刃先最先端位置(β)、基材露出面積率(γ)、めっき部と基材部のビッカース硬度差、基材のビッカース硬度の値とともに表1にまとめて示す。
(1)連続印刷特性
実施例1のサンプルを100ロット作成し、1ロット内で始端部、中央部、終端部の3箇所サンプルを剪断採取し、採取したブレードを夫々印刷機に装着し市販の油性インキを使用して印刷を行い、印刷物にスジ、カブリ、カスレ、ニジミ等の印刷欠陥が発生した時点をブレードの寿命とし、この寿命に達するまでの印刷物の量を夫々測定した。これを100ロット全てにおいて実施し、以下の評価基準により連続印刷特性(連続印刷量およびそのロット毎の品質安定性)を評価した。
なお、連続印刷特性の評価基準となる印刷量の平均値および標準偏差は、後述の比較例1と同じ方法によりブレードを100ロット作成し、1ロット内で始端部、中央部、終端部の3箇所サンプルを剪断採取し、採取したブレードを夫々印刷機に装着し市販の油性インキを使用して印刷を行い、印刷物にスジ、カブリ、カスレ、ニジミ等の印刷欠陥が発生した時点をブレードの寿命とし、この寿命に達するまでの印刷物の量を夫々測定した。これを100ロット全てにおいて実施し、その印刷量の平均値および標準偏差を求めて評価の基準値とした。
(1-1)連続印刷量
上記試験結果の平均値を、比較例1の印刷量の平均値と比較して下記に示す基準により評価した。
[評価基準]
◎:印刷量の平均値が比較例1のブレードより格段に多い。
○:印刷量の平均値が比較例1のブレードより若干多い。
△:印刷量の平均値が比較例1のブレードと同等。
×:印刷量の平均値が比較例1のブレードより少ない。
(1-2)ロット間の品質安定性
上記試験結果の標準偏差を求め、この標準偏差を比較例1の標準偏差と比較して評価した。
[評価基準]
◎:標準偏差が比較例1のブレードより格段に小さい。
○:標準偏差が比較例1のブレードより若干小さい。
×:標準偏差が比較例1のブレードとほぼ同値かそれより劣る。
(2)皮膜密着性
表面処理を施したドクターブレードを、JIS H8504に準拠し、所定角度に曲げ、次いで曲げられた、曲げ部にテープ剥離試験を実施し、皮膜の剥離の有無を目視で観察し、下記の基準により評価した。
○:良好(皮膜剥離無し)、
△:やや不良(皮膜剥離若干あり)、
×:不良(皮膜剥離大)。
(3)めっきコスト
製造に要した薬液コストを、比較例2の薬液コストと比較して評価した。
○:比較例2より低コスト
×:比較例2と同等のコストかあるいはそれより高コスト
実施例2
めっき工程:板幅50mm、板厚0.15mm、片側、平行刃(刃先厚50μm)のドクターブレードスチール基材(鋼帯、全長50m)を、エンボス加工により表面に凹凸を付与した金属鋼帯よりなるスペーサーとともにリールに渦巻状に巻き取り、リールに巻いた状態のまま、50℃のアルカリ脱脂液(パクナRT−T:60g/リットル)に15分間浸漬し、水洗後、塩酸活性液中で15分間、塩酸活性処理し、さらに水洗した。その後、平均粒径0.5μmのSiCを分散させた無電解Niめっき液(日本カニゼン(株)社製のめっき液、シューマ−SC−80−1:20vol%、シューマ−SC−80−4:2vol%)中に87℃で刃先厚が所定厚になるまで浸漬し、SiCを含有したニッケル−リン系複合めっきを行い水洗後、乾燥を行った。その後、スペーサーとブレードを巻き戻し分割し、SiC粒子含有ニッケル−リン系複合めっきブレード得た。
表面調整工程:上記めっきブレードにバフ研磨を行い表面のめっき残渣等を完全に除去した。
機械研磨工程:上記めっきブレードを、機械研磨装置により、所定刃先形状(刃先先端角度(α):60°、刃先厚(t):70μm、刃先最先端位置(β):刃先厚方向でシリンダー回転方向表側(R側)から(t×3/4)(52.5μm)よりシリンダー回転方向裏側(S側)の位置、刃先有効長さ(L):1.3mm、基材露出面積率(γ):71%)になるように研磨し、刃先先端のみ表面処理皮膜を除去した。
後処理工程:刃先を機械研磨しためっきブレードを、300℃×1時間の焼鈍処理に付した後、所定の寸法に剪断した。
この表面処理ドクターブレードの連続印刷特性、めっき密着性、および薬液コストを実施例1と同様の方法で測定し評価した。刃先厚(t)、刃先先端角度(α)、刃先有効長さ(L)、刃先先端位置(β)、基材露出面積率(γ)、めっき部と基材部のビッカース硬度差、基材のビッカース硬度の値とともに表1にまとめて示す。
実施例3〜6
刃先の機械研磨工程での刃先研磨の調整により、刃先形状が異なる以外は、実施例1と同様の方法で、実施例3〜6の表面処理ドクターブレードを作成した。この表面処理ドクターブレードの連続印刷特性、めっき密着性、薬液コスト、刃先厚(t)、刃先先端角度(α)、刃先有効長さ(L)、刃先先端位置(β)、基材露出面積率(γ)、ビッカース硬度を実施例1と同様に試験評価した結果を表1にまとめて示す。
実施例7
焼鈍工程での焼鈍温度および時間を変えた以外は、実施例1と同様の方法で表面処理ドクターブレードを作成した。この表面処理ドクターブレードの連続印刷特性、めっき密着性、薬液コスト、刃先厚(t)、刃先先端角度(α)、刃先有効長さ(L)、刃先先端位置(β)、基材露出面積率(γ)、めっき部と基材部のビッカース硬度差、基材のビッカース硬度を実施例1と同様に試験評価した結果を表1にまとめて示す。
実施例8
めっき液中のSiC含有量、P含有量を増加させ、焼鈍温度および時間を変えた以外は、実施例1と同様の方法で表面処理ドクターブレードを作成した。この表面処理ドクターブレードの連続印刷特性、めっき密着性、薬液コスト、刃先厚(t)、刃先先端角度(α)、刃先有効長さ(L)、刃先先端位置(β)、基材露出面積率(γ)、めっき部と基材部のビッカース硬度差、基材のビッカース硬度を実施例1と同様に試験評価した結果を表1にまとめて示す。
実施例9
板幅50mm、板厚0.15mm、片側、平行刃(刃先厚150μm)のドクターブレードスチール基材(鋼帯、全長50m)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で表面処理ドクターブレードを作成した。この表面処理ドクターブレードの連続印刷特性、めっき密着性、薬液コスト、刃先厚(t)、刃先先端角度(α)、刃先有効長さ(L)、刃先先端位置(β)、基材露出面積率(γ)、めっき部と基材部のビッカース硬度差、基材のビッカース硬度を実施例1と同様に試験評価した結果を表1にまとめて示す
比較例1
めっき工程:板幅50mm、板厚0.15mm、片側、平行刃(刃先厚60μm)のドクターブレードスチール基材(鋼帯、全長50m)を、エンボス加工により表面に凹凸を付与した金属鋼帯よりなるスペーサーと共にリールに渦巻状に巻き取り、リールに巻いた状態のまま、50℃のアルカリ脱脂液(パクナRT−T:60g/リットル)に15分間浸漬し、水洗後、塩酸活性液中で15分間、塩酸活性処理し、さらに水洗した。その後、平均粒子径0.5μmのSiCを分散させた無電解Niめっき液(日本カニゼン(株)社製のめっき液、SC−80−1:20vol%、SC−80−4:2vol%)中に87℃で、刃先厚が所定厚になるまで浸漬し、SiCを含有したニッケル−リン系複合めっきを行い水洗後乾燥した。その後、スペーサーとブレードを巻き戻し分割し、SiC粒子含有ニッケル−リン系複合めっきブレード得た。
表面調整工程:上記めっきブレードにバフ研磨を行い表面のめっき残渣等を完全に除去した。
後処理工程:上記ブレードを300℃×1時間の焼鈍処理に付した後、所定の寸法に剪断した。この表面処理ドクターブレードの連続印刷特性、めっき密着性、薬液コスト、刃先厚(t)、刃先有効長さ(L)、基材露出面積率(γ)、めっき部と基材部のビッカース硬度差、基材のビッカース硬度の値を実施例1と同様に試験評価した結果を表1に示す。
比較例2
板幅50mm、板厚0.15mm、片側、平行刃(刃先厚60μm)のドクターブレードスチール基材(鋼帯、全長50m)を使用し、めっき厚が異なる以外は、特開2003-225988号の実施例1のめっき工程1、表面調整工程、及びめっき工程2と同様のめっきを行った。
めっき工程1:エンボス加工により表面に凹凸を付与した金属鋼帯よりなるスペーサーとともにリールに渦巻状に巻き取り、リールに巻いた状態のまま、50℃のアルカリ脱脂液(パクナRT−T:60g/リットル)に15分間浸漬し、水洗後、塩酸活性液中で15分間、塩酸活性処理し、さらに水洗した。その後、平均粒径0.5μmのSiCを分散させた無電解Niめっき液(日本カニゼン(株)社製のめっき液、シューマ−SC−80−1:20vol%、シューマ−SC−80−4:2vol%)中に87℃で膜厚が8.5μmになるまで浸漬し、SiCを含有したニッケル−リン系複合めっきを行い水洗後、乾燥を行った。その後、スペーサーとブレードを巻き戻し分割し、SiC粒子含有ニッケル−リン系複合(Ni−P−SiC)単層めっきブレード1を得た、
表面調整工程:上記単層めっきブレード1にバフ研磨を行い、表面のめっき残渣等を完全に除去し、単層めっきブレード2を得た。
めっき工程2:単層めっきブレード2を、再度、エンボス加工により表面に凹凸を付与した金属鋼帯よりなるスペーサーとともにリールに渦巻状に巻き取り、リールに巻いた状態のまま、50℃のアルカリ脱脂液(パクナRT−T:50g/リットル)に5分間浸漬し、水洗後、塩酸活性液中で塩酸活性処理し、さらに水洗した。その後、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)(平均粒子径:0.22μm)を分散させた無電解Niめっき液(日本カニゼン(株)社製のめっき液(カニフロン−0:20vol%、カニフロンー4A(四フッ化エチレン樹脂分散液):2vol%)中に86℃で、膜厚が1.5μmになるまで浸漬し、四フッ化エチレン樹脂を20〜25vol%含有した有機樹脂分散ニッケル−リン複合めっき(Ni−P−PTFE)を行い水洗後、乾燥を行った。その後、スペーサーとブレードを巻き戻し分割してNi−P−SiCめっきの上にPTFE分散ニッケル−リン複合めっき(Ni−P−PTFE)層を有する2層めっきブレードを得た。
後処理工程:上記で得た2層めっきブレードを、300℃×1時間の焼鈍処理に付した。
機械研磨工程:上記焼鈍後めっきブレードを、機械研磨装置により、所定刃先形状(刃先先端角度(α):55°、刃先厚(t):80μm、刃先有効長さ(L):1.4mm、刃先最先端位置(β):刃先厚方向でシリンダー回転方向表側(R側)から(t×3/4)(60μm)よりシリンダー回転方向裏側(S側)の位置、基材露出面積率(γ):75%)になるように機械研磨し、刃先先端のみ表面処理皮膜を除去した後、所定の寸法に剪断した。
得られた表面処理ドクターブレードの連続印刷特性、めっき密着性、薬液コストを、刃先厚(t)、刃先先端角度(α)、刃先有効長さ(L)、刃先最先端位置(β)、基材露出面積率(γ)、めっき部と基材部のビッカース硬度差、基材のビッカース硬度の値とともに表1にまとめて示す。
比較例3〜5
刃先の機械研磨工程での刃先研磨の調整により、刃先形状が異なる以外は、実施例1と同様の方法で、比較例3〜5の表面処理ドクターブレードを作成した。この表面処理ドクターブレードの連続印刷特性、めっき密着性、刃先厚(t)、刃先先端角度(α)、刃先有効長さ(L)、刃先先端位置(β)、基材露出面積率(γ)、めっき部と基材部のビッカース硬度差、基材のビッカース硬度を実施例1と同様に試験評価した結果を表1にまとめて示す。
比較例6
板幅50mm、板厚0.15mm、片側、平行刃(刃先厚180μm)のドクターブレードスチール基材(鋼帯、全長50m)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で表面処理ドクターブレードを作成した。この表面処理ドクターブレードの連続印刷特性、めっき密着性、刃先厚(t)、刃先先端角度(α)、刃先有効長さ(L)、刃先先端位置(β)、基材露出面積率(γ)、めっき部と基材部のビッカース硬度差、基材のビッカース硬度を実施例1と同様に試験評価した結果を表1にまとめて示す。
比較例7
板幅50mm、板厚0.15mm、片側、平行刃(刃先厚20μm)のドクターブレードスチール基材(鋼帯、全長50m)を使用し、めっき時間を短くした以外は、実施例1と同様の方法で表面処理ドクターブレードを作成した。この表面処理ドクターブレードの連続印刷特性、めっき密着性、薬液コスト、刃先厚(t)、刃先先端角度(α)、刃先有効長さ(L)、刃先先端位置(β)、基材露出面積率(γ)、めっき部と基材部のビッカース硬度差、基材のビッカース硬度を実施例1と同様に試験評価した結果を表1にまとめて示す。
Figure 0004404344
ドクターブレードを使用するグラビア(凹版)印刷の概念図。 従来表面処理ブレードの断面概念図。 本発明の表面処理ドクターブレード(平行刃)の断面概念図。 本発明の表面処理ドクターブレード(傾斜刃)の断面概念図。 本発明の表面処理ドクターブレード(平行刃)の断面概念図の刃先先端部拡大図。
符号の説明
1 シリンダー(グラビア版)
2 ドクターブレード
3 インキ
5 刃先先端
7 ブレード基材
8 表面処理皮膜

Claims (6)

  1. 少なくとも刃先部の表面が、ニッケル系めっき、クロム系めっき及び鉄系めっきから選ばれる少なくともいずれか一つのめっきで被覆され、刃先最先端部でブレード基材の少なくとも一部が露出し、めっきを含めた刃先厚(t)が25〜200μm、刃先有効部長さ(L)が0.3〜5mmで、かつ刃先先端面とシリンダー回転方向に対向するブレード面(シリンダー回転方向表側(R側)の面)のなす角度の補角(α)が5°〜90°であり、刃先断面における刃先最先端の頂点の位置(β)が、刃先厚(t)の中央部(t/2)よりもシリンダー回転方向の裏側(S側)に位置することを特徴とする表面処理ドクターブレード。
  2. 次式で表わされるブレード基材露出面積率(γ)が、20〜97%である請求項1に記載の表面処理ドクターブレード:
    γ=(X÷Y)×100
    (式中、Yはめっきを含む刃先先端全体の長さであり、Xは刃先先端の基材露出長さである。)。
  3. ブレード基材のビッカース硬度(A)とめっきのビッカース硬度(B)の差(B−A)が、50Hv≦B−A≦1100Hvである請求項1または2に記載の表面処理ドクターブレード。
  4. ブレード基材のビッカース硬度(A)が、400〜800Hvである請求項に記載の表面処理ドクターブレード。
  5. 刃先先端部のめっきが、セラミック粒子を含有したニッケル−リン系複合めっきの単層めっきである請求項1に記載の表面処理ドクターブレード。
  6. 刃先先端部のめっきが、ニッケル系下地めっきとその上のセラミック粒子を含有したニッケル−リン系複合めっきの2層めっきである請求項1に記載の表面処理ドクターブレード。
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