JP4409111B2 - 光ケーブル用szスロットの製法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、スロット型光ケーブル等に使用される光ケーブル用SZスロットの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
このようなSZスロットとしては、特開平11−109194号公報や特開平11−174295号公報に開示のものがある。
このSZスロットは、図5に示すように、鋼線、鋼撚線などからなるテンションメンバ1の外周にポリエチレンなどからなる下層2が設けられ、この下層2の外周に1本以上のラセン溝3、3がSZ方向に形成されたポリエチレンなどからなるスロット層4が形成されてなるものである。
【0003】
ここでSZ方向とは、金属撚線の分野で知られている「SZ撚り」と同様に、S方向のラセン溝とZ方向のラセン溝が交互にある一定の周期で繰り返されて形成されたものを言い、1本のラセン溝について、これを平面上に展開すると、ラセン溝が略正弦波状の軌跡を描くものである。
【0004】
このようなSZスロットの製法は、テンションメンバ1となる金属線材を押出機のクロスヘッドダイに供給し、この金属線材上にポリエチレンなどを押出被覆して断面形状が円形の下層2をまずはじめに形成する。
ついで、この下層2が被覆された金属線材を、再度押出機の回転ダイスが装着されたクロスヘッドダイに供給し、この回転ダイスを交互に正転、反転せしめて、下層2の上にSZ方向のラセン溝3、3が1本以上形成されたスロット層4を被覆、形成する方法で製造される。
【0005】
この先行発明の製法では、スロット層4を押出被覆する際に、クロスヘッドダイに供給される下層2が形成された金属線材の温度を30〜60℃にすることが、形状の良好なスロット層4を得るうえで重要であるとされている。
しかし、この製法にあっては、下層2とスロット層4との形成に、2回の押出作業を行っているので、作業性が悪く、コストが嵩む欠点がある。
【0006】
このため、テンションメンバとなる金属線材の上に、1回の押出作業によって一挙に下層とスロット層とからなる層を押出被覆して形成し、SZスロットを製造する方法が考えられている。
ところが、この新しい製法において、押出機のクロスヘッドダイに供給される金属線材の温度を、先の製法のように、30〜60℃に保つと、以下に示すような欠点が生じることが明らかになった。
【0007】
すなわち、得られるSZスロットのラセン溝の反転角が変動し、不安定になることが明らかになった。
ここでラセン溝の反転角とは、回転ダイスの正転の開始から反転に転じるまでの回転角度を言う。換言すれば、1本の正弦波状のラセン溝の1ピッチの間の回転角を言う。
この反転角の変動の理由は、ラセン溝の反転部においてスロット部のリブが反転部の内側に倒れるためであり、金属線材の温度が30〜60℃であると、押し出された溶融樹脂の冷却が遅くなり、外方に位置するリブの上部が先に冷えて固化して倒れ込むものと考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明における課題は、1回の押出被覆作業によってSZスロットを製造する際に、ラセン溝の反転角の変動を防止することができる製法を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
かかる課題は、押出機のクロスヘッドダイにテンションメンバとなる金属線材を供給し、この上に溶融樹脂を押出被覆して、中心にテンションメンバが挿通され、外周に1本以上のラセン溝がSZ方向に形成されたスロットを製造するに際して、クロスヘッドダイの前段に冷却装置を配して、テンションメンバとなる金属線材を冷却し、クロスヘッドダイに供給される金属線材の温度を0℃以上、30℃未満とする方法で解決できる。
金属線材には予め接着剤を塗布しておき、この上に形成されるスロット部分との密着性を高めることが望ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の製法を実施するための製造装置の一例を示すものである。
この図1において、まずテンションメンバとなる鋼線、鋼撚線などの金属線材11は、送り出しリール12から連続的に送り出され、接着剤塗布装置13に送られる。金属線材11は、ここでスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体などの接着剤が塗布されたのち、乾燥炉に14に送られ、ここで150〜250℃程度に加熱され、接着剤中の溶剤が揮発除去される。
【0011】
ついで、この接着剤が塗布された金属線材11は、冷却装置15に送られ、ここで0℃以上、30℃未満に冷却される。ここで使用される冷却装置には、例えばフレオン冷凍機からの低温空気を吹き付ける形式のものなどが使われる。
金属線材11の温度が、0℃未満では金属線材11の表面に着氷が生じ、得られるSZスロットのラセン溝の底面に凹凸を生じる。また、その温度が30℃以上ではラセン溝の反転角に変動を生じる。
【0012】
ついで、温度が0℃以上、30℃未満に保たれた金属線材11は、押出機16のクロスヘッドダイ17に送り込まれる。
このクロスヘッドダイ17には、回転ダイスが装着されており、この回転ダイスを交互に正転、反転させつつ、ポリエチレンなどの溶融樹脂を押出機16から押し出すことにより、SZ方向のラセン溝が形成されたSZスロット18が製造されるようになっている。
【0013】
かくして、押出機16のクロスヘッドダイ17から、図2に示す構造のSZスロット18が連続的に製造されることになる。この構造のSZスロット18は、テンションメンバ1の上に薄い接着剤層(図示せず)を介して直接スロット層4が形成されたもので、従来の図5に示したもののように、下層2を有するものではない。
【0014】
このような製法によれば、クロスヘッドダイ17に入る際の金属線材11の温度が低温とされているので、これの周囲に押し出された溶融樹脂が急速に冷却され、ラセン溝3のリブが変形することが抑えられ、反転角の変動が防止される。
また、1回の押出被覆作業で、一挙にSZスロットが製造できるので、製造コストを抑えることができる。
【0015】
また、本発明の製法にあっては、金属線材11として、サンドブラスト処理、酸洗い処理などの表面処理を施して、ポリエチレンなどからなるスロット層4を形成する樹脂に対する親和性を高めたものを用いることもでき、このような金属線材では接着剤の塗布を省略することができる。
【0016】
以下、具体例を示す。
外径8.0mm、反転角275度、反転ピッチ175mm、ラセン溝5本、テンションメンバ径2.0mm鋼線、ポリエチレン製のSZスロットを上述の製法で製造した。
この際、クロスヘッドダイに入る接着剤塗布鋼線の冷却条件を変化させて鋼線の温度を変化させ、得られたSZスロットのラセン溝の反転角を測定した。
初めに、鋼線の温度が13℃付近の時に、反転角が275度になるようにクロスヘッドダイの回転ダイスの回転角度を調整し、その後鋼線の温度を徐々に上げてゆき、得られたSZスロットの反転角を計測した。
測定結果の反転角と鋼線の温度との関係を、図3のグラフに示す。
【0017】
図3のグラフから、鋼線の温度が30℃を越えると、反転角が規定値よりも小さくなることがわかる。
つぎに、この現象の原因を解明するため、ラセン溝の反転部におけるスロットの断面を観察したところ、反転部の内側にリブが倒れており、このために反転角が小さくなっていることがわかった。
リブの倒れ(度)と鋼線の温度との関係を、図4に示す。
【0018】
図4のグラフから、リブの倒れの変化状態も、反転角と同様に鋼線の温度が30℃を越えると、大きくなっている。この点から、金属線材の温度を30℃未満とすることで、反転角、リブの倒れが安定したSZスロットを1回の押出被覆作業で製造できることが明らかになった。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の光ケーブル用SZスロットの製法は、押出機のクロスヘッドダイにテンションメンバとなる金属線材を供給し、この上に溶融樹脂を押出被覆して、中心にテンションメンバが挿通され、外周に1本以上のラセン溝がSZ方向に形成されたスロットを製造するに際して、クロスヘッドダイに供給される金属線材の温度を0℃以上、30℃未満にするものである。
したがって、ラセン溝の反転角の変動の小さい光ケーブル用SZスロットを1回の押出被覆作業で効率よく安価に製造できるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製法に好適に使用できる製造装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明の製法で得られた光ケーブル用SZスロットの一例を示す概略断面図である。
【図3】実施例の試験結果を示す図表である。
【図4】実施例の試験結果を示す図表である。
【図5】従来の製法で得られた光ケーブル用SZスロットを示す概略断面図である。
【符号の説明】
11…金属線材、16…押出機、17…クロスヘッドダイ
Claims (2)
- 押出機のクロスヘッドダイにテンションメンバとなる金属線材を供給し、この上に溶融樹脂を押出被覆して、中心にテンションメンバが挿通され、外周に1本以上のラセン溝がSZ方向に形成されたスロットを製造するに際して、
クロスヘッドダイの前段に冷却装置を配して、テンションメンバとなる金属線材を冷却し、クロスヘッドダイに供給される金属線材の温度を0℃以上、30℃未満とすることを特徴とする光ケーブル用SZスロットの製法。 - テンションメンバとなる金属線材には予め接着剤が塗布されていることを特徴とする請求項1に記載の光ケーブル用SZスロットの製法。
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|---|---|---|---|
| JP2001095133A JP4409111B2 (ja) | 2001-03-29 | 2001-03-29 | 光ケーブル用szスロットの製法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001095133A JP4409111B2 (ja) | 2001-03-29 | 2001-03-29 | 光ケーブル用szスロットの製法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
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Family Applications (1)
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| JP2001095133A Expired - Fee Related JP4409111B2 (ja) | 2001-03-29 | 2001-03-29 | 光ケーブル用szスロットの製法 |
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| JP (1) | JP4409111B2 (ja) |
-
2001
- 2001-03-29 JP JP2001095133A patent/JP4409111B2/ja not_active Expired - Fee Related
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