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JP4414818B2 - エンジンのオイルメンテナンス方法 - Google Patents
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本発明は、エンジンへのオイルの補充時期および補充量を決定するためのエンジンのオイルメンテナンス方法に関する。
一般のコージェネ用のエンジンや自動車用エンジンには、エンジンを構成する部材同士の摩擦を軽減すると共に、エンジン本体を冷却し、さらには、シリンダ等の気密性を確保するために各種のオイルを使用する。当該オイルは、エンジンの運転時間の増大に伴って酸化し、塩基価が低下する。また、エンジン部材の摩擦等によるスラッジが蓄積してオイル性能が次第に低下する。そのため、通常、エンジンの運転時間に応じて、あるいは、オイル充填後の所定時間経過後にオイルの交換を行う必要がある。
既存のオイルメンテナンス方法は、オイル交換が必要な運転時間に達したとき、残油を全てオイルパン等から排出し、新油を追加する。新油の追加は、別途オイルタンクから補充したり、オイルパンの残油が少なくなったときに適宜オイルを補充して行っていた。
これに対し、従来のオイルメンテナンス方法では、既存のオイル交換方法に対して改良を行い、残油を排出するタンクを保持しておき、自動的にオイルを交換する構成を備えたものがある(特許文献1参照)。
上記従来の技術は、オイル供給源にあるオイルを電動ポンプでエンジンのオイルパンに自動供給する際に、オイル供給源でのオイルの劣化を抑制しつつ、オイルパンのオイル交換作業を自動化しようというものである。本装置では、オイル供給源を、例えば、第1タンクと第2タンクとで構成する。この第1タンクおよび第2タンクは、何れもブリーザ装置を備えて密閉に構成してある。オイルパンおよび第1タンクには、オイル量検出手段を設けてある。第1タンクに設けた第1オイル出口通路と、第2タンクに設けた第2オイル出口通路とは、電動ポンプを介してオイルパンに接続してある。
また、オイルパンから第1タンクへは、オイルパンの廃油を第1タンクに排出する廃油入口通路を設けてある。上記第1オイル出口通路、および、第2オイル出口通路、廃油入口通路には通路開閉手段を設けてある。オイルパンおよび第1タンクに設けたオイル量検出手段の計測結果に基づき、制御手段が通路開閉手段と電動ポンプとを連携動作させる。
オイルパンの油量が規定量未満になったことが検出されると、制御手段が通路開閉手段と電動ポンプとを駆動制御して、オイルパンが規定量となるまで第1タンクからオイルを供給する。この供給は、第1タンクが空になるまで、第1タンクのみから行なう。第1タンクが空になると、制御手段が通路開閉手段を制御して、オイルパンから第1タンクにオイルを排出する。オイルパンが空になると、制御手段は、通路開閉手段および電動ポンプを駆動制御して、オイルパンが規定量となるまで第2タンクからオイルを供給する。
このように従来の装置であれば、オイル供給源として複数のタンクを用いるので、多量のオイルを小容量のタンクに分配して収容することができる。また、小容量のオイルタンクのオイルを使い切る時間は短く、当該タンクが空になるまでに当該タンクの内部で空気と接触する時間も短い。よって、酸化によるオイルの劣化が抑制される。第1タンクのオイルが消費される間、第2タンクのオイルは使用されないから、その間、第2タンクへの空気の流入はなく、酸化による劣化が抑制される。
しかも、第1タンク及び第2タンクの切替えは自動的に行われるので、オイル交換時期の管理が不要になり、手動操作による面倒なオイル交換作業が不要になる。さらに、空になった第1タンクを廃油タンクとして再利用するので、廃油タンクを別途用意する必要もない。
特開平9−100711号公報 〔0007〕〜〔0015〕
しかし、上記従来の装置では、メンテナンス時に第1タンクおよびオイルパンに保持してある全てのオイルを交換するから、そのためのオイル交換コストが高いものとなる。
また、オイル交換時はオイルの排出に時間を要する。しかも、ガスエンジンヒートポンプやガスエンジンコージェネ等は、ビル等の屋上に設置されることが多く、交換用のオイルを屋上まで運搬し、さらに廃油を地上まで運搬する作業に手間がかかる。しかも、多量のオイルを廃棄処理する必要もある。このように、上記従来のオイル交換方法では、オイル交換の作業効率を高めるにも一定の限界があった。
そこで、本発明は上記実状に鑑み、作業性に優れ、オイル廃棄量の少ないエンジンのオイルメンテナンス方法を提供することを目的とする。
(特徴手段1)
本発明に係るエンジンのオイルメンテナンス方法は、エンジンへのオイルの補充量および補充時期を決定すべく、前記オイルの使用開始時における塩基価Aを測定し、前記オイルの使用開始後、所定時間経過したとき前記オイルの塩基価Bを測定するとともに、前記エンジンの内部にオイルを補充し、当該補充後の塩基価Cを測定して、塩基価の劣化率B/Aと 塩基価の回復率C/Bとを求め、前記オイルの劣化率および回復率と、前記オイルの補充量とから、その後のオイルの補充量および補充時期を決定する点に特徴を有する。
(作用効果)
オイルの塩基価とは、一般に酸化されたオイルを中和する酸化防止剤の含有量を示す値であり、この数値が高いほど酸化劣化に強く、清浄性に優れたオイルとなる。
エンジンの設置環境や運転条件は個々に異なることが多く、オイルメンテナンスの方法もエンジン毎に差が生じると考えられる。そこで、本発明のオイルメンテナンス方法では、特にオイルの塩基価に着目し、エンジンを実際に運転して、オイル塩基価の劣化率と、オイルを補充したときの塩基価の回復率とを把握する。ここで、劣化率とは、使用開始時のオイル塩基価に対する所定時間使用後の塩基価の比であり、回復率とは、当該所定時間使用後の塩基価に対するオイル補充後の塩基価の比である。
オイルメンテナンスを実施する時期は、オイルが完全に劣化する前でなければならない。つまり、オイル塩基価の許容最低値であるオイル交換基準値まで塩基価が低下する前にオイルメンテナンスを行なう必要がある。この点、本発明の方法では、前記劣化率と回復率とを把握するので、オイルメンテナンスの時期を適切に決定することができる。特に、長寿命オイルを使用する場合には、オイルメンテナンス間隔を適宜設定することで、それまで使用しているオイルを一切廃棄せず、オイルの減少分を補充するだけのオイルメンテナンスが可能となる。
このように本発明のオイルメンテナンス方法であれば、オイルメンテナンスの手間を大幅に軽減し、かつ、オイルの廃棄量を減少させて、効率のよいオイルメンテナンスを行うことができる。
(特徴手段2)
本発明に係るのエンジンのオイルメンテナンス方法は、前記オイルを補充する際に所定量ずつ補充し、当該所定量の補充毎に、補充したオイル量と補充後の塩基価とを測定して、オイルの補充量に対する塩基価の回復率を求めるものであってもよい。
(作用効果)
本構成のごとく、オイルを補充する際には所定量ずつ補充し、当該所定量の補充毎に、補充したオイル量と補充後の塩基価とを測定するのが好ましい。
つまり、オイルの補充によって塩基価は回復するが、このとき、オイル補充量と塩基価の回復率とは比例関係にあるとは限らない。例えば、予定しているオイル補充量の半分を補充したとき、塩基価の回復率が全回復率の半分になるとは限らない。これは、補充された新油は、塩基価を回復させるのであるが、その他にオイルの酸化の回復にも寄与するため、補充された新油の効果が全て塩基価の回復に貢献するものではないからである。
よって、オイルを補充する際には、例えば定量ずつ補充し、補充量と塩基価の回復率との相関関係を正確に把握するものとする。その結果、次回のオイルメンテナンス時に、所期の塩基価に回復させるためのオイル補充量が容易に求まる。さらには、次回のオイルメンテナンス時に塩基価を最大に回復させる必要はなく、さらにその次のオイルメンテナンス時に塩基価がオイル交換基準値を下回らない程度に当該次回において塩基価を回復させておけばよい場合もある。このような場合に、本発明のごとくオイル補充量と塩基価の回復率との相関関係を把握しておけば、より計画的なオイルメンテナンスが可能となる。
(特徴手段3)
本発明に係るエンジンのオイルメンテナンス方法は、エンジンの運転時間とオイルの塩基価との関係を示す基準特性曲線を求めて、オイルを補充するためのメンテナンス時間を予め設定しておき、エンジンの運転開始後、前記メンテナンス時間よりも短い所定時間経過後のオイルの塩基価B2を測定するとともに、当該所定時間における前記基準特性曲線上の塩基価B1を求めて、塩基価の補正係数K=B2/B1を求め、前記補正係数Kを前記メンテナンス時間に掛け合わせて、当該メンテナンス時間を補正する点に特徴を有する。
(作用効果)
通常、同じ型式のエンジンであれば、オイル塩基価の低下特性等も近似することが多い。しかし、現実には、設置環境や運転条件によってエンジン毎に最適なオイルメンテナンス方法は異なる。そこで本発明のごとく、一定時間使用した後のオイルの塩基価の低下度を実測し、同型エンジンの基準特性との差を把握することで、基準特性を補正し、次回のオイル補充時期を決定するなど、エンジン毎に最適なオイルメンテナンス計画を立てることが可能となる。
(概要)
本発明のエンジンのオイルメンテナンス方法は、主に、エンジンへのオイルの補充量および補充時期を決定するための方法である。本方法では、オイルメンテナンスを行う対象エンジンを実際に所定の時間だけ運転し、新しいオイルの補充を行う。その際に、オイルの塩基価がどのように変動するかを把握して、それ以降のオイルの補充時期、あるいはオイルの補充量を予測して、オイルメンテナンス計画の立案に役立てようとするものである。以下、図面を参考にしつつ本発明のオイルメンテナンス方法を説明する。
(オイル特性)
図1には、一般のエンジンを運転した場合の、エンジン運転時間とオイル塩基価との関係(図1(a))、および、エンジン運転時間とオイル量との関係(図1(b))を示す。ここで、塩基価とは、オイルが有する種々の特性のうちの一つを示す値であり、酸化されたオイルを中和する酸化防止剤の含有量を示す値を意味する。この数値が高いほど酸化劣化に強く、清浄性が高いといえる。
図1(a)から明らかなごとく、エンジンの運転時間の増加に伴って塩基価は横軸に漸近しながら曲線状に低下する。このとき、エンジンの運転開始後、所定の時間が経過したときにオイル交換基準値を下回る。当該オイル交換基準値は、オイルが有すべき最低の塩基価である。
一方、図1(b)から明らかなごとく、エンジン運転時間とオイル量とは略直線の関係にあり、エンジン運転時間の増大に伴ってオイル量は減少する。一般的なエンジンのメンテナンスでは、上記塩基価が前記オイル交換基準値に達したとき、エンジンオイルの全量を交換する。
(第1のオイルメンテナンス方法)
本実施形態では、特定型式のガスヒートポンプのガスエンジンに特定種類のエンジンオイルを用いて当該ガスエンジンを運転した例を示す。エンジンの運転に伴ってオイルは消費され、塩基価は低下する。何れのエンジンでも、オイル消費量と塩基価の低下傾向との間には相関関係がある。このようなエンジン固有の相関関係は、予め対象エンジンを稼動させ、実測して代表データとして得ることができる。
ただし、現実には、エンジン固有の組立誤差や、エンジンの運転環境の違い等によってオイル消費量あるいは塩基価の低下傾向が異なる。本発明は、このような個々のエンジンの運転事情に応じて最適なエンジン保守ができるよう、オイルメンテナンスの方法を提供するものである。
(塩基価の劣化率の測定)
図2には、本発明のオイルメンテナンス方法を用いた場合の、オイル塩基価の変化態様を示す。まず、エンジンに新しいオイルを規定のオイルレベルになるまで注入する。このときのオイル塩基価はA点で示される。この後、実際にエンジンを運転し、所定時間運転したのち塩基価を測定する。このときの塩基価はB点である。塩基価がA点からB点に低下するのは、オイルが、エンジン内に存在する排気ガス成分と接触して酸化すること等が原因である。
このAB間の時間は、できるだけ長時間であるほど、塩基価の低下傾向を正確に知ることができて好ましい。この期間は、例えば、通常のメンテナンス期間に合わせて設定する。これら二点の塩基価より、エンジンオイルの塩基価の劣化率 B/A を求める。なお、計算に用いるA,Bの値は、オイル交換基準値からの値を用いている。
図1(a)に示したごとく、塩基価はエンジン運転時間と伴に傾きを緩めつつ曲線状に低下する。ただし、図2には、塩基価が直線的に低下する様子を示している。オイルメンテナンスの計画を立てるためには、このような直線表示であっても特に支障はない。むしろ、このような近似によってメンテナンス計画を立てることは、オイル交換時期をより安全側に設定することになる
つまり、通常のオイルメンテナンス期間はAB間の測定期間よりも長い。よって、直線ABをそのまま延長して行ったB点以降の塩基価の予測値は、曲線状に低下する現実の塩基価の値よりも常に小さくなるからである。
また、AB間の設定時間を短かくするほど、現実の低下曲線の急勾配の領域で塩基価を測定することになるため、塩基価の低下の傾きは急になる。逆に、AB間の運転時間を長く設定するほど、塩基価の低下勾配は小さくなる。ただし、現実の塩基価の低下傾向により近く、塩基価の低下傾向を正確に予測できるのは、AB間を長く設定した場合である。
一般的なガスエンジンの中には、例えば、オーバーホールを行うべき総運転時間が約3万時間のものがある。このようなエンジンでは、オイルメンテナンスの周期はおよそ1万時間とするのが好ましい。近年のオイルは性能が向上しており、塩基価等からみた運転可能期間が15000時間のものも存在する。このようなオイルを用いた場合には、メンテナンス周期を1万時間に設定しても何ら支障はない。ちなみに、通常のガスエンジンでは、総運転時間が1万時間に達するのに約5年を要する。
(塩基価の回復率の測定)
本発明のオイルメンテナンス方法において、メンテナンス時に行うべき作業は、主には、オイル量が規定のレベルとなるように新油を補充することのみである。当該新油の補充は、塩基価がオイル交換基準値に達する前に実施する。メンテナンスとしては、新しいオイルの補充のみを行い、使用中オイルの抜き取りは行わない。オイルの補充は、所定のオイルレベルになるまで行う。図2に示すごとく、当該補充によって、オイルの塩基価がある程度回復する。回復後の塩基価をC点で示す。このときのC/Bを塩基価の回復率とする。
以上のごとく、塩基価の劣化率B/Aおよび回復率C/Bと、オイルの補充量とを知ることで、その後のメンテナンスの時期およびオイルの補充量を計画することができる。
本方法を用いることで、例えば、オイルメンテナンス時期に補充するオイルの量を、所定レベルに収まる範囲内で少量に設定し、エンジンオーバーホールの時期に到達したときオイル量が最小レベルとなるようにオイル補充を行うこともできる。このように補充することで、オイルの使用量・オイル廃棄量を最小に留めることができるなど、効率的なオイルメンテナンスが可能となる。
オイルを補充する際には所定量ずつ補充し、当該所定量の補充毎に、補充したオイル量と補充後の塩基価とを測定するのが好ましい。
つまり、図2では、オイルの補充によって塩基価がB点からC点に回復しているが、このとき、オイル補充量と塩基価の回復率とは比例関係にあるとは限らない。例えば、B点からC点に至る過程で、補充量が半分に達したとき塩基価が (B+C)/2 になるとは限らない。これは、補充された新油は、塩基価を回復させるのであるが、その他に酸化の回復にも寄与するからである。
よって、オイルを補充する際には、例えば定量ずつ補充し、図2に示すごとく、塩基価がD点およびE点となったことを確認しつつ行うのが好ましい。この結果、オイルの補充量と塩基価の回復程度との相関関係を正確に知ることができるから、次回のオイルメンテナンス時に、所期の塩基価に回復させためのオイル補充量を決定することができる。さらには、その先のオイルメンテナンス時に塩基価がオイル交換基準値を下回らない程度に塩基価を回復させておくためのオイル補充量を決定することができるなど、より計画的なオイルメンテナンスが可能となる。
(別実施形態)
上記実施形態のオイルメンテナンス方法では、エンジンを実際に運転して得られる運転時間と塩基価との関係に基づいてオイルメンテナンスの計画を立てるものであった。これに対し、本別実施形態に係る方法では、図3に示すごとく、予め当該エンジンにつき、運転時間とオイル塩基価との代表的な関係を予め基準特性曲線として把握しておく。その上で、実際にエンジンを運転し、前記基準特性曲線と現実の運転データとの差を求めて、オイルメンテナンスの計画を立てるものである。
図3に示したごとく、運転開始時におけるオイル塩基価はA点である。オイル塩基価は、エンジンの運転に伴って曲線的に低下し、時間t1が経過したとき、オイル塩基価は、許容される最低値であるオイル交換基準値まで低下する。通常、オイル塩基価がオイル交換基準値に低下するまで運転を行うことはなく、その手前のメンテナンス時間tmにおいてオイルの交換或いは補充を行う。メンテナンス時間tmの設定は、t1に至る前の何れかの段階であれば、任意に決定することができる。
エンジンの型式が同じであっても、使用環境・運転条件等によってオイル塩基価の低下態様は基準特性曲線とは必ずしも一致しない。そこで、基準特性曲線との差異を認識するために運転開始からt時間が経過したときの塩基価を測定する。この時間は、例えば、図3に示すごとく、当初のオイルメンテナンス時間とされるtmの10%乃至15%程度の時間にするのが望ましい。例えば、1万時間毎のオイルメンテナンスが必要なエンジンであれば、1000乃至1500時間に設定する。この時間を長く設定するほど、塩基価の低下特性の把握が正確になる。しかし、短期間の実運転によって以降の塩基価の低下特性を予測するという本来の趣旨が薄れてしまう。また、設定時間が短か過ぎると、予測の精度が低くなる。
図3に示すごとく、基準特性曲線では、所定時間運転後の塩基価はB1である。これに対し、本実施形態では、実運転の結果得られた塩基価はB2であった。エンジンの運転態様はこの後も同じと考えると、このように、実運転後の塩基価の値が基準特性曲線の値よりも良好な状態は引き続き持続すると考えられる。
塩基価の低下予測は、例えば以下のように行う。まず、前記B1,B2を用い て、塩基価の補正係数 K=B2/B1 を求める。B1,B2の値は、ここでもオイル交換基準値からの値である。この補正係数Kを前述のメンテナンス時間tmに掛け合わせ、新たなメンテナンス時間tm1を得る。そして、基準特性曲線上のM点と同じ塩基価であって、前記新たな運転時間tm1に該当する位置にM1点を設ける。つまり、図3において、基準特性曲線のうちB1以降の領域を、B2からM1に至る直線に置き換えて塩基価の低下傾向を予測する。
エンジン運転時間がtm1となった際には、新たなオイルを規定のオイルレベルまで充填するだけでよい。このとき、上述したごとく、新油を所定量ずつ加えることで、加えたオイルの量と塩基価の回復程度との関係が把握できるため、さらに次のオイルメンテナンス時期を予測することができ、オイル補充量を決定することができる。
このように本発明のオイルメンテナンス方法によれば、運転開始後の所定時間の運転によって、個々のエンジン毎のオイル塩基価の低下予測を行うことができる。この結果、エンジンオーバーホールまでの効率的なオイルメンテナンス計画を立てることができ、さらには、本発明の方法は、オイルメンテナンス時にオイルを補充するだけであるから、オイルの廃棄量が極めて少なく、環境に配慮した方法であるといえる。
(実施例)
本発明のオイルメンテナンス方法による実施例を図4および図5を用いて説明する。図
5には、用いたエンジンの構成を示す。エンジン本体1の下部にはオイルパン2を設けてあり、ここにエンジンオイル6を充填してある。当該オイルパン2は、オイル連通管5によってリザーバタンク3に接続してある。リザーバタンク3には、リザーブオイル7を貯留してあり、オイルパン2とリザーバタンク3とは、両者の圧力を等しくするためのリザーブ通路4で連通してある。当該エンジンへのオイル供給はリザーバタンク3に設けた給油口8を介して行う。
図4には、オイルメンテナンスを既存の方法により行った場合と、本発明の方法で行った場合との、オイル消費量の差を示す。既存の方法の場合には、初期充填量として40リットルの新油を用いる。その後、1回目の補充および2回目の補充に際して新油を各々40リットルずつ用いる。エンジンのオーバーホールまでの運転時間を30000時間として、オイルメンテナンス時間は10000時間に設定した。エンジンの運転に伴うオイル消費量は、2.0cc/時間であった。1回目の補充時および2回目の補充時には、残油が20リットル生じ、これは廃棄処理した。図4から明らかなごとく、既存の方法では、使用した新油の量は120リットルであり、生じた廃油は40リットルであった。
一方、本発明の方法の場合には、オイルの初期充填量は同じく40リットルであるが、1回目の補充および2回目の補充で用いたオイルは夫々20リットルであった。補充に際しては廃棄するオイルは生じなかった。この結果、本発明の方法では、使用した新油の量は80リットルでよく、廃油も生じなかった。
このように本発明のオイルメンテナンス方法によれば、オイル消費量が極めて少なく、かつ、廃油も生じないため、効率的で環境にも配慮したオイルメンテナンスが可能になる。
本発明のオイルメンテナンス方法は、一般のコージェネや自動車に用いるガスエンジンやガソリンエンジン、さらには、ディーゼルエンジン等など各種のエンジンに適用可能であり、オイルメンテナンスの作業効率に優れ、オイルの廃棄量が少なく、合理的なオイルメンテナンス方法として利用可能である。
オイル塩基価およびオイル量の変化を示す図 本発明に係るオイルメンテナンス方法の概念を示す図 別実施形態に係るオイルメンテナンス方法の概念を示す図 実施例におけるオイル使用量を示す図 エンジンの構造を示す模式図
A 使用開始時におけるオイルの塩基価
B 使用開始後、所定時間経過したときのオイルの塩基価
B/A 塩基価の劣化率
C/B 塩基価の回復率

Claims (3)

  1. エンジンへのオイルの補充時期および補充量を決定すべく、
    前記オイルの使用開始時における塩基価Aを測定し、
    前記オイルの使用開始後、所定時間経過したとき前記オイルの塩基価Bを測定するとともに、前記エンジンの内部にオイルを補充し、
    当該補充後の塩基価Cを測定して、塩基価の劣化率B/Aと塩基価の回復率C/Bとを求め、
    前記オイルの劣化率および回復率と、前記オイルの補充量とから、その後のオイルの補充量および補充時期を決定するエンジンのオイルメンテナンス方法。
  2. 前記オイルを補充する際に所定量ずつ補充し、当該所定量の補充毎に、補充したオイル量と補充後の塩基価とを測定して、オイルの補充量に対する塩基価の回復率を求める請求項1に記載のエンジンのオイルメンテナンス方法。
  3. エンジンの運転時間とオイルの塩基価との関係を示す基準特性曲線を求めて、オイルを補充するためのメンテナンス時間を予め設定しておき、
    エンジンの運転開始後、前記メンテナンス時間よりも短い所定時間経過後のオイルの塩基価B2を測定するとともに、
    当該所定時間における前記基準特性曲線上の塩基価B1を求めて、塩基価の補正係数K=B2/B1を求め、
    前記補正係数Kを前記メンテナンス時間に掛け合わせて、当該メンテナンス時間を補正するエンジンのオイルメンテナンス方法。
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