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JP4416274B2 - 遠隔無線起爆システム用アンテナ - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル掘削などにおける発破工法に利用される遠隔無線起爆システム用アンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のトンネル掘削などにおける発破掘削工法は、発破作業として、掘削切羽面の至る所に適正数量削孔された発破孔に、爆薬と起爆のための雷管を装填し、多くは結線作業を行った後、最終的に発破を行うものであった。発破作業の一行程である結線作業については、柔軟な脚線や導火管を接続するために自動化が困難であり、現在においても作業者が人手で行わざるを得ない。結線作業を行う現場の切羽近くは、岩盤崩落や落石等による人身事故の危険性をはらんでおり、安全上の問題が残されている。
【0003】
特に、露出岩石等による不安定な足場、湧水や崩落土砂による脚線・導火管の埋没や手もとの照度不足などの厳しい作業環境において、数10ないし100個以上の雷管を確実に結線するには、多くの労力と時間を要しており、発破作業の合理化が切望されてきた。このようにトンネルや地下空間等の発破作業における切羽近傍への立ち入りは、上記の通り岩盤の崩落や落石等の危険性が高いため出来る限り短時間で完了するか、立ち入りを避けるため一次復工としてロックボルト、支保鋼及び吹付コンクリート等が施された、切羽面から少なくとも2m以上離れた場所から遠隔で装薬や結線作業を行うことが望ましいとされた。
【0004】
そこで、このような要望に応えるものとして、特公昭50―28621に開示されるように電磁誘導の応用により送信コイルと雷管に内蔵された受信コイルと間の電磁誘導で起爆エネルギーを伝送し、送信コイルの発生磁界を消滅させることを起爆指令とした結線作業が不要な無線起爆システムが提案されてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記特公昭50―28621に開示された遠隔起爆技術においては、無線起爆雷管の点火エネルギー蓄積状況を遠隔的に確認して制御する手段がなく、また従来の電気雷管での装薬後の導通チェックに相当する起爆装置の異常検知手段がないなど、単に送信コイルと受信コイルとの電磁誘導で点火エネルギーを伝送する技術だけでは、起爆の信頼性と安全性を確保することができないという問題があった。
【0006】
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、切羽全面に装填された個々の無線起爆雷管の全てと操作機側からの制御信号や無線起爆雷管からの返信信号を送受信する十分な信頼性を有する通信ができ、起爆の信頼性と安全性の向上を図ることができる遠隔無線起爆システム用アンテナを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る遠隔無線起爆システム用アンテナは、遠隔操作により切羽面に装填された無線起爆雷管を起爆させるようにした遠隔無線起爆システムにおいて、該無線起爆雷管に対して送信または受信するためのアンテナを洞床、洞側壁、洞天井等の地盤に固定して設置したことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る遠隔無線起爆システム用アンテナは、請求項1において、地盤に固定して設置された部材に固定したことを特徴とする。地盤に固定して設置された部材とは、地下掘削の支保材として用いられる洞壁に設置されたロックボルトや支保鋼をいう。
請求項3に係る遠隔無線起爆システム用アンテナは、請求項1又は2において、地盤に固定して電気的に接地することを特徴とする。洞壁等の大地に接地することで、岩盤大地を無限に広がる導体板、無限地板として1/4波長モノポールアンテナは、半波長ダイポールアンテナと等価な特性を持つようになる。
【0009】
請求項4に係る遠隔無線起爆システム用アンテナは、請求項1又は2又は3において、切羽近傍に近接設置したことを特徴とする。切羽近傍とは、切羽面から30m以下の近さのことをいい、望ましくは10m以下、更に望ましくは6m以下の近さのことをいう。アンテナの設置作業は、雷管の結線と比較するとはるかに安全且つ容易であり、従って、アンテナの設置位置として0mの位置もあり得る。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の遠隔無線起爆システム用アンテナをトンネル発破において、切羽面に装填された無線起爆雷管からの返信信号を操作機が受信する手段として用いた実施の形態の一例を図を参照して説明する。図1に本発明の実施の形態の一例である遠隔無線起爆システム用アンテナを用いた遠隔無線起爆システムを示す。
図1において、符号1は操作コンソール、送信回路、電力アンプ及び受信回路等(共に図示せず。)の主要回路からなる操作機1であり、この操作機1は、飛石等による破損の心配のない例えば切羽面14から100〜200m程離れ、安全対策が施された点火所等に設置される。電力アンプには電力ケーブル2が接続され、電力ケーブル2の他端は切羽面14の近傍に設置されたループ状の送信コイル3に接続され、操作機1の送信回路からの電流は電力ケーブル2を通じて送信コイル3に供給、切羽面に所定の交流磁界エネルギーを発生する。
【0011】
発破手順に沿った操作指示は、操作機1の送信回路に制御信号として伝達される。送信回路は、制御信号の入力がないときは、一定振幅、一定周波数の交流正弦波信号を発生し、制御信号が入力されたときは、出力する交流正弦波信号の周波位相又は振幅を制御信号に応じて変化させ、送信コイル3が発生する交流磁界が制御信号により変調され、切羽面の全面に装填された無線起爆雷管10の全てに送信される。
【0012】
後述の無線起爆雷管10は、制御信号に応じた返信信号を変調し高周波電流として脚線状アンテナ29から電波を輻射する。その電波は、切羽近傍に設置された本発明の遠隔無線起爆システム用アンテナ4から信号ケーブル5を介して復調回路ボックス6内の復調回路で受信され、復調回路の出力は操作機1内の受信回路へ伝達される。操作機1は、この受信内容を解釈し、次の動作に移る。
尚操作機1からの制御信号を電波を用いて送信する場合にも、本発明の遠隔無線起爆システム用アンテナ4を利用することが可能である。
【0013】
図2に無線起爆雷管10を装薬孔9内に装填した状態を、図3には無線起爆雷管10の回路ブロック図をそれぞれ示す。
無線起爆雷管10は、図2に示すように、岩盤状態によって異なる削孔長数10cm〜3mの最奥位置に装薬設置され、無線起爆雷管10と爆薬11は、従来のトンネル発破掘削工法と同様に、掘削切羽断面の至る所に適正数量削孔された多数の装薬孔9に装填され、各装薬孔9には込物12も同様に装填される。図3に示すように、無線起爆雷管10の受信コイル19と同コイルに挿入される高透磁率物質からなるコア18は、送信コイル3から送信された交流磁界エネルギーを受け、受信コイル19に起電力を発生する。
【0014】
受信コイル19にはコンデンサを含む共振回路20が接続され、受信コイル19に生じる起電力は効率的に電力として取り出される。共振回路20に生じた交流電流は、整流充電回路21中のダイオードにより直流に整流され、同回路内のコンデンサに充電される。このコンデンサに蓄えられた電気工ネルギーによって、全体制御CPU24、復調回路27、変調回路28が駆動される。
【0015】
復調回路27には変調交流信号が入力され、復調回路27は変調交流信号を制御信号に復調して全体制御CPU24に出力する。全体制御CPU24は復調回路27から出力された制御信号を解釈し、点火起爆全体の制御を行い、起爆用充電回路23の電気エネルギーで最終的に電気雷管部26を起爆する。
復調回路27から全体制御CPU24に出力された制御信号が、無線起爆雷管10から所定の信号の返信を要求する内容であった場合、全体制御CPU24は、制御信号に応じた返信内容を変調回路28に出力する。変調回路28は、返信内容によって変調された高周波電流を脚線状アンテナ29に出力し、脚線状アンテナ29から電波を輻射する。
【0016】
無線起爆雷管10から操作機1への送受信手段として、利用する電波は、微弱電波や特定小電力無線局等の電波法施行規則に定められる空中線電力規制値以下に抑え、免許を要しない範囲内で利用することが望ましい。また、切羽全面に装填された無線起爆雷管10のうち特に最下列付近に装填されたものは崩落土砂による埋設や、切羽面からの湧水等で水没した厳しい環境状態において、制御信号や返信信号を無線で送受信するためには、電波の周波数は低く出来る限り波長の長い電波の方が、岩盤による吸収損失は小さくできるが、あまり周波数が小さすぎると、扱いやすい3m程度の長さの無線起爆雷管10の脚線状アンテナ29では電波輻射効率が低下し、かえって好ましくない。周波数帯の選定によっては、操作機1側の半波長ダイポールアンテナでは、数m規模の比較的大規模のアンテナが必要となる。さらに、無線起爆雷管10の受信コイルに生じる電子回路駆動用や電気雷管起爆エネルギー以外の限られた起電力を使って無線電波で通信するためには、高出力の電波も使えない。以上岩盤による吸収損失と脚線状アンテナ29の輻射効率、アンテナ規模及び消費電力を勘案すると、微弱電波での通信が好ましい。電波の周波数は10MHz〜60MHzが好ましく、さらに40MHz〜30MHzがより好ましい。
【0017】
ここで、微弱電波を用いて通信する場合、上記のような厳しい環境とノイズ等の影響を受けやすいため、アンテナは出来る限り切羽面に近接して設置することが必要で、発破の飛石によるアンテナ破損は免れず、半波長ダイポールアンテナやループアンテナ、八木アンテナのようにエレメントの多いものを使い捨てのように利用することは経済的でない。
図6に本発明の遠隔無線起爆システム用アンテナ4の電流分布と指向性を記号的に書いた模式図を示す。
【0018】
半波長ダイポールアンテナのように,高周波源の両端子をアンテナ導体に接続するアンテナは、非接地アンテナと呼ばれているのに対し、本発明の遠隔無線起爆システム用アンテナ4は、フィーダーの先端の片側を洞壁に設置された部材、例えばロックボルト7や支保工13を通して大地に接続するため、接地アンテナと言える。
フィーダーの先端を高周波源におきかえ,記号的に書くと図6のようになり,高周波電力は大地とアンテナ導体との間に加えられ、1/4波長モノポールアンテナが、半波長ダイポールアンテナと等価な特性を持つようにすることが可能である。
【0019】
以上より微弱電波による通信においても、切羽全面に装填された無線起爆雷管10の全てと十分な信頼性を有する通信ができ、しかも、脚線状の比較的安価な1/4波長モノポールアンテナでよいため、切羽面に近接して設置することで飛石等によってアンテナが損傷しても、経済的に問題とならない遠隔無線起爆システム用アンテナ4を提供することが可能である。
次に、本発明の遠隔無線起爆システム用アンテナ4の設置方法について、実際の使用例を通してさらに詳述する。
【0020】
トンネル掘削工法として多く用いられるNATM工法において、図5に示すロックボルト7は、吹付コンクリート17施工後にトンネル掘削断面から放射状にトンネル洞壁面の全周にわたり一定間隔で、モルタルや樹脂等の固着材とベヤリングプレート16とナット15でトンネル内壁に固着される。また、アーチ状の支保工13は、吹付コンクリート17とロックボルト7等とともにトンネルの安定を保つ支保部材の一つであり、想定される作用荷重に耐えるよう建て込みの間隔が決められて施工される。
【0021】
ロックボルト7への本発明の遠隔無線起爆システム用アンテナ4の設置方法は、例えば、図4及び図5に示すように、ロックボルト7のねじ山に合ったナットを有するアンテナ・送信コイル固定用ナット8を頂上付近のロックボルト7にねじ込みぶら下げるように固定する。アンテナは1本のみでなくトンネル両端上方適所に2本以上ぶら下げるように、もしくは横断するように両端上方を渡して横方向に、またはトンネル進行長方向に張ることも可能である。ぶら下げるように固定したアンテナを張るために、単に錘をつり下げる他アンテナの頂部にコイルやコンデンサを挿入したローディングの役割をもつものを錘として利用することも可能である。
【0022】
又ロックボルト7とアンテナ・送信コイル固定用ナット8の電気的接続が不良な場合は、導電性成分を含むグリスや締結剤を塗布する。さらに図4に示すとおり、ケーブル固定用フックを取り付けておけば送信コイル3、及び信号ケーブル5を同時に切羽面14に近接設置することができ、より設置作業効率を向上させることが可能である。
アンテナ4の材質は、アルミニウム、銅、鉄、ニクロム等の金属導体で、電線、より線等のように高周波電流が通電可能なアンテナ4に適した材料で電気雷管の脚線のような比較的安価な電線でもよい。
【0023】
アンテナ4と信号ケーブル5は、信号ケーブル接続端子30で接続され、同軸ケーブル、平行2線式フィーダー、比較的安価なテレビ受信用フィーダー等特性インピーダンスマッチングが可能な材料を用いる。信号ケーブル5は、トンネル洞壁面に近接して固定された送信コイル3の固定フックに沿わせて固定する事で発破の飛石等による破損を良好に防止する効果が得られる。
又遠隔無線起爆システム用アンテナ4と信号ケーブル5のインピーダンスマッチングを必要とする場合は、アンテナ・送信コイル固定用ナット8に調整ボックスを設けて、コイルやコンデンサ等の必要電子部品を内蔵することも可能である。
【0024】
一方支保工13に設置する場合は、良好な電気的接続が確保できるようあらかじめ接続端子を敷設しておくのが望ましい。
【0025】
【発明の効果】
本発明では、遠隔無線起爆システム用アンテナ4を地盤に固定して設置することで、発破の飛石等に対する保護手段を容易に設けることができるので、アンテナや信号ケーブルの損傷を良好に防止することができるという効果が得られる。
また、ロックボルト7や支保工13など、洞壁に通常設けられていることの多い部材を用いて遠隔無線起爆システム用アンテナ4を洞壁面に固定することにより、アンテナ4の地盤への固定敷設作業を容易且つ確実に行うことができるという効果が得られる。
【0026】
更に、本発明の遠隔無線起爆システム用アンテナ4を前記ロックボルト7や支保工13などを通して洞壁の大地に接地することで、岩盤大地を無限に広がる導体板、無限地板として1/4波長モノポールアンテナが、半波長ダイポールアンテナと等価な特性を持ち、電波法の規制に抵触しない微弱電波による通信においても、切羽全面に装填された無線起爆雷管10の全てと十分な信頼性を有する通信ができ、起爆の信頼性及び安全性の向上を図ることができるという効果が得られる。
【0027】
更に、本発明の遠隔無線起爆システム用アンテナ4を切羽面14に近接設置する事によって、微弱電波による通信の信頼性をさらに向上する効果が得られ、更に脚線状の比較的安価な1/4波長モノポールアンテナで良いため発破の飛石等によってアンテナ4が損傷しても経済的に問題とならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例である遠隔無線起爆システム用アンテナ4を用いた遠隔無線起爆システムを説明するための説明図であり、トンネル内壁を斜線部分でカットした概略斜視図である。
【図2】切羽面14に削孔された装薬孔9に無線起爆雷管10と爆薬11を装填した状態を示す断面図である。
【図3】無線起爆雷管10の回路ブロック図である。
【図4】アンテナ・送信コイル固定用ナットの平面図である。
【図5】トンネル内壁に施工されたロックボルト7へアンテナ・送信コイル固定用ナットを取り付けた状態を示す断面図である。
【図6】接地アンテナの電流分布と指向性を記号的に書いた模式図である。
【符号の説明】
1…操作機
2…電力ケーブル
3…送信コイル
4…アンテナ
5…信号ケーブル
6…復調回路ボックス
7…ロックボルト
8…アンテナ・送信コイル固定用ナット
9…装薬孔
10…無線起爆雷管
11…爆薬
12…込物
13…支保工
14…切羽面
15…ナット
16…ベヤリングプレート
17…吹付コンクリート
18…コア
19…受信コイル
20…共振回路
21…整流充電回路
22…定電圧回路
23…起爆用充電回路
24…全体制御CPU
25…スイッチ回路
26…電気雷管部
27…復調回路
28…変調回路
29…脚線状アンテナ
30…信号ケーブル接続端子

Claims (4)

  1. 切羽面に装填された無線起爆雷管が、遠隔位置に配置される操作機により発せられる制御信号により予定された順次動作を開始し、且つ前記操作機よりの制御信号に応じた内容の返信信号を発し、前記操作機が前記返信信号を受信して該受信内容を解釈して次の動作を順次行い、前記無線起爆雷管を起爆させるようにした遠隔無線起爆システムにおいて、
    洞床、洞側壁又は洞天井の地盤に固定して設置され、
    前記操作機から前記無線起爆雷管に対して送付される制御信号を送信し、かつ、
    前記無線起爆雷管から前記操作機に対して送付される返信信号を受信する
    ことを特徴とする遠隔無線起爆システム用アンテナ。
  2. 地盤に固定して設置された部材に固定したことを特徴とする請求項1記載の遠隔無線起爆システム用アンテナ。
  3. 地盤に固定して電気的に接地することを特徴とする請求項1に記載の遠隔無線起爆システム用アンテナ。
  4. 切羽面から0m〜30m以下に近接設置したことを特徴とする請求項1に記載の遠隔無線起爆システム用アンテナ。
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