本開示の一つの実施の形態を図1~10にしたがって説明する。説明中の同じ参照番号は、重複する説明をしないが、同じ機能を有する同じ要素を意味する。無線起爆システム1は、爆薬を爆破させて例えばトンネル、海底、岩石、ビル等の構造物等を掘削または破砕するために用いられる。本実施形態では、図1に示すようにトンネル3の掘削現場を例として説明する。トンネル3は、切羽面4を奥部に有する。切羽面4には、上下方向及び左右方向に所定の間隔を有して複数の装薬孔5が削孔される。装薬孔5は、トンネル3の奥行き方向に直線的に延出する。装薬孔5は、例えば径が数cmかつ深さが数m程度で削孔される。
図1,2に示すように各装薬孔5には、棒状の起爆雷管10と複数の棒状の爆薬2が装填される。起爆雷管10が装薬孔5の奥側に装填される。複数の爆薬2が起爆雷管10よりも手前側に装填される。爆薬2よりも手前の装薬孔5の入口は、粘土等の封止部材6で封止される。爆薬2は、本開示における火薬類の一例である。火薬類は、例えば導爆線または導爆線を短く切断したもの等の火工品であっても良い。
図1に示すように無線起爆システム1は、トンネル3の洞床またはトンネル3の外部に設置される起爆装置70を有する。起爆装置70は、切羽面4から距離L1だけ離れた位置に配置される。距離L1は、例えば100m~1000mに設定される。起爆装置70は、無線信号を受信可能な受信アンテナ75と無線信号を送信可能な送信アンテナ76を有する。起爆装置70は、装薬孔5に起爆雷管10と爆薬2を装填する爆薬装填機30から無線信号を受信できる。また起爆装置70は、装薬孔5内の複数の起爆雷管10のそれぞれに無線信号を送信できる。
図1に示すように起爆雷管10と爆薬2は、例えば車両型の爆薬装填機30を利用して装薬孔5に装填される。爆薬装填機30は、本開示における装填機の一例である。爆薬装填機30には、略円筒形状の筒体31が装着される。筒体31には、起爆雷管10を充電するための充電装置50が装着される。充電装置50は、起爆雷管10を装薬孔5に装填する直前において起爆雷管10に電力を供給する。
図3に示すように起爆雷管10は、略円柱形状の雷管本体11を有する。雷管本体11の外周面の略中央部には、受電コイル12が円環状に巻き回される。受電コイル12の巻き数は、1周以上で例えば10周以上である。受電コイル12は、電磁場に曝されることにより特定の周波数、振幅の電流を発生させる。受電コイル12は、特定の周波数の各種信号を送受信する送受信アンテナを兼ねる。受電コイル12は、特定の周波数、振幅の電流が流れることで各種信号を送信する。受電コイル12は、特定の電磁場に曝されることで特定の周波数、振幅の各種信号を受信する。
図3に示すように起爆雷管10は、雷管本体11の一端面から突出する略円柱形状の雷管点火部13を有する。雷管点火部13は、雷管本体11の長手方向に沿って延出する。雷管点火部13は、爆薬2の1つである親ダイ2aに挿入される。これにより起爆雷管10が親ダイ2aと一体に連結される。
図4に示すように起爆雷管10には、受電コイル12と電気的に接続される同調回路15と整流素子16と充電器(蓄電回路)19が設けられる。同調回路15は、受電コイル12が電力を受信する際に発生した電流の受信周波数に同調する。整流素子16は、同調回路15から入力された電流を直流電流に整流する。充電器19は、例えばコンデンサ等であり、本開示における電池の一例である。充電器19は、整流素子16で整流された電力を蓄える。充電器19に蓄えられた電力は、起爆雷管10の各電子部品を動作させる際や、雷管点火部13を点火する際に用いられる。
図4に示すように起爆雷管10には、受信回路(復調回路)17と送信回路(変調回路)18が設けられる。受信回路17と送信回路18は、それぞれ受電コイル12と制御回路(CPU)14に接続される。受電コイル12が信号を受信する際に電流が発生する。受信回路17は、この電流の変化に基づくアナログ信号をデジタル信号に変換(復調)する。これにより受電コイル12を受信アンテナとして利用できる。送信回路18は、制御回路14から送信されたデジタル信号をアナログ信号に変換(変調)する。受電コイル12には、送信回路18で変調した信号に基づく電流が流れる。これにより受電コイル12を送信アンテナとして利用できる。
図4に示すように起爆雷管10には、制御回路14に接続されたメモリ20が設けられる。メモリ20には、起爆雷管10固有のシリアルナンバーやアルゴリズムが予め記録される。メモリ20には、例えば受信回路17で復調した起爆遅延時間を設定する信号に基づいて起爆遅延時間が記録される。
図4に示すように起爆雷管10には、制御回路14に接続された起爆スイッチ21と抵抗測定回路22が設けられる。起爆スイッチ21は、充電器19と雷管点火部13を電気的に接続した接続状態と切断した遮断状態とに切替える。起爆スイッチ21は、制御回路14からオン信号が出力されない場合、充電器19と雷管点火部13を遮断状態にする。起爆スイッチ21は、制御回路14からオン信号が出力された際に、充電器19と雷管点火部13を接続状態にする。抵抗測定回路22は、雷管点火部13が正常か否かを判断するために、制御回路14からの出力に基づいて雷管点火部13の電気抵抗を測定する。
図2に示すように爆薬装填機30は、車両型の装填機本体30aを有する。装填機本体30aには、保管容器30eと装填装置40が設けられる。保管容器30eには、充電前の起爆雷管10と爆薬2が保管される。装填装置40には、装填ブーム30bが設けられる。装填ブーム30bの先端には、筒体31の入口31a側が装着部50aによって装着される。装着部50aでは、筒体31と装填ブーム30bに設けられた貫通孔にボルトを貫通させ締結させる。これにより筒体31が装填ブーム30bに装着される。筒体31の出口31bは、筒体31の先端に位置する。筒体31は、入口31aから出口31bまで起爆雷管10と爆薬2が貫通可能な内径を有する。
図2に示すように装填装置40は、保管容器30eから爆薬供給路30fを経て筒体31の出口31bまで起爆雷管10と爆薬2を送る装填装置40を有する。爆薬供給路30fは、本開示における供給路の一例である。装填装置40には、装填ブーム30bを動作させる装填ブーム移動装置41と、起爆雷管10と爆薬2を爆薬供給路30fに供給する供給装置43が設けられる。装填ブーム移動装置41を駆動させる装填ブーム駆動機構42は、油圧式モータ、油圧式シリンダ、電動モータ等またはそれらを複合させた機構である。装填ブーム30bは、装填ブーム駆動機構42によって伸縮または傾動する。これにより装填ブーム30bの先端が移動する。
図2に示すように爆薬装填機30には、爆薬供給路30fに沿って起爆雷管10と爆薬2を移動させる移動機構44が設けられる。移動機構44は、供給装置43と充電装置50に跨って設けられる。爆薬供給路30fは、保管容器30eから装填ブーム30bの基部までの経路と、装填ブーム30bの基部から筒体31の入口31aまでの経路と、入口31aから出口31bまでの経路を含む。保管容器30eから入口31aまでの爆薬供給路30fは、ホースまたはパイプで連結される。移動機構44は、空気圧で起爆雷管10と爆薬2を圧送するコンプレッサである。移動機構44は、水圧で圧送するポンプ、押し棒で機械的に押し出す押出し機構、コンベヤ、装填ブーム駆動機構42と協働して起爆雷管10と爆薬2を受け渡す受渡し機構等またはそれらを複合させた機構であっても良い。供給装置43には、起爆雷管10を入口31aの近傍位置で停止させる停止機構45が設けられる。移動機構44は停止機構45を兼ねる。
図3に示すように装填ブーム30b(図2参照)の先端の筒体31には、起爆雷管10の受電コイル12に電力を供給する充電装置50が設けられる。充電装置50は、筒体31の入口31aの近くに設けられた送電コイル51を有する。換言すると送電コイル51は、装填ブーム30bの先端位置に設けられる。筒体31の外周面に沿って周方向に円環状かつヘリカル形状に巻き回される。送電コイル51の巻き数は、30~300周である。送電コイル51の内径D1は、20~50mmである。受電コイル12は、送電コイル51と距離Aの位置で電力を供給される。距離Aは、500mm以内が望ましい。例えば送電コイル51の中心軸C上にと受電コイル12の中心軸を配置させかつ送電コイル51の内側に受電コイル12を配置させる。この際に距離Aは、送電コイル51の端面と受電コイル12の端面の間の距離である。
図3に示すように送電コイル51は、特定の周波数、振幅、波長の電流が流れることで送電コイル51の周囲に電場または磁場を発生させて特定の電磁波を送信する。送電コイル51は、特定の電磁場に曝されることで特定の周波数、振幅の各種信号を受信する。電磁波の周波数は、充電装置50を爆薬装填機30に搭載できるサイズにするために例えば1kHz以上である。さらに土中や岩盤内の透過性が良いように例えば500kHz以下である。好ましくは例えば1kbps以上の通信速度を確保するために10kHz以上である。また、好ましくは一般的な通信機器の使用領域を考慮して例えば300kHz以下である。
図4に示すように充電装置50には、充電装置50の各電気部品からの電気信号の入力に基づいて各電気部品に電気信号を出力する制御回路(CPU)53を具備する制御部52が設けられる。制御回路53は、入力部32と表示部33とに電気的に接続される。制御回路53は、本開示における送信回路の一例である。入力部32は、例えば装填機本体30aに設けられたキーボードやスイッチ、タッチパネル等である。表示部33は、例えば装填機本体30aに設けられたディスプレイや点灯・消灯をするランプ等である。作業者は、表示部33に表示された情報を確認しながら、入力部32を操作する。
図4に示すように制御回路53は、指令に基づいて例えば起爆雷管10に設定されたID番号等の情報を爆薬装填機30に設けられたメモリ36に記録、またはメモリ36の記憶されたデータを読出し、またはメモリ36に記憶されたアルゴリズムに基づいて計算する。充電装置50には、制御回路53に電力を供給する電源54と給電回路55が設けられる。給電回路55は、電源54と送電コイル51に電気的に接続される。制御回路53は、指令に基づいて電源54から給電回路55を介して送電コイル51に電流を出力する。
図4に示すように充電装置50には、送電コイル51と制御回路53とに接続される受信回路56と送信回路57が設けられる。受信回路56は、送電コイル51が受信したアナログ信号をデジタル信号に復調する。送信回路57は、制御回路53から送信されたデジタル信号をアナログ信号に変調する。送信回路57は、例えば起爆遅延時間の設定信号等に係る特定の周波数10k~300kHzでありかつ特定の符号信号を設定した電流を送電コイル51に出力する。これにより送電コイル51を受電コイル12と無線で通信可能な送受信アンテナとして兼用できる。
図2に示すよう爆薬装填機30には、装薬孔5を削孔する削孔装置46が設けられる。削孔装置46は、装填機本体30aに設けられた削孔ブーム30cと、削孔ブーム30cの先端に設けられた削孔ビット30dを有する。削孔装置46は、削孔ブーム30cを動作させる削孔ブーム移動装置47を有する。削孔ブーム移動装置47を駆動させる削孔ブーム駆動機構48は、油圧式モータ、油圧式シリンダ、電動モータ等またはそれらを複合させた機構である。削孔ブーム30cは、削孔ブーム駆動機構48によって伸縮または傾動する。これにより削孔ブーム30cの先端の削孔ビット30dが移動する。削孔ビット30dを駆動させる削孔ビット駆動機構49は、油圧式モータ、電動モータ等またはそれらを複合させた機構である。
図5に示すように爆薬装填機30には、制御装置34が設けられる。制御装置34には爆薬装填機30に搭載された各電気部品からの電気信号の入力に基づいて各電気部品に電気信号を出力する制御回路35が設けられる。制御回路35は、制御装置34に設けられたメモリ36と電気的に接続される。メモリ36は、一回の発破で必要な全ての装薬孔5(図1参照)の位置、深さ、角度等の削孔データが記録される削孔メモリ36aを含む。
図5に示すように爆薬装填機30には、切羽面4(図1参照)から離間して設置された起爆装置70と通信可能な準備信号発信装置60が設けられる。準備信号発信装置60には、送信回路61と送信アンテナ62が設けられる。送信回路61は、制御回路35と送信アンテナ62とに電気的に接続される。送信回路61は、制御回路35から送信されたデジタル信号をアナログ信号に変調する。送信アンテナ62は、送信回路61で変調した信号に基づく電流が流れることにより無線電波を発信する。送信アンテナ62は、土中や岩盤内を透過し難い例えば1M~10GHzの無線電波を送信し、好ましくは100MHz以上の無線電波を送信する。
図5に示すように起爆装置70には、制御回路(CPU)73と入力部71と表示部72が設けられる。制御回路73は、起爆装置70の各電気部品からの電気信号の入力に基づいて各電気部品に電気信号を出力する。入力部71は、例えばキーボードやスイッチ、タッチパネル等を備える。表示部72は、例えばディスプレイや点灯・消灯をするランプ等を備える。作業者は、表示部72に表示された情報を確認しながら、入力部71を操作する。入力部71と表示部72は、それぞれ制御回路73と電気的に接続される。起爆装置70には、制御回路73と電気的に接続されたメモリ74が設けられる。制御回路73は、指令に基づいて例えば起爆雷管10に設定されたID番号と装薬孔情報とを紐づけた情報をメモリ74に記録、またはメモリ74に記憶されたデータを読出し、またはメモリ74に記憶されたアルゴリズムに基づいて計算する。
図5に示すように起爆装置70には、受信アンテナ75と送信アンテナ76が設けられる。受信アンテナ75と制御回路73とに電気的に接続された受信回路77が設けられる。送信アンテナ76と制御回路73とに電気的に接続された送信回路78が設けられる。受信回路77は、受信アンテナ75が受信したアナログ信号をデジタル信号に復調する。送信回路78は、制御回路73から送信されたデジタル信号をアナログ信号に変調する。受信アンテナ75は、例えば1M~10GHzの無線電波を受信する。送信アンテナ76は、受電コイル12と通信可能な周波数帯の無線電波を送信し、例えば10k~300kHzの無線電波を送信する。
図6~10にしたがって無線起爆システム1を利用して切羽面4を爆破して掘削する無線起爆方法のフローを説明する。まず図5に示す削孔メモリ36aは、一回の発破で必要な切羽面4上の全ての装薬孔5(図1参照)の位置、深さ、角度等の削孔データを記録する(図6のステップ(以下、STとする)01)。図1を参照するように切羽面4の近くに位置する爆薬装填機30の削孔装置46が切羽面4に複数の装薬孔5を削孔する(ST02)。削孔する前の準備段階において、爆薬装填機30に対する切羽面4の基準位置が設定される。切羽面4の基準位置は、例えば爆薬装填機30に搭載された3Dスキャナでスキャンした切羽面4の3Dデータに基づいて設定される。あるいは切羽面4の近くに測量用のレーザを設置し、レーザによって切羽面の3次元データを取得することで設定される。各装薬孔5の削孔位置は、切羽面4の基準位置と削孔メモリ36aに記録された削孔データに基づいて設定される。
図2を参照するように削孔ブーム駆動機構48は、削孔ビット30dが所定の削孔位置に移動するように削孔ブーム30cを駆動させる。削孔ビット30dが所定の削孔位置の手前まで移動した後、削孔ブーム駆動機構48と削孔ビット駆動機構49が協働して削孔ブーム30cと削孔ビット30dを駆動させる。削孔メモリ36a(図5参照)に記録された削孔データに基づいた深さと角度で装薬孔5が削孔される。装薬孔5は、例えば径が50mm程度、深さが2m程度に削孔される。削孔装置46は、一つの装薬孔5を削孔した後、装薬孔5から削孔ブーム30cを抜き出して次の装薬孔5を削孔する。爆薬装填機30は、例えば切羽面4の全ての装薬孔5を削孔してから起爆雷管10と爆薬2を装薬孔5に装填する。あるいは切羽面4を複数のエリアに分け、所定のエリアの装薬孔5を削孔した後に、起爆雷管10と爆薬2を装薬孔5に装填する。あるいは装薬孔5の削孔作業と、起爆雷管10と爆薬2の装薬孔5への装填作業を並行して行う。
図2を参照するように供給装置43は、起爆雷管10を保管容器30eから筒体31の入口31aの近傍に位置する充電装置50に移動させる(ST03)。停止機構45は、起爆雷管10を充電装置50の筒体31内で停止させる(ST04)。充電装置50は、起爆雷管10に電力を供給する充電処理を行う(ST05)。充電装置50は、ST05の後に起爆雷管10と無線信号で通信する通信処理を行う。装填ブーム移動装置41は、ST03~ST06と並行して、削孔メモリ36a(図5参照)に記録された削孔データに基づいて装填ブーム30bを装薬孔5に向けて移動させる(ST07)。これにより筒体31の出口31bが装薬孔5に挿入される。
充電処理(ST05)について詳しく説明する。図3,4を参照するように受電コイル12は、送電コイル51の内側に配置される。受電コイル12は、送電コイル51と500mm以内の距離Aの位置に配置される。充電装置50の制御回路53は、入力部32からの入力信号を受けて給電回路55を介して送電コイル51に電流を出力する(図7のST21)。送電コイル51には、1~100Wの入力電力が3~60秒間供給される。送電コイル51は、例えば周波数が10k~300kHzの比較的高周波の磁界を発生させる(ST22)。
図3,4を参照するように起爆雷管10の受電コイル12は、磁界を受信して電流を発生させる(ST23)。同調回路15は、受電コイル12で発生した電流の周波数に同調する(ST24)。整流素子16は、同調回路15から受信した電流を直流電流に整流する(ST25)。充電器19は、直流電流が供給されることで電力を蓄える(ST26)。これにより充電器19に通信と起爆に必要な電力が蓄えられる。なお受電コイル12で電流が発生する前段階では、充電器19の電圧は0Vである。
通信処理(ST06)について詳しく説明する。図3,4を参照するように制御回路53は、入力部32からの信号を受けて起爆雷管10のシリアルナンバーの問い合わせ番号を出力する(図8のST31)。送信回路57が信号を変調し(ST32)、送信アンテナ51が信号を発信する(ST33)。受信アンテナ12が問い合わせ信号を受信し(ST34)、受信回路17が信号を復調する(ST35)。制御回路14は、メモリ20に記録された起爆雷管10の識別信号(シリアルナンバー)を送信回路18に送信する(ST36)。送信回路18が信号を変調する(ST37)。送信アンテナ12は、変調した信号を例えば10k~300kHzの無線電波で送信する(ST38)。
図3,4を参照するように受信アンテナ51が信号を受信する(ST39)。受信回路56が信号を復調し(ST40)、制御回路53に送信する。制御回路53は、起爆雷管10のシリアルナンバーを確認し(ST41)、メモリ36にシリアルナンバーを記録する。制御回路53は、起爆雷管10のシリアルナンバーに紐づけたID番号を設定する。制御回路53は、ID番号と、ID番号に応じた起爆遅延時間の設定信号を送信回路57に送信する(ST42)。送信回路57が信号を変調する(ST43)。送信アンテナ51は、例えば10k~300kHzの無線電波で設定信号を送信する(ST44)。
図3,4を参照するように受信アンテナ12が信号を受信し(ST45)、受信回路17が信号を復調する(ST46)。メモリ20は、制御回路14の指令に基づいてID番号と起爆遅延時間を記録する(ST47)。制御回路14は、ID番号と起爆遅延時間の設定完了の信号を送信回路18に送信する(ST48)。送信回路18が信号を変調し(ST49)、送信アンテナ12に送信する。送信アンテナ12は、変調した信号を例えば10k~300kHzの無線電波で送信する(ST50)。受信アンテナ51が信号を受信し(ST51)、受信回路56が信号を復調し(ST52)、制御回路53に送信する。制御回路53は、起爆雷管10のID番号と起爆遅延時間の設定完了を確認する(ST53)。
図3,4を参照するように制御回路53は、起爆雷管10の健全性(通電性)を確認する導通確認信号を送信回路57に送信する(図9のST54)。送信回路57が信号を変調し(ST55)、送信アンテナ51が信号を発信する(ST56)。受信アンテナ12が信号を受信し(ST57)、受信回路17が信号を復調する(ST58)。抵抗測定回路22は、制御回路14からの出力に基づいて雷管点火部13の電気抵抗を測定する(ST59)。制御回路14は、測定された抵抗値から雷管点火部13の健全性(通電性)の良否を判定する(ST60)。制御回路14は、雷管点火部13の健全性の良否の信号を送信回路18に送信する(ST61)。送信回路18が信号を変調し(ST62)、送信アンテナ12が例えば10k~300kHzの無線電波で信号を送信する(ST63)。
図3,4を参照するように受信アンテナ51が信号を受信し(ST64)、受信回路56が信号を変調する(ST65)。制御回路53は、雷管点火部13の健全性が良好である場合(ST66)、起爆雷管10のシリアルナンバーに紐づけてID番号と起爆遅延時間をメモリ36に記録する(ST67)。表示部33は、ST67の後に起爆雷管10が準備完了した状態であることを表示する(ST68)。制御回路73は、所定の起爆雷管10の雷管点火部13の健全性が良好でない場合(ST66)、表示部72にその起爆雷管10がNG(不良)の起爆雷管であることを表示させる(ST69)。
図2を参照するように起爆雷管10の通信処理(ST06)が終わると、装填装置40が起爆雷管10と複数の爆薬2を装薬孔5に装填する(ST08)。筒体31の出口31bは、装薬孔5の奥壁に対して少なくとも起爆雷管10と親ダイ2aの長を合わせた長さ分だけ手前の位置に配置されている。起爆雷管10と親ダイ2aは、移動機構44の空気圧によって筒体31の入口31a近くから出口31bまで送出される。これにより起爆雷管10と親ダイ2aは、装薬孔5の奥部に装填される。装填装置40は、同様にして増ダイ2bを装薬孔5内の親ダイ2aの手前に装填する。増ダイ2bは、起爆雷管10の充電処理と通信処理と並行して保管容器30eから入口31aの手前まで装填装置40によって移動させても良い。
図2を参照するように増ダイ2bを装填する際には、装填ブーム駆動機構42を駆動させて、増ダイ2bの個数に応じて筒体31を装薬孔5から引き抜く。これにより出口31bが装薬孔5の奥側から手前側に移動する。そのため複数の増ダイ2bを装薬孔5の貫通方向に並べて配置できる。装填装置40は、一つの装薬孔5に起爆雷管10と必要数の爆薬2を装填した後、装薬孔5から筒体31を抜き出して次の装薬孔5に起爆雷管10と爆薬2を装填する。起爆雷管10と爆薬2が装填された装薬孔5の入口は、封止部材6で封止される。装填装置40による装填処理は、必要数の装薬孔5に起爆雷管10と爆薬2を装填するまで繰り返し行われる(図6のST09)。
図5を参照するようにST09の後に準備信号発信装置60の送信アンテナ62は、準備信号を例えば1M~10GHzの無線電波で起爆装置70に発信する(ST11)。準備信号は、所定の起爆雷管10と装薬孔5(図2参照)に関する情報を含む。メモリ36に記録された所定の起爆雷管10のID番号および起爆遅延時間と、削孔メモリ36aに記録されかつ所定の起爆雷管10が装填された装薬孔5の削孔データとを紐づける。これにより所定の起爆雷管10についての準備信号が所定の装薬孔5と紐づけられる。準備信号は、複数の起爆雷管10の情報をまとめて、または1つの起爆雷管10毎に発信される。複数の起爆雷管10の情報をまとめて発信する場合は、例えば切羽面4の全ての装薬孔5に装填される起爆雷管10の情報をまとめて発信する。あるいは、例えば同じ起爆遅延時間が設定された複数の起爆雷管10毎に情報をまとめて発信する。
図1を参照するように切羽面4の全ての装薬孔5に起爆雷管10と爆薬2を装填した後、爆薬装填機30を切羽面4から所定の距離離れた遠隔地に退避させる。作業者は、切羽面4から所定の距離離れた遠隔地に設けられた起爆装置70の入力部71を操作する。これにより起爆雷管10の起爆処理が開始する(ST12)。
図4を参照するように起爆装置70の制御回路73は、入力部71からの信号を受けて起爆信号を送信回路78に送信する(図10のST71)。送信回路78が信号を変調する(ST72)。送信アンテナ76が例えば10k~300kHzの無線電波で起爆信号を発信する(ST73)。受信アンテナ12が信号を受信し(ST74)、受信回路17が信号を復調する(ST75)。制御回路14は、起爆信号を受信した際に内部に具備するタイマ回路を起動させる。タイマ回路はメモリ20に記録された起爆遅延時間をカウントする(ST76)。起爆遅延時間がカウントされた後に制御回路14がオン信号を起爆スイッチ21に出力する(ST77)。起爆スイッチ21がオンして接続状態になる(ST78)。充電器19が起爆スイッチ21を介して雷管点火部13に送電する(ST79)。雷管点火部13が点火して(ST80)、爆薬2(図1参照)が起爆する。
上述した充電装置50は、図2,4に示すように起爆雷管10の受電コイル12に無線で電力を供給する送電コイル51を有する。起爆雷管10に信号を無線で送信する送信アンテナ51が設けられる。起爆雷管10からの識別信号を無線で受信する受信アンテナ51が設けられる。識別信号を送信する制御回路53が設けられる。起爆雷管10に接続された爆薬2と起爆雷管10とを装薬孔5に装填する爆薬装填機30に装着される装着部50aが設けられる。装着部50aが爆薬装填機30に装着されることで充電装置50が一体的に爆薬装填機30に装着される。制御回路53は、識別信号を爆薬装填機30の制御装置34(図5参照)に送信する。これにより制御装置34は、識別信号と装薬孔5に関する装薬孔情報とを紐づけることが可能である。
したがって爆薬2と起爆雷管10を爆薬装填機30で装薬孔5に装填する際、爆薬装填機30に設けられた充電装置50によって起爆雷管10を充電する。そのため起爆雷管10は、装薬孔5に装填される直前に充電されるため、充電から装薬孔5に装填するまでの時間を短くできる。その結果、起爆雷管10の充電器19が自然放電する量が少なくなる。しかも充電装置50は、例えば従来のように装薬孔5が設けられた切羽面4の近傍に設置された送電コイルで装薬孔5に装填された起爆雷管10を充電する場合に比べて起爆雷管10から近い距離で充電できる。そのため充電に必要な電力を抑えることができる。
さらに充電装置50は、起爆雷管10を装薬孔5に装填する前に起爆雷管10と無線で信号を送受信する。したがって起爆雷管10を装薬孔5に装填した後に起爆雷管10と信号を送受信する場合に比べて、近い距離で信号を送受信する。その結果、信号を送受信するための電力も小さくできる。かくして起爆雷管10の充電器19に必要な電力を従来に比べて小さくできる。そして充電装置50から起爆雷管10に送る電力を少なくできる。
しかも充電装置50が起爆雷管10から受信した識別信号は、装薬孔情報と紐づけられる。装薬孔情報は、例えば装薬孔5の位置に関連する情報であるため、所定位置の装薬孔5に所定の起爆雷管10が装填されることを間違い無く紐づけできる。そして例えば装薬孔情報に基づいて起爆雷管10に対して正しい起爆遅延時間を記憶させることができる。
図2に示すように充電装置50は、棒状の起爆雷管10が挿入される入口31aを有する。充電装置50は、入口31aの反対側に位置し、入口31aから挿入された起爆雷管10が直線的に移動することで排出される出口31bを有する。充電装置50は、入口31aと出口31bを備え、かつ送電コイル51が周面に沿って巻き回された筒体31を有する。送電コイル51に電流が流されることで送電コイル51が筒体31内に位置する起爆雷管10の受電コイル12に無線で電力を供給する。
したがって起爆雷管10は、略直線的に筒体31を貫通する。そのため起爆雷管10を充電装置50によって円滑にあるいは連続して充電できる。しかも筒体31の送電コイル51と起爆雷管10の受電コイル12を近接させることができる。これにより受電コイル12は、少ない消費電力または短い充電時間またはその両方によって効率良く電力を送電コイル51から受けることができる。
図2に示すように筒体31は、装着部50aが爆薬装填機30に装着されることで、爆薬装填機30の爆薬供給路30fの途中に配置される。爆薬供給路30fを移動する爆薬2が筒体31を貫通する。したがって爆薬2と起爆雷管10が爆薬供給路30fの途中で停止するまたは爆薬供給路30fを移動する際に起爆雷管10に電力を供給できる。そのため起爆雷管10を装薬孔5に装填する作業と並行して起爆雷管10を効率良く充電できる。
図2に示すように送電コイル51は、装填ブーム30bに設けられる。送電コイル51は、筒体31の内側で停止した爆薬2に接続された起爆雷管10に電力を供給する。したがって起爆雷管10を装薬孔5に装填する準備ができている時点で起爆雷管10に電力が供給される。そのため短い時間で起爆雷管10を充電できかつ起爆雷管10を装薬孔5に装填できる。
図4に示すように送電コイル51は、送信アンテナと受信アンテナを兼ねる。したがって充電装置50を通信装置の部品を共通することでコンパクトにできる。そのため充電装置50を例えば装填ブーム30b(図2参照)または装填機本体30a等の様々な場所に取り付けることができる。
図2,3に示すように送電コイル51は、内径が20~50mmかつ巻き数が30~300周のヘリカル形状である。電源54から送電コイル51に1~100Wの入力電力を3~60秒間供給されることで、受電コイル12に10~300kHzの無線で電力が供給される。これにより受電コイル12に電気的に接続された起爆雷管10の充電器19が充電される。充電装置50には、送電コイル51から受電コイル12に電力を供給する際に受電コイル12と送電コイル51が同軸上でかつ500mm以内の距離になるように起爆雷管10を配置する停止機構45が設けられる。充電装置50は、充電した起爆雷管10を装薬孔5に装填する移動機構44が設けられる。
したがって送電コイル51の巻き数を30~300周と比較的多くすることにより、少ない電流で大きな磁界を発生できる。そのため1~100Wの比較的小さい入力電力と3~60秒間の短い充電時間で起爆雷管10の充電器19に必要な電力を供給できる。さらに送電コイル51の巻き数を30~300周と必要以上に巻き過ぎないことにより、過剰なジュール熱の発生を抑制できる。
しかも受電コイル12と送電コイル51の距離を500mm以内に近づけることにより、送電コイル51で発生する磁界の大きさに対して受電コイル12が受ける電力の割合が大きくなる。そのため送電コイル51から受電コイル12へ効率良く電力を供給できる。また送電コイル51で発生する磁界によって、例えば供給途中の充電中ではない他の起爆雷管10の受電コイル12で誘導電流が発生することを抑制できる。
しかも岩盤透過性が良くかつ一般的な通信機器の使用領域外である300kHz以下の無線で送電コイル51から受電コイル12に電力を供給する。そのため受電コイル12を起爆装置70と無線通信できる送受信アンテナとして兼用できる。さらに10kHz以上の無線で送電コイル51から受電コイル12に電力を供給する。そのため送電コイル51と受電コイル12を互いに無線通信できかつ1kbps以上の通信速度を確保できる送受信アンテナとして兼用できる。
図2に示すように爆薬装填機30は、起爆雷管10と爆薬2とを装薬孔5に装填し、かつ起爆雷管10を充電する充電装置50を具備する。装填機本体30aに移動可能に保持される削孔ブーム30cが設けられる。削孔ブーム30cに対して回転して装薬孔5を形成する削孔ビット30dが設けられる。削孔メモリ36a(図5参照)に記録された削孔データに基づいて削孔ブーム30cの目的位置を決定して削孔ブーム30cを移動させる削孔ブーム移動装置47が設けられる。したがって削孔ブーム30cが削孔作業をしている際中に充電装置50から起爆雷管10に電力を供給できる。そのため削孔作業と充電作業を並行させることができ、作業効率が良くなる。
図2に示すように爆薬装填機30は、削孔メモリ36a(図5参照)に記録された削孔データに基づいて爆薬装填機30に設けられた装填ブーム30bの目的位置を決定して装填ブーム30bを移動させる装填ブーム移動装置41を有する。したがって装填ブーム30bの移動先である所定の装薬孔5と、充電装置50が起爆雷管10から読み取った識別信号を間違い無く対応させることができる。そのため例えば、削孔データに基づいた起爆雷管10の位置に対応して正しい起爆遅延時間を起爆雷管10に記憶させることができる。
図4,5に示すように爆薬装填機30は、起爆雷管10から受信した識別信号と削孔メモリ36aに記録された削孔データとを紐づけして準備信号を得る。各起爆雷管10の準備信号を複数まとめて起爆装置70に発信する準備信号発信装置60が設けられる。したがって起爆装置70は、例えば同じ起爆遅延時間の複数の起爆雷管10についての準備信号をまとめて受け取る。そのため爆薬装填機30から起爆装置70へ無線信号を発信する回数を減らすことが可能になる。さらに、例えば所定の起爆雷管10の起爆遅延時間とその起爆雷管10が装填される装薬孔5の対応関係を起爆装置70側で容易に確認できかつ管理できる。
図2,3に示すように受電コイル12を有する起爆雷管10と、内径が20~50mmかつ巻き数が30~300周のヘリカル形状の送電コイル51を有する充電装置50を準備する。受電コイル12と送電コイル51を同軸上でかつ500mm以内の距離になるように起爆雷管10と充電装置50を配置する。送電コイル51に電源から1~100Wの入力電力を3~60秒間供給することで、送電コイル51が受電コイル12に10~300kHzの無線で電力を供給する。受電コイル12に電気的に接続された起爆雷管10の充電器19を充電する。充電した起爆雷管10を装薬孔5に装填する。
したがって送電コイル51の巻き数を比較的多くすることにより、少ない電流で大きな磁界を発生できる。さらに受電コイル12と送電コイル51の距離を近づけることにより、送電コイル51で発生する磁界の大きさに対して受電コイル12が受ける電力の割合が大きくなる。そのため小電力で送電コイル51から起爆雷管10の充電器19に必要な電力を供給できる。しかも起爆雷管10が装薬孔5に装填される直前に充電されるため、充電から装薬孔5に装填するまでの時間を短くできる。その結果、自然放電が少なくなる。そのため起爆雷管10の充電器19の必要な容量を従来よりも小さくできる。さらに送電コイル51における過剰なジュール熱の発生を抑制できる。
さらに受電コイル12と送電コイル51の距離を近づけることにより、充電中ではない他の起爆雷管10の受電コイル12で誘導電流が発生することを抑制できる。しかも岩盤透過性が良くかつ一般的な通信機器の使用領域外である300kHz以下であり、かつ必要な通信速度を確保できる10kHz以上の無線で送電コイル51から受電コイル12に電力を供給する。そのため送電コイル51と受電コイル12を互いに無線通信できる送受信アンテナとして兼用できる。
本開示の他の実施の形態を図11にしたがって説明する。第2実施形態の無線起爆システム80は、図2に示す無線起爆システム1の爆薬装填機30に代えて図11に示す爆薬装填機81を有する。爆薬装填機81の装填機本体81aには、保管容器81bと装填装置83が設けられる。保管容器81bには、充電前の起爆雷管10と爆薬2が保管される。装填装置83には、装填ブーム30bが設けられる。装填ブーム30bの先端には筒体82が装着される。筒体82は、入口82aが装填ブーム30bの先端位置に位置する姿勢で装着される。筒体82の出口82bは、筒体82の先端に位置する。筒体82は、入口82aから出口82bまで起爆雷管10と爆薬2が貫通可能な内径を有する。
図11に示すように装填装置83は、保管容器81bから爆薬供給路81cを経て筒体82の出口82bまで起爆雷管10と爆薬2を送る装填装置83を有する。爆薬供給路81cは、本開示における供給路の一例である。爆薬供給路81cは、保管容器81bから装填ブーム30bを介して筒体82の入口82aから出口82bまで延出する。装填装置83には、起爆雷管10と爆薬2を爆薬供給路81cに供給する供給装置84が設けられる。供給装置84には、爆薬供給路81cに沿って起爆雷管10と爆薬2を移動させる移動機構85が設けられる。移動機構85は、爆薬供給路81cの途中であって装填ブーム30bの基部に設けられる。移動機構85は、空気圧で起爆雷管10と爆薬2を圧送するコンプレッサである。移動機構85から入口82aまでの爆薬供給路81cは、ホースまたはパイプで連結される。移動機構85は、水圧で圧送するポンプ、押し棒で機械的に押し出す押出し機構等であっても良い。
図11に示すように爆薬供給路81cの途中であって保管容器81bと移動機構85の間には、充電装置87と通信装置88が設けられる。充電装置87は、爆薬供給路81cにおいて通信装置88よりも上流側に配置される。起爆雷管10と爆薬2は、保管容器81bから移動機構85までの爆薬供給路81cにおいて例えばコンベヤ等で移動する。供給装置84には、起爆雷管10を充電装置87で停止させる停止機構86が設けられる。停止機構86は、例えば上述のコンベヤ等である。
図11に示すように充電装置87には、送電コイル89が設けられる。送電コイル89は、送電コイル51(図3参照)と同様に内径が20~50mmの円環状かつスパイラル形状またはヘリカル形状で巻き回される。送電コイル89の巻き数は、30~300周である。充電装置87は、送電コイル89に1~100Wの入力電力で3~60秒間、電力を供給する。送電コイル89は、例えば10k~300kHzの磁界を発生させる。
図11に示すように通信装置88には、受信アンテナ(送信アンテナ)90が設けられる。受信アンテナ90は、送電コイル89と同形状に設けられる。すなわち受信アンテナ90は、内径が20~50mmの円環状かつスパイラル形状またはヘリカル形状で巻き回される。受信アンテナ90の巻き数は、30~300周である。受信アンテナ90は、例えば10k~300kHzの周波数帯でありかつ送電コイル89の周波数と同一または異なる周波数の無線電波を発信する。
本発明の形態を上記構造を参照して説明したが、本発明の目的を逸脱せずに多くの交代、改良、変更が可能であることは当業者であれば明らかである。したがって本発明の形態は、添付された請求項の精神と目的を逸脱しない全ての交代、改良、変更を含み得る。例えば本発明の形態は、前記特別な構造に限定されず、下記のように変更が可能である。
例えば無線起爆システム1,80は、上述するようにトンネル3の掘削作業に使用できる。これに代えて、例えばビル等の構造物の破砕作業や海底の掘削作業に適用しても良い。車両形状の爆薬装填機30を例示した。これに代えて、例えば船形状や多脚形状の装填機であっても良い。
上記実施の形態の充電装置50は、送受信アンテナを兼ねる送電コイル51を有する。これに代えて充電装置50とは別に通信装置を設け、通信装置に送受信アンテナ、または相互に別個である受信アンテナと送信アンテナを設けても良い。起爆雷管10は、送受信アンテナを兼ねる受電コイル12を有する。これに代えて起爆雷管10は、受電コイル12とは別の送受信アンテナ、または受電コイル12とは別でありかつ相互に別個である受信アンテナと送信アンテナを有していても良い。
上記実施の形態の送電コイル51は、筒体31の外周面に沿って周方向に円環状かつヘリカル形状(螺旋形状)に巻き回される。これに代えて送電コイル51は、筒体31の外周面に沿ってスパイラル形状(渦巻き形状)に巻き回されていても良い。断面円形の筒体31を例示した。これに代えて充電装置50は、例えば断面矩形の筒体31を有しても良い。筒体31の外周面に沿って周方向に巻き回された送電コイル51を例示した。これに代えて充電装置50は、例えば筒体31の内周面に沿って周方向に巻き回された送電コイルを有しても良い。あるいは充電装置50は、例えば断面矩形の筒体31の内周側において筒体31の内周面と離間して断面円形状に巻かれた送電コイル51を有しても良い。
上記実施の形態の充電装置50は、起爆雷管10を装薬孔5に装填する直前に起爆雷管10と無線で通信する。これにより起爆雷管10に所定の装薬孔5に対応する所定の起爆遅延時間が設定される。これに代えて充電装置50は、例えば起爆雷管10を装薬孔5に装填した後に起爆雷管10と無線で通信しても良い。これにより作業効率を良くできる場合がある。
上記実施の形態の爆薬装填機30には、1つの充電装置50が設けられる。これに代えて複数の充電装置50を設けても良い。充電装置50を設ける場所は爆薬装填機30に限らず、例えば爆薬装填機30とは別の充電装置50を備えた車両を設けても良い。爆薬装填機30には、1つの装填ブーム30bが設けられている。これに代えて複数の装填ブーム30bが設けられていても良い。複数の装填ブーム30bの全てまたは一部に充電装置50と筒体31が装着されていても良い。また、例えば装填ブーム30bの中間位置や装填機本体30a上に充電装置50と筒体31が装着されていても良い。爆薬装填機30には、1つの削孔ブーム30cが設けられている。これに代えて複数の削孔ブーム30cが設けられていても良い。あるいは爆薬装填機30とは別に削孔ブーム30cを有する削孔機を設けても良い。
上記実施の形態の爆薬装填機30では、装填機本体30aに保管容器30eと移動機構44が搭載され、充電装置(通信装置)50が装填ブーム30bに支持されている。爆薬装填機81では、装填機本体81aに保管容器81b、充電装置87、通信装置88、移動機構85が搭載され、装填ブーム30b上に設けられていない。これに代えて、例えば保管容器、充電装置、通信装置、移動装置の全てを装填ブーム30b上に設けても良い。あるいは、例えば充電装置と通信装置を保管容器と同筐体に設けても良い。
上記実施の形態の爆薬装填機30は、起爆雷管10と爆薬2を同じ筒体31を貫通させて装薬孔5に装填する。これに代えて、例えば起爆雷管10と親ダイ2aを装薬孔5に装填する筒体と、増ダイ2bを装薬孔5に装填する筒体を別個に設けても良い。上記実施の形態の停止機構45は、爆薬装填機30に搭載される。これに代えて停止機構45は、例えば充電装置50や筒体31に内蔵されていても良い。
上記実施の形態の起爆装置70の送信アンテナ76は、装薬孔5に装填された起爆雷管10の受信アンテナ12に無線電波を直接送信する。これに代えて起爆装置70と起爆雷管10の間で無線電波を中継する中継装置を設けても良い。例えば中継装置を1つまたは複数の装薬孔5内に設置しても良い。あるいは中継装置を切羽面4に近接した位置に設置しても良い。中継装置を用いる場合は、起爆装置と中継装置の間の通信に使用する周波数と、中継装置と起爆雷管の通信に使用する周波数を、それぞれの通信に適切な周波数に設定することが可能である。例えば起爆装置と中継装置の間の通信は100MHz~10GHzに設定できる。例えば中継装置と起爆雷管の通信は10kHz~300kHzに設定できる。装薬孔5の削孔作業、起爆雷管10の充電作業および装薬孔5への装填作業等は、作業者が爆薬装填機30に搭乗した状態で切羽面4の近くで実施しても良い。あるいは予め準備されたプログラムに従って爆薬装填機30を自動で動かして実施しても良い。