JP4416864B2 - 粘着テープ用基材フィルム及び粘着テープ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリオレフィンを積層してなる粘着テープ用の基材フィルム、およびこれを支持体に用いた粘着テープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属板の加工時や運搬時の表面の傷を防止するために、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを基材フィルムとし、アクリル系、ゴム系などを主成分とする粘着剤層を有する表面保護フィルムが多用されている。また、これ以外にも包装用テープや、結束用テープなど、ポリオレフィン系フィルムを基材に用いた粘着テープやシート類は幅広く使用されている。
【0003】
一般的にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンのブレンドフィルム等のポリオレフィン系基材フィルムに、アクリル系、天然ゴム系等の粘着剤層を設ける場合、ポリオレフィン自身が水酸基やカルボキシル基の様な極性基を持たないため、粘着剤との静電気的な相互作用が弱く、基材フィルムと粘着剤層の接着力(投錨力)は低い。
【0004】
従って、この低い接着性を改善するため、基材フィルムの片面にコロナ処理やプラズマ処理等の表面処理を施し、その上に粘着剤層を設けるのが一般的である。これは、例えば大気中でコロナ放電処理を行うことで、ポリオレフィン系基材フィルムの表面に、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基等の極性基が形成され、粘着剤層との接着性を向上させるものである。
【0005】
しかしながら、これらの前処理に関しては以下に示す問題点があった。すなわち、例えばコロナ処理の処理強度が弱い場合、基材フィルムと粘着剤層との接着力が十分に得られず、被着体からの剥離時に糊残りが生じてしまう。また、処理強度が強すぎた場合、処理が基材フィルムの所望する表面だけでなく反対側の面でも起こってしまい(いわゆる処理の裏抜け)、基材背面との接着力も向上し、ロール状に加工した際粘着テープの巻き戻しが困難となる。
【0006】
上記問題点は、フィルム厚が薄くなるほど顕著に現れ、厚さ30μm以下のフィルムでは特に問題となっている。すなわち、所望する基材表面に粘着剤との十分な接着力を付与するのに必要なコロナ処理を行った場合、フィルムに厚みがある場合はコロナ処理の裏抜けが起こらないが、フィルムが薄い場合には裏抜けが起こってしまう場合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、コロナ処理の様な煩雑な表面処理を必要としないポリオレフィン系の粘着テープ用基材フィルム、およびこれらを用いた粘着テープを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために種々検討した結果、ポリオレフィン系樹脂にポリオレフィンポリオールをブレンドすることで粘着剤層との接着性を向上させることができることを見出し、これをポリオレフィン系フィルムと積層することで課題を解決するに至った。
【0009】
すなわち、本発明はポリオレフィン系樹脂からなる層を少なくとも二層以上積層してなる粘着テープ用基材フィルムであって、少なくとも表層がポリオレフィンポリオールを含有するポリオレフィン系樹脂層であることを特徴とする粘着テープ用ポリオレフィン系基材フィルム、および該基材フィルムを支持体とし、ポリオレフィンポリオールを含有した表層の表面に粘着剤層を形成したことを特徴とする粘着テープに関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実例を図面にもとづいて説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
図1は、本発明の粘着テープ用基材フィルムの一例を模式的に示す断面図である。また図2は、該粘着テープ用基材フィルムに粘着剤層を設けた粘着テープの一例を模式的に示す断面図である。なお、図示していないが、本発明の粘着テープはロール状に巻かれていてもよい。
【0011】
図1、2において、1はポリオレフィン系樹脂層を示している。本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレンエラストマー、及びこれらをブレンドした物などが好適に用いられる。これらは、それぞれ従来より知られているものを適宜用いる事ができる。
【0012】
また、1は1層に限られるものではなく、その用途、目的に合わせて異なる種類のポリオレフィン系樹脂層を積層することができる。
【0013】
2は、ポリオレフィンポリオールを含有しているポリオレフィン系樹脂層を示している。本発明に用いられるポリオレフィンポリオールとしては、飽和炭化水素骨格としてエチレン、プロピレン、ブテン等のホモポリマーまたはコポリマーを有し、その分子末端に水酸基を有するポリオレフィンであり、重量平均分子量は1000〜10000の物が好適に用いられる。重量平均分子量が10000を超えると、粘着剤層と基材フィルムとの接着性が向上し難く、1000未満ではポリオレフィンポリオール含有層2の機械的強度が低下傾向にあり好ましくない。
【0014】
本発明に用いられるポリオレフィンポリオールは、周知の方法によって製造することができるが、市販品としても容易に入手でき、例えば三菱化学(株)製ヒドロキシ基末端水素添加1,4―ポリブタジエン(商品名ポリテールH)、出光石油化学(株)製ヒドロキシ基末端水素添加ポリオレフィン(商品名エポール)等が好適に用いることができる。
【0015】
2において、ベースとなるポリオレフィン樹脂は、1で使用されたポリオレフィン樹脂と同じ物であっても構わないし、また異なる樹脂を用いることもできる。
【0016】
2において、ポリオレフィンポリオールの配合量は、0.1〜40重量%であり、好ましくは1〜20重量%である。配合量が0.1重量%未満では、粘着剤層と基材フィルムとの接着性が向上し難く、逆に40重量%を超えるとポリオレフィンポリオール含有層2の機械的強度が低下傾向にあり好ましくない。
【0017】
本発明の基材フィルムにおいては、さらに目的に応じて、通常用いられる各種紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、老化防止剤、着色剤(顔料)、スリップ剤等を本発明の主旨に反しない範囲で使用してもよい。
【0018】
本発明において用いられる前記ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィンポリオールおよびその他添加物を混合する方法は、従来より合成樹脂の分野において行われている方法、例えばヘンシェルミキサーのような混合機によるドライブレンドや、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールミル、及びスクリュー式押し出し機等を用いて溶融混練する方法が挙げられる。
【0019】
本発明における、2層以上に積層された基材フィルムの作製方法としては、既存の方法を用いることができ、例えばインフレーション成形やTダイ成形の様な多層共押し出し法により製膜する方法、また別々に製膜して熱ロールにより加熱圧着する方法、アクリル接着剤の様な接着剤を用いて接着層を設けてのラミネート等を挙げる事ができる。
【0020】
また本発明における、2層以上に積層された基材フィルムは、製膜後、通常ポリエチレン、ポリプロピレン等で行われる1軸延伸もしくは2軸延伸を行ってもよい。
【0021】
本発明の粘着テープ用基材フィルムの厚みは、特に限定されるものではなく、その目的、用途に応じて決定されるが、好ましくは5〜200μm、さらに好ましくは10〜100μmである。またポリオレフィンポリオール含有層とそれ以外のポリオレフィン層の厚みも、任意で設定できる。
【0022】
また本発明は、図2に示されるように、上記の基材フィルムのポリオレフィンポリオールを含有した表層2の表面に、粘着剤層3を直接的もしくは間接的に設けてなる粘着テープを提供する。この粘着剤は特に限定されず、一般的に用いられる粘着剤、例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等を適宜使用することができるが、アクリル系粘着剤のような架橋系粘着剤が好適に用いることができる。
【0023】
粘着剤層3の厚さは、通常0.1〜100μm程度が好ましく、さらに好ましくは0.1〜30μm程度であるが、これに限定されるものではない。
【0024】
また本発明において、粘着剤を塗布しない面には実質的にポリオレフィンポリオールは含まないため、粘着剤との接着力の向上はなく、例えば該粘着テープをロール状に巻き上げた場合でも、粘着剤と基材背面が剥離しなくなり巻き戻せなくなるといった問題は生じない。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
実施例1
密度0.923(JIS K-6760参照)、メルトフローレート(MFR)2g/10min(JIS K-6760参照)のポリエチレン(PE)樹脂と、同一の樹脂にポリオレフィンポリオール(三菱化学(株)製 ポリテールH、融点60〜70℃、水酸価37〜53)を10重量%を配合したものを1:1の厚さで2層インフレーション押し出し製膜機において製膜し、厚さ40μmのPEフィルムを得た。このPEフィルムを用いて、ポリオレフィンポリオール含有層側に、ブチルアクリレート(BA)95重量部、アクリル酸(AA)5重量部、トルイレンジイソシアナート(TDI)5重量部からなる粘着剤を塗工乾燥し、厚さ15μmの粘着剤層を設け、巻状の粘着テープを得た。
【0026】
実施例2
密度0.90(JIS K-6758参照)、メルトフローレート(MFR)5g/10min(JIS K-6758参照)のポリプロレン(PP)樹脂と、同一の樹脂にポリオレフィンポリオール(三菱化学(株)製 ポリテールH、融点60〜70℃、水酸価37〜53)を5重量%を配合したものを1:1の厚さで2層Tダイ型押し出し製膜機において製膜し、厚さ30μmのPPフィルムを得た。このPPフィルムを用いて、ポリオレフィンポリオール含有層側に、ブチルアクリレート(BA)95重量部、アクリル酸(AA)5重量部、トルイレンジイソシアナート(TDI)5重量部からなる粘着剤を塗工乾燥し、厚さ5μmの粘着剤層を設け、巻状の粘着テープを得た。
【0027】
比較例1
実施例1で用いたポリエチレン(PE)樹脂をインフレーション押し出し製膜機において製膜し、厚さ40μmのPEフィルムを得た。このPEフィルムの片側に処理強度が54mN/mになるように、コロナ処理を施し、フィルムを得た。このフィルムに実施例1と同一の粘着剤を塗工乾燥し、巻状の粘着テープを得た。
【0028】
比較例2
比較例1において、コロナ処理の強度を35mN/mで行った以外は、全て比較例1と同様にして巻状の粘着テープを得た。
【0029】
比較例3
実施例2で用いたポリプロピレン(PP)樹脂をTダイ型押し出し製膜機において製膜し、厚さ30μmのPPフィルムを得た。このPPフィルムの片側に処理強度が54mN/mになるように、コロナ処理を施し、フィルムを得た。このフィルムに実施例2と同一の粘着剤を塗工乾燥し、巻状の粘着テープを得た。
【0030】
比較例4
比較例3において、コロナ処理の強度を35mN/mで行った以外は、全て比較例1と同様にして巻状の粘着テープを得た。
【0031】
効果の評価
評価試験1(剥離時の糊残りの有無について)
上記実施例および比較例にて得たロール状の粘着テープをステンレス板(SUS430BA)に貼り合わせて、40℃乾燥機にて1週間、1ヶ月貼り合わせ保存を行った。その後テープを剥離し、SUS板上での糊残りの有無を確認した。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
評価試験2(粘着テープの巻き戻し不良について)
上記実施例および比較例にて得たロール状の粘着テープを40℃乾燥機にて1週間、1ヶ月ロール保存を行い、巻き戻し不良の有無を確認した。結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
上記表1の結果より、ポリオレフィンポリオール含有層を設けた実施例1および2は、コロナ処理により接着性を高めた比較例1および3と同等の接着性が得られた。これに対し、比較例2および4では、コロナ処理の強度が弱かったため、十分な接着性が得られず一部糊残りが生じた。
【0036】
上記表2の結果より、ポリオレフィンポリオール含有層を設けた実施例1および2は、巻き戻し不良も発生することはなかった。これに対し、比較例1および3では、コロナ処理の強度が強かったため、コロナ処理が裏抜けしてしまい、一部巻き戻し不良が生じた。
【0037】
【効果】
本発明は、従来ポリオレフィン系樹脂フィルムと粘着剤層の接着性を向上させる一般的な手段であった、コロナ処理やプラズマ処理のような表面処理を用いることなく、粘着テープ用のポリオレフィン系樹脂フィルムを供給することが可能である。特に、表面処理では裏抜けによるテープの巻き戻し不良が発生しやすい薄いフィルムについて、特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粘着テープ用基材フィルムの一例を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の粘着テープ用基材フィルムに粘着剤層を設けた粘着テープの一例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 ポリオレフィン系樹脂層
2 ポリオレフィンポリオール含有ポリオレフィン系樹脂層
3 粘着剤層
Claims (6)
- ポリオレフィン系樹脂からなる層を少なくとも二層以上積層してなる粘着テープ用基材フィルムであって、少なくとも表層がポリオレフィンポリオールを含有するポリオレフィン系樹脂層であることを特徴とする、粘着テープ用ポリオレフィン系基材フィルム。
- 基材フィルムを構成する各ポリオレフィン系樹脂層が、同一のポリオレフィン系樹脂からなる、請求項1記載の基材フィルム。
- 基材フィルムを構成する各ポリオレフィン系樹脂層が、異なったポリオレフィン系樹脂からなる、請求項1記載の基材フィルム。
- 基材フィルムを構成する各ポリオレフィン系樹脂層が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピレンエラストマーのいずれか1種類以上からなる請求項1記載の基材フィルム。
- 請求項1記載のポリオレフィンポリオールの含有量が、該含有層中0.1〜40重量%である粘着テープ用基材フィルム。
- 請求項1記載の基材フィルムを支持体とし、ポリオレフィンポリオールを含有した表層の表面に粘着剤層を形成したことを特徴とする粘着テープ。
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