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JP4418138B2 - ゲル状の高分子電解質、これを採用しているリチウム電池及びこれらの製造方法 - Google Patents
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JP4418138B2 - ゲル状の高分子電解質、これを採用しているリチウム電池及びこれらの製造方法 - Google Patents

ゲル状の高分子電解質、これを採用しているリチウム電池及びこれらの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム電池及びその製造方法に係り、より詳細には電池内の重合反応により形成されたゲル状の高分子電解質、その製造方法及び前記ゲル状の高分子電解質を含んでいるセパレータを利用して高率充放電特性が改善されたリチウム電池とこれを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウム2次電池は電解質として液体電解質や固体電解質、特に高分子電解質が使われる。そのうちでも高分子電解質を採用するリチウム2次電池は電解液漏れにより機器が損傷される心配がなく、電解質自体がセパレータの役割を果たすために電池の小型化を図ることができ、高エネルギー密度であって従来にはない便利な電池として使用可能である。このような長所により携帯用電子機器の駆動電源やメモリーバックアップ電源として注目されている。
【0003】
セパレータとして高分子電解質を採用しているリチウム2次電池に関する具体的な一実施例が米国特許第5,952,126号に開示されている。この特許内容によれば、高分子電解質は、N−イソプロピルアクリルアミドとポリエチレングリコールジメタクリレートの共重合体よりなる高分子マトリックスと電解液より構成され、これをフィルム状にしてカソードとアノード間に介在させる。または前記N−イソプロピルアクリルアミドとポリエチレングリコールジメタクリレートを含有する高分子マトリックス形成用の組成物を電極製造時に付加もする。
【0004】
ところで、このようなリチウム2次電池は製造する過程が複雑で困難であって電解液含有量が少ないので、カソードとアノード間のイオン伝導性が低下してこれにより高率充放電特性などの電池性能が満足できる水準に達せない問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1及び第2の目的は、前記問題点を解決し、電解液含有量が増加して電極間のイオン伝導度が改善され、機械的強度に優れるゲル状の高分子電解質およびその製造方法を提供することである。
【0006】
本発明の第3及び第4の目的は、前記ゲル状の高分子電解質を採用することにより高率充放電特性が改善されたリチウム電池およびその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記第一の目的を達成するために本発明は、化学式1で表示されるポリマ、化学式2で表示される架橋剤及びリチウム塩と非水系有機溶媒よりなる電解液を含む高分子電解質の前駆体を重合して得られてなることを特徴とするゲル状の高分子電解質を提供する。
【0008】
【化9】
Figure 0004418138
【0009】
【化10】
Figure 0004418138
【0010】
前記式において、x、y、xの各比率は、x/(x+y+z)=0.1ないし0.6であり、y/(x+y+z)=0.1ないし0.8であり、z/(x+y+z)=0.1ないし0.8である。Rは炭素数1ないし6のアルキル基であり、nは3ないし11361の数であり、R’はHまたはCH3である。分子内の2つのR’は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0011】
前記第二の目的を達成するために、本発明は、(a−1)化学式1で表示されるポリマ、化学式2で表示される架橋剤及びリチウム塩と非水系有機溶媒よりなる電解液を混合して高分子電解質の前駆体を得る段階と、(b−1)前記高分子電解質の前駆体を重合させる段階とを含むことを特徴とする高分子電解質の製造方法を提供する。
【0012】
【化11】
Figure 0004418138
【0013】
【化12】
Figure 0004418138
【0014】
前記式において、x、y、xの各比率は、x/(x+y+z)=0.1ないし0.6であり、y/(x+y+z)=0.1ないし0.8であり、z/(x+y+z)=0.1ないし0.8である。Rは炭素数1ないし6のアルキル基であり、nは3ないし11361の数であり、R’はHまたはCH3である。分子内の2つのR’は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0015】
本発明の第三の目的を達成するために、本発明は、カソード、アノード及びこれらの間に介在しているセパレータを備えているリチウム電池において、前記セパレータが網目構造を有する絶縁性樹脂シートであって、前記網目構造内に維持されたゲル状の高分子電解質を含み、前記高分子電解質が化学式1で表示されるポリマ、化学式2で表示される架橋剤の共重合体及びリチウム塩と非水系有機溶媒よりなる電解液を含む高分子電解質の前駆体を重合して得られてなるものであることを特徴とするリチウム電池を提供する。
【0016】
【化13】
Figure 0004418138
【0017】
【化14】
Figure 0004418138
【0018】
前記式において、x、y、xの各比率は、x/(x+y+z)=0.1ないし0.6であり、y/(x+y+z)=0.1ないし0.8であり、z/(x+y+z)=0.1ないし0.8である。Rは炭素数1ないし6のアルキル基であり、nは3ないし11361の数であり、R’はHまたはCH3である。分子内の2つのR’は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0019】
本発明の第四の目的は、(a−2)カソードとアノード間に網目構造を有する絶縁性樹脂シートを挿入して電極構造体を形成した後、これを電池ケースに入れる段階と、(b−2)電極構造体が収容された電池ケース内に、化学式1で表示されるポリマ、化学式2で表示される架橋剤及びリチウム塩と非水系有機溶媒よりなる電解液を含む高分子電解質の前駆体を注入して前記網目構造の絶縁性樹脂シート内に高分子電解質の前駆体を含浸させる段階と、(c−2)前記(b−2)段階から得られた結果物を重合してゲル状の高分子電解質を形成する段階とを含むことを特徴とするリチウム電池の製造方法によりなされる。
【0020】
【化15】
Figure 0004418138
【0021】
【化16】
Figure 0004418138
【0022】
前記式において、x、y、xの各比率は、x/(x+y+z)=0.1ないし0.6であり、y/(x+y+z)=0.1ないし0.8であり、z/(x+y+z)=0.1ないし0.8である。Rは炭素数1ないし6のアルキル基であり、nは3ないし11361の数であり、R’はHまたはCH3である。分子内の2つのR’は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0023】
前記化学式1で表示されるポリマの重量平均分子量は5,000ないし2,000,000であり、その含有量は前記高分子電解質の前駆体100質量部について1.98ないし10質量部であることが望ましい。
【0024】
なお、前記化学式1で表示されるポリマの製造方法としては、特に制限されるべきものではなく従来既知の重合法を利用できるものであり、ポリマ形成用モノマーを気化させ、これを触媒存在下で熱重合することにより製造することができるほか、実施例に示すように既に市販のものを用いてもよい。
【0025】
前記化学式2で表示される架橋剤は、その重量平均分子量が258ないし500,000であり、その含有量は前記高分子電解質の前駆体100質量部について0.01ないし50質量部であることが望ましい。
【0026】
前記高分子電解質の前駆体は、架橋剤としてN,N−(1,4−フェニレン)ビスマレイミドをさらに含むものであってもよい。この架橋剤の含有量は、前記高分子電解質の前駆体100質量部について0.01ないし50質量部であることが望ましい。
【0027】
本発明において、前記非水系有機溶媒は、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)およびビニレンカーボネート(VC)よりなる群から選択されてなる少なくとも一種であり、前記リチウム塩は、過塩素酸リチウム(LiClO4)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、三フッ化メタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)およびリチウムビストリフルオロメタンスルホニルアミド(LiN(CF3SO22)よりなる群から選択されてなる少なくとも一種であることが望ましい。
【0028】
また、このような前記リチウム塩と非水系有機溶媒よりなる電解液が、前記高分子電解質の前駆体100質量部について40ないし98質量部含まれることが望ましい。
【0029】
本発明のリチウム電池において、前記絶縁性樹脂シートが、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、またはこれらの調合物よりなり、孔隙率が40ないし80%であり、厚みが10ないし30μmであることが望ましい。
【0030】
前記高分子電解質及びリチウム電池製造時の重合温度は60℃ないし100℃であることが望ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明では、セパレータとしてゲル状の高分子電解質を使用したり、網目構造を有する絶縁性樹脂シートと、前記網目構造内にゲル状の高分子電解質を含む高分子電解質含有シートとを使用する。このように高分子電解質が絶縁性樹脂シートの網目構造内にゲル状で存在するので、電解液漏れが生じないだけでなく純粋固体型電解質を使用した場合と比較してイオン移動の自由度が大きいのでカソードとアノード間のイオン伝導が円滑になる。
【0032】
前記絶縁性樹脂シートは高分子電解質の支持体の役割を果たしつつセパレータの強度を維持する機能を有する。このような役割を果たす具体的な例としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、またはこれらの調合物のシートを使用する。この時、絶縁性樹脂シートの厚みは10ないし30μmであり、孔隙率(porosity)が40ないし80%であることが望ましい。絶縁性樹脂シートの厚みが30μmを超す場合には電池性能が低下し、10μm未満の場合には微細短絡が生じる問題点があり、孔隙率が80%を超す場合には電池の性能が低下し、40%未満の場合にはセパレータの製造が難しい問題点が生じるので望ましくない。
【0033】
前記絶縁性樹脂シート内の網目構造内に含まれた高分子電解質は、電池内に前記化学式1で表示されるポリマと前記化学式2で表示される架橋剤及びリチウム塩と非水系有機溶媒よりなる電解液を含む高分子電解質の前駆体を重合させるか、またはこのような高分子電解質の前駆体に架橋剤としてN,N−(1,4−フェニレン)ビスマレイミドをさらに付加したものを重合して作ったものである。
【0034】
【化17】
Figure 0004418138
【0035】
【化18】
Figure 0004418138
【0036】
前記式において、x、y、xの各比率は、x/(x+y+z)=0.1ないし0.6であり、y/(x+y+z)=0.1ないし0.8であり、z/(x+y+z)=0.1ないし0.8である。Rは炭素数1ないし6のアルキル基であり、nは3ないし11361の数であり、R’はHまたはCH3である。分子内の2つのR’は同一であってもよいし、異なっていてもよい。ここで、x/(x+y+z)が0.1未満の場合には電池性能が低下し、0.6を超える場合には架橋し難くなって好ましくない。また、y/(x+y+z)が0.1未満の場合および0.8を超える場合には電池性能が低下するため好ましくない。さらに、z/(x+y+z)が0.1未満の場合には架橋し難く、0.8を超える場合には電池性能が低下するので好ましくない。Rの炭素数が7以上のアルキル基の場合には、イオン伝導度特性が低下するので好ましくない。nが3未満の場合にはイオン伝導度特性が低下し、11361を超える場合には架橋重合反応性が低下するので好ましくない。R’が炭素数2以上のアルキル基の場合には、イオン伝導度特性が低下するので好ましくない。
【0037】
前記化学式1において、Rの具体的な例としては、メチル基、エチル基などがあり、化学式2の架橋剤の具体的な例としては、ポリ(n=3ないし11361)エチレングリコールジメタクリレートまたはポリ(n=3ないし11361)エチレングリコールジアクリレートがある。
【0038】
前記高分子電解質の前駆体の重合温度は60ないし100℃であることが望ましい。この時、重合温度範囲が100℃を超えれば電解液が蒸発し、60℃未満ならば化学式1のポリマと化学式2の架橋剤間の架橋反応が進まない問題点があって望ましくない。
【0039】
以下、本発明によるゲル状の高分子電解質を利用してリチウム電池を製造する方法を説明する。
【0040】
まず、リチウム電池製造時に使われる通常の方法によりカソードとアノードとを各々製造する。この時、カソード活物質としてはリチウム複合酸化物、硫黄化合物などを使用し、アノード活物質としてはリチウム金属、炭素材、黒鉛材などを使用する。
【0041】
前記過程により得られたカソードとアノード間に網目構造を有する絶縁性樹脂シートを挿入した後、これをワインディングしたりスタッキングしたりして電極構造体(ないし電極組立体)を形成する。
【0042】
その後、このように形成された電極構造体を電池ケースに収納する。次いで、電極構造体が収容された電池ケース内に高分子電解質の前駆体を注入して前記網目構造の絶縁性樹脂シート内に高分子電解質の前駆体を含浸させる。ここで高分子電解質の前駆体の注入過程は減圧条件下で進めるのが有利である。
【0043】
前記高分子電解質の前駆体は、化学式1で表示されるポリマ、前記化学式2で表示される架橋剤及びリチウム塩と有機溶媒よりなる電解液とを混合して製造される。この他にも前記高分子電解質の前駆体には重合開始剤および重合触媒を付加して化学式1のポリマと化学式2の架橋剤間の重合反応を促進させることができる。
【0044】
前記重合開始剤の具体的な例としては、熱重合開始剤であるアゾイソブチロニトリル(AIBN)などを利用し、この含有量は化学式1のポリマ100質量部について0.01ないし5質量部を使用する。そして前記重合触媒の具体的な例としては、ベンゾイルパーオキシドを利用し、この含有量は化学式1のポリマ100質量部について0.01ないし10質量部を使用する。前記熱重合開始剤の含有量が化学式1のポリマ100質量部について0.01質量部未満の場合には重合反応が起こり難く、5質量部を超える場合には電池性能が低下して好ましくない。また、前記重合触媒の含有量が化学式1のポリマ100質量部について0.01質量部未満の場合には重合反応の反応性が低下し、10質量部を超える場合には電池性能が低下するので好ましくない。
【0045】
前記化学式1で表示されるポリマは、その重量平均分子量が5,000ないし2,000,000であり、その含有量は前記高分子電解質の前駆体100質量部について1.98ないし10質量部であることが望ましい。化学式1で表示されるポリマの質量平均分子量が5,000未満の場合にはゲルの形成が困難であり、2,000,000を超える場合には電池性能が低下して好ましくない。また、化学式1で表示されるポリマの含有量が前記高分子電解質の前駆体100質量部について1.98質量部未満の場合には、ゲルの形成が困難であり、10質量部を超える場合には電池性能が低下するので好ましくない。
【0046】
また、前記化学式2で表示される架橋剤は、その重量平均分子量が258ないし500,000であり、その含有量は前記高分子電解質の前駆体100質量部について0.01ないし50質量部であることが望ましい。化学式2で表示される架橋剤の重量平均分子量が258未満の場合には架橋反応自体が起こり難く、500,000を超える場合には電池性能が低下するので好ましくない。また、化学式2で表示される架橋剤の含有量が前記高分子電解質の前駆体100質量部について0.01質量部未満の場合には架橋反応自体が起こり難く、50質量部を超える場合には電池性能が低下するので好ましくない。
【0047】
前記化学式1のポリマと化学式2の架橋剤での重量平均分子量と含有量とは高分子電解質の前駆体の粘性と重合反応後の電池性能を考慮して選択されたものである。
【0048】
そして、前記非水系有機溶媒は、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートおよびビニレンカーボネートよりなる群から選択されてなる少なくとも一種であり、前記リチウム塩は、過塩素酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、六フッ化リン酸リチウム、三フッ化メタンスルホン酸リチウムおよびリチウムビストリフルオロメタンスルホニルアミドよりなる群から選択されてなる少なくとも一種であることが望ましく、このような前記リチウム塩と非水系有機溶媒よりなる電解液が前記高分子電解質の前駆体100質量部について40ないし98質量部含まれることが望ましい。ここで、電解液の含有量が98質量部を超すようになれば重合反応が起きず、40質量部未満の場合には電池性能が低下する問題点が生じる。
【0049】
前述したように、高分子電解質の前駆体は、高分子電解質含有シートの機械的強度を高めるために、架橋剤としてN,N−(1,4−フェニレン)ビスマレイミドをさらに含むことが望ましく、その含有量は前記高分子電解質の前駆体100質量部について0.01ないし50質量部含まれることが望ましい。ここで、N,N−(1,4−フェニレン)ビスマレイミドの含有量が前記高分子電解質の前駆体100質量部について0.01質量部未満の場合には架橋反応の反応性が低下し、50質量部を超える場合には電池性能が低下するので好ましくない。
【0050】
その後、高分子電解質の前駆体が含浸された網目構造の絶縁性樹脂シートが収容された電池ケースを加熱する。この時、加熱温度の範囲は化学式1のポリマと化学式2の架橋剤の種類により少しずつ変わるが、60ないし100℃の範囲でなされる。この時、加熱温度の範囲が100℃を超せば電解液が蒸発し、60℃未満ならば重合反応が進まない問題点があって望ましくない。
【0051】
前述したような加熱過程を経れば、高分子電解質の前駆体内の化学式1のポリマと化学式2の架橋剤とが重合されてゲル状の高分子電解質が形成され、高分子電解質含有シートが完成する。
【0052】
本発明のリチウム電池は、その形が特別に制限されず、リチウム一次電池、リチウム二次電池としてそれぞれ適用し得るものである。
【0053】
【実施例】
以下、本発明を下記実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明が下記実施例にだけ限定されるのではない。
【0054】
実施例1
LiCoO2の94質量部、スーパーP(3M社製、組成成分はアセチレンブラックであり、その役割は導電剤である。)の3質量部及びポリビニリデンフルオライド(PVDF)の3質量部をN−メチル−2−ピロリドンの80質量部に溶解してカソード活物質スラリを製造した。このカソード活物質スラリを幅が4.9cm、厚みが147μmであるアルミホイルに塗布し、これを乾燥及び圧延した後で所定の大きさに切断してカソードを製造した。
【0055】
メゾカーボンファイバ(mezophase carbon fiber,MCF:Petoca Ltd.,Japan)89.8質量部、オキサル酸0.2質量部、PVDF10質量部をN−メチル−2−ピロリドン120質量部に溶解してアノード活物質スラリを製造した。このアノード活物質スラリを幅5.1cm、厚みが178μmの銅ホイル上に塗布した後、これを乾燥及び圧延して所定の大きさに切断してアノードを製造した。
【0056】
前記過程により製造されたカソードとアノード間に、幅が5.35cm、厚みが18μm、孔隙率が60%のポリエチレンセパレータ(朝日化学工業株式会社(Asahi Chemical Industry Co.,Ltd.)製、商品名:H6022)を配し、これをワインディングして電極構造体を作った。この電極構造体を電池ケースに入れた後、これを減圧した後で下記過程により得られた高分子電解質の前駆体5.6gを注入した。
【0057】
高分子電解質の前駆体は、化学式1で表示されるポリマ(式中、x/(x+y+z)=0.3、y/(x+y+z)=0.4、z/(x+y+z)=0.1〜0.3、Rはメチル基である。また、化学式1で表示されるポリマの重量平均分子量は1,000,000である。ダイソー株式会社(Daiso Co.,Ltd.)製)3gを宇部興産株式会社(Ube Industries,Ltd.)製の電解液(1.15M LiPF6、EC:DMC:DEC=3:3:4質量比)97gに添加して溶かした後、化学式2で表示される架橋剤としてポリ(n=4)エチレングリコールジメタクリレート(重量平均分子量:330)1gを添加して混合した後、前記混合物にAIBN 0.5gを添加して均一に混合することにより製造した。
【0058】
その後、前記結果物(=電極構造体を収容した電池ケースに高分子電解質の前駆体を注入したもの)を70℃の恒温槽に2時間浸して加熱し、前記高分子電解質の前駆体を利用した熱重合反応を施すことにより、厚みが18μmの高分子電解質含有シート及びリチウム2次電池を完成した。
【0059】
実施例2
高分子電解質の前駆体製造時、宇部興産株式会社製の電解液(1.15M LiPF6、EC:DMC:DEC=3:3:4質量比)の含有量が91gであり、ポリエチレングリコールジメタクリレートの含有量が6gであることを除いては、実施例1と同じ方法により実施してリチウム2次電池を完成した。
【0060】
実施例3
高分子電解質の前駆体に、架橋剤としてN,N−(1,4−フェニレン)ビスマレイミド0.1gをさらに添加したことを除いては、実施例1と同じ方法により実施してリチウム2次電池を完成した。
【0061】
実施例4
カソードとアノード間に、幅が5.35cm、厚みが18μmで孔隙率が60%のポリエチレンセパレータ(朝日化学工業株式会社製)を配し、これをスタッキングして電極構造体を作ったことを除いては、実施例1と同じ方法により実施してリチウム2次電池を完成した。
【0062】
実施例5
化学式1で表示されるポリマ(式中、x/(x+y+z)=0.3、y/(x+y+z)=0.4、z/(x+y+z)=0.1〜0.3であり、Rはメチル基である。また、化学式1で表示されるポリマの重量平均分子量は1,000,000である。)(ダイソー株式会社製)3gを宇部興産株式会社製の電解液(1.15M LiPF6、EC:DMC:DEC=3:3:4質量比)97gに添加して溶かした後でポリ(n=4)エチレングリコールジメタクリレート(重量平均分子量:330)1gを添加して混合した後、前記混合物にAIBN0.5gを添加して均一に混合して高分子電解質の前駆体を製造した。この高分子電解質の前駆体をポリエチレンテレフタレート(PET)製の支持フィルム上にキャスティング及び乾燥した後、これを70℃に加熱した。次いで、前記結果物を支持フィルムから剥離してゲル状の高分子電解質を完成した。
【0063】
実施例6
高分子電解質の前駆体製造時に宇部興産株式会社製の電解液(1.15M LiPF6、EC:DMC:DEC=3:3:4質量比)の含有量が91gで、ポリエチレングリコールジメタクリレートの含有量が6gであることを除いては、実施例5と同じ方法により実施してゲル状の高分子電解質を完成した。
【0064】
実施例7
高分子電解質の前駆体に、架橋剤としてN,N−(1,4−フェニレン)ビスマレイミド0.1gをさらに添加したことを除いては、実施例5と同じ方法により実施してゲル状の高分子電解質を完成した。
【0065】
前記実施例5ないし7により製造されたゲル状の高分子電解質のイオン伝導度と機械的強度とを測定した。
【0066】
測定の結果、実施例5ないし7の高分子電解質のイオン伝導度が0.0001ないし0.001S/cmと優れており、機械的強度にも優れて取扱いが容易であるということが分かった。
【0067】
一方、前記実施例1ないし4により製造されたリチウム2次電池について標準充放電グラフを図1に示し、特に図2には実施例1により製造されたリチウム2次電池の負荷特性(Cレート)に関する充放電特性を示した。ここで充放電条件は次の通りである。
【0068】
CCCV方式により、まず定電流(constant current=CC)(O.2C)方式として4.2Vまで充電して、その後は定電圧(constant voltage=CV)(4.2V)での充電に切り替えて2.5時間維持(充電)した。その後、図1の実施例1〜4の各電池ではいずれも2Cレートで、図2の実施例1の電池では0.5C、1C、2Cレートで、それぞれ放電して2.75Vにおいてカットオフした。なお、これらの充放電時の温度は、いずれも常温(25℃)とした。
【0069】
図1を参照すれば、実施例1ないし4により製造されたリチウム2次電池の充放電特性が良好であるということを確認できた。そして、図2を参照すれば、実施例1のリチウム2次電池は1C及び0.5C放電容量が優秀であり、特に2Cのような高率放電(大電流放電)条件下でも放電容量特性が良好であるように維持されるということを確認できた。
【0070】
【発明の効果】
本発明のリチウム電池は、セパレータとして電子絶縁性を確保できる絶縁性樹脂シートの網目構造内に化学式1で表示されるポリマと化学式2の架橋剤とを架橋させ形成されるゲル状の高分子電解質が存在する高分子電解質含有シートを利用して電極と電解質界面間の抵抗が減り電極間のイオン伝導が円滑になされることにより高率の充放電特性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1ないし4のリチウム2次電池に関する標準充放電グラフである。
【図2】 本発明の実施例1のリチウム2次電池についての負荷特性(Cレート)に関する放電性能を表したグラフである。

Claims (19)

  1. 化学式1で表示されるポリマ、化学式2で表示される架橋剤、およびリチウム塩と非水系有機溶媒よりなる電解液、を含む高分子電解質の前駆体を重合して得られてなることを特徴とするゲル状の高分子電解質。
    Figure 0004418138
    Figure 0004418138
    前記式において、x、y、xの各比率は、x/(x+y+z)=0.1ないし0.6であり、y/(x+y+z)=0.1ないし0.8であり、z/(x+y+z)=0.3ないし0.8である。Rは炭素数1ないし6のアルキル基であり、nは3ないし11361の数であり、R’はHまたはCHである。分子内の2つのR’は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
  2. 前記化学式1で表示されるポリマの重量平均分子量が、5,000ないし2,000,000であり、その含有量は前記高分子電解質の前駆体100質量部について1.98ないし10質量部であることを特徴とする請求項1に記載のゲル状の高分子電解質。
  3. 前記化学式2で表示される架橋剤の重量平均分子量が258ないし500,000であり、その含有量は前記高分子電解質の前駆体100質量部について0.01ないし50質量部であることを特徴とする請求項1または2に記載のゲル状の高分子電解質。
  4. 前記高分子電解質の前駆体が、架橋剤としてN,N−(1,4−フェニレン)ビスマレイミドを高分子電解質の前駆体100質量部について0.01ないし50質量部さらに含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のゲル状の高分子電解質。
  5. 前記非水系有機溶媒は、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートおよびビニレンカーボネートよりなる群から選択されてなる少なくとも一種であり、前記リチウム塩は、過塩素酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、六フッ化リン酸リチウム、三フッ化メタンスルホン酸リチウムおよびリチウムビストリフルオロメタンスルホニルアミドよりなる群から選択されてなる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載のゲル状の高分子電解質。
  6. 前記電解液が前記高分子電解質の前駆体100質量部について40ないし98質量部含まれることを特徴とする請求項1に記載のゲル状の高分子電解質。
  7. (a−1)化学式1で表示される反復単位を有するポリマ、化学式2で表示される架橋剤及びリチウム塩と非水系有機溶媒よりなる電解液を混合して高分子電解質の前駆体を得る段階と、(b−1)前記高分子電解質の前駆体を重合させる段階とを含むことを特徴とするゲル状の高分子電解質の製造方法。
    Figure 0004418138
    Figure 0004418138
    前記式において、x、y、xの各比率は、x/(x+y+z)=0.1ないし0.6であり、y/(x+y+z)=0.1ないし0.8であり、z/(x+y+z)=0.3ないし0.8である。Rは炭素数1ないし6のアルキル基であり、nは3ないし11361の数であり、R’はHまたはCHである。分子内の2つのR’は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
  8. 前記高分子電解質の前駆体が、架橋剤としてN,N−(1,4−フェニレン)ビスマレイミドを高分子電解質の前駆体100質量部について0.01ないし50質量部を含むことを特徴とする請求項7に記載の高分子電解質の製造方法。
  9. 前記(b−1)段階の重合が60℃ないし100℃において行われることを特徴とする請求項7に記載の高分子電解質の製造方法。
  10. カソード、アノード及びこれらの間に介在しているセパレータを備えているリチウム電池において、前記セパレータが網目構造を有する絶縁性樹脂シートであり、前記網目構造内に維持されたゲル状の高分子電解質を含み、前記ゲル状の高分子電解質が化学式1で表示されるポリマ、化学式2で表示される架橋剤、およびリチウム塩と非水系有機溶媒よりなる電解液、を含む高分子電解質の前駆体を重合して得られたものであることを特徴とするリチウム電池。
    Figure 0004418138
    Figure 0004418138
    前記式において、x、y、xの各比率は、x/(x+y+z)=0.1ないし0.6であり、y/(x+y+z)=0.1ないし0.8であり、z/(x+y+z)=0.3ないし0.8である。Rは炭素数1ないし6のアルキル基であり、nは3ないし11361の数であり、R’はHまたはCHである。分子内の2つのR’は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
  11. 前記化学式1で表示されるポリマの重量平均分子量が5,000ないし2,000,000であり、その含有量は前記高分子電解質の前駆体100質量部について1.98ないし10質量部であることを特徴とする請求項10に記載のリチウム電池。
  12. 前記化学式2で表示される架橋剤の重量平均分子量が258ないし500,000であり、その含有量は前記高分子電解質の前駆体100質量部について0.01ないし50質量部であることを特徴とする請求項10に記載のリチウム電池。
  13. 前記高分子電解質の前駆体が、架橋剤としてN,N−(1,4−フェニレン)ビスマレイミドを高分子電解質の前駆体100質量部について0.01ないし50質量部さらに含むことを特徴とする請求項10に記載のリチウム電池。
  14. 前記非水系有機溶媒は、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートおよびビニレンカーボネートよりなる群から選択されてなる少なくとも一種であり、前記リチウム塩は、過塩素酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、六フッ化リン酸リチウム、三フッ化メタンスルホン酸リチウムおよびリチウムビストリフルオロメタンスルホニルアミドよりなる群から選択されてなる少なくとも一種であることを特徴とする請求項10に記載のリチウム電池。
  15. 前記電解液が前記高分子電解質の前駆体100質量部について40ないし98質量部であることを特徴とする請求項10に記載のリチウム電池。
  16. 前記絶縁性樹脂シートが、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、あるいはこれらの調合物よりなり、孔隙率が40ないし80%であり、厚みが10ないし30μmであることを特徴とする請求項10に記載のリチウム電池。
  17. (a−2)カソードとアノード間に網目構造を有する絶縁性樹脂シートを挿入して電極構造体を形成した後、これを電池ケースに入れる段階と、(b−2)電極構造体が収容された電池ケース内に、化学式1で表示されるポリマ、化学式2で表示される架橋剤及びリチウム塩と非水系有機溶媒よりなる電解液を含む高分子電解質の前駆体を注入して前記網目構造の絶縁性樹脂シート内に高分子電解質の前駆体を含浸させる段階と、(c−2)前記(b−2)段階から得られた結果物を重合してゲル状の高分子電解質を形成する段階とを含むことを特徴とするリチウム電池の製造方法。
    Figure 0004418138
    Figure 0004418138
    前記式において、x、y、xの各比率は、x/(x+y+z)=0.1ないし0.6であり、y/(x+y+z)=0.1ないし0.8であり、z/(x+y+z)=0.3ないし0.8である。Rは炭素数1ないし6のアルキル基であり、nは3ないし11361の数であり、R’はHまたはCHである。分子内の2つのR’は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
  18. 前記高分子電解質の前駆体が、架橋剤としてN,N−(1,4−フェニレン)ビスマレイミドを高分子電解質の前駆体100質量部について0.01ないし50質量部含むことを特徴とする請求項17に記載のリチウム電池の製造方法。
  19. 前記前記(c−2)段階の重合が60℃ないし100℃において行われることを特徴とする請求項17に記載のリチウム電池の製造方法。
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