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JP4431908B2 - スパッタリングカソード及びスパッタリング装置 - Google Patents
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JP4431908B2 - スパッタリングカソード及びスパッタリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上にスパッタ法により薄膜を形成するスパッタリング装置に係り、特にターゲットを機能させるスパッタリングカソードの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
スパッタリング装置におけるスパッタリングカソードは、ターゲット上に略平行な磁場成分を形成し、電界と磁界をほぼ直交させるマグネトロン・スパッタ法に不可欠な要素である。ターゲット裏面側に永久磁石が設置されているが、その磁石はターゲット面に対して垂直の方向に磁化されるようになっている。
【0003】
このような磁石の配置構成では、ターゲット面に平行になる磁力線の領域が狭く、安定した放電、さらには基板上への成膜速度に限界があった。また、ターゲット面に平行になる磁力線の領域が狭いと、結局、エロージョン(ターゲット侵食)領域が狭くなってしまう。従って、ターゲットの使用効率が低くなり、製造コストが高くなってしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のスパッタリングカソードにおいて、ターゲット面に平行になる磁力線の領域を広げるためには、より大型の磁石を配備してかつ内外周の磁石の間隔を広げる構成にすればよい。
【0005】
しかし、上記構成の要求に従うとカソードは大型化してしまい、スパッタリング装置のコスト高を招く。また、カソード重量も増大するので、メンテナンス性も悪くなり、好ましくない。
【0006】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、その課題は、カソードの大型化をせずに、ターゲット面に平行になる磁力線の領域が広く確保でき、ターゲットの利用効率を向上させ、高効率に大面積の領域に高い均一性をもって高速に成膜できるスパッタリングカソード及びスパッタリング装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、ターゲットに向って磁極端部表面を対向させるように配設された円筒形状の外周磁石と、この外周磁石の内側にターゲットに向って磁極端部表面を対向させるように配設された円柱形状の内周磁石とを有する、構成を基本構成として特定する。
【0008】
これに加えて、請求項1について、
(a)内周磁石は、柱状の1つの磁石でなり、磁極端部表面が外周磁石からみて中央に向って内側に行くに従って、ターゲットから離れて行くように傾斜しており、
(b)外周磁石は、外側の円周位置に配置された複数の磁石でなり、磁極端部表面が内周磁石からみて外側に行くに従って、ターゲットから離れて行くように傾斜している
点を特定する。
【0009】
また、請求項2について、
(a)内周磁石が、上記第2の特徴点の(a)と同じ構成を有し、
(b)外周磁石は、上記第2の特徴点の(b)が「複数の磁石」で構成されているのに対して、「1つのリング状の磁石」で構成されている点が相違する
点を特定する。
【0010】
さらに請求項3について、
(a)内周磁石は、内側の円周位置に複数の丸型の磁石を積み重ねてなる第3の部分と、その外側の円周位置に複数の丸型の磁石を積み重ねてなる第4の部分とを有し、内側の第3の部分の磁極端部表面のターゲット表面との間の距離が外側の第4の部分より大きい構成を有し、
(b)外周磁石は、内側の円周位置に複数の丸型の磁石を積み重ねてなる第1の部分と、外側の円周位置に複数の丸型の磁石を積み重ねてなる第2の部分とを有し、外側の第2の部分の磁極端部表面のターゲット表面との間の距離が内側の第1の部分より大きい
点を特定する。
【0011】
さらに、請求項4について、
(a)内周磁石が、上記第4の特徴点の(a)が「複数の丸型の磁石を積み重ねた」構成を有することに代えて、「内側及び外側の内周位置に複数の磁石を配設した」構成とし、
(b)外周磁石は、上記第4の特徴点の(b)と同じ構成を有する
点を特定する。
【0013】
本発明によれば、円柱形状の内周磁石の外側の円周位置に円筒形状の外周磁石を設けると共に、内周磁石においてターゲットを通る磁力線を、内側に広げるように内側に傾斜する面又は段差を形成する磁極端部表面を設けると共に、外周磁石において外側に広げるように外側に傾斜する面又は段差を形成する磁極端部表面を設け、かくして全体としてコンパクトなスパッタリングカソードを実現できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るスパッタリングカソードを含むスパッタリング装置の要部構成を示す断面図である。カソード1におけるカソード・ハウジング6は、Oリング12を介して絶縁板7と接し、さらにOリング14を介して真空容器2に取り付けられている。カソード1と真空容器2の取り付けに用いるボルト16は、カソード・ハウジング6に接触しないように絶縁カラー9を介して固定されている。
【0015】
真空容器2は、図示せぬ真空排気系により排気される。また、ガス供給手段により供給されるスパッタリングガスは、ガス導入口GINにより導入される。真空容器2内には、カソード1に取り付けられたターゲット4と対向する位置に基板ホルダー3が配置されている。
【0016】
カソード1にはOリング12を介してバッキングプレート5にボンディングされたターゲット4が取り付けられている。ターゲット4の側面にはアースシールド8が配置されている。真空容器2内の基板ホルダー3には図示せぬ基板保持手段があり、これにより、図示せぬ基板が保持される。
【0017】
ターゲット4の背面には内周磁石10と外周磁石11が配置されている。ボルト16はグランド電位とし、ボルト15に図示せぬ直流電流により負の電圧を印加する。これにより、ターゲット4の表面付近にはプラズマが発生し、スパッタリングガスがイオン化される。イオン化したスパッタリングガスは、負電位にバイアスされたカソード1に向かい、ターゲット4表面に衝突するため、ターゲット表面から粒子(ターゲット材料)が飛び出す。この飛び出した粒子は基板ホルダー3上にある図示せぬ基板上に成膜される。
【0018】
また、カソードハウジング6とOリング12を介して接触しているバッキングプレート5によってできる空間には冷却水が流れ、スパッタリング中のターゲット4を冷却する。
【0019】
第1の実施形態における本発明の特徴は、カソード・ハウジング6内に配置された内周磁石10と外周磁石11の配置構成である。内周磁石10は磁極端部表面が周囲内側に傾斜し、外周磁石11は磁極端部表面が周囲外側に傾斜している。以下、このような内周磁石10、外周磁石11を有したスパッタリングカソードについて説明する。
【0020】
図2は本発明のスパッタリングカソードの要部を示す、図1のカソード1の拡大図である。ターゲット4及びバッキングプレート5の背面には、円筒状の内周磁石10は内側に、円筒状の外周磁石11は外側に傾いて円周上に複数個配置されている。
【0021】
ターゲット4表面には、これら内周磁石10及び外周磁石11による磁力線18が通っている。この磁力線18がターゲット4表面に平行になる部分ではイオン化したスパッタリングガスがターゲット4表面に衝突し、ターゲット4から粒子が飛び出す。
【0022】
この第1の実施形態では、内周磁石10を内側に、外周磁石11を外側に傾けて磁石取付板17に取り付けられている。すなわち、磁石取付板17自体がターゲット4に平行な面から所定角度傾斜していることにより内周磁石10、外周磁石11の配置構成が実現されている。また、磁石取付板17はボルト19によってカソードハウジング6に取り付けられている。
【0023】
内周磁石10と、外周磁石11の互いの磁極端部表面は逆極性である。磁力線18は内周磁石10から出て、一度広がってからターゲット4表面を出て、再度広がって外周磁石11に向かって進む。
【0024】
上記実施形態によれば、内外周の磁石10,11を傾けて配置したことにより、磁力線が広がってターゲット4表面に漏れるため、エロージョン領域が広く取れる。すなわち、ターゲット4の利用効率が向上する。
【0025】
さらに、内外周の磁石10,11を傾けて配置したことで、ターゲット4表面に漏れる磁力線の、ターゲット4に平行な領域が広く取れる。このため、安定した放電が可能になる。従って、成膜の高速性、信頼性向上に寄与する。これにより、高効率に大面積の領域に高い均一性をもって高速に成膜できる。
【0026】
さらに、従来と同様のエロージョン領域を得るために必要な磁石部分が小さくできる利点が生じる。このため、よりコンパクトなカソードの製作が可能になり、低コスト化が図れる。
【0027】
図3は、本発明の第2の実施形態を示すスパッタリングカソードの要部を示す断面図である。第1の実施形態と同様の箇所には同一の符号を付す。内周磁石10Q及び外周磁石11Qはそれぞれ、各磁極端部表面自体がターゲット4に平行な面から所定角度傾斜した面を有することにより各磁極端部表面が内周磁石10Qでは内側に傾斜、外周磁石11Qでは外側に傾斜している。
【0028】
すなわち、それぞれの内外周の磁石に関し、ターゲットに近い方の磁極端部が斜めになっており、ターゲットから遠い方の磁極端部はターゲットに平行になっている。この平行になっている磁極表面にて内周磁石10Q及び外周磁石11Qは磁石取付板17Fにそれぞれ円周上に複数個配置されている。また、磁石取付板17Fもターゲットに平行になっており、カソード・ハウジング6に取り付けられている。
【0029】
内周磁石10Qと、外周磁石11Qの互いの磁極端部表面は逆極性である。磁力線18は内周磁石10Qから出て、一度広がってからターゲット4表面を出て、再度広がって外周磁石11Qに向かって進む。
【0030】
上記実施形態によっても第1の実施形態と同様な効果が得られる。すなわち、内外周の磁石10Q,11Qの磁極端部表面を傾斜させたことにより、磁力線が広がってターゲット4表面に漏れるため、エロージョン領域が広く取れる。すなわち、ターゲット4の利用効率が向上する。
【0031】
さらに、内外周の磁石10Q,11Qの磁極端部表面を傾斜させたことで、ターゲット4表面に漏れる磁力線の、ターゲット4に平行な領域が広く取れる。このため、安定した放電が可能になる。従って、成膜の高速性、信頼性向上に寄与する。これにより、高効率に大面積の領域に高い均一性をもって高速に成膜できる。
【0032】
さらに、従来と同様のエロージョン領域を得るために必要な磁石部分が小さくできる利点が生じる。このため、よりコンパクトなカソードの製作が可能になり、低コスト化が図れる。
【0033】
図4は、本発明の第3の実施形態を示すスパッタリングカソードの要部を示す断面図である。第2の実施形態と同様の箇所には同一の符号を付す。第2の実施形態に比べて内周磁石10Rの形態が異なっている。内周磁石10Rは中央に向かって内側に傾斜した面を有する柱状(例えば円柱)の単一体で構成されている。その他は第2の実施形態と同様である。
【0034】
ここでも、内周磁石10Rと、外周磁石11Qの互いの磁極端部表面は逆極性である。磁力線18は内周磁石10Rから出て、一度広がってからターゲット4表面を出て、再度広がって外周磁石11Qに向かって進む。
【0035】
このような構成によれば、第2の実施形態では複数個の内周磁石10Qが必要であるのに対し、内周磁石10Rという一つの磁石に置き換えられている。これにより、内周磁石の設置面積が第2の実施形態より小さくなる。
【0036】
上記第3の実施形態によっても第1、第2の実施形態と同様な効果が得られる。すなわち、内外周の磁石10R,11Qの磁極端部表面を傾斜させたことにより、磁力線が広がってターゲット4表面に漏れるため、エロージョン領域が広く取れる。すなわち、ターゲット4の利用効率が向上する。
【0037】
さらに、内外周の磁石10R,11Qの磁極端部表面を傾斜させたことで、ターゲット4表面に漏れる磁力線の、ターゲット4に平行な領域が広く取れる。このため、安定した放電が可能になる。従って、成膜の高速性、信頼性向上に寄与する。
【0038】
さらに、従来と同様のエロージョン領域を得るために必要な磁石部分が小さくできる利点が生じる。特に、内周磁石10Rは柱状の単一体で構成されるから、よりコンパクトなカソードの製作が可能になり、低コスト化が図れる。
【0039】
なお、特に図示しないが変形例として、第1、第2、第3の実施形態に関し、内周磁石10(10Q)、外周磁石11(11Q)の少なくともいずれかが環状(リング状、円筒状)の単一体の磁石になっていても(つまり、内外周両磁石とも各々リング状(円筒状)となっていても)本発明の実施は可能であり、本発明の範囲内である。
【0040】
図5は、本発明の第4の実施形態に係るスパッタリングカソードを含むスパッタリング装置の要部構成を示す断面図である。前記図1の第1の実施形態と同様の箇所には同一の符号を付す。カソード1におけるカソード・ハウジング6は、Oリング12を介して絶縁板7と接し、さらにOリング14を介して真空容器2に取り付けられている。カソード1と真空容器2の取り付けに用いるボルト16は、カソード・ハウジング6に接触しないように絶縁カラー9を介して固定されている。
【0041】
真空容器2は、図示せぬ真空排気系により排気される。また、ガス供給手段により供給されるスパッタリングガスは、ガス導入口GINにより導入される。真空容器2内には、カソード1に取り付けられたターゲット4と対向する位置に基板ホルダー3が配置されている。
【0042】
カソード1にはOリング12を介してバッキングプレート5にボンディングされたターゲット4が取り付けられている。ターゲット4の側面にはアースシールド8が配置されている。真空容器2内の基板ホルダー3には図示せぬ基板保持手段があり、これにより、図示せぬ基板が保持される。
【0043】
ターゲット4の背面には内周磁石20と内外周磁石21が配置されている。ボルト16はグランド電位とし、ボルト15に図示せぬ直流電流により負の電圧を印加する。これにより、ターゲット4の表面付近にはプラズマが発生し、スパッタリングガスがイオン化される。イオン化したスパッタリングガスは、負電位にバイアスされたカソード1に向かい、ターゲット4表面に衝突するため、ターゲット表面から粒子(ターゲット材料)が飛び出す。この飛び出した粒子は基板ホルダー3上にある図示せぬ基板上に成膜される。
【0044】
また、カソードハウジング6とOリング12を介して接触しているバッキングプレート5によってできる空間には冷却水が流れ、スパッタリング中のターゲット4を冷却する。
【0045】
第4の実施形態における本発明の特徴は、カソード・ハウジング6内に配置された内周磁石20と外周磁石21の配置構成である。内周磁石20は二重に囲むように構成され、外周磁石21も二重に囲むように構成されている。以下、このような内周磁石20、外周磁石21を有したスパッタリングカソードについて説明する。
【0046】
図6は本発明のスパッタリングカソードの要部を示す、図5のカソード1の拡大図である。ターゲット4及びバッキングプレート5の背面には、磁石取付板17Fがボルト19によってカソードハウジング6に取り付けられている。磁石取付板17F上には円筒状の内周磁石20A及び外周磁石21Aが配置されている。内周磁石20Aのさらに内周には内周磁石20Aよりも磁極端部がターゲット4から離れた円筒状の磁石20Bが配置されている。また、外周磁石21Aのさらに外周には外周磁石21Aよりも磁極端部がターゲット4から離れた円筒状の磁石21Bが配置されている。
【0047】
上記4種類の磁石はいずれも各円周上に複数個配置されている。また、上記4種類の磁石を磁石取付板17Fへ固定するには、それぞれケースに入れて取り付ける。すなわち、樹脂等で型を作り、磁石を入れ込む。また、穴あきの磁石を用いてボルトなどで取り付けるなどの方法が考えられる。なお、磁石取付板17Fはボルト19によってカソードハウジング6に取り付けられている。
【0048】
ターゲット4表面には、これら内周磁石20及び外周磁石21による磁力線18が通っている。この磁力線18がターゲット4表面に平行になる部分ではイオン化したスパッタリングガスがターゲット4表面に衝突し、ターゲット4から粒子が飛び出す。
【0049】
この第4の実施形態では、内周磁石20はより内側に設けたものほど磁極端部表面とターゲット4との離間距離が大きく(20B)、外周磁石21はより外側に設けたものほど磁極端部表面とターゲット4との離間距離が大きくなっている(21B)。
【0050】
内周磁石20と、外周磁石21の互いの磁極端部表面は逆極性である。磁力線18は内周磁石20Qから出て、一度広がってからターゲット4表面を出て、再度広がって外周磁石11Qに向かって進む。
【0051】
上記実施形態によれば、内外周の磁石20,21をそれぞれ二重に設け、磁極端部に段差をつけて配置したことにより、磁力線が広がってターゲット4表面に漏れるため、エロージョン領域が広く取れる。すなわち、ターゲット4の利用効率が向上する。
【0052】
さらに、内外周の磁石20,21をそれぞれ二重に設け、磁極端部に段差をつけて配置したことで、ターゲット4表面に漏れる磁力線の、ターゲット4に平行な領域が広く取れる。このため、安定した放電が可能になる。従って、成膜の高速性、信頼性向上に寄与する。これにより、高効率に大面積の領域に高い均一性をもって高速に成膜できる。
【0053】
さらに、従来と同様のエロージョン領域を得るために必要な磁石部分が小さくできる利点が生じる。このため、よりコンパクトなカソードの製作が可能になり、低コスト化が図れる。
【0054】
図7は、本発明の第5の実施形態を示すスパッタリングカソードの要部を示す断面図である。第4の実施形態と同様の箇所には同一の符号を付す。内周磁石20及び外周磁石21をそれぞれ2重以上、例えば各3列(三重)とし、第4の実施例と同様に磁力線18の平行な領域を広く取れるよう上記各3列が段差をつけて配置されている。
【0055】
すなわち、内周磁石20は、20C→20D→20Eというように、より内側に設けたものほど、磁極端部表面とターゲット4との離間距離が大きく設定される。かつ、外周側磁石21は、21C→21D→21Eというように、より外側に設けたものほど磁極端部表面とターゲット4との離間距離が大きく設定される。
【0056】
内周磁石20(20C,20D,20E)と、外周磁石21(21C,21D,21E)互いの磁極端部表面は逆極性である。磁力線18は内周磁石20から出て、一度広がってからターゲット4表面を出て、再度広がって外周磁石21に向かって進む。
【0057】
上記実施形態によれば、内外周の磁石20,21をそれぞれ二重以上に設け、磁極端部により細かい段差をつけて配置したことにより、磁力が増大すると共に、磁力線が広がってターゲット4表面に漏れるため、エロージョン領域が広く取れる。すなわち、ターゲット4の利用効率が向上する。
【0058】
さらに、内外周の磁石20,21をそれぞれ二重以上に設け、磁極端部により細かい段差をつけて配置したことで、ターゲット4表面に漏れる磁力線の、ターゲット4に平行な領域が広く取れる。このため、安定した放電が可能になる。従って、成膜の高速性、信頼性向上に寄与する。これにより、高効率に大面積の領域に高い均一性をもって高速に成膜できる。
【0059】
さらに、従来と同様のエロージョン領域を得るために必要な磁石部分が小さくできる利点が生じる。このため、よりコンパクトなカソードの製作が可能になり、低コスト化が図れる。
【0060】
図8は、本発明の第6の実施形態を示すスパッタリングカソードの要部を示す断面図である。この実施形態は上記第4、第5の実施形態を変形した構成であり、同様の符号を付している。内周磁石20は図6と同様に2列(20A,20B)で配置され、外周磁石21は図7と同様に3列(21C,21D,21E)で配置されている。
【0061】
図9は、本発明の第7の実施形態を示すスパッタリングカソードの要部を示す断面図である。この実施形態は上記第4、第5の実施形態を変形した構成であり、同様の符号を付している。内周磁石20は図7と同様に3列(20C,20D,20E)で配置され、外周磁石21は図6と同様に2列(21A,21B)で配置されている。
【0062】
これら第6、第7の実施形態によっても、上記第4,第5の実施形態で示した構成と同様の作用効果を有するものである。すなわち、ターゲット4におけるエロージョン領域が広く取れ、ターゲット4の利用効率が向上する。さらに、基板への成膜速度向上に寄与する。また、ターゲット4に平行な領域が広く取れるので、安定した放電が可能になり、成膜の信頼性向上に寄与する。さらに、従来と同様のエロージョン領域を得るために必要な磁石部分が小さくできるので、より低コストでコンパクトなカソードの製作が可能になる。
【0063】
図10は、本発明の第8の実施形態を示すスパッタリングカソードの要部を示す断面図である。第4の実施形態と同様の箇所には同一の符号を付す。内周磁石20及び外周磁石21に関し、各々二重に構成され、より内側に設けた内周磁石ほど磁極端部表面とターゲット4との離間距離が大きく(20G)、より外側に設けた外周側磁石ほど磁極端部表面とターゲット4との離間距離が大きい(21G)ことは第4の実施形態と変わりないが、磁石の構成自体に特徴がある。
【0064】
この実施形態では、内周磁石20F,20G及び外周磁石21F,21Gに関し、それぞれ丸型の磁石30,31をターゲット4に近づくように積み重ねた構成となっている。磁石30,31は互いに逆極性で配列し、磁極端部が内/外周磁石で互いに逆極性になるように構成されている。すなわち、樹脂等で型を作り、丸型の磁石を入れ込む。これにより、積み重ねることによる磁力増大を図っている。
【0065】
図11は、本発明の第9の実施形態を示すスパッタリングカソードの要部を示す断面図である。内周磁石20に第4の実施形態を、外周磁石21に第8の実施形態を適用した変形例である。このように、内周側磁石、外周側磁石に関し少なくともいずれかは丸型の磁石をターゲット4に近づくように積み重ねた構成としてもよい。もちろん、磁極端部は内/外周磁石で互いに逆極性になるように構成されている。
【0066】
以上各実施形態によれば、スパッタリング装置に各実施形態に示したようなスパッタリングカソードを設けることにより、ターゲット4表面に漏れる磁力線が広がり、ターゲット4に平行な領域が広く取れ、また、エロージョン領域が広く取れる。従って、カソードの小型化、低コスト化がなされつつ、ターゲット4の利用効率の向上と共に、基板への成膜速度向上、安定した放電が得られ、成膜の信頼性向上が期待できる。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ターゲット背面のカソードにおける内/外周磁石を、磁力線が広がってターゲット表面に平行な領域が広く取れるように、また、エロージョン領域が広く取れるように特有な配置、構成としたことによって、ターゲットの利用効率の向上、基板への成膜速度向上、安定した放電等が実現されつつ、高効率に大面積の領域に高い均一性をもって高速に成膜できる、よりコンパクトで低コストな高信頼性のスパッタリングカソード及びスパッタリング装置提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るスパッタリングカソードを含むスパッタリング装置の要部構成を示す断面図である。
【図2】本発明のスパッタリングカソードの要部を示す、図1におけるカソードの拡大図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示すスパッタリングカソードの要部を示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態を示すスパッタリングカソードの要部を示す断面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係るスパッタリングカソードを含むスパッタリング装置の要部構成を示す断面図である。
【図6】本発明のスパッタリングカソードの要部を示す、図5のカソードの拡大図である。
【図7】本発明の第5の実施形態を示すスパッタリングカソードの要部を示す断面図である。
【図8】本発明の第6の実施形態を示すスパッタリングカソードの要部を示す断面図である。
【図9】本発明の第7の実施形態を示すスパッタリングカソードの要部を示す断面図である。
【図10】本発明の第8の実施形態を示すスパッタリングカソードの要部を示す断面図である。
【図11】本発明の第9の実施形態を示すスパッタリングカソードの要部を示す断面図である。
【符号の説明】
1…カソード、2…真空容器、3…基板ホルダー、4…ターゲット、5…バッキングプレート、6…カソード・ハウジング、7…絶縁板、8…アースシールド、9…絶縁カラー、10,20…外周磁石、11,21…内周磁石、12,13,14…Oリング、15,16,19…ボルト、18…磁力線。

Claims (5)

  1. ターゲットに磁極端部表面を対向させるように配設された円筒形状の外周磁石と、
    当該外周磁石の内側に上記ターゲットに磁極端部表面を対向させるように配設された円柱形状の内周磁石と
    を具え、
    上記外周磁石は、磁極端部表面が上記内周磁石からみて外側に行くに従って、上記ターゲットから離れて行くように傾斜した複数の磁石を外側の円周位置に配設してなり、
    上記内周磁石は、磁極端部表面が上記外周磁石からみて中央に向って内側に行くに従って、上記ターゲットから離れて行くように傾斜した柱状の1つの磁石でなる
    ことを特徴とするスパッタリングカソード。
  2. ターゲットに磁極端部表面を対向させるように配設された円筒形状の外周磁石と、
    当該外周磁石の内側に上記ターゲットに磁極端部表面を対向させるように配設された円柱形状の内周磁石と
    を具え、
    上記外周磁石は、磁極端部表面が上記内周磁石からみて外側に行くに従って、上記ターゲットから離れて行くように傾斜した1つのリング状の磁石を外側の円周位置に配設してなり、
    上記内周磁石は、磁極端部表面が上記外周磁石からみて中央に向って内側に行くに従って、上記ターゲットから離れて行くように傾斜した柱状の1つの磁石でなる
    ことを特徴とするスパッタリングカソード。
  3. ターゲットに磁石端部表面を対向させるように配設された円筒形状の外周磁石と、
    当該外周磁石の内側に上記ターゲットに磁極端部表面を対向させるように配設された円柱形状の内周磁石と
    を具え、
    上記が外周磁石は、内側の円周位置に複数の丸型の磁石をターゲットに近づくように積み重ねてなる第1の部分と、上記第1の部分の外側の円周位置に複数の丸型の磁石をターゲットに近づくように積み重ねてなる第2の部分とを有し、上記第2の部分の上記ターゲットに対向する磁極端部表面の上記ターゲットの表面との間の距離は、上記第1の部分の上記ターゲットに対向する磁極端部表面の上記ターゲットの表面との間の距離より大きく、
    上記が内周磁石は、内側の円周位置に複数の丸型の磁石をターゲットに近づくように積み重ねてなる第3の部分と、上記第3の部分の外側の円周位置に複数の丸型の磁石をターゲットに近づくように積み重ねてなる第4の部分とを有し、上記第3の部分の上記ターゲットに対向する磁極端部表面の上記ターゲットの表面との間の距離は、上記第4の部分の上記ターゲットに対向する磁極端部表面の上記ターゲットの表面との間の距離より大きい
    ことを特徴とするスパッタリングカソード。
  4. ターゲットに磁石端部表面を対向させるように配設された円筒形状の外周磁石と、
    当該外周磁石の内側に上記ターゲットに磁極端部表面を対向させるように配設された円柱形状の内周磁石と
    を具え、
    上記が外周磁石は、内側の円周位置に複数の丸型の磁石をターゲットに近づくように積み重ねてなる第1の部分と、上記第1の部分の外側の円周位置に複数の丸型の磁石をターゲットに近づくように積み重ねてなる第2の部分とを有し、上記第2の部分の上記ターゲットに対向する磁極端部表面の上記ターゲットの表面との間の距離は、上記第1の部分の上記ターゲットに対向する磁極端部表面の上記ターゲットの表面との間の距離より大きく、
    上記内周磁石は、内側の円周位置に複数の磁石を配設してなる第3の部分と、上記第3の部分の外側の円周位置に複数の磁石を配設してなる第4の部分とを有し、上記第3の部分の上記ターゲットに対向する磁極端部表面の上記ターゲットの表面との間の距離は、上記第4の部分の上記ターゲットに対向する時極端部表面の上記ターゲットの表面との間の距離より大きい
    ことを特徴とするスパッタリングカソード。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載のスパッタリングカソードを有するスパッタリング装置。
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