JP4435907B2 - 管内周面保護方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、既に敷設された既設管或いは新管等の内周面を被覆層で保護する管内周面保護方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、地中に埋設された下水管等の既設管は、長期間の使用により内周面が硫化水素やその他の腐食ガス及び付着物や流水等によって侵食され、かつ劣化して、管厚が薄くなって強度が低下したり、更にクラック等が発生している場合がある。
【0003】
この対策として、既設管の内周面を洗浄すると共に、表面処理機により内周面を研削して侵食部分や劣化部分を除去して滑らかに表面処理を施し、表面処理された内周面にガラス繊維等の補強材と共にポリエステル樹脂やエポキシ樹脂等の硬化性樹脂或いはモルタル等の硬化性材料を吹き付けて、内周面を樹脂或いはモルタルによる被覆層で被覆して更生する管内周面保護方法がある。
【0004】
また、例えば、特許第2925466号公報に開示されるように、表面処理機により表面処理された既設管内に光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂等の硬化性材料を含む未硬化状態の可撓ホースを導入し、この導入された可撓ホース内に供給される圧搾空気等の圧縮流体により可撓ホースを拡径して既設管の内周面に可撓ホースを押圧し、この押圧された状態で可撓ホース内に導入された紫外線照射装置によって可撓ホースに紫外線を照射して硬化せしめて既設管内に被覆層を形成する管内周面保護方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記前者の管内周面保護方法によると、管の内周面が樹脂或いはモルタル等の硬化性材料からなる吹付材の硬化によって形成される被覆層によって被覆保護される。
【0006】
しかし、管の内周面に吹き付けられた樹脂或いは、モルタル等の被覆層は、その硬化に伴って一般に凝縮する。この凝縮に起因して管の内周面と被覆層との間に隙間が発生して管の内周面と被覆層との密着性が低下すると共に、この密着性の低下に起因して振動や上載荷重等による管の変形が発生すると、硬化後の被覆層が管の内周面から剥離脱落すると共に、管内の流水や環境温度の変化によって加熱及び冷却が繰り返されると、熱膨張係数に差のある管と被覆層との間に応力が発生して密着性が低下し、上記被覆層の剥離脱落が更に誘発されて長期間に亘る安定した被覆層による保護効果を維持することが困難である。
【0007】
同様に後者の管内周面保護方法にあっても、更生された管と被覆層との熱膨張係数の差に起因して使用によって繰り返される温度変化によって、管と被覆層との間に相対的な応力が繰返し作用して管の内周面と被覆層との密着性の低下が懸念される。
【0008】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、長期間に亘る安定した管の保護が得られる管内周面保護方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に記載の管内周面保護方法の発明は、管の内周面を硬化性材料を含む被覆材によって被覆し、硬化した上記被覆材によって上記管の内周面を覆う被覆層を形成する管内周面保護方法において、上記管の内径より若干大なる外径を有する弾性変形可能な線材からなる螺旋状の芯材を、上記管の上記内径より小径な外径に縮径しながら上記管へ搬入し、所定の箇所で上記縮径を解除し、それ自体の弾性力によって管の周方向に沿って該内周面に圧接固定させ、管内周面上及び上記圧接固定された芯材上を硬化性材料を含む被覆材によって覆い、硬化した該被覆材によって上記管の内周面を被覆保護する被覆層を形成したことを特徴とする。
【0010】
請求項1の発明によると、被覆材の硬化に伴って被覆材が収縮しても、被覆材は常に管の内周面に圧接する芯材によって硬化期間全般に亘って、また、硬化後においても恰も管の内周面に押接せしめられた状態に維持されて管の内周面に密着した被覆層が確保される。この密着した被覆層によって管の内周面が被覆保護されると共に、芯材も被覆層によって被覆保護されて腐食及び錆の発生が防止乃至抑制されて安定した状態での使用が可能になる。
【0011】
また、芯材を弾性変形可能な螺旋状の線材によって形成することから、芯材が管の内周面の形状変化に倣って容易に追従変形する。この結果、管の内周面に径の変化や段差等の形状変化が有る場合にも容易に良好な被覆層を形成することができる。
【0012】
上記目的を達成する請求項2に記載の管内周面保護方法の発明は、管の内周面に硬化性材料からなる吹付材を吹き付けて硬化せしめ、該硬化した吹付材によって上記管の内周面を覆う被覆層を形成する管内周面保護方法において、上記管の内径より若干大なる外径を有する弾性変形可能な線材からなる螺旋状の芯材を、上記管の上記内径より小径な外径に縮径しながら上記管へ搬入し、所定の箇所で上記縮径を解除し、それ自体の弾性力によって管の周方向に沿って該内周面に圧接固定させ、管内周面上及び上記圧接固定された芯材上に硬化性材料からなる吹付材を吹き付けて被覆し、上記吹付材の硬化によって上記管の内周面を被覆保護する被覆層を形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明をより具体的に構成したものであって、この発明によると、吹付材を吹き付けることによって容易に管内周面を覆う被覆材が形成される。この吹付材は硬化に伴って収縮するが、吹付材は常に管の内周面に圧接する芯材によって硬化期間全般に亘って、また、硬化後においても恰も管の内周面に押接せしめられた状態に維持されて管の内周面に密着した被覆層が確保され、安定した状態で管の長期間に亘る使用が可能になる。
【0014】
請求項3に記載された管内周面保護方法の発明は、管内に硬化性材料を含む未硬化状態の可撓ホースを導入し、かつ該可撓ホース内に供給される圧縮流体によって管内周面に可撓ホースを押圧せしめた状態で硬化させることによって上記管の内周面を覆う被覆層を形成する管内周面保護方法において、上記管の内径より若干大なる外径を有する弾性変形可能な線材からなる螺旋状の芯材を、上記管の上記内径より小径な外径に縮径しながら上記管へ搬入し、所定の箇所で上記縮径を解除し、それ自体の弾性力によって管の周方向に沿って該内周面に圧接固定させ、該管内周面に固定された螺旋状の芯材内に硬化性材料を含む未硬化状態の可撓ホースを導入すると共に、該可撓ホース内に圧縮流体を供給して管内周面上及び上記芯材の表面上に可撓ホースを押圧し、該押圧状態下で可撓ホースを硬化させて上記管の内周面を被覆保護する被覆層を形成したことを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1に記載の発明をより具体的に構成したものであって、管内に硬化性材料を含む未硬化状態の可撓ホースを導入し、かつ該可撓ホース内に供給される圧縮流体によって管内周面に可撓ホースを押圧せしめることによって容易に管内周面を覆う被覆材が形成され、管の内周面に圧接する芯材によって可撓ホースが硬化期間全般亘って、また硬化後の被覆層が常に既設管の内周面に押接せしめられた密着状態に維持され、管の内周面が、この密着した被覆層によって被覆保護され、かつ芯材が被覆層によって被覆されて腐食及び錆の発生が防止乃至抑制されることと相俟って長期間に亘る安定した状態での使用が可能になる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の管内周面保護方法において、上記芯材は、上記螺旋状の芯材を縮径用治具によって縮径させた状態で上記管内に挿入され、縮径用治具による上記縮径の解除により芯材自体の弾性力によって拡径して管内周面に圧接固定されることを特徴とする。
【0017】
請求項4の発明によると、芯材を縮径用治具によって縮径させた状態で管内に挿入し、縮径用治具による縮径の解除により芯材自体の弾性力によって芯材を拡径して管内周面に圧接固定され、芯材を容易に管内内周面に沿って配設することができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4に記載の管内周面保護方法において、上記管は、既に敷設された既設管であることを特徴とする。
【0019】
請求項5の発明によると、管が既に敷設された既設管であって、既設管に請求項1〜4の発明を施すことによって、既設管の内周面が、その内周面に密着した被覆層によって被覆保護され、安定した状態で管の長期間に亘る使用が可能になり、特に芯材が既設管の内周面の変化に倣って容易に追従変形することから既設管の内周面に径の変化や段差等が有る場合にも容易に被覆層を形成することができ、確実な管更生が行われる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4に記載の管内周面保護方法において、上記管は、新管であることを特徴とする。
【0021】
請求項6の発明は、管が新管であって、作業性に優れた工場等で予め管の内周面に保護層を形成することができると共に、管敷設後においても長期間に亘り安定的に使用することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施の形態)
以下、本発明による管内周面保護方法の第1実施の形態を、下水管等の既設管に施す場合を例に、図1乃至図7によって説明する。
【0023】
図1において、符号1は地中に埋設された下水管等の既設管であって、既設管1はヒューム管や陶管からなり両端がマンホール2に開口すると共に、その内周面1aが長期間の使用により硫化水素やその他の腐食ガス或いは、管内を流れる流水等による侵食等によって劣化して強度が低下したり、地圧や地盤沈下、上載荷重等により一部が変形或いはクラック等が発生している場合がある。
【0024】
このような既設管1の更生、即ち保護方法を、図2に示す概要説明図によって説明する。
【0025】
先ず、図2(a)に要部断面斜視図を示すような保護すべき既設管1の内周面1aに高圧水を吹き付ける管内洗浄等により内周面1aを洗浄し、続いて表面処理機により管内洗浄等では落としきれない内周面1aの汚れ、付着したモルタルや侵入した木根等を取り除くと共に、内周面1aの劣化部分を研削除去する表面処理を施す。
【0026】
一方、上記表面処理された既設管1の内周面1aの内径Dより、図2(b)に示すように若干大なる外径dを有する螺旋状で弾性変形可能な、例えば硬鋼線材、或いは炭素繊維、アラミド繊維等からなるプラスチック線材等の線材からなる断面略円形の芯材10を準備する。
【0027】
この芯材10を図2(c)に示すように既設管1内に挿入可能なように上記既設管1の内径Dより小径な外径d1 に縮径すると共に、該縮径状態に縮径用治具(図示せず)によって保持し、縮径状態を保持しながら既設管1内の保護を要する更生位置、或いは既設管1の全長に亘って搬入し、搬入した位置で縮径用治具による芯材10の縮径保持を解除する。
【0028】
縮径保持が解除された芯材10は、図2(d)及び同図のI−I線断面図を図3に示すように芯材10それ自体の弾性力によって拡径して既設管1の周方向に沿って内周面1aの形状変化に倣って内周面1aに圧接し、芯材10それ自体の弾性力によって内周面1aに圧接した状態で芯材10が保持固定される。
【0029】
続いて、既設管1の内周面1a上にガラス繊維等の補強材と共にポリエステル樹脂やエポキシ樹脂等の硬化性樹脂、或いはモルタル等の硬化性材料を含む吹付材料11を吹き付け、この吹付材料11によって形成される被覆材によって既設管1の内周面1a上を被覆する。
【0030】
このように吹き付けられた吹付材11は、図2(e)及び同図のII−II線断面図を図4に示すように、既設管1の内周面1a上に密着すると共に、内周面1aと芯材10の外周面10aとによって形成される比較的狭い隙間にも侵入して芯材10の略全周に亘って密着し、かつ吹付材11内に芯材10が埋没されると共に、吹付材11の表面、即ち内周面11aが平滑に形成される。
【0031】
管1の内周面1a及び芯材10に吹き付けられた吹付材11は、時経過に伴って次第に硬化して管1の内周面1aを覆う被覆層20となる。
【0032】
この吹付材11の硬化に伴って、吹付材11は収縮するものの、吹付材11は常に既設管1の内周面1aに圧接保持される芯材10によって、硬化期間全般に亘って、恰も既設管1の内周面1aに押接せしめられた状態に維持され、既設管1の内周面1aに密着した強固な強化プラスチック(FRP)或いはモルタルからなる被覆層20が得られる。
【0033】
従って、既設管1の内周面1aは、該内周面1a上に密着した被覆層20によって被覆保護され、かつ芯材10は被覆層20によって被覆されて硫化水素や腐食ガス、流水等から保護されて腐食が防止され、特に硬鋼線材を芯材10として使用する際には、錆の発生をも防止されて安定した状態で長期間に亘る使用が可能になる。
【0034】
なお、芯材10と吹付材11との密着性及び結合強度を確保するために、芯材10の外周面10aに多数の突起を形成するなど粗面形状に形成することが好ましく、また、芯材10の径及び螺旋状ピッチp等は要求強度等に応じて適宜設定し得る。
【0035】
上記芯材10は、施行現場において、線材を既設管1の内周面1aに倣う螺旋状に成形しつつ既設管1内に配設することも可能であり、また複数の螺旋状に形成された芯材10を既設管1内に連続的に配設することも可能である。
【0036】
また、芯材10を、螺旋状の弾性を有する線材によって形成することから、図5に要部断面を示すように、既設管1の内径Dが変化する場合でも、その変化に追従して芯材10が内周面1aに圧接するように形状変化が可能であり、既設管1の内周面1aの変化に倣った被覆層20を容易に形成することができる。
【0037】
更に、図6に要部断面図を示すように、上載荷重等によって既設管1の継ぎ目等1bにずれ乃至段差が生じた場合でも、その既設管1の蛇行等の変移に追従して芯材10が変形可能であり、既設管1の蛇行等に倣った被覆層20が形成されて長期間に亘る安定した既設管1の保護がもたらされる。
【0038】
また、特に吹付材11として硬化性樹脂を用いる場合には、吹付材11が硬化せしめられて形成された被覆層20は、芯材10の外周面10aに付着して結合すると共に、図7に図4の要部拡大図を示すように既設管1の内周面1aと芯材10の外周面10aとによって形成される楔状の隙間に侵入して硬化した被覆層20の該部位20aが硬化後においても常時芯材10によって既設管1の内周面1a方向に付勢され、被覆層20が既設管1との相対変形に追従して変形して既設管1の内周面1aに密着的に押接付勢される。
【0039】
従って、既設管1と被覆層20とに相対的な熱膨張係数の差がある場合において、使用による流水や環境温度変化等によって繰返し温度変化が付与されたとしても既設管1の内周面1aと被覆層20との密着性が確実に維持され、長期間に亘り安定的な既設管1の保護が確保される。
【0040】
なお、芯材10の断面形状は、図8(a)に示すように三角形、同図(b)のように矩形、同図(c)に示すように菱形や、同図(d)に示すように楕円形状等要求剛性強度等に応じて適宜変更可能である。
【0041】
また、上記実施の形態では、吹付材11を既設管1の内周面1a及び芯材10に吹き付けたが、吹付材11に代えて硬化性材料を含む被覆材によって、塗布或いは他の適宜手段によって既設管1の内周面1a及び芯材10上を覆い、硬化した被覆材によって被覆層20を形成することも可能である。
【0042】
(第2実施の形態)
次に、本発明による管内保護方法の第2実施の形態を、図9に示す工程概要説明図によって説明する。なお、図9において上記図1乃至図7と対応する部分に同一符号を付することで該部の詳細な説明を省略し、異なる部分を主に説明する。
【0043】
図9の(a)は内周面1aが長期間の使用により劣化して強度が低下し、或い地圧や地盤沈下、上載荷重等により一部が変形或いはクラック等が発生した更生を要する既設管1の要部断面図であり、この既設管1は、内周面1aが洗浄されると共に、内周面1aの劣化部分等を研削除去して表面処理が施される。
【0044】
次に、同図(b)に示すように上記第1実施の形態と同様に、螺旋状で弾性変形可能な線材からなる芯材10を、既設管1の周方向に沿って芯材10それ自体の弾性力によって内周面1aに圧接した状態で固定する。
【0045】
続いて、同図(c)に示すように、ガラス繊維等の補強材に光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂等の硬化性樹脂等の硬化性材料を含浸せしめて形成された未硬化状態の被覆材となる可撓ホース15を既設管1の一端から、即ち一方のマンホール2側から圧縮流体、例えば圧搾空気により既設管1内に送り出し、既設管1の一端から他端に向けて反転しつつ既設管1の内周面1aに沿って押圧して同図(c)に要部を示すように張設する。或いは上記硬化性樹脂をガラス繊維等の補強材に含浸せしめて形成された未硬化状態の可撓ホース15を既設管1の一端側から他端に向けて引き込み導入し、導入された可撓ホース15内に圧搾空気を供給して既設管1の内周面1aに押圧して同様に張設する。
【0046】
更に、可撓ホース15内に圧搾空気を供給して可撓ホース15内の圧力を高めると、同図(d)に示し、かつ要部拡大図を図10に示すように、可撓ホース15が既設管1の内周面1a及び芯材10の外周面10aに密着し、特に既設管1の内周面1aと芯材10の外周面10aによって形成される比較的狭い間隙部内にも回り込むように流入して芯材10の略全周に密着して可撓ホース15内に芯材10が埋没され、かつ可撓ホース15の表面、即ち内周面15aが平滑に形成される。
【0047】
この状態で、可撓ホース15内に導入された紫外線照射装置を移動させ、この移動させる間に紫外線照射装置からの紫外線照射により可撓ホース15を硬化させて、内周面1aに密着した強固な強化プラスチック(FRP)からなる被覆層20を形成する。
【0048】
従って、既設管1の内周面1aは、該内周面1a上に密着した被覆層20によって被覆保護され、かつ芯材10は被覆層20によって被覆されて腐食及び錆の発生が防止される。
【0049】
また、硬化せしめられて形成された被覆層20が芯材10の外周面10aに付着して芯材10と結合すると共に、図10に要部拡大図を示すように既設管1の内周面1aと芯材10の外周面10aとによって形成される楔状の隙間において硬化した被覆層10の部位20aが、硬化後においても常時芯材10によって既設管1の内周面1a方向に押圧付勢され、その若干の変形によって被覆層20が既設管1の内周面1aに押接付勢される。その結果、既設管1と被覆層20とに相対的な熱膨張係数の差がある場合において、使用のよる流水や環境温度変化等によって繰返し温度変化が付与されたとしても既設管1の内周面1aと被覆層20との密着性が安定的に維持され、長期間に亘る既設管1の保護が確保される。
【0050】
なお、芯材10と被覆層20の密着性及び結合強度を確保するために、芯材10の外周面10aに多数の突起を形成するなど粗面形状に形成することが好ましく、また、芯材10の径及び螺旋状ピッチ、芯材10の断面形状等は、第1実施の形態と同様に、要求強度等に応じて適宜変更可能である。
【0051】
本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記各実施の形態では、下水管等の既設管1の保護を例に説明したが、マンホール2をはじめ、断面略円形のトンネルやその他の管状構造物の内周面保護に本発明を適宜適用することも可能であり、また、図10に示すように、予め新管5の内周面5aに沿って螺旋状の芯材10を配設して、上記各実施の形態と同様に被覆層20を形成することも可能であり、この場合、特に作業性に優れた工場等で管の内周面に保護層を形成することができと共に、管敷設後において長期間に亘り安定的に使用することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明した本発明によると、管内周面を覆う硬化性材料を含む被覆材は、その硬化に伴って収縮するが、硬化期間全般に亘って常に管の内周面に圧接する芯材によって既設管の内周面に押接せしめられた密着した状態に保持され、管内周面は被覆材が硬化して形成された被覆層によって被覆保護され、かつ芯材も被覆層によって被覆されて腐食及び錆の発生が防止される。
【0053】
更に、硬化後においても被覆層が既設管の内周面に押接せしめられた状態に維持され、管の内周面は密着した被覆層によって被覆保護され、かつ芯材が被覆層によって被覆されて腐食及び錆の発生が防止乃至抑制されることと相俟って安定した状態で管の長期間に亘る使用が可能になる。
【0054】
また、芯材を弾性変形可能な螺旋状の線材によって形成することから、管の内周面の形状変化に倣って容易に追従変形することから管の内周面に径の変化や段差等が有る場合にも容易に良好な被覆層を形成することができる。
【0055】
特に、既に敷設された既設管に本発明を適用すると、芯材が既設管の内周面の変化に倣って容易に追従変形することから、長期間の使用により既設管の内周面に径の変化や段差等が有る場合でも容易に被覆層を形成することができ、確実な管更生が行われる。
【0056】
また、新管に本発明を適用すると、作業性に優れた工場等で管の内周面に保護層を形成することができると共に、管敷設後において長期間に亘り安定的に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による管内周面保護方法を下水管等の既設管に適用した場合を例に説明する第1実施の形態の概要説明図である。
【図2】同じく、保護方法の工程を説明する概要説明図である。
【図3】図2のI−I線断面図である。
【図4】図2のII−II線断面図である。
【図5】内径が変化する既設管に本実施の形態の保護方法を施した場合の概要説明図である。
【図6】継ぎ目等に段差を有する既設管に本実施の形態の保護方法を施した場合の概要説明図である。
【図7】図4の要部拡大図である。
【図8】芯材の種々の断面形状を説明する断面図である。
【図9】本発明による管内周面保護方法を下水管等の既設管に適用した場合を例に説明する第2実施の形態の概要説明図である。
【図10】図9の要部拡大図である
【図11】本発明による管内面保護方法の実施の形態を新管に適用した場合を説明する概要説明図である。
【符号の説明】
1 既設管
1a 内周面
2 マンホール
5 新管
5a 内周面
10 芯材
10a 外周面
11 吹付材
11a 内面
15 可撓性ホース
20 被覆層
Claims (6)
- 管の内周面を硬化性材料を含む被覆材によって被覆し、硬化した上記被覆材によって上記管の内周面を覆う被覆層を形成する管内周面保護方法において、
上記管の内径より大なる外径を有する弾性変形可能な線材からなる螺旋状の芯材を、上記管の上記内径より小径な外径に縮径しながら上記管へ搬入し、所定の箇所で上記縮径を解除し、それ自体の弾性力によって管の周方向に沿って該内周面に圧接固定させ、管内周面上及び上記圧接固定された芯材上を硬化性材料を含む被覆材によって覆い、硬化した該被覆材によって上記管の内周面を被覆保護する被覆層を形成したことを特徴とする管内周面保護方法。 - 管の内周面に硬化性材料からなる吹付材を吹き付けて硬化せしめ、該硬化した吹付材によって上記管の内周面を覆う被覆層を形成する管内周面保護方法において、
上記管の内径より大なる外径を有する弾性変形可能な線材からなる螺旋状の芯材を、上記管の上記内径より小径な外径に縮径しながら上記管へ搬入し、所定の箇所で上記縮径を解除し、それ自体の弾性力によって管の周方向に沿って該内周面に圧接固定させ、管内周面上及び上記圧接固定された芯材上に硬化性材料からなる吹付材を吹き付けて被覆し、上記吹付材の硬化によって上記管の内周面を被覆保護する被覆層を形成したことを特徴とする管内周面保護方法。 - 管内に硬化性材料を含む未硬化状態の可撓ホースを導入し、かつ該可撓ホース内に供給される圧縮流体によって管内周面に可撓ホースを押圧せしめた状態で硬化させることによって上記管の内周面を覆う被覆層を形成する管内周面保護方法において、
上記管の内径より大なる外径を有する弾性変形可能な線材からなる螺旋状の芯材を、上記管の上記内径より小径な外径に縮径しながら上記管へ搬入し、所定の箇所で上記縮径を解除し、それ自体の弾性力によって管の周方向に沿って該内周面に圧接固定させ、該管内周面に固定された螺旋状の芯材内に硬化性材料を含む未硬化状態の可撓ホースを導入すると共に、該可撓ホース内に圧縮流体を供給して管内周面上及び上記芯材の表面上に可撓ホースを押圧し、該押圧状態下で可撓ホースを硬化させて上記管の内周面を被覆保護する被覆層を形成したことを特徴とする管内周面保護方法。 - 上記芯材は、上記螺旋状の芯材を縮径用治具によって縮径させた状態で上記管内に挿入され、縮径用治具による上記縮径の解除により芯材自体の弾性力によって拡径して管内周面に圧接固定されることを特徴とする請求項1〜3に記載の管内周面保護方法。
- 上記管は、既に敷設された既設管であることを特徴とする請求項1〜4に記載の管内周面保護方法。
- 上記管は、新管であることを特徴とする請求項1〜4に記載の管内周面保護方法。
Priority Applications (1)
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