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JP4437340B2 - 光電式エンコーダ - Google Patents
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、光電式エンコーダに係り、特に組み立て調整を容易にした光電式エンコーダに関する。
【0002】
【従来の技術】
メインスケールとこれに対向して相対移動する検出ヘッドを組み立てて構成される光電式エンコーダでは、高性能を実現するためには組立て時の各種姿勢調整が重要になる。具体的には、メインスケールと検出ヘッドの間のギャップ、メインスケールに設定される測定軸(X軸)回りの回転(ローリング方向)、メインスケール面内の測定軸と直交する軸(Y軸)回りの回転(ピッチング方向)、更にメインスケールとインデックススケールの間でモアレ干渉が生じる、X,Y軸に直交するZ軸回りの回転(モアレ方向)等の姿勢調整が必要である(例えば、実公平7−5361号公報参照)。
【0003】
特にメインスケールやインデックススケールとして、ホログラフィ技術等により形成される微細ピッチの光学格子を用いた場合、モアレ方向の姿勢変動があると、出力信号振幅が大きく低下する。従って、モアレ方向の姿勢変動に対する許容度は例えば、0.6°(±0.3°)程度と小さく、極めて精密な機械的調整が要求される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来より、光電式エンコーダのモアレ方向の姿勢変動等を機械的に調整する手法が種々用いられているが、機械的調整では限界がある。
この発明は、上記事情を考慮してなされたもので、モアレ方向の姿勢変動に対する許容度を大きくし、従って機械的調整を容易にした光電式エンコーダを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、測定軸に沿って第1の光学格子が形成されたメインスケールと、このメインスケールと対向配置されて前記測定軸方向に相対移動する第2の光学格子が形成されたインデックススケールを含む検出ヘッドとを備えた光電式エンコーダにおいて、前記第1の光学格子と第2の光学格子のうち一方は、前記測定軸と直交するスケール幅方向に細長く、測定軸方向に一定幅を持つ矩形の格子を配列して構成され、前記第1の光学格子と第2の光学格子のうち他方は、前記スケール幅方向の中心部から周辺部に向かって測定軸方向の幅が減少する略菱形の格子を配列して構成されていることを特徴とする。
【0006】
この発明において具体的には、例えば検出ヘッドが、インデックススケールとその透過光を受光する受光素子とを有する場合に、インデックススケールは、透明基板に前記第2の光学格子を構成する不透過部と透過部が配列形成され且つ、その不透過部と透過部のいずれか一方が略菱形にパターン形成される。
或いはまたこの発明において例えば、検出ヘッドが、インデックススケールを兼ねた受光素子アレイを有する場合に、その受光素子アレイの格子を構成する受光素子とその間のスペースのいずれか一方が略菱形にパターン形成される。
これらの検出ヘッドの構成に対応して、メインスケールは例えば、透明基板に第1の光学格子を構成する矩形パターンの透過部と不透過部が配列形成された透過型スケールとして構成される。
【0007】
この発明によると、モアレ方向の姿勢変動に対して、メインスケールとインデックススケールとの間で、略菱形の格子と矩形の格子とが重なっている間は、モアレ干渉は生じない。従って、モアレ方向の姿勢変動に対する許容度が大きくなる。通常の矩形格子の組み合わせに対して、一方に菱形の格子を用いることにより、出力信号のオフセット成分は大きくなるが、出力信号のピーク値が安定していれば、オフセット成分除去は容易である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態を説明する。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1による光電式エンコーダの構成を示す。このエンコーダは、メインスケール1と、これに対向して配置されてメインスケール1に設定される測定軸xに沿って相対移動する検出ヘッド2とから構成されている。メインスケール1はこの実施の形態の場合、透明基板10に不透過部11と透過部12を所定ピッチで配列して光学格子が形成された透過型スケールである。
【0009】
検出ヘッド2は、メインスケール1に対向配置されてメインスケール1の透過光を受けるインデックススケール3と、このインデックススケール3の透過光を受光する受光素子4a,4bを有する。インデックススケール3は、透明基板30に不透過部31と透過部32を所定ピッチで配列して光学格子が形成された透過型スケールである。具体的にはこのインデックススケール3には、互いに90°位相差を持つA,B相出力を得るための少なくとも二つの格子部が配置され、それらの格子部に対応して、受光素子4a,4bが設けられている。
【0010】
検出ヘッド2には、メインスケール1を挟んで受光部と対向するように光源5が配置されている。光源5は例えばLED5aとその出力光をコリメートする凹面鏡5bとから構成される。凹面鏡5bからのコリメート光がメインスケール1に照射される。
【0011】
図2は、メインスケール1とインデックススケール3の光学格子パターンを対応させて示している。メインスケール1上の光学格子を構成する不透過部11は、メインスケール1に設定される測定軸x0と直交するスケール幅方向に細長く、測定軸x0方向に一定幅を持つ矩形にパターニングされている。一方インデックススケール3上の光学格子を構成する不透過部31は、スケール幅方向の中心部から周辺部に向かって測定軸方向の幅が減少する扁平な菱形にパターニングされている。
【0012】
この実施の形態によると、インデックススケール3の不透過部31が周辺で細くなるように菱形にパターン形成されているために、メインスケール1と平行な面内でメインスケール1上の測定軸x0に対して、インデックススケール3の軸x1が多少回転したとしても、即ちモアレ方向の姿勢変動があったとしても、モアレが生じない。その様子を具体的に、図3に示す。
【0013】
図3は、メインスケール1の不透過部11とインデックススケール3の不透過部31が重なる状態を示している。軸x0とx1が一致しているのが理想状態(実線)である。この理想状態から、二つの軸x0,x1がθだけ回転したとしても、破線で示すようにインデックススケール3の不透過部31が、メインスケール1の不透過部11の範囲にある限り、メインスケール1とインデックススケール3の間の光学的結合に差異はなく、モアレは生じない。
【0014】
具体的な数値例を挙げる。メインスケール1の不透過部11のパターン寸法が、長さL=1mm、幅D=10μmであるとする。インデックススケール3の不透過部31はこのメインスケール1の不透過部11に内接する菱形であるとする。このとき、図3に示したように、モアレが生じることがない許容回転角θは、θ=tan-1(2d/L)=1.1°である。
通常の矩形パターンを持つメインスケールとインデックススケールの組み合わせの場合、モアレ方向の姿勢変動に対する許容度は前述のように0.6°程度であるとして、この実施の形態によるとこの許容範囲が、0.6°+1.1°まで広がることになる。従って、組立時の機械的姿勢調整は容易になる。
【0015】
[実施の形態2]
図4は、別の実施の形態によるメインスケール1とインデックススケール3の光学格子のパターンを図2に対応させて示している。先の実施の形態では、インデックススケール3の不透過部31と透過部32のうち、不透過部31を菱形パターンとしたのに対して、この実施の形態では逆に透過部32を菱形パターンとしている。
この様にしても、メインスケール1とインデックススケール3の間の光学的結合は、軸x0,x1の間の一定範囲の回転まで変化がない。従って先の実施の形態と同様に、モアレ変動に対する許容度が広くなる。
【0016】
[実施の形態3]
図5は、更に別の実施の形態による光電式エンコーダの構成である。図1と対応する部分には図1と同一符号を付してある。この実施の形態では、受光部が、インデックススケールを兼ねた受光素子アレイ6により構成されている。受光素子アレイ6の各受光素子61は、例えばメインスケール1のスケールピッチλに対して、3λ/4のピッチで配列されて、A,BB,B,AB相の出力が得られるようになっている。
【0017】
図6は、受光素子アレイ6の受光素子61のパターンを示している。図示のように受光素子61を、先の実施の形態1での不透過部31、或いは実施の形態2での透過部32と同様の菱形パターンとしている。
この実施の形態によっても、先の実施の形態と同様の原理でモアレ変動に対する許容度が大きくなる。また、実施の形態1,2の関係から明らかなように、受光素子61の間のスペース62のパターンを菱形とすることによっても、同様の効果が得られる。
【0018】
[実施の形態4]
ここまでの実施の形態1〜3では、測定軸xが直線であるリニアエンコーダについて説明したが、メインスケール1の測定軸xが円を描くものとすれば、実施の形態1〜3はそのままロータリエンコーダにも同様に適用することができる。例えば、実施の形態1をロータリエンコーダに応用した実施の形態4について、メインスケール1とインデックススケール3の光学格子の構成を、図2に対応させて図7に示す。図示のように、インデックススケール3では、円板状のメインスケール1の測定軸x0の曲率半径と同じ曲率半径を持つ軸x1に沿って、菱形パターンの光学格子を配列すればよい。
【0019】
[実施の形態5]
またこの発明においては、相対向する光学格子の一方を扁平な菱形パターンとして、一定の姿勢変動を許容できるようにしているので、この特性を活かして検出ヘッドをリニアエンコードとロータリエンコーダに共用できる汎用部品として構成することが可能である。図8はその様な実施の形態5のロータリエンコーダにおけるメインスケール1とインデックススケール3を、図7に対応させて示している。
【0020】
メインスケール1上の測定軸x0は図示のように円を描くのに対し、インデックススケール3上では光学格子配列の軸x1を、実施の形態1と同様に直線としている。メインスケール1上の光学格子は、インデックススケール3のx1を基準として、インデックススケール3によりカバーされる範囲で少しずつ傾くが、その傾斜角θが図3で説明した許容範囲角度以下であれば、測定に支障はない。従ってこの実施の形態のインデックススケール3を持つ検出ヘッドは、ロータリエンコーダにもリニアエンコーダにも適用可能となる。
実施の形態2及び3に示した検出ヘッドも同様に一定範囲のロータリエンコーダに適用することができる。
【0021】
なおこの発明において、菱形は厳密な意味での菱形である必要はなく、“略菱形”、言い換えれば実質的に菱形であればよい。例えば、図9に示すように、菱形の4頂点を僅かに削った状態の扁平な8角形パターン、或いは図10に示すように、滑らかな円弧を描くパターンでもよく、これらも“略菱形”に含まれるものとする。
また、ここまでの実施の形態では、メインスケール1側の格子は矩形パターンとし、受光側(即ち、インテックスケール又は受光素子アレイ)で菱形パターンを用いたが、これとは反対に、受光側を通常通り矩形の格子とし、メインスケール側の透過部或いは不透過部を略菱形としもよい。
更に、実施の形態では透過型のメインスケールを用いた場合を説明したが、反射型のメインスケールを用いる光電式エンコーダにも同様にこの発明を適用できる。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明によれば、矩形パターンと略菱形のパターンの格子の組み合わせを利用することにより、モアレ方向の姿勢変動に対する許容度を大きくし、機械的調整を容易にした光電式エンコーダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態による光電式エンコーダの構成を示す図である。
【図2】 同実施の形態のメインスケールとインデックススケールの光学格子パターンを示す図である。
【図3】 同実施の形態のメインスケールとインデックススケールの結合の様子を示す図である。
【図4】 別の実施の形態によるメインスケールとインデックススケールの光学格子パターンを示す図である。
【図5】 別の実施の形態による光電式エンコーダの構成を示す図である。
【図6】 同実施の形態による受光素子アレイのレイアウトを示す図である。
【図7】 別の実施の形態によるメインスケールとインデックススケールの光学格子パターンを示す図である。
【図8】 別の実施の形態によるメインスケールとインデックススケールの光学格子パターンを示す図である。
【図9】 略菱形パターンの他の例を示す。
【図10】 略菱形パターンの他の例を示す。
【符号の説明】
1…メインスケール、10…透明基板、11…不透過部、12…透過部、2…検出ヘッド、3…インデックススケール、30…透明基板、31…不透過部、32…透過部、4a,4b…受光素子、5…光源、6…受光素子アレイ。

Claims (5)

  1. 測定軸に沿って第1の光学格子が形成されたメインスケールと、このメインスケールと対向配置されて前記測定軸方向に相対移動する第2の光学格子が形成されたインデックススケールを含む検出ヘッドとを備えた光電式エンコーダにおいて、
    前記第1の光学格子と第2の光学格子のうち一方は、前記測定軸と直交するスケール幅方向に細長く、測定軸方向に一定幅を持つ矩形の格子を配列して構成され、
    前記第1の光学格子と第2の光学格子のうち他方は、前記スケール幅方向の中心部で前記測定軸方向の幅が前記矩形の格子の前記測定軸方向の幅と略同一、及び前記測定軸方向の中心部で前記スケール幅方向の長さが前記矩形の格子の前記スケール幅方向の長さと略同一で、前記スケール幅方向の中心部から周辺部に向かって測定軸方向の幅が減少する略菱形の格子を配列して構成され、
    且つ、前記メインスケールと前記インデックススケールとの間の許容回転角がθであるとき、前記略菱形の格子の前記スケール幅方向に対して斜めになっている辺が前記スケール幅方向に対してそれぞれ角度θずつ傾斜し、前記矩形の格子の中心と前記略菱形の格子の中心とが一致している状態において、前記略菱形の格子が前記許容回転角θだけ回転したときに、前記略菱形の格子が前記矩形の格子の範囲内に存在している
    ことを特徴とする光電式エンコーダ。
  2. 前記検出ヘッドは、前記インデックススケールとその透過光を受光する受光素子とを有し、前記インデックススケールは、透明基板に第2の光学格子を構成する不透過部と透過部が配列形成され且つ、その不透過部と透過部のいずれか一方が前記略菱形にパターン形成されていることを特徴とする請求項1記載の光電式エンコーダ。
  3. 前記検出ヘッドは、前記インデックススケールを兼ねた受光素子アレイを有し、その受光素子アレイの受光素子とその間のスペースのいずれか一方が前記略菱形にパターン形成されていることを特徴とする請求項1記載の光電式エンコーダ。
  4. 前記メインスケールは、透明基板に前記第1の光学格子を構成する矩形パターンの透過部と不透過部が配列形成された透過型スケールであることを特徴とする請求項2又は3記載に記載の光電式エンコーダ。
  5. 前記検出ヘッドは、前記測定軸が直線を描くリニアエンコーダ及び前記測定軸が円を描くロータリエンコーダのいずれにも適用可能な汎用部品として構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光電式エンコーダ。
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