JP4447201B2 - オイルミスト潤滑ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種軸受け、歯車等の機械要素の摺動、転動部への潤滑油を霧化して供給する噴霧潤滑装置の改良に関し、更に詳しくは、油量のバラツキの原因となる生油を回収して再噴霧化させることで、潤滑目的に応じて計算された的確な油量を供給することができ、延いては、微量の油霧を単位時間当たり一定量を長期間に亘って供給し続けることもできるオイルミスト潤滑ユニットに存する。
【0002】
【従来の技術】
従来、斯かるオイルミスト潤滑ユニットは、配管が簡単で、かつ、油が各部に均等に配分できることを特徴の一つとして挙げることができる。しかし、オイルミスト潤滑ユニットからは、オイルミストのみが吐出されるのではなく、オイルミストになっていない油(以下、単にこれを生油という)までもが同時に吐出され、油霧搬送ラインを経て潤滑目的(給油点)に供給されている。
【0003】
また、潤滑ユニットから潤滑目的までの油霧搬送ラインの配管は、オイルミストが生油にならないように、換言すれば、圧縮空気の流速を遅くするために、油霧搬送ラインの配管を太くしたり、同配管の曲がりを少なくし、また、曲がりを、極力、大きなRで行なっている。
【0004】
更に、主管から枝配管に取り出す場合、上部から取り出すなどの配慮をしているが、一旦、オイルミストが生油になった場合、或いは潤滑ユニットから吐出した生油は、ドレントラップやオリフィスを付けて外部へ排出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の潤滑ユニットにはあっては、オイルミスト状の油が、圧縮空気の流れに乗り、圧縮空気の流量に比例して各部に供給されるが、生油が配管の状態に左右され、潤滑目的に到達するため供給油量のバラツキが生じる原因となっており、斯かる油量のバラツキを見込んで油量を増やしているのが現状である。
【0006】
また、オイルミスト潤滑は、高速回転の軸受け等に使用されるため、油量のバラツキや、油量が断続的に供給されることが、軸受けの温度上昇につながってしまうといった問題を有すると共に、油量が断続的に供給される中で瞬間的に油量が多くなった場合は、攪拌熱の増加による軸受けの発熱となってしまうことが危惧されている。
【0007】
更に、現状の潤滑ユニットの場合にあっては、潤滑ユニットのOUTからチューブ配管等の搬送ラインで潤滑目的まで配管されるが、この配管内に付着した生油は、機械停止(圧縮空気供給停止)後、重力によりユニット側に戻ってしまうといった問題がある。
【0008】
しかも、この油は、潤滑ユニット内に戻り、再噴霧されることになるが、戻った油量が多い場合、運転開始時、フォグ量が多くなってしまうといった問題をも危惧されるのである。
【0009】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、油量のバラツキの原因となる生油を回収して再噴霧化させることで、潤滑目的に応じて計算された的確な油量を供給することができる有用なオイルミスト潤滑ユニットの提供を目的としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の如き従来の問題点を解決し、所期の目的を達成するため本発明の要旨は、潤滑油を収容する油収容槽と、空気切換弁の支流に配設され前記油収容槽から定量の油を吸い上げて油霧発生装置に前記油を供給する定量油供給ポンプと、前記定量油供給ポンプから供給された油を霧化する油霧発生装置と、前記油霧発生装置と潤滑対象物に油を噴霧するチャンバーとの間に配設される油霧搬送ラインと、前記油霧搬送ライン内に生じる生油を回収し前記油収容槽内に若しくは加圧油槽内に還送させる生油回収機構と、を備えてなるオイルミスト潤滑ユニットであって、前記生油回収機構の回収は、前記油霧搬送ラインの基部側に形成された油溜部若しくは前記チャンバーに形成された生油回収部のいずれかに溜まった生油を、生油戻し配管を連通させて再噴霧用ポンプに回収するものであるオイルミスト潤滑ユニットに存する。
【0011】
また、前記生油回収機構において、チャンバーに形成された生油回収部に溜まった生油を再噴霧用ポンプに回収する場合には、油霧搬送ラインの基部側に形成された油溜部から当該油霧搬送ライン内に向けて強制的にエアを送給せしめてこの油霧搬送ライン内に付着した生油を吹き上げる生油押上エアラインを設けるものである。
【0013】
このように構成される本発明のオイルミスト潤滑ユニットは、潤滑油を収容する油収容槽と、空気切換弁の支流に配設され前記油収容槽から定量の油を吸い上げて油霧発生装置に前記油を供給する定量油供給ポンプと、前記定量油供給ポンプから供給された油を霧化する油霧発生装置と、前記油霧発生装置と潤滑対象物に油を噴霧するチャンバーとの間に配設される油霧搬送ラインと、前記油霧搬送ライン内に生じる生油を回収し前記油収容槽内に若しくは加圧油槽内に還送させる生油回収機構と、を備えてなるオイルミスト潤滑ユニットであって、前記生油回収機構の回収は、前記油霧搬送ラインの基部側に形成された油溜部若しくは前記チャンバーに形成された生油回収部のいずれかに溜まった生油を、生油戻し配管を連通させて再噴霧用ポンプに回収するものであり、更に、前記生油回収機構において、チャンバーに形成された生油回収部に溜まった生油を再噴霧用ポンプに回収する場合には、油霧搬送ラインの基部側に形成された油溜部から当該油霧搬送ライン内に向けて強制的にエアを送給せしめてこの油霧搬送ライン内に付着した生油を吹き上げる生油押上エアラインを設けることによって、生油を効率的に油霧発生装置内に還流し得るのみならず、油量のバラツキの原因となる生油の影響を極力少なくすべく生油を効率的に油霧発生装置内に還流し得ることとなり、潤滑目的に応じて計算された油量を油霧にして的確に供給し得ると共に、生油押上エアラインにより、油霧搬送ライン内に付着した生油が重力によりユニット側に戻ってしまうことを阻止し得ることとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るオイルミスト潤滑ユニットの第1実施例を図1を参照しながら説明する。図中Aは、本発明に係るオイルミスト潤滑ユニットであり、このオイルミスト潤滑ユニットAは、図1に示すように、潤滑油を収容する油収容槽1と、該油収容槽1と連通すべく配管される油霧発生装置2と、空気切換弁(図示せず)の支流に配設される定量油供給ポンプ3と、後述する油霧搬送ライン内で発生する生油を回収して前記油収容槽1内に強制的に還送させる生油回収機構4とを備えている。
【0017】
油霧発生装置2は、加圧油槽5の上位に取り付けられた油滴下監視用のサイトドーム6と、該サイトドーム6の下位に取り付けられたベンチュリ機構7と、前記加圧油槽5内の底部に取り付けられたレベルスイッチ8と、加圧油槽5の底部に溜まった油を、再度、前記ベンチュリ機構7に還流せしめる油還流ライン9とを備えている。
【0018】
また、定量油供給ポンプ3は、油槽1と連通されたプランジャポンプ3aと、空気切換弁(図示せず)に連通される3ポート電磁弁3bとからなり、該3ポート電磁弁3bのオン/オフ操作による圧縮空気でプランジャポンプ3aを作動させ、油槽1から油用フィルタ(図示せず)を介して清浄された定量の油10を吸い上げ、定量油供給ライン11を経てサイトドーム6に一定量の油を供給するものである。
【0019】
一方、生油回収機構4は、油霧搬送ライン13の基部側に形成された油溜部4aと、該油溜部4aに生油戻し配管4bを介して連通される再噴霧用ポンプ4cと、該再噴霧用ポンプ4cと前記油霧発生装置2とを連通する第2生油還流ライン4dとを備えている。
【0020】
従って、油溜部4aに滞留してしまう生油は、再噴霧用ポンプ4cの駆動で前記生油戻し配管4b、第2生油還流ライン4dを経て油収容槽1内に強制的に還流させながら効率的に滴下・回収することができ、生油の大部分は再度、噴霧化に供されるのである。
【0021】
また、加圧油槽5には、レベルスイッチ8及び油排出弁機構(図示せず)が付設されており、潤滑油の溜まり具合を容易に検出することができ、ベンチュリ機構7の能力低下を感知することができる。
【0022】
斯かるベンチュリ機構7は、サイトドーム室6a内に連通する少なくとも一以上の油通路7a1 を有するベンチュリホルダ7aと、前記油通路7a1 に連通すべく同ベンチュリホルダ6a内に形成された還流油流入室7bと、該還流油流入室7bの下位に組み付けられたベンチュリ本体7cと、前記還流油流入室7bと油還流ライン9とを連通せしめるベンチュリ上部通路7dとを備えている。
【0023】
また、ベンチュリ機構7に供給される圧縮空気の一部は、分岐してエアバイパス調整ニードル12に導かれ、潤滑対象の冷却及び潤滑対象がハウジングに収納されているような場合は、コンタミナント、切削液、冷却水等の侵入防止を目的として圧縮空気流量を調整した上で油霧搬送ライン13に混入されるのである。尚、図中14は、フォグ分配器のチャンバーであり、水平方向に出力ポート14a,14a…が穿孔されている。
【0024】
このように構成される本実施例のオイルミスト潤滑ユニットは、油霧搬送ライン13内に生じる生油が油溜部4a内に滞留しても、生油戻し配管4bを介して連通される再噴霧用ポンプ4cの駆動で前記油収容槽1内に還送させながら生油を効率的に回収すべく油収容槽1内に滴下することができ、油量のバラツキの原因となる生油の悪影響(フォグ量の増加)を防止できるのである。
【0025】
特に、生油の大部分は上述した生油回収機構4にて回収・再噴霧化されるため、今まで油量のバラツキを見込んで油量を増やしていた無駄を省くことができ、潤滑目的に応じて計算された油量を(少量でも)的確に供給できる。
【0026】
次に、本発明に係るオイルミスト潤滑ユニットの第2実施例を図2を参照しながら説明する。尚、理解を容易にするため、前述した第1実施例と同一部分は同一符号で示し、構成の異なる処のみを新たな番号を付して以下に説明する。
【0027】
図中15は、本発明に係る生油回収機構(第2実施例)を示すものであり、油霧搬送ライン13の基部側に形成された油溜部15aと、該油溜部15aから油霧搬送ライン13内に向けて強制的にエアを送給せしめる生油押上エアライン15bと、油霧搬送ライン13のチャンバー14に形成された生油回収部15cと、該生油回収部15cに生油戻し配管15dを介して連通される再噴霧用ポンプ15eと、該再噴霧用ポンプ15eと前記油霧発生装置2とを連通する第2生油還流ライン15fとを備えている。
【0028】
このように構成される本実施例のオイルミスト潤滑ユニットは、油霧搬送ライン13内に付着した生油が生油押上エアライン15で吹き上げられる結果、重力によりユニット側に戻ってしまうことを阻止でき、また、生油回収部15cに滞留した生油は、第1実施例と同様、前記生油戻し配管15d、再噴霧用ポンプ15e、第2生油還流ライン15fを経て加圧油槽5内に強制的に還送させることができるのである。
【0029】
しかも、油量のバラツキを惹起せしめる生油を、再噴霧用ポンプ15eにて徐々に再噴霧化すべく加圧油槽5内に給送されるため、従来の如きオイルミスト潤滑ユニットの運転初期に配管から戻る生油によって、フォグ量が多くなってしまうといった現象を防止することができる。
【0030】
尚、本発明の循環式オイルミスト潤滑ユニットAは、本実施例に限定されることなく、本発明の目的の範囲内で自由に設計変更し得るものであり、本発明はそれらの全てを包摂するものである。
【0031】
例えば、圧縮空気がベンチュリ機構7内を流れることで発生する差圧力を利用して、加圧油槽5の底部に貯留している油を油還流ライン9で強制的に吸い上げて還流油流入室7bに戻し、再度、ベンチュリ本体7cの中央を通過させる還流方式で、霧化が連続して行われるため、加圧油槽5内に貯留油がある限り、油霧を供給し続けることができ、また、油供給ポンプ3での供給油量が多い場合、換言すれば、加工条件により更に潤滑目的への油量を低減したい場合は、油返送ポンプの駆動で加圧油槽5内の貯留油を大気圧の油収容槽1内に返送し、かつ、サイトドーム室6a内に供給圧を導入することで、ベンチュリ機構7での油吸い上げの差圧を無くし、霧化を停止させることができる。
【0032】
また、加圧油槽5内あって、微細油霧とならなかった油は、同加圧油槽2内の底部に溜まり、前記油還流ライン9にて強制的に循環霧化されるが、油定量吐出ポンプ3aからは予め設定された頻度で油が供給されるため、ベンチュリ機構7の霧化能力を上回る油が供給された場合、例えば、ベンチュリ機構7で霧化しない油を使用した場合及び/又はベンチュリ機構7の霧化能力が低下した場合など、油は加圧油槽2内に増加していくため(この事は当初の潤滑条件を満たしていないことになり)、警報を出す必要がある。
【0033】
具体的には、一定以上の油量となった場合、油収容槽1及び加圧油槽5を透明にしておくことで一定以上の油が溜まったことを監視し、透明な加圧油槽5に警告レベル(MAX .OIL EVEL)を印刷しておくことで判定条件にすることができ、また、前述したように加圧油槽5内にレベルスイッチ8を設置することにより、外部に警報として出力することができる。
【0034】
尚、警報が出力した場合、原因を調査して対策を講じることになるが、加圧油槽5内に溜まった油を外部へ排出する必要があり、この場合、前記油排出弁機構(図示せず)を設けることで解決できることは云うまでもない。
【0035】
また、油定量吐出ポンプ3aから供給される油は、油還流ライン9と合流する前に(油のみで空気との混入が無い状態で)サイトドーム室6aで滴下するため、このサイトドーム6に滴下検出用センサ(図示せず)を設置することで、油定量吐出ポンプ3aの作動を確認しても良い。
【0036】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成され、前記生油回収機構の回収は、前記油霧搬送ラインの基部側に形成された油溜部若しくは前記チャンバーに形成された生油回収部のいずれかに溜まった生油を、生油戻し配管を連通させて再噴霧用ポンプに回収するものであること、または、生油回収機構において、前記チャンバーに形成された生油回収部に溜まった生油を再噴霧用ポンプに回収する場合には、油霧搬送ラインの基部側に形成された油溜部から当該油霧搬送ライン内に向けて強制的にエアを送給せしめてこの油霧搬送ライン内に付着した生油を吹き上げる生油押上エアラインを設けることによって、生油が再噴霧用ポンプで徐々に再噴霧化されるため、従来のオイルミスト潤滑ユニットの如く、運転初期に配管から戻る生油によりフォグ量が多くなってしまうといった現象を防止できるのみならず、前記油霧搬送ライン内に付着した生油が生油押上エアラインで吹き上げられる結果、油霧搬送ライン内に付着した生油が重力によりユニット側に戻ってしまうことを阻止できるため、油量のバラツキの原因となる生油の悪影響を極力少なくでき、少量の油でも的確に連続的に供給できるといった効果を奏するものである。
【0039】
このように本発明のオイルミスト潤滑ユニットは、油量のバラツキの原因となる生油の大部分が回収・再噴霧化されるため、油量のバラツキを見込んで油量を増やしていた部分を最適化できるなど、フォグ量の変化を来すことなく少量の油でも連続して霧化することができ、また、構成が単純であるため大量生産に適し、価格も低廉なものとして需要者に提供できるなど、本発明を実施することはその実益的価値が甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るオイルミスト潤滑ユニットの第1実施例を示す説明図である。
【図2】 同オイルミスト潤滑ユニットの第2実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 油収容槽
2 油霧発生装置
3 定量油供給ポンプ
3a プランジャポンプ
3b 3ポート電磁弁
4 生油回収機構
4a 油溜部
4b 生油戻し配管
4c 再噴霧用ポンプ
4d 第2生油還流ライン
5 加圧油槽
6 油滴下監視用のサイトドーム
6a サイトドーム室
7 ベンチュリ機構
7a ベンチュリホルダ
7a1 油通路
7b 還流油流入室
7c ベンチュリ本体
7d ベンチュリ上部通路
8 レベルスイッチ
9 油還流ライン
10 油
11 定量油供給ライン
12 エアバイパス調整ニードル
13 油霧搬送ライン
14 チャンバー
14a 出力ポート
15 生油回収機構
15a 油溜部
15b 生油押上エアライン
15c 生油回収部
15d 生油戻し配管
15e 再噴霧用ポンプ
15f 第2生油還流ライン
Claims (2)
- 潤滑油を収容する油収容槽と、
空気切換弁の支流に配設され前記油収容槽から定量の油を吸い上げて油霧発生装置に前記油を供給する定量油供給ポンプと、
前記定量油供給ポンプから供給された油を霧化する油霧発生装置と、
前記油霧発生装置と潤滑対象物に油を噴霧するチャンバーとの間に配設される油霧搬送ラインと、
前記油霧搬送ライン内に生じる生油を回収し前記油収容槽内に若しくは加圧油槽内に還送させる生油回収機構と、
を備えてなるオイルミスト潤滑ユニットであって、
前記生油回収機構の回収は、前記油霧搬送ラインの基部側に形成された油溜部若しくは前記チャンバーに形成された生油回収部のいずれかに溜まった生油を、生油戻し配管を連通させて再噴霧用ポンプに回収するものであること、
を特徴とするオイルミスト潤滑ユニット。 - 生油回収機構において、チャンバーに形成された生油回収部に溜まった生油を再噴霧用ポンプに回収する場合には、油霧搬送ラインの基部側に形成された油溜部から当該油霧搬送ライン内に向けて強制的にエアを送給せしめてこの油霧搬送ライン内に付着した生油を吹き上げる生油押上エアラインを設けること、
を特徴とする請求項1に記載のオイルミスト潤滑ユニット。
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