JP4448263B2 - 汚泥の可溶化装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚泥を微生物によって分解しやすい状態に可溶化処理する汚泥の可溶化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、下水等の有機性汚水の処理方法として、活性汚泥を用いた生物学的処理方法が知られている。この生物学的処理方法は、汚水を沈砂池、最初沈殿池等の前処理設備に導き、比重の重いものを沈殿させ、次いで曝気槽において微生物等からなる活性汚泥によって汚水中の有機物を分解処理するものである。
【0003】
この生物学的処理方法においては、余剰汚泥が発生するため、その処理をいかに効率的に低コストで行うかが問題となっており、この余剰汚泥を処理するものとして汚泥の可溶化装置が提案されている。
【0004】
上述した汚泥の可溶化装置は、貯留タンクに貯留された余剰汚泥を高圧ポンプにより供給路を通じて反応装置に圧送し、該反応装置において高温・高圧下で当該汚泥を微生物によって分解しやすい状態に可溶化処理しており、この処理液を再び曝気槽に戻して処理している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の汚泥の可溶化装置では、余剰汚泥を高温・高圧下で可溶化処理しているため、高圧ポンプが詰まって作動不良を起こすと、反応装置では高圧状態を保持することができず、余剰汚泥を可溶化処理できないという不具合が生じるという問題があった。
【0006】
このため、高圧ポンプの詰まりを防止するとともに、仮に高圧ポンプが詰まった場合でも、この状況を把握して迅速な対応ができるようにする必要があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の可溶化装置は、貯留タンクに貯留された汚泥を高圧ポンプにより供給路を通じて反応装置に圧送し、該反応装置において高温・高圧下で当該汚泥を微生物によって分解しやすい状態に可溶化処理する汚泥の可溶化装置において、前記汚泥は、微粉砕手段により細かく粉砕された状態で前記貯留タンクに導入されるとともに、前記供給路に設けられたフィルタを介して前記高圧ポンプに吸引され、一方、高圧ポンプの吐出側の供給路には流量計が設けられ、高圧ポンプが詰まった際には、流量計の検出に基づいて警報を発するように構成されたものである。
【0008】
請求項2に係る発明の可溶化装置は、前記高圧ポンプは、供給路に2台が並列的に配置されたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0010】
まず、本発明の汚泥の可溶化装置を説明する前に、当該可溶化装置を用いた処理システム全体の構成について説明する。
【0011】
図1は、処理システム全体の概略構成を示している。
【0012】
処理システムは、汚水と汚泥とを処理するもので、生物処理槽1と、沈殿槽2と、濃縮装置3と、本発明の可溶化装置4とを備えてなるものである。
【0013】
生物処理槽1は、当該生物処理槽1内に増殖、保持されている微生物により汚水を分解処理するもので、処理しようとする汚水が導入される。
【0014】
沈殿槽2は、前記生物処理槽1で処理した汚泥混合液を貯留し、当該混合液中の汚泥を沈殿させるためのもので、汚泥の大半は破線で示すように返送汚泥として前記生物処理槽1に返送されて汚水処理に寄与する微生物の量を調整するとともに、残りの汚泥は余剰汚泥として取り出される。また、この沈殿槽2で汚泥が分離された上澄水は処理水として越流し、外部に放流される。
【0015】
前記濃縮装置3は、前記余剰汚泥を所定の濃度に濃縮するためのもので、濃縮された余剰汚泥は可溶化装置4に導入される。
【0016】
可溶化装置4は、濃縮処理した余剰汚泥を生物処理槽1で微生物が分解しやすい状態に処理するためのもので、前記余剰汚泥を所定の高温・高圧下で処理することでその固形分を液状化するようにしている。なお、可溶化装置4の具体的な構成については後で説明する。
【0017】
次に、このように構成された処理システム全体の処理の流れについて簡単に説明する。
【0018】
まず、汚水は生物処理槽1に導入され、この生物処理槽1において微生物により汚水中の有機物が分解処理される。生物処理された汚水は汚泥混合液として沈殿槽2に導かれ、重力沈降により汚泥が沈殿し、上澄水は処理水として越流堰からオーバーフローし、消毒等を行った後、外部に放流される。
【0019】
一方、沈殿した汚泥の大半は返送汚泥として生物処理槽1に返送することにより、生物処理槽1の汚泥濃度を適切な範囲に保持する。このような活性汚泥による生物処理においては、有機物の分解に伴って微生物の増殖が生じるため、通常はこの汚泥発生量に相当する量の汚泥を余剰汚泥として排出するが、ここでは発生量に見合った量の汚泥を余剰汚泥として取り出し、可溶化装置4によって可溶化処理を行う。可溶化に際しては、高濃度に濃縮した汚泥を処理する方が効率的であることから、濃縮装置3で所定の適切な濃度に濃縮した後、可溶化装置4に導くことが好ましい。
【0020】
可溶化装置4に導入された余剰汚泥は、当該可溶化装置4によって所定の温度及び圧力の下でその固形物が可溶化、液状化され、再び生物処理槽1に返送される。このように可溶化装置4で余剰汚泥を処理し、生物分解しやすい有機物に変換した後、生物処理槽1に返送されるため、生物学的に効率良く分解処理が行われる。
【0021】
続いて、上述した処理システムの一部を構成する本発明の汚泥の可溶化装置の具体的な構成について説明する。
【0022】
図2は、本発明の可溶化装置の構成の概略を示している。
【0023】
図2において、5は、前述した余剰汚泥を受け入れる受入タンクで、受入タンク5の底部側はポンプ6が介装された導入路7を通じて微粉砕手段としてのすり潰し機8に連結されている。
【0024】
すり潰し機8は、受入タンク5から送られてくる余剰汚泥をさらに細かくすり潰して均一な大きさにするもので、すり潰した余剰汚泥を排出口8aから貯留タンク9に導入する。
【0025】
貯留タンク9は、上記余剰汚泥を一旦貯留するもので、貯留した余剰汚泥を攪拌する攪拌機10が設けられており、この撹拌機10により余剰汚泥を撹拌することで底部への沈殿を防止して当該余剰汚泥を均質な状態にしている。
【0026】
そして、貯留タンク9は、供給路11を通じて反応装置12に連通されている。供給路11は、その途中部が2本の分岐供給路11a、11bに分岐された後、再び合流して前記反応装置12に連通されており、各分岐供給路11a、11bには高圧ポンプ13a、13b及びその吐出側に流量計14a、14bが介装されている。
【0027】
これら高圧ポンプ13a、13bは、いずれか一方を択一的に作動させるようになされており、一方の高圧ポンプ13aもしくは13bの作動により貯留タンク9の余剰汚泥を反応装置12に圧送する。
【0028】
流量計14a、14bは、各分岐供給路11a、11bを流れる余剰汚泥の流量を計測するためのもので、この流量計14a、14bで検出された流量信号は図示しない制御装置に入力される。制御装置では、上記流量信号に基づいて余剰汚泥の流量が所定値まで低下した際に、高圧ポンプ13a、13bの作動不良と判断し、図示しない警報装置に作動信号を出力して警報を発する。
【0029】
また、上記高圧ポンプ13a、13bの上流側の供給路11には、フィルタ15が介装されている。フィルタ15は、余剰汚泥内の混入している異物や粒子の大きいものを除去するためのものである。
【0030】
前記反応装置12は、貯留タンク9から供給される余剰汚泥を前述した生物処理槽1で微生物が分解しやすい状態に処理するためのもので、導入部12aには前記供給路11が接続されるとともに、排出部12bには排出路16が接続されている。また、反応装置12には、供給された余剰汚泥を加熱するためのヒータ17が設けられており、前記高圧ポンプ13a、13bによる余剰汚泥の圧送作用と後述するリリーフ弁19のリリーフ圧、並びにヒータ17による加熱作用とによって、余剰汚泥を高温・高圧下でその固形分を液状化して微生物が分解しやすい状態に処理する。
【0031】
前記排出路16は、回収タンク18に連通されており、反応装置12の排出部から排出される処理液を回収タンク18に導入し、当該回収タンク18から処理液を前述した生物処理槽1に投入する。
【0032】
この排出路16には、リリーフ弁19が介装されている。リリーフ弁19は予め設定された設定圧以上になった場合に、排出路16を開放し、この開放により上記処理液を回収タンク18に回収させるようにしている。
【0033】
次に、このように構成された汚泥の可溶化装置による余剰汚泥の処理について説明する。
【0034】
前記沈殿槽2から排出される余剰汚泥は、まず受入タンク5に投入され、この受入タンク5からポンプ6によって導入路7を通じてすり潰し機8に導入され、すり潰し機8でさらに細かくすり潰して微粉砕し、貯留タンク9に導入される。貯留タンク9では、攪拌機10により攪拌することで上記微粉砕した余剰汚泥を均質な状態で貯留しており、一方の高圧ポンプ、例えば高圧ポンプ13aの作動により、貯留タンク9内の余剰汚泥を供給路11に吸込みフィルタ15で異物を除去した後、反応装置12に圧送する。
【0035】
反応装置12では、圧送された余剰汚泥を所定の高温・高圧下でその固形分を可溶化処理し、当該反応装置12への新たな余剰汚泥の導入に伴って処理液が排出部12bから排出路16に排出され、排出路16内の上流側の圧力がリリーフ弁19の設定圧よりも高くなれば、リリーフ弁19が開放され、この開放により処理液が回収タンク18に回収される。
【0036】
反応装置12で可溶化が促進され、生物分解しやすい有機物に変換されて回収タンク18に回収された処理液は、再び生物処理槽1に返送され、生物学的に効率良く分解処理が行われる。
【0037】
なお、可溶化処理の温度と圧力の条件は、種々の組合せが可能であるが、温度は、例えば50℃〜300℃の範囲に設定するのが望ましい。また、圧力は、本例の構成ではリリーフ弁19のリリーフ圧に基づいて設定されることになり、ランニングコストへの影響があまり大きくないことから、例えば0.1MPa〜10MPaを適正範囲とし、生物処理槽1の条件、処理する汚泥量、処理時間等の運転条件と、経済性を考慮して、温度及び圧力の条件を設定することにより、汚水の処理に悪影響を及ぼすことなく、安定した余剰汚泥の可溶化処理を行うことができる。
【0038】
ここで、この可溶化装置における可溶化処理においては、余剰汚泥を高温・高圧下で処理するため、高圧ポンプ13aが詰まって作動不良を起こすと反応装置12では高圧状態を保持することができず、余剰汚泥を可溶化処理できないという不具合が生じる。
【0039】
このため、本発明の可溶化装置では、余剰汚泥をすり潰し機8で細かく微粉砕した後、さらにフィルタ15にかけて高圧ポンプ13aに吸い込んでいる。従って、当該余剰汚泥は、均一な細かな粒子の状態で高圧ポンプ13aに吸い込まれ圧送されることになり、これによって高圧ポンプ13aの詰まりを防止することができる。
【0040】
また、仮に高圧ポンプ13aが詰まった場合には、余剰汚泥の流れが悪くなることから、流量計14aがこれを検出し、この検出結果に基づいて制御部では警報装置を作動させ警報音を鳴らす。これにより作業者はこの状況を把握でき、高圧ポンプ13bの作動に切り換えて当該高圧ポンプ13bにより余剰汚泥を圧送するとともに、詰まった高圧ポンプ13aの修理を行う。なお、分岐供給路11a、11bには一方の高圧ポンプが詰まった際に他方の高圧ポンプを作動させながら、当該詰まった高圧ポンプを安全に修理できるように複数の開閉バルブ(図示省略)が設けられている。
【0041】
これにより反応装置12への余剰汚泥の圧送を中断させることなく継続して行うことができ、余剰汚泥の可溶化処理を円滑に行うことができる。
【0042】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の汚泥の可溶化装置によれば、汚泥を微粉砕手段により細かく微粉砕した後、さらにフィルタにかけて高圧ポンプに吸引させることで、当該汚泥による高圧ポンプの詰まりを防止することができる。また、仮に高圧ポンプが詰まったとしても、流量計で詰まったことを検出して警報を発することで、この状況を把握して修理など迅速に対応することができる。
【0043】
また、供給路に高圧ポンプを2台を並列的に配置することで、一方の高圧ポンプが詰まっても、他方の高圧ポンプに切り換えて余剰汚泥を圧送することができ、反応装置への余剰汚泥の圧送を中断させることなく継続して行うことができ、余剰汚泥の可溶化処理を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】汚水と汚泥の処理を行う処理システム全体の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の汚泥の可溶化装置の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
4 可溶化装置
8 すり潰し機(微粉砕手段)
9 貯留タンク
11 供給路
12 反応装置
13a、13b 高圧ポンプ
14a、14b 流量計
15 フィルタ
Claims (2)
- 貯留タンクに貯留された汚泥を高圧ポンプにより供給路を通じて反応装置に圧送し、該反応装置において高温・高圧下で当該汚泥を微生物によって分解しやすい状態に可溶化処理する汚泥の可溶化装置において、
前記汚泥は、微粉砕手段により細かく粉砕された状態で前記貯留タンクに導入されるとともに、前記供給路に設けられたフィルタを介して前記高圧ポンプに吸引され、一方、高圧ポンプの吐出側の供給路には流量計が設けられ、高圧ポンプが詰まった際には、流量計の検出に基づいて警報を発するように構成されたことを特徴とする汚泥の可溶化装置。 - 前記高圧ポンプは、供給路に2台が並列的に配置されたことを特徴とする請求項1記載の汚泥の可溶化装置。
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