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JP4451024B2 - 土壌菌担持炭化物及びその製造方法 - Google Patents
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JP4451024B2 - 土壌菌担持炭化物及びその製造方法 - Google Patents

土壌菌担持炭化物及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は土壌菌担持炭化物及びその製造方法に関するものであり、農業用微生物資材、園芸用土壌改良材料、農地土壌改良材料、特殊肥料及び肥料、並びに漁業用、畜産用又は工業用の環境浄化用微生物資材として、更には被発酵処理物資のリサイクル技術に及ぶ。
【0002】
【従来の技術】
木炭・活性炭・泥炭・亜炭・石炭等の炭化物の農地土壌改良効果については、古くより注目されている。特に活着性の改善効果等は認められるところであり、アルカリ分による中和効果又は炭化物への土壌菌の住み着きによる効果も一部指摘されるところである。しかしながら、従来の技術はあくまでも炭化物への土壌菌の自然担持効果を期待したものであり、有用な土壌菌の積極的な菌相形成を目的としたものではない。
【0003】
自然状態が健全に維持されている状態では炭化物のみの投与で充分であるが、殺菌剤等を投与されている農地では、炭化物の鋤きこみのみでは土壌改良効果は期待できないところである。このことは、炭化物の用途が農業資材及びその他発酵処理分野等への積極的な利用に結びつかず、結果として炭化物の需要拡大は図られていないことから明らかである。
【0004】
一方、動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物のリサイクルが模索される中で、自然発酵処理が提起されているが、農地で使用できる堆肥とするに、1次発酵処理・2次発酵処理を必要とし、時間と場所を必要としている。ここで炭化物を利用することは農地への還元を短時間に行うことができることから、さまざまな原材料を使っての炭化物製造が試みられている。しかし、用途開発及び安価安定供給は実現していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、炭化物に土壌菌を接種し、土壌菌担持炭化物を構成する技術及び用途について鋭意研究した結果、広範囲の炭化物について土壌菌担持可能であり、土壌菌担持炭化物の鋤きこみにより、効果的な土壌改良効果と発酵処理効果を見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、従来別個に扱われていた炭化物と土壌細菌を合理的に組み合わせることにより、廃棄物有効利用のシステムを提供する。すなわち、炭化物に土壌菌を担持させることにより、作物・園芸分野における土壌改良用途をはじめとする炭化物の用途拡大を図ることであり、更には、製紙スラッジ若しくは食品系廃棄物を炭化物原料として利用することにより土壌菌担持炭化物を安価安定に提供する。
【0006】
すなわち本発明の目的は、耐熱性と保存性に優れた土壌菌である、バチルス コーアグランス(Bacillus Coagulans)或いはバチルス サーアクランス(Bacillus Circulans)(工業技術院生命工学研究所 FERM P−17807)のいずれか一方又は両方の菌体を炭化物に担持させた土壌菌担持炭化物を提供することであり、これは効果的な土壌改良効果と発酵処理効果を発揮するものである。すなわち、畜産・農業・漁業・食品系廃棄物リサイクル用及び工業用を含む環境浄化用微生物資材へ用途適用可能な土壌菌担持炭化物を提供することである。
【0007】
また本発明の目的は、耐熱性と保存性に優れた土壌菌である、サブチルス(Bacillus Subtilis)を炭化物に担持させた土壌菌担持炭化物を提供することである。サブチルスを利用することにより、特に排水処理資材分野への炭化物利用を推進するものである。
【0008】
さらに本発明の目的は、菌体の支持体として、製紙スラッジの炭化処理物をを用いるか、或いは製紙スラッジと動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物との配合物の炭化処理物を用いることにより、炭化物の中でも特に好ましい炭化物支持体を提案するものである。ここで製紙スラッジには、炭化可能な有機物が乾燥重量あたり50〜70重量%含まれ、その大半は微細セルロースで構成されている。この製紙スラッジを加熱炭化処理することにより、炭化物乾燥重量あたり10重量%以上の炭化分を含む炭化物が得られ、しかも微細セルロース炭化物であるので、土壌菌支持体としてその細孔を活用することを目的とする。製紙スラッジを土壌菌担持炭化物原材料として利用することは、含まれる有機質が微細セルロースで構成されることからも合理的であるが、更に有機質を多量に含む動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の前処理である水分調節又は油脂分調節を行なわせ、その後炭化処理することにより、炭化物の炭素含量を高めることも目的とする。また、動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物のみを炭化処理して支持体と出来るところ、製紙スラッジと混合することで、動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の加熱炭化処理を容易化することも目的とする。もちろん、安価で安定供給可能な動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の有効利用をも目的としている。さらに、製紙スラッジに含まれる無機質のほとんどはクレー等の土壌成分であるので、完成した炭化物を農地土壌改良用資材としうることを目的とする。
【0009】
本発明の第4の目的は、製紙スラッジ焼却灰と動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物との配合物の炭化処理物を支持体とすることで、炭化物の中でも特に好ましい炭化物支持体を上述した炭素支持体とは別に提案するものである。動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の加熱炭化処理を容易化、これらの廃棄物の有効利用、及び農地土壌改良用資材として利用は前記と共通である。特に強調すべきは次の通りである。一般に製紙スラッジの多くは焼却され、焼却灰はセメント原料として再利用されているが、その他は埋め立て処分されて土壌改良材料・特殊肥料・肥料等の原料としてはほとんど利用されていない。しかしながら、この焼却灰は比較的多孔質であり、水分保持能力もさることながら、油脂分の吸着保持能力にも優れている。この性質を活用することを目的とする。製紙スラッジ焼却灰の水分吸着保持性能と油脂分吸着保持性能の活用例として次を例示できる。すなわち、食肉廃棄物として、多量に廃棄される動物骨肉残滓に含まれる脂身は加熱により容易に液状化する。したがって、製紙スラッジ焼却灰に動物骨肉残滓・家畜糞尿・食肉系廃棄物を混合し、加熱炭化処理を行う段階で、液状化した油脂分は焼却灰に吸着保持され、その状態で自燃炭化する。
【0010】
本発明の第5の目的は、安価で安定供給可能な廃棄物を用いて土壌菌を担持させうる炭化処理物を生産・使用して、上記した土壌菌担持炭化物を安価安定供給可能に製造する方法を提供することである。すなわち製紙スラッジ又は製紙スラッジ焼却灰等の利用であり、更には動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の利用であり、それらの組合わせの利用である。同時に炭化物に芽胞を確実に形成させることを目的とする。特に製紙スラッジ焼却灰を使用する場合には、配合する動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の残余油脂分は栄養材料として機能し土壌菌の増殖と芽胞形成を確実なものとする。
【0011】
本発明の第6の目的は、炭化物支持体として木炭・活性炭・泥炭・亜炭・石炭等の使用を提案するものである。炭化処理を不要として、安価な土壌菌担持炭化物の製造方法を提供することである。
【0012】
本発明の第7の目的は、上記の製造方法において、炭化物に芽胞を確実に形成させることを目的とする。特に木炭、活性炭、建築廃材炭化物等を炭化物支持体とする場合を対象とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る土壌菌担持炭化物は、炭化物含有量が乾燥重量あたり10重量%以上となるように炭化処理をした、動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の少なくとも1つと製紙スラッジとの配合物の炭化処理物を支持体とし、該支持体に、土壌菌である、バチルス コーアグランス(Bacillus Coagulans)或いはバチルス サーアクランス(Bacillus Circulans)(工業技術院生命工学研究所 FERM P−17807)のいずれか一方の菌体だけ又は両方の菌体だけを接種し、支持体乾燥グラム重量あたり10個以上担持させたことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る土壌菌担持炭化物は、炭化物含有量が乾燥重量あたり10重量%以上となるように炭化処理をした、動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の少なくとも1つと製紙スラッジとの配合物の炭化処理物を支持体とし、該支持体に、土壌菌であるバチルス サブチルス(Bacillus Subtilis)の菌体だけを接種し、支持体乾燥グラム重量あたり10個以上担持させたことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る土壌菌担持炭化物は、炭化物含有量が乾燥重量あたり10重量%以上となるように炭化処理をした、動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の少なくとも1つと製紙スラッジ焼却灰との配合物の炭化処理物を支持体とし、該支持体に、土壌菌である、バチルス コーアグランス(Bacillus Coagulans)或いはバチルス サーアクランス(Bacillus Circulans)(工業技術院生命工学研究所 FERM P−17807)のいずれか一方の菌体だけ又は両方の菌体だけを接種し、支持体乾燥グラム重量あたり10 個以上担持させたことを特徴とする。
【0016】
本発明に係る土壌菌担持炭化物は、炭化物含有量が乾燥重量あたり10重量%以上となるように炭化処理をした、動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の少なくとも1つと製紙スラッジ焼却灰との配合物の炭化処理物を支持体とし、該支持体に、土壌菌であるバチルス サブチルス(Bacillus Subtilis)の菌体だけを接種し、支持体乾燥グラム重量あたり10 個以上担持させたことを特徴とする。
【0017】
本発明に係る土壌菌担持炭化物の製造方法は、土壌菌である、バチルス コーアグランス(Bacillus Coagulans)或いはバチルス サーアクランス(Bacillus Circulans)(工業技術院生命工学研究所 FERM P−17807)のいずれか一方の菌体だけ又は両方の菌体だけを炭化物支持体に接種し担持させた、あるいは土壌菌である、バチルス サブチルス(Bacillus Subtillis)の菌体だけを炭化物支持体に接種し担持させた土壌菌担持炭化物の製造方法であって、 動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の少なくとも1つと製紙スラッジとの配合物又は動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の少なくとも1つと製紙スラッジ焼却灰との配合物について、炭化物含量が乾燥重量あたり10重量%以上となるように炭化処理物を形成し、該炭化処理物の水分含量を25〜75重量%に調製し、かつpHが7.45以下に水分含有炭化処理物を形成し、該水分含有炭化処理物に前記土壌菌を接種し、前記菌体を支持体乾燥グラム重量あたり10個以上担持させたことを特徴とする。
【0018】
なお、動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の少なくとも1つと製紙スラッジとの配合物には、動物骨肉残滓と製紙スラッジ、家畜糞尿と製紙スラッジ、食品系廃棄物と製紙スラッジ、動物骨肉残滓と家畜糞尿と製紙スラッジ、動物骨肉残滓と食品系廃棄物と製紙スラッジ、家畜糞尿と食品系廃棄物と製紙スラッジ、動物骨肉残滓と家畜糞尿と食品系廃棄物と製紙スラッジ、の各配合物の組合せがある。動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の少なくとも1つと製紙スラッジ焼却灰との配合物についても同様の組合せがある。
【0020】
本発明に係る土壌菌担持炭化物の製造方法は、前記水分含有炭化処理物に対して、前記炭化処理物の乾燥重量に対し1〜20重量%以下の栄養材料を添加する工程を有することが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態及び実施例を通して発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されない。
【0022】
本発明における支持体である炭化物として、動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物も炭化処理により支持体とすることができる。但し、多量の水分を含む原材料をそのままの状態で加熱炭化処理することは取り扱いづらいため、製紙スラッジを単独に炭化処理し、又は製紙スラッジに動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物を配合し炭化処理して、炭化物含量が10重量%以上である炭化物とすることが好ましい。また、製紙スラッジ焼却灰に動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物を配合し炭化処理をして炭化物含量が10重量%以上である炭化物を支持体とすることが好ましい。
【0023】
本発明における炭化処理方法について説明する。本発明では炭化処理対象物を乾燥させた後、ほぼ空気遮断した条件で加熱処理を行なう。空気をほぼ遮断した条件下で加熱処理を行なうと、炭化処理対象物中の水素、酸素、有機物等の無機質(灰分となるもの)以外の成分が徐々に揮発して、炭化物が得られる。本発明における炭化物含有量とは、式1によって定義される。
【式1】
炭化物含有量(%)=(炭化物重量−灰分重量)/(炭化物重量)
なお、炭化物含有量を調整するために、加熱温度及び空気遮断性を適宜調節する。
【0024】
次に土壌菌の種菌を得る方法について記載する。まず土壌菌として、駿河菌として上市されているバチルス コーアグランス或いは駿河菌として上市されているバチルス サーアクランスのいずれか一方又は両方の菌体を用いる場合について説明する。バチルス コーアグランス或いはバチルス サーアクランスのいずれか一方又は両方の菌体を液体培養にて種菌とする。この際、液体培養としてG培地を使用した。G培地組成として例えば、FeSO4・7H2Oを0.00005%、CuSO4・2H2Oを0.0025%、ZnSO4・7H2Oを0.0005%、MnSO4・4H2Oを0.005%、MgSO4を0.02%、CaCl2・2H2Oを0.0025%、K2HPO4を0.05%、(NH4)2SO4を0.2%、酵母エキスを0.2%、グルコースを0.1%と調製し、pH7.25〜7.45とした。そして37℃×2日間の振蕩培養を行い、芽胞形成を相差顕微鏡で確認して種菌とした。
【0025】
なお、炭化物に接種する種菌製造方法については、固形培地による製造方法も採用できる。本発明は種菌製造方法により制限されるものではない。
【0026】
次に土壌菌を炭化物支持体に担持させる方法について記載する。炭化物は炭化完了時点で、微生物にとって、極めて生存困難な温度環境条件を経由しているので、確実な菌体接種が実現されなければならない。したがって、使用する種菌としては、芽胞が確実に形成されていることが好ましく、位相差顕微鏡による検査が簡便である。菌体を接種する炭化物のアルカリ分が高い場合には、流水にてpHを7.45以下とし、さらに水分を25〜75重量%に調製する。炭化物に芽胞を確実に形成させる必要があるため、木炭、活性炭等を炭化物支持体とする場合には、栄養材料を補給する方法が好ましい。栄養材料としては、乳糖、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、グルコース等が使用でき、その他ミネラルの補給も有効である。本発明は栄養材料、ミネラルの種類、添加量に制限されるものではないが、炭化物表面に確実な芽胞形成を実現する為に過剰な添加は控えることが好ましい。
【0027】
次に土壌菌として、バチルス サブチルスを用いる場合について記載する。バチルス サブチルスは既に排水処理における油脂分解等、広く使用されている土壌菌である。したがって本土壌菌を炭化物、特に木炭・活性炭へ担持させる主な目的は、排水処理資材分野への炭化物利用を推進するものである。ただし、本発明はこの用途に制限されるものではない。菌体接種の方法及び担持させる方法については、前述のバチルス コーアグランス或いはバチルス サーアクランスのいずれか一方又は両方の菌体を用いる場合と同様である。
【0028】
食品系廃棄物を使用して炭化物を製造した場合、残物質が土壌菌の栄養源となるので有効である。またミネラルも保持されるので土壌菌支持体としては合理的である。しかしながら、含まれる水分、油脂分又は臭気により、その取り扱いは容易でない。したがって、その取り扱いを容易とする為に製紙スラッジ又は製紙スラッジ焼却灰を利用する方法は、土壌菌担持炭化物の安価安定供給に資するものであり有効な手段である。
【0029】
【実施例】
(種菌培養方法)
種菌培養は、バチルス コーアグランス或いはバチルス サーアクランスのいずれか一方又は両方の菌体の培養ではG培地を使用した。また、バチルス サブチルスの菌体の培養でもG培地を使用した。G培地組成は、FeSO4・7H2Oを0.00005%、CuSO4・2H2Oを0.0025%、ZnSO4・7H2Oを0.0005%、MnSO4・4H2Oを0.005%、MgSO4を0.02%、CaCl2・2H2Oを0.0025%、K2HPO4を0.05%、(NH4)2SO4を0.2%、酵母エキスを0.2%、グルコースを0.1%と調製し、pH7.25〜7.45とした。そして37℃×2日間の振蕩培養を行い、芽胞形成を相差顕微鏡で確認して種菌とした。
【0030】
(炭化処理)
製紙スラッジの炭化処理を行った。製紙スラッジを単独で炭化物とした場合の炭化物含量を表1に示す。いずれの製紙スラッジについても炭化物含量は10重量%以上であり、土壌菌支持体として利用できる。この炭化物を支持体として使用することとする。
【表1】
【0031】
[土壌菌担持炭化物の製造参考例1]
表1に示す製紙スラッジ炭化物の4種類(A〜D)それぞれを、流水にてpHが7.45以下になるまで水洗し、水分が45重量%となるように水分を調製し炭化物支持体とした。これに栄養源として、水分重量に対し乳糖0.5重量%・ペプトン1.0重量%を添加した。次に上記種菌培養方法で調製した土壌菌種菌を接種し、37℃にて培養を行い、芽胞形成を確認後、70℃で温風乾燥を行い、水分を25重量%に調製して土壌菌担持炭化物1A〜1Dとした。
【0032】
[土壌菌担持炭化物の製造参考例2]
木炭及び椰子殻活性炭を流水にて、pHが7.45以下になるまで水洗し、水分が45重量%となるように水分を調製して炭化物支持体とした。これに栄養材料として水分重量に対し乳糖0.5重量%・ペプトン1.0重量%を添加した。次に上記種菌培養方法で調製した土壌菌種菌を接種し、37℃にて培養を行い、芽胞形成を確認後、70℃温風乾燥を行い水分を25重量%に調製し土壌菌担持炭化物2とした。
【0033】
[土壌菌担持炭化物の製造実施例3]
製紙パルプ一貫工場製紙スラッジ1重量部あたりに、等量の豚骨肉残滓及び野菜屑を加え、加熱炭化処理を行った。この炭化物の水分を65重量%に調製し、上記種菌培養方法で調製した土壌菌種菌を接種し、37℃×7日間培養を行い、芽胞形成を確認後、70℃温風乾燥を行い、水分を25重量%以下に調製して土壌菌担持炭化物3とした。
【0034】
[土壌菌担持炭化物の製造実施例4]
製紙パルプ一貫工場製紙スラッジ焼却灰1重量部あたりに、等量の骨肉残滓及び野菜屑を加え、加熱炭化処理を行ない、炭化物含量として乾燥重量あたり12重量%の炭化物を得た。上記種菌培養方法で調製した土壌菌種菌を接種し、土壌菌担持炭化物4とした。
【0035】
[土壌菌担持炭化物の製造実施例5]
製紙パルプ一貫工場製紙スラッジ焼却灰に動物骨肉残滓を加え、加熱炭化処理を行ない、炭化物含量として乾燥重量あたり9〜12重量%の炭化物を得た。上記種菌培養方法で調製した土壌菌種菌を接種し、土壌菌担持炭化物5とした。栄養材料・ミネラルの補給なしに、完成炭化物乾燥グラム重量あたり10個以上の菌数を担持した。
【0036】
[担持体施用例1−1](参考例1)
土壌菌担持炭化物1A〜1Dを、2期作馬鈴薯農地に10アールあたり100kg耕運し、殺菌剤を使用せずに1月間経過後に馬鈴薯の作付を行った。そうか病発生はなく、土離れも良好な結果が得られた。微生物資材として、又は土壌改良材料として使用できるものである。なお、接種した菌は、バチルス コーアグランス或いはバチルス サーアクランスのいずれか一方又は両方としても、バチルス サブチルスとしても共に良好な結果が得られた。
【0037】
[担持体施用例1−2](参考例2)
土壌菌担持炭化物2を、2期作馬鈴薯農地に10アールあたり100kg耕運し、殺菌剤を使用せずに1月間経過後に馬鈴薯の作付を行った。そうか病発生はなく、土離れも良好な結果が得られた。微生物資材として、又は土壌改良材料として使用できるものである。なお、接種した菌は、バチルス コーアグランス或いはバチルス サーアクランスのいずれか一方又は両方としても、バチルス サブチルスとしても共に良好な結果が得られた。
【0038】
[担持体施用例2](参考例3)
土壌菌担持炭化物1A〜1Dをカーネーション育苗培土480gあたり20g加え、これを参考例3A〜3Dとした。無添加標準区を比較例3−1とした。炭化灰をカーネーション育苗培土480gあたり20g加え、比較例3−2と比較した。結果を表2に示す。参考例3A〜3Dでは成長量が増加し、再現性のある活着性能も確認できた。
【表2】
なお、接種した菌は、バチルス コーアグランス或いはバチルス サーアクランスのいずれか一方又は両方としても、バチルス サブチルスとしても共に良好な結果が得られた。
【0039】
[担持体施用例3]
(実施例4)
土壌菌担持炭化物3に魚滓を10重量%配合し、70℃熱風にて水分を65重量%に調製して、40℃×7日間発酵処理を行った。この結果、魚臭の少ない発酵処理物が得られた。
【0040】
[担持体施用例4]
(実施例5)
土壌菌担持炭化物4に牛糞を40重量部配合し、40℃×1月間発酵処理を行った。無臭の発酵処理物が得られた。
【0041】
[担持体施用例1−1]〜[担持体施用例4]のいずれの施用例についても、土壌改良効果は認められた。また製紙スラッジ又は製紙スラッジ焼却灰は、被処理物資の水分調節、油脂分調節材料として有効である。
【0042】
(実施例6)
製紙パルプ一貫工場製紙スラッジの炭化物含量を1.72〜16.37重量%の範囲で調製し(参考例6−1〜参考例6−5)、上記種菌培養方法で調製した土壌菌種菌を担持させてその菌数をMPNにより求めた。更に、土壌菌担持炭化物5の炭化物含量を9.69〜12.04重量%の範囲で調製し(実施例6−6〜実施例6−8)、その菌数をMPNにより求め、結果を表3に示した。
【表3】
土壌菌担持炭化物とするための炭化物の炭化物含量は、表3に示すように乾燥重量あたり10重量%以上の場合、土壌菌数は炭化物乾燥重量あたり10個/g以上担持可能であった。炭化物含量が10重量%を下回る場合では、菌数を高濃度で担持させることは困難であった。したがって、炭化物含量は10重量%以上が実用的であり、確実な土壌菌担持を可能とするものである。
【0043】
【発明の効果】
請求項1記載の発明により、従来別個に扱われていた炭化物と土壌細菌を合理的に組み合わせることにより、廃棄物有効利用のシステムを提供することができる。畜産・農業・漁業・食品系廃棄物リサイクル用及び工業用を含む環境浄化用微生物資材へ用途適用可能な土壌菌担持炭化物を提供することができた。すなわち、炭化物に土壌菌を担持させることにより、作物・園芸分野における土壌改良用途をはじめとする炭化物の用途拡大(土壌改良材料・特殊肥料・肥料分野等への利用)を図り、更に製紙スラッジ若しくは食品系廃棄物を炭化物原料として利用することにより土壌菌担持炭化物を安価安定に提供することができる。炭化物の中でも特に好ましい炭化物支持体を提案することができた。有機質を多量に含む動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の前処理である水分調節又は油脂分調節を行なわせ、その後炭化処理することにより、炭化物の炭素含量を高めることもできる。安価で安定供給可能な動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物を製紙スラッジと混合することで、動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の加熱炭化処理を容易化することが可能となる。さらに、製紙スラッジに含まれる無機質のほとんどはクレー等の土壌成分であるので、完成した炭化物を農地土壌改良用資材としうる。
【0044】
請求項2記載の発明により、特に排水処理資材分野への炭化物利用を推進することができる。炭化物の中でも特に好ましい炭化物支持体を提案することができた。有機質を多量に含む動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の前処理である水分調節又は油脂分調節を行なわせ、その後炭化処理することにより、炭化物の炭素含量を高めることもできる。安価で安定供給可能な動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物を製紙スラッジと混合することで、動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の加熱炭化処理を容易化することが可能となる。さらに、製紙スラッジに含まれる無機質のほとんどはクレー等の土壌成分であるので、完成した炭化物を農地土壌改良用資材としうる。
【0045】
請求項3記載の発明により、従来別個に扱われていた炭化物と土壌細菌を合理的に組み合わせることにより、廃棄物有効利用のシステムを提供することができる。畜産・農業・漁業・食品系廃棄物リサイクル用及び工業用を含む環境浄化用微生物資材へ用途適用可能な土壌菌担持炭化物を提供することができた。すなわち、炭化物に土壌菌を担持させることにより、作物・園芸分野における土壌改良用途をはじめとする炭化物の用途拡大(土壌改良材料・特殊肥料・肥料分野等への利用)を図り、更に製紙スラッジ若しくは食品系廃棄物を炭化物原料として利用することにより土壌菌担持炭化物を安価安定に提供することができる。炭化物の中でも特に好ましい炭化物支持体を提案することができた。炭化物の中でも特に好ましい別の炭化物支持体を提案することができた。一般に製紙スラッジの多くは焼却され、焼却灰はセメント原料として再利用されているが、その他は埋め立て処分されて土壌改良材料・特殊肥料・肥料等の原料としてはほとんど利用されていないところ、焼却灰は比較的多孔質であり、水分保持能力と油脂分の吸着保持能力にも優れているという特性を活用することが出来た。
【0046】
請求項4記載の発明により、特に排水処理資材分野への炭化物利用を推進することができる。炭化物の中でも特に好ましい別の炭化物支持体を提案することができた。一般に製紙スラッジの多くは焼却され、焼却灰はセメント原料として再利用されているが、その他は埋め立て処分されて土壌改良材料・特殊肥料・肥料等の原料としてはほとんど利用されていないところ、焼却灰は比較的多孔質であり、水分保持能力と油脂分の吸着保持能力にも優れているという特性を活用することが出来た。
【0047】
請求項5記載の発明により、安価で安定供給可能な廃棄物を用いて土壌菌を担持させうる炭化処理物を生産・使用して、上記した土壌菌担持炭化物を安価安定供給可能に製造する方法を提供することができた。すなわち製紙スラッジ又は製紙スラッジ焼却灰等の利用であり、更には動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の利用であり、それらの組合わせの利用を利用する。同時に炭化物に芽胞を確実に形成させることができる。特に製紙スラッジ焼却灰を使用する場合には、配合する動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の残余油脂分は栄養材料として機能し土壌菌の増殖と芽胞形成を確実なものとする。
【0049】
請求項6記載の発明により、請求項5の製造方法において、炭化物に芽胞を確実に形成させることができる。特に木炭、活性炭等を炭化物支持体とする場合に効果的である。
【0050】
以上、本発明により、炭化処理を経由し、土壌菌を確実に該炭化物に担持させ、速やかに農地に還元できることとなったことは、循環型社会構築に向けて大きく貢献するものである。

Claims (6)

  1. 炭化物含有量が乾燥重量あたり10重量%以上となるように炭化処理をした、動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の少なくとも1つと製紙スラッジとの配合物の炭化処理物を支持体とし、該支持体に、土壌菌である、バチルス コーアグランス(Bacillus Coagulans)或いはバチルス サーアクランス(Bacillus Circulans)(工業技術院生命工学研究所 FERM P−17807)のいずれか一方の菌体だけ又は両方の菌体だけを接種し、支持体乾燥グラム重量あたり10個以上担持させたことを特徴とする土壌菌担持炭化物。
  2. 炭化物含有量が乾燥重量あたり10重量%以上となるように炭化処理をした、動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の少なくとも1つと製紙スラッジとの配合物の炭化処理物を支持体とし、該支持体に、土壌菌であるバチルス サブチルス(Bacillus Subtilis)の菌体だけを接種し、支持体乾燥グラム重量あたり10個以上担持させたことを特徴とする土壌菌担持炭化物。
  3. 炭化物含有量が乾燥重量あたり10重量%以上となるように炭化処理をした、動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の少なくとも1つと製紙スラッジ焼却灰との配合物の炭化処理物を支持体とし、該支持体に、土壌菌である、バチルス コーアグランス(Bacillus Coagulans)或いはバチルス サーアクランス(Bacillus Circulans)(工業技術院生命工学研究所 FERM P−17807)のいずれか一方の菌体だけ又は両方の菌体だけを接種し、支持体乾燥グラム重量あたり10個以上担持させたことを特徴とする土壌菌担持炭化物。
  4. 炭化物含有量が乾燥重量あたり10重量%以上となるように炭化処理をした、動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の少なくとも1つと製紙スラッジ焼却灰との配合物の炭化処理物を支持体とし、該支持体に、土壌菌であるバチルス サブチルス(Bacillus Subtilis)の菌体だけを接種し、支持体乾燥グラム重量あたり10個以上担持させたことを特徴とする土壌菌担持炭化物。
  5. 土壌菌である、バチルス コーアグランス(Bacillus Coagulans)或いはバチルス サーアクランス(Bacillus Circulans)(工業技術院生命工学研究所 FERM P−17807)のいずれか一方の菌体だけ又は両方の菌体だけを炭化物支持体に接種し担持させた、あるいは土壌菌である、バチルス サブチルス(Bacillus Subtillis)の菌体だけを炭化物支持体に接種し担持させた土壌菌担持炭化物の製造方法であって
    物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の少なくとも1つと製紙スラッジとの配合物又は動物骨肉残滓・家畜糞尿・食品系廃棄物の少なくとも1つと製紙スラッジ焼却灰との配合物について、炭化物含量が乾燥重量あたり10重量%以上となるように炭化処理物を形成し、該炭化処理物の水分含量を25〜75重量%に調製し、かつpHが7.45以下に水分含有炭化処理物を形成し、該水分含有炭化処理物に前記土壌菌を接種し、前記菌体を支持体乾燥グラム重量あたり10個以上担持させたことを特徴とする土壌菌担持炭化物の製造方法。
  6. 前記水分含有炭化処理物に対して、前記炭化処理物の乾燥重量に対し1〜20重量%以下の栄養材料を添加する工程を有することを特徴とする請求項5に記載の土壌菌担持炭化物の製造方法。
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