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JP4452061B2 - プラズマ発生装置用アンテナの整合方法及びプラズマ発生装置 - Google Patents
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JP4452061B2 - プラズマ発生装置用アンテナの整合方法及びプラズマ発生装置 - Google Patents

プラズマ発生装置用アンテナの整合方法及びプラズマ発生装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体、液晶、太陽電池におけるCVD(成膜)、エッチング、スパッタリング等で使用される大面積のプラズマ発生装置用アンテナの整合方法及びプラズマ発生装置に関する。
プラズマを利用したCVD(化学的気相成長法)装置やエッチング装置等の半導体製造装置では、プラズマの発生用にマイクロ波や無線高周波(RF)を用いているが、このRFプラズマを利用したプラズマ処理装置において、液晶ディスプレイ等の製作等では、近年では加工基板が1m×1m以上になる等大型化し、それに連れて、プラズマプロセスに用いられている真空チャンバーも大型化し、大面積のプラズマ発生装置が必要になってきている。
また、既に様々な分野で利用されている、アモルファスタイプや結晶タイプの薄膜太陽電池においても、1m×1m以上の大きな面積のものが要求されるようになってきており、このような大面積の薄膜太陽電池は、シラン等の原料ガスをプラズマ状態にして分解し、シリコン等を生成・堆積させる低温被膜プロセスのプラズマCVD装置等によって製造されている。
このように大型化したプラズマ発生装置では、使用する無線高周波の周波数が10MHz〜2.5GHzと高いため、アンテナから放射する電波の波長が真空チャンバーの容器のサイズと同じオーダーになってきている。そして、アンテナから放射する電波の空間分布が、プラズマの均一性更にはプロセスの均一性にとって重要な要素となってきている。
そして、従来の技術では、一般的には、平行平板電極によりプラズマの生成を行う高周波プラズマ処理装置等が使用されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この場合電極の大きさは用いているRF電源の使用周波数から決まる波長に比べて十分小さくなければならない。即ち、電極面での電波の強度分布が無視できるほど小さい必要があり、およそ波長の1/10以下程度でなければならない。さもなくば、平行平板を集中定数回路としてのコンデンサとして使用することができなくなり、均一なプラズマを生成することができなくなる。そのため、10MH以上の高周波で大面積で均一なプラズマを得る方法としては適していないという問題がある。
また、ラダー型の放電電極によりプラズマ生成を行うもの(例えば、特許文献2参照。)や、U字型電極によりプラズマ生成を行うものもある(例えば、特許文献3参照。)。
しかし、この2つのプラズマ処理装置では、プラズマ中で電極をアンテナとして共振させる構造を持っておらず、更に、なんらプラズマによる遮蔽効果、即ち、プラズマが電気の良導体であることから、アンテナに高周波を給電しても、給電口から先にエネルギーが伝播しないという現象を考慮していない。そのため、大面積で均一にプラズマを発生させることは困難であるという問題を有している。
これに関して、柱状アンテナをアレイ化することにより、電波の空間分布を一様にし、また、誘電体シース構造により、プラズマのRF遮蔽効果を克服する装置が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
しかしながら、アンテナ素子が発生したプラズマの影響を受けて、アンテナ素子のインピーダンスが変化するため、プラズマを励起する所定の周波数においてアンテナ側のインピーダンスを、給電ケーブル等の給電側のインピーダンス(通常50Ω程度)に常時整合させることが難しいという問題がある。
そして、このインピーダンスの不整合から生じるアンテナからの反射波により、プラズマ励起効率が悪化したり、給電ケーブルが異常過熱したり、高周波電源が故障したりするので、このアンテナ素子のインピーダンスと給電側のインピーダンスを整合させることが強く要求される。
なお、平行平板電極に対する整合回路やそれを設けた装置もあるが(例えば、特許文献5参照。)、この整合回路では、平行平板電極を集中定数素子、つまりコンデンサとして取り扱っているため、この整合回路によって、柱状アンテナのような分布定数素子の整合を図れるか難しいという問題がある。
特開2002−319576号公報 特開2002−327276号公報 特開2002−260899号公報 特開2003−86581号公報 特開2000−252099号公報
本発明は、分布定数素子である柱状アンテナ(誘電シース付き柱状アンテナ)のプラズマを励起する前のインピーダンス、又は、プラズマ励起中に変化するインピーダンスを、励起周波数において、給電ケーブルのインピーダンス(通常、50Ω)に整合させることができる。プラズマ発生装置用アンテナの整合方法及びプラズマ発生装置を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明のプラズマ発生装置用アンテナの整合方法は、表面を誘電体で覆った柱状の導電体からなる複数のアンテナ素子を、先端を開放して後端を接地し、前記先端と前記後端の間で給電するように、交互に給電方向を逆にして平行に配置した面状のアンテナを備え、通気性を有する導電体で形成された面状のグランドを、前記アンテナと平行に配設したプラズマ発生装置において、前記グランドと前記アンテナ素子との距離Hと、隣接するアンテナ素子相互間の距離Dとの関係を2H<Dとすると共に、前記先端からアース位置までのアンテナの長さを、nを正数とした時に、前記アンテナに供給する高周波電力の波長λの(2n−1)/4倍とすることができるように、前記アンテナ素子の前記後端と給電部の間に移動可能なアース部を設け、前記アンテナ素子の前記先端と前記アース部の間の長さを調整可能に構成し、前記アンテナ素子の前記後端側部分と前記給電部からの給電ケーブルとの接合部の部分に設けられ、かつ、前記アンテナ素子の前記先接合部より前記先端側で前記接合部の近傍に設けた可変コンデンサ又は可変インダクタを備えたインピーダンス整合装置で、前記アンテナ素子のインピーダンスと給電ケーブルのインピーダンスを整合することを特徴とする。
そして、上記のプラズマ発生装置用アンテナの整合方法において、前記アンテナ素子のインピーダンスと給電ケーブルのインピーダンスの整合を、前記アンテナ素子の先端側の前記接合部近傍に設けた第1可変コンデンサと、前記給電ケーブルの前記接合部近傍に設けた第2可変コンデンサのインピーダンスを調整することにより行うことを特徴とする。
あるいは、上記のプラズマ発生装置用アンテナの整合方法において、前記アンテナ素子のインピーダンスと給電ケーブルのインピーダンスの整合を、前記アンテナ素子の先端側の前記接合部近傍に設けた第1可変コンデンサと、前記アンテナ素子の前記接合部より後端側で、かつ、前記接合部近傍に設けた第3可変コンデンサのインピーダンスを調整することにより行うことを特徴とする。
また、上記のプラズマ発生装置用アンテナの整合方法において、前記アンテナ素子のインピーダンスと給電ケーブルのインピーダンスの整合を、前記アンテナ素子の先端側の記接合部近傍に設けた第1可変コンデンサと、前記給電ケーブルの前記接合部近傍に設けた第2可変コンデンサと、前記アンテナ素子の前記接合部より後端側で、かつ、前記接合部近傍に設けた第3可変コンデンサのインピーダンスを調整することにより行うことを特徴とする。
また、前記の目的を達成するための本発明のプラズマ発生装置は、表面を誘電体で覆った柱状の導電体からなる複数のアンテナ素子を、先端を開放して後端を接地し、前記先端と前記後端の間で給電するように、交互に給電方向を逆にして平行に配置した面状のアンテナを備え、通気性を有する導電体で形成された面状のグランドを、前記アンテナと平行に配設したプラズマ発生装置において、前記グランドと前記アンテナ素子との距離Hと、隣接するアンテナ素子相互間の距離Dとの関係を2H<Dとすると共に、前記先端からアース位置までのアンテナの長さを、nを正数とした時に、前記アンテナに供給する高周波電力の波長λの(2n−1)/4倍とすることができるように、前記アンテナ素子の前記後端と給電部の間に移動可能なアース部を設け、前記アンテナ素子の前記他端と前記アース部の間の長さを調整可能に構成し、前記アンテナ素子の前記後端側部分と前記給電部からの給電ケーブルとの接合部の部分に、前記アンテナ素子の前記先接合部より前記先端側で前記接合部の近傍に設けた可変コンデンサ又は可変インダクタを備えたインピーダンス整合装置を設けて構成される。この構成により、アンテナ素子に供給される高周波電力に共振させることができ、効率よく電磁波を発生して、プラズマを発生できる。
そして、上記のプラズマ発生装置において、前記インピーダンス整合装置を、前記アンテナ素子の先端側の前記接合部近傍に設けた第1可変コンデンサと、前記給電ケーブルの前記接合部近傍に設けた第2可変コンデンサとで形成する。
あるいは、上記のプラズマ発生装置において、前記インピーダンス整合装置を、前記アンテナ素子の先端側の前記接合部近傍に設けた第1可変コンデンサと、前記アンテナ素子の前記接合部より後端側で、かつ、前記接合部近傍に設けた第3可変コンデンサとで形成する。
又は、前記インピーダンス整合装置を、前記アンテナ素子の先端側の前記接合部近傍に設けた第1可変コンデンサと、前記給電ケーブルの前記接合部近傍に設けた第2可変コンデンサと、前記アンテナ素子の前記接合部より後端側で、かつ、前記接合部近傍に設けた第3可変コンデンサとで形成する。
これらの構成によれば、プラズマ発生装置において、アンテナ素子の給電部側にインピーダンス整合装置を設けているので、このインピーダンス整合装置の第1可変コンデンサ、第2可変コンデンサ、第3可変コンデンサのインピーダンスの値を調整することによって、発生するプラズマの影響をアンテナ素子が受けても、このプラズマの影響を含めてアンテナ側のインピーダンスを給電側のインピーダンスに整合させることができる。
また、前記可変コンデンサの代わりに、インピーダンスを変化できる可変インダクタを用いることもできる。この可変インダクタは、インダクタンスの可変機構を持つコイル等で形成され、可変コンデンサが、リアクタンスを変化させるのと同様に、可変インダクタがリアクタンスを変化させる。
そして、上記のインピーダンス整合装置において、アース部の長さやインピーダンス特性もインピーダンス整合時の第1〜第3コンデンサの値に影響を与える。従って、前記アンテナ素子の給電部側に移動可能なアース部を設け、前記アンテナ素子の先端と前記アース部の間の長さを調整可能に構成することにより、このアース部の長さとインピーダンスを調整することによって、インピーダンス整合時の第1〜第3コンデンサの値を調整できる。
以上の説明から明らかなように、本発明に係るプラズマ発生装置用アンテナの整合方法及びプラズマ発生装置によれば、次のような効果を奏することができる。
アンテナ素子の後端部に設けたインピーダンス整合装置により、発生するプラズマの影響を含めてアンテナ側のインピーダンスと給電側のインピーダンスを整合させることができ、アンテナ側から給電側への反射波を無くすことができるので、この反射波に起因するプラズマ励起効率の悪化、給電ケーブルの異常過熱、高周波電源の故障等を回避できる。
つまり、分布定数素子である柱状アンテナ(誘電シース付き柱状アンテナ)のプラズマを励起する前のインピーダンス、または、プラズマ励起中に変化するインピーダンスを、励起周波数において、給電ケーブルのインピーダンス(通常、50Ω)に整合させることができる。
以下図面を参照して本発明に係るプラズマ発生装置用アンテナの整合方法及びプラズマ発生装置の実施の形態について説明する。
図1に示すように、この実施の形態では、プラズマ発生装置10として、ガラス板、シリコンウェハ等の被処理材2の表面にCVDにより薄膜を生成させるプラズマCVD装置を例にしており、このプラズマ発生装置10は、金属製のチャンバー11内の下側に配置された基板台(試料台)12と、この基板台12の上側に配置されたアンテナ20と、このアンテナ20と平行にアンテナ20の上側に配置されたグランド22とを有して構成される。
このグランド22の上側には、ガス分散室13と、このガス分散室13処理ガス(プロセスガス)Gを分散供給するためのガス供給装置15が配置され、更に、このガス供給装置15には、ガス供給管16が接続されている。また、アンテナ20の下側にはプラズマ処理室14が設けられている。
このプラズマ処理室14には基板台12が配置され、真空発生用の排気管17が接続される。この基板台12は、ガラス等の蒸着用基板(被処理材:被処理基板)2を載せる台であり、蒸着用基板2を加熱するための発熱体(図示しない)を有して構成され、更に、電気的に接地されるか、バイアス用電源(図示しない)に接続される。
また、このアンテナ20は、アンテナとして使用する長さLを供給される高周波電力の波長λ、即ち、発生する電波の波長λの(2n−1)/4倍(ここでnは正数)とした柱状のアンテナ素子21から成るアレイアンテナである。
図2に示すように、この各アンテナ素子21は、給電方向が交互に逆方向を向き、しかも、互いに平行に配置され、全体として面状に配置される。このアンテナ20の配置は、通常は、矩形平面に形成されるが、これに限定されず、円筒面状や球面状等の様々な形状とすることができる。
このアンテナ素子21のそれぞれに給電用部材30が配置され、アンテナ素子21毎に10MHz〜2.5GHzの内の特定の周波数の高周波電力が同相電力分配器42から同軸フィーダー41により分配供給される。なお、この同相電力分配器42には交流電源43から電力が供給される。
また、図1及び図2に示すように、このアンテナ素子21は棒状又はパイプ状の銅,アルミニウム,白金等の非磁性の電気良導体で形成される柱状の電極21aと、この電極21aの表面を被覆した石英等の誘電体シース(絶縁体)21bとで形成される。この誘電体シース21bと電極21aの間には隙間が有っても無くてもよいが、隙間がある場合には、処理ガスGが誘電体シース21bの内側に入って電極21aの表面やアース部Eにおいて異常放電が起こるのを防止するため、真空状態でシールしたり、空気等を密封シールしたりする。また、誘電体シース21bの誘電体には、通常は石英ガラスが使用されるが、絶縁性能とシール性能を持ち、処理プロセスに影響が少ないものであれば良い。
この誘電体21bの厚さは、特許文献1において決定される、プラズマによるRF遮蔽効果を克服する厚みが必要である。なお、図示していないが、電極21aをパイプ状に形成し、パイプ内部に水又は空気等の冷却用媒体Cを通して、アンテナ素子21を冷却する場合もある。
そして、アンテナ素子21の電力供給側には、チャンバー11の側壁11aの外側に給電部30が設けられる。このアンテナ素子21は、絶縁性の材質(例えば、耐熱プラスチック)で形成される固定具により、チャンバー11の側壁11aに固定される。
また、給電部30においては、アース部Eが構成され、チャンバー11に電気的に接続されたり、あるいは、グランド22に電気的に接続されたりして接地されている。このアース部Eを所定の範囲Rで移動できるように、即ち、アース部Eの位置は可変にできるようにすることが好ましい。
このアース位置Eの移動と位置決めにより、アンテナ素子21の先端Tからアース位置Eまでアンテナ長さLを、正確に、供給される高周波電力の波長λ、即ち、発生する電波の波長λの(2n−1)/4倍(ここでnは正数)、実用的には1/4倍とすることができる。そして、周波数はアンテナ長さLによって決まり、給電部30とアース位置Eとの距離L2とアンテナ長さLの比L2/LからQ値(振動系の共振に鋭さを表す量)は決まるので、これらにより、アンテナ素子21及びアンテナ20の共振周波数においてQ値を大きくし、アンテナ20からの不要な反射を減少させて、無線高周波によるプラズマ励起効率を改善できる。
つまり、アース部Eを移動してアンテナ素子21の先端Tとアース部Eとの間の長さLを正確に高周波の波長λの1/4倍にすることにより、定在波の節の部分を強制的に接地できるので、定在波を安定させることができ、効率よく共振現象を発生させることができる。従って、無線高周波によるプラズマ励起効率を向上することができる。
この給電部30のアース部Eを移動可能にする構成は、特に限定する必要はなく、様々な構成が考えられるが、電極21aの有効長さLを正確に電波の波長λの1/4倍とし、効率良く共振させるために、電極21aとグランド22との間を繋いでいるアース部Eの長さL2は電極21aの長さLに比べて適当に短く形成する必要がある。
また、この給電部30内において、アンテナ素子21は同軸フィーダー41の芯線に接続し、同相電力分配器42からVHFの高周波電力が供給される構造となっている。
また、アンテナ素子21の電力供給側と反対側の先端支持側は、絶縁体を介してチャンバー11の側壁11bに固定される。
そして、グランド22は、通気性を有する導電体で面状に形成される。このグランド22は、パンチングプレートや多孔板やスリット板等で形成され、平行かつ面状に配列されたアンテナ素子21群からなるアンテナ20に平行に配置される。このグランド22は、ガス分散室13とプラズマ処理室14を区分し、処理ガスGの通過を調整する隔壁を兼ねるが、特に形状を限定する必要はなく、アンテナ20の形状に応じて、矩形平面や円筒面状や球面状やスリット形状等の様々な形状を用いることができる。しかし、良好な鏡像効果を得るためにアンテナ素子21群と平行に配置する必要がある。
このグランド22はチャンバー(GND)11に接地されて同一電位に維持され、図7に示すように、アンテナ素子21に対して、鏡像21Mを発生させる機能を有する。このグランド20とアンテナ素子21との距離Hと、隣接するアンテナ素子21相互間の距離Dとの関係を、2H<Dとすることにより、アンテナ素子21,21の相互間の距離Dよりも、アンテナ素子21と鏡像21Mとの距離2Hが短いため、アンテナ素子21とこの鏡像21Mとの間に電界の閉じた系ができ、隣接するアンテナ素子21への影響が少なくなり、アンテナ素子21,21の相互間の干渉が緩和される。
この構成によれば、アンテナ20と平行にグランド22を設けているので、このグランド22の存在による鏡像効果により、アンテナ素子21によって発生する電波と隣接するアンテナ素子21が発生する電波との干渉、つまり、アンテナ素子21,21相互間の連成モードの発生を防止でき、プラズマを安定させることができる。
従って、アンテナ素子21,21の相互間の距離Dを小さくして、電界密度を高め、プラズマの発生効率を向上できる。さらに、空間分布の均一性も向上できる。
なお、グランド20とアンテナ素子21との隙間hは、アンテナ20や被処理材2の大きさにもよるが、0mm〜10mm程度あるいは電極21aの直径以内の程度のほぼ接していると言える状態に設定される。これにより、例えば、長さが800mmのアンテナ素子21に対して、Dが20mm〜100mmの間隔で配置できるようになる。
図8にグランド22の配設がなく、鏡像効果のない場合を示す。この場合には、アンテナ素子21,21の相互間に干渉が生じるため、安定した電界の励起ができない。
このプラズマ処理装置10では、チャンバー11の左端に、第1可変コンデンサ51と第2可変コンデンサ52を備えたインピーダンス整合装置50が設けられている。
そして、図3にインピーダンス整合装置50の簡単な回路を示す。アンテナ素子21に第1可変コンデンサ51が設けられ、給電ケーブル41に第2可変コンデンサ52が設けられているが、更に、給電ケーブル41の電圧電流を検出し、この検出値をコントローラ60に入力する。そして、このコントローラ60の制御信号により、第1モータ51Mを駆動し、第1可変コンデンサ51の一方の電極を他方の電極に対して回転させることにより、第1可変コンデンサ51のキャパシタンスC1の値、延いては、インピーダンスの値Zc1を調整し、第2モータ52Mを駆動し、第2可変コンデンサ52の一方の電極を他方の電極に対して回転させることにより、第2可変コンデンサ52のキャパシタンスC2の値、延いては、インピーダンスの値Zc2を調整する。
次に、このプラズマCVD装置10で、ガラス板等の被処理材2の表面に化学的気相成長法(CVD)により薄膜を形成する場合について説明する。
先ず、チャンバー11を開放して被処理材2を基板台12の上に載せた後、チャンバー11を閉じる。このチャンバー11は、真空発生用の排気管17に接続する真空ポンプ(図示しない)により内部の真空度を通常0.13Pa〜0.13kPa(1mTorr〜1Torr)となるようにする。それと共に、被処理材2は基板台12の加熱装置(図示しない)により、所定温度に保持される。
次に、ガス分散室13にシランガス等の処理ガスGが供給されるが、この処理ガスGは、ガス供給管16からガス供給装置15内を通過して、グランド22の表面に分散供給され、グランド22とアンテナ20を通過して、プラズマ処理室14に入る。
この処理ガスGの供給と共に、アンテナ素子21には、高周波電力が供給され、アンテナ素子21から電波を放射させる。この場合に、アンテナ素子21の長さLを高周波電力の波長λの(2n−1)/4 倍とすることにより、共振器として作動する。実用的にはn=1の1/4倍とする。つまり、L=λ/4とする。例えば、高周波電流の周波数を、10MHz〜2.5GHzとすると、このアンテナ素子21の長さLは5000mm〜20mmとなる。
この共振により、アンテナ素子21の周囲には交番磁界及び交番電界が生じ、アンテナ素子21から周囲に電波が放射され、チャンバー11内に供給された処理ガスGが電離してプラズマが発生する。
このプラズマは導電性を有しているので、チャンバー11内にプラズマが充満して全体の導電性が増すと、放射された電波はプラズマに反射されるので、アンテナ20の周辺に閉じ込められ、この部分にプラズマ加熱領域が限定されるようになる。
そして、図10に示すように、この共振では、電界強度が電力供給側のアース部E(X=0、又は、L)が節となり、先端T(X=L、又は、0)が腹となる定在波、即ち、各位置Xにおける振幅がsin(πX/2L)(線A)やcos(πX/2L)(線B)に比例する定在波が発生する。そのため、アンテナ素子21の長手方向の電力分布は、電界の2乗に比例し、アース位置Eがゼロとなり、先端部Tが最も高くなり、sin(πX/2L)の2乗(線C)、又は、cos(πX/2L)の2乗(線D)に比例するようになる。
隣接する2本のアンテナ素子21,21によって分布する電力の強度は、これらの和となり、正弦の2乗と余弦の2乗の和は1(線E)となるので長さ方向(X方向)に略均一となる。
そのため、アンテナ20としては、それぞれのアンテナ素子21に、互いに反対方向から高周波電力を供給することにより、各アンテナ素子21が放射する電力が合成されて均一な電力分布を発生できるので、チャンバー11内に供給された処理ガスGが電離したプラズマのチャンバー11内の空間密度を均一にすることができる。この均一なプラズマにより、膜厚が均一な蒸着膜が得られる。
次に、アンテナ側のインピーダンスZaと給電側のインピーダンスZsを整合するためのインピーダンス整合装置(インピーダンスマッチング装置)50を設けることについてより詳細に説明する。
このインピーダンス整合装置50が設けられていないと、電気的には、図9に模式的に示すような構成となっており、アンテナ素子21が発生したプラズマの影響を受けて、アンテナ素子21のインピーダンスが変化するため、プラズマを励起する所定の周波数においてアンテナ側のインピーダンスを、給電ケーブル等の給電側のインピーダンス(通常50Ω程度)に常時に整合させることが難しい。
そのため、このインピーダンスの不整合から生じるアンテナ素子21からの反射波により、プラズマ励起効率が悪化したり、給電ケーブル41が異常過熱したり、高周波電源30が故障したりするので、このアンテナ素子21のインピーダンスと給電側のインピーダンスを整合させる必要がある。
そこで、図4〜図6に模式的に示すように、アンテナ素子21の後端側即ち給電部30側において、アンテナ素子21の後端側部分と高周波電力を供給するための給電部(給電用部材)30からの給電ケーブル(同軸フィ−ダー)41とが接続する接合部Jの部分に、アンテナ側のインピーダンスZaと給電側のインピーダンスZsを整合するためのインピーダンス整合装置50を設ける。
図4のインピーダンス整合装置50では、アンテナ素子21の接合部Jより先端側で、かつ、接合部Jの近傍に設けた第1可変コンデンサ51と、給電ケーブル41の接合部Jの近傍に設けた第2可変コンデンサ52とで形成する。つまり、第1可変コンデンサ51は、給電ケーブル41とアンテナ素子21との接合点Jよりも僅かにアンテナ素子21の先端T側に配置され、第2可変コンデンサ52は、給電ケーブル41とアンテナ素子21との接合点Jよりも僅かに給電部30側に配置される。
このインピーダンス整合装置50では、第1可変コンデンサ51のインピーダンスZc1とアンテナ20のインピーダンスZa1の合成となるアンテナ側のインピーダンスZaを、第2可変コンデンサ52のインピーダンスZc2と給電ケーブル41のインピーダンスZs1との合成からなる給電側のインピーダンス(通常50Ω)Zsに整合させることになる。
ここで、L1の領域のコンデンサを含むインピーダンスをZ1’、L2の領域のインピーダンスをZ2’とすると、インピーダンス整合回路を含むアンテナのインピーダンスZm’は以下の(1)〜(4)式で第1可変コンデンサのキャパシタンス(キャパシテイ)C1 と第2可変コンデンサのキャパシタンスC2 の関数として表現できる。なお、L1は誘電体シース部の長さ、L2はアース部の長さで、Za1は誘電体シース部のインピーダンス、Za2はアース部のインピーダンスであり、fは周波数、α1 はL1の領域の減衰定数、β1 はL1の領域の波長定数、α2 はL2の領域の減衰定数、β2 はL2の領域の波長定数である。
Figure 0004452061
また、図5のインピーダンス整合装置50Aでは、図4のインピーダンス整合装置50と同じ位置に配置される第1可変コンデンサ51と、アンテナ素子21の接合部Jよりアース側(後端側)で、かつ、接合部Jの近傍に設けた第3可変コンデンサ53とで形成する。つまり、第1可変コンデンサ51は、給電ケーブル41とアンテナ素子21との接合点Jよりも僅かにアンテナ素子21の先端T側に配置され、第3可変コンデンサ53は、接合点Jよりも僅かにアンテナ素子21のアース部E側に配置される。
このインピーダンス整合装置50Aでは、第1可変コンデンサ51のインピーダンスZc1と、第3可変コンデンサ53のインピーダンスZc3と、アンテナ20のインピーダンスZa1の合成となるアンテナ側のインピーダンスZaを、給電ケーブル41のインピーダンスZs1が主となる給電側のインピーダンス(通常50Ω)Zsに整合させることになる。
ここで、L1の領域のコンデンサを含むインピーダンスをZ1’、L2の領域のインピーダンスをZ2’とすると、インピーダンス整合回路を含むアンテナのインピーダンスZm’は以下の(5)〜(8)式で第1可変コンデンサのキャパシタンスC1 と第3可変コンデンサのキャパシタンスC3 の関数として表現できる。なお、L1は誘電体シース部の長さ、L2はアース部の長さで、Za1は誘電体シース部のインピーダンス、Za2はアース部のインピーダンスであり、fは周波数、α1 はL1の領域の減衰定数、β1 はL1の領域の波長定数、α2 はL2の領域の減衰定数、β2 はL2の領域の波長定数である。
Figure 0004452061
そして、図6のインピーダンス整合装置50Bでは、第1可変コンデンサ51と第2可変コンデンサ52と第3可変コンデンサ53とがそれぞれ上記と同じ位置の配置される。
これらの第1可変コンデンサ51と第2可変コンデンサ52と第3可変コンデンサ52のインピーダンスの値Zc1,Zc2,Zc3を調整することによって、アンテナ20によって発生するプラズマの影響も含めて給電側のインピーダンス(通常50Ω)Zsに整合させることができる。
このインピーダンス整合装置50Bでは、第1可変コンデンサ51のインピーダンスZc1と、第3可変コンデンサ53のインピーダンスZc3と、アンテナ20のインピーダンスZa1の合成となるアンテナ側のインピーダンスZaを、第2可変コンデンサ52のインピーダンスZc2と給電ケーブル41のインピーダンスZs1との合成からなる給電側のインピーダンス(通常50Ω)Zsに整合させることになる。
ここで、L1の領域のコンデンサを含むインピーダンスをZ1’、L2の領域のインピーダンスをZ2’とすると、インピーダンス整合回路を含むアンテナのインピーダンスZm’は以下の(9)〜(12)式で第1可変コンデンサのキャパシタンスC1 と第2可変コンデンサのキャパシタンスC2 と第3可変コンデンサのキャパシタンスC3 の関数として表現できる。なお、L1は誘電体シース部の長さ、L2はアース部の長さで、Za1は誘電体シース部のインピーダンス、Za2はアース部のインピーダンスであり、fは周波数、α1 はL1の領域の減衰定数、β1 はL1の領域の波長定数、α2 はL2の領域の減衰定数、β2 はL2の領域の波長定数である。
Figure 0004452061
そして、このアース部Eと接合部Jの間のアース長L2を、可変に形成すると、このアース長L2及びアース長L2の部分のインピーダンスZa2を変化させることによって、インピーダンス整合時の第1可変コンデンサ51、第2可変コンデンサ52、及び第3可変コンデンサ53のインピーダンスの値Zc1,Zc2,Zc3を調整することができる。
従って、アンテナ側のインピーダンスZaの粗調整をアース長L2とアース長L2部分のインピーダンスZa2の設定で行い、微調整を各可変コンデンサ51,52,53の各インピーダンスの値Zc1,Zc2で行うことができる。
つまり、プラズマの影響下にあるL1の領域の誘電率、減衰定数の変化に応じて、変化するアンテナのインピーダンスを(1)〜(4)式、(5)〜(8)式、又は、(9)〜(12)式に従ってインピーダンス制御を行って、アンテナ20のインピーダンスZm’を任意の入力インピーダンス(通常は50Ω)に整合させる。
また、上記の可変コンデンサの代わりに、インピーダンスを変化できる可変インダクタを用いることもできる。この可変インダクタは、インダクタンスの可変機構を持つコイル等で形成され、可変コンデンサがキャパシタンスを変化させるのに対して、可変インダクタはインダクタンスを変化させて、インピーダンスを調整する。
そして、上記構成のプラズマ発生装置用アンテナの整合方法及びプラズマ発生装置によれば、アンテナ素子21の後端部に設けたインピーダンス整合装置50により、発生するプラズマの影響を含めてアンテナ側のインピーダンスと給電側のインピーダンスを整合させることができ、アンテナ側から給電側への反射波を無くすことができるので、この反射波に起因するプラズマ励起効率の悪化、給電ケーブルの異常過熱、高周波電源の故障等を回避できる。
次に、図7のインピーダンス整合装置に関して、(1)〜(4)式に従って、シミュレーション計算で求めた整合時のC1 とC2 の値を表1〜表4に示す。なお、誘電体シース21bの誘電率を1.0とし、L1=410mm,Za2=100Ωとしている。
Figure 0004452061
Figure 0004452061
Figure 0004452061
Figure 0004452061
本発明に係る実施の形態のプラズマ発生装置の構成図である。 図1のプラズマ発生装置のアンテナ素子の配列を示す図である。 第1の実施の形態のインピーダンス整合装置の構成を模式的に示す図である。 第2の実施の形態のインピーダンス整合装置の構成を模式的に示す図である。 第3の実施の形態のインピーダンス整合装置の構成を模式的に示す図である。 図7のインピーダンス整合装置の簡単な回路を模式的に示す図である。 グランドによる鏡像効果を説明するための図である。 グランドが配設されていない場合のアンテナ素子相互間の干渉を説明するための図である。 インピーダンス整合装置を備えていないアンテナの構成を模式的に示す図である。 電磁場の均一性を説明するための図である。
符号の説明
2 被処理材
10 プラズマ発生装置
11 チャンバー
12 基板台
20 アンテナ
21 アンテナ素子
21a 電極
21b 誘電体シース
22 グランド
30 給電部
41 給電ケーブル(同軸フイーダー)
50 インピーダンス整合装置
51 第1可変コンデンサ
52 第2可変コンデンサ
53 第3可変コンデンサ
E アース部(アース位置)
G 処理ガス
L アンテナの有効長さ
L1 アンテナ部長さ
L2 アース長さ

Claims (4)

  1. 表面を誘電体で覆った柱状の導電体からなる複数のアンテナ素子を、先端を開放して後端を接地し、前記先端と前記後端の間で給電するように、交互に給電方向を逆にして平行に配置した面状のアンテナを備え、通気性を有する導電体で形成された面状のグランドを、前記アンテナと平行に配設したプラズマ発生装置において、
    前記グランドと前記アンテナ素子との距離Hと、隣接するアンテナ素子相互間の距離Dとの関係を2H<Dとすると共に、
    前記先端からアース位置までのアンテナの長さを、nを正数とした時に、前記アンテナに供給する高周波電力の波長λの(2n−1)/4倍とすることができるように、前記アンテナ素子の前記後端と給電部の間に移動可能なアース部を設け、前記アンテナ素子の前記先端と前記アース部の間の長さを調整可能に構成し、
    前記アンテナ素子の前記後端側部分と前記給電部からの給電ケーブルとの接合部の部分に設けられ、かつ、前記アンテナ素子の前記先接合部より前記先端側で前記接合部の近傍に設けた可変コンデンサ又は可変インダクタを備えたインピーダンス整合装置で、前記アンテナ素子のインピーダンスと給電ケーブルのインピーダンスを整合することを特徴とするプラズマ発生装置用アンテナの整合方法。
  2. 前記プラズマ発生装置が、前記グランドと前記アンテナ素子を同一チャンバー内に設けて、処理ガスが、前記グランドと前記アンテナを通過して被処理材に供給されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のプラズマ発生装置用アンテナの整合方法。
  3. 表面を誘電体で覆った柱状の導電体からなる複数のアンテナ素子を、先端を開放して後端を接地し、前記先端と前記後端の間で給電するように、交互に給電方向を逆にして平行に配置した面状のアンテナを備え、通気性を有する導電体で形成された面状のグランドを、前記アンテナと平行に配設したプラズマ発生装置において、
    前記グランドと前記アンテナ素子との距離Hと、隣接するアンテナ素子相互間の距離Dとの関係を2H<Dとすると共に、
    前記先端からアース位置までのアンテナの長さを、nを正数とした時に、前記アンテナに供給する高周波電力の波長λの(2n−1)/4倍とすることができるように、前記アンテナ素子の前記後端と給電部の間に移動可能なアース部を設け、前記アンテナ素子の前記他端と前記アース部の間の長さを調整可能に構成し、
    前記アンテナ素子の前記後端側部分と前記給電部からの給電ケーブルとの接合部の部分に、前記アンテナ素子の前記先接合部より前記先端側で前記接合部の近傍に設けた可変コンデンサ又は可変インダクタを備えたインピーダンス整合装置を設けたことを特徴とするプラズマ発生装置。
  4. 前記グランドと前記アンテナ素子を同一チャンバー内に設けて、処理ガスが、前記グランドと前記アンテナを通過して被処理材に供給されるように構成したことを特徴とする請求項3記載のプラズマ発生装置。
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