JP4453120B2 - ズームレンズ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は負先行型ズームレンズ、特に、超小型の2群ズームレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、負・正群からはじまる所謂標準ズームレンズにおいて、小型化と低コスト化とを目的としたズームレンズは多数提案されている。特に、第1レンズ群を2枚のレンズのみで構成し、小型化、低コスト化と高性能化とを両立させたズームレンズとして、本発明と同一出願人の出願による特開平5−88084号公報、特開平5−249376号公報等に開示されたレンズ、また、構成枚数は多いが更に小型化した例として特開平8−334694号公報等に開示されたレンズが知られている。また、3次の非球面項を有する非球面レンズを設けた例に、本発明と同一出願人の出願による特開平10−325923号公報に開示されたレンズがある。
【0003】
しかしながら、大きな画角及び大きな変倍比を有する標準ズームレンズにおいて、更なる極限までのダウンサイジング(小型化)、コストダウン(低価格化)、及び高性能な画質の実現が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開平5−88084号公報に記載されたズームレンズにおいては、負の第1群中の第1負レンズに非球面を設けて、主として広角側の歪曲収差を中心として収差補正を行なっている。しかしながら、広角端状態の画角、変倍比、大きさ、明るさの観点から、これらスペックの更なる向上が必要である。
【0005】
また、特開平5−249376号公報に記載されたズームレンズにおいては広角端状態の画角、変倍比、明るさの点では進歩しているが、ダウンサイジングという点では更なる向上が必要である。また、収差に関しても小型化による球面収差の変動、及び非点収差、歪曲収差、倍率色収差等の諸収差の補正の更なる向上が必要である。
【0006】
また、特開平8−334694号公報に記載されたズームレンズにおいては、広角端状態の画角、変倍比、大きさ、明るさの点では進歩しているが、構成枚数が多くコストダウンに対して不利である。極限までコストダウンする目的からすると、更なる構成枚数の削減が必要である。
【0007】
また、特開平10−325923号公報に記載されたズームレンズにおいては、負の第1群中の第1負レンズに非球面を設けて諸収差を良好に補正しているが、本発明の目的である極限までのダウンサイジング、コストダウン、及び高性能な画質の維持から大きく外れ、大型で、構成枚数の多い超広角ズームレンズになっている。従って、かなりのダウンサイジングが必要になり、この従来技術の延長線上で本願の目的を達成することは不可能である。
【0008】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、最大画角が76°を越える大画角を含み、広角端状態のFナンバーがF3.3程度の口径比を有し、約2.7倍程度の比較的大きい変倍比を有する高性能で超小型のズームレンズを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2とからなり、該第1レンズ群G1と該第2レンズ群G2との空気間隔を変化させることにより変倍するズームレンズにおいて、
前記第1レンズ群G1は凹面側に非球面を有する負のレンズ成分L11と正のレンズ成分L12とからなり、
前記非球面は光軸から垂直方向の高さyにおける各非球面の頂点の接平面から光軸方向に沿った距離(サグ量)をS(y)、
近軸曲率半径をR、
円錐係数をκ、
n次の非球面係数をCnとして、以下の非球面式、
S(y)=(y2/R)/〔1+(1−κ・y2/R2)1/2〕+C3・|y|3+C4・y4+C5・|y|5+C6・y6+C8・y8+C10・y10+C12・y12+C14・y14
で表現したとき、
(1) 1×10-7 ≦|C3| ≦1×10-2の条件を満足し、
前記第2レンズ群G2は物体側から順に、正レンズ2枚と、負レンズと、正レンズとからなり、
望遠端状態における前記第1レンズ群G1の最も物体側の面の頂点から像面までの光軸に沿った距離をTL、
広角端状態における前記ズームレンズ全系の焦点距離をfw、
望遠端状態における前記ズームレンズ全系の焦点距離をftとそれぞれしたとき、
(3) 0.3 ≦(TL・fw)/ft2 ≦ 0.548
の条件を満足し、
前記第2レンズ群G2の焦点距離をf2としたとき、
(4) 0.3 ≦f2/ft ≦ 0.457
の条件を満足することを特徴とするズームレンズを提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について添付図面を用いて説明する。まず、本発明の実施形態にかかるズームレンズの基本的なレンズ構成を説明する。本発明は基本的に負・正2群を有するズームレンズタイプの極限までの小型化、構成枚数の削減による極限までのコストダウンと大画角化、高変倍化を実現し、かつ著しい小型化とコストダウンを実現した上で、さらに高性能な画質を維持するズームレンズを提供することを特徴としている。特に、同じクラスのズームレンズに比較して、非常に小型で、構成枚数が少ない光学系であるにもかかわらず、歪曲収差、コマフレアー、望遠端状態側の球面収差が非常に良好に補正されていることが大きな特徴である。この特徴は、負の第1レンズ群G1中のレンズ成分L11に導入した非球面に対して従来技術では全く知られていなかった収差補正効果を持たせたことにより実現できたものである。
【0011】
通常、このクラスの2群ズームレンズの場合、よりコンパクトにするためには第1レンズ群と第2レンズ群との相互のパワー(屈折力)を極端に強める必要がある。この時に、球面収差の変倍による変動と望遠端状態側の球面収差の逆向きの補正形状とが収差を補正する上で特に問題になる。すなわち、レンズに要求される明るさ(Fナンバーを大きくすること)に対し、レンズ設計能力が不足しているのである。本発明では、主として上記球面収差の補正を良好に保ちつつ、今までの最小構成枚数で、現在までに無いほどダウンサイジングされたズームレンズを達成できている。
【0012】
次に、非球面、特に奇数次項の非球面係数と収差補正の関係とについて説明する。一般に非球面は光学系が回転対称なので、偶数次項の級数の和で表現されている。しかしながら、本発明ではこの級数に奇数次項を導入し、収差補正に更に有効に活用している。非球面をメリジオナル面内で考えると、奇数次項では像高Yの符号によってサグ量Xの値が異なり対称性が成立しないようにみえる。しかし、光軸をX軸とする直交座標系(X,Y,Z)をρ=(Y2+Z2)1/2で考えれば符号が一致するので対称性が成立する。
【0013】
3次収差は、球面系においても、偶数次項の非球面係数を有する非球面においても、屈折面が次式(A)、
(A) X=C2・ρ2+C4・ρ4+C6・ρ6+…
で示すようにρの偶数次項であるために発生するので、屈折面が奇数次項を含むということは、従来存在しない2次収差、4次収差等の偶数次の収差が発生することになる。また、単一曲面でかつ非球面の場合を想定すると、球面収差はまさに非球面係数に対応する。従って、奇数次項の非球面係数を導入することで、球面系、さらには3次の非球面項が存在しない非球面では得られない収差補正効果を得ることができる。
【0014】
また、一般的には、Xは次式(B)のように表すこともできる。
(B) X=ρ2・1/2r+C4・ρ4+C6・ρ6+…
式(B)に3次項C3と5次項C5とを加えることで次式(C)が得られる。
(C) X=ρ2・1/2r+C3・ρ3+C4・ρ4+C5・ρ5+C6・ρ6+…
例えば、2次の球面収差を導出すると、次式(D)のようになる。
【0015】
ここで、nは屈折率、uは光軸とのなす角度、C3iは各面における非球面係数の3次項、hは入射高、Rは入射瞳半径をそれぞれ表している。3次の球面収差が入射高の4乗に比例し、瞳半径の3乗に比例するのに対し、2次の球面収差は入射高の3乗に比例し、瞳半径の2乗に比例している。従って、非球面係数の3次項を導入することにより、従来は補正することが困難であった低次の収差を補正できるので、更なるスペックの向上と高性能化とを達成することができる。以上球面収差について説明したが、歪曲収差やコマ収差等の他の収差についても同様に補正することができる。
【0016】
特に、本発明のようにズームレンズの負の第1レンズ群G1中のレンズ成分L11に上記非球面を用いると、広角側の低次の負の歪曲収差の補正能力が高くなる。このため、従来では歪曲収差の像高に対する傾き(微分値)が大きく、所謂陣笠形状をしていたが、3次項の導入により格段に改善することができる。また、コマ収差および球面収差も同様に、低次の収差がより補正できるため、例えば口径を大きくすることによって生じる入射高の比較的低い部分の負の収差を補正し、最小錯乱円を小さくすることができる。特に望遠側で効果的であり、大口径化が可能になる。また、本発明においては望遠側の軸上平行光線(軸上無限遠物点から射出された最も開口数の大きい光線)に対する偏角αが大きい面に上記非球面を導入すると、その効果が大きいため、像面側に凹面を向けた面に上記非球面を導入することが望ましい。この効果を上述したような更なるダウンサイジングの際の設計能力の向上に振り分けることによって、従来のズームレンズ以上の光学性能を得ることができる。
【0017】
次に、条件式(1)について説明する。条件式(1)は前記負の第1レンズ群G1中のレンズ成分L11に導入した非球面の3次項の非球面係数の適切な範囲を規定している。本発明で指定された上記非球面式で表現された非球面において、3次項の適切な条件設定を行うことで、広角側では歪曲収差とコマ収差との補正、望遠側では球面収差とコマ収差との補正を良好に行なうことができる。
【0018】
条件式(1)の上限値を上回る場合、非球面係数の3次項が非常に大きくなることを意味し、特に2次の球面収差の影響で入射高の比較的低い部分の球面収差(低次の球面収差)が大きく変位し、結果的に球面収差の傾き(微分値)が大きくなり、所謂うねりが顕著になり性能が低下し好ましくない。また、前記のようにコマ収差、歪曲収差等の諸収差も補正過多となり、逆に悪化する結果になる。なお、条件式(1)の上限値を1×10-3以下に設定するとより良い収差補正を行うことができる。さらに好ましくは、条件式(1)の上限値を5×10-4以下に設定すると本発明の効果を最大限に発揮できるので好ましい。
【0019】
逆に、条件式(1)の下限値を下回る場合、前記のような各収差の補正効果が薄れ、本発明の効果が十分に生かせなくなってしまう。なお、条件式(1)の下限値を5×10-6以上に設定するとより良い収差補正を行うことができる。さらに好ましくは、条件式(1)の下限値を1×10-6以上に設定すると本発明の効果を最大限に発揮できるので好ましい。また、非球面が本発明で指定された上記非球面式で表現された時、3次の非球面項C3がκ(円錐係数)の符号と逆符号の値をとることが、収差補正の観点から好ましい。
【0020】
また、本発明は、前記非球面式で表現した前記非球面の円錐係数κが、
(2) −1 < κ < 1
の条件を満足することが望ましい。
【0021】
条件式(2)は、前記負の第1レンズ群G1中のレンズ成分L11に導入した非球面のκ(円錐係数)の適切な範囲を規定している。非球面が本発明で定義された非球面式で表現されたとき、3次項の適切値に加えてκの項を最適化することで更に良好な収差補正を行うことができる。本発明の場合、κ(円錐係数)を球面以外の2次曲面をベースにした非球面を使用することによって、特に広角側の歪曲収差の補正、コマ収差の補正を助けている。
【0022】
条件式(2)の上限値を上回る場合、非球面のκ(円錐係数)が球面を越え、光軸近傍が曲率が弱く周辺部で曲率が強い楕円形状を有する非球面になり、逆に広角側の歪曲収差の補正、コマ収差の補正に悪影響を及ぼすので好ましくない。なお、条件式(2)の上限値を0.9以下に設定すると良好な収差補正をおこなうことができる。
【0023】
逆に、条件式(2)の下限値を下回る場合、非球面のκ(円錐係数)が非常に小さくなるため、周辺部分の曲率が著しく緩くなる。従って、本発明のような比較的物体側の負レンズにこのような非球面を導入すると、周辺部分の屈折力が弱まり、斜光線の入射高が高くなり、前玉径が大型化することがあるので好ましくない。なお、条件式(2)の下限値を−0.5以上に設定するとより小型化が実現できる。
【0024】
また、本発明は、望遠端状態における前記第1レンズ群G1の最も物体側の面の頂点から像面までの光軸に沿った距離をTL、
広角端状態における前記ズームレンズ全系の焦点距離をfw、
望遠端状態における前記ズームレンズ全系の焦点距離をftとそれぞれしたとき、
(3) 0.3≦(TL・fw)/ft2≦2
の条件を満足することが望ましい。
【0025】
条件式(3)は、光学系の小型化に関する条件であり、望遠端状態における光学系全系の全長TLと広角端状態、望遠端状態それぞれの焦点距離との適切な関係を規定している。条件式(3)の上限値を上回る場合、ズームレンズの焦点距離領域に対する大きさが著しく大きくなり、携帯性が悪化し、所謂標準ズームレンズとしては好ましくない。なお、条件式(3)の上限値を1以下に設定するとより良好な収差補正および小型化が実現でき、本発明の効果を最大限に発揮できる。
【0026】
逆に、条件式(3)の下限値を下回る場合、ズームレンズの焦点距離領域に対する大きさが著しく小さくなり、前記諸収差の補正が悪化し好ましくない。また、鏡筒設計時にズーム移動カム等の構造を設けることが困難になるので好ましくない。
【0027】
また、本発明は、前記第2レンズ群G2の焦点距離をf2、
望遠端状態における前記ズームレンズ全系の焦点距離をftとそれぞれしたとき、
(4) 0.3≦f2/ft≦0.6
の条件を満足することが望ましい。
【0028】
条件式(4)は第2レンズ群G2の適切なパワーバランスを規定している。上述したとおり、本発明は超小型のズームレンズに最適な解を提案するものであり、正の第2レンズ群の適切なパワーバランスは光学系全体の良好な収差バランスと実用的な大きさとを適切に設定する上で条件式(4)を満足することが望ましい。条件式(4)の上限値を上回る場合、第2レンズ群G2が弱いパワーで構成されることになる。従って、第2レンズ群G2は大型化し、変倍時の移動量が増し、結果的にバックフォーカスBFも長くなるために全系が大型化してしまい、小型化という目的から逸脱するので好ましくない。なお、条件式(4)の上限値を0.55以下に設定すると実用的な光学系の大きさに関する解を得ることができる。さらに好ましくは、条件式(4)の上限値を0.49以下に設定すると本発明の効果を最大限に発揮できるので望ましい。
【0029】
逆に、条件式(4)の下限値を下回る場合、第2レンズ群G2が強いパワーで構成されることになる。従って、本発明のような構成枚数の少ないズームレンズの場合、上述したように、特に望遠側の球面収差、コマ収差と非点収差の補正が悪化するので好ましくない。なお、条件式(4)の下限値を0.4以上に設定するとより良好な収差補正ができるので好ましい。さらに好ましくは、条件式(4)の下限値を0.42以上に設定すると本発明の効果を最大限に発揮できるので望ましい。
【0030】
また、本発明では、広角端状態における前記ズームレンズのバックフォーカスをBF、
前記ズームレンズ全系の許容する最大像高をyとそれぞれしたとき、
(5) 1.7≦BF/y≦2.5
の条件を満足することが望ましい。
【0031】
条件式(5)は広角端状態における光学系全系のバックフォーカスBFに対する条件で、光学系全系の許容できる最大画角時に対応する最大像高、換言すると像面のフォーマットサイズに対するイメージサークルの半径yで規格化した値の適切な範囲を規定している。条件式(5)の上限値を上回る場合、バックフォーカスが著しく大きくなり、小型化に反し、好ましくない。
【0032】
逆に、条件式(5)の下限値を下回る場合、バックフォーカスが著しく小さくなり、所謂一眼レフカメラのミラーに干渉してしまうので好ましくない。
【0033】
また、本発明のように小型で低コストかつ高性能のズームレンズを実現するには、第2レンズ群の構成が、物体側から少なくとも正・負・正の各レンズを有する構成にすることが望ましい。さらに好ましくは、正・正・負・正の4つのレンズのみで構成されていることが望ましい。
【0034】
また、本発明では、非球面レンズL11をガラス材料と樹脂材料との複合からなる部材により形成することが望ましい。これによりコストダウンを図ることができる。また、開口絞りは、第2レンズ群の物体側又は第2レンズ群中に設置することが望ましい。また、合焦動作は第1レンズ群G1を繰り出す(移動する)ことにより行うことが望ましいが、これに限られるものではなく、第2レンズ群又は第2レンズ群を構成する一部のレンズ成分を移動することで合焦しても良い。また、広角端状態と望遠端状態との合焦動作による繰り出し量は同一量に限定する必要はない。例えば、望遠端近傍を広角端に比べて著しく繰り出すことによりマクロ撮影をすることもできる。
【0035】
【実施例】
以下、添付図面に基づいて本発明の数値実施例を説明する。図1(a)〜(c)は第1及び第2実施例にかかるズームレンズのレンズ構成と移動軌跡とをそれぞれ示している。図1(a)は、広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態のレンズ構成をそれぞれ示している。物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2との負・正2群から構成されている。
【0036】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向け、像側の凹面に非球面を有する樹脂材料とガラス材料との複合からなる複合型負メニスカス非球面レンズL11と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12とから構成され、第2レンズ群G2は、物体側から順に、正レンズL21と、負レンズL22と、正レンズL23とから構成され、該正レンズL21は2つの正レンズを有し、その2枚の正レンズの間に開口絞りSが設けられている。
【0037】
また、第2レンズ群G2の像側には変倍中に空気間隔が変化するフレアーストッパーSFが設けられている。変倍動作は広角端状態から望遠端状態に向かって、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間の空気間隔が縮小するように第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とを移動することによって行なう。また、近距離合焦動作は前群である第1レンズ群G1を物体方向に移動して行なう。
【0038】
(参考例)
以下の表1に参考例の諸元値を掲げる。レンズデータにおいて、面番号は物体側から数えたレンズ面の順番、rはレンズ面の曲率半径、dはレンズ面の光軸上の面間隔、nはd線(λ=587.56nm)に対する屈折率、νはアッベ数をそれぞれ表している。また、D0は物体から第1面までの光軸に沿った距離、fは焦点距離、FnoはFナンバー、2ωは画角、BFはバックフォーカス(d14+d15)をそれぞれ示している。また、非球面は光軸から垂直方向の高さyにおける各非球面の頂点の接平面から光軸方向に沿った距離をS(y)とし、近軸曲率半径をR、円錐係数をκ、n次の非球面係数をCnとするとき、以下の非球面式で与えられる。
【0039】
【数1】
S(y)=(y2/R)/〔1+(1−κ・y2/R2)1/2〕+C3・|y|3+C4・y4+C5・|y|5+C6・y6+C8・y8+C10・y10+C12・y12+C14・y14
【0040】
また、諸元表中の非球面には面番号の左側に★印を付し、r欄には近軸曲率半径を記載する。なお、以下全ての実施例の諸元値及び非球面において本実施例と同様の符号を用いる。
【0041】
【表1】
ここで、1'-POS,2”-POS等の符号は1-POSから3-POSに相当する焦点距離における近距離合焦時のデータを示している。
(条件対応値)
(1) |C3|= 0.78533×10-5
(2) κ= −0.0877
(3) (TL・fw)/ft2 =0.561
(4) f2/ft=0.472
(5) BF/y=1.974
【0042】
図2は参考例の無限遠合焦時での広角端状態における諸収差、図3は無限遠合焦時での望遠端状態における諸収差をそれぞれ示す図である。収差図において、FNOはFナンバー、Yは像高、d,gはそれぞれd線(λ=587.56nm),g線(λ=435.84nm)における収差曲線を示している。また、非点収差において、実線はサジタル像面、点線はメリジオナル像面をそれぞれ示している。なお、以下全ての実施例の収差図において、本参考例と同様の符号を用いる。これら収差図からも明らかなように、良好に収差補正がされていることがわかる。
【0043】
(第1実施例)
表2に第1実施例の諸元値を掲げる。
【0044】
【表2】
ここで、1'-POS,2”-POS等の符号は1-POSから3-POSに相当する焦点距離における近距離合焦時のデータを示している。
(条件対応値)
(1) |C3|= 0.80603×10-5
(2) κ=0.7608
(3) (TL・fw)/ft2 =0.548
(4) f2/ft=0.457
(5) BF/y=1.907
【0045】
図4は本実施例の無限遠合焦時での広角端状態における諸収差、図5は無限遠合焦時での望遠端状態における諸収差をそれぞれ示す図である。これら収差図からも明らかなように、良好に収差補正がされていることがわかる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、画角2ω=76.5〜30.9゜を有し、FナンバーがF3.3〜5.8程度の口径比を有し、約2.7倍程度の比較的大きい変倍比を有する高性能で、レンズ構成枚数が著しく少ない超小型のズームレンズを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、参考例及び第1実施例に共通するレンズ構成及び移動軌跡を示す図である。
【図2】参考例の無限遠合焦時での広角端状態における諸収差図である。
【図3】参考例の無限遠合焦時での望遠端状態における諸収差図である。
【図4】第1実施例の無限遠合焦時での広角端状態における諸収差図である。
【図5】第1実施例の無限遠合焦時での望遠端状態における諸収差図である。
【符号の説明】
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
L11 第1レンズ群内の非球面負のレンズ成分
L12 第1レンズ群内の正のレンズ成分
L21 第2レンズ群内の第1正レンズ
L22 第2レンズ群内の負レンズ
L23 第2レンズ群内の第2正レンズ
S 開口絞り
SF フレアーストッパー
Claims (4)
- 物体側から順に、負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2とからなり、該第1レンズ群G1と該第2レンズ群G2との空気間隔を変化させることにより変倍するズームレンズにおいて、
前記第1レンズ群G1は凹面側に非球面を有する負のレンズ成分L11と正のレンズ成分L12とからなり、
前記非球面は光軸から垂直方向の高さyにおける各非球面の頂点の接平面から光軸方向に沿った距離(サグ量)をS(y)、
近軸曲率半径をR、
円錐係数をκ、
n次の非球面係数をCnとして、以下の非球面式、
S(y)=(y2/R)/〔1+(1−κ・y2/R2)1/2〕+C3・|y|3+C4・y4+C5・|y|5+C6・y6+C8・y8+C10・y10+C12・y12+C14・y14
で表現したとき、
(1) 1×10-7 ≦ |C3| ≦ 1×10-2の条件を満足し、
前記第2レンズ群G2は物体側から順に、正レンズ2枚と、負レンズと、正レンズとからなり、
望遠端状態における前記第1レンズ群G1の最も物体側の面の頂点から像面までの光軸に沿った距離をTL、
広角端状態における前記ズームレンズ全系の焦点距離をfw、
望遠端状態における前記ズームレンズ全系の焦点距離をftとそれぞれしたとき、
(3) 0.3 ≦ (TL・fw)/ft2 ≦ 0.548
の条件を満足し、
前記第2レンズ群G2の焦点距離をf2としたとき、
(4) 0.3 ≦ f2/ft ≦ 0.457
の条件を満足することを特徴とするズームレンズ。 - 前記非球面式で表わされる前記非球面の円錐係数κは、
(2) −1 < κ < 1
の条件を満足することを特徴とする請求項1記載のズームレンズ。 - 広角端状態における前記ズームレンズのバックフォーカスをBF、
前記ズームレンズ全系の許容する最大像高をyとそれぞれしたとき、
(5) 1.7 ≦ BF/y ≦ 2.5
の条件を満足することを特徴とする請求項1または2に記載のズームレンズ。 - 前記第1レンズ群G1中の非球面を有する前記負のレンズ成分L11はガラス材料と樹脂材料との複合からなる部材により形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のズームレンズ。
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