以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図3は、車内LAN(Local Area Network)インタフェース(マスタおよびスレーブ間)の接続形態を概略的に示している。この図3に示すシステムは、車両のエアバッグ制御システムを構成する車内LANインタフェース規格によって用いられるシステムを示している。
車載LAN用に用いられるネットワークプロトコルとして、DSI(Distributed System Interface)規格、SbW(Safe-by-Wire)規格と称される2線式のディジーチェーン接続のプロトコルが提唱されている。これらのプロトコルは、ツイストペアの2線の差動型の一対のバスで各スレーブに電力供給を行うと共にデータの送受信を相互に行う方式であり、各スレーブは各々で電力を調達するのではなくマスタから供給された電力を保持しながら各スレーブ内で処理を行う。これらの規格は、エアバッグ等の安全制御分野のシステムのサブバスとして用いられることが想定されており、バス動作の制御を行うマスタと、エアバッグやセンサに設けられる複数のスレーブをディジーチェーン接続して構成される方法が用いられる。
このような規格は安全制御分野で用いられるため、フォルトトレランス(耐故障性)が仕様に盛り込まれている。DSI規格では、スレーブに異常が発生すると当該異常スレーブの上流のスレーブに内蔵したスイッチをオフすることで、その下流側の異常スレーブとそのさらに下流のスレーブとを切り離して通常動作を行うことが規定されている。
DSI規格においては、そのマスタ−スレーブ間の信号送受時において給電フェーズと通信フェーズとに時分割されており、給電フェーズにおいてマスタからスレーブに電力供給し、通信フェーズにおいてマスタ−スレーブ間でデータ通信するようになっている。これらの給電フェーズおよび通信フェーズにおいては、一対のバスの電位レベルは高電位側のバスと低電位側のバスとで電位が対称に変動し、高電位側および低電位側の2線のバス電位はある所定の中心電位を基準として対称変動する。これにより、EMC(Electro Magnetic Compatibility)を考慮したときにも不要なノイズを抑制することができ不要輻射を低減できるようになる。
以下、マスタとしてエアバッグECUを適用し、スレーブとして加速度センサモジュールを適用した場合を具体例として挙げて説明する。
図3に示すように、エアバッグECU(以下、ECUと称す)1は、マスタIC1aを内蔵して構成されており、そのマスタIC1aには所定電圧(例えば25V:7V〜26.5Vの範囲の所定電圧)の電源電圧Vsupが供給されている。ECU1は一対のバスDnH−DnLを介して加速度センサモジュール(以下、モジュールと称す)2a〜2dをディジーチェーン接続して構成されている。一対のバスDnH−DnLは2本の信号線から構成されている。図3に示すように、モジュール2a〜2dは、それぞれ、スレーブIC2aa〜2daと当該スレーブIC2aa〜2daにそれぞれ接続された加速度センサ2ab〜2dbとを内蔵して構成されている。
図1は、各モジュール内のスレーブICの電気的構成を機能ブロックにより概略的に示している。尚、モジュール2a〜2dの電気的構成は同一であるため、ここではモジュール2a内のスレーブIC2aaの電気的構成を説明し他のモジュール2b〜2d内の電気的構成説明については説明を省略する。
図1に示すように、スレーブIC2aaは、一対のバスDnH−DnL間に接続された機能回路CIRと、当該機能回路CIRを下流側と接続/切断するためのバススイッチとしてのスイッチ部SW(SWH、SWL)とを備えている。機能回路CIRは、スレーブIC2aa自身のマスタ側の入力端子INH−INL間に接続されており、電源回路SV、受信回路RXC、送信回路TXC、制御回路CCなどの各機能ブロックに分割して構成されている。また機能回路CIRは、図示しないチャージポンプ回路等の高電圧Vcp(図2(a)、図2(b)参照:電源電圧よりも高い所定電圧(例えば40V))を生成する高電圧生成回路などの各機能を備えたブロックを具備して構成されている。
電源回路SVは、ノードN1−N2間に直列接続された逆流防止用ダイオードDSおよび電力蓄積用コンデンサCS、並びにコンデンサCSの両端電圧を入力する電圧レギュレータRVを具備しており、スレーブIC2aaの入力端子INH−INLに上流側から供給された電力を蓄積し所定の電源電圧を生成し当該モジュール2a内に供給する。
受信回路RXCは、ノードN1−N2間に直列接続された分圧抵抗Rr1、Rr2、Rr3によってバスの電圧変化、タイミングを検出し当該検出結果を制御回路CCに与える。送信回路TXCは、ノードN1−N2間に接続された制御入力型の電流源により構成されており、制御回路CCから制御信号が与えられることにより電流源の電流出力を切換える。ECU1は、各モジュール2a〜2d毎に割り当てられた所定間隔周期内のバス電流をモニタし、電流源による送信回路TXCが出力する電流変化を検出することでデータを受信する。
ハイサイドスイッチSWHは、スレーブIC2aaの高電位側の入力端子INHと高電位側の出力端子OUTHとの間に介在して設けられている。またロウサイドスイッチSWLは、スレーブIC2aaの低電位側の入力端子INLと低電位側の出力端子OUTLとの間に介在して設けられている。制御回路CCはこれらのハイサイドスイッチSWHおよびロウサイドスイッチSWLを通電/切断切換可能に構成されているが、この構成については後述する。
図2(a)は、ハイサイドスイッチおよびロウサイドスイッチを主として表したスイッチ部の電気的構成ブロックを概略的に示している。また、図2(b)は、図2(a)に示した定電流源CM1〜CM5の具体的回路構成をも併せて示している。図2(a)に示すように、スイッチ部SWは、nチャネル型のMOSトランジスタM1〜M4と、カレントミラー回路により構成される定電流源CM1〜CM5と、抵抗素子R1〜R4とを図示形態で組み合わせて構成されている。nチャネル型のMOSトランジスタM1〜M4を適用する理由は、同じオン抵抗の素子であるならばpチャネル型のMOSトランジスタよりも素子形成領域が小さくなるためである。
また、EMCを考慮すると、オン抵抗のペア性が要求されるためであり、nMOSトランジスタM1〜M4としてはオン抵抗が同一特性となる素子を適用している。以下、各素子間の結線の詳細を説明する。なお、前述したハイサイドスイッチSWHはMOSトランジスタM3およびM4を具備して構成されており、ロウサイドスイッチSWLはMOSトランジスタM1およびM2を具備している。
低電位側のバスDnLの入力端子INLと当該バスDnLの出力端子OUTLとの間には、nMOSトランジスタM1のドレイン−ソース、nMOSトランジスタM2のソースードレインが直列接続されている。MOSトランジスタM1およびM2のソースは互いに共通接続されている。
MOSトランジスタM1のゲート−ソース間には抵抗素子R1およびコンデンサC1が並列接続されている。ゲートは制御端子に相当する。MOSトランジスタM2のゲート−ソース間には抵抗素子R2およびコンデンサC2が並列接続されている。なお、コンデンサC1およびC2は過渡的な電圧変化を吸収するためのコンデンサとして構成されている。
抵抗素子R1とMOSトランジスタM1のゲートとの間の共通接続点は、定電流源CM1に接続されている。この定電流源CM1は、機能回路CIRにより昇圧された高電圧Vcpが印加されることによってMOSトランジスタM1のゲートに接続された抵抗素子R1およびコンデンサC1を通じて電流を流す。具体的には、図2(b)に示すように、定電流源CM1は、ソースが高電圧Vcpの供給ノードに接続されたpチャネル型のMOSトランジスタM8を電流出力トランジスタとして構成されている。なお、定電流源CM1はカレントミラー回路による電流出力回路の構成となっている。
図2(b)に示すように、カレントミラー回路CM1は、nMOSトランジスタM5、M6と、pMOSトランジスタM7、M8とから構成されている。nMOSトランジスタM5のゲートとドレインはnMOSトランジスタM6のゲートと共通接続されていると共に、トランジスタM5のソースはトランジスタM6のソースと共通接続されている。
また、nMOSトランジスタM6のドレインは、pMOSトランジスタM7のゲートとドレイン、トランジスタM8のゲートと互いに共通接続されている。pMOSトランジスタM7のソースはpMOSトランジスタM8のソースと共通接続されている。
抵抗素子RzがpMOSトランジスタM7のソース−ドレイン間に接続されている。抵抗素子RyがnMOSトランジスタM5のソース−ドレイン間に接続されている。これらの抵抗素子Ry、Rzは参照電流Irefが0の場合に共通接続された互いのトランジスタのゲート電位を安定化させるために設けられており、これらの抵抗素子Ry、Rzを具備することによってカレントミラー回路CM1〜CM5を確実に非通電制御することができるようになる。
pMOSトランジスタM8のドレインは、MOSトランジスタM1のゲートと抵抗素子R1との共通接続点に接続されている。機能回路CIRが参照電流IrefをMOSトランジスタM5のドレインに電流供給すると、MOSトランジスタM6〜M8のカレントミラー作用によってMOSトランジスタM1のゲート−ソース間に接続された抵抗素子R1およびコンデンサC1に電流を流す。
また図2(a)に示すように、抵抗素子R2とMOSトランジスタM2のゲートとの間の共通接続点は、定電流源CM2に接続されている。この定電流源CM2は、機能回路CIRにより昇圧された高電圧Vcpが印加されることによってMOSトランジスタM2のゲートに接続された抵抗素子R2およびコンデンサC2を通じて電流を流す。具体的には、図2(b)に示すように、定電流源CM2は、ソースが高電圧Vcpの供給ノードに接続されたpチャネル型のMOSトランジスタM9を電流出力トランジスタとしたカレントミラー回路による電流出力構成となっている。
図2(b)に示すように、MOSトランジスタM9のゲートはMOSトランジスタM7のゲートと共通接続されている。このため、機能回路CIRが、参照電流IrefをMOSトランジスタM5のドレインに供給すると、MOSトランジスタM6、M7、M9によるカレントミラー作用によってMOSトランジスタM2のゲート−ソース間に接続された抵抗素子R2およびコンデンサC2に電流を流す。
図2(a)に示すように、高電位側のバスDnHの入力端子INHと当該バスDnHの出力端子OUTHとの間には、MOSトランジスタM3のドレイン−ソース、MOSトランジスタM4のソース−ドレインが直列接続されている。MOSトランジスタM3およびM4のソースは互いに共通接続されている。MOSトランジスタM3のゲート−ソース間には抵抗素子R3およびコンデンサC3が並列接続されている。MOSトランジスタM4のゲート−ソース間には抵抗素子R4およびコンデンサC4が並列接続されている。なお、コンデンサC3およびC4は過渡的な電圧変化を吸収するために設けられている。
抵抗素子R3とMOSトランジスタM3のゲートとの間の共通接続点は、定電流源CM3に接続されている。この定電流源CM3は、機能回路CIRにより昇圧された高電圧Vcpが印加されることによってMOSトランジスタM3のゲートに接続された抵抗素子R3およびコンデンサC3に電流を流す。
具体的には、図2(b)に示すように、定電流源CM3は、ソースが高電圧Vcpの供給ノードに接続されたpチャネル型のMOSトランジスタM10を電流出力トランジスタとしたカレントミラー回路による電流出力構成となっている。図2(b)に示すように、MOSトランジスタM10のゲートは、MOSトランジスタM7のゲートと共通接続されている。このため、機能回路CIRが、参照電流IrefをMOSトランジスタM5のドレインに供給すると、MOSトランジスタM6、M7、M10によるカレントミラー作用によって抵抗素子R3およびコンデンサC3に電流を流す。
図2(a)に示すように、抵抗素子R4とMOSトランジスタM4のゲートとの間の共通接続点は、定電流源CM4に接続されている。この定電流源CM4は、機能回路CIRにより昇圧された高電圧Vcpが印加されることによってMOSトランジスタM4のゲートに接続された抵抗素子R4およびコンデンサC4に電流を流す。
具体的には、図2(b)に示すように、定電流源CM4は、ソースが高電圧Vcpの供給ノードに接続されたpチャネル型のMOSトランジスタM11を電流出力トランジスタとしたカレントミラー回路による電流出力構成となっている。図2(b)に示すように、MOSトランジスタM11のゲートは、MOSトランジスタM7のゲートと共通接続されている。このため、機能回路CIRが、参照電流IrefをMOSトランジスタM5のドレインに供給すると、MOSトランジスタM6、M7、M11のカレントミラー作用によってMOSトランジスタM4のゲート−ソース間に接続された抵抗素子R4およびコンデンサC4に電流を流す。
図2(a)に示すように、機能回路CIRの後段には定電流源CM5が、電流バイパス回路として設けられており、電流の回収手段として機能する。この定電流源CM5はカレントミラー回路によって一対のバスDnH−DnLのノードN1−N2間に構成されている。図2(b)に示すように、定電流源CM5は、nMOSトランジスタM12を主として構成されている。MOSトランジスタM12のドレイン−ソースはノードN1−N2間に接続されている。MOSトランジスタM12のゲート、ソースは、それぞれ、MOSトランジスタM5のゲート、ソースと共通に接続されている。
図2(a)および図2(b)に示すように、定電流源CM5は、高電位側のバスDnHに接続された抵抗素子R3およびR4に流れる電流I(つまり2×I)を低電位側のバスDnLのノードN2に電流バイパスする機能を備えており、高電位側のバスDnHのノードN1を通じてECU1(マスタ)や他のモジュール2b…(スレーブ)に電流2×Iが流れることを防いでいる。
尚、抵抗素子R3、R4にそれぞれ電流が電流値Iだけ流れる場合には定電流源CM5がバイパスする電流値は2×Iに調整されている。定電流源CM5が設けられていないと、抵抗素子R3、R4に流れる通電電流IはECU1(マスタ)やその他のモジュール2b…(スレーブ)を還流することになりバス電流が変動する。この変動電流はマスタ−スレーブ間の通信データ送受信時のノイズ成分となるため、本実施形態では定電流源CM5を設けている。すると、スレーブIC2aa内で機能回路CIRを通じて電流Iを還流することができるため、スレーブIC2aa内で電流を回収することができ、ECU1や他のモジュール2b…に電流値Iの影響を与えることがなくなり悪影響を回避できる。
モジュール2aは、低電位側のバスDnLに供給される電位を最低電位(スレーブIC2aaの基板電位)として動作する。何らかの影響によって出力端子OUTH、OUTL側の高電位側のバスDnHまたは低電位側のバスDnLがシステムグランド(シャーシグランド)に地絡した場合には、スイッチ部SWをオフすることでシリコン基板10(後述の図9等参照:導電型の支持基板に相当)の電位以下となるバス接続を切断し、下流側のモジュール2b…を切断する必要がある。
また、何らかの影響によって出力端子側の高電位側のバスDnHまたは低電位側のバスDnLがバッテリの高電圧に短絡した場合にはスイッチ部SWをオフすることでバス接続を切り離す必要がある。
そのため、このスイッチSWは、出力端子OUTH、OUTL側のバス電位が低電位側のバスの入力端子INLの電位以下の場合、および、高電位側のバスの入力端子INHの電位以上の場合であってMOSトランジスタM1〜M4がオフしたときに寄生素子が当該オフ動作を妨げないように構成する必要がある。
そこで、本実施形態ではスイッチ部SWのうちのMOSトランジスタM1〜M2の集積回路構造として図4に示す半導体構造を採用している。図4にはMOSトランジスタM1、M2によるロウサイドスイッチSWLの半導体構造を図示している。MOSトランジスタM3およびM4によるハイサイドスイッチSWHの構造は図示していないが、前記MOSトランジスタM1、M2の半導体構造と同様の構造を適用している。
図4に示すように、シリコン基板10の上にはシリコン酸化膜11が平面状に構成されている。このシリコン酸化膜11は、シリコン基板10とシリコン酸化膜11上に設けられる素子形成領域12a、12bとの間を絶縁分離するための酸化膜であり、所謂SOI(Silicon On Insulator)構造13として構成されている。このSOI構造13上に設けられた素子形成領域12a、12bは、SOI構造13の上面上まで至る複数のトレンチ溝14および当該複数のトレンチ溝14内に埋め込まれた絶縁膜15によって互いに素子間分離されておりアイランド状に複数構成されている。
素子形成領域12aは、低濃度のN−不純物導入半導体層16a(N型半導体層)と当該半導体層16aの表層に設けられたPウェル17aとを含んでいる。Pウェル17aの表層にMOSトランジスタM1が形成されている。
素子形成領域12bは、低濃度のN−不純物導入半導体層16b(N型半導体層)と当該半導体層16bの表層に設けられたPウェル17bとを含んでいる。Pウェル17bの表層にMOSトランジスタM2が形成されている。
MOSトランジスタM1は、Pウェル17aの表層に互いに離間して設けられたN型拡散層18、19と、当該N型拡散層18−19間のPウェル17aの表面上にゲート絶縁膜(図示せず)を介してポリシリコンにより形成されたゲート電極層20とを備えて構成される。
MOSトランジスタM2は、Pウェル17bの表層に互いに離間して設けられたN型拡散層21、22と、当該N型拡散層21−22間のPウェル17bの表面上にゲート絶縁膜(図示せず)を介してポリシリコンにより形成されたゲート電極層23とを備えて構成される。N型拡散層18、21がドレイン領域Dとして構成され、N型拡散層19、22がソース領域Sとして構成される。
Pウェル17a内には、バックゲートBGとして高濃度のP型半導体層24aが構成されている。Pウェル17b内には、バックゲートBGとして高濃度のP型半導体層24bが構成されている。これらのP型半導体層24a、24bは、N型半導体層19、22との間でコンタクトプラグ(図示せず)および上層配線Wによって絶縁膜15上を跨いで互いに電気的に導通接続されている。
上記構成の作用についてモジュール間のバス接続動作を説明する。
図3に示すように、モジュール2aが、モジュール2aのマスタ側と、モジュール2aの下流側に接続されたスレーブとしてのモジュール2bとをバス接続するとき、機能回路CIRのオンオフ制御回路CIRaがオン制御信号を出力する。図2(a)および図2(b)に示すように、機能回路CIRが参照電流Irefや高電圧Vcpを印加することで定電流源CM1〜CM5を例えば同時に機能させる。
すると、電流Iが定電流源CM1〜CM4からそれぞれ各抵抗素子R1〜R4に流れる。電流Iは各抵抗素子R1〜R4にそれぞれ流れるため、各MOSトランジスタM1〜M4のゲート−ソース間電圧Vgsがそれぞれ上昇する。このゲート−ソース間電圧Vgsが所定のしきい値電圧Vtを上回ると各MOSトランジスタM1〜M4はオンする。すると、モジュール2aのマスタ側とモジュール2bとをバス接続できる。
図5(a)は、マスタとスレーブとの間の給電フェーズと通信フェーズにおける一対のバスの電位レベル変化をマスタ側からみて概略的に示している。図5(b)は、給電フェーズと通信フェーズにおける一対のバス間の電圧変化をスレーブ側からみて概略的に示している。これらの図5(a)および図5(b)に示すように、一対のバス電圧は、給電フェーズと通信フェーズにおいて周期的にフェーズが交代するようになっている。尚、これらの図5は概略的に示すものであり、実際の周期とは異なることに留意する必要がある。
通信フェーズでは、バスDnHの電位VhとバスDnLの電位Vlとの間の電圧が2つの電圧レベルLD1、LD2(例えば4.5V、1.5V)を得るようになっており、ECU(マスタ)1は最高電位(例えば25V)と最低電位(例えば0V)との間の中間電位(12.5V)を基準として上下対称に前記2つの電圧レベルLD1、LD2をバスDnL−DnLに印加する。モジュール(スレーブ)2a〜2dではこれらの電圧を低電位側のバスノードN2の電圧(0V)を基準として所定範囲(約1.5V〜4.5V)で検出する。通信フェーズでは、2つの電位レベルのディーティ比に応じてデータの送受信が行われる。
給電フェーズでは、ECU1は前記通信フェーズにおける2つの電位レベル間の電圧よりも高い電圧レベル(例えば25V:7V〜26.5Vの範囲の一定電圧)をバスDnH−DnL間に印加する。具体的には、給電フェーズにおいては、ECU1は高電位側のバスDnHの電位として電源電位(25V)を与え、低電位側のバスDnLの電位としてグランド電位(0V)を与える。このとき、スレーブIC2aaは機能回路の電源回路SV中の電力蓄積用コンデンサCS(図1参照)によって電源電力を蓄積する。
給電フェーズから通信フェーズに移行すると、スレーブIC2aaは蓄積された電源電力を使用して受信回路RXCによりデータを受信し送信回路TXCによりデータを送信することでECU1との間で通信処理を行う。図5(a)および図5(b)に示すように、給電フェーズと通信フェーズとが繰り返されることによってマスタ−スレーブ間の通信処理が継続される。
ところで、図6に示すように、モジュール2bの下流側において一対のバスDnL、DnHの何れか少なくとも一方がグランドにショート(地絡)した場合(Case2、Case4)または,バッテリにショートした場合(Case1、Case3)を考える。この場合、各モジュール2a〜2d内で検出される電圧が通常の通信状態である図5(b)とは異なってくるため、正常な通信状態を保持することができない。
そこで、図6のCase1〜Case4に示すような電位がECU1側で検出されたときには、後段のバスに異常レベルが検出されたモジュール2bのスイッチ部SW(SWH、SWL)の接続を切断することで、下流側のバスDnH、DnLの双方を切断する。図5(c)に、この時のモジュール2a、2bからみたグランド電位(点線T1)およびバッテリ電位(点線T2)を示す。これらの電位はモジュール2bのスイッチSWHまたはSWLの下流側端子電位となるが、本実施形態(本発明)のスイッチ構成によればこのような0[V]未満の電位を含む幅広い電圧範囲に対しても確実にスイッチの接続を切断することができる。これにより、エアバッグECU1とモジュール2a、2bの通信状態を保持すると共に、下流側の短絡、地絡による電位変化をモジュール2a、2bに与えることなく、通信を継続する。
この場合、モジュール2bが、モジュール2bのECU(マスタ)1側と、その下流側に接続されたモジュール2cとを切断するときには、機能回路CIRのオンオフ制御回路CIRaがオフ制御信号を出力し、定電流源CM1〜CM5からの電流出力を停止する。すると、各抵抗素子R1〜R4には電流が流れないため、各MOSトランジスタM1〜M4のゲート−ソース間電圧Vgsが低下し、各MOSトランジスタM1〜M4は同時にオフする。すると、モジュール2bのマスタ側とモジュール2cとの間に接続されるバス接続を切断できる。
図4に示すように、ロウサイドスイッチSWL(ハイサイドスイッチSWH)がSOI構造13上で且つ絶縁膜15によって互いに素子分離された素子形成領域12a、12b内に形成されている。
この場合、当該スイッチSWLを構成するMOSトランジスタM1、M2とシリコン基板10との間には絶縁膜11が介在しているため絶縁膜の絶縁分離作用により寄生素子は原理的に発生しない。
また、N型半導体層16a、16bには、絶縁膜11の上面上まで達する複数のトレンチ溝14が形成され当該トレンチ溝14内にはそれぞれ絶縁膜15が埋込まれているため、各MOSトランジスタM1、M2は、絶縁膜11、15により構造的および電気的に絶縁分離された複数の素子形成領域12a、12bにそれぞれ形成されることになり、複数のN型半導体層16aおよび16b間を通じた寄生素子は絶縁膜11、15の絶縁分離作用によって原理的に発生しない。
N型半導体層16a内では、図2(b)に寄生素子の等価回路を点線で示すように、トランジスタM1のソース/ドレイン間に寄生ダイオードDm1が発生する。N型半導体層16b内では、トランジスタM2のソース/ドレイン間に寄生ダイオードDm2が発生する。
この場合、寄生ダイオードDm1は図4に示すP型半導体層24aおよびN型半導体層18間に順方向に形成されるようになると共に、寄生ダイオードDm2はP型半導体層24bおよびN型半導体層21間に順方向に形成されるようになり、図2(b)に示すように、これらの寄生ダイオードDm1およびDm2は、低電位側のバスの入力端子INLおよび出力端子OUTL間に対し互いに逆方向接続される形態となる。
したがって、たとえスイッチ部SWをオフしたときにも寄生ダイオードDm1およびDm2間を通じた寄生電流が生じにくくなり、正常に下流側のバス接続を切断することができ、安定した動作を保持することができる。尚、高電位側のバスの入力端子INHおよび出力端子OUTH間においては、図2(b)に示すように、寄生ダイオードDm3、Dm4が互いに逆方向接続される形態で構成される。
本実施形態によれば、ハイサイドスイッチSWHが高電位側バスDnHの入力端子INHと出力端子OUTHとの間に接続されていると共に、ロウサイドスイッチSWLが低電位側バスDnLの入力端子INLと出力端子OUTLとの間に接続されているため、当該スイッチSWHおよびSWLが共にオフすることでモジュール2bおよび2c間のバス接続を切断することができ、たとえバスに異常が発生したとしても安定した動作を保持できる。
ロウサイドスイッチSWLは、それぞれMOSトランジスタM1、M2がソース共通で直列接続され、前述した半導体素子構造によって形成されているため、寄生素子によるリーク電流の発生を防止することができ、正常にバス切断することができる。尚、ハイサイドスイッチSWHについても同様となっている。
各トランジスタM1〜M4のゲート‐ソース間が各抵抗R1〜R4によって接続されているためCM1〜CM4の電流を0にするだけで幅広い電圧範囲に対して確実にゲート‐ソース間電圧を0にしてトランジスタをオフすることができ、バス接続を切断することができる。
また、MOSトランジスタM1〜M4のゲート−ソース間電圧は、定電流源CM1〜CM4(カレントミラー回路)によって生成される電流Iのみで決定されるため、高電位側および低電位側のバスDnH−DnL間の電圧関係に依存せずに各MOSトランジスタM1〜M4のオン抵抗のペア性を維持できる。
また、上述した回路構成を採用することによって高電位側のバスDnHと低電位側のバスDnLとの回路構成の対称性を保っている。特許文献2に開示されている技術思想では、nMOSトランジスタが挿入されている側のバスの電位はグランド固定であり、他方のバスの電位が変動するように構成されているものの一方のバスの電位のみが変動するとEMC(Electro Magnetic Compatibility)の観点から不要輻射を生じるため好ましくない。本実施形態では、高電位側のバスDnHに接続される回路構成と低電位側のバスDnLに接続される回路構成とが対称性を保って構成されているため不要輻射を抑制できる。
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、スイッチ部の半導体構造にある。前述実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分について説明する。
前述実施形態と異なるところは、図7に示すように、2つのN型半導体層16a、16b間にトレンチ溝14および絶縁膜15を設けることなく、2つのN型半導体層16a、16bを一体化した1つのN型半導体層16による1の素子形成領域12として構成し、当該1の素子形成領域12内に複数のMOSトランジスタM1、M2を構成したところにある。
この図7においては、1つのN型半導体層16の表層に複数のPウェル17a、17bが互いに離間して設けられており、これらの複数のPウェル17a、17bにそれぞれMOSトランジスタM1、M2が構成されている。このような実施形態によっても前述実施形態とほぼ同様の作用効果を奏する。
(第3の実施形態)
図8は、本発明の第3の実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、スイッチ部の半導体構造にある。前述実施形態と異なるところは、図8に示すように、2つのPウェル17a、17bを一体化して1つのPウェル17として1のN型半導体層16の表層に設け、さらに、前述実施形態ではPウェル17a、17bの表層にそれぞれ設けられていたP型半導体層24a、24bも一体化してP型半導体層24として構成しているところにある。本実施形態においても前述実施形態とほぼ同様の作用効果を奏する。
また、さらに、ソース領域SとなるN型拡散層19、22を一体化しても良い。
第1〜第3の実施形態では、図4、図7、図8には図示しない他の半導体構成領域との間の素子間分離としてトレンチ分離構造を使用したが、PN接合による素子間分離、酸化膜、窒化膜等の絶縁層による素子間分離を適用しても良い。
(第4の実施形態)
図9は、本発明の第4の実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、スイッチ部の半導体素子構造にある。前述実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、以下、異なる部分についてのみ説明する。
図9に示すように、前述実施形態で説明したトレンチ溝14および絶縁膜15に代えて高濃度のP型半導体層30が形成されている。また前述実施形態にて説明したSOI構造13を適用しておらず、シリコン基板10上に直接N型半導体層16a、16bが互いに離間して形成されている。P型半導体層30は、N型半導体層16a、16bの外周端部に沿って当該半導体層16a、16bの脇に構造的に接触して構成されている。N型半導体層16a内にはトランジスタM1が形成されており、N型半導体層16b内にはトランジスタM2が形成されている。
N型半導体層16aの内側表層にはPウェル17aが形成されている。N型半導体層16bの内側表層にはPウェル17bが形成されている。N型半導体層16a、16bがそれぞれP型半導体層によって上下平面方向に挟まれる構造となっている。これにより、所謂pnジャンクション分離構造が形成されている。
機能回路CIRはN型半導体層16a、16bに高電圧Vcp(スイッチング動作電圧を超える電圧)を印加することによって、Pウェル17aおよびN型半導体層16a間、並びに、Pウェル17bおよびN型半導体層16b間に生じる寄生ダイオードに逆バイアスを与える。すると、Pウェル17a、17bが絶縁膜を介さずにその下層側のN型半導体層16a、16bとの間で構造的に接続されていたとしても、Pウェル17a、17bを電気的に分離することができ、Pウェル17a内に構成されるMOSトランジスタM1、Pウェル17b内に構成されるMOSトランジスタM2はシリコン基板10側の電気的影響を排除しながらスイッチング動作を継続できる。これにより前述実施形態とほぼ同様の作用効果が得られる。
(第5の実施形態)
図10は、本発明の第5の実施形態を示すもので、第4の実施形態と異なるところは、スイッチ部の半導体構造にある。第4の実施形態では、2つのN型半導体層16a、16b間にP型半導体層30を設けたが、本実施形態では、図10に示すように、2つのN型半導体層16a、16b間にP型半導体層30を設けず、2つのN型半導体層16a、16bを結合して一体化してN型半導体層16として構成されている。1つのN型半導体層16の表層に複数のPウェル17a、17bが互いに離間して設けられており、N型半導体層16が当該複数のPウェル17a、17b間に構成されている。このような実施形態によっても前述実施形態とほぼ同様の作用効果を奏する。
(第6の実施形態)
図11は、本発明の第6の実施形態を示すもので、第5の実施形態と異なるところは、スイッチ部の半導体構造にある。前述実施形態と異なるところは、図11に示すように、2つのPウェル17a、17bを一体化してPウェル17として1つのN型半導体層16の表層に設け、さらに、前述実施形態ではそれぞれのPウェル17a、17bの表層にそれぞれ設けられていたP型半導体層24a、24bも一体化してP型半導体層24として構成されているところにある。この構造は、Pウェル17内の構造が第3の実施形態と同様の構造であり、このような実施形態によっても前述実施形態とほぼ同様の作用効果を奏する。
また、さらに、ソース領域SとなるN型拡散層19、22を一体化しても良い。
第4〜第6の実施形態では、半導体層16(16a、16b)に高電圧Vcpを与えない(フローティング)構成も可能である。その場合は、N型半導体層16(16a、16b)とp型のシリコン基板10との間に高濃度の埋込層を設ける等により不純物濃度の高い層を構成することにより寄生電流の発生を抑制することができる。
第4〜第6の実施形態では、図9のトランジスタM1−M2間および図9〜図11には図示しない他の半導体構成領域との間の素子間分離構造としてP型半導体層30による素子間分離を適用したが、第3実施形態にて説明したトレンチ14および絶縁膜15によるトレンチ分離構造、または、酸化膜、窒化膜等の絶縁層による素子間分離を適用しても良い。また,シリコン基板10中に互いに分離したNウェル(N型半導体層16)を構成することにより素子分離としても良い。
(第7の実施形態)
図12ないし図14は、本発明の第7の実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、スイッチ部を構成するMOSトランジスタをドレイン共通に接続したところにある。また、さらに前述実施形態と異なるところは、スイッチ部を構成するMOSトランジスタの半導体構造とその周辺構造にある。前述実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。
図12は、図2(a)に代わる図を示したもので、ハイサイドスイッチおよびロウサイドスイッチを主として表したスイッチ部の電気的構成ブロックを概略的に示している。また、図13は、図2(b)に代わる図を示したもので、定電流源の回路構成をも併せて示している。
スイッチ部SWに代わるスイッチ部SW2は、前述実施形態と同様に、nチャネル型のMOSトランジスタM1〜M4と、カレントミラー回路による定電流源CM1〜CM5と、抵抗素子R1〜R4とを図示形態で組み合わせて構成されている。ハイサイドスイッチSWHに代わるハイサイドスイッチSWH2は、MOSトランジスタM3およびM4を具備しており、これらのMOSトランジスタM3およびM4はドレインを共通に接続されている。入力端子INHと出力端子OUTHとの間には、MOSトランジスタM3のソース−ドレイン、MOSトランジスタM4のドレイン−ソースを直列接続して構成されている。
ロウサイドスイッチSWLに代わるロウサイドスイッチSWL2は、MOSトランジスタM1およびM2を具備しており、これらのMOSトランジスタM1およびM2はドレインを共通に接続されている。入力端子INLと出力端子OUTLとの間には、MOSトランジスタM1のソース−ドレイン、MOSトランジスタM2のドレイン−ソースを直列接続して構成されている。
MOSトランジスタM1のソースは低電位側の入力端子INLに接続されており、MOSトランジスタM2のソースは低電位側の出力端子OUTLに接続されている。MOSトランジスタM3のソースは高電位側の入力端子INHに接続されており、MOSトランジスタM4のソースは高電位側の出力端子OUTHに接続されている。その他の電気的構成は、前述実施形態と同様に構成されているため、その結線関係の詳細説明を省略する。
図14は、スイッチ部の半導体構造を模式的に表しており、半導体素子構造内部に発生する寄生素子を電気的に表している。この図14は、スイッチ部SW2のうち、MOSトランジスタM1、M2によるロウサイドスイッチSWL2の構造を主として表わすもので、その他の構造は図示していない。なお、図13には、スイッチ部(ハイサイドスイッチおよびロウサイドスイッチ)の周辺の寄生素子の発生状態をも電気的に示している。
図14に示すように、p型のシリコン基板(導電型の支持基板)10上には、その表層に高濃度のN型半導体埋込層42aが構成され当該N型半導体埋込層42aを介してNウェル31aが構成されている。また、シリコン基板10上には、その表層に高濃度のN型半導体埋込層42bが構成され当該N型半導体埋込層42bを介してNウェル31bが構成されている。Nウェル31aおよび31b間には高濃度のP型半導体層43が構成されている。このようにして素子分離構造が実現されている。
Nウェル31aの表層にはPウェル32aが構成されており、Nウェル31bの表層にはPウェル32bが構成されている。これらのPウェル32a、32bは、互いに同一深さで構成されている。
Pウェル32a内には、その表層にMOSトランジスタM1のソース領域SとしてN型の不純物拡散層33が構成されている。N型の不純物拡散層33に隣接接触して、高濃度のP型の不純物拡散層34が構成されている。この不純物拡散層34はMOSトランジスタM1のバックゲートBGのコンタクト領域として機能する。不純物拡散層33、34の直上にはコンタクトプラグ(図示せず)および上層配線Wが形成されており、当該上層配線Wによって各不純物拡散層33、34が互いに電気的に導通接続されるように構成されている。このようにしてMOSトランジスタM1のソースSおよびバックゲートBG間が導通接続されている。
シリコン基板10の表面と平行なX1方向にPウェル32a脇に位置すると共にNウェル31aの表層に位置してフィールド酸化膜35が構成されている。他方、N型拡散層33の脇にはPウェル32aの表面上にゲート絶縁膜(図示せず)を介して(挟んで)ゲート電極膜36が構成されている。このゲート電極膜36はポリシリコン薄膜により構成されており、フィールド酸化膜35の直上まで連続して渡って形成されている。フィールド酸化膜35は高耐圧特性を保持するために構成されている。ゲート電極膜36はシリコン基板10の表面上にゲート絶縁膜を介してPウェル32a、Nウェル31aの上方を渡って形成されている。Nウェル31aはMOSトランジスタM1のドレイン領域として機能する。
N型の不純物拡散層37aが、フィールド酸化膜41のX1方向脇に位置してNウェル31aの表層に、MOSトランジスタM1のドレインコンタクト領域として形成されている。このようにしてMOSトランジスタM1は、半導体層31a、32a、33、34、35、36、37aを含んで構成される。
Pウェル32b内には、その表層にMOSトランジスタM2のソース領域SとしてN型の不純物拡散層38が構成されている。N型の不純物拡散層38に隣接接触して、高濃度のP型の不純物拡散層39が構成されている。この不純物拡散層39はMOSトランジスタM2のバックゲートBGのコンタクト領域として機能する。不純物拡散層38、39の直上にはコンタクトプラグ(図示せず)および上層配線Wが構成されており、各不純物拡散層38、39を互いに電気的に導通接続するように構成されている。このようにしてMOSトランジスタM2のソース領域SおよびバックゲートBG間が導通接続されている。
シリコン基板10の表面と平行なX2方向にPウェル32b脇に位置すると共にNウェル31bの表層に位置してフィールド酸化膜41が構成されている。他方、N型拡散層38のX2方向脇にはPウェル32bの表面上にゲート絶縁膜(図示せず)を介してゲート電極膜40が構成されている。このゲート電極膜40はポリシリコン薄膜により構成されており、フィールド酸化膜41の直上まで連続して渡って形成されている。フィールド酸化膜41は高耐圧特性を保持するために構成されている。ゲート電極膜40はシリコン基板10の表面上にゲート絶縁膜を介してPウェル32b、Nウェル31bの上方を渡って形成されている。
Nウェル31bはMOSトランジスタM2のドレイン領域として機能する。
N型の不純物拡散層37bが、フィールド酸化膜41のX2方向脇に位置してNウェル31bの表層に、MOSトランジスタM2のドレインコンタクト領域として形成されている。このようにしてMOSトランジスタM2は、半導体層31b、32b、37b、38、39、40、41を含んで構成される。
Nウェル31a内の高濃度のN型半導体層37aと、Nウェル31b内の高濃度のN型半導体層37bとは、その上に接続されたコンタクトプラグ(図示せず)および上層配線W2によって互いに構造的に接続されることによって電気的に導通接続されている。
図13および図14には、シリコン基板10の表層から深い領域に生じる寄生成分を点線で表している。これらの図13および図14に示すように、寄生素子は、Pウェル32aとNウェル31aとの間に寄生ダイオードD1が生じると共に、P型半導体層32bとNウェル31bとの間に寄生ダイオードD2が生じる。また、シリコン基板10のPsub層とN型埋込層42aとの間に寄生ダイオードD3aが順方向に生じる。また、シリコン基板10のPsub層とN型埋込層42bとの間に寄生ダイオードD3bが順方向に生じる。また、Pウェル32aとNウェル31aとシリコン基板10のPsub層との間にPNP寄生トランジスタTraが生じる。P型半導体層32bとNウェル31bとシリコン基板10のPsub層との間にPNP寄生トランジスタTrbが生じる。
このとき、ダイオードD3aがシリコン基板10のPsub層とNウェル31aとの間にPN接合によりダイオード接続され、ダイオードD3bがシリコン基板10のPsub層とNウェル31bとの間にPN接合によりダイオード接続されるものの、当該ダイオードD3aおよびD3bとは逆方向に寄生ダイオードD1およびD2が生じる形態となるため寄生電流が流れる経路は断たれている。これにより、MOSトランジスタM1およびM2がオフしたときに寄生電流は流れにくくなる。すなわち、MOSトランジスタM1〜M4のスイッチをオフしたときにオフ状態を持続できる。
すなわち、ロウサイドスイッチSWL2は、前述実施形態と同様に、下流側のバス接続を切断した場合の下流側のバスDnL、DnHの電位がモジュールのグランド電位以下になったとしても寄生リークの発生を抑制して正常に切断できるようになる。
ロウサイドスイッチSWLがドレイン共通のMOSトランジスタM1、M2を直列接続して構成されていると共に、ハイサイドスイッチSWHがドレイン共通のMOSトランジスタM3、M4を直列接続して構成されているため、寄生素子を通じて流れる電流経路を断つことができ、リーク電流を抑制することができ、スイッチSWL2、SWH2を正常に切断することができる。
トランジスタM1、M2は、寄生ダイオードD1、D2、D3a、D3bが図示のように導通方向が互いに逆方向に対向して構成されるようになり、寄生成分によるリーク電流を抑制でき、スイッチSWL2、SWH2を正常に切断することができる。
尚、N型半導体埋込層42a、42bは必要に応じて設けても良いし、これに代えて、高濃度のP型の半導体埋込層を設けても良い。
また、前述の実施形態と同様に、P型半導体層43を設けずにNウェル31aと31bを一体化しても良いし、さらに、N型半導体層37aと37b、N型半導体埋込層42aと42bも一体化しても良い。
(第8の実施形態)
図15は、本発明の第8の実施形態を示すもので、第7の実施形態と異なるところは、スイッチの半導体素子構造にあり、シリコン基板(支持基板)10の表層にN型半導体埋込層42a、42bおよびP型半導体層43を設けずに構成したところにある。シリコン基板10がその上面にP型半導体層として露出して構成されており、複数のNウェル31a、31bが当該P型半導体層を挟んで互いに離間して設けられている。このような実施形態においても、前述実施形態とほぼ同様の作用効果を奏する。
尚、第7の実施形態のN型半導体埋込層42a、42bにて例示したように、本実施形態においてもシリコン基板10とNウェル31aとの間、シリコン基板10とNウェル31bとの間に高濃度の不純物(P型、N型の何れでも良い)が導入された半導体埋込層を設ける等により不純物濃度の高い層を構成しても良い。すると、寄生電流の発生をより抑制することができる。
(第9の実施形態)
図16は、本発明の第9の実施形態を示すもので、第8の実施形態と異なるところは、2つのNウェル31a、31bを一体化して1つのNウェル31として設け、さらに前述実施形態ではそれぞれのNウェル31a、31bの表層に設けられていたN型半導体層37a、37bも一体化して高濃度のN型半導体層37として構成されているところにある。このような実施形態によっても前述実施形態とほぼ同様の作用効果を奏する。
尚、本実施形態においても、Nウェル31とp型のシリコン基板10との間に高濃度の不純物(P型、N型の何れでも良い)が導入された半導体埋込層を設ける等により不純物濃度の高い層を構成しても良い。すると、寄生電流の発生をより抑制することができる。
第7〜第9の実施形態における素子間分離は、前述実施形態と同様な素子分離方法、すなわち、SOI構造による支持基板分離、トレンチおよび絶縁膜によるトレンチ分離構造、酸化膜、窒化膜等の絶縁層による素子間分離を適用しても良い。
(第10の実施形態)
図17は、本発明の第10の実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、 第1の実施形態にて説明した定電流源CM1〜CM5を構成するMOSトランジスタM5〜M12をそれぞれ2個直列にカスケード接続し、定電流源CM1〜CM5に代えて定電流源CM1z〜CM5zとして構成したところにある。図17は、図2(b)に対応して電気的構成を示している。
この図17においては、図2(b)に示すMOSトランジスタM5〜M12に対応して、2個直列にカスケード接続されたMOSトランジスタにそれぞれ添え字「a」「b」を付して示している。抵抗Rw、Rxはカスケード動作に必要なバイアス電圧を発生させるためのものである。このような実施形態においては、カスケード接続された定電流源CM1z〜CM5zを適用して構成されているため、定電流源CM1z〜CM5zの作用によって性能を向上させることができる。
(第11の実施形態)
図18は、本発明の第11の実施形態を示すもので、前述実施形態と異なるところは、高電位側バスの電流を回収する電流源CM5を設ける代わりに昇圧回路を高電位側バス側および低電位側バス側の双方に設けてロウサイドスイッチ、ハイサイドスイッチを駆動しているところにある。前述実施形態と同一部分には同一符号を付し、同一機能を備えた構成要素等には同一符号または添え字「a」、「b」、「1」、「2」を付して説明を行う。
図18(a)は、図2(a)に代わる電気的構成を概略的に示しており、図18(b)は、図2(b)に代わる具体的な電気的構成を示すと共に図18(a)の電気的構成の具体例を示している。図18(a)に示すように、電流源CM5に代えてチャージポンプ回路CP1、CP2が回収手段として設けられている。チャージポンプ回路CP1は、その入力が低電位側バスDnLの入力端子INLに電気的に接続されており、低電位側バスDnLの電位を昇圧し電流源CM1、CM2にそれぞれ昇圧電圧Vcp1を供給する機能を備えている。また、チャージポンプ回路CP2は、高電位側バスDnHの電位を昇圧して電流源CM3、CM4にそれぞれ昇圧電圧Vcp2を供給する機能を備えている。
図18(b)に示すように、ロウサイド側のチャージポンプ回路CP1は、ダイオードD5〜D7およびコンデンサC5〜C7を具備して構成されている。入力端子INLと電流源CM1およびCM2に対する電力供給ノードNLとの間には、複数個(3個)のダイオードD5〜D7が直列順方向に接続されている。ダイオードD5およびD6の共通接続点をノードN1、ダイオードD6およびD7の共通接続点をノードN2とすると、ノードN1には機能回路CIRがコンデンサC5を介してクロック信号CLKを印加し、ノードN2には機能回路CIRがコンデンサC6を介してクロック信号CLKBを印加する。尚、クロック信号CLKとクロック信号CLKBとは同一の所定周波数で且つ互いに逆相のクロックを示している。電力供給ノードNLと入力端子INLとの間にはコンデンサC7が接続されており、入力端子INLに対するノードNLの電圧を安定的に保持する。
本実施形態においては、カレントミラー回路CM1は、nMOSトランジスタM5、M6aと、pMOSトランジスタM7a、M8とを備えて構成されている。nMOSトランジスタM5のゲートとドレインはnMOSトランジスタM6のゲートと共通接続されていると共に、MOSトランジスタM5のソースはMOSトランジスタM6aのソースと共通接続されている。また、nMOSトランジスタM6aのドレインは、pMOSトランジスタM7aのゲートとドレイン、トランジスタM8のゲートと互いに共通接続されている。
pMOSトランジスタM7aのソースはpMOSトランジスタM8のソースと共通接続されており、この共通接続点はカレントミラー回路CP1の電力供給ノードNLとなっている。抵抗素子Rz1がpMOSトランジスタM7aのソース−ドレイン間に接続されており、抵抗素子RyがnMOSトランジスタM5のソース−ドレイン間に接続されている。機能回路CIRが参照電流IrefをMOSトランジスタM5のドレインに電流供給すると、MOSトランジスタM6a、M7a、M8のカレントミラー作用によってMOSトランジスタM1のゲート−ソース間に接続された抵抗素子R1およびコンデンサC1に電流を流す。カレントミラー回路CM2は、nMOSトランジスタM5、M6aと、pMOSトランジスタM7a、M9とを備えて構成されているが、電気的接続形態は前述とほぼ同様であるため説明を省略する。
また、ハイサイド側のチャージポンプ回路CP2は、ダイオードD8〜D10およびコンデンサC8〜C10を具備して構成されている。入力端子INHと電流源CM3およびCM4に対する電力供給ノードNHとの間には、複数個(3個)のダイオードD8〜D10が直列順方向に接続されている。ダイオードD8およびD9の共通接続点をノードN3、ダイオードD9およびD10の共通接続点をノードN4とすると、ノードN3には機能回路CIRがコンデンサC8を介してクロック信号CLKを印加し、ノードN4には機能回路CIRがコンデンサC9を介してクロック信号CLKBを印加する。電力供給ノードNHと入力端子INHとの間にはコンデンサC10が接続されており、入力端子INHに対するノードNHの電圧を安定的に保持する。
カレントミラー回路CM3は、nMOSトランジスタM5、M6bと、pMOSトランジスタM7b、M10とを備えて構成されており、カレントミラー回路CM4は、nMOSトランジスタM5、M6bと、pMOSトランジスタM7b、M11とを備えて構成されているが、電気的接続形態は前述と同様であるため説明を省略する。
以下、ハイサイド側の昇圧動作を簡単に説明する。チャージポンプ回路CP2は、クロック信号CLK、CLKBが与えられると、以下のような動作を繰り返す。
(1)クロック信号CLKが「ロウ」、クロック信号CLKBが「ハイ」
電流が入力端子INHからダイオードD8、コンデンサC8を介して流れ、コンデンサC8に充電される。
(2)クロック信号CLKが「ハイ」、クロック信号CLKBが「ロウ」
コンデンサC8の充電電荷がダイオードD9を介して次段のコンデンサC9に充電され、これに伴い昇圧される。
(3)クロック信号CLKが「ロウ」、クロック信号CLKBが「ハイ」
上記(1)の動作が行われると共に、コンデンサC9の充電電荷がダイオードD10を介して次段のコンデンサC10に充電され、これに伴い昇圧される。
(4)クロック信号CLKが「ハイ」、クロック信号CLKBが「ロウ」
上記(2)の動作が行われる。
以下、動作(3)〜(4)を順次繰り返すことにより昇圧動作が行われる。そしてコンデンサC10の充電電圧は、電流源CM3、CM4を構成するMOSトランジスタM10、M11に供給され、ハイサイドスイッチSWHがオンしたときには定電流源CM3、CM4から抵抗素子R3、R4に定電流を流す。
ロウサイド側のチャージポンプ回路CP1の動作は動作(1)〜(4)とほぼ同様であるため説明を省略する。尚、クロック信号CLK、CLKBのクロック周波数は、バスDnH、DnLに流れる信号変化最大周波数よりも十分に大きく設定されており、これによりチャージポンプ回路CP1、CP2が昇圧動作をしている最中において昇圧元電位の変化に基づく昇圧目標電位に対する変動を極力抑制できる。
本実施形態によれば、チャージポンプ回路CP1が昇圧元電位としての低電位側バスDnLの電位を昇圧し昇圧電位Vcp1として電流源CM1、CM2に供給し、チャージポンプ回路CP2が昇圧元電位としての高電位側バスDnHの電位を昇圧し昇圧電位Vcp2として電流源CM3、CM4に供給しているため、モジュール2a内で電流が還流するようになり、当該モジュール2a内の電流が他のモジュールに流れることがなくなる。これにより、モジュール2a内に流れる電流による悪影響が他のモジュールに与えられることがなくなる。
尚、高電位側バスDnHの電流を回収するためには、チャージポンプ回路CP2を高電位側バスDnH側のみに設け、低電位側バスDnL側のチャージポンプ回路CP1を設ける必要はないが、EMCの観点から不要輻射を抑制するためには低電位側バスDnL側にも形成すると良い。つまり、チャージポンプ回路CP1、CP2の双方が設けられていると、チャージポンプ回路CP1およびCP2が発生するノイズを互いに打ち消し合うように構成することができ不要輻射を抑制できる。
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に示す変形または拡張が可能である。
コンデンサC1〜C4は必要に応じて設ければよい。
定電流源CM1〜CM5は、バイポーラジャンクショントランジスタ(BJT)によるカレントミラー、オペアンプを用いた電圧‐電流変換回路等の高精度な電流源回路を適用しても良い。
前述実施形態では例えばロウサイドスイッチSWLについてMOSトランジスタM1、M2について示したが、これらはハイサイドスイッチSWHについても同様に適用できる。スイッチング素子としてMOSトランジスタM1〜M4を適用したが、バイポーラジャンクショントランジスタ(BJT)などの他のスイッチング素子を適用しても良い。
図2、図18に示すように、スイッチSWHを構成するMOSトランジスタM3、M4がソース共通接続形態に構成されている場合には、MOSトランジスタM3、M4のゲート電位が等しくなるため電流源CM3、CM4を1つにまとめて構成しても良い。図2のスイッチSWLを構成するMOSトランジスタM1、M2もまたソース共通接続形態に構成されているため、電流源CM1、CM2を1つにまとめて構成しても良い。 図17に示す回路形態の場合には、電流源CM3z、CM4zを1つにまとめ、さらに電流源CM1z、CM2zを1つにまとめて構成しても良い。
本発明および前述実施形態においてMOSトランジスタM1〜M4をソース共通接続、ドレイン共通接続として説明したが、この説明は発明の内容を容易に説明するため電気的ノードの接続関係を明確にするために便宜的に行っているものであり、図4、図7〜図11、図14〜図16に示すP型半導体層24a、24b、34、39によるバックゲートBGが電気的に導通接続されている領域をソース領域Sと定義して示し、当該ソース領域SからゲートGを挟んで逆側の基板表層の他の不純物導入領域をドレイン領域Dと定義して示している。
図面中、1はエアバッグECU(マスタ)、2a〜2dはモジュール(スレーブ)、10はシリコン基板(支持基板)、DnHは高電位側バス(バス)、DnLは低電位側バス(バス)、M1〜M4はnチャネル型のMOSトランジスタ(スイッチング素子)、R1〜R4は抵抗素子、SWLはロウサイドスイッチ、SWHはハイサイドスイッチ、CIRは機能回路(通電回路、回収手段)、CM5は定電流源(電流バイパス回路)、SW、SW2はスイッチ部、CP1、CP2はチャージポンプ回路を示す。