JP4455404B2 - 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents
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Description
該電荷輸送層に含有される電荷輸送物質のうち最も融点が低い電荷輸送物質の融点Tm[℃]と、該表面層加熱工程において該電子写真感光体の表面層を加熱する際の温度Th[℃](Th≧80)と、該電荷輸送層に含有される電荷輸送物質の合計質量(Md)と結着樹脂の合計質量(Mb)との比(Md/Mb)とが、下記式(1)で示される関係を満たし、
Tm≧Th+(Md/Mb)×20 ・・・(1)
該電荷輸送層に含有される結着樹脂が、下記式(PC−1)
で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂であり、
該電荷輸送層に含有される電荷輸送物質が、下記式(B−3)で示される構造を有する化合物および下記式(B−10)で示される構造を有する化合物である、
あるいは、下記式(A−4)で示される構造を有する化合物および下記式(B−5)で示される構造を有する化合物である
ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
また、本発明は、上記製造方法により製造されたことを特徴とする電子写真感光体である。
Tm≧Th+(Md/Mb)×20 ・・・(1)
TmがTh+(Md/Mb)×20未満であると、電子写真感光体の表面の粗れを抑制する効果が得られない。
上記アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、フルオレニル基などが挙げられる。上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。上記アリーレン基としては、フェニレン基などが挙げられる。上記2価の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基などのアルキレン基や、エチリデン基、プロピリデン基、ブチリデン基などのアルキリデン基や、シクロヘキシリデン基などのシクロアルキリデン基、また、これら各基を組み合わせてなる2価の基などが挙げられる。
Tg≧Th+(Mb/Md)×20 ・・・(2)
本発明においては、電荷輸送物質の融点および結着樹脂のガラス転移点は、セイコー電子工業製熱分析装置SSC5200Hを用いて測定した。具体的には、23℃から280℃まで5℃/minの昇温速度で測定し、得られたチャートの固体側の接線と転移温度域の急峻な位置の接線との交点を融点またはガラス転移点とした。
X線管球:Cu
管電圧:50kV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:2deg./min
サンプリング間隔:0.020deg.
スタート角度(2θ):5deg.
ストップ角度(2θ):40deg.
ダイバージェンススリット:0.5deg.
スキャッタリングスリット:0.5deg.
レシービングスリット:0.3deg.
湾曲モノクロメーター使用
また、本発明において、粘度平均分子量(Mv)および重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲル・パーミュエーション・クロマトグラフィー)により、東ソー(株)製HLC−8120を用いて測定されるポリスチレン換算値とした。粘度平均分子量および重量平均分子量測定は常法に従って次の条件で行った。
上記式(B−4)で示される構造を有する化合物を以下のとおりにして合成した。
1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン100g(376mmol)をトルエン1000ml中で攪拌しながら、無水酢酸140g(1.1mol)を滴下し、滴下終了後、110℃まで昇温させて還流し、反応終了後に濾過し、トルエン洗浄を行い、下記式(Int−1)で示される構造を有する1,1−ビス(4−アセチルアミノフェニル)シクロヘキサンを得た。収量90g、収率68%、HPLC純度81%であった。
1,1−ビス(4−アセチルアミノフェニル)シクロヘキサン70g(200mmol)、3−ヨードトルエン140g(642mmol)、炭酸カリウム55g(398mmol)および銅触媒38g(598mmol)を混合し、o−ジクロロベンゼン250ml中で攪拌しながら190℃まで昇温させて還流した。12時間反応させた。反応終了後、トルエン400mlを加えて熱時濾過し、洗浄した後、溶剤を減圧留去し、下記式(Int−2)で示される構造を有する化合物を得た。収量113g、収率107%(残留o−ジクロロベンゼン含む)、HPLC純度92.6%であった。
上記式(Int−2)で示される構造を有する化合物98g(185mmol)とナトリウムメチラート85g(1.57mol)と水9.3g(520mmol)とを混合し、メチルセロソルブ500ml中で攪拌しながら、110℃まで昇温させて5時間還流し、反応終了後、水1.8l中に流し入れ、洗浄し、分液ロートで抽出し、抽出液にトルエンを加え、再抽出した。この処理を3回繰り返し、その後、溶剤を減圧留去し、下記式(Int−3)で示される構造を有する化合物を得た。収量76g、収率85.1%、HPLC純度92.0%であった。
上記式(Int−3)で示される構造を有する化合物23g(51mmol)、3、4−ジメチルヨードベンゼン29g(125mmol)、炭酸カリウム19g(128mmol)および銅触媒11g(153mmol)を混合し、o−ジクロロベンゼン85ml中で攪拌しながら190℃まで昇温させて還流した。12時間反応させた。反応終了後、トルエン200mlを加えて熱時濾過し、洗浄した後、溶剤を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトにてトルエン/n−へキサン=1/3で展開させて精製を行い、粗生成物を得た。さらに、トルエン/n−へキサンの混合溶剤を用いて加熱溶解後、冷却し、再結晶化させた。この再結晶化を2回繰り返し、生成物である上記式(B−4)で示される構造を有する化合物を得た。収量23g、収率69.0%、HPLC純度98.1%であった。
測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子(株)製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μS
データポイント:32768
周波数範囲:10500Hz
積算回数:100回
測定温度:25℃
測定用サンプル:測定試料50mgを直径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒としてCDCl3(TMS0.05%)を添加することによって調製した。
測定装置:FT−IR420(日本分光(株)製)
分解能:4cm−1
積算回数:16回
測定用サンプル:測定試料5mgをKBrに混合することによって調製した。
7.07〜7.10(m):3.14H,
6.99〜7.01(d):1.12H,
6.87〜6.93(m):4.10H,
6.81〜6.84(m):2.13H,
6.75〜6.77(d):1.00H,
2.21〜2.24(m):8.28H,
2.17(s):3.38H,
1.54(s):4.24H。
上記式(B−6)で示される構造を有する化合物を以下のとおりにして合成した。
1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン125g(470mmol)、3−メチルブロモベンゼン500g(3.4mol)、酢酸パラジウム5.3g(23.5mmol)およびナトリウム−t−ブトキシド500g(5.2mol)を混合し、o−キシレン700ml中で攪拌しながら113℃まで昇温させ、反応終了後に濾過し、活性白土処理を行って残留物を得た。この残留物をシリカゲルカラムクロマトにてトルエン/n−へキサン=1/2で展開させて精製を行い、粗中間体を得た。さらに、アセトン/n−へキサン=1/10の比率の溶剤330mlを用いて再結晶化を行い、中間体である下記式(Int−4)で示される構造を有する化合物を得た。収量110g、収率52%であった。
次に、Int−4で示される構造を有する化合物61g(128.6mmol)、9,9−ジメチル−2−ヨードフルオレン102g(318mmol)、炭酸カリウム44g(318.8mmol)および銅触媒25g(393.7mmol)を混合し、o−ジクロロベンゼン300ml中で攪拌しながら195℃まで昇温させて還流した。8時間反応させた後、銅触媒を15g追加し、さらに16時間反応させた。反応終了後、トルエン400mlを加えて熱時濾過し、洗浄した後、溶剤を減圧留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトにてトルエン/n−へキサン=1/2で展開させて精製を行い、粗生成物を得た。さらに、ジメチルホルムアミド/アセトン/メタノール=120g/120g/40gの混合溶剤を用いて加熱溶解後、冷却し、再結晶化させた。この再結晶化を2回繰り返し、生成物である上記式(B−6)で示される構造を有する化合物を得た。収量75g、収率67.9%、HPLC純度99.4%であった。
7.56(d):2.0H,
7.37(d):2.0H,
7.23〜7.32(m):7.0H,
7.11〜7.19(m):8.8H,
6.99〜7.03(m):5.8H,
6.96(s):1.8H,
6.92(d):1.8H,
6.82(d):2.0H,
2.25(s):9.4H,
1.54〜1.59(m):5.4H,
1.40(s):12.2H.
(合成例3)
上記式(B−10)で示される構造を有する化合物を以下のとおりにして合成した。
合成例2の工程1において、3−メチルブロモベンゼン500gを4−メチルブロモベンゼン500g(3.4mol)に変更した以外は、合成例2の工程1と同様の操作を行い、中間体である下記式(Int−5)で示される構造を有する化合物を得た。収量120g、収率57%であった
合成例2の工程2において、上記式(Int−4)で示される構造を有する化合物61gを上記式(Int−5)で示される構造を有する化合物57g(127.6mmol)に変更した以外は、合成例2の工程2と同様の操作を行い、生成物である上記式(B−10)で示される構造を有する化合物を得た。収量80g、収率75.4%、HPLC純度99.6%であった。
7.53(d):2.0H,
7.36(d):2.0H,
7.29(td):1.7H,
7.21〜7.25(m):3.0H,
7.12〜7.15(m):5.7H,
6.98〜7.06(m):14.0H,
2.32(s):5.5H,
2.23(s):3.4H,
1.54〜1.58(m):10.7H,
1.39(s):12.6H.
上記3種の化合物以外の上記式(B)で示される構造を有する化合物も、それぞれの構造に対応する構造の原料を用いることによって、合成例1〜3と同様にして合成することができる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
実施例1において、電荷発生層に含有させた電荷発生物質の種類、電荷輸送物質に含有させた電荷輸送物質および結着樹脂の種類および使用量、ならびに、表面層加熱工程(第2加熱)における加熱温度(第2加熱時温度)を表4〜6に示すとおりにした以外は、実施例1と同様にして保護層(第2電荷輸送層)が表面層である電子写真感光体を作製した。
実施例1において、形成後の表面層について第1加熱および第2加熱を行わなかった以外は、実施例1と同様にして保護層(第2電荷輸送層)が表面層である電子写真感光体を作製した。
・電子写真感光体の表面の粗れの評価
実施例1〜40、比較例1〜14ならびに参考例1および2で作製した電子写真感光体の表面の粗れを評価した。具体的には、これら電子写真感光体の表面の10点平均粗さRzjisを(株)小坂研究所製の表面粗さ計SE−3500で測定し、評価した。評価基準は以下のとおりである。
A:0.03μmRzjis以下
B:0.03μmRzjisを超え0.05μmRzjis以下。
C:0.05μmRzjisを超え0.07μmRzjis以下。
D:0.07μmRzjisを超え0.1μmRzjis以下。
E:0.1μmRzjisを超え0.4μmRzjis以下。
F:0.4μmRzjisを超え1μmRzjis以下。
G:1μmRzjisを超える。目視で電子写真感光体の表面全体が粗れていることがわかる。
実施例1〜40、比較例1〜14ならびに参考例1および2で作製した電子写真感光体の感度および残留電位を、NESAガラスを用いる直接電圧印加方式の電子写真感光体測定装置を用いて測定した。なお、測定シーケンスについては、電子写真感光体をコンデンサーとみなし、コンデンサーモデルのシーケンスとした。この測定は、図9に示すように進められる。具体的には、まず、電子写真感光体の履歴を除去するために露光光(像露光光)および前露光光を電子写真感光体に照射し、10ミリ秒後に所定の印加電圧Vaを電子写真感光体に印加する。次に、20ミリ秒後に電位(Vd+Vc)を測定し、測定後、電子写真感光体の電位をアースに落とす。次に、電位Vcの測定を行い、これらの結果から求めたVdを電子写真感光体の電位とした。なお、Vdが−700Vになったその20ミリ秒後、露光波長(像露光波長)403nmの光を100ミリ秒間照射し、95ミリ秒後に表面電位を測定する。NESA感度は表面電位が露光(像露光)により−200Vになるときの光量から求めた。また、露光(前露光)の50ミリ秒後の表面電位を残留電位とした。
露光波長(像露光波長)403nmの光を同683nmの光に変更した以外は、電子写真感光体の感度および残留電位の評価Iと同様の評価を行った。ただし、評価対象は、実施例1〜29、比較例1〜14ならびに参考例1および2で作製した電子写真感光体とした。
実施例1〜40、比較例1〜14ならびに参考例1および2で作製した電子写真感光体の暗部電位の変動および明部電位の変動を、23℃/5%RH環境下で以下のようにして測定した。
実施例1〜40、比較例1〜14ならびに参考例1および2で作製した電子写真感光体とそれぞれ同様の電子写真感光体それぞれにキヤノン(株)製複写機GP405用のギアおよびフランジを取り付け、それぞれキヤノン(株)複写機GP405に装着して画像を出力し、初期および10000枚出力後の電子写真感光体の表面のトナー像を評価した。具体的には、ドット再現性と線画像再現性を観察した。初期および10000枚出力後に、トナーを平均粒径5μmの磁性トナーにして孤立ドットおよび線画像を電子写真感光体の表面に形成させ、これらを光学顕微鏡で観察した。
ドット再現性
A:飛び散りが非常に少なく、ドットが鮮明
B:やや飛び散りが見られるが、ドットはほぼ鮮明
C:飛び散りによりドットがやや不鮮明
D:飛び散りが多く、ドットが不鮮明
線画質
A:線がシャープ
B:一部境界領域がはっきりしない部分があるが、線はほぼ鮮明
C:線がやや不鮮明
D:線が不鮮明
評価結果を表11に示す。
102 導電層
103 中間層
104 結着樹脂、電荷輸送物質および電荷発生物質を含有する層
1041 電荷発生物質を含有する層
1042 結着樹脂および電荷輸送物質を含有する層
105 電子線硬化によって形成された後に80℃以上の温度で加熱された層(表面層)
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材
401 電子写真感光体
403 帯電器
404 露光器
4051 電位測定用のプローブ
4052 電位計
406 前露光器
Claims (7)
- 結着樹脂および電荷輸送物質を含有する電荷輸送層の上に表面層用塗布液を塗布し、塗布された表面層用塗布液に電子線を照射することによって電子写真感光体の表面層を形成する表面層形成工程と、該表面層形成工程によって形成された該電子写真感光体の表面層を80℃以上の温度で加熱する表面層加熱工程とを有する電子写真感光体の製造方法において、
該電荷輸送層に含有される電荷輸送物質のうち最も融点が低い電荷輸送物質の融点Tm[℃]と、該表面層加熱工程において該電子写真感光体の表面層を加熱する際の温度Th[℃](Th≧80)と、該電荷輸送層に含有される電荷輸送物質の合計質量(Md)と結着樹脂の合計質量(Mb)との比(Md/Mb)とが、下記式(1)で示される関係を満たし、
Tm≧Th+(Md/Mb)×20 ・・・(1)
該電荷輸送層に含有される結着樹脂が、下記式(PC−1)
で示される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート樹脂であり、
該電荷輸送層に含有される電荷輸送物質が、下記式(B−3)で示される構造を有する化合物および下記式(B−10)で示される構造を有する化合物である、あるいは、
下記式(A−4)で示される構造を有する化合物および下記式(B−5)で示される構造を有する化合物である
ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。 - 前記式(1)中の(Md/Mb)が、1.2〜2.0の範囲にある請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 前記電荷輸送層に含有される結着樹脂のガラス転移点Tg[℃]と、前記表面層加熱工程において前記電子写真感光体の表面層を加熱する際の温度Th[℃](Th≧80)と、前記電荷輸送層に含有される結着樹脂の合計質量(Mb)と電荷輸送物質の合計質量(Md)との比(Md/Mb)とが、下記式(2)で示される関係を満たす請求項1または2に記載の電子写真感光体の製造方法。
Tg≧Th+(Mb/Md)×20 ・・・(2) - 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とする電子写真感光体。
- 請求項4に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項4に記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
- 前記露光手段が発振波長が380〜500nmの範囲にある半導体レーザーを有する請求項6に記載の電子写真装置。
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