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JP4860948B2 - 電子写真装置 - Google Patents
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Description

本発明は電子写真装置に関するものである。
複写機やプリンターなどの電子写真装置の電子写真感光体としては、従来より、セレン、酸化亜鉛、硫化カドミウムなどの無機光導電性化合物を主成分とする無機感光体が広く用いられてきた。近年では、有機の電荷発生物質および電荷輸送物質を含有する感光層を有する電子写真感光体(有機電子写真感光体)が広く用いられている。このような感光層としては、支持体側から電荷発生物質を含有する電荷発生層、電荷輸送物質(正孔輸送物質)を含有する電荷輸送層(正孔輸送層)の順に積層してなる積層型(順層型)の層構成を有するものが、生産性および耐久性に優れており、現在では主流となっている。
有機電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、例えば、トリアリルピラゾリンを含有する電荷移動層を有する感光体(例えば特許文献1)、ペリレン顔料の誘導体からなる電荷発生層と3−プロピレンとホルムアルデヒドの縮合体からなる電荷移動層とからなる感光体(例えば特許文献2)など開示されている。また、ジスアゾ顔料またはトリスアゾ顔料を電荷発生物質として用いた感光体がある(例えば特許文献3、4)。さらに有機光導電性化合物はその化合物によって電子写真感光体の感光波長域を自由に選択することが可能である。例えば、アゾ系の有機顔料に関していえば可視領域で高感度を示す物質が開示されており(例えば特許文献5、6)、また赤外領域にまで感度を有している物質もある(例えば特許文献7、8)。
これらの材料のうち、赤または赤外領域に感度を有する材料は、近年の進歩の著しいレーザービームプリンターやLEDプリンターなどに使用されその需要頻度は高くなってきている。しかしながら、今日の電子写真技術の発展は著しく、電子写真感光体に求められる特性に対しても非常に高度な技術が要求されている。例えば、プロセススピードは年々速くなり、帯電特性、より一層の高感度や高耐久性などが求められるようになってきている。従来より赤外領域に感度を有する材料として銅フタロシアニン(例えば特許文献9)や無金属フタロシアニンなどが挙げられるが、今日の高感度化には不十分であった。近年の高感度に対応できる材料としてオキシチタニウムフタロシアニン顔料(例えば特許文献10、11)、ガリウムフタロシアニン顔料(例えば特許文献12、13)やクロロガリウムフタロシアニン顔料(例えば特許文献14、15)などが開発され、広く使用されている。
さて、電子写真方式による画像形成は、電子写真感光体の表面を帯電し、帯電された電子写真感光体の表面に露光光を照射することによって電子写真感光体の表面に静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーにより現像することによって電子写真感光体の表面にトナー像を形成し、このトナー像を電子写真感光体の表面から紙などの転写材に転写し、再び、電子写真感光体の表面を帯電し次の画像形成を行うという繰り返しプロセスによって行われることが一般的である。
ここで、転写後の感光体上の残留電荷を除電しないまま次の帯電プロセスに移行すると、帯電により感光体表面を一様に帯電できなくなり、画像欠陥となる。この問題を解決するためには帯電前露光により転写後に感光体上に残存する残留電荷の除電を行うことで、このような問題を回避することが可能である。(例えば、特許文献16)帯電前露光を行う場合には、帯電電位を十分に減衰させる必要があるために露光量は像露光量の数十倍程度必要となる。このように、帯電前露光手段を設けることにより感光体表面電位を一様にすることができ、良好な画像形成が可能な状態となる。
近年、帯電装置の帯電均一性を向上させて、帯電前露光手段なしでも良好な画像出力が得られるように検討されているが、電荷発生物質としてこれらフタロシアニン顔料を用いた電子写真感光体は、高感度故に生成したフォトキャリアーが感光層に残存し易く、特に、高速電子写真プロセスの場合は、帯電前露光手段なしでは画像形成に支障をきたし易いのが実情である。
米国特許第3837851号公報 米国特許第3871882号公報 特開昭56−46237号公報 特開昭60−111249号公報 特開昭60−272754号公報 特開昭56−167759号公報 特開昭57−195767号公報 特開昭61−228453号公報 特開昭50−38543号公報 特開昭63−366号公報 特開平1−319934号公報 特開平5−249716号公報 特開平5−263007号公報 特開平5−188615号公報 特開平5−194523号公報 特開平5−127546号公報
本発明者らが鋭意検討の結果、帯電前露光を有する電子写真装置において、連続プリント時の暗部電位および明部電位の変動が大きくなる弊害が起きることがあった。特に、この現象は電荷発生物質としてこれらフタロシアニン顔料を用いた高感度電子写真感光体や、高速のプロセススピードを採用する電子写真装置で顕著に発生し、感光体の高寿命化に伴い、連続耐久の後半に顕著になることが分かった。
従って、本発明の目的は、帯電前露光を有する電子写真装置においても、連続耐久を通じて暗部電位および明部電位の変動を抑制し、画像欠陥のない良好な画像を供給する電子写真装置を提供することにある。
本発明は、電子写真感光体と、帯電手段で該電子写真感光体の表面を帯電する前に露光により該電子写真感光体の表面の除電処理を行う前露光手段と、該電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電された該電子写真感光体の表面に対して露光を行い該電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する像露光手段と、該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーで現像して該電子写真感光体の表面にトナー像を形成する現像手段と、該電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を転写材に転写する転写手段とを有する電子写真装置において、
該電子写真感光体が、支持体、該支持体上に設けられた電荷発生物質を含有する電荷発生層、および、該電荷発生層上に設けられた正孔輸送物質を含有する正孔輸送層を有する電子写真感光体であり、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−600[V]にし、次いで、表面電位が−600[V]になった該電子写真感光体の表面に所定の光量Eの光を照射することによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cに設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、次いで、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cと同条件に設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
該正孔輸送層の膜厚をd[μm]とし
該前露光手段の前露光光量をE[μJ/cm ]としたとき、
、V およびEが下記式(I)および(II)
(|−600−V|−|−600−V|)/d≦0.17 ・・・(I)
(|−600−V |−|−600−V |)/d≦−7.8×10 −3 E+0.19 ・・・(II)
(但し、EはEa≦E≦4Eaを満足する。Eaとは電子写真感光体の表面を残留電位まで除電するのに最低限必要な前露光光量である。残留電位とは10μJ/cm の光量の露光を行ったときの電子写真感光体の表面電位である。)
を満足し、
該電荷発生層が、還元電位(飽和カロメル電極による還元電位)が−0.60〜−0.25Vの範囲にある電子搬送性化合物を含有し、
該電荷発生物質が、フタロシアニン顔料であり、
該電荷発生層の膜厚が、0.05〜0.3μmであ
ことを特徴とする電子写真装置である。

本発明によれば、帯電前露光を有する電子写真装置においても、連続耐久を通じて暗部電位および明部電位の変動を抑制し、画像欠陥のない良好な画像を供給する電子写真装置を提供することができる。
まず、帯電前露光を有する電子写真装置において、連続プリント時の暗部電位および明部電位の変動が大きくなる理由について述べる。
この現象は、連続耐久により、耐久後半で暗部電位の低下、明部電位の上昇となって発生する。この原因は詳細には不明であるが、本発明者らは、以下のように推測している。
すなわち、負帯電積層感光体の場合、露光により電荷発生層で電荷が発生し、分離されたホールおよび電子のキャリアは、次回の露光迄にホールはホール輸送物質を含有する正孔輸送層側へ注入され、表面電位をキャンセルし、電子は支持体側に速やかに移動し、感光層中に滞留しないことが必要である。初期はこの状態が維持されるが、連続耐久により繰り返し使用されることで、感光層が前露光の強い光を繰り返し受けることで劣化し、感光層中の滞留電位が増加する。このため、ホールが表面電位をすべてキャンセルできないまま、次の画像形成に移行するために明部電位の上昇となって発生する。一方、感光層中に滞留した電子のキャリアは少しずつ支持体側に移行してくるため、それに伴いホールも少しずつ遅れて表面に移行してくる。このために、耐久により除々に暗部電位の低下となって発生すると思われる。
電荷発生物質としてフタロシアニン顔料を用いた電子写真感光体は、その高感度故に発生するキャリアの量も多いため、これらの現象がより顕著に発生すると推察される。また、より高速プロセスの帯電前露光を有する電子写真装置の方が表面電位をキャンセルする時間がより短いという観点でより厳しい条件と言える。この現象は150mm/sec以上のプロセススピードでより顕著に発生する。
暗部電位の低下、明部電位の上昇が実際の実画像として発生する現象としては、明部電位の上昇に伴う感度低下による画像濃度薄や、暗部電位の低下に伴い、現像バイアスと暗部電位との電位差であるバックコントラストが小さくなるため、カブリ画像という画像欠陥が発生する。
このような電子写真装置であっても、本発明で規定する電子写真感光体を用いれば帯電前露光を有する電子写真装置において、連続プリント時の暗部電位および明部電位の変動の抑制に有効に作用する。
次に、電子写真感光体が、本発明の上記規定を満足するか否かを判定する判定法(以下「本発明の判定法」ともいう。)について説明する。
本発明の判定法は、常温常湿(23℃、50%RH)環境下で行われる。
図1に、本発明の判定法を実施するための判定装置の概略構成の一例を示す。
図1中、101は判定対象の電子写真感光体であり、103は帯電装置の帯電ローラーであり、104はキセノンランプ、モノクロメーターおよびNDフィルターを備える露光装置であり、104Lは光(露光光)であり、105は電子写真感光体の表面電位を測定する(読み取る)ための電位計(電位プローブ)である。電子写真感光体101は矢印方向に回転駆動される。また、図1には、直径が60mmの電子写真感光体を例示している。
本発明の判定法において、電子写真感光体の回転速度は、該電子写真感光体の表面の移動速度が30π[mm/s](94.25[mm/s])になる速度に設定される。
帯電ローラー103による帯電位置、光104Lが照射される位置すなわち露光位置および電位計105による電位測定位置は、帯電と光照射との間の時間が0.25秒かつ光照射と電位測定との間の時間が0.25秒になるように、設定される。
図1においては、電子写真感光体101の直径は60mmであるから、
{(30π×0.25)/60π}×360°=45°
より、帯電位置と電子写真感光体中心と露光位置とがなす角度および露光位置と電子写真感光体中心と電位測定位置とがなす角度は、図1に示すとおり、どちらも45°となる。
図2に、本発明の判定法を実施するための判定装置の概略構成の別の例を示す。101’は判定対象の電子写真感光体であり、他の符号は図1と同様である。図2には、直径が30mmの電子写真感光体を例示している。
上述のとおり、本発明の判定法においては、電子写真感光体の回転速度は、該電子写真感光体の表面の移動速度が30π[mm/s]になる速度であり、また、帯電位置、露光位置および電位測定位置は、帯電と光照射との間の時間が0.25秒かつ光照射と電位測定との間の時間が0.25秒になるように設定されるから、図2のように、電子写真感光体の直径が30mmの場合、帯電位置と電子写真感光体中心と露光位置とがなす角度および露光位置と電子写真感光体中心と電位測定位置とがなす角度は、どちらも90°となる。
帯電ローラー103には、低温低湿(15℃、10%RH)環境、常温常湿(23℃、50%RH)環境、高温高湿(30℃、80%RH)環境のいずれの環境下においても長手方向長さ1cm当たりの抵抗が5×10〜5×10Ωの範囲に収まるものが用いられる。この抵抗は、以下のように測定される。すなわち、各環境に24時間放置した帯電ローラーを、それぞれアースに接続した金属製ドラムと当接させる。(金属製ドラムの両端にそれぞれ7.8N、計15.6Nの力で押し当てる。)次に、金属製ドラムを100mm/sの速度で回転させ、帯電ローラーは従動で回転させ、帯電ローラーの芯金の部分に、アースに接続した電源から−500Vの電圧を印加して抵抗値を測定する。測定した抵抗値、測定時の当接部の幅(ニップ幅)および帯電ローラーの芯金上に形成された層の厚みから帯電ローラーの抵抗を算出することができる。
本発明の判定法において、電子写真感光体の表面を帯電する際は、帯電ローラーには、電源から直流電圧に交流電圧を重畳した電圧が印加される。このうち、直流電圧の値は、上記および下記の各帯電条件に合わせて決定される。交流電圧のピーク間電圧は1800V、周波数は870Hzとする。
光104Lには、キセノンランプからの光をモノクロメーターを用いて分光した780nmの単色光を用い、光量の調整はNDフィルターによって行う。
以下、本発明の判定法についてより詳細に説明する。
図3は上記「V」を説明するための図であり、図4は上記「V」を説明するための図である。図3、4中、C1は帯電条件Cでの帯電、C2は帯電条件Cでの帯電、E1は光量Eの光照射、Dは電位測定を示す。
本発明の判定法において、電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させる(以下「5回転帯電」ともいう。)のは、電子写真感光体に帯電履歴や露光履歴が残存していた場合であっても、それらを消失させるためである。
以下、上記の帯電条件C、Cならびに光量Eについて説明する。これら帯電条件および光量は、電子写真感光体が本発明の上記規定を満足するか否かを判定する前に決定しておく。
・帯電条件C
判定対象の電子写真感光体の表面を5回転帯電した結果として、この電子写真感光体の表面電位が−600[V]になるよう、帯電ローラーに印加する電圧のうち直流電圧の値を調整する。
・光量E
帯電条件Cによって5回転帯電された判定対象の電子写真感光体の表面電位(−600[V])が−150[V]に減衰するよう、光の光量をNDフィルターによって調整する。
・帯電条件C
判定対象の電子写真感光体の表面を5回転帯電した結果として、この電子写真感光体の表面電位が−150[V]になるよう、帯電ローラーに印加する電圧のうち直流電圧の値を調整する。
なお、本発明の判定法における「帯電」および「光の照射」は、電子写真感光体の表面の最大画像領域全面に対して行う。
以上のようにして、電子写真感光体のV、Vが導き出される。
上記式(I)中の|−600−V|は、前回転時に露光を受けた電子写真感光体すなわち露光履歴がある電子写真感光体について、その表面を−600[V]に帯電しようとしたとき、実際の表面電位がどれだけ−600[V]に近づくかを意味する式である。
本発明者らは、実験の結果、|−600−V|が大きくても前露光を有する電子写真装置での連続耐久による暗部電位・明部電位の変動が少ない場合があり、また、|−600−V|が小さくても前述の暗部電位・明部電位の変動が大きい場合があることがわかった。
本発明者らは、鋭意検討した結果、|−600−V|と、露光履歴がない電子写真感光体の表面を−600[V]に帯電しようとしたとき、実際の表面電位がどれだけ−600[V]に近づくかを意味する式|−600−V|との差(|−600−V|−|−600−V|)が前露光を有する電子写真装置での連続耐久による暗部電位・明部電位の変動幅の大小に影響していることを見いだした。
また、(|−600−V|−|−600−V|)と前露光プロセスにおける連続耐久による暗部電位・明部電位の変動の関係は、正孔輸送層の膜厚によって異なることがわかった。具体的には、正孔輸送層の膜厚が厚いほど、連続耐久による電位変動を抑制できた。
これらの知見に基づき、検討を進めた結果、正孔輸送層の膜厚をd[μm]としたとき、(|−600−V|−|−600−V|)/dが0.17以下であれば、連続耐久による暗部電位・明部電位の変動を抑制できることがわかった。(|−600−V|−|−600−V|)/dが0.17より大きいと、耐久による暗部電位・明部電位の変動が抑制し難くなる。勿論、この数値は前露光光量にも依存する。
ここで、本発明が有効に作用する前露光光量と電子写真感光体の関係について詳細に説明する。
本発明の電子写真装置の前露光光量をEとしたとき、Eと(|−600−V|−|−600−V|)/dの関係が下記式(II)を満足する範囲で本発明が有効に作用する。
(|−600−V|−|−600−V|)/d≦−7.8×10−3E+0.19・・(II)
(但し、Ea≦E≦4Ea 残留電位迄除電するのに最低限必要な前露光光量Ea 残留電位とは10μJ/cmの強光量における感光体電位を測定し、これを残留電位とする。)
これは、上記式の下限範囲外である、残留電位迄除電しないような弱い光量の前露光では、課題である連続耐久による暗部電位の低下、明部電位の上昇が発生し難い。もちろん、このような弱い前露光では本来の前露光の目的である、感光体の表面電位の除電が十分に行われず、画像形成に支障をきたす。逆に、上記式の上限範囲外である極端に強い前露光光量の範囲では、本発明で規定する電子写真感光体を用いても、感光層中の滞留電位の増加を抑制することがでず、十分な効果を発揮できない。但し、前露光光量は感光体の表面電位を残留電位迄除電できれば、本来の目的を達成するため、上記式(II)の範囲であれば十分に実用上問題なく使用できる。
次に、本発明で用いる電子写真感光体の構成について説明する。
本発明で用いる電子写真感光体は、支持体、該支持体上に設けられた電荷発生物質を含有する電荷発生層、および、該電荷発生層上に設けられた正孔輸送物質を含有する正孔輸送層を有する電子写真感光体である。
支持体としては、導電性を有するものであればよく、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄等の金属または合金、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性支持体上にアルミニウム、銀、金等の金属あるいは酸化インジウム、酸化スズ等の導電材料の薄膜を形成したもの、カーボンや導電性フィラーを樹脂中に分散し導電性を付与したもの等が例示できる。これらの支持体表面は電気的特性改善あるいは密着性改善のために、陽極酸化等の電気化学的な処理を行った支持体や、導電性支持体表面をアルカリリン酸塩あるいはリン酸やタンニン酸を主成分とする酸性水溶液に金属塩の化合物またはフッ素化合物の金属塩を溶解してなる溶液で化学処理を施したものを用いることもできる。支持体の形状としては、円筒状、ベルト状などが挙げられる。
また、単一波長のレーザー光などを用いたプリンターに本感光体を用いる場合には、干渉縞を抑制するために導電性支持体はその表面を適度に荒らしておくことが好ましい。具体的には上記支持体表面をホーニング、ブラスト、切削、電界研磨等の処理をした支持体もしくはアルミニウムおよびアルミニウム合金上に導電性金属酸化物および結着樹脂からなる導電性皮膜を有する支持体を用いることが好ましい。
ホーニング処理としては、乾式および湿式での処理方法があるがいずれを用いてもよい。湿式ホーニング処理は、水等の液体に粉末状の研磨剤を懸濁させ、高速度で支持体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、表面粗さは吹き付け圧力、速度、研磨剤の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重および懸濁温度等により制御することができる。同様に、乾式ホーニング処理は、研磨剤をエアーにより、高速度で導電性支持体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、湿式ホーニング処理と同じように表面粗さを制御することができる。これら湿式または乾式ホーニング処理に用いる研磨剤としては、炭化ケイ素、アルミナ、鉄、ガラスビーズ等の粒子が挙げられる。
支持体と電荷発生層または後述の中間層との間には、レーザー光などの散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子などの導電性粒子を結着樹脂に分散させて形成することができる。好適な金属酸化物粒子としては、酸化亜鉛や酸化チタンの粒子が挙げられる。また、導電性粒子として、硫酸バリウムの粒子を用いることもできる。導電性粒子には、被覆層を設けてもよい。
導電性粒子の体積抵抗率は0.1〜1000Ω・cmの範囲が好ましく、特には1〜1000Ω・cmの範囲がより好ましい(この体積抵抗率は、三菱油化(株)製の抵抗測定装置ロレスタAPを用いて測定して求めた値である。測定サンプルは49MPaの圧力で固めてコイン状としたもの。)。また、導電性粒子の平均粒径は0.05〜1.0μmの範囲が好ましく、特には0.07〜0.7μmの範囲がより好ましい(この平均粒径は、遠心沈降法により測定した値である。)。導電層中の導電性粒子の割合は、導電層全質量に対して1.0〜90質量%の範囲が好ましく、特には5.0〜80質量%の範囲がより好ましい。
導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド酸樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。これらは、支持体に対する接着性が良好であるとともに、導電性粒子の分散性を向上させ、かつ、成膜後の耐溶剤性が良好である。これらの中でも、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド酸樹脂が好ましい。
導電層の膜厚は0.1〜30μmであることが好ましく、特には0.5〜20μmであることがより好ましい。
導電層の体積抵抗率は1013Ω・cm以下であることが好ましく、特には10〜1012Ω・cmの範囲であることがより好ましい(この体積抵抗率は、測定対象の導電層と同じ材料によってアルミニウム板上に被膜を形成し、この皮膜上に金の薄膜を形成して、アルミニウム板と金薄膜の両電極間を流れる電流値をpAメーターで測定して求めた値である。)。
また、導電層には、必要に応じてフッ素あるいはアンチモンを含有させてもよいし、導電層の表面性を高めるために、レベリング剤を添加してもよい。
また、支持体または導電層と電荷発生層との間には、バリア機能や接着機能を有する中間層(下引き層、接着層とも呼ばれる。)を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護などのために形成される。
中間層は、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エチルセルロース樹脂、エチレン−アクリル酸コポリマー、エポキシ樹脂、カゼイン樹脂、シリコーン樹脂、ゼラチン樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ユリア樹脂などの樹脂や、酸化アルミニウムなどの材料を用いて形成することができる。
本発明において上記式(I)の規定、さらには上記式(II)の規定を満足し、連続耐久による暗部電位および明部電位の変動を抑制するための電子写真感光体を製造する方法の1つとして、中間層に電子搬送性化合物を含有させるという方法が挙げられる。これは、前述のように、電荷発生層で発生したキャリアが前露光の強い光を繰り返し受けることで劣化し、感光層に残存し易くなり感光層中の滞留電位が増加するために明部電位の上昇、暗部電位の低下が発生するが、中間層に電子搬送性化合物、または電子受容性材料を含有させることで、電荷発生層からの電子の流れをスムースにして、支持体に速やかに流すことで、感光層中の滞留電位の残存量を低減できると思われるからである。
電子搬送性化合物としては、例えば、トリニトロフルオレノンなどのフルオレノン化合物、ピロメリットイミド、ナフチルイミドなどのイミド化合物、ベンゾキノン、ジフェノキノン、ジイミノキノン、ナフトキノン、スチルベンキノン、アントラキノンなどのキノン化合物、フルオレニリデンアニリン、フルオレニリデンマロノニトリルなどのフルオレニリデン化合物、フタル酸無水物などのカルボン酸無水物、チオピランジオキシドなどの環状スルホン化合物、オキサジアゾール化合物、トリアゾール化合物などが挙げられる。
中間層の膜厚は0.05〜5μmであることが好ましく、特には0.3〜3μmであることがより好ましい。
積層型感光体の場合、支持体、導電層、または中間層の上には電荷発生層が形成される。
本発明で用いる電子写真感光体に用いられる電荷発生物質としては、例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料や、金属フタロシアニン、非金属フタロシアニンなどのフタロシアニン顔料や、インジゴ、チオインジゴなどのインジゴ顔料や、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなどのペリレン顔料や、アンスラキノン、ピレンキノンなどの多環キノン顔料や、スクワリリウム色素や、ピリリウム塩、チアピリリウム塩や、トリフェニルメタン色素や、セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコンなどの無機物質や、キナクリドン顔料や、アズレニウム塩顔料や、シアニン染料や、キサンテン色素や、キノンイミン色素や、スチリル色素や、硫化カドミウムや、酸化亜鉛などが挙げられる。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
上記の各種電荷発生物質の中でも、高感度である反面、耐久による暗部電位および明部電位の変動が発生し易く、本発明がより有効に作用するという点で、フタロシアニン顔料が好ましい。
フタロシアニン顔料の中でも、金属フタロシアニン顔料が好ましく、特には、オキシチタニウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、ジクロロスズフタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニンがより好ましく、その中でも、ヒドロキシガリウムフタロシアニンが特に好ましい。
オキシチタニウムフタロシアニンとしては、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.0°、14.2°、23.9°および27.1°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°および27.3°に強いピークを有する結晶形のオキシチタニウムフタロシアニン結晶が好ましい。
クロロガリウムフタロシアニンとしては、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.4°、16.6°、25.5および28.2°に強いピークを有する結晶形のクロロガリウムフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の6.8°、17.3°、23.6°および26.9°に強いピークを有する結晶形のクロロガリウムフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の8.7〜9.2°、17.6°、24.0°、27.4°および28.8°に強いピークを有する結晶形のクロロガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。
ジクロロスズフタロシアニンとしては、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の8.3°、12.2°、13.7°、15.9°、18.9°および28.2°に強いピークを有する結晶形のジクロロスズフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の8.5、11.2°、14.5°および27.2°に強いピークを有する結晶形のジクロロスズフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の8.7°、9.9°、10.9°、13.1°、15.2°、16.3°、17.4°、21.9°および25.5°に強いピークを有する結晶形のジクロロスズフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の9.2°、12.2°、13.4°、14.6°、17.0°および25.3°に強いピークを有する結晶形のジクロロスズフタロシアニン結晶が好ましい。
ヒドロキシガリウムフタロシアニンとしては、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.3°、24.9°および28.1°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶や、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。
電荷発生物質の粒径は0.5μm以下であることが好ましく、特には0.3μm以下であることがより好ましく、さらには0.01〜0.2μmであることがより一層好ましい。
電荷発生層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、スチレン−ブタジエンコポリマー、セルロース樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、ベンザール樹脂、メラミン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルメタクリレート樹脂、ポリビニルアクリレート樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂などが挙げられる。特には、ブチラール樹脂などが好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
上記式(I)の規定、さらには上記式(II)の規定を満足し、連続耐久による暗部電位および明部電位の変動を抑制するための電子写真感光体を製造する方法の1つとして、電荷発生層に電子搬送性化合物を含有させるという方法が挙げられる。電子搬送性化合物、または電子受容性材料を含有させることで、電荷発生層に滞留した電子を速やかに中間層または下地層に流すことで、感光層中の滞留電位の残存量を低減できるからである。
電子搬送性化合物としては、例えば、トリニトロフルオレノンなどのフルオレノン化合物、ピロメリットイミド、ナフチルイミドなどのイミド化合物、ベンゾキノン、ジフェノキノン、ジイミノキノン、ナフトキノン、スチルベンキノン、アントラキノンなどのキノン化合物、フルオレニリデンアニリン、フルオレニリデンマロノニトリルなどのフルオレニリデン化合物、フタル酸無水物などのカルボン酸無水物、チオピランジオキシドなどの環状スルホン化合物、オキサジアゾール化合物、トリアゾール化合物などが挙げられる。これらの中でも、イミド化合物が好ましく、特には下記式(1)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物がより好ましい。
上記式(1)中、R101およびR104は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のアルキル基、エーテル基で中断された置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、エーテル基で中断された置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアラルキル基、アルキル基で置換されたカルボニル基、アルキル基で置換されたスルホニル基、または、1価の置換もしくは無置換の複素環基を示す。R102およびR103は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換もしくは無置換のアルキル基、または、置換もしくは無置換のアルコキシ基を示す。
上記のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基などの鎖状のアルキル基や、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などの環状のアルキル基が挙げられる。上記のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基などが挙げられる。上記のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基などが挙げられる。上記のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。上記の1価の複素環基としては、ヒリジル基、フラル基などが挙げられる。上記のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。上記のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられる。
上記各基が有してもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などのアルキル基や、ビニル基、アリル基などのアルケニル基や、ニトロ基や、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子や、パーフルオロアルキル基などのハロゲン化アルキル基や、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基などのアリール基や、ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基や、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのアルコキシ基などが挙げられる。
上記式(1)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の中でも、R101およびR104の少なくとも一方が、置換もしくは無置換の直鎖のアルキル基、または、置換のアリール基であるものが好ましい。また、置換もしくは無置換の直鎖のアルキル基の中でも、ハロゲン原子置換の直鎖のアルキル基が好ましく、置換のアリール基の中でも、ハロゲン原子置換のアリール基、アルキル基置換のアリール基、または、ハロゲン化アルキル基置換のアリール基が好ましい。また、上記式(1)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物は、溶剤への溶解性の観点から、非対称形の構造であること(例えば、R101とR104とが異なる基。)が好ましい。
電荷発生層に含有させる電子搬送性化合物としては、その還元電位(飽和カロメル電極による還元電位)が−0.80〜0.00Vの範囲にあるものが好ましく、特には−0.65〜−0.25Vの範囲にあるものがより好ましく、さらには−0.60〜−0.25Vの範囲にあるものがより一層好ましい。
以下に、上記式(1)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
上記式(1−1)〜(1−13)で示される構造を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物の還元電位はそれぞれ以下のとおりである。
(1−1):−0.59V
(1−2):−0.51V
(1−3):−0.58V
(1−4):−0.46V
(1−5):−0.48V
(1−6):−0.47V
(1−7):−0.58V
(1−8):−0.58V
(1−9):−0.57V
(1−10):−0.49V
(1−11):−0.59V
(1−12):−0.45V
(1−13):−0.59V
電荷発生層中の電子搬送性化合物の割合は、電荷発生層中の電荷発生物質に対して10〜60質量%であることが好ましく、特には21〜40質量%であることがより好ましい。
電荷発生層は、電荷発生物質、必要に応じて電子搬送性化合物を結着樹脂および溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機などを用いた方法が挙げられる。電荷発生物質と結着樹脂との割合は、1:0.5〜1:4(質量比)の範囲が好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生物質の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としてはアルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物などが挙げられる。
電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特には0.01〜2μmであることがより好ましく、さらには0.05〜0.3μmであることがより一層好ましい。
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
本発明で用いる電子写真感光体に用いられる正孔輸送物質としては、例えば、トリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物、トリアリールメタン化合物などが挙げられる。これら正孔輸送物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
正孔輸送層に用いられる結着樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、アリル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ブチラール樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリプロピレン樹脂、メタクリル樹脂、ユリア樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。特には、ポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂などが好ましい。これらは単独、混合または共重合体として1種または2種以上用いることができる。
正孔輸送層は、正孔輸送物質と結着樹脂を溶剤に溶解して得られる正孔輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。正孔輸送物質と結着樹脂との割合は、2:1〜1:2(質量比)の範囲が好ましい。
正孔輸送層用塗布液に用いられる溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル、クロロベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン原子で置換された炭化水素などが用いられる。
正孔輸送層の膜厚は1〜50μmであることが好ましく、特には3〜30μmであることがより好ましい。
また、正孔輸送層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などを必要に応じて添加することもできる。
なお、正孔輸送層上には、該正孔輸送層を保護することを目的とした保護層を設けてもよい。保護層は、結着樹脂を溶剤に溶解して得られる保護層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、結着樹脂のモノマー・オリゴマーを溶剤に溶解して得られる保護層用塗布液を塗布し、これを硬化および/または乾燥させることによって保護層を形成してもよい。硬化には、光、熱または放射線(電子線など)を用いることができる。
保護層の結着樹脂としては、上記の各種樹脂を用いることができる。
保護層の膜厚は0.5〜10μmであることが好ましく、特には1〜5μmであることが好ましい。
上記各層の塗布液を塗布する際には、例えば、浸漬塗布法(浸漬コーティング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
図5に、本発明の電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図5において、1は本発明で用いる電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の周面は、帯電手段3により、正または負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(不図示)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。帯電手段3に印加する電圧は、直流電圧のみであってもよいし、交流電圧を重畳した直流電圧であってもよい。
電子写真感光体1の周面に形成された静電潜像は、現像手段5のトナーにより現像されてトナー画像となる。次いで、電子写真感光体1の周面に形成担持されているトナー画像が、転写手段(転写ローラー)6からの転写バイアスによって、転写材供給手段(不図示)から電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に電子写真感光体1の回転と同期して取り出されて給送された転写材(紙など)Pに順次転写されていく。
トナー画像の転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体1の周面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー画像転写後の電子写真感光体1の周面は、前露光手段11からの前露光光により除電処理され、クリーニング手段(クリーニングブレードなど)7によって転写残トナーの除去を受けて清浄面化された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、前露光手段は帯電手段の前にあればよく、クリーニング手段の後に設けることもできる。この前露光手段の光源はタングステンランプ、LED等の光源を感光体の前に設置して発光させることが一般的であるが、近年の小型化に伴い、光源を感光体の前方に設置せず、すでに市販されているヒューレットパッカード製LBP「レーザージェット4600」のようにサイドからLEDを点灯させ、感光体前方に張り巡らされたライトガイドにより、感光体全域に光源を行き渡らせる方式も採用されている。
前露光の光量測定は次のようにして行う。感光体面上の位置に光量測定機のセンサーを取り付けて前露光を発光させながら装置を駆動させ光量はデジボルに接続したフォトセルをレーザー光が発光している方向に向け電圧を測定した後、換算し前露光光量とした。
上述の電子写真感光体1、帯電手段3、現像手段5、転写手段6およびクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものを容器に納めてプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図5では、電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段7とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段10を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ9としている。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例中の「部」は質量部を意味する。
(実施例1)
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーの表面を湿式ホーニング処理し、超音波水洗浄したものを支持体とした。
次に、N−メトキシメチル化6ナイロン5部をメタノール95部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.5μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10部、下記式(2)で示される構造を有する化合物0.1部、
ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部、ならびに、シクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散し、これに下記式(3)で示される構造を有する化合物(電子搬送性化合物、還元電位:−0.47V)3部
を溶解させ、その後、酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(4)で示される構造を有する化合物(正孔輸送物質)10部、
および、下記式(5)で示される繰り返し構造単位を有するポリアリレート樹脂(重量平均分子量:115000、テレフタル酸骨格とイソフタル酸骨格のモル比:テレフタル酸骨格/イソフタル酸骨格=50/50)10部
を、モノクロロベンゼン50部/ジクロロメタン30部の混合溶媒に溶解させることによって、正孔輸送層用塗布液を調製した。
この正孔輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、これを1時間120℃で乾燥させることによって、膜厚が20μmの正孔輸送層を形成した。
このようにして、支持体、中間層、電荷発生層および正孔輸送層をこの順に有し、該正孔輸送層が表面層である電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)、(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を、以下の評価装置に装着し、画像出力を行い、出力画像の評価を行った。尚、評価環境は高温高湿(32℃/85%RH)環境下で行った。
評価に使用する電子写真装置はヒューレットパッカード製LBP「カラーレーザージェット4600」をプロセススピード160mm/sec、前露光光量を8μJ/cm、感光体に接触して帯電を行う、帯電ローラーには交流電圧が印加されるAC帯電方式とし、感光体への印加電圧として、DCバイアスを−600V印加し、さらに交流電圧;周波数f1000Hz、ピーク間電圧;Vpp2200VであるACバイアスを重畳することにより、感光体の暗部電位が−600Vになるようにした。像露光光量は可変とし、初期の明部電位がおよそ−150Vになるように光量を調整した。
尚、感光体の電位は、現像ユニットの位置に電位計(Trek Model 344)を装着して測定し、暗部電位、明部電位の電位測定を行った。
耐久中は初期条件で設定した帯電バイアス、像露光光量および、前露光光量の変更は行わなかった。
また、この感光体を残留電位迄除電するのに最低限必要な前露光光量は、10μJ/cmの光量における電位を測定し、これを残留電位としたとき、3.5μJ/cmであった。
評価はまず、初期上記設定で画像評価用パターン(ベタ黒、ベタ白、桂馬ハーフトーン)を出力後、32℃/85%RHの温湿度環境下で印字率1%程度の文字画像でレター紙を連続プリントで1万枚プリントした後、初期と同じように明部電位および暗部電位の測定および画像評価パターンを出力し、電位変動の度合いおよび画像評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、電荷発生層に用いた上記式(3)で示される構造を有する化合物(電子搬送性化合物)3部を下記式(6)で示される構造を有する化合物(電子搬送性化合物、還元電位:−0.49V)3部
に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、電荷発生層に用いた上記式(3)で示される構造を有する化合物(電子搬送性化合物)3部を下記式(7)で示される構造を有する化合物(電子搬送性化合物、還元電位:−0.51V)3部
に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、電荷発生層に用いた上記式(3)で示される構造を有する化合物(電子搬送性化合物)3部を下記式(8)で示される構造を有する化合物(電子搬送性化合物、還元電位:−0.56)3部
に変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例5)
直径30mm、長さ260mmのアルミニウムシリンダーを支持体とした。
次に、10質量%酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した酸化チタン粒子50部、レゾール型フェノール樹脂25部、メトキシプロパノール30部、メタノール30部およびシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体、重量平均分子量:3000)0.002部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散することによって、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間140℃で硬化させることによって、膜厚が20μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化6ナイロン5部をメタノール95部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、これを20分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.5μmの中間層を形成した。
次に、CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°および28.3°に強いピークを有する結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10部、上記式(2)で示される構造を有する化合物0.1部、ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部、ならびに、シクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散し、これに下記式(9)で示される構造を有する化合物(電子搬送性化合物、還元電位:−0.52V)3部
を溶解させ、その後、酢酸エチル250部を加えることによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を中間層上に浸漬塗布し、これを10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
次いで実施例1と同様に正孔輸送層を形成した。作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例5において、電荷発生層に用いた上記式(9)で示される構造を有する化合物(電子搬送性化合物)3部を上記式(8)で示される構造を有する化合物(電子搬送性化合物)3部に変更した以外は実施例5と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例1において、電荷発生層に用いた上記式(3)で示される構造を有する化合物(電子搬送性化合物)の量を3部から2.5部に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を形成した。作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1において、電荷発生層に用いた上記式(3)で示される構造を有する化合物(電子搬送性化合物)の量を3部から4部に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を形成した。作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例1において、電荷発生層に用いた上記式(3)で示される構造を有する化合物(電子搬送性化合物)の量を3部から5部に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を形成した。作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例10)
実施例1において、電荷発生層に用いた上記式(3)で示される構造を有する化合物(電子搬送性化合物)の量を3部から6部に変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を形成した。作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例11)
実施例7において、電荷発生層の膜厚を0.16μmから0.12μmに変更した以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例12)
実施例7において、電荷発生層の膜厚を0.16μmから0.20μmに変更した以外は、実施例7と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例13)
実施例5において、電荷発生層の膜厚を0.16μmから0.18μmに変更し、正孔輸送層の膜厚を20μmから13μmに変更た以外は、実施例5と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例14)
実施例1において、正孔輸送層の膜厚を20μmから14μmに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例15)
実施例1において、正孔輸送層の膜厚を20μmから25μmに変更した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)〜(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例16)
実施例1において、中間層を以下のようにして形成した以外は、実施例1と同様にして電子写真感光体を作製した。
すなわち、下記式(10)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂(重量平均分子量:12000)10部、
および、N,N−ジメチルアセトアミド50部をテトラヒドロフラン50部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間180℃で乾燥させることによって、膜厚が0.8μmの中間層を形成した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)、(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例17)
実施例2において、中間層を以下のようにして形成した以外は、実施例2と同様にして電子写真感光体を作製した。
すなわち、上記式(10)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂(重量平均分子量:12000)10部、および、N,N−ジメチルアセトアミド50部をテトラヒドロフラン50部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間180℃で乾燥させることによって、膜厚が0.8μmの中間層を形成した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)、(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例18)
実施例4において、中間層を以下のようにして形成した以外は、実施例4と同様にして電子写真感光体を作製した。
すなわち、上記式(10)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂(重量平均分子量:12000)10部、および、N,N−ジメチルアセトアミド50部をテトラヒドロフラン50部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間180℃で乾燥させることによって、膜厚が0.8μmの中間層を形成した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)、(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例19)
実施例6において、中間層を以下のようにして形成した以外は、実施例6と同様にして電子写真感光体を作製した。
すなわち、上記式(10)で示される繰り返し構造単位を有する樹脂(重量平均分子量:12000)10部、および、N,N−ジメチルアセトアミド50部をテトラヒドロフラン50部に溶解させることによって、中間層用塗布液を調製した。
この中間層用塗布液を支持体上に浸漬塗布し、これを20分間180℃で乾燥させることによって、膜厚が0.8μmの中間層を形成した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)、(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求めた。値を表1に示す。
作製した電子写真感光体を実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例20)
実施例1に記載した帯電前露光を有する電子写真装置を、プロセススピード94mm/secに変更した以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、評価した。また、この感光体を残留電位迄除電するのに最低限必要な前露光光量は、10μJ/cmの光量における電位を測定し、これを残留電位としたとき、2.5μJ/cmであった。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)、(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求め、評価結果と併せて表1に示す。
(実施例21)
実施例20において、使用する電子写真感光体を実施例4に記載した電子写真感光体とした以外は実施例20と同様の評価装置・評価条件にて行った。また、この感光体を残留電位迄除電するのに最低限必要な前露光光量は、10μJ/cmの光量における電位を測定し、これを残留電位としたとき、2.5μJ/cmであった。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)、(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求め、評価結果と併せて表1に示す。
(実施例22)
実施例20において、使用する電子写真感光体を実施例6に記載した電子写真感光体とした以外は実施例20と同様の評価装置・評価条件にて行った。また、この感光体を残留電位迄除電するのに最低限必要な前露光光量は、10μJ/cmの光量における電位を測定し、これを残留電位としたとき、2.5μJ/cmであった。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)、(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求め、評価結果と併せて表1に示す。
(実施例23)
実施例1に記載した帯電前露光を有する電子写真装置を、前露光光量を14μJ/cmに変更した以外は実施例1と同様の評価装置・評価条件にて行った。また、実施例1と同様に電子写真感光体を作成した。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)、(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求め、評価結果と併せて表1に示す。
(実施例24)
実施例23において、使用する電子写真感光体を実施例18に記載した電子写真感光体とした以外は実施例23と同様の評価装置・評価条件にて行った。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)、(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求め、評価結果と併せて表1に示す。
(実施例25)
実施例1に記載した帯電前露光を有する電子写真装置を、前露光光量を3.5μJ/cmに変更した以外は実施例1と同様の評価装置・評価条件にて行った。また、使用する電子写真感光体は、実施例4の電子写真感光体の作成において、正孔輸送層膜厚を20μmから14μmに変更した以外は実施例4と同様に作成したものとした。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)、(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求め、評価結果と併せて表1に示す。
(実施例26)
実施例25において、使用する電子写真感光体は、実施例12の電子写真感光体の作成において、正孔輸送層膜厚を20μmから17μmに変更した以外は実施例12と同様に作成したものとした。
作製した電子写真感光体について、上記式(I)、(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求め、評価結果と併せて表1に示す。
(実施例27)
実施例20に記載したプロセススピード94mm/secである帯電前露光を有する電子写真装置を、前露光光量を10μJ/cmに変更した以外は実施例1と同様の評価装置・評価条件にて行った。また、使用する電子写真感光体は実施例4と同じものを作成した。また、この感光体を残留電位迄除電するのに最低限必要な前露光光量は、10μJ/cmの光量における電位を測定し、これを残留電位としたとき、2.5μJ/cmであった。
電子写真感光体について、上記式(I)、(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求め、評価結果と併せて表1に示す。
(実施例28)
実施例20に記載したプロセススピード94mm/secである帯電前露光を有する電子写真装置を、前露光光量を2.5μJ/cmに変更した以外は実施例1と同様の評価装置・評価条件にて行った。また、使用する電子写真感光体は、実施例26と同じものを作成した。また、この感光体を残留電位迄除電するのに最低限必要な前露光光量は、10μJ/cmの光量における電位を測定し、これを残留電位としたとき、2.5μJ/cmであった。
電子写真感光体について、上記式(I)、(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求め、評価結果と併せて表1に示す。
(実施例29)
実施例1に記載した帯電前露光を有する電子写真装置を、前露光光量を16μJ/cmに変更した以外は実施例1と同様の評価装置・評価条件にて行った。また、使用する電子写真感光体は実施例5と同じものを作成した。
電子写真感光体について、上記式(I)、(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求め、評価結果と併せて表1に示す。
表1に示すように、連続プリント後に明部電位の低下および暗部電位の上昇が多少観察された。画像上も若干の画像濃度薄が発生したが、実使用上問題なしと判断した。
(実施例30)
実施例20に記載したプロセススピード94mm/secの帯電前露光を有する電子写真装置を、前露光光量を13μJ/cmに変更した以外実施例1と同様の評価装置・評価条件にて行った。また、使用する電子写真感光体は実施例5と同じものを作成した。この感光体を残留電位迄除電するのに最低限必要な前露光光量は、10μJ/cmの光量における電位を測定し、これを残留電位としたとき、2.5μJ/cmであった。
電子写真感光体について、上記式(I)、(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求め、評価結果と併せて表1に示す。
表1に示すように、連続プリント後に明部電位の低下および暗部電位の上昇が多少観察された。画像上も若干の画像濃度薄が発生したが、実使用上問題なしと判断した。
(比較例1)
実施例1に対し、電荷発生層用塗布液を調製する工程において、電子搬送性化合物(3)を加えない以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成した。評価は実施例1に記載したものと同じ評価装置・評価条件にて行った。
電子写真感光体について、上記式(I)、(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求め、評価結果と併せて表1に示す。
表1に示すように、初期には問題が発生しなかったが、連続プリント後に明部電位の低下および暗部電位の上昇が顕著に発生し、画像上もベタ画像濃度薄、ベタ白画像上にカブリが発生した。
(比較例2)
実施例1に対し、電荷発生層用塗布液を調製する工程において、電子搬送性化合物(3)を加えず、電荷発生層の膜厚を0.3μmに変えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し、評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1に記載した帯電前露光を有する電子写真装置を、前露光光量を2μJ/cmに変更した以外は実施例1と同様の評価装置・評価条件にて行った。また、使用する電子写真感光体は比較例2と同じものを作成した。
電子写真感光体について、上記式(I)、(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求め、評価結果と併せて表1に示す。
表1に示すように、明部電位の低下および暗部電位の上昇は顕著には発生しなかったが、連続プリント後にはメモリーによる画像欠陥が発生した。
(比較例4)
実施例20に記載したプロセススピード94mm/secの帯電前露光を有する電子写真装置を、前露光光量を1.5μJ/cmに変更した以外実施例1と同様の評価装置・評価条件にて行った。また、使用する電子写真感光体は比較例2と同じものを作成した。
電子写真感光体について、上記式(I)、(II)に係るパラメーターを上述のとおりにして求め、評価結果と併せて表1に示す。表1に示すように、明部電位の低下および暗部電位の上昇は顕著には発生しなかったが、連続プリント後にはメモリーによる画像欠陥が発生した。
(参考例1)
比較例1に記載の電子写真感光体を用い、評価機を前露光なしおよびプロセススピード46mm/secに改造した以外は実施例1と同様の評価装置・評価条件にて評価を行った。結果を表1に示す。表1に示すように、連続プリントによる明部電位の低下および暗部電位の上昇が抑制された。
表1の結果から明らかなように、初期では実施例および比較例共に問題は発生しなかったが、高温高湿環境での連続耐久後は本発明の電子写真装置であれば、暗部電位の低下および、明部電位の上昇が抑制されたのに対し、比較例に記載した電子写真感光体と電子写真装置では前露光を伴う連続耐久により、暗部電位の低下と明部電位の上昇が発生し、電位変動に伴う濃度薄・カブリが発生していることが分かる。
本発明で用いる表面電位の測定機の一例の概略図である。 本発明で用いる表面電位の測定機の一例の概略図である。 DC出力値の設定及び露光量の設定を定めるためのシーケンスである。 表面電位を求めるためのシーケンスである。 本発明の電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
符号の説明
101 電子写真感光体(直径が60mm)
101’ 電子写真感光体(直径が30mm)
103 帯電ローラー
104 露光装置
104L 光(露光光)
105 電位計(電位プローブ)
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段(一次帯電手段)
4 露光光(画像露光光)
5 現像手段
6 転写手段(転写ローラー)
7 クリーニング手段(クリーニングブレード)
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
11 前露光手段(ライトガイド)
P 転写材(紙など)

Claims (3)

  1. 電子写真感光体と、帯電手段で該電子写真感光体の表面を帯電する前に露光により該電子写真感光体の表面の除電処理を行う前露光手段と、該電子写真感光体の表面を帯電する帯電手段と、帯電された該電子写真感光体の表面に対して露光を行い該電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する像露光手段と、該電子写真感光体の表面に形成された静電潜像をトナーで現像して該電子写真感光体の表面にトナー像を形成する現像手段と、該電子写真感光体の表面に形成されたトナー像を転写材に転写する転写手段とを有する電子写真装置において、
    該電子写真感光体が、支持体、該支持体上に設けられた電荷発生物質を含有する電荷発生層、および、該電荷発生層上に設けられた正孔輸送物質を含有する正孔輸送層を有する電子写真感光体であり、
    所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−600[V]にし、次いで、表面電位が−600[V]になった該電子写真感光体の表面に所定の光量Eの光を照射することによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cに設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
    所定の帯電条件Cに設定された帯電装置により該電子写真感光体の表面を帯電しながら該電子写真感光体を5回転させることによって該電子写真感光体の表面電位を−150[V]にし、次いで、表面電位が−150[V]になった該電子写真感光体の表面を該帯電条件Cと同条件に設定された帯電装置により帯電した後の該電子写真感光体の表面電位をV[V]とし、
    該正孔輸送層の膜厚をd[μm]とし
    該前露光手段の前露光光量をE[μJ/cm ]としたとき、
    、V およびEが下記式(I)および(II)
    (|−600−V|−|−600−V|)/d≦0.17 ・・・(I)
    (|−600−V |−|−600−V |)/d≦−7.8×10 −3 E+0.19 ・・・(II)
    (但し、EはEa≦E≦4Eaを満足する。Eaとは電子写真感光体の表面を残留電位まで除電するのに最低限必要な前露光光量である。残留電位とは10μJ/cm の光量の露光を行ったときの電子写真感光体の表面電位である。)
    を満足し、
    該電荷発生層が、還元電位(飽和カロメル電極による還元電位)が−0.60〜−0.25Vの範囲にある電子搬送性化合物を含有し、
    該電荷発生物質が、フタロシアニン顔料であり、
    該電荷発生層の膜厚が、0.05〜0.3μmであ
    ことを特徴とする電子写真装置。
  2. 前記電子写真装置のプロセススピードが150mm/sec以上である請求項1に記載の電子写真装置。
  3. 前記電子搬送性化合物が、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物である請求項1または2に記載の電子写真装置。
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