JP4456731B2 - 感光材固定装置およびレーザビーム露光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、レーザビーム露光装置、特にプラズマディスプレイ等の表示部を製作する際に用いるレーザビーム露光装置において、感光材を所定位置に固定する感光材固定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラズマディスプレイの表示部は、表面パネルと裏面パネルとの2枚の所定の同一規格を有するパネルを重ね合わせて製作する。この表示部を製作するにあたり、まず表面パネルには、透明電極(ITO)を描画し、さらに透明電極を描画した方向と平行な方向にバス電極を描画する。裏面パネルには、アドレス電極を描画するとともに、アドレス電極を描画した方向と平行な方向にリブを形成する。ここで表面パネルにおける透明電極とバス電極とは、微細な複数の直線として描かれる。裏面パネルにおけるアドレス電極とリブも同様である。
【0003】
さらに、上記表面パネルと上記裏面パネルとの描画内容は、両者を重ね合わせたときに互いに直交するように描画されている。例えば、表面パネルにおける透明電極とバス電極とが、該パネルの長手方向に平行な状態で描画される場合、裏面パネルにおけるアドレス電極やリブは、該パネルの長手方向に垂直な状態で描画される。
【0004】
図1と図2は、従来のレーザビーム露光装置によって、平行な複数本の直線を描いた状態を表している。図1は、レーザビームを連続してオン/オフさせて、パネル上では副走査方向に平行な方向に複数の直線を描いた場合を示しており、図2は、1回の走査中はレーザビームを常にオン状態にさせて、パネル上では主走査方向に平行な方向に複数の直線を描いた場合を示している。図1に示すように、副走査方向に平行な方向に直線を描画する場合、各直線間は、主走査方向においてほぼ等しい幅になり、ムラのない描画結果が得られる。しかし、従来のレーザビーム露光装置は、パネルを副走査方向に移動するにあたり、その副走査方向への送りが一定にならない場合がある。この場合、図2に示すように、主走査方向に平行な方向に直線を描画すると、副走査方向における直線間の幅が均等でなくなり、描画結果にムラが生じてしまう。
【0005】
上述したように、プラズマディスプレイの表示部を構成する表面パネルと裏面パネルとは、互いに直交する直線を描画しなければならない。しかし従来のレーザ描画装置では、パネルは描画部上の所定の方向にしか配置することができない。従って、従来のレーザビーム露光装置では、表面パネルまたは裏面パネルいずれか一方は、必ず図2に示す描画を行わねばならず、描画結果に必ずムラが生じてしまう。
【0006】
表面、裏面を問わず、電極の配置にごくわずかでもムラがあるパネルにより製作されたプラズマディスプレイによって表示される画像は、スジ状の明るさの濃淡が発生してしまうため、非常に見づらいという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は上記の事情に鑑み、ムラのない描画結果が得られる任意の向きに、感光材を載置、固定することができる感光材固定装置および、ムラが発生せず常に精度の高い描画をすることができるレーザビーム露光装置を提供することを目的とする。
【0008】
【問題を解決するための手段】
このため、請求項1の記載の感光材固定装置は、レーザビーム露光装置において、感光材を固定する感光材固定装置であって、1辺の長さが少なくとも感光材の長辺よりも長く、前記感光材を主走査方向と直交する方向に長手方向が沿う第1の状態で表面に載置できるとともに、前記感光材を主走査方向と平行な方向に長手方向が沿う第2の状態で表面に載置できる描画テーブルと、前記感光材が前記第1の状態または前記第2の状態で前記描画テーブルに載置された状態で、前記感光材の2辺に位置決めするように当て付けられる複数の位置決め手段と、前記感光材を介して前記位置決め手段と対向する位置に配置され、対向する前記位置決め手段の方向へ前記描画テーブル表面と平行に前記感光材を付勢する複数の付勢手段と、を備え、前記付勢手段のうち、少なくとも、前記第1の状態または前記第2の状態で前記感光材を固定する際に前記感光材の固定の妨げとなる位置に配置されるものは、前記描画テーブルの表面以外の場所に配置されることを特徴とする。
【0009】
上記の構成によれば、レーザビームを連続してオン/オフさせて副走査方向に平行な方向に複数の直線を描くような位置に感光材を配置することができる。つまり、常にムラのない描画結果が得られるような任意の向きに、感光材を載置、固定することができる。
【0011】
さらに、例えば、第2の状態に固定する時に必要となる付勢手段の配置が、第1の状態に感光材を固定しようとする場合の妨げになる場合であっても、第2の状態に固定する時に必要となる付勢手段は、描画テーブル上にないため、何ら問題なく感光材を任意の向きに固定することが可能になる。
【0012】
ここで上記付勢手段のうち、少なくとも、上記第1の状態または上記第2の状態で感光材を固定する際にその固定の妨げとなる位置に配置されるものは、描画テーブル下部に格納しておくことが可能である。そして、感光材を付勢する時には、まず、描画テーブルの表面に突出するまで上昇し、描画テーブル表面に付勢手段の少なくとも一部分が突出した後に、感光材を付勢する(請求項3)。
【0013】
また請求項4に記載の発明によれば、付勢手段として、エアシリンダを使用することが可能である。
【0014】
請求項5に記載のレーザビーム露光装置は、請求項1ないし4の何れか一項に記載の感光材固定装置を有することを特徴とする。請求項5に記載のレーザビーム露光装置によれば、感光材固定装置によって固定された感光材の状態に応じて描画位置の補正を行うことができる。従って、プラズマディスプレイの表示部のような高い精度が要求される描画内容であっても描画することができる。
【0015】
請求項6に記載のレーザビーム露光装置は、感光材上における所定位置描画が行われるように描画位置を補正する位置補正手段を有することを特徴とする。上記位置補正手段は、位置決め手段および付勢手段によって固定された感光材の描画テーブル上における位置を計測する位置計測手段を有し、位置計測手段による計測結果に応じて、感光材におけるレーザビームの描画開始位置を補正することが望ましい(請求項7)。
【0016】
上記位置補正手段は、さらに、感光材の水平方向における傾きを補正するθ補正手段と、主走査方向における描画開始位置を補正するX方向補正手段と、主走査方向と直交する方向における描画開始位置を補正するY方向補正手段と、を有することが望ましい(請求項8)。上記感光材固定装置とこの3種の補正手段によって、さらに精度の高い描画内容が実現可能になる。
【0017】
具体的には、θ補正手段は、感光材の水平方向における傾きがなくなるまで描画テーブルを水平方向に回転させる回転手段を少なくとも有する(請求項9)。またX方向補正手段は、レーザビームの変調タイミングを変更する変調タイミング変更手段を有する(請求項10)。Y方向補正手段は、描画テーブルの駆動タイミングを変更する駆動タイミング変更手段を有する(請求項11)。あるいは、レーザビームの変調タイミングを変更する変調タイミング変更手段を有する(請求項12)。
【0018】
請求項13に記載のレーザビーム露光装置によれば、リニアゲージを上記位置計測手段に使用することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図3は本発明の感光材固定装置を搭載するレーザビーム露光装置100の概略図である。レーザビーム露光装置100は、感光材固定装置を備える描画部10、光源部20、走査光学部30、そして基台Aを有する。レーザビーム露光装置100は、床面上に基台Aを据え付けることにより、安定した状態で設置されている。
【0020】
プラズマディスプレイ表示部の製作過程において、透明電極やアドレス電極等を描画する場合、まず後述する方法により、描画部10に描画対象である感光材(ここではパネル)を固定する。
【0021】
パネルが所定の位置に固定されると、描画が開始される。光源部20から照射されるレーザビームは、走査光学部30に入射する。走査光学部30においてレーザビームは、描画データに基づいて生成される変調信号に同期してオン/オフ制御されつつ、ポリゴンミラー等の偏向器によって、偏向される。そしてレーザビームは、描画部10上で固定されたパネルを所定の方向に走査する。レーザビーム露光装置では、レーザビームを走査させると同時に、露光されるパネルをレーザビームの走査方向と直交する方向へ平行移動させる。これにより所望の描画が行われる。なお、本明細書では前者を主走査方向(各図中、X方向)、後者を副走査方向(各図中、Y方向)と定義する。また各図中において、X方向、Y方向いずれにも直交する方向、換言すればレーザビームがパネルに入射する方向をZ方向で示す。
【0022】
次に、パネルを描画部10に固定する方法について詳説する。描画部10は、走査光学部30から射出されるレーザビームが描画テーブル4上に垂直に入射する状態(X−Y平面上)で基台A上に設置されている。描画部10は、一対のレール1、Yテーブル2、θテーブル3、描画テーブル4を有しており、一対のレール1は、基台A上で副走査方向(Y方向)に平行に延びる状態で配設される。一対のレール1上には、Yテーブル2が搭載されており、Yテーブル2上には、θテーブル3を介して描画テーブル4が設置されている。Yテーブル2は、図示しないモータを駆動させることにより、一対のレール1上をY方向に移動する。このYテーブル2の副走査方向への移動に伴って、描画テーブル4は、θテーブル3と共に副走査方向に移動する。これにより、描画時にパネルを副走査方向に移動させることができる。なおθテーブル3は、描画テーブル4の水平面内での回転位置を微調整する。
【0023】
図4は、描画テーブル4をZ方向から見た拡大図である。描画テーブル4は、本発明にかかる感光材固定装置を構成する1部材であり、所定の規格を有するパネルを縦置き、横置きいずれの状態でも載置することができる。そのため、描画テーブル4は、X方向、Y方向ともに少なくともパネルの長辺と同一もしくはそれ以上の長さを有する。本実施形態における描画テーブル4は、一辺がパネルの長辺と同一の長さを有する正方形状を有している。ここで、縦置きとは、パネルをその長手方向を副走査方向に沿わせて載置した状態をいい、横置きとは、該長手方向を主走査方向に沿わせて載置した状態をいうものとする。図4中、破線で描かれた四角形が縦置きしたパネルを示し、一点鎖線で描かれた四角形が横置きしたパネルを示す。なお、パネルは、図示しない搬送手段によって、縦置きまたは横置きのいずれかの向きで描画テーブル4上に載置される。
【0024】
感光材固定装置は、上記描画テーブル4、および描画テーブル4上に設けられる付勢機構41a〜41f、当て付けピン42a〜42fを有する。付勢機構41a〜41f、当て付けピン42a〜42fの各符号において、aからcまでのアルファベットが付されたものは、パネルを縦置きするときに使用される部材であり、dからfまでのアルファベットが付されたものがパネルを横置きするときに使用される部材である。さらに感光材固定装置は、リニアゲージ43p〜43tを有する。
【0025】
感光材固定装置のうち、各付勢機構41a〜41fは、精度の高い描画が行われるような所定の位置にパネルを固定するために用いられる付勢手段であり、載置した状態にあるパネルにおける一方の長辺部の両端近傍に2つ(縦置きであれば41a、41b、横置きであれば41d、41e)設けられ、該パネルの一方の短辺部の略中央に1つ(縦置きであれば41c、横置きであれば41f)設けられている。
【0026】
ここで、パネルの短辺部を付勢する付勢機構41c、41fは、どちらも描画テーブル4の周縁部に設けられる。従って、付勢機構41c、41fは、従来のレーザビーム露光装置で使用しているものと同一の型を使用しており、所定の方向(当て付けピン42c、42fの方向)へパネルを付勢することができる。
【0027】
しかし、パネルの長辺部を付勢する付勢機構41a、41b、41d、41eは、描画テーブル4の表面上に設けられるため上記従来のものを使用すると、描画方法によっては、パネルの載置の妨げになる場合がある。例えば、縦置き用の付勢機構41aは、パネルを横置きする際の妨げとなる。そこで、付勢機構41a、41b、41d、41eは図5や図6に示す構造を有する。
【0028】
図5は、付勢機構41aを拡大した斜視図である。図5中に示す矢印Pnは、符号nを付した部材の移動方向を示す。また図6は、付勢機構41aの構造を表した側面図である。なお、付勢機構41b、41d、41eは、配置方向が異なるものの、構造は図5や図6に示す付勢機構41aと同一であるため、ここでは説明を省略する。
【0029】
図5および図6に示すように、付勢機構41aは、θテーブル3上に固定されるエアシリンダ81、断面形状が凸型である凸型支持材82、断面形状が凹型である凹型支持材83、スライドテーブル84、当て付け部86、ガイド板87、プッシャ89を有する。また描画テーブル4には、当て付け部86が突出するための開口44が設けられている。
【0030】
図6Aは付勢を行わない、すなわち使用されない時の付勢機構41aの状態を表している。図6Aに示すように、付勢機構41aは、描画テーブル4上で行われる描画(この場合パネルを横置きにして行われる描画)の妨げにならぬよう、θテーブル3と描画テーブル4との間に設けられている。
【0031】
凸型支持材82は、凸面を凹型支持材83に対向させ、凸面と逆の面をエアシリンダ81に面するように配置されている。その凸面と逆の面には、プッシャ89が接合されている。プッシャ89は、エアシリンダ81にエアが注入されないときには、エアシリンダ81内部に収まっている。凹型支持材83は、スライドテーブル84と一体化しており、垂直方向(図6中、Z方向またはZ方向の逆方向)に移動できる状態で凸型支持材82と嵌合している(図5中、P83参照)。
【0032】
スライドテーブル84は、凹型支持材83が一体化している面と逆の面に当て付け部86を有し、またガイドピン85を両側面(X−Z面)に有する。ガイド板87は、スライドテーブル84を挟む状態でX−Z面上に一対設けられており、θテーブル3上に固定されている。ガイド板87は、各々カム溝88を有する。カム溝88は、ガイド板87の略中央部においてエアシリンダ81方向から描画テーブル4の開口44に向かって斜めに所定長さ分延びた後、エアシリンダ81の付勢方向と平行な方向に所定長さ分延びる形状になっている。カム溝88にはガイドピン85が挿入されており、スライドテーブル84がカム溝88の形状に沿って移動できるようにしてある。
【0033】
図6Bは、付勢を行う時の付勢機構41aの状態を表している。ちなみに他の付勢機構との関係について述べると、縦置きの描画を行う時には、付勢機構41a、41bは図6Bの状態にあり、付勢機構41d、41eは、図6Aの状態にある。パネルを付勢する場合、走査光学部30内の制御部31(図7参照)から送信される信号によって、まずエアシリンダ81にエアが注入される。これにより、エアシリンダ81内部にあるプッシャ89がX方向の逆方向(図5中、P89)に平行移動し、支持板82を同方向(図5中、P82)に移動させる。
【0034】
凸型支持材82の移動に伴い、スライドテーブル84(凹型支持材83、当て付け部86)も移動を開始する。ここで、ガイドピン85がカム溝88の形状に沿って移動(図5中、P85)することから、スライドテーブル84は、当て付け部86が開口44から突出するまで描画テーブル4に向かって斜めにスライドする。このとき凹型支持材83は、スライドテーブル84のスライドを妨げないように、凸型支持材82の凸面に沿って描画テーブル4方向に移動する(図5中、P83)。
【0035】
ガイドピン85がカム溝88におけるエアシリンダ81の付勢方向と平行な部分まで移動すると、描画テーブル4上では、当て付け部86が開口44から突出する状態になる。この状態になると、スライドテーブル84はカム溝88の形状に沿って水平方向(図6中、X方向またはX方向の逆方向)に移動する。これにより描画テーブル4表面では、当て付け部86が当て付けピン42a方向へ水平移動して載置されたパネルを付勢し続け、当て付け部86が付勢している辺に対向する辺が当て付けピン42aに当接するまでパネルを移動させることができる。
【0036】
図4に示すように各当て付けピン42a〜42fは、描画テーブル4周縁部にあって、載置されたパネルを挟んで各付勢機構41a〜41fとほぼ対向する位置に隣接して配置されている。従って、当て付けピン42a〜42fは、パネルを、長辺部では少なくとも2箇所で短辺部では少なくとも1箇所で固定する。
【0037】
当て付けピン42a〜42fは、付勢機構41a〜41fによって描画テーブル4上を移動するパネルを固定する。これにより描画テーブル4上でのパネルの位置決めが行われる。例えば、パネルを縦置きする場合、当て付けピン42a、42b、42cの全てにパネルを当接させることで位置決めが行われる。
【0038】
一般にパネルはガラス製が多いため、パネルを傷つけないように当て付けピン42a〜42fには弾力性ある材料を使用する。そのため当て付けピン42a〜42fは、付勢により弾性変形を生じる。上記理由から、付勢機構41a〜41fと当て付けピン42a〜42fとによる位置決めでは、±数10μm〜数100μm程度の位置精度しか得ることができない。該位置精度では、パネルと走査光学系30との位置関係において描画位置(レーザビームがパネルに入射する位置)が微妙にずれてしまい、プラズマディスプレイの表示部製作時に要求される精度の高い描画を得ることはできない。そこで付勢機構41a〜41fと当て付けピン42a〜42fとによる位置決めが行われると、次に、より精度の高い描画を可能にするため、リニアゲージ43p〜43tを用いた補正処理が行われる。
【0039】
図7は、描画位置の補正処理を行う制御系を表すブロック図である。該制御系は、リニアゲージ43p〜43t、制御部31、θテーブル3、駆動モータ34、音響光学素子(AOM)36を有する。θテーブル3、駆動モータ34、AOM36は、各々ドライバ32、33、35を介して制御部31に接続されている。
【0040】
制御部31は、ドライバ32に駆動信号を与えることにより、θテーブル3を水平方向に所定量回転させる。またドライバ33に駆動信号を与えることにより、駆動モータ34を駆動させ、描画テーブル4をY方向に移動させる。制御部31は、所定の描画データに従って変調信号をドライバ35に与えることによりAOM36を動作させ、光源部20から照射されるレーザビームを所定のタイミングでオンオフするように変調制御する。
【0041】
リニアゲージ43p〜43tは、所定位置に固定されたパネルの辺の位置を基準として、実際に固定されたパネルの辺のX方向またはY方向の位置を計測する。リニアゲージ43p〜43tは、縦、横いずれかの状態で固定されたパネルの長辺部では少なくとも2箇所、短辺部では少なくとも1箇所で固定位置を計測できるように配置される。例えば図4に示すように、描画テーブル4上でリニアゲージ43p〜43tは、当て付けピン42a〜42fと隣接する位置に配置される。なお図4に示す当て付けピン42cと当て付けピン42dのように、2以上の当て付けピンが近接して配置される場合には、どちらか一方と隣接する位置にのみリニアゲージ(図4ではリニアゲージ43r)を配置し、部材数を減らすことも可能である。この場合、リニアゲージ43rは、縦置き時では短辺部の固定位置を計測し、横置き時では長辺部の一端の固定位置を計測する。
【0042】
図7に示すように、リニアゲージ43p〜43tは、パネルの辺の位置を計測すると、制御部31に計測結果を送信する。制御部31は、まず計測結果からパネルの水平方向における傾きを計算する。そして計算結果に基づいて生成した駆動信号をドライバ32に送信し、θテーブル3を水平方向に所定量回転させる。これにより、描画テーブル4上にあるパネルの水平方向における傾きをなくす補正が行われる。
【0043】
また制御部31は、計測結果からパネルの副走査方向(Y方向)における位置ずれを計算する。そして計算結果に基づいて描画テーブルの副走査方向の駆動タイミングを変更した駆動信号を生成し、その駆動信号をドライバ33に送信して駆動モータ34を駆動させる。これにより、Y方向のパネルのずれをなくす補正が行われる。
【0044】
さらに制御部31は、描画時に、計測結果に基づいて生成した変調信号をドライバ35に送信しAOM36を動作させる。該変調信号は、光源部20から照射されるレーザビームが描画テーブル4上に固定されたパネルの所定位置で描画を行うように変調タイミングを変更した内容になっている。AOM36が該変調信号に応じてレーザビームをオンオフすることにより、X方向のパネルのずれをなくす補正が行われる。
【0045】
上記の補正処理により、描画テーブル4上に固定されるパネルの位置精度を数μm程度にまで高めることができる。すなわち、精度の高い描画を行うことができる。
【0046】
パネルが所定位置に固定されると、上記位置精度に関する補正処理が行われつつ、以下のように描画が行われる。
【0047】
光源20から照射されたレーザビームは、走査光学部30において、常に連続的、かつ規則的にオン/オフするように変調制御される。このとき、制御部31はX方向のパネルのずれをなくすような変調信号をドライバ35に送信し、X方向の補正を行っている。該変調制御により、1回の走査の描画内容は、露光した箇所と露光していない箇所とが連続的かつ規則的に続く破線模様になる。ここで、走査光学部30により偏向されたレーザビームは、描画テーブル4上において横置きしたパネル全体を走査できる程度の走査幅を有する。従って、パネルが縦置きされている場合には、1回の走査における走査終了位置付近はオフ制御して、パネルが載置されていない領域にレーザビームが入射することがないようにする。
【0048】
上記のように変調制御されたレーザビームが走査するとともに、描画テーブル4が駆動モータ34の駆動により副走査方向に移動する。このとき、制御部31は、Y方向のパネルのずれをなくすような駆動信号をドライバ33に送信し、Y方向の補正を行っている。結果として、縦置き、横置きを問わず、パネルには、図1に示すような副走査方向に平行であって、各直線間の幅が主走査方向にほぼ均等である複数の直線を描画することができる。
【0049】
以上が本発明の実施形態である。本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく趣旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0050】
上述した付勢機構、当て付けピン、リニアゲージの数は、使用するパネルの規格すなわち各辺の長さによって変えることができる。但し、当て付けピンは、パネルを挟んで付勢機構と対向する位置にあることが必要とされる。
【0051】
本実施形態では、描画テーブル4周縁部に設けられる付勢機構41c、41fは従来型のものを使用し、描画テーブル4表面に設けられる付勢機構41a、41b、41d、41eは、図5や図6に示すような構造によって当て付け部86がスライドするものを使用している。しかし、描画テーブル4表面に設けられる付勢機構のうち、少なくとも描画方法によってパネルの載置の妨げになるおそれがある付勢機構(図4中、41a、41f)のみが、上記当て付け部がスライドするもの(図5、図6)であれば、本発明を実施することが可能である。
【0052】
また描画テーブル4の形状や大きさによっては、全ての付勢機構をθテーブル3と描画テーブル4との間に設置し、付勢時に当て付け部86がスライドする構成(図5、図6)にして部材の統一を図ることも可能である。
【0053】
さらに描画テーブル4表面に設けられる付勢機構は、パネルの載置の妨げとならないよう、付勢しない時に当て付け部86が描画テーブル4上に突出した状態になければ、上記構造に限定されなくてもよい。例えば描画テーブル4に対し着脱可能な付勢機構を使用し、描画方法によりパネルの載置の妨げになる場合には描画テーブル4から取り外しておき、付勢時にのみ描画テーブル4上の所定位置に固定することも可能である。また、上記実施形態では、当て付け部86の描画テーブル4上への突出、および該当て付け部86によるパネルの付勢は、どちらもエアシリンダ81からの押圧によって行われているが、エアシリンダ81とは別の駆動手段を用いて、付勢機構全体を描画テーブル4上に上昇(図6中、Z方向の逆方向)させた後、エアシリンダ81の押圧によって当て付け部86でパネルを付勢することも可能である。
【0054】
上記実施形態では、リニアゲージ43p〜43tを使用することにより、より正確にパネルの描画テーブルにおける位置の検出を行っているが、該パネルの位置検出手段は、リニアゲージに限定されない。
【0055】
上記実施形態では、パネルの水平方向の傾きはθテーブル3を回転させることで補正する。パネルにおけるX方向の描画位置はAOM36での変調タイミングを変更することにより補正する。Y方向の描画位置は駆動モータ34の駆動タイミングを変更することにより補正する。しかし、補正方法はこれに限定されるものではない。例えば、パネルにおけるY方向の描画位置の補正は、計測結果に基づいて修正しつつ変調信号を生成することによっても可能である。
【0056】
さらに本発明は、上述したように、プラズマディスプレイの表示部を構成するパネルを描画することを主目的としているが、複数の平行な直線であって、各直線間の幅が均等であるものを描画することが要求される感光材であれば、該パネルでなくとも、非常に効果的である。但し、この場合、描画テーブルの大きさや付勢機構等の配置は、描画する感光材に適応させる必要がある。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、レーザビーム露光装置に、該感光材が縦横いずれの向きでも載置、固定できる感光材固定装置を使用することにより、感光材に副走査方向と平行な方向に延びる直線であって各直線間の幅が均等である内容を高い精度で描画できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】感光材のレーザビームによる描画状態を表す。
【図2】感光材のレーザビームの描画状態を表す。
【図3】本発明のレーザビーム露光装置の概略構成図である。
【図4】本発明のレーザビーム露光装置の描画テーブルを表す。
【図5】本発明のレーザビーム露光装置の付勢機構の斜視図である。
【図6】本発明のレーザビーム露光装置の付勢機構の側面図である。
【図7】描画位置の補正処理を行う制御系を表すブロック図である。
【符号の説明】
10 描画部
3 θテーブル
4 描画テーブル
20 光源部
30 走査光学部
41a〜41f 付勢機構
42a〜42f 当て付けピン
43p〜43t リニアゲージ
Claims (13)
- レーザビーム露光装置において、感光材を固定する感光材固定装置であって、
1辺の長さが少なくとも感光材の長辺よりも長く、前記感光材を主走査方向と直交する方向に長手方向が沿う第1の状態で表面に載置できるとともに、前記感光材を主走査方向と平行な方向に長手方向が沿う第2の状態で表面に載置できる描画テーブルと、
前記感光材が前記第1の状態または前記第2の状態で前記描画テーブルに載置された状態で、前記感光材の2辺に位置決めするように当て付けられる複数の位置決め手段と、
前記感光材を介して前記位置決め手段と対向する位置に配置され、対向する前記位置決め手段の方向へ前記描画テーブル表面と平行に前記感光材を付勢する複数の付勢手段と、
を備え、
前記付勢手段のうち、少なくとも、前記第1の状態または前記第2の状態で前記感光材を固定する際に前記感光材の固定の妨げとなる位置に配置されるものは、前記描画テーブルの表面以外の場所に配置されることを特徴とする感光材固定装置。 - 前記付勢手段のうち、少なくとも、前記第1の状態または前記第2の状態で前記感光材を固定する際に前記感光材の固定の妨げとなる位置に配置されるものは、前記描画テーブルから取り外し可能な構造とすることを特徴とする請求項1に記載の感光材固定装置。
- 前記付勢手段のうち、少なくとも、前記第1の状態または前記第2の状態で前記感光材を固定する際に前記感光材の固定の妨げとなる位置に配置されるものは、前記描画テーブル下部に格納されており、前記感光材を付勢する時には、まず、前記描画テーブルの表面に突出するまで上昇し、前記描画テーブル表面に前記付勢手段の少なくとも一部分が突出した後に、前記感光材を付勢することを特徴とする請求項1に記載の感光材固定装置。
- 前記付勢手段は、エアシリンダを有することを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の感光材固定装置。
- 請求項1ないし4の何れか1項に記載の感光材固定装置を有することを特徴とするレーザビーム露光装置。
- 前記感光材上における所定位置で描画が行われるように描画位置を補正する位置補正手段をさらに有することを特徴とする請求項5に記載のレーザビーム露光装置。
- 前記位置補正手段は、前記位置決め手段および前記付勢手段によって固定された前記感光材の前記描画テーブル上における位置を計測する位置計測手段を有し、前記位置計測手段による計測結果に応じて、前記位置補正手段が前記感光材におけるレーザビームの描画開始位置を補正することを特徴とする請求項6に記載のレーザビーム露光装置。
- 前記位置補正手段は、さらに、前記感光材の水平方向における傾きを補正するθ補正手段と、主走査方向における描画開始位置を補正するX方向補正手段と、主走査方向と直交する方向における描画開始位置を補正するY方向補正手段と、を有することを特徴とする請求項6または7に記載のレーザビーム露光装置。
- 前記θ補正手段は、前記感光材の水平方向における傾きがなくなるまで前記描画テーブルを水平方向に回転させる回転手段を少なくとも有することを特徴とする請求項8に記載のレーザビーム露光装置。
- 前記X方向補正手段は、レーザビームの変調タイミングを変更する変調タイミング変更手段を有することを特徴とする請求項8に記載のレーザビーム露光装置。
- 前記Y方向補正手段は、前記描画テーブルの駆動タイミングを変更する駆動タイミング変更手段を有することを特徴とする請求項8に記載のレーザビーム露光装置。
- 前記Y方向補正手段は、レーザビームの変調タイミングを変更する変調タイミング変更手段を有することを特徴とする請求項8に記載のレーザビーム露光装置。
- 前記位置計測手段はリニアゲージを含むことを特徴とする請求項6から請求項12の何れか1項に記載のレーザビーム露光装置。
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