以下、本発明に係る実施形態を、図面に基づいて説明する。尚、各実施形態におけるフレーム、メンバは、特に断りのない限り鋼鉄製である。
図1は、本実施形態に係るフロントサブフレーム及び車体フレーム等を車両の下面から見た図であり、図2は図1のA−A断面図、図3はフロントサイドフレームのみを斜め前方から見た斜視図、図4は図1のB−B断面図、図5は図1のC−C断面図、図6は図1のD−D断面図、図7は図1のE−E断面図、図8は図1のF−F断面図である。
図1及図2に示すように、車体フレーム1は、車両前後方向に延設される左右一対のフロントサイドフレーム2,2と、フロントサイドフレーム2,2の後方でフロントサイドフレーム2,2に接続されるフロアフレーム3,3が配置されている。尚、フロントサイドフレーム2,2の後方側の部分は、後方且つ下方に向けて傾斜したキックアップ部4,4が形成されており、これによりフロントサイドフレーム2,2の前端部は、フロアフレーム3に対してある程度高い位置に設置されることになる。
フロントサイドフレーム2,2の中間部近傍には、車両外方側に隣接して、図示しない前輪を格納するホイールハウジング5,5が形成され、その中心付近には前輪を支持する緩衝装置を格納するためのサスペンションタワー6,6が上方に倒立するよう形成されている。
フロントサイドフレーム2,2の前端部には、樹脂製のバンパーフレーム7が前端部を架け渡すように車幅方向に延設されており、バンパーフレーム7の内部には、衝撃緩衝部材が設けられている。尚、本実施形態のおけるフロントサイドフレーム2,2には、所謂クロスメンバは設けられていない。また、フロントサイドフレーム2,2に挟まれるように形成されるエンジンルームEに図示しないエンジンが搭載されている。
フロアフレーム3,3を上方から覆うようにフロアパネル8が設けられており、フロアパネル8の前端部付近は、前方に位置するに従って上方側に向うよう延設され、その前端部には、鉛直方向且つ上方に延設して、エンジンルームEと車室9とを区分するダッシュパネル10が形成されている。また、フロアパネル8の車幅方向中心部は、上方側に隆起してトンネル部11を形成しており、トンネル部11には、図示しないエンジンの排気管や、所謂FRタイプの車両であればドライブシャフト等が格納されることになる。
フロアパネル8の車幅方向端部付近には、車幅方向が閉断面矩形状のサイドシル12,12が形成されており、フロアフレーム3,3の前端部とサイドシル12,12とは、フロアパネル8から下方側に隆起する接続フレーム13,13により接続されており、これにより車両前方からの衝突荷重がフロアフレーム3,3から一部分岐してサイドシル12,12にも入力可能となる。
フロントサイドフレーム2,2の下方には、車両前後方向に延設される左右一対のサイドフレーム14,14と、サイドフレーム14,14のそれぞれの前端部同士及び後端部同士を架け渡すよう車幅方向に延設されて固定される前側クロスメンバ15及び後側クロスメンバ16とから成るフロントサブフレーム17が配置されている。
各サイドフレーム14,14の前端部には、前端支持部18,18が形成され、後端部には、後端支持部19,19が形成されるとともに、後側クロスメンバ16よりも若干前方の中間部には、サイドフレーム14,14の上面から上方に向けて延設される縦メンバ20,20を介してその先端に中間支持部21,21が形成されており、これらの支持部は、それぞれ直ぐ上方のフロントサイドフレーム2,2の下面にて対応する位置に、ラバーブッシュを介して支持されている。これにより、フロントサブフレーム17は、計6ヶ所にて、フロントサイドフレーム2,2に支持されることになる。
尚、本発明においては、サイドフレーム14,14は、必ずしもフロントサイドフレーム2,2に支持される必要はなく、車体フレーム1を構成するいずれかの構造体であってもよい。
サイドフレーム14,14の前端部からは前方側に延設するように、車両前後方向の衝突荷重に対して積極的に縮合されて衝撃エネルギーを吸収可能なクラッシュ管22,22(特許請求の範囲に記載の「衝撃吸収部材」に相当)が設けられており、クラッシュ管22,22の前端部同士は、車幅方向に延設されるレインフォースメント23により固定されている。クラッシュ管22,22は鋼鉄製で内部が空洞となるよう筒状に形成されるが、レインフォースメント23は、樹脂製となっている。また、レインフォースメント23は、上述のバンパーフレーム7の略直ぐ下方側に位置するよう設置される。
サイドフレーム14,14の前端支持部18,18より後方側から縦メンバ20,20の基幹部分にかけて、屈曲促進部24,24が形成されている。
この屈曲促進部24,24は、前方部25,25と、後方部26,26とから構成されており、前方部25,25は、後方且つ下方に向けて傾斜するよう形成され、後方部26,26は、これに対して後方に向って略水平に形成されている。
尚、本発明においては、前方部25,25の水平に対する傾斜角に対して、後方部26,26の水平に対する傾斜角小さければよく、例えば、後方部26,26の傾斜角がマイナスの値、つまり後方且つ上方に向けて傾斜していても構わない。
また、サイドフレーム14,14は、下方から見てそれぞれ略同じ形状をしている2枚のパネル、つまり断面が凸状の上側パネル及び断面が凹状の下側パネル同士を重ね合わせることで構成されているが、前方部25,25を形成する上側パネル25a及び下側パネル25bの板厚は、後方部26,26を形成する上側パネル26a及び下側パネル26bの板厚よりも大きい。これにより、前方部25,25の前後方向における上下方向の曲げに対する強度は、後方部26,26の前後方向における上下方向の曲げに対する強度より大きくなる。
また、サイドフレーム14,14の後方部26,26においては、前方部25,25に接続している後方部26,26の前端部から後方へ所定距離離間するまでの後方部前側部位26c,26cの幅(つまり、下方側から見たときの車幅方向の厚さ)は、当該後方部前側部位26c、26cより後方で縦メンバ20,20の基部までにおける後方部後側部位26d,26dの幅よりも小さくなるよう形成されている。また、サイドフレーム14,14の縦メンバ20の基部から後端部にかけての幅についても、後方部26,26の後方部前側部位26c,26cの幅よりも実質的に大きくなるよう形成されている。
本実施形態において、フロントサブフレーム17のサイドフレーム14,14には、サスペンション機構の2本のロアアーム29、30が揺動可能となるよう接続されている。
具体的には、図3に示すように、サイドフレーム14,14の後方部後側部位26d,26dの車両外方側に、フロント側ロアアーム支持部27が形成され、縦メンバ20,20より後方側のサイドフレーム14,14の車両外方側に、リア側ロアアーム支持部28が形成されている。フロント側ロアアーム支持部27とリア側ロアアーム支持部28には、それぞれ車両外方側に向けて、フロント側ロアアーム29、リア側ロアアーム30が揺動可能に接続されており、これらフロント側ロアアーム29及びリア側ロアアーム30の各外方側端部は、前輪を直接支持するホイールサポート(図示せず)に揺動可能に接続されている。更に、図示しないが、フロントサイドフレーム2,2に接続されるアッパーアームもホイールサポートに接続されており、これらの構成により、サスペンション機構を成している。
尚、本発明では、フロント側ロアアーム29とリア側ロアアーム30とは別体として説明したが、ロアアームを所謂A型ロアアームとし、フロント側ロアアーム29とリア側ロアアーム30とが車両外方側で固定されたものであってもよい。
(フロントサブフレーム17の構成による作用及び効果)
以上のようなフロントサブフレーム17の構成により、以下のような作用及び効果を奏す。
先ずは、車両が、高さの低い障害物と前方衝突等した場合、障害物から受けた衝突荷重は、レインフォースメント23及びクラッシュ管22,22に入力され、これらが前後方向に圧縮されながら縮合されることで(図2の一点破線参照)、衝撃エネルギーが吸収され衝撃荷重がある程度低減されることになる。また、レインフォースメント23は車幅方向に延設されているために、障害物が左右のクラッシュ管22,22の中間部分のみ衝突した場合も、衝撃荷重をクラッシュ管22,22に伝達でき、これにより衝撃荷重の低減が可能である。
衝突の度合が軽度な場合であれば、クラッシュ管22,22とレインフォースメント23とが縮合されるだけで衝突荷重を略零にすることができる。しかし、衝突度合が大で衝突荷重が大きい場合には、クラッシュ管22,22及びレインフォースメント23とにより衝撃エネルギー吸収されなかった衝突荷重が、フロントサブフレーム17の特にサイドフレーム14,14の略前後方向に沿って前方から後方に入力されることになる。この場合、サイドフレーム14,14の前端支持部18,18及び中間支持部21,21との働き、及び屈曲促進部24,24の前方部25,25と後方部26,26との働きにより、サイドフレーム14,14は屈曲促進部24,24を中心として下方側に積極的に屈曲されて、これによって、衝撃エネルギーが吸収され、衝突荷重が低減される。
具体的には、サイドフレーム14,14は、前端支持部18,18及び中間支持部21,21とによりフロントサイドフレーム2,2に連結支持されており、また、屈曲促進部24,24の前方部25,25は後方且つ下方に向けて傾斜しているのに対し、後方部26,26は、略水平となるよう構成されている。
従って、サイドフレーム14,14の前端から入力された衝突荷重により、サイドフレーム14,14の前端部は、高さを大幅下げることなく略同じ高さに維持しながら後方へ変位する。一方、サイドフレーム14,14の中間支持部21,21は、サイドフレーム14,14と縦メンバ20,20を介して強固に接続されている。従って、屈曲促進部24,24の前方部25,25と後方部26,26との接続部分を中心としてモーメントが働き、前方部25,25と後方部26,26とは、この接続部分を略中心として、前方部25の前端部が上方を向いて全体的に下方側に変位するように屈曲する。
また、このような屈曲促進部24,24の下方側への屈曲により、サイドフレーム14,14がフロントサイドフレーム2,2の下面に当接し干渉することがなく、フロントサイドフレーム2,2は、大きな損壊を受けない。これにより、サイドフレーム14,14が屈曲して、サイドフレーム14,14の前端支持部18,18と中間支持部21,21との間の距離が短縮されようとしても、前端支持部18,18及び中間支持部21,21が連結支持されているフロントサイドフレーム2,2は、上述のように損壊されないため、前後方向の剛性が高い状態を維持し続ける。よって、衝突の初期において、サイドフレーム14,14の屈曲に際して、フロントサイドフレーム2,2が一気に変形されて損壊されることがなく、フロントサイドフレーム2,2による衝撃エネルギーの吸収を効率よく行なわせることができ、簡単な構成で衝突荷重の大幅な低減が可能となる。
この場合、上述のように衝突荷重がある程度クラッシュ管22,22とレインフォースメント23とによって低減されてサイドフレーム14,14に入力されるため、フロントサイドフレーム2,2による高い剛性による衝撃エネルギー吸収性を発揮し易いように、フロントサイドフレーム2,2に衝突荷重の一部を伝達でき、衝撃エネルギーの吸収性を全体的に向上できる。
また、本実施形態においては、屈曲促進部24,24の前方部25,25と後方部26,26との板厚や材質などを調整して、前方部25,25の前後方向における上下方向の曲げに対する強度を、後方部26,26の当該強度よりも大きくしている。
これにより、屈曲促進部24,24が屈曲される際に前方部25,25の損壊が抑制できるため、確実に下方に屈曲させることができる。
更に、サイドフレーム14,14の後方部26,26は、後方部前側部位26c,26cの幅が、後方部後側部位26d,26dの幅よりも小さくなるよう形成されている。これにより、屈曲促進部24,24が下方側に屈曲される際に、サイドフレーム14,14と中間支持部21,21との支持構造付近が大きく変形して、サイドフレーム14,14と中間支持部21,21との連結強度の低下が抑制されて、屈曲促進部24,24を確実に屈曲させることができる。
以上により、車両前方部での衝撃エネルギー吸収性を確実に向上できる。
(サイドフレーム14,14の前端支持部18,18の詳細構造について)
次に、サイドフレーム14,14の前端支持部18,18について、図4及び図5を参照して説明する。
図4に示すように、クラッシュ管22の後端部のフランジ部22aには、クラッシュ管後端壁31がクラッシュ管22の後端開口部を覆うように固定されている。
また、サイドフレーム14の前端部においては、前方部25の上側パネル25aと下側パネル25bとが重ね合わされて、後述するようなフランジ結合により成形されており、この場合、上側パネル25aの板厚は、下側パネル25bの板厚よりも厚いものが使用されている。
この上側パネル25aの前端部における車幅方向の中間部分は、クラッシュ管後端壁31に溶接にて固定されている。また、下側パネル25bの前端部は、前方に向かうに従って車幅方向における中間部分が上方に向かって凸状に隆起するよう形成されており、この前端部はこのように隆起した状態で、クラッシュ管後端壁31に対し溶接にて固定されている。
図5に示すように、サイドフレーム14の前端部の車両外方側において、上側パネル25aのサイドフレーム14上面における車幅方向端部は、車両外方側に移行するに従ってサイドフレーム14の略下面の高さに至るまで大きく下方を指向するよう延設され、サイドフレーム14の略下面の高さ付近で、サイドフレーム14の車幅方向外方側に向けて略水平に延設されている。
また、車両外方側において、下側パネル25bの上述の車幅方向中間部における隆起した部分の車幅方向端部は、下方を指向するよう延設される上側パネル25aに沿うように、サイドフレーム14の略下面の高さに至るまで下方を指向して延設されている。このとき、下側パネル25bは、上側パネル25aに重なる。下側パネル25bは、サイドフレーム14の略下面の高さ付近では、サイドフレーム14の車幅方向外方側に向けて略水平に延設されている。このように、サイドフレーム14の前端部の車両外方側では、互いに重なった上側パネル25aと下側パネル25bとが接合されることで、車両前後方向に亘って車両外方側に延設された略平坦なフランジ部32が形成される。
同様に、サイドフレーム14の前端部の車両内方側においても、上側パネル25aのサイドフレーム14上面における車幅方向端部は、車両内方側に移行するに従ってサイドフレーム14の略下面の高さに至るまで下方を指向するよう延設され、サイドフレーム14の略下面の高さ付近で、サイドフレーム14の車幅方向外方側に向けて略水平に延設されている。但し、車両外方側に比べて、上側パネル25aの下方を指向する傾斜度合は緩やかである。
また、同様に、下側パネル25bに関しても、サイドフレーム14の前端部の車両内方側において、下側パネル25bの隆起した部分の車幅方向端部は、下方を指向して延設される緩やかな傾斜の上側パネル25aに沿うように、サイドフレーム14の略下面の高さに至るまで下方を指向して延設されている。そして、下側パネル25bは、上側パネル25aに重なるようにして下方に延設され、サイドフレーム14の略下面の高さ付近で、サイドフレーム14の車幅方向内方側に向けて略水平に延設されている。こうして、車両内方側でも、互いに重なった上側パネル25aと下側パネル25bとが接合されることで、車両前後方向に亘って車両内方側に延設された略平坦なフランジ部33が形成される。
尚、上側パネル25aと下側パネル25bとは、フランジ部32、及びフランジ部33において、それぞれのパネル同士が溶接により接合されている。(フランジ結合)
また、内方側においては、サイドフレーム14の上面近傍及びフランジ部33に、それぞれ前側クロスメンバ15端部の上面及び下面が接合されている。
このような構成により、車幅方向断面において、上側パネル25aの上方側部分と、下側パネル25bの上面とにより囲まれる略四角形の閉断面Oと、この閉断面Oの車幅方向の両端部から下方側に向けてクラッシュ管22の下面の高さ近傍まで延設される、上側パネル25aの下方側部分と下側パネル25bの側壁とが重なった下方側壁面P1,P2とが形成されることになる。(図5参照)
また、図5において、二点破線Mは、クラッシュ管22におけるフランジ部22a直前の後端部の輪郭を示している。
これによると、フランジ部32及びフランジ部33の高さとクラッシュ管22後端部の下面の高さとは略同じ高さとなるようこれらは近接して位置している。
また、サイドフレーム14より車両外方側で上側パネル25aが下方に延設されて形成されるサイドフレーム14の外方側側壁は、車両前後方向から見て、クラッシュ管22の車両外方側側壁と略重なるよう位置して、クラッシュ管後端壁31に接合されている。
更に、サイドフレーム14より車両内方側で上側パネルが下方に緩やか延設されることで形成されるサイドフレーム14の内方側側壁は、車両前後方向から見て、これより前方側に向かうに連れて、サイドフレーム14の車幅方向断面形状が四角形に近づくように傾きが大きくなり、クラッシュ管22の車両内方側側壁と略重なるよう位置した状態で、クラッシュ管後端壁31に接合されている。
フランジ部32とフランジ部33とに囲まれる、下側パネル25bが上方に隆起する部分は、下方から見て窪んだ形状の窪み部34が形成されることになる。
この下側パネル25bによる窪み部34とこの窪み部34の上方に位置する上側パネル25aとを貫通するように、前端支持部18としての、内外筒式のラバーブッシュ35が設置される。
次に、ラバーブッシュ35について詳細に説明すると、ラバーブッシュ35は、サイドフレーム14の上面から、窪み部34に掛けて貫通するよう上側パネル25aと下側パネル25bとに接合される鋼鉄製の外筒部36と、それより小径の内筒部37が同心円状に設けられている。また外筒部36及び内筒部37とも、上方側は、サイドフレーム14の上面より延出しており、この延出した上方の端部は、外周方向に向かって略水平に延設されるそれぞれ上端外周縁部36aと上端外周縁部37aとが形成されている。尚、この場合、内筒部37の上端外周縁部37aに対し、外筒部36の上端外周縁部36aの方が、下方に位置する。
円筒状のラバー38は、外筒部36と内筒部37とにより囲まれる空間内に嵌挿されている。このラバー38は、上方側で、上述の内筒部37の上端外周縁部37aと外筒部36の上端外周縁部36aとにより囲まれる空間において、外周側に延設されるラバー38の上端外周縁部38aが嵌挿されるように延設されている。
一方、ラバー38の下端側は、サイドフレーム14の上面の高さと窪み部34の高さとの略中間位置に、位置するよう構成される。
このようなラバーブッシュ35に対して、フロントサイドフレーム2の前端部2aから、前端部2aに固定されるとともに下方に向かうボルト39が延設されており、ラバーブッシュ35の内筒部37の内部にボルト39は嵌挿されている。そして、前端部2aの下端と内筒部37の上端部とが当接した状態において、Oリング40が外筒部36と内筒部37とのそれぞれ下端部に当接するように、ボルト39の下方側には、ナット41が締結されている。
(サイドフレーム14の前端支持部18の構造における作用及び効果)
以上のような前端支持部18の構造により、次のような作用及び効果を奏す。
つまり、通常、車両には燃費を向上する目的で軽量化が求められているが、これは位置部品のラバーブッシュ35も例外ではない。
また、本実施形態においては、サイドフレーム14は、前方側からの衝突荷重に抗するようにしっかりと固定させる必要はある。しかし、サイドフレーム14自体は、中間支持部21と、後端支持部19とによりラバーブッシュ35を介して強固に固定されており、サイドフレーム14の前端支持部18を介してフロントサイドフレーム2に入力される振動や荷重などの影響は少ない。また、サイドフレーム14前端部には、軽量のクラッシュ管22等が設けられるだけで、この部分は比較的軽量である。これらのことから、前端支持部18によるフロントサイドフレーム2へのサイドフレーム14の支持は大掛りにする必要がない。そこで、本実施形態においては、ラバーブッシュ35への更なる軽量化を図っている。
ラバーブッシュ35の軽量化には、小型化、つまり、振動低減等を考慮してラバーブッシュ35、つまり外筒部36と内筒部37とラバー38をそれぞれ上下方向に短くすればよい。更に、外筒部36と内筒部37とラバー38とを短くした上で、更にラバー38だけの長さも短くすることで、より軽量化が可能となる。
しかし、このようにラバーブッシュ35を短くした場合、通常であればラバーブッシュ35の直ぐ下方側の下側パネル25bを隆起させず、本実施形態のような窪み部34を設けない構成が考えられる。この場合、ラバーブッシュ35の外筒部36の下端部を支持するために、上側パネル25aと下側パネル25bとの略中心の位置に、本実施形態における隆起した下側パネル25bのような略水平の補強部材を、下側パネル25bとは別に新たに設ける必要がある。しかしながら、このような補強部材の設置により生産性が悪化するといった問題が生じる。
これに対し、本実施形態では、サイドフレーム14の前端部及びその近傍には、車幅方向断面において、ラバーブッシュ35が設置される略四角形の閉断面Oと、この閉断面の車幅方向両端部から、衝撃吸収部材の下面が位置する高さ付近まで延設される下方側壁面P1,P2とを形成するとともに、これらを車両前後方向に亘って延設させた。具体的には、ラバーブッシュ35の下方側において、下側パネル25bを隆起されて窪み部34を形成した。これにより、補強部材を別途設けることなく簡単に、ラバーブッシュ35の短縮化が可能となる。しかも、略四角形の閉断面Oと、下方側壁面P1,P2とにより、ラバーブッシュ35を短くするための窪み部34が形成されることで生じるサイドフレーム14の前端部及びその近傍の剛性低下を抑制することができ、これによりクラッシュ管22の支持剛性を向上でき、クラッシュ管22による衝撃エネルギーの吸収性を高めることが可能となる。
また、前端支持部18による車体フレームへの支持剛性も向上するため、車両の衝突時に、衝突荷重をフロントサイドフレーム2,2に積極的に伝達して、上述の屈曲促進部24等を利用したフロントサブフレーム17による衝突荷重の更なる低減が可能となる。
また、車幅方向の両端には、サイドフレーム14の略下面の高さに位置し、この下面に近接するようフランジ部32及びフランジ部33を設けているため、クラッシュ管22の直ぐ後方であり車両前後方向の高い剛性が要求される部分に対して、この左右のフランジ部32,33により、特に前後方向の剛性を向上でき、サイドフレーム14の前端部及びその近傍における前後方向の剛性を大幅に低下させることがない。
また、本実施形態においては、上側パネル25aが下側パネル25bよりも板厚が厚いものが使用されており、更に、サイドフレーム14の窪み部34が形成される付近では、上側パネル25aが下側パネル25bを上方から略全体を覆うように設けられている。これにより、上側パネル25aは、サイドフレーム14の側壁面を形成するとともに、その下方部で下側パネル25bと重なり合っている。このような構成によって、この窪み部34によりサイドフレーム14の車幅方向断面積が低下して剛性が低下するのを、厚い板厚の上側パネル25aがサイドフレームの側壁面を形成することで抑制でき、全体的に高い剛性を維持できる。
特に、本実施形態では、上側パネル25aは、下側パネル25bと側壁面の下方部で重なった状態で、サイドフレーム14の下面まで延設され、それから車幅方向に向かって、上側パネル25aと下側パネル25bとが重なったフランジ部32,33が形成されるため、より高い剛性の維持が可能となる。
また、窪み部34により、ナット41をボルト39に締結させる作業も比較的大きな窪み部34により行なえるため、締結作業性の向上も可能となる。
尚、本発明においては、必ずしも、上側パネル25aの板厚を厚くする必要はなく、上側パネル25aと下側パネル25bの板厚が略同じか、あるいは下側パネル25bの板厚の方を厚くしても構わない。
(サイドフレーム14の後端支持部19の取り付け構造周辺について)
次に、サイドフレーム14,14の後端部の取り付け構造周辺について説明する。
図1に示すように、フロアフレーム3,3の前端部における車両内方側のフロアパネル8には、フロアフレーム3,3に隣接して、取付部42,42が形成されており、サイドフレーム14,14の後端支持部19,19は、ラバーブッシュ43,43を介して、この取付部42,42に連結支持される。
尚、取付部42,42の下面は(但し、路面側が下)、後端支持部19,19付近において、後方程下方に傾斜するフロアフレーム3,3の下面よりも高くなるよう形成されている。(図6及び図7参照)
また、取付部42,42において、後端支持部19,19を支持した部分の直ぐ後方側には、取付部42、42の下面よりも一段下方に下がった位置に、下方側に突出するようストッパ部42a,42a(突起部)が形成されるとともに、このストッパ部42a,42aより車両内方側には、取付部42,42から後方側に延設するよう、取付部42,42の下面と略同じ高さで、分岐フレーム44,44が形成されている。尚、分岐フレーム44,44の前端部で、フロアフレーム3,3から分岐した部分(本実施形態では、取付部42,42も含む)を分岐部44a,44aと称す。
また、分岐フレーム44,44の後方部分の車幅方向の両端は、分岐フレーム44,44の下面より一段高いフロアパネル8が位置している。このストッパ部42a,42aも、フロアフレーム3,3の車両内方側に隣接しているが、ストッパ部42a,42aの全部、あるいは少なくとも後方部を含む大部分の下面は、後方程下方に傾斜するフロアフレーム3,3の下面よりも高くなるよう形成されている。(図7及び図8参照)
取付部42,42の前端側で、後端支持部19,19が位置する部分の車両内方側には、左右の取付部42,42を橋渡すようにダッシュクロスメンバ45が、トンネル部11に沿って車幅方向に延設されている。このダッシュクロスメンバ45の下面は、取付部42,42に隣接する部分において、取付部42,42の下面よりも一段高く、且つ周辺のフロアパネル8よりも一段低く形成されている。
ストッパ部42a,42aとフロアフレーム3,3のストッパ部42a,42aに隣接する部分と、後端支持部19,19との下方側には、これらを覆うようにカバー部46,46が設けられている。ストッパ部42a,42aには、ボルト孔47,47が形成され、フロアフレーム3,3にはボルト孔48,48が形成されており、これらのボルト孔に対し、カバー部46,46を介してボルトを締結することで、カバー部46,46は固定されている。また、カバー部46,46は、ラバーブッシュ43,43を介して後端支持部19,19を支持しており、これにより、サイドフレーム14の後端の落下を阻止している。
次に、取付部42及びストッパ部12a及びこれらの周辺構造について、図6乃至図8を参照して、詳細に説明する。
図6示すように、後端支持部19付近において、フロアパネル8には、車両前後方向から見て断面が矩形状で上方が開口した凹状のフロアフレームパネル3aが、接合されており、その上下方向の中間部分には、前後方向に亘ってフロアフレームパネル3aの側面を連結するレインフォースメント3bが設けられている。また、フロアフレームパネル3aの下面を覆うように、接続フレーム13を形成する断面が矩形状で上方が開口した凹状の接続フレームパネル13aが、フロアフレーム3の下面に接合されており、これによりフロアフレーム3の補強と、フロアフレーム3と接続フレーム13との連結が図られている。尚、フロアフレーム3は、この後端支持部19付近においては、後方側に向かうほど下方に向けて傾斜していており、この図によると、接続フレーム13の下面の方がフロアフレーム3の下面よりも低く位置している。
フロアフレームパネル3aの車両内方側側面の上下方向の中心部分には、ダッシュクロス端部パネル45aの車両外方側端部が接合さるとともに、フロアフレームパネル3aの内方側側面の下方側で、フロアフレームパネル3aの下面よりも若干高い位置には、取付部42を形成する取付部パネル42bの車両外方側端部が接合されている。
また、ダッシュクロス端部パネル45aの車両内方側には、車両の中心部にかけては、ダッシュクロスメンバ45を形成するダッシュクロスメンバパネル45bがフロアパネル8に接合されている。このとき、このダッシュクロスメンバパネル45bの車両外方側の端部の下面に、ダッシュクロス端部パネル45aの内方側端部及び取付部パネル42bの内方側端部とが重なり合うように接合固定されており、これにより、取付部42及びダッシュクロスメンバ45の端部の補強が成されている。
ダッシュクロス端部パネル45aには、ボルト49の基部が下方を指向して固定されており、ボルト49はその下の取付部パネル42b及びカバー部46を貫通して、更に下方に延設されている。サイドフレーム14後端支持部19のラバーブッシュ43は、内外筒式であり、サイドフレーム14の後端に接合された外筒43a(図7参照)と内筒43bとの間に、リング状の上部ラバー43c及び下部ラバー43dが嵌挿されており、上部ラバー43aの上端部は、取付部パネル42bの下面に接触しており、下部ラバー43dの下端部は、カバー部46の上面に接触している。
カバー部46を貫通したボルト49には、ナット50が締結されており、これによりカバー部46と取付部パネル42bとの間にラバーブッシュ43が、上部ラバー43cと下部ラバー43dとを介して挟み込まれ、よってサイドフレーム14の後端部は取付部42に対して振動低減可能に固定されている。
図7は、この後端支持部19周辺を車幅方向から見た図面であるが、これによると、フロアパネル8は、前方側から後方側に向かうに連れて下方に向かうよう傾斜しており、これに沿って、フロアフレーム3の下面(図7の二点破線N)もフロアパネル8より下方側に所定距離離間した位置で、同様に傾斜している。
フロアパネル8の傾斜している部分には、ダッシュクロス端部パネル45aが接合されており、ダッシュクロス端部パネル45aの後方側には、ダッシュクロス端部延長部45cが延設され、ダッシュクロスメンバ45の端部の補強が成されている。
取付部パネル42bは、その前端は、ダッシュクロス端部パネル45aの前端に接合されて、それから後方に向かうに連れて下方側に隆起して取付部42を形成している。更に、取付部42の下面の後端からは連続して更に下方側に隆起し、これによりストッパ部42aを形成しており、ストッパ部42aの後端は、上方に延設してフロアパネル8に接合されている。
このように取付部42とストッパ部42aとを、取付部パネル42bにより形成することで、これらの連結剛性を高めている。
カバー部46は、後端支持部19付近から後方に向かうに連れて上方に傾斜して、ストッパ部42aを形成する取付部パネル42bの下面と接触しており、この接触した部分においては、カバー部46を介して、ボルト51がボルト孔47に締結されており、これにより、カバー部46とストッパ部42aの下面とが螺着固定されている。
このように、後端支持部19、つまりラバーブッシュ43の上部は、後方に向かうに連れ下方に延設される、連続した取付部パネル42bによりストッパ部42aに連結され、ラバーブッシュ43の下部は、後方に向かうに連れ上方に延設される、連続したカバー部46によりストッパ部42aに連結されるため、サイドフレーム14後端部と、ストッパ部42aとの連結剛性を強化できる。
図8は、ボルト51の締結位置近傍を、車両前後方向から見た図である。
これによると、フロアフレーム3は、フロアフレームパネル3aとレインフォースメント3bとで形成され、接続フレーム13は、接続フレーム13aにより形成されている点は、図6と略同じである。
フロアフレームパネル3aの車両内方側側面の下方部で、フロアフレームパネル3の下面より若干上方側に、ストッパ部42aを形成する取付部パネル42bの車両外方側端部が、フロアフレーム3の下面の車幅方向における略半分を覆うように接合されている。
また、フロアフレーム3より、車幅方向で車両内方側に所定距離離間したフロアパネル8には、取付部42から後方に延設される分岐フレーム44を形成する分岐フレームパネル44aが固定されている。
上述のストッパ部42aを形成する取付部パネル42bにおいて、その車幅方向の車両内方側端部は、この分岐フレームパネル44aの下面を覆うように接合されている。
このような構成により、フロアフレーム3及び分岐フレーム44の双方に対し、ストッパ部42aは、高い剛性で連結されることになる。
(サイドフレーム14の後端支持部19の取り付け構造及びその周辺構造における作用、効果について)
以上のような構成により、ストッパ部42aは、サイドフレーム14の後端支持部19に直ぐ後方側に配置されるので、車両の前方衝突時において、サイドフレーム14に対し前方から後方にかけて大きな衝突荷重が作用して、後端支持部19が後方に変位すると、後端支持部19はストッパ部42aに当接することになる。この時、ストッパ部42aは、分岐フレーム44とフロアフレーム3とにより強固に連結されているため、衝突荷重を分岐フレーム44とフロアフレーム3とに分散して伝達させることができ、衝突エネルギーの分散吸収が可能となり、フロアフレーム3等の車体の損壊を抑制できる。
また、後端支持部19の上部と下部とは、それぞれ取付部42とカバー部46を介して、ストッパ部42aに高剛性で連結されており、これにより、車両の前方衝突時にサイドフレーム14に作用する後方への大きな衝突荷重を、効率よくストッパ部42aに伝達できる。この結果、上述のような分岐フレーム44とフロアフレーム3とによる衝突エネルギーの分散吸収性を更に向上できる。
また、フロアフレーム3よりも若干高い位置に配置されたストッパ部42aにより、カバー部46を介して、後端支持部19の下方を支持するため、後端支持部19の下方の支持構造が、フロアフレーム3よりも大きく下方に配設されて、車体の下面と路面との距離が短くなるのを防止できる。
また、取付部42は、高剛性となるよう形成されたダッシュクロスメンバ43の端部にも連結されているため、車両の前方衝突時にサイドフレーム14に作用する衝突荷重をダッシュクロスメンバ43、及びこれを介して車幅方向における対面側のフロアフレーム3にも伝達して、衝突エネルギーの分散吸収性をより高めることが可能となる。
また、フロアフレーム3の取付部42より車両外方側で、且つ後方側には、フロアフレーム3に隣接して接続フレーム13が形成されているため、車両の前方衝突時にサイドフレーム14に作用する衝突荷重を、接続フレーム13、及びこれを介してサイドシル12にも伝達でき、これにより、更なる衝突エネルギーの分散吸収性向上が可能となる。