JP4480955B2 - 半導体記憶装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体記憶装置に関する。より詳細には、電荷量の変化を電流量に変換する機能を有する電界効果トランジスタからなる半導体記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、不揮発性メモリの1形態として、サイファン・セミコンダクターズ・リミテッド社が開発したメモリがある(特開2001−156189号公報)。上記従来技術のメモリの構造と、消去動作原理を以下で説明する。
【0003】
このメモリは、図8に示したように、P型ウェル領域901上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極909、P型ウェル領域901表面に形成された第1のN型拡散層領域902及び第2のN型拡散層領域903から構成される。ゲート絶縁膜は、シリコン酸化膜904、905の間にシリコン窒化膜906が挟まれた、いわゆるONO(Oxide Nitride Oxide)膜からなる。シリコン窒化膜906中には、第1及び第2のN型拡散層領域902、903の端部付近に、それぞれ第1の電荷保持部907、第2の電荷保持部908が形成されている。
【0004】
これらの電荷保持部907、908のそれぞれの個所での電荷の多寡をトランジスタのドレイン電流として読み出すことができる。
【0005】
次に、このメモリにおける消去動作方法を説明する。ここで、消去とは、電荷保持部907,908に蓄積された電子を減少させることを指すこととする。特開2001−156189号公報では、第2の電荷保持部908に蓄積された電子を減少させるために、ドレイン電極(第2のN型拡散層領域903)に正電圧Vdを、ゲート電極909に負電圧Vgを印加する方法が開示されている。P型ウェル領域901と第2のN型拡散層領域903とのPN接合では、大きな逆方向バイアスがかかり、バンド間トンネルによりホール(正孔)が発生し、負電圧が印加されたゲート電極方向に引き込まれる。これにより、第2の記憶保持部908に正孔が注入される。第2の記憶保持部908に注入された正孔は、蓄積されていた電子と再結合し、実質的に蓄積された電子を減少させる。これにより、2つある電荷保持部の特定の側を消去することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−156189号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術のメモリでは、電荷保持部からドレイン電極へ電子を引き抜くために大きな電圧が必要であるという問題があった。
【0008】
例えば、第2の電荷保持部908を消去する場合を考える。上記説明から明らかなように、消去動作を行うためにはP型ウェル領域901と第2のN型拡散層領域903とのPN接合でバンド間トンネルを起こさなければならない。バンド間トンネルを起こすためには、PN接合部のポテンシャルが十分急峻でなければならない。そのため、上記PN接合では大きな逆バイアスを印加しなければならなかった。したがって、上記従来技術のメモリセルの書換えには大きな電圧を必要とした。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、電界効果トランジスタ型の不揮発性メモリにおいて、低い電圧で書換え動作が可能な半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、第1の発明の半導体記憶装置は、
P型半導体基板、半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜の表面に、2つのN型拡散層領域とゲート電極と電荷保持部とを備えた電界効果トランジスタが形成され、
一方のN型拡散層領域を基準電圧とし、
他方のN型拡散層領域を基準電圧より高い電圧とし、
上記ゲート電極を基準電圧より低い電圧とし、
上記P型半導体基板、半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜を基準電圧より高い電圧とすることにより、正孔を上記電荷保持部に注入することを特徴としている。
【0011】
上記構成によれば、上記電界効果トランジスタの電荷保持部に正孔を注入する際に、一方のN型拡散層領域と上記P型半導体基板、半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜とのPN接合に順方向電圧を印加している。したがって、上記順方向電圧を印加しない場合に比べて、上記電荷保持部に正孔を注入するために要する電圧を低くすることができる。それゆえ、半導体記憶装置の動作電圧を低くすることが可能となる。したがって、半導体記憶装置の劣化を抑制し、低消費電力化することができる。
【0012】
また、第2の発明の半導体記憶装置は、
N型半導体基板、半導体基板内に設けられたN型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたN型半導体膜の表面に、2つのP型拡散層領域とゲート電極と電荷保持部とを備えた電界効果トランジスタが形成され、
一方のP型拡散層領域を基準電圧とし、
他方のP型拡散層領域を基準電圧より低い電圧とし、
上記ゲート電極を基準電圧より高い電圧とし、
上記N型半導体基板、半導体基板内に設けられたN型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたN型半導体膜を基準電圧より低い電圧とすることにより、電子を上記電荷保持部に注入することを特徴としている。
【0013】
上記第2の発明の半導体記憶装置は、第1の発明の半導体記憶装置において、上記電界効果トランジスタの極性をPチャネル型としたものである。したがって、第1の発明の半導体記憶装置と同様な作用効果を奏する。
【0014】
1実施の形態では、
一方のN型拡散層領域と上記P型半導体基板、半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜との電圧差の絶対値は、0.7V以上であって1V以下であることを特徴としている。
【0015】
上記実施の形態によれば、一方のN型拡散層領域と上記P型半導体基板、半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜とのPN接合に流れる順方向電流を、他方のN型拡散層領域と上記P型半導体基板、半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜とのPN接合における正孔の発生に十分なだけ得ることができる。同時に、上記順方向電流が、半導体記憶装置の消費電流を著しく増大させることがない。
【0016】
また、1実施の形態では、
一方のP型拡散層領域と上記N型半導体基板、半導体基板内に設けられたN型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたN型半導体膜との電圧差の絶対値は、0.7V以上であって1V以下であることを特徴としている。
【0017】
上記実施の形態によれば、一方のP型拡散層領域と上記N型半導体基板、半導体基板内に設けられたN型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたN型半導体膜とのPN接合に流れる順方向電流を、他方のP型拡散層領域と上記N型半導体基板、半導体基板内に設けられたN型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたN型半導体膜とのPN接合における電子の発生に十分なだけ得ることができる。同時に、上記順方向電流が、半導体記憶装置の消費電流を著しく増大させることがない。
【0018】
また、1実施の形態では、
上記ゲート電極のゲート長は、0.015μm以上であって0.5μm以下であることを特徴としている。
【0019】
上記実施の形態によれば、他方のN型又はP型拡散層領域とP型又はN型半導体基板(P型又はN型ウェル領域、P型又はN型半導体膜)とのPN接合において、十分に正孔又は電子が発生し、上記電荷保持部に注入することができる。また、メモリ動作の基本となるトランジスタ動作が確保される。
【0020】
また、1実施の形態では、
上記電界効果トランジスタは、上記N型又はP型拡散層領域端近傍に上記電荷保持部を2つ備えることを特徴としている。
【0021】
上記実施の形態によれば、各端子に適切な電圧を与えて書換え及び読出し動作を行うことにより、特定の側の電荷保持部に蓄積された電荷量を変化させ、かつ該電荷量を検出することができる。すなわち、1つの電界トランジスタで2ビット動作が可能となる。したがって、ビット当りの占有面積を減少して高集積な半導体記憶装置が提供される。
【0022】
また、1実施の形態では、
上記電界効果トランジスタのゲート絶縁膜は、
上記P型半導体基板、P型ウェル領域、P型半導体膜、N型半導体基板、N型ウェル領域、N型半導体膜のいずれかに接する第1の絶縁膜と、
上記ゲート電極に接する第2の絶縁膜と、
上記第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜に挟まれた、電荷を捕獲する機能を有する電荷捕獲膜とからなり、
上記電荷保持部は上記電荷捕獲膜内に設けられたことを特徴としている。
【0023】
上記実施の形態によれば、上記ゲート絶縁膜は電荷を捕獲する機能を有する電荷捕獲膜が、絶縁膜で挟まれた積層構造になっている。したがって、電荷捕獲膜が蓄積する電荷が外部に散逸するのを防止し、半導体記憶装置の保持時間を長くすることができる。また、上記電荷保持部は上記電荷捕獲膜内に設けられているおり、上記電荷捕獲膜は絶縁膜を介してゲート電極と半導体基板とに挟まれているので、ゲート電極に印加された電圧により十分強い電界がかかる。そのため、正孔又は電子が該電界に引き込まれて効率よく上記電荷保持部に注入される。したがって、半導体記憶装置の動作速度を上げることができる。
【0024】
また、1実施の形態では、
上記第1及び第2の絶縁膜はシリコン酸化膜であることを特徴としている。
【0025】
上記実施の形態によれば、上記電荷捕獲膜を挟む第1及び第2の絶縁膜は、電荷に対するポテンシャル障壁が高く、欠陥準位が少ないシリコン酸化膜からなるので、膜厚が薄くても電荷捕獲膜に蓄積された電荷が外部に散逸するのを防ぐことができる。したがって、半導体記憶装置のゲート絶縁膜を薄くして短チャネル効果を抑え、より微細化することが可能になる。
【0026】
また、1実施の形態では、
上記第1及び第2の絶縁膜の厚さは、いずれも5nm〜10nmであることを特徴としている。
【0027】
上記実施の形態によれば、シリコン酸化膜からなる上記第1及び第2の絶縁膜の厚さは、いずれも5nm〜10nmであるから、半導体記憶装置の保持特性を良好に保ちつつ、かつ、高速な動作速度を維持することができる。
【0028】
また、1実施の形態では、
上記電荷捕獲膜はシリコン窒化膜であることを特徴としている。
【0029】
上記実施の形態によれば、上記電荷捕獲膜は、電荷をトラップする準位を高密度に有するシリコン窒化膜からなる。したがって、半導体記憶装置のメモリ効果を大きくすることができる。
【0030】
また、1実施の形態では、
上記電荷捕獲膜の厚さは2nm〜10nmであることを特徴としている。
【0031】
上記実施の形態によれば、シリコン窒化膜からなる上記電荷捕獲膜の厚さが2nm〜10nmであるので、素子ごとのばらつきを抑え、書換え可能回数を多くすることができる。
【0032】
また、1実施の形態では、
上記電荷捕獲膜は、シリコン微粒子を内包したシリコン酸化膜であることを特徴としている。
【0033】
上記実施の形態によっても、上記電荷捕獲膜は、シリコン微粒子を内包したシリコン酸化膜からなるため、上記シリコン微粒子に電荷を蓄積してメモリ効果を発現することができる。
【0034】
また、1実施の形態では、
上記電荷捕獲膜は、不純物を注入したシリコン酸化膜であることを特徴としている。
【0035】
上記実施の形態によっても、上記電荷捕獲膜は、不純物を注入したシリコン酸化膜からなるため、上記シリコン微粒子に電荷を蓄積してメモリ効果を発現することができる。
【0036】
また、1実施の形態では、
上記P型半導体基板、P型ウェル領域、P型半導体膜のいずれかの内部であって、上記P型半導体基板、P型ウェル領域、P型半導体膜のいずれかと上記N型拡散層との接合近傍であって、上記ゲート電極下である領域に、高濃度不純物領域が形成されており、
上記高濃度不純物領域におけるP型不純物濃度は、上記高濃度不純物領域の周囲の上記P型半導体基板、P型ウェル領域、P型半導体膜におけるP型不純物濃度よりも高いことを特徴としている。
【0037】
上記実施の形態によれば、上記P型半導体基板、P型ウェル領域、P型半導体膜のいずれかと上記N型拡散層とのPN接合部のポテンシャル勾配が急峻になるため、高エネルギー正孔の生成が助長され、書換え動作時の電荷注入効率が高くなる。したがって、半導体記憶装置の書換え速度を早くすることができる。更には、半導体記憶装置の短チャネル効果を抑制し、より微細化することが可能となる。
【0038】
また、1実施の形態では、
上記N型半導体基板、N型ウェル領域、N型半導体膜のいずれかの内部であって、上記N型半導体基板、N型ウェル領域、N型半導体膜のいずれかと上記P型拡散層との接合近傍であって、上記ゲート電極下である領域に、高濃度不純物領域が形成されており、
上記高濃度不純物領域におけるN型不純物濃度は、上記高濃度不純物領域の周囲の上記N型半導体基板、N型ウェル領域、N型半導体膜におけるN型不純物濃度よりも高いことを特徴としている。
【0039】
上記実施の形態によれば、上記N型半導体基板、N型ウェル領域、N型半導体膜のいずれかと上記P型拡散層とのPN接合部が急峻になるため、高エネルギー電子の生成が助長され、書換え動作時の電荷注入効率が高くなる。したがって、半導体記憶装置の書換え速度を早くすることができる。更には、半導体記憶装置の短チャネル効果を抑制し、より微細化することが可能となる。
【0040】
また、第3の発明の半導体記憶装置は、
P型半導体基板、半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜の表面に、2つのN型拡散層領域とゲート電極と電荷保持部とを備えた電界効果トランジスタが形成され、
上記電界効果トランジスタのゲート絶縁膜は、
上記P型半導体基板、半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜のいずれかに接する第1の絶縁膜と、
上記ゲート電極に接する第2の絶縁膜と、
上記第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜に挟まれた電荷捕獲膜とからなり、
上記電荷保持部は上記電荷捕獲膜内であって、上記N型拡散層領域端近傍のそれぞれに2つ設けられ、
一方のN型拡散層領域を基準電圧とし、
他方のN型拡散層領域を基準電圧より高い電圧とし、
上記ゲート電極を基準電圧より低い電圧とし、
上記P型半導体基板、半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜を基準電圧より高い電圧とすることにより、正孔を他方のN型拡散層領域端近傍に存する上記電荷保持部に注入し、
一方のN型拡散層領域を基準電圧とし、
他方のN型拡散層領域を基準電圧より高い電圧とし、
上記ゲート電極を基準電圧より高い電圧とすることにより、電子を他方のN型拡散層領域端近傍に存する上記電荷保持部に注入することを特徴としている。
【0041】
上記構成によれば、上記電荷保持部は、上記電荷捕獲膜内であって、上記N型拡散層領域端近傍のそれぞれに2つ設けられている。そして、上記電界効果トランジスタの電荷保持部に正孔を注入する際に、上記各ノードに上記のような条件で電圧を印加しているので、上記電荷保持部の特定の側を一方向に書換えることができる。更には、上記電界効果トランジスタの電荷保持部に電子を注入する際に、上記各ノードに上記のような条件で電圧を印加しているので、上記特定の側の電荷保持部を上記一方向とは逆方向に書換えることができる。それゆえ、2つの電荷保持部のそれぞれについて独立に両方向の書換えが可能となる。すなわち、半導体記憶装置を2ビット書換え動作させることが可能となる。
【0042】
また、上記一方向に書換える際に、一方のN型拡散層領域と上記P型半導体基板、半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜とのPN接合に順方向電圧を印加している。したがって、上記順方向電圧を印加しない場合に比べて、上記電荷保持部に正孔を注入するために要する電圧を低くすることができる。それゆえ、半導体記憶装置の動作電圧を低くすることが可能となる。したがって、半導体記憶装置の劣化を抑制し、低消費電力化することができる。
【0043】
1実施の形態では、
他方のN型拡散層領域を基準電圧とし、
一方のN型拡散層領域を基準電圧より高い電圧とし、
上記ゲート電極を基準電圧より高い電圧とすることにより、他方のN型拡散層領域端の近傍に存する電荷保持部における電荷の多寡を読出すことを特徴としている。
【0044】
上記実施の形態によれば、読出し時において、他方のN型拡散層領域から一方のN型拡散層領域に電子を移動させている。すなわち、他方のN型拡散層領域をソースとし、一方のN型拡散層領域をドレインとしている。そのため、一方のN型拡散層領域端の近傍に存する電荷保持部の記憶情報に影響されることなく、他方のN型拡散層領域端の近傍に存する電荷保持部の記憶情報を検知することができる。すなわち、半導体記憶装置を2ビット読出し動作させることが可能となる。
【0045】
また、第4の発明の半導体記憶装置は、
N型半導体基板、半導体基板内に設けられたN型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたN型半導体膜の表面に、2つのP型拡散層領域とゲート電極と電荷保持部とを備えた電界効果トランジスタが形成され、
上記電界効果トランジスタのゲート絶縁膜は、
上記N型半導体基板、半導体基板内に設けられたN型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたN型半導体膜のいずれかに接する第1の絶縁膜と、
上記ゲート電極に接する第2の絶縁膜と、
上記第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜に挟まれた電荷捕獲膜とからなり、
上記電荷保持部は上記電荷捕獲膜内であって、上記P型拡散層領域端近傍のそれぞれに2つ設けられ、
一方のP型拡散層領域を基準電圧とし、
他方のP型拡散層領域を基準電圧より低い電圧とし、
上記ゲート電極を基準電圧より高い電圧とし、
上記N型半導体基板、半導体基板内に設けられたN型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたN型半導体膜を基準電圧より低い電圧とすることにより、電子を他方のP型拡散層領域端近傍に存する上記電荷保持部に注入し、
一方のP型拡散層領域を基準電圧とし、
他方のP型拡散層領域を基準電圧より低い電圧とし、
上記ゲート電極を基準電圧より低い電圧とすることにより、正孔を他方のP型拡散層領域端近傍に存する上記電荷保持部に注入することを特徴としている。
【0046】
上記第4の発明の半導体記憶装置は、第3の発明の半導体記憶装置において、上記電界効果トランジスタの極性をPチャネル型としたものである。したがって、第1の発明の半導体記憶装置と同様な作用効果を奏する。
【0047】
1実施の形態では、
他方のP型拡散層領域を基準電圧とし、
一方のP型拡散層領域を基準電圧より低い電圧とし、
上記ゲート電極を基準電圧より低い電圧とすることにより、他方のP型拡散層領域端の近傍に存する電荷保持部における電荷の多寡を読出すことを特徴としている。
【0048】
上記実施の形態によれば、読出し時において、他方のP型拡散層領域から一方のP型拡散層領域に電子を移動させている。すなわち、他方のP型拡散層領域をソースとし、一方のP型拡散層領域をドレインとしている。そのため、一方のP型拡散層領域端の近傍に存する電荷保持部の記憶情報に影響されることなく、他方のP型拡散層領域端の近傍に存する電荷保持部の記憶情報を検知することができる。すなわち、半導体記憶装置を2ビット読出し動作させることが可能となる。
【0049】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体記憶装置は、半導体基板上に2つの拡散層領域とゲート電極とを有し、電荷保持部に蓄積された電荷の多寡を記憶情報とする電界効果トランジスタ型のメモリ素子において、上記電荷保持部に蓄積された電荷量を変化させる際に一方の拡散層領域と上記半導体基板とのPN接合に順方向電圧を印加することを特徴とするものである。
【0050】
本発明の半導体記憶装置は、半導体基板上、好ましくは半導体基板内に形成されたN導電型又はP導電型のウェル領域上に形成されることが好ましい。
【0051】
半導体基板としては、半導体装置に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の元素半導体、GaAs、InGaAs、ZnSe等の化合物半導体による基板、SOI基板又は多層SOI基板等の種々の基板を用いることができる。なかでもシリコン基板又は表面半導体層としてシリコン層が形成されたSOI基板が好ましい。この半導体基板上には、素子分離領域が形成されていることが好ましく、更にトランジスタ、キャパシタ、抵抗等の素子、これらによる回路、半導体装置や層間絶縁膜が組み合わせられて、シングル又はマルチレイヤー構造で形成されていてもよい。なお、素子分離領域は、LOCOS膜、トレンチ酸化膜、STI膜等種々の素子分離膜により形成することができる。半導体基板は、P型又はN型の導電型を有していてもよく、半導体基板には、少なくとも1つの導電型(P型又はN型)のウェル領域が形成されていることが好ましい。半導体基板及びウェル領域の不純物濃度は、当該分野で公知の範囲のものが使用できる。なお、半導体基板としてSOI基板を用いる場合には、表面半導体層には、ウェル領域が形成されていてもよいが、チャネル領域下にボディ領域を有していてもよい。
【0052】
ゲート絶縁膜は、以下の実施の形態で述べるように、電荷保持部としての機能を併せ持っていてもよい。この場合ゲート絶縁膜は、例えば、ポリシリコン膜をシリコン酸化膜が挟む構造や、シリコン窒化膜をシリコン酸化膜が挟む構造や、酸化アルミニウム膜をシリコン酸化膜が挟む構造とすることができる。また、ゲート絶縁膜と電荷保持部の機能を分離して、電荷保持部をゲート絶縁膜とは別に設けてもよい。この場合、電荷保持部は、例えば、ゲートサイドウォールスペーサーに内包することができる。ゲート絶縁膜と電荷保持部の機能を分離した場合のゲート絶縁膜としては、通常、半導体装置に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等の絶縁膜;酸化アルミニウム膜、酸化チタニウム膜、酸化タンタル膜、酸化ハフニウム膜などの高誘電体膜の単層膜又は積層膜を使用することができる。なかでも、シリコン酸化膜が好ましい。
【0053】
ゲート電極は、ゲート絶縁膜上に、通常半導体装置に使用されるような形状で形成されている。ゲート電極は、特に限定されるものではなく、導電膜、例えば、ポリシリコン:銅、アルミニウム等の金属:タングステン、チタン、タンタル等の高融点金属:高融点金属とのシリサイド等の単層膜又は積層膜等が挙げられる。ゲート電極の膜厚は、例えば50〜400nm程度の膜厚で形成することが適当である。
【0054】
ソース/ドレイン領域は、半導体基板又はウェル領域と逆導電型の拡散層領域として、ゲート電極の両側にそれぞれに配置されている。ソース/ドレイン領域と半導体基板又はウェル領域との接合は、不純物濃度の勾配が急峻であることが好ましい。不純物濃度の勾配が急峻であることにより接合のポテンシャル勾配も急峻になるため、ホットエレクトロンやホットホールが低電圧で効率良く発生し、より低電圧で高速な動作が可能となるからである。ソース/ドレイン領域の接合深さは、特に限定されるものではなく、得ようとする半導体記憶装置の性能等に応じて、適宜調整することができる。なお、半導体基板としてSOI基板を用いる場合には、ソース/ドレイン領域は、表面半導体層の膜厚よりも小さな接合深さを有していてもよいが、表面半導体層の膜厚とほぼ同程度の接合深さを有していることが好ましい。
【0055】
本発明の半導体記憶装置は、ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極、ソース・ドレイン領域(第1の拡散層領域及び第2の拡散層領域)、及び半導体基板を4個の端子として、この4個の端子のそれぞれに所定の電位を与えることにより、書込み、消去、読出しの各動作を行う。なお、本発明の半導体記憶装置はNチャネル型(ソース・ドレイン領域がN導電型を有する)であってもよいし、Pチャネル型(ソース・ドレイン領域がP導電型を有する)であってもよい。
【0056】
ここで、半導体記憶装置がNチャネル型であるとき、電荷保持部に正孔を注入する(すなわち、電荷保持部に蓄積された電子を減ずる)動作を、消去動作と呼ぶことにする。半導体記憶装置がPチャネル型であるときは、電荷保持部に電子を注入する(すなわち、電荷保持部に蓄積された正孔を減ずる)動作が消去動作となる。また、半導体記憶装置がNチャネル型であるとき、電荷保持部に電子を注入する(すなわち、電荷保持部に蓄積された電子を増加させる)動作を、書込み動作と呼ぶことにする。以下の説明では、半導体記憶装置がNチャネル型であるときを説明する。半導体記憶装置がPチャネル型であるときは、電子と正孔の役割が入れ替わり、印加する電圧の符号を反対にすればよい。
【0057】
本発明の半導体記憶装置(Nチャネル型)の消去動作は、一方のN型拡散層領域を基準電圧とし、他方のN型拡散層領域を基準電圧より高い電圧とし、ゲート電極を基準電圧より低い電圧とし、P型半導体基板(半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜でもよい)を基準電圧より高い電圧とすることにより、正孔を電荷保持部に注入することにより行う。言い換えれば、P型半導体基板(半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜でもよい)を基準電圧とし、一方のN型拡散層領域を基準電圧より低い電圧とし、他方のN型拡散層領域を基準電圧より高い電圧とし、ゲート電極を基準電圧より低い電圧とすると表現することもできる。従来技術の消去方法とは、一方のN型拡散層領域とP型半導体基板とのPN接合に順方向電圧が印加されているという点が大きく異なる。具体的な動作原理及び動作電圧の例は、後述する。上記消去動作によれば、消去動作に要する電圧を小さくすることが可能であり、半導体記憶装置の劣化を抑制し、低消費電力化することが可能となる。
【0058】
本発明の半導体記憶装置は、概ね通常の電界効果トランジスタ形成プロセスによって形成することができる。例えば、半導体記憶装置の電荷保持部がゲートサイドウォールスペーサーに内包される構造を有する場合は、ゲート電極の側壁に電荷保持機能を有するサイドウォールスペーサを形成する他は、通常の電界効果トランジスタを形成するプロセスと同じでよい。
【0059】
本発明の半導体記憶装置は、電池駆動の携帯電子機器、特に携帯情報端末に用いることができる。携帯電子機器としては、携帯情報端末、携帯電話、ゲーム機器等が挙げられる。
【0060】
以下に、本発明の半導体記憶装置について、図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態の半導体記憶装置を構成するメモリ素子に関して、図1〜図4を用いて説明する。図1は、このメモリ素子の一例の概略断面図を示している。図2は、このメモリ素子の変形例の概略断面図を示している。図3は、このメモリ素子の消去時に印加する電圧を示している。図4は、消去原理を説明するものである。以下、メモリ素子がNチャネル型の場合を説明する。メモリ素子がP型の場合は、メモリ素子各部の導電型を逆にし、電子と正孔の役割を逆にし、更に、動作方法においては各端子に印加する電圧の符号を逆にすればよい。
【0061】
図1は、ゲート誘電体構造としてONO(Oxide Nitride Oxide)三層構造を用いた、本発明の実施の形態1にかかるメモリ素子1の断面図である。P型の導電型を有する半導体基板101内には、N型の導電型を有する第1の拡散層領域102及び第2の拡散層領域103が形成されており、半導体基板101と2つの拡散層領域102、103との境界にはそれぞれPN接合が形成されている。拡散層領域102、103の間にはチャネル領域が形成されており、チャネル領域上にはシリコン酸化膜104が形成されている。シリコン酸化膜104は、5nm〜10nmの厚さで形成されるのが好ましい。シリコン酸化膜104上には電荷捕獲膜106が形成されている。電荷捕獲膜106は、2nm〜10nmの厚さで形成されるのが好ましい。電荷捕獲膜106はまた、シリコン窒化膜又は酸化アルミニウム膜からなるのが好ましい。電荷捕獲膜106がシリコン窒化膜又は酸化アルミニウム膜からなる場合、シリコン窒化膜又は酸化アルミニウム膜は電荷を高密度にトラップするので、メモリ素子のメモリ効果を大きくすることができる。電荷捕獲膜106に注入された電荷は、この電荷捕獲膜106によって捕獲される。それゆえ電荷捕獲膜106は、記憶保持膜として機能する。電荷捕獲膜としては、シリコン窒化膜や酸化アルミニウム膜の他に、シリコン微粒子を内部に分散させたシリコン酸化膜、砒素などを不純物として注入したシリコン酸化膜を用いることができる。シリコン酸化膜104の厚さは5nm以上であることが好ましく、これにより電荷捕獲膜106に捕獲された電荷がシリコン酸化膜104をトンネルして散逸するのを防ぐことができる。したがって、本発明のメモリ素子は記憶情報の保持特性に優れている。このメモリ素子1は、2ビットの情報を記憶可能であり、電荷が蓄積される領域は、第1の記憶保持部107及び第2の記憶保持部108である。
【0062】
電荷捕獲膜106上には、シリコン酸化膜105が形成されている。シリコン酸化膜105上にはゲート電極109が形成されている。シリコン酸化膜105は、電荷捕獲膜106とゲート電極109とを絶縁する機能を有している。シリコン酸化膜105は、5nm〜10nmの厚さで形成されるのが好ましい。これにより、電荷捕獲膜106に捕獲された電荷がシリコン酸化膜105をトンネルして散逸するのを防ぐことができる。ゲート電極109は、例えば、厚さ150nmの他結晶シリコンで形成することができる。
【0063】
電荷捕獲膜はシリコン窒化膜、酸化アルミニウム膜、不純物を含んだシリコン酸化膜以外にも、図2に示すメモリ素子2のように、シリコン微粒子221を内部に含んだシリコン酸化膜222を用いることができる。201はP型の導電型を有する半導体基板、202はN型の導電型を有する第1の拡散層領域、203はN型の導電型を有する第2の拡散層領域、204及び205はシリコン酸化膜、209はゲート電極である。このメモリ素子2も、メモリ素子1と同様に2ビットの情報を記憶可能であり、電荷が蓄積される領域は、第1の記憶保持部207及び第2の記憶保持部208である。
【0064】
書込み動作
図1のメモリ素子1への書込みは、従来のフラッシュEEPROMメモリ・セルへの書込みと同様の方法で行われる。即ち、第2の記憶保持部108に書込みを行う場合、ゲート電極109及び第2の拡散層領域103のそれぞれに正の電圧を印加する。具体的には、例えば、ゲート電極109には+5Vを印加して、第2の拡散層領域103には+7Vを印加する。すなわち、第1の拡散層領域102をソースとして、第2の拡散層領域103をドレイン領域とする。これにより、チャネル領域と第2の拡散層領域103との境界付近でホットエレクトロンが発生し、電荷捕獲膜106のうち第2の記憶保持部108に電子が捕獲される。ここで重要なのは、注入された電子は第2の記憶保持部108に局在するということである。それゆえ、閾値はチャネル領域全域にわたって一様に上昇するのではなく、第2の記憶保持部108の直下においてのみ上昇する。
【0065】
第1の記憶保持部107に書込みを行う場合は、上記第2の記憶保持部108に書込みを行う場合において、第1の拡散層領域102と第2の拡散層領域103を入れ替えればよい。すなわち、第1の拡散層領域102と第2の拡散層領域とに印加する電圧を入れ替えればよい。上述のように、第1の記憶保持部107と第2の記憶保持部108に選択的に書込みを行うことができ、本発明のメモリ素子は2ビット書込みが可能となるのである。
【0066】
読出し動作
図1のメモリ素子1に記憶された情報を読み出す場合は、書込み動作の場合とはソースとドレインとの役割を入れ替える。すなわち、第2の記憶保持部108に書込みを行う場合は、上述のように第1の拡散層領域102をソースとし、第2の拡散層領域103をドレイン領域としたが、第2の記憶保持部108の読出しを行う場合は、第1の拡散層領域102をドレインとし、第2の拡散層領域103をソースとする。具体的には、例えば、第1の拡散層領域102に+2Vを、ゲート電極109に+1Vを印加する。これにより、第2の記憶保持部108に電子が多く捕獲されている場合には閾値が上昇してドレイン電流が減少し、電子が少ない場合(又は正孔が多く蓄積されている場合)には閾値が低下してドレイン電流が増加する。なお、上記のような電圧条件においては、第1の記憶保持部の直下におけるチャネル領域ではピンチオフが起こっているため、第1の記憶保持部における電荷の多寡は閾値やドレイン電流量にはほとんど影響を与えない。したがって、専ら第2の記憶保持部の情報のみを選択的に読み出すことができるのである。
【0067】
第1の記憶保持部107の読出しを行う場合は、上記第2の記憶保持部108の読出しを行う場合において、第1の拡散層領域102と第2の拡散層領域103を入れ替えればよい。すなわち、第1の拡散層領域102と第2の拡散層領域とに印加する電圧を入れ替えればよい。上述のように、第1の記憶保持部107と第2の記憶保持部108を選択的に読出すことができ、本発明のメモリ素子は2ビット読出しが可能となるのである。
【0068】
消去動作
第2の電荷保持部108に記憶された情報を消去する場合、図3に示すように、第2の拡散層領域103に正電圧(例えば、+5V)、第1の拡散層領域102に0V、ゲート電極109に負電圧(例えば、−4V)、P型半導体基板101に正電圧(例えば、+0.8V)を印加すればよい。すなわち、一方のN型拡散層領域(第1の拡散領域102)を基準電圧とし、他方のN型拡散層領域(第2の拡散領域103)を基準電圧より高い電圧とし、ゲート電極109を基準電圧より低い電圧とし、P型半導体基板101を基準電圧より高い電圧とする。なお、各ノードに印加する電圧は相対的なものであるから、P型半導体基板101を基準電圧(0V)とすれば、上記条件は、第2の拡散層領域103が+4.2V、第1の拡散層領域102が−0.8V、ゲート電極109が−4.8Vである場合と等価である。この場合、P型半導体基板101を基準電圧とし、一方のN型拡散層領域(第1の拡散層領域102)を基準電圧より低い電圧とし、他方のN型拡散層領域(第2の拡散層領域103)を基準電圧より高い電圧とし、ゲート電極109を基準電圧より低い電圧とすると表現することもできる。
【0069】
なお、本実施の形態の半導体記憶装置をセルアレイ状に配置する場合は、各メモリ素子のP型半導体基板を共通とし(すなわち、1個のP型半導体基板上にメモリセルアレイを形成するか、もしくは、半導体基板中に共通のP型ウェル領域を形成してその上にメモリセルアレイを形成する)、P型半導体基板の電位を固定して動作させるのが好ましい。なぜなら、共通のP型半導体基板は非常に大きな面積のPN接合を有しているから、P型半導体基板の電位を変動させるとPN接合に纏わる容量を充電するために大きな電流が流れるからである。
【0070】
図4は、図3の切断面線A−A’における、電子に対するエネルギーダイヤグラム(エネルギーバンド図)を示している。図4(a)は、P型半導体基板101に第1の拡散層領域102と同じ0Vを印加したとき(他のノードの電位は図3と同じ)を表し、図4(b)は、P型半導体基板101に+0.8Vを印加したとき(すなわち図3に示した条件と同じ)を、それぞれ表している。図4中、Ecは伝導電子帯端を、Evは価電子帯端をそれぞれ表しており、EcとEvの間はバンドギャップとなっている。
【0071】
図4(a)の場合、消去動作に必要な正孔を発生させるためには半導体基板101と第2の拡散層領域103との間には、バンド間トンネルが起きるに足る電位差を与えなければならない。実験の結果、図4(a)の場合(すなわち、P型半導体基板101と第1の拡散層領域102とは共に0V、他のノードの電位は図3と同じ)では消去動作は起こらなかった。すなわち、半導体基板101と第2の拡散層領域103とのPN接合に印加された電圧は、バンド間トンネルが起きるに足らなかった。しかしながら、第1の拡散層領域102とP型半導体基板101との間のPN接合に、順方向電圧(0.8V)を印加した場合(図3に示した条件)、消去が行なわれた。このことは、消去動作に要する電圧を下げることができることを意味している。
【0072】
図4(b)に示すように、上記順方向電圧を印加すると、P型半導体基板101のポテンシャルは、点線から実線へと低下する。そのため、第1の拡散層領域102からP型半導体基板101へ電子が注入される(電子151)。P型半導体基板101へ注入された電子151は、第2の拡散層領域103とP型半導体基板101との間のPN接合に達して電界により加速され、散乱によりエネルギーを失う(電子152)。このとき失われたエネルギーは、価電子帯の電子が受け取り、電子153と正孔154との対を発生させる。かくして第2の拡散層領域103とP型半導体基板101との間のPN接合において正孔が発生し、更に第2の電荷保持部108に注入されて消去が行われる。
【0073】
上記消去動作方法によれば、第2の拡散層領域103とP型半導体基板101に印加する逆方向バイアスが比較的小さい場合であってもホールを発生させ、消去動作が可能となる。それゆえ、メモリ素子の動作電圧を低くすることが可能となる。したがって、低消費電力化、メモリ素子劣化の抑制を実現することができる。
【0074】
第1の拡散層領域102とP型半導体基板101との間に印加する順方向バイアスは、0.7V以上の時に消去が行われ、0.7V未満では全く消去が行われなかった。また、上記順方向バイアスが1Vを越えると順方向電流が増大して、消去動作時の消費電流が著しく増大してしまった。したがって、上記順方向バイアスは、0.7V以上であって、1V以下であるのが好ましい。
【0075】
上記消去動作方法において、第1の電荷保持部107に記憶された情報を消去する場合は、上記において第1の拡散層領域102と第2の拡散層領域903の電位を入れ替えればよい。
【0076】
上記各動作方法では、ソース電極とドレイン電極を入れ替えることによって1トランジスタ当り2ビットの書換え及び読出しを行っているが、ソース電極とドレイン電極を固定して1ビットメモリとして動作させてもよい。この場合、メモリ素子をセルアレイ状に配置したときにソース/ドレイン領域の一方を共通固定電圧とすることが可能となり、ソース/ドレイン領域に接続されるビット線の本数を半減できる。
【0077】
上記各動作方法からみた、ONO膜の好ましい膜厚構成を述べる。シリコン酸化膜104が5nm未満であるとき、各電荷保持部に蓄積された電子が散逸して保持特性が悪化する。一方、シリコン酸化膜104が10nmを超えると、メモリ素子の書換え時間が長くなり、かつ、メモリ素子の短チャネル効果が悪化する。したがって、シリコン酸化膜104の膜厚は、5nm〜10nmであるのが好ましい。
【0078】
電荷捕獲膜106は、2nm〜10nmであるのが好ましい。なぜなら、電荷捕獲膜106が2nm未満のときは、膜厚及び膜質を均一にするのが難しいため、保持する電荷量にばらつきが生じ、メモリ素子ごとのばらつきが顕著になる。また、電荷捕獲膜106が10nmを超えると、書換え動作時に電荷保持膜106に注入された電荷が十分局在せずに広がって分布するようになる。それゆえ、書込み動作及び消去動作によって捕獲電荷を完全に打ち消すことが困難になる。したがって、電荷捕獲膜106の厚さを上記範囲内にすれば、素子ごとのばらつきを抑え、書換え可能回数を多くすることができる。
【0079】
シリコン酸化膜105は、5nm〜10nmであるのが好ましい。なぜなら、シリコン酸化膜105が5nm未満のときは、各電荷保持部に蓄積された電子が散逸して保持特性が悪化するからである。また、シリコン酸化膜105が10nmを超えると、メモリ素子の短チャネル効果が悪化する。
【0080】
本発明のメモリ素子1は、更に、ポケット注入部121を設けているのが好ましい。ポケット注入部121は、半導体基板101と同じ導電型(Nチャネル型素子の場合はP型)を有し、かつ、その実効不純物濃度は半導体基板101より高い。ポケット注入部121は、チャネル領域と第1及び第2の拡散層領域102、103とのPN接合付近に形成されている。
【0081】
ポケット注入部121は、ゲート電極109を形成後、例えば、11B+イオンを15〜100KeVのエネルギー、1×1013/cm3〜5×1013cm3のドーズ量で、基板に垂直な方向から15°〜45°傾斜して注入することにより形成することができる。
【0082】
ポケット注入部121が形成されている場合、該PN接合のポテンシャル勾配が急峻になるため、ホットエレクトロン又はホットホールの生成が助長され、書換え動作時の電荷注入効率が高くなる。したがって、メモリ素子の書換え速度を早くすることができる。更には、メモリ素子の短チャネル効果を抑制し、より微細化することが可能となる。
(実施の形態2)
本実施の形態の半導体記憶装置を構成するメモリ素子を図5及び図6を用いて説明する。
【0083】
本実施の形態の半導体記憶装置を構成するメモリ素子は、2ビットの記憶が可能な不揮発性メモリセルとして、図5に示したように、半導体基板11上に、ゲート絶縁膜12を介して、通常のトランジスタと同程度のゲート長を有するゲート電極13が形成されており、ゲート絶縁膜12及びゲート電極13の側壁に、サイドウォールスペーサ形状の電荷保持部61,62が形成されて構成されている。また、電荷保持部61,62のゲート電極13と反対の側には、それぞれ第1の拡散層領域17及び第2の拡散層領域18(ソース/ドレイン領域)が形成されており、このソース/ドレイン領域17,18は、ゲート電極13端部に対して(ゲート電極13が形成された領域41から)オフセットされている。
【0084】
電荷保持部61,62は、図5に示すように、シリコン窒化膜15がシリコン酸化膜14,16で挟まれた構造を有しているのが好ましい。シリコン窒化膜15は、電荷(電子又は正孔)をトラップして蓄積する機能を有している。主として電荷を蓄積するのは、シリコン窒化膜15のうち、オフセット領域42上に存する部分である。このように、電荷保持部はシリコン窒化膜15がシリコン酸化膜14,16によって挟まれた構造を有するため、電荷保持部への電荷注入効率が上がり、書換え動作(書込み及び消去動作)の高速化が実現する。
【0085】
本実施の形態の半導体記憶装置を構成するメモリ素子の電荷保持部は、ゲート絶縁膜とは独立して形成されている。したがって、電荷保持部が担うメモリ機能と、ゲート絶縁膜が担うトランジスタ動作機能とは分離されている。また、ゲート電極の両側に形成された2つの電荷保持部はゲート電極により分離されているので書換え時の干渉が効果的に抑制される。したがって、このメモリトランジスタは、2ビットの記憶が可能で、かつ微細化が容易である。
【0086】
また、ソース/ドレイン領域17,18がゲート電極13からオフセットされていることにより、ゲート電極13に電圧を印加したときのオフセット領域42における反転しやすさを、電荷保持部に蓄積された電荷量によって大きく変化させることができ、メモリ効果を増大させることが可能となる。更に、通常のロジックトランジスタと比較して、短チャネル効果を強力に防止することができ、より一層のゲート長の微細化を図ることができる。また、構造的に短チャネル効果抑制に適しているため、ロジックトランジスタと比較して膜厚の厚いゲート絶縁膜を採用することができ、信頼性を向上させることが可能となる。
【0087】
電荷保持部の構造は、上記の例に限らず、例えば、電荷保持部に電荷を蓄積する機能を有する量子ドットが含まれているものでもよい。また、電荷保持部の形状はサイドウォール形状を有している必要はなく、ゲート電極の両側にあって、その一部が半導体基板11及びソース/ドレイン領域17,18に接していればよい。
【0088】
このメモリの動作方法は、実施の形態1で説明したものと同様である。また、各動作原理も実施の形態1と同様である。
【0089】
読出し動作時においては、ゲート電極13で覆われないチャネル領域(オフセット領域42)が残されている場合、ゲート電極13で覆われないチャネル領域においては、電荷保持部61,62の余剰電子の有無によって反転層が消失又は形成され、その結果、大きなヒステリシス(閾値の変化)が得られる。ただし、オフセット領域42の幅があまり大きいと、ドレイン電流が大きく減少し、読出し速度が大幅に遅くなる。したがって、十分なヒステリシスと読出し速度が得られるように、オフセット領域42の幅を決定することが好ましい。
【0090】
なお、拡散層領域17,18がゲート電極13端に達している場合、つまり、拡散層領域17,18とゲート電極13とがオーバーラップしている場合であっても、書込み動作によりトランジスタの閾値はほとんど変わらなかったが、ソース/ドレイン端での寄生抵抗が大きく変わり、ドレイン電流は大きく減少(1桁以上)した。したがって、ドレイン電流の検出により読出しが可能であり、メモリとしての機能を得ることができる。ただし、より大きなメモリヒステリシス効果を必要とする場合、拡散層領域17,18とゲート電極13とがオーバーラップしていない(オフセット領域42が存在する)ほうが好ましい。
【0091】
図6は、図5で示すメモリ素子で実測した、ゲート長が変化した時の消去能力の変化を示す図である。図6を作成するための実験では、メモリ素子に書込み動作を行った後にメモリ素子の閾値を測定し、続いて上記消去動作方法で消去動作を行った後に再び閾値を測定した。書込み動作を行う前の閾値の初期値は約0.4Vであった。書込み動作を行なった後は、ゲート長に関わらずほぼ一定の閾値(0.85V)まで閾値が上昇した。一方、消去動作を行った後は、ゲート長が0.5μm以下ではほぼ一定の閾値(0.4V)まで閾値が低下したが、0.6μm以上ではゲート長の増大にしたがって急速に消去能力が低下していくことが分かった。このような現象が起きる原因は、以下のように考えられる。図4(b)において、第1の拡散層領域102からP型半導体基板中101に注入された電子151は、ゲート長(チャネル長)が十分に短い場合には、第2の拡散層領域103とP型半導体基板101とのPN接合に達することができる。しかし、ゲート長(チャネル長)が長い場合には、電子151は再結合などによって失われ、もしくは負電位を持つゲート電極から反発力を受け、上記PN接合に達する数が著しく減少する。そのため、図6に示すような特性が得られたものと考えられる。これより、このメモリ素子のゲート長は0.5μm以下であることが好ましい。このメモリ素子は、既に述べたように特に微細化に適しているのであるが、ゲート長が0.015μm以下となると、もはやトランジスタ動作自体が困難なものとなる。以上のことを総合して、このメモリ素子のゲート長は0.015μm以上であって、0.5μm以下であることが好ましい。なお、図6に示した現象は、ゲート絶縁膜より上の構造には依存しない。したがって、メモリ素子のゲート長に関する上記条件は、他の実施の形態に記載したメモリ素子においても適用される。
(実施の形態3)
本実施の形態の半導体記憶装置を構成するメモリ素子を図7により説明する。
【0092】
本実施の形態の半導体記憶装置を構成するメモリ素子の記憶保持部は、フローティングゲートを含んでいる。すなわち、ゲート絶縁膜は、ポリシリコン膜912(フローティングゲート)がシリコン酸化膜911で覆われた構造になっている。このようなメモリ素子は、フローティングゲート912に蓄積された電荷は、フローティングゲート内を自由に移動できるため、1ビット動作となる。しかしながら、実施の形態1で説明したものと同様な方法で消去動作を行うことができるから、メモリ素子の動作電圧を低くすることが可能となる。したがって、低消費電力化、メモリ素子劣化の抑制を実現することができる。
【0093】
【発明の効果】
以上より明らかなように、第1の発明の半導体記憶装置によれば、上記電界効果トランジスタの電荷保持部に正孔を注入する際に、一方のN型拡散層領域と上記P型半導体基板、半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜とのPN接合に順方向電圧を印加している。したがって、上記順方向電圧を印加しない場合に比べて、上記電荷保持部に正孔を注入するために要する電圧を低くすることができる。それゆえ、半導体記憶装置の動作電圧を低くすることが可能となる。したがって、半導体記憶装置の劣化を抑制し、低消費電力化することができる。
【0094】
また、第2の発明の半導体記憶装置は、第1の発明の半導体記憶装置において、上記電界効果トランジスタの極性をPチャネル型としたものである。したがって、第1の発明の半導体記憶装置と同様な作用効果を奏する。
【0095】
1実施の形態によれば、一方のN型拡散層領域と上記P型半導体基板、半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜とのPN接合に流れる順方向電流を、他方のN型拡散層領域と上記P型半導体基板、半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜とのPN接合における正孔の発生に十分なだけ得ることができる。同時に、上記順方向電流が、半導体記憶装置の消費電流を著しく増大させることがない。
【0096】
また、1実施の形態によれば、一方のP型拡散層領域と上記N型半導体基板、半導体基板内に設けられたN型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたN型半導体膜とのPN接合に流れる順方向電流を、他方のP型拡散層領域と上記N型半導体基板、半導体基板内に設けられたN型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたN型半導体膜とのPN接合における電子の発生に十分なだけ得ることができる。同時に、上記順方向電流が、半導体記憶装置の消費電流を著しく増大させることがない。
【0097】
また、1実施の形態では、上記ゲート電極のゲート長は、0.015μm以上であって0.5μm以下であるから、他方のN型又はP型拡散層領域とP型又はN型半導体基板(P型又はN型ウェル領域、P型又はN型半導体膜)とのPN接合において、十分に正孔又は電子が発生し、上記電荷保持部に注入することができる。また、メモリ動作の基本となるトランジスタ動作が確保される。
【0098】
また、1実施の形態では、電界効果トランジスタは、上記N型又はP型拡散層領域端近傍に上記電荷保持部を2つ備えるから、各端子に適切な電圧を与えて書換え及び読出し動作を行うことにより、特定の側の電荷保持部に蓄積された電荷量を変化させ、かつ該電荷量を検出することができる。すなわち、1つの電界トランジスタで2ビット動作が可能となる。したがって、ビット当りの占有面積を減少して高集積な半導体記憶装置が提供される。
【0099】
また、1実施の形態によれば、上記ゲート絶縁膜は電荷を捕獲する機能を有する電荷捕獲膜が、絶縁膜で挟まれた積層構造になっている。したがって、電荷捕獲膜が蓄積する電荷が外部に散逸するのを防止し、半導体記憶装置の保持時間を長くすることができる。また、上記電荷保持部は上記電荷捕獲膜内に設けられているおり、上記電荷捕獲膜は絶縁膜を介してゲート電極と半導体基板とに挟まれているので、ゲート電極に印加された電圧により十分強い電界がかかる。そのため、正孔又は電子が該電界に引き込まれて効率よく上記電荷保持部に注入される。したがって、半導体記憶装置の動作速度を上げることができる。
【0100】
また、1実施の形態によれば、上記電荷捕獲膜を挟む第1及び第2の絶縁膜は、電荷に対するポテンシャル障壁が高く、欠陥準位が少ないシリコン酸化膜からなるので、膜厚が薄くても電荷捕獲膜に蓄積された電荷が外部に散逸するのを防ぐことができる。したがって、半導体記憶装置のゲート絶縁膜を薄くして短チャネル効果を抑え、より微細化することが可能になる。
【0101】
また、1実施の形態によれば、シリコン酸化膜からなる上記第1及び第2の絶縁膜の厚さは、いずれも5nm〜10nmであるから、半導体記憶装置の保持特性を良好に保ちつつ、かつ、高速な動作速度を維持することができる。
【0102】
また、1実施の形態によれば、上記電荷捕獲膜は、電荷をトラップする準位を高密度に有するシリコン窒化膜からなる。したがって、半導体記憶装置のメモリ効果を大きくすることができる。
【0103】
また、1実施の形態によれば、シリコン窒化膜からなる上記電荷捕獲膜の厚さが2nm〜10nmであるので、素子ごとのばらつきを抑え、書換え可能回数を多くすることができる。
【0104】
また、1実施の形態によっても、上記電荷捕獲膜は、シリコン微粒子を内包したシリコン酸化膜からなるため、上記シリコン微粒子に電荷を蓄積してメモリ効果を発現することができる。
【0105】
また、1実施の形態によっても、上記電荷捕獲膜は、不純物を注入したシリコン酸化膜からなるため、上記シリコン微粒子に電荷を蓄積してメモリ効果を発現することができる。
【0106】
また、1実施の形態によれば、上記P型半導体基板、P型ウェル領域、P型半導体膜のいずれかと上記N型拡散層とのPN接合部が急峻になるため、高エネルギー正孔の生成が助長され、書換え動作時の電荷注入効率が高くなる。したがって、半導体記憶装置の書換え速度を早くすることができる。更には、半導体記憶装置の短チャネル効果を抑制し、より微細化することが可能となる。
【0107】
また、1実施の形態によれば、上記N型半導体基板、N型ウェル領域、N型半導体膜のいずれかと上記P型拡散層とのPN接合部が急峻になるため、高エネルギー電子の生成が助長され、書換え動作時の電荷注入効率が高くなる。したがって、半導体記憶装置の書換え速度を早くすることができる。更には、半導体記憶装置の短チャネル効果を抑制し、より微細化することが可能となる。
【0108】
また、第3の発明の半導体記憶装置によれば、上記電荷保持部は、上記電荷捕獲膜内であって、上記N型拡散層領域端近傍のそれぞれに2つ設けられている。そして、上記電界効果トランジスタの電荷保持部に正孔を注入する際に、上記各ノードに上記のような条件で電圧を印加しているので、上記電荷保持部の特定の側を一方向に書換えることができる。更には、上記電界効果トランジスタの電荷保持部に電子を注入する際に、上記各ノードに上記のような条件で電圧を印加しているので、上記特定の側の電荷保持部を上記一方向とは逆方向に書換えることができる。それゆえ、2つの電荷保持部のそれぞれについて独立に両方向の書換えが可能となる。すなわち、半導体記憶装置を2ビット書換え動作させることが可能となる。
【0109】
また、上記一方向に書換える際に、一方のN型拡散層領域と上記P型半導体基板、半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜とのPN接合に順方向電圧を印加している。したがって、上記順方向電圧を印加しない場合に比べて、上記電荷保持部に正孔を注入するために要する電圧を低くすることができる。それゆえ、半導体記憶装置の動作電圧を低くすることが可能となる。したがって、半導体記憶装置の劣化を抑制し、低消費電力化することができる。
【0110】
1実施の形態によれば、読出し時において、他方のN型拡散層領域から一方のN型拡散層領域に電子を移動させている。すなわち、他方のN型拡散層領域をソースとし、一方のN型拡散層領域をドレインとしている。そのため、一方のN型拡散層領域端の近傍に存する電荷保持部の記憶情報に影響されることなく、他方のN型拡散層領域端の近傍に存する電荷保持部の記憶情報を検知することができる。すなわち、半導体記憶装置を2ビット読出し動作させることが可能となる。
【0111】
また、第4の発明の半導体記憶装置は、第3の発明の半導体記憶装置において、上記電界効果トランジスタの極性をPチャネル型としたものである。したがって、第1の発明の半導体記憶装置と同様な作用効果を奏する。
【0112】
1実施の形態によれば、読出し時において、他方のP型拡散層領域から一方のP型拡散層領域に電子を移動させている。すなわち、他方のP型拡散層領域をソースとし、一方のP型拡散層領域をドレインとしている。そのため、一方のP型拡散層領域端の近傍に存する電荷保持部の記憶情報に影響されることなく、他方のP型拡散層領域端の近傍に存する電荷保持部の記憶情報を検知することができる。すなわち、半導体記憶装置を2ビット読出し動作させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導体記憶装置の第1の例を示す要部の概略断面図である。
【図2】 本発明の半導体記憶装置の第1の例の変形を示す要部の概略断面図である。
【図3】 本発明の半導体記憶装置の第1の例の消去動作を説明する図である。
【図4】 図3の切断面線A−A’における、電子に対するエネルギーダイヤグラムである。
【図5】 発明の半導体記憶装置の第2の例を示す要部の概略断面図である。
【図6】 本発明の半導体記憶装置の消去動作における、ゲート長が変化した時の消去能力の変化を示すグラフである。
【図7】 本発明の半導体記憶装置の第3の例を示す要部の概略断面図である。
【図8】 従来の半導体記憶装置を示す要部の概略断面図である。
【符号の説明】
11、101…半導体基板
12…ゲート絶縁膜
13、109…ゲート電極
14、16、104、105…シリコン酸化膜
15…シリコン窒化膜
17、102…第1の拡散層領域
18、103…第2の拡散層領域
41…ゲート電極が形成された領域
42…オフセット領域
61、62…電荷保持部
106…電荷捕獲膜
107…第1の記憶保持部
108…第2の記憶保持部
121…ポケット注入部
Claims (17)
- P型半導体基板、半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜の表面に、2つのN型拡散層領域と単一のゲート電極と電荷保持部とを備えた電界効果トランジスタが形成され、
上記電界効果トランジスタのゲート絶縁膜は、
上記P型半導体基板、半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜のいずれかに接する第1の絶縁膜と、
上記ゲート電極に接する第2の絶縁膜と、
上記第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜に挟まれた電荷捕獲膜とからなり、
上記電荷保持部は上記電荷捕獲膜内に設けられ、
一方のN型拡散層領域を基準電圧とし、
他方のN型拡散層領域を基準電圧より高い電圧とし、
上記ゲート電極を基準電圧より低い電圧とし、
上記P型半導体基板、半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜を基準電圧より高い電圧とすることにより、正孔を上記電荷保持部に注入する半導体記憶装置において、
上記正孔を上記電荷保持部に注入する際において、一方のN型拡散層領域と上記P型半導体基板、半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜との電圧差の絶対値は、0.7V以上であって1V以下であることを特徴とする半導体記憶装置。 - N型半導体基板、半導体基板内に設けられたN型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたN型半導体膜の表面に、2つのP型拡散層領域と単一のゲート電極と電荷保持部とを備えた電界効果トランジスタが形成され、
上記電界効果トランジスタのゲート絶縁膜は、
上記N型半導体基板、半導体基板内に設けられたN型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたN型半導体膜のいずれかに接する第1の絶縁膜と、
上記ゲート電極に接する第2の絶縁膜と、
上記第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜に挟まれた電荷捕獲膜とからなり、
上記電荷保持部は上記電荷捕獲膜内に設けられ、
一方のP型拡散層領域を基準電圧とし、
他方のP型拡散層領域を基準電圧より低い電圧とし、
上記ゲート電極を基準電圧より高い電圧とし、
上記N型半導体基板、半導体基板内に設けられたN型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたN型半導体膜を基準電圧より低い電圧とすることにより、電子を上記電荷保持部に注入する半導体記憶装置において、
上記電子を上記電荷保持部に注入する際において、一方のP型拡散層領域と上記N型半導体基板、半導体基板内に設けられたN型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたN型半導体膜との電圧差の絶対値は、0.7V以上であって1V以下であることを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の半導体記憶装置において、
上記ゲート電極のゲート長は、0.015μm以上であって0.5μm以下であることを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項1乃至3に記載の半導体記憶装置において、
上記電界効果トランジスタは、上記N型又はP型拡散層領域端近傍に上記電荷保持部を2つ備えることを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項1乃至3に記載の半導体記憶装置において、
上記電界効果トランジスタのゲート絶縁膜は、
上記P型半導体基板、P型ウェル領域、P型半導体膜、N型半導体基板、N型ウェル領域、N型半導体膜のいずれかに接する第1の絶縁膜と、
上記ゲート電極に接する第2の絶縁膜と、
上記第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜に挟まれた、電荷を捕獲する機能を有する電荷捕獲膜とからなり、
上記電荷保持部は上記電荷捕獲膜内に設けられたことを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項5に記載の半導体記憶装置において、
上記第1及び第2の絶縁膜はシリコン酸化膜であることを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項6に記載の半導体記憶装置において、
上記第1及び第2の絶縁膜の厚さは、いずれも5nm〜10nmであることを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項5に記載の半導体記憶装置において、
上記電荷捕獲膜はシリコン窒化膜であることを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項8に記載の半導体記憶装置において、
上記電荷捕獲膜の厚さは2nm〜10nmであることを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項5に記載の半導体記憶装置において、
上記電荷捕獲膜は、シリコン微粒子を内包したシリコン酸化膜であることを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項5に記載の半導体記憶装置において、
上記電荷捕獲膜は、不純物を注入したシリコン酸化膜であることを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項5に記載の半導体記憶装置において、
上記P型半導体基板、P型ウェル領域、P型半導体膜のいずれかの内部であって、上記P型半導体基板、P型ウェル領域、P型半導体膜のいずれかと上記N型拡散層との接合近傍であって、上記ゲート電極下である領域に、高濃度不純物領域が形成されており、
上記高濃度不純物領域におけるP型不純物濃度は、上記高濃度不純物領域の周囲の上記P型半導体基板、P型ウェル領域、P型半導体膜におけるP型不純物濃度よりも高いことを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項5に記載の半導体記憶装置において、
上記N型半導体基板、N型ウェル領域、N型半導体膜のいずれかの内部であって、上記N型半導体基板、N型ウェル領域、N型半導体膜のいずれかと上記P型拡散層との接合近傍であって、上記ゲート電極下である領域に、高濃度不純物領域が形成されており、
上記高濃度不純物領域におけるN型不純物濃度は、上記高濃度不純物領域の周囲の上記N型半導体基板、N型ウェル領域、N型半導体膜におけるN型不純物濃度よりも高いことを特徴とする半導体記憶装置。 - P型半導体基板、半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜の表面に、2つのN型拡散層領域と単一のゲート電極と電荷保持部とを備えた電界効果トランジスタが形成され、
上記電界効果トランジスタのゲート絶縁膜は、
上記P型半導体基板、半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜のいずれかに接する第1の絶縁膜と、
上記ゲート電極に接する第2の絶縁膜と、
上記第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜に挟まれた電荷捕獲膜とからなり、
上記電荷保持部は上記電荷捕獲膜内であって、上記N型拡散層領域端近傍のそれぞれに2つ設けられ、
一方のN型拡散層領域を基準電圧とし、
他方のN型拡散層領域を基準電圧より高い電圧とし、
上記ゲート電極を基準電圧より低い電圧とし、
上記P型半導体基板、半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜を基準電圧より高い電圧とすることにより、正孔を他方のN型拡散層領域端近傍に存する上記電荷保持部に注入し、
一方のN型拡散層領域を基準電圧とし、
他方のN型拡散層領域を基準電圧より高い電圧とし、
上記ゲート電極を基準電圧より高い電圧とすることにより、電子を他方のN型拡散層領域端近傍に存する上記電荷保持部に注入する半導体記憶装置において、
上記正孔および電子を上記電荷保持部に注入する際において、一方のN型拡散層領域と上記P型半導体基板、半導体基板内に設けられたP型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたP型半導体膜との電圧差の絶対値は、0.7V以上であって1V以下であることを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項14に記載の半導体記憶装置において、
他方のN型拡散層領域を基準電圧とし、
一方のN型拡散層領域を基準電圧より高い電圧とし、
上記ゲート電極を基準電圧より高い電圧とすることにより、他方のN型拡散層領域の近傍に存する電荷保持部における電荷の多寡を読出すことを特徴とする半導体記憶装置。 - N型半導体基板、半導体基板内に設けられたN型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたN型半導体膜の表面に、2つのP型拡散層領域と単一のゲート電極と電荷保持部とを備えた電界効果トランジスタが形成され、
上記電界効果トランジスタのゲート絶縁膜は、
上記N型半導体基板、半導体基板内に設けられたN型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたN型半導体膜のいずれかに接する第1の絶縁膜と、
上記ゲート電極に接する第2の絶縁膜と、
上記第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜に挟まれた電荷捕獲膜とからなり、
上記電荷保持部は上記電荷捕獲膜内であって、上記P型拡散層領域端近傍のそれぞれに2つ設けられ、
一方のP型拡散層領域を基準電圧とし、
他方のP型拡散層領域を基準電圧より低い電圧とし、
上記ゲート電極を基準電圧より高い電圧とし、
上記N型半導体基板、半導体基板内に設けられたN型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたN型半導体膜を基準電圧より低い電圧とすることにより、電子を他方のP型拡散層領域端近傍に存する上記電荷保持部に注入し、
一方のP型拡散層領域を基準電圧とし、
他方のP型拡散層領域を基準電圧より低い電圧とし、
上記ゲート電極を基準電圧より低い電圧とすることにより、正孔を他方のP型拡散層領域端近傍に存する上記電荷保持部に注入する半導体記憶装置において、
上記電子および正孔を上記電荷保持部に注入する際において、一方のP型拡散層領域と上記N型半導体基板、半導体基板内に設けられたN型ウェル領域又は絶縁体上に配置されたN型半導体膜との電圧差の絶対値は、0.7V以上であって1V以下であることを特徴とする半導体記憶装置。 - 請求項16に記載の半導体記憶装置において、
他方のP型拡散層領域を基準電圧とし、
一方のP型拡散層領域を基準電圧より低い電圧とし、
上記ゲート電極を基準電圧より低い電圧とすることにより、他方のP型拡散層領域の近傍に存する電荷保持部における電荷の多寡を読出すことを特徴とする半導体記憶装置。
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