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JP4483262B2 - フタロシアニン混晶 - Google Patents
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Description

本発明は、インキ、塗料などに使用可能なフタロシアニン混晶に関するものである。
これまで、銅フタロシアニンには、α型、γ型、σ型、ε型、R型、X型、π型、ρ型、β型の各結晶型が知られている。
このうち、やや赤みの青色色相をもつα型、緑みの青色色相をもつβ型、赤みの青色色相をもつε型の結晶型が、青色顔料として多く使用されている。しかし、α型、β型、ε型の銅フタロシアニンのみでは、嗜好の多様化に伴うさまざまな色相の青色に対する要求に対応し切れてはいなかった。そのため、中間色調を表現するには、一般的には、顔料を混合して調色することが行われていた。しかし、調色法では、鮮明性の低下を防ぐことはできなかった。
榎田年男著、「Polymorphic Characterizations of Phthlocyanines and Applications for Electrophotographic Photoreceptors 」 千葉大学博士論文 1992年 「第43回顔料入門講座テキスト」社団法人色材協会 2001年
本発明は、従来知られている結晶型の銅フタロシアニン顔料とは異なる青色色相をもち、各結晶型の銅フタロシアニン顔料の混合では達成できない鮮明性を備え、青色顔料として有用なフタロシアニン混晶を提供することを目的とする。
本発明のフタロシアニン混晶は、トリフルオロメチル基を有し、中心金属がコバルト、ニッケルまたは銅であるフタロシアニンと、トリフルオロメチル基以外の置換基を有していてもよい、中心金属がコバルト、ニッケルまたは銅であるフタロシアニンとからなり、CuKα線を用いたX線回折で5.9〜6.4°にピークをしめすことを特徴とする。


本発明のフタロシアニン混晶は、鮮明で、従来知られている結晶型の銅フタロシアニン顔料とは異なる青色色相をもつため、鮮明性を犠牲にすることなく嗜好の多様化に対応した色バリエーションを達成できる。
本発明のフタロシアニン混晶は、トリフルオロメチル基を有し、中心金属がコバルト、ニッケルまたは銅であるフタロシアニンと、トリフルオロメチル基以外の置換基を有していてもよい、中心金属がコバルト、ニッケルまたは銅であるフタロシアニンとからなる混晶であり、5.9〜6.4°に混晶によるピークをしめす。
混晶とは、2種のフタロシアニンの1つ1つの分子が、ある規則性を持って配列して結晶を構成した状態をいい、この状態の生成は、X線回折パターンを測定することで容易に確認することができる。
2種のフタロシアニンは、溶解状態を経るか、十分な機械的な力をかけて、分子レベルで混合しても、混晶を生じなければ、X線回折パターンでピークが検出されないか、混合した2種の成分について単独で測定したX線回折パターンの重ね合わせになる。2種のフタロシアニンから混晶を生成した場合にだけ、2種の成分それぞれの単独でのX線回折パターンには観察されないピークが、混晶のX線回折パターンに生じる。2種の成分単独のX線回折パターンにはないピークが、X線回折パターン上の5.9〜6.4°に発生したことを確認することで、フタロシアニン混晶の生成を確認することができる。
トリフルオロメチル基を有し、中心金属がコバルト、ニッケルまたは銅であるフタロシアニンと、トリフルオロメチル基以外の置換基を有していてもよい、中心金属がコバルト、ニッケルまたは銅であるフタロシアニンとは、モル比で1:0.8〜1.2の間の比率で混晶を生成する。この範囲を外れた比率で混晶形成を行うと、混晶と多い方のフタロシアニンの混合物になり、そのまま混晶と一方のフタロシアニンとを含む顔料組成物となる。
トリフルオロメチル基を有し、中心金属がコバルト、ニッケルまたは銅であるフタロシアニンは、どの様な方法で合成したものでも構わない。例えば、トリフルオロメチル基を有するフタル酸から誘導されるトリフルオロメチル基を有するイソインドレニンおよびこの誘導の間の中間体から環化する方法が知られているが、このいずれから環化して得たものでもよく、使用する装置と誘導の手間を考慮して選択することができる。また、トリフルオロメチル基を有する1,2−ジハロゲン化ベンゼンをコバルト、ニッケルまたは銅のシアン化化合物と反応させる方法、カルボキシル基を有するフタロシアニンをトリフルオロメチル基に置換する方法でも構わない。トリフルオロメチル基を有し、中心金属がコバルト、ニッケルまたは銅であるフタロシアニンは、後述するトリフルオロメチル基以外の置換基を有していてもよい。
トリフルオロメチル基を有し、中心金属がコバルト、ニッケルまたは銅であるフタロシアニンと混晶を生成する、中心金属がコバルト、ニッケルまたは銅であるフタロシアニンは、トリフルオロメチル基以外の置換基、例えば、ハロゲン、ニトロ基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホイミド基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、カルボアミド基、カルボイミド基、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基等の置換基を有していてもよい。
フタロシアニン混晶は、アシッドペースティング法、ドライミリング法、ソルベントソルトミリング法等により生成することができる。ソルベントソルトミリング法は、アシッドペースティング法やドライミリング法で生成したフタロシアニン混晶の整粒目的で行うこともできる。
アシッドペースティング法は、リン酸、硫酸、トリフルオロ酢酸等の酸に、2種のフタロシアニンを完全に溶解して、他の溶媒中に注入させ、微小なフタロシアニン混晶粒子を析出させる方法である。
他の溶媒は、トリフルオロメチル基を有し、中心金属がコバルト、ニッケルまたは銅であるフタロシアニン、トリフルオロメチル基以外の置換基を有していてもよい、中心金属がコバルト、ニッケルまたは銅であるフタロシアニン、フタロシアニン混晶を溶解せず、リン酸、硫酸、トリフルオロ酢酸等の酸を溶解する溶媒であれば制限は無く、水、メチルアルコール、2−プロパノールなどのアルコール系溶剤、フラン、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル系溶剤、2−ブタノン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤等を用いることができる。酸の量は、2種のフタロシアニンを完全に溶解できる量であれば制限は無いが、多すぎると経済的に不利になり、少なすぎると粘度が高く操作が難しくなるので、使用する装置の混合力との兼ね合いで、経済的に有利な量で行う。フタロシアニンの酸への溶解は、0〜50℃の温度で行うことが好ましい。低温では酸の粘度が高くなり、溶解速度が遅くなり、高温ではフタロシアニンの分解やフタロシアニンへの反応が懸念される。
アシッドペースティング法では、工業的にはコストの観点から、硫酸溶液を水に注入する方法が一般的である。
この方法では、2種のフタロシアニンの合計1重量部を硫酸5〜30重量部に溶解し、水30〜1000重量部中に注入することが好ましい。硫酸濃度は、96〜100重量%が好ましい。96重量%未満の濃度の硫酸は、溶解度が低く必要な硫酸量が多くなり、不経済になる。100重量%を越える濃度の硫酸を用いると、スルホン化反応の危険性がある。96〜100重量%の濃度範囲の硫酸を用いる場合には、2種のフタロシアニンの合計1重量部を硫酸10〜20重量部に溶解し、水100〜200重量部に注入することが特に好ましい。
フタロシアニンの硫酸への溶解時の温度は、0〜50℃が好ましい。0℃未満では、硫酸凍結のおそれがあり、かつ溶解度も低い。50℃を越えると副反応が起こりやすくなる。注入される水の温度は、1〜60℃が好ましく、工業的には氷水が用いられる。60℃を越える水に注入すると硫酸の溶解熱で沸騰して作業が危険である。また、1℃未満に冷却すると注入される液が凍結する恐れがある。注入にかける時間は、0.1〜30分が好ましい。注入時間が長くなると、得られるフタロシアニン混晶粒子が大きくなるが分散し易くなるので、分散系にあわせた時間を選択できる。
ドライミリング法は、2種のフタロシアニンを、乾式で衝撃力を加えながら、混合する方法である。
衝撃力をえる方法としては、2種のフタロシアニンとビーズを振動させ、ビーズの衝突で衝撃を得る方法が安易である。振動は、2種のフタロシアニンとビーズを入れた容器を回転させる方法、2種のフタロシアニンとビーズを入れた容器に撹拌翼をいれ回転させてビーズを動かす方法等により行うことができる。
ビーズとしては、コスト、取り扱いの容易さから、スチール素材のビーズが用いられることが多い。ビーズ量は2種のフタロシアニンの合計1重量部に対して、5〜500重量部であり、好ましくは10〜50重量部である。5重量部未満では、ビーズおよび2種のフタロシアニンが十分対流せず不均一になり、500重量部を越えると、混晶形成の効率が低下して著しく不経済になる。また、ビーズと2種のフタロシアニンの総重量が大きくなると振動させるコストが大きくなるので、振動させるのが容易な10〜50重量部がより好ましい。
ビーズの粒径には限定はなく、装置の振動能力に合わせて選択することができる。一例として、0.3L容器を回転して振動させる方法では15〜20mmのビーズを用いた時が一番早く混晶への転移が終了し、1L容器に撹拌翼を入れてビーズを動かす方法では、直径8〜12mmのビーズを用いた時に一番早く混晶への転移が終了した例を挙げることができる。温度は特に管理する必要は無く、20〜200℃の範囲で混晶の生成が可能である。
ソルベントソルトミルング法は、2種のフタロシアニンと水溶性無機塩との混合物に、湿潤剤として少量の有機溶剤を加え,ニーダー等で強く練り込んだ後,水中に投入しハイスピードミキサー等で撹拌してスラリー状とし,このスラリーをろ過,水洗して乾燥する方法である。ソルベントソルトミリング法は、混晶生成速度が遅いので、通常は、アシッドペースティング法やドライミリング法で混晶を生成したのち粒子調整のために用いるが、時間をかければ混晶を生成できる。
フタロシアニンと無機塩との比率は、無機塩の比率が多くなるとフタロシアニン混晶の生成効率と生産性は低下するが微細化効率は向上する。フタロシアニン混晶生成率は無機塩の比率を下げると向上するが、均一に混錬することが難しくなり、無機塩の比率には下限がある。一般的には、2種のフタロシアニンの合計1重量部に対して、無機塩2〜40重量部、特に3〜25重量部を用いることが好ましい。また、湿潤剤は、フタロシアニンと無機塩とが均一な固まりとなるように加えるもので、フタロシアニンと無機塩との配合比にもよるが、通常フタロシアニンの50〜300重量%の量が用いられる。
無機塩は水溶性であれば特に限定されないが、価格の観点から塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、臭化バリウム等が用いられる。
有機溶剤は,水溶性であれば特に限定されないが,ソルトミリング時に温度が上昇し,溶剤が蒸発し易い状態になるため,安全性の点から高沸点溶剤が好ましい。例えば,2-メトキシエタノール,2-ブトキシエタノール,2-(イソペンチルオキシ)エタノール,2-(ヘキシルオキシ)エタノール,ジエチレングリコール,ジエチレングリコールモノメチルエーテル,ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル,ジエチレングリコールモノブチルエーテル,トリエチレングリコール,トリエチレングリコールモノメチルエーテル,液体ポリエチレングリコール,1-メトキシ−2-プロパノール,1-エトキシ−2-プロパノール,ジプロピレングリコール,ジプロピレングリコールモノメチルエーテル,ジプロピレングリコールモノエチルエーテル,低分子量ポリプロピレングリコール等が用いられる。
(トリフルオロメチル基を有するフタロシアニンの合成例1)
水冷管、撹拌機、温度計、窒素導入口を設置した5Lの4つ口フラスコに窒素気流下、4−トリフルオロメチルフタル酸(日本農薬株式会社製)292.5gと塩化銅(I)31.24g、尿素375g、モリブデン酸アンモニウム4水和物1.0g、ニトロベンゼン1.5kgを入れて加熱した。140℃で窒素気流を止め、その後180℃まで加熱して、この温度で6時間維持した。冷却後、メタノールを加えて一様なスラリーとして濾過した。この後、1%塩酸水溶液、N−メチル−2−ピロリドン、1%水酸化ナトリウム水溶液、50℃の温水で洗浄後、110℃で乾燥し、201.4gのテトラ(トリフルオロメチル)フタロシアニン銅を得た。FD−MASSで分子量847Daを確認した。図3にX線回折図を示す。
(トリフルオロメチル基を有するフタロシアニンの合成例2)
水冷管、撹拌機、温度計、窒素導入口を設置した5Lの4つ口フラスコに窒素気流下、4−トリフルオロメチルフタル酸(日本農薬株式会社製)292.5gと塩化コバルト(II)40.60g、尿素375g、モリブデン酸アンモニウム4水和物1.0g、ニトロベンゼン1.5kgを入れて加熱した。140℃で窒素気流を止め、その後200℃まで加熱して、この温度で6時間維持した。冷却後、メタノールを加えて一様なスラリーとして濾過した。この後、1%塩酸水溶液、N−メチル−2−ピロリドン、1%水酸化ナトリウム水溶液、50℃の温水で洗浄後、110℃で乾燥し、162.7gのテトラ(トリフルオロメチル)フタロシアニンコバルトを得た。FD−MASSで分子量843Daを確認した。
(トリフルオロメチル基を有するフタロシアニンの合成例3)
水冷管、撹拌機、温度計、窒素導入口を設置した5Lの4つ口フラスコに窒素気流下、4−トリフルオ ロメチルフタル酸(日本農薬株式会社製)292.5gと塩化ニッケル(II)40.51g、尿素37 5g、モリブデン酸アンモニウム4水和物1.0g、ニトロベンゼン1.5kgを入れて加熱した。1 40度で窒素気流を止め、その後200℃まで加熱して、この温度で6時間維持した。冷却後、メタノ ールを加えて一様なスラリーとして濾過した。この後、1%塩酸水溶液、N−メチル−2−ピロリドン 、1%水酸化ナトリウム水溶液、50℃の温水で洗浄後、110℃で乾燥し、156.4gのテトラ( トリフルオロメチル)フタロシアニンニッケルを得た。FD−MASSで分子量842Daを確認した 。
[実施例1]
合成例1で得られたテトラ(トリフルオロメチル)フタロシアニン銅30g、110℃で乾燥したα型銅フタロシアニン(東洋インキ製造株式会社製「No20−782シアニンブルー」)30g、9mmスチールビーズ2kgを1Lアトライターに仕込み、1時間撹拌した。ビーズと分離して、フタロシアニン混晶を得た。
フタロシアニン混晶について、X線回折装置(Philips Analytical社製「X‘pert−PRO」)でCuKα線を用いて、θ―2θの測定を室温で行ったところ、図1に示すようにテトラ(トリフルオロメチル)フタロシアニン銅に由来するピークはなく、明確なピークが6.1°に見られた。なお、混晶の成分であるテトラ(トリフルオロメチル)フタロシアニン銅のX線回折図(図3)と110℃で乾燥したα型銅フタロシアニン(東洋インキ製造株式会社製「No20−782シアニンブルー」)のX線回折図(図4)では5.9〜6.4°にピークが見られない。
[実施例2]
合成例1で得られたテトラ(トリフルオロメチル)フタロシアニン銅10gと110℃で乾燥したα型銅フタロシアニン(東洋インキ製造株式会社製「No20−782シアニンブルー」)10gを、同時に500gの硫酸(濃度96重量%)に15〜25℃の温度に保ちながら少しずつ添加した。すべて添加後、2時間撹拌を続けた。溶解液を撹拌した氷水5Lに2分間で添加した。添加終了時の温度は12℃であった。デカント法、ろ過法を組み合わせて硫酸を除去し、最後のろ過後、110℃で乾燥してフタロシアニン混晶を得た。
フタロシアニン混晶について、X線回折装置(Philips Analytical社製「X‘pert−PRO」)でCuKα線を用いて、θ―2θの測定を室温で行ったところ、図2に示すようにテトラ(トリフルオロメチル)フタロシアニン銅に由来するピークはなく、明確なピークが6.3°に見られた。
[実施例3]
α型銅フタロシアニンをε型銅フタロシアニン(東洋インキ製造株式会社製「リオノールブルーES」)に変えた以外は、実施例2と同様にしてフタロシアニン混晶を得た。フタロシアニン混晶について、実施例2と同様にしてX線回折装置でCuKα線を用いてθ―2θの測定を行ったところ、テトラ(トリフルオロメチル)フタロシアニン銅に由来するピークはなく、明確なピークが6.2°に見られた。
[実施例4]
α型銅フタロシアニンをコバルトフタロシアニン(山陽色素株式会社製)に変えた以外は、実施例2と同様にしてフタロシアニン混晶を得た。フタロシアニン混晶について、実施例2と同様にしてX線回折装置でCuKα線を用いてθ―2θの測定を行ったところ、テトラ(トリフルオロメチル)フタロシアニン銅に由来するピークはなく、明確なピークが6.2°に見られた。
[実施例5]
合成例1で得られたテトラ(トリフルオロメチル)フタロシアニン銅を合成例2で得られたテトラ(トリフルオロメチル)フタロシアニンコバルトに変え、α型銅フタロシアニンをコバルトフタロシアニン(山陽色素株式会社製)に変えた以外は、実施例2と同様にしてフタロシアニン混晶を得た。フタロシアニン混晶について、実施例2と同様にしてX線回折装置でCuKα線を用いてθ―2θの測定を行ったところ、テトラ(トリフルオロメチル)フタロシアニンコバルトに由来するピークはなく、明確なピークが6.1°に見られた。
[実施例6]
合成例1で得られたテトラ(トリフルオロメチル)フタロシアニン銅を合成例3で得られた(トリフルオロメチル)フタロシアニンニッケルに変え、α型銅フタロシアニンをε型銅フタロシアニン(東洋インキ製造株式会社製「リオノールブルーES」)に変えた以外は、実施例2と同様にしてフタロシアニン混晶を得た。フタロシアニン混晶について、実施例2と同様にしてX線回折装置でCuKα線を用いてθ―2θの測定を行ったところ、テトラ(トリフルオロメチル)フタロシアニンコバルトに由来するピークはなく、明確なピークが6.2°に見られた。
[実施例7]
合成例1で得られたテトラ(トリフルオロメチル)フタロシアニン銅5gと110℃で乾燥したα型銅フタロシアニン(東洋インキ製造株式会社製「No20−782シアニンブルー」)15gを、同時に500gの硫酸(濃度96重量%)に15〜25℃の温度に保ちながら少しずつ添加した。すべて添加後、2時間撹拌を続けた。溶解液を撹拌した氷水5Lに2分間で添加した。添加終了時の温度は12℃であった。デカント法、ろ過法を組み合わせて、硫酸を除去し、最後のろ過後、110℃で乾燥してフタロシアニン混晶を得た。
フタロシアニン混晶について、実施例2と同様にしてX線回折装置でCuKα線を用いてθ―2θの測定を行ったところ、テトラ(トリフルオロメチル)フタロシアニン銅に由来するピークはなく、混晶に由来する6.2°の明確なピークと、α型銅フタロシアニンに由来する6.8°と7.2°のピークが見られた。
[実施例8]
合成例1で得られたテトラ(トリフルオロメチル)フタロシアニン銅15gと110℃で乾燥したα型銅フタロシアニン(東洋インキ製造株式会社製「No20−782シアニンブルー」)5gを、同時に500gの硫酸(濃度96重量%)に15〜25℃の温度に保ちながら少しずつ添加した。すべて添加後、2時間撹拌を続けた。溶解液を撹拌した氷水5Lに2分間で添加した。添加終了時の温度は12℃であった。デカント法、ろ過法を組み合わせて、硫酸を除去し、最後のろ過後、110℃で乾燥してフタロシアニン混晶を得た。
フタロシアニン混晶について、実施例2と同様にしてX線回折装置でCuKα線を用いてθ―2θの測定を行ったところ、テトラ(トリフルオロメチル)フタロシアニン銅に由来する5.5°のピークと、混晶に由来する6.2°の明確なピークが見られ、α型銅フタロシアニンに由来するピークは見られなかった。
[比較例1]
合成例1で得られたテトラ(トリフルオロメチル)フタロシアニン銅20gを、500gの硫酸(濃度96%)に15〜25℃の温度に保ちながら少しずつ添加した。すべて添加後、2時間撹拌を続けた。溶解液を撹拌した氷水5Lに2分間で添加した。添加終了時の温度は14℃であった。デカント法、ろ過法を組み合わせて、硫酸を除去し、最後のろ過後、110℃で乾燥してTFM顔料を得た。
[比較例2]
110℃で乾燥したα型銅フタロシアニン(東洋インキ製造株式会社製「No20−782シアニンブルー」)。図4にX線回折図を示す。
[比較例3]
110℃で乾燥したα型銅フタロシアニン(東洋インキ製造株式会社製「No20−782シアニンブルー」)0.06gとTFM顔料0.24gを混合し、顔料組成物を得た。
インキ試験
実施例1で得られたフタロシアニン混晶、または比較例1〜3で得られたTFM顔料等0.3gをロジン変性フェノール樹脂使用オフセット輪転機用ワニス1.5gに分散してインキを作成し、インキを白色紙に展色した。分光光度計(MINOLTA製「SPECTROPHOTOMETER CM3600d」)を用いて、C光源2度視野の条件で展色物のC値とH値を測色した。結果を表1に示す。
Figure 0004483262
表中、C値が大きいことは鮮明性が高いことを示し、H値が小さくなると緑みの青色、H値が大きくなると赤みの青色であることを示している。表1の結果から、実施例1で得られたフタロシアニン混晶を用いたインキは、H値が比較例1や2の顔料を用いたインキ違い、色相が異なっていることがわかる。また、実施例1で得られたフタロシアニン混晶を用いたインキは、色相(H値)が同じになるように2種の顔料を混合した比較例3の顔料組成物を用いたインキよりC値が大きく、鮮明性が高いことがわかる。
本発明のフタロシアニン混晶は、インキ、塗料などの着色に利用することができる。
実施例1で得られたフタロシアニン混晶のX線回折図である。 実施例2で得られたフタロシアニン混晶のX線回折図である。 合成例1で得られたテトラ(トリフルオロメチル)フタロシアニン銅のX線回折図である。 110℃で乾燥したα型銅フタロシアニン(東洋インキ製造株式会社製「No20−782シアニンブルー」)のX線回折図である。

Claims (1)

  1. トリフルオロメチル基を有し、中心金属がコバルト、ニッケルまたは銅であるフタロシアニンと、トリフルオロメチル基以外の置換基を有していてもよい、中心金属がコバルト、ニッケルまたは銅であるフタロシアニンとからなり、CuKα線を用いたX線回折で5.9〜6.4°にピークをしめすフタロシアニン混晶。
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