JP4488151B2 - スピニング加工方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピニング加工方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スピニング加工方法の従来の技術としては、例えば、特開平2―70327号公報に開示されているように、母管材の端部を小径管に塑性加工するためのスピニング加工において、該小径管の内径に等しい外径を有する芯金を母管材の内孔に挿入し、母管材の端部から、ロールを用いたスピニング加工により小径管の成形を開始し、成形された小径管の端面をストッパにより押圧しつつ、母管材のスピニング加工を引き続き行うことが知られている。当該公報に開示された方法によれば、「ロール加工が行われている箇所から自由端部への材料の逃げがストッパにより規制されるため、ロール加工部における管材の薄肉化が防止できる。」などと記載されている(当該公報第3頁左下欄第6行〜同欄第9行)。
【0003】
また、別の従来の技術としては、特開平11−132038号公報に触媒コンバータの製造方法として開示されているように、金属管内に触媒担体を挿入した後、該触媒担体の前後の金属管をスピニング加工にて縮径して触媒担体の外周部を保持する筒状の保持部と該部の前後に位置するテーパ状のコーン部を形成すると共にそのコーン部の肉厚を保持部の肉厚よりも大きく形成すること、さらには、金属管の両端をその軸方向に押圧しつつスピニング加工を施して両コーン部の肉厚を、その保持部側から接続部側に至るにつれて徐々に厚く形成することが知られている。そして、当該公報には、肉厚を厚く形成するすなわち増肉するために、上記特開平2―70327号公報と同様に、スピニング加工工具の回転と同時に(素管の)両端部の端面を回転体(ストッパ)によって管軸方向に押圧することが記載されている(当該公報段落番号0022)。
【0004】
さらに別の従来の技術としては、特許番号第2922201号公報に開示されているように、管軸回りに回転される鋼管に対して成形ローラを逆方向に公転させることによって相対公転速度を高くして、加工時間を短縮することが知られている。また、当該公報には、「鋼管に対し、成形ローラの公転方向とは反対の方向の回転力が強制的に加わるため、鋼管に、引張力と捻じり力が与えられて縮小しようとするため鋼管の寸法が大きくなることなく所望の形状、寸法が確実に得られる。」などと記載されている(当該公報段落番号0031)。
【0005】
ところで、素管は、一般的に、圧延材を曲げてその両端縁を互いに接合することにより成形される。このような素管では、圧延方向によって弾性係数が異なる、すなわち異方性が異なるため、その剛性も素管の軸方向と周方向とで異なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術のうち、特開平2―70327号公報に開示されたものにあっては、小径管の端面をストッパにより押圧しつつ素管(母管材)のスピニング加工を行うことにより、ロール加工部における素管の薄肉化を防止するにすぎず、素管のロール加工部における肉厚を厚くあるいはスピニング加工による材料の逃げに起因する以上に肉厚を薄くするなど、所望する肉厚に成形するようなスピニング加工を行うことができなかった。また、素管のスピニング加工を行う部分の肉厚が剛性が比較的低い場合には、自由端への材料の流れが規制されるとその部分が座屈するなどの可能性があるために成形が困難であり、また、成形工具(ロール)を強く押し当てると素管が変形するため、少ない成形量で繰り返しスピニング加工を行わなければならず、成形効率を向上させることができないという問題があった。
【0007】
また、上記従来の技術のうち、特開平11−132038号公報に開示された触媒コンバータの製造方法にあっても、スピニング加工時に素管を軸方向に押圧するものであるために増肉することしかできなかった。そのため、当該方法においても、特開平2―70327号公報に開示されたものと同様に、スピニング加工に起因する以上に肉厚を薄くするなど、所望する肉厚に成形するようなスピニング加工を行うことができなかった。そして、増肉することを前提として比較的肉厚が薄く剛性が低い素管をスピニング加工するため、成形が困難であると共に成形効率を向上させることができないという問題があった。
【0008】
一方、特許番号第2922201号公報に開示された従来の技術にあっては、加工時間を短縮するために軸回りに回転される素管に対して成形工具(ローラ)を逆方向に公転させて相対回転速度を高めるにすぎない。
【0009】
そして、スピニング加工を行う際には、成形ローラを相対的に公転させつつ押圧することによって素管の材料が流動するのであるが、上述した従来の技術にあっては、いずれも、素管の材料流動を制御することができず、塑性変形方向を変えて、素管の機械的性質を変えることができなかった。
【0010】
そして、上述したように、圧延材を曲げてその両端縁を互いに接合することにより成形された素管では、圧延材の異方向に起因して剛性が低い部分をスピニング加工する場合、その素管のスピニング加工する部分が不用意に変形するため、少ない成形量で繰り返しスピニング加工を行わなければならず、成形効率を向上させることができないなどの問題があった。
【0011】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、剛性の低い素管であっても変形させることなく効率的にスピニング加工を行うことができ、また、スピニング加工による素管の材料の周方向への流動を制御して、その肉厚を所望するように変化させることができ、ひいては、素管の塑性変形方向を変えることができるスピニング加工方法および装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1のスピニング加工方法にかかる発明は、上記目的を達成するため、素管に対して成形工具を公転させつつ押圧するスピニング加工時において、素管にねじり力を付与しない状態のスピニング加工により素管にかかるトルクと、素管のスピニング加工された部分の肉厚とを測定し、前記測定されたトルクと同じ大きさで周方向に反対方向のねじり力を付与した状態の素管のスピニング加工された部分の肉厚を測定し、両状態で測定された肉厚の差とねじり力との比をその成形条件における素管の特有比例定数として定め、該特有比例定数に基づいて、成形する肉厚に応じたねじり力を固定された素管に対して成形する肉厚に応じた周方向に付与することを特徴とするものである。
【0013】
請求項2のスピニング加工装置にかかる発明は、素管に対して成形工具を公転させる公転駆動手段と、成形工具を素管に対して押圧させる押圧手段と、を備えたスピニング加工装置であって、素管にねじり力を付与しない状態のスピニング加工により素管にかかるトルクと、素管のスピニング加工された部分の肉厚とを測定し、前記測定されたトルクと同じ大きさで周方向に反対方向のねじり力を付与した状態の素管のスピニング加工された部分の肉厚を測定して、両状態で測定された肉厚の差とねじり力との比から定められた、その成形条件における素管の特有比例定数に基づいて、成形する肉厚に応じたねじり力を固定された素管に制御可能に成形する肉厚に応じた周方向に付与するねじり力付与手段を設けたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項1の発明では、スピニング加工時に、素管に対して成形工具を公転させつつ押圧すると、素管の材料が公転する成形工具によって成形負荷をかけられて周方向に流動しようとする。そこで、素管にねじり力を付与しない状態のスピニング加工により素管にかかるトルクと、素管のスピニング加工された部分の肉厚とを測定し、前記測定されたトルクと同じ大きさで周方向に反対方向のねじり力を付与した状態の素管のスピニング加工された部分の肉厚を測定し、両状態で測定された肉厚の差とねじり力との比をその成形条件における素管の特有比例定数として定める。そしてこの特有比例定数に基づいて、成形する肉厚に応じたねじり力を算出し、そのねじり力を固定された素管に成形する肉厚に応じた周方向に付与した状態でスピニング加工を行うことにより、素管の材料の周方向への流動が促進または抑止するよう制御される。そのため、素管が薄くも厚くも所望の肉厚に変化するように成形されると共に、素管の塑性変形方向が変わり材料組織の密度が変更されて、引張強さや硬さ、靭性など、機械的性質が変わる。
【0015】
請求項2の発明では、公転駆動手段により素管に対して成形工具を公転させると共に、押圧手段により成形工具を素管に対して押圧させる。素管にねじり力を付与しない状態のスピニング加工により素管にかかるトルクと、素管のスピニング加工された部分の肉厚とを測定し、前記測定されたトルクと同じ大きさで周方向に反対方向のねじり力を付与した状態の素管のスピニング加工された部分の肉厚を測定して、両状態で測定された肉厚の差とねじり力との比から、その成形条件における素管の特有比例定数が定められており、この特有比例定数に基づいて、成形する肉厚に応じたねじり力が算出されている。ねじり力付与手段は、算出されたねじり力を固定された素管に成形する肉厚に応じた周方向に付与するよう制御する。これにより、素管の材料の周方向への流動が促進または抑止されるため、素管の肉厚を薄くも厚くも所望するように変化させるよう成形すると共に、素管の塑性変形方向を変えたり材料組織の密度を変更して、引張強さや硬さ、靭性など、機械的性質を変える。
【0016】
【発明の実施の形態】
最初に、本発明のスピニング加工装置の実施の一形態を主に図3に基づいて詳細に説明する。
図3に示すように、本発明のスピニング加工装置は、概略、素管Wに対してその軸C回りに成形工具1を公転させる公転駆動手段(図示は省略する)と、成形工具1を素管Wに対して押圧させる押圧手段(図示は省略する)と、素管Wの周方向に対してねじり力TFを付与するねじり力付与手段2と、を備えてなり、ねじり力付与手段2が加工条件に応じて付与するねじり力TFを制御可能に構成されている。さらに、この実施の形態におけるスピニング加工装置は、必要に応じて素管Wの軸C方向に対して圧縮応力Lおよび引張応力M(軸方向応力AF)を付与する軸方向応力付与手段3も備えている。
【0017】
素管Wは、図1に示すように、スピニング加工前においては所定の径および軸方向長さを有する中空円筒状に成形されている。図3に示すように、この実施の形態におけるスピニング加工装置は、素管Wの一端を把持するチャックなどの把持治具10と、素管Wの他端を把持する把持治具11とを有している。素管Wの両端は、その軸C回りおよび軸C方向に関して両把持治具10、11と相対的に移動不能に把持される。
【0018】
この実施の形態においては、成形工具として成形ローラ1が使用される。成形ローラ1は、ブラケット(図示は省略する)などの軸1aに回転可能に枢着される。成形ローラ1は、単数または複数で設けられる。
【0019】
この実施の形態の場合、図2に参照されるように、公転駆動手段は、成形ローラ1を両把持治具10,11に把持された素管Wの軸C回りに公転駆動させるように構成されている。
また、押圧手段は、図3に矢印Yで示すように、成形ローラ1を素管Wの径R方向に移動させて、その素管Wの軸C回りの公転径Rを拡大・縮小させるように構成されている。
さらに、軸方向移動手段3は、図3に矢印Xで示すように、成形ローラ1を素管Wに対してその軸C方向に相対的に移動させるように構成されている。
これら公転駆動手段および押圧手段の構成は公知であるため、その詳しい説明を省略する。なお、本発明を説明するにあたり、素管Wの径R方向を、図においては外向きの矢印で示しているが、この実施の形態においては、素管Wを押圧するときには素管Wの外側から軸Cに向かって成形ローラ1を移動させる。
【0020】
ねじり力付与手段2は、素管Wの一端を把持する把持治具10をその軸周りに回転可能に支持する軸20と、この軸20を回転駆動するアクチュエータ21とにより構成されている。
また、軸方向応力付与手段3は、ねじり力付与手段2を素管Wの軸C方向に移動可能に支持する支持台30と、この支持台30を軸C方向に摺動可能に支持するガイドレール31と、支持台30を軸C方向に駆動するボールねじ機構32とを備えている。
ボールねじ機構32は、素管Wの軸C方向と平行に配設されたボールねじ軸35と、支持台30の下面に設けられボールねじ軸35と螺合されるボールねじナット36と、ボールねじ軸35をその軸回りに制御可能に回転駆動するアクチュエータ37と、を備えている。
【0021】
素管Wの両端をそれぞれ把持治具10、11によって把持した状態で、ねじり力付与手段2のアクチュエータ21を所定の方向に所定量駆動すると、軸20を介して把持治具10が軸C回りに回転されて、素管Wには、その周方向に、所定の方向で所定の大きさに制御されたねじり力TFが付与される。また、軸方向応力付与手段3のアクチュエータ37を回転駆動すると、ボールねじ機構32を介して支持台30が軸C方向に移動され、両端が把持治具10、11に把持された素管Wには、その軸C方向に圧縮または引張るような応力が付与されることとなる。
【0022】
次に、本発明のスピニング加工方法の実施の一形態を、上述したように構成されたスピニング加工装置を用いる場合によって、主に図3〜図6に基づいて詳細に説明する。
本発明のスピニング加工方法は、概略、素管Wに対して成形工具1を公転させつつ径R方向に押圧するスピニング加工時において、素管Wの周方向に対してねじり力TFを付与するもので、加工条件に応じてねじり力TFを制御して付与する。さらにこの実施の形態におけるスピニング加工方法は、必要に応じて素管Wの軸C方向に対して軸方向応力AF(圧縮応力Lおよび/または引張応力M)も付与する。
【0023】
素管Wをスピニング加工するに際しては、最初に、素管Wの両端をそれぞれ把持治具10、11によって把持する。そして、素管Wの軸C回りに成形ローラ1を相対的に公転させながら、その径R方向(Y方向)に相対的に移動させて素管Wを押圧すると共に、軸C方向(X方向)に相対的に移動させて素管Wの所定の軸方向長さにスピニング加工を行う。
【0024】
このとき、ねじり力付与手段2のアクチュエータ21を駆動して、素管Wの一端を把持している把持治具10を軸C回りに回転させ、他端が把持治具11によって固定された素管Wに対してその周方向にねじり力TFを付与する。
【0025】
ここで、公転する成形ローラ1が軸C方向(X方向)に移動しながら径R方向(Y方向)に押圧されてスピニング加工されている素管Wの材料は、図4に示すように、軸方向cおよび周方向rの合成方向sに流動する。このとき、本発明では、スピニング加工時に素管Wに対して周方向に成形ローラ1の公転方向と同方向Kまたは反対方向Jのねじり力を付与して所望する肉厚に素管Wを成形する。すなわち、図5に矢印Kで示すように、成形ローラ1の相対的な公転方向と同じ方向のねじり力TFを素管Wに対して付与すると、素管Wの材料の周方向rへの流動を促進して、かかるスピニング加工されている部分の肉厚がさらに薄くなるように成形することができる。また、図5などに矢印Jで示すように、成形ローラの相対的な公転方向とは反対方向のねじり力TFを素管Wに対して付与すると、素管Wの材料の周方向rへの流動を打消すように抑制して、かかるスピニング加工されている部分の肉厚が厚くなるように成形することができる。
【0026】
この素管Wの周方向に付与するねじり力TFは、以下のようにして決定することができる。すなわち、最初に、成形ローラ1の公転速度や軸C方向への送り速度および送り量など、成形条件を設定し、素管Wにねじり力TFを付与しない通常の状態で、成形ローラ1を素管Wに対して公転させてスピニング加工を行い、このときのスピニング加工により素管Wにかかるトルクと、素管Wのスピニング加工された部分の肉厚を測定する。次いで、この測定されたトルクと同じ大きさであって反対方向のねじり力TFを素管Wに付与した状態でスピニング加工を行い、このときの素管Wのスピニング加工された部分の肉厚を測定する。そして、これら両方の場合の素管Wのスピニング加工された部分の測定された肉厚の差を算出して、かかる差とねじり力(トルク)との比をその成形条件における素管Wの特有比例定数として定める。その後、所望する肉厚に素管Wを成形するために、特有比例定数に基づいて、その所望する肉厚に相当するねじり力TFを算出し、そのねじり力TFを素管Wに付与した状態でスピニング加工を行う。
【0027】
本発明では、スピニング加工時における素管Wの周方向への材料の流動を直接制御することとしたため、スピニング加工と同時に素管Wを所望する肉厚に容易に且つ確実に成形することができる。また、本発明では、素管Wの周方向にねじり力TFを付与するため、素管Wのスピニング加工する前の肉厚が薄かったり圧延材の異方性に起因して剛性が低い場合であっても、従来の技術のように単に軸C方向に押圧することによる座屈などの変形を発生させることはない。
【0028】
さらに、本発明では、所望する肉厚に素管Wを成形するために、ねじり力TFに加えて、図3に示したボールねじ機構32を駆動することにより、素管Wの軸C方向に対して圧縮応力Lおよび/または引張応力Mを付与することができる。図6は、本発明により肉厚が異なるようにスピニング加工される素管Wの断面図と、かかる素管Wを成形するために単に軸方向に圧縮応力Lおよび/または引張応力Mを付与する場合のその大きさ(強さ)を示す説明図(イ)と、同様の肉厚の素管Wを成形するために成形ローラ1の公転方向と反対方向にねじり力TFを付与する場合(図5の矢印Jの場合)の軸C方向に付与する圧縮応力Lおよび/または引張応力Lの大きさを示す説明図(ロ)と、成形ローラ1の公転方向と同方向にねじり力TFを付与する場合(図5の矢印Kの場合)の軸C方向に付与する圧縮応力Lおよび/または引張応力Mの大きさを示す説明図(ハ)とを示したものである。
【0029】
本発明では、素管Wに付与するねじり力TFによって軸C方向の圧縮応力Lおよび/または引張応力Mを調整するため、スピニング加工時における素管Wの材料の流動を制御して、その塑性変形方向を任意に変えることができ、素管Wの材料組織を密にも粗にもすることができ、引張強さや硬さ、靭性など、機械的性質を変えることができる。
【0030】
すなわち、上述したように、成形ローラ1の公転方向と反対方向Jのねじり力TFを付与した場合(ロ)には素管Tの肉厚が厚くなるために、軸C方向の圧縮応力Lを(イ)に比して小さくすることができる。そのため、スピニング加工により素管Wの材料が軸C方向に強く流動することとなり(図4の矢印cを参照)、その組織の滑り長さが小さくなって一般的には靭性が向上する。
【0031】
一方、上述したように、成形ローラ1の公転方向と同方向Kのねじり力TFを付与した場合(ハ)には素管Wの肉厚が薄くなるために、軸C方向の圧縮応力Lを(イ)に比して大きくする。そのため、スピニング加工により素管Wの材料が周方向に強く流動することとなり(図4の矢印rを参照)、一般に径R方向に押圧している成形ローラ1への負荷が少なくなることから、その寿命が延びる。
【0032】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、予め定めた特有比例定数に基づいて、成形する肉厚に応じたねじり力を算出し、素管に対して成形工具を公転させつつ押圧するスピニング加工時において、そのねじり力を成形する肉厚に応じた周方向に固定された素管に付与した状態でスピニング加工を行うことにより、素管の材料の周方向への流動を促進または抑止するよう制御することができるため、素管を所望の肉厚に変化させるよう成形することができると共に、素管の塑性変形方向を変えて材料組織の密度を変更して、機械的性質を変えることができるスピニング加工方法を提供することができる。
【0033】
また、請求項2の発明よれば、ねじり力付与手段が、予め定められた素管の特有比例定数に基づいて、成形する肉厚に応じた周方向に成形する肉厚に応じて固定された素管に付与するねじり力を制御可能であることにより、スピニング加工による素管の材料の周方向への流動を制御して、素管を所望の肉厚に変化させるよう成形することができると共に、素管の塑性変形方向を変えて材料組織の密度を変更して、機械的性質を変えることができるスピニング加工装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 スピニング加工される前の状態の素管を示す斜視図である。
【図2】 成形工具を素管の軸回りに相対的に公転させてスピニング加工を行う状態を説明するための斜視図である。
【図3】 本発明のスピニング加工装置の実施の一形態の要部を概念的に示す断面図である。
【図4】 スピニング加工による素管の材料の流動を示す説明図である。
【図5】 本発明により素管の周方向に対して付与されるねじり力の方向を示す説明図である。
【図6】 素管を同じ肉厚に成形するために、付与されるねじり力の方向によって軸方向に付与される圧縮応力または引張応力を比較して示す説明図である。
【符合の説明】
1 成形ローラ(成形工具)
2 ねじり力付与手段
3 軸方向応力付与手段
W 素管
C 軸方向
R 径方向
TF ねじり力
K 公転方向
J 逆方向
AF 軸方向応力
L 圧縮応力
M 引張応力
Claims (2)
- 素管に対して成形工具を公転させつつ押圧するスピニング加工時において、
素管にねじり力を付与しない状態のスピニング加工により素管にかかるトルクと、素管のスピニング加工された部分の肉厚とを測定し、
前記測定されたトルクと同じ大きさで周方向に反対方向のねじり力を付与した状態の素管のスピニング加工された部分の肉厚を測定し、
両状態で測定された肉厚の差とねじり力との比をその成形条件における素管の特有比例定数として定め、
該特有比例定数に基づいて、成形する肉厚に応じたねじり力を固定された素管に対して成形する肉厚に応じた周方向に付与することを特徴とするスピニング加工方法。 - 素管に対して成形工具を公転させる公転駆動手段と、
成形工具を素管に対して押圧させる押圧手段と、を備えたスピニング加工装置であって、
素管にねじり力を付与しない状態のスピニング加工により素管にかかるトルクと、素管のスピニング加工された部分の肉厚とを測定し、前記測定されたトルクと同じ大きさで周方向に反対方向のねじり力を付与した状態の素管のスピニング加工された部分の肉厚を測定して、両状態で測定された肉厚の差とねじり力との比から定められた、その成形条件における素管の特有比例定数に基づいて、成形する肉厚に応じたねじり力を固定された素管に制御可能に成形する肉厚に応じた周方向に付与するねじり力付与手段を設けたことを特徴とするスピニング加工装置。
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