JP4497559B2 - 安定なヒドロアルコール組成物 - Google Patents
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Description
発明の分野
本発明は、皮膚消毒薬、外科手術のための手用製剤、患者の皮膚用製剤および抗菌ハンドローションとして有用な組成物に関する。さらに詳細には、本発明は、乳化剤系を使用して濃稠化される安定なヒドロアルコール組成物に関する。
背景技術
発明の背景
院内感染および感染症への曝露の管理は、病院や外科センターで働く医師、看護婦および臨床医にとって最優先の関心事である。感染を管理する最も有効な方法の1つは、各患者との接触前およびことによると接触後、ならびに特に各外科手技の前後の厳格に管理された手の消毒である。一般に、手の消毒は、抗菌石鹸と水を使用して行われる。通常、この石鹸は、有効抗菌薬としてポビドンヨード(通常は10重量%)かグルコン酸クロルヘキシジン(CHG)(通常は2重量%または4重量%)のいずれかを含むように処方される。さらに、このように処方された石鹸は、界面活性剤および場合によると低レベルのグリセリンなどの保湿剤を含む。
手の消毒は、外科手術前手洗い代替品を使用しても遂行される。これは、石鹸と水でのごしごし洗いの代わりに使用される。理想的には、外科手術前手洗い代替品は、伝統的な石鹸と水でのごしごし洗いより短い時間で、同等以上の細菌死滅を達成する。さらに、外科手術前手洗い代替品は、微生物汚染および化学薬品汚染に対する皮膚の天然のバリヤーを維持または改良すると同時に、許容できる触覚特性を提供する。外科手術前手洗い代替品の例としては、一般に高レベルのエタノールまたはイソプロパノールを消毒薬として含有し、増粘剤も含有し、さらに任意に保湿剤(たとえば、グリセリン)も含有するドロアルコールゲルなどがある。今までのところ、ヒドロアルコールゲルに使用される増粘剤は、ポリアクリル酸(Carbopolの商品名でBF Goodrich Specialty Polymers and Chemicals Division of Cleveland,Ohioから販売されている)などの陰イオンポリマーを主成分としていた。Tomlinsonに付与された米国特許第4,915,934号には、ヒドロアルコール溶剤、脂肪アルコール、および界面活性剤を主成分とするCHG-含有殺菌用フォームの使用が開示されている。この界面活性剤は、エトキシル化ソルビタンアルキレート類、エトキシル化脂肪アルコール類、およびエトキシル化ノニルフェノール類から成る群から選択される。
安定な、粘性のヒドロアルコール乳液を調製することは、2つの理由から困難である。第1に、短鎖アルコール(エタノールなど)を水性系に加えると、表面張力が劇的に低減する。たとえば、水中40重量%のエタノールの表面張力は約31dyne/cmであるのに対して、純粋な水の表面張力は20℃で約72dyne/cmである。60重量%エタノールでのヒドロアルコール溶液の表面張力は、水と比較して劇的に低い。このような組成物の表面張力は20℃で約27dyne/cmである。第2に、一般に化粧用乳液に使用される多くの界面活性剤は、ヒドロアルコールに完全にまたは部分的に溶解できるようになる。
スキンケアに関する広報51-0001-259で、Specialty Chemicals of ICI Americas of Wilmington,DEは、エタノールは幾つかの利益をスキンケア用乳液に提供することができるが、エタノールの存在下で安定な乳液を調製することが難しいため、製剤からエタノールを除くことが多いと述べている。それどころか、エタノールは、乳液の破壊にしばしば使用されると、銅広報は続けている。
Leeに付与された米国特許第4,956,170号には、ヒドロアルコール皮膚保湿/コンディショニング抗菌ゲルが開示されている。このゲルは、エタノール60〜75%および高分子増粘剤0.4〜2%を含む。この製剤は、脂肪アルコールに加えて添加された皮膚軟化油を安定化させるために、ポリエトキシル化非イオン性界面活性剤/乳化剤も含む。
Linsに付与された米国特許第5,167,950号には、アルコール含有率が高い抗菌エアゾールムースが記載されている。このムースは、アルコール、水、高分子ゲル化剤ならびにC16〜C22アルコール、エアーゾル噴射剤および非イオン性ポリエトキシル化界面活性剤を含む界面活性剤系を含む。
発明の開示
発明の概要
本発明は、手術前の手用製剤、患者用製剤、およびローションなどの皮膚消毒用の製品として有用な組成物を提供する。一般に、本発明の好ましい製剤は、単回塗付後も多回塗付後も非常に良い感触を有する。さらに、好ましい製剤は、多回塗付後、皮膚状態を維持または改良し、塗付後手洗い中にぬるぬるした感触や異常な感触は全く感じられない。本発明は、外科手術前手洗い代替品として使用されるとき、より短時間で、伝統的な石鹸と水でのごしごし洗いと同等またはそれより優れた細菌、真菌、およびウイルスの死滅を達成し、同時に微生物および化学薬品に対する皮膚の天然のバリヤーを維持または改良する。本発明は、高濃度の低級アルコールを含有するが、組成物を粘性にさせるための高分子増粘剤を必要としない、ことによってこれまでの組成物の欠点を克服する粘性組成物を提供する。
本発明は、a)重量比が60:40〜100:0の低級アルコールおよび水と、b)組成物の合計重量を基準として少なくとも0.05重量%の量の少なくとも1種の乳化剤を含む、組成物の合計重量を基準として0.5重量%〜8重量%の量で存在する増粘剤系とを含み、前記乳化剤は、(i)(A)炭素原子が少なくとも24個のアルキル基、(B)炭素原子が少なくとも24個のアルケニル基、および、(C)炭素原子が少なくとも24個のアラルキル基またはアラルケニル基からなる群より選ばれる少なくとも1個の疎水基と、(ii)(A)エーテルもしくはエステル結合を介して前記疎水基に結合しており、そして場合により、(C1〜C38)アルキルエステル、(C2〜C38)アルケニルエステルまたは(C6〜C38)アラルキルエステルを末端とする、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド含有基、(B)アルコール基、(C)多価アルコール基、(D)多価アルコールまたはそのポリエトキシル化誘導体のエステルまたはエーテル基、(E)ソルビタンまたは前記疎水基1モルあたりアルキレンオキシド2〜150モルのソルビタンのポリアルコキシル化誘導体のエステル基、および、(F)それらの組み合わせからなる群より選ばれる少なくとも1個の親水基とを含み、組成物の23℃での粘度が少なくとも4000センチポアズである、組成物を提供する。
本発明は、さらに、a)重量比が60:40〜75:25の低級アルコールおよび水と、b)組成物の合計重量を基準として少なくとも0.05重量%の量の少なくとも1種の乳化剤を含む、組成物の合計重量を基準として0.5重量%〜8重量%の量で存在する増粘剤系とを含み、前記乳化剤は、(i)(A)炭素原子が少なくとも16個のアルキル基、(B)炭素原子が少なくとも16個のアルケニル基、および、(C)炭素原子が少なくとも20個のアラルキル基またはアラルケニル基からなる群より選ばれる少なくとも1個の疎水基と、(ii)(A)エーテルもしくはエステル結合を介して前記疎水基に結合しており、そして場合により、(C1〜C38)アルキルエステル、(C2〜C38)アルケニルエステルまたは(C6〜C38)アラルキルエステルを末端とする、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド含有基、(B)アルコール基、(C)多価アルコール基、(D)多価アルコールまたはそのポリエトキシル化誘導体のエステルまたはエーテル基、(E)ソルビタンまたは前記疎水基1モルあたりアルキレンオキシド2〜150モルのソルビタンのポリアルコキシル化誘導体のエステル基、および、(F)それらの組み合わせからなる群より選ばれる少なくとも1個の親水基とを含み、前記増粘剤系は重量平均親水性種/親油性種バランスが4〜16であり、組成物の融解温度が約35℃より高く、そして組成物の23℃での粘度が少なくとも4000センチポアズである、ヒドロアルコール系組成物を提供する。
本発明はまた、a)重量比が35:65〜100:0の低級アルコールおよび水と、b)組成物の合計重量を基準として各々少なくとも0.05重量%の量の少なくとも2種の乳化剤を含む、組成物の合計重量を基準として0.5重量%〜8重量%の量で存在する増粘剤系であって、前記乳化剤の少なくとも1つは、(i)(A)炭素原子が少なくとも16個のアルキル基、(B)炭素原子が少なくとも16個のアルケニル基、および、(C)炭素原子が少なくとも20個のアラルキル基またはアラルケニル基からなる群より選ばれる少なくとも1個の疎水基と、(ii)(A)エーテルもしくはエステル結合を介して前記疎水基に結合しており、そして場合により、(C1〜C38)アルキルエステル、(C2〜C38)アルケニルエステルまたは(C6〜C38)アラルキルエステルを末端とする、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド含有基、(B)ポリエトキシル化多価アルコールのエステルまたはエーテル基、(C)前記疎水基1モルあたりアルキレンオキシド2〜150モルのポリアルコキシル化ソルビタンのエステル基、および、(D)それらの組み合わせからなる群より選ばれる少なくとも1個の親水基とを含み、他の少なくとも1つの前記乳化剤は、(i)(A)炭素原子が少なくとも16個のアルキル基、(B)炭素原子が少なくとも16個のアルケニル基、および、(C)炭素原子が少なくとも20個のアラルキル基またはアラルケニル基からなる群より選ばれる少なくとも1個の疎水基と、(ii)少なくとも1つのアルコール性またはポリヒドロアルコール性親水基とを含む、増粘剤系と、および、(c)前記低級アルコールとは異なる抗微生物剤とを含む、ローションであって、前記増粘剤系の重量平均親水性種/親油性種バランスが4〜16であり、そしてローションの融解温度が35℃より高く、そして23℃での粘度が少なくとも4000センチポアズである、ローションを提供する。
本発明はさらに、a)重量比が60:40〜100:0の低級アルコールおよび水と、b)ローションの合計重量を基準として少なくとも0.05重量%の量の少なくとも1種の乳化剤を含む、ローションの合計重量を基準として0.5重量%〜8重量%の量で存在する増粘剤系であって、前記乳化剤は、(i)(A)炭素原子が少なくとも20個のアルキル基、(B)炭素原子が少なくとも20個のアルケニル基、および、(C)炭素原子が少なくとも20個のアラルキル基またはアラルケニル基からなる群より選ばれる少なくとも1個の疎水基と、(ii)(A)エーテルもしくはエステル結合を介して前記疎水基に結合しており、そして場合により、(C1〜C38)アルキルエステル、(C2〜C38)アルケニルエステルまたは(C6〜C38)アラルキルエステルを末端とする、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド含有基、(B)アルコール基、(C)多価アルコール基、(D)多価アルコールまたはそのポリアルコキシル化誘導体のエステルまたはエーテル基、(E)ソルビタンまたは前記疎水基1モルあたりアルキレンオキシド2〜150モルのソルビタンのポリアルコキシル化誘導体のエステル基、および、(F)それらの組み合わせからなる群より選ばれる少なくとも1個の親水基とを含む、増粘剤系と、(c)クロルヘキシジン塩とを含み、前記増粘剤系の重量平均親水性種/親油性種バランスが4〜16であり、そしてローションの23℃での粘度が少なくとも4000センチポアズである、ローションを提供する。
本発明はさらに、a)重量比が60:40〜95:5の低級アルコールおよび水と、b)ローションの合計重量を基準として各々少なくとも0.05重量%の量の少なくとも1種の乳化剤を含む、ローションの合計重量を基準として0.5重量%〜8重量%の量で存在する増粘剤系を含み、前記乳化剤の少なくとも1つは室温で固体であり、そしてローションの23℃での19日後の粘度が少なくとも45,000センチポアズであり、ポリマー増粘剤を実質的に含まない、ヒドロアルコール系ローションを提供する。
本発明はさらに、a)重量比が60:40〜95:5の低級アルコールおよび水と、b)ローションの合計重量を基準として各々少なくとも0.05重量%の量の少なくとも1種の、炭化水素鎖を有する乳化剤を含む、増粘剤系とを含み、組成物の23℃での粘度が少なくとも20,000センチポアズであり、前記乳化剤の炭化水素鎖の長さおよび組成物のアルコール含有分はローションの融解温度を35℃より高く維持するように選択される、ヒドロアルコール系ローション組成物を提供する。
定義
本明細書中で使用する「環境温」は、約21〜25℃の温度範囲を指す。
本明細書中で使用する「補助増粘剤」は、増粘剤系が存在しなくても、溶剤相の粘度を上昇させる(下記の増粘剤系以外の)添加物を指す。ある補助増粘剤は、増粘剤と相乗的に作用して、結果として得られる混合物の粘度を上昇させ得る。補助増粘剤としては、可溶性で且つ膨潤性のポリマーおよびシリカ、マグネシウムアルミニウムシリケートなどの結合コロイド増粘剤があるが、この限りではない。
本明細書中で使用する「皮膚軟化剤」は、繰返し使用したときに皮膚の水分レベル、コンプライアンスまたは外観を維持または改善することができる材料を広く指す。
本明細書中で使用する「ポリマー」は、反復単位を有し、且つ数平均分子量が少なくとも20,000である天然分子または合成分子を指す。
本明細書中で使用する「乳化剤」は「界面活性剤」と同義であり、同一分子上に親水性(極性)領域および疎水性(非極性)領域を含む分子を指す。
本明細書中で使用する「乳液」は、第2非混和性液体中1液の安定した分散液を指す。
「ローション」は、噴射剤を含まない液体またはクリームを意味する。
本明細書中で使用する「溶融温度」(Tm)は、本発明の組成物または乳液が粘度を劇的に喪失する温度を指す。
本明細書中で使用する「溶剤」、「溶剤系」または「ヒドロアルコール溶剤」は、本発明におけるアルコールと水の混合物を指す。
本明細書中で使用する「安定な」は、環境温で6ヶ月静置後、または環境温で2275×gで30分間遠心分離後、10%以下の分離を示す組成物を指す。
本明細書中で使用する「界面活性剤」は、「乳化剤」と同義であり、この定義は上述の通りである。
本明細書中で使用する「増粘剤系」は、補助増粘剤なしで、23℃で少なくとも4,000cpsの粘度を本発明の組成物に提供することができる単一の乳化剤、または各乳化剤が少なくとも0.05重量%の濃度で存在する乳化剤の組み合わせを指す。
発明を実施するための最良の形態
発明の詳細な説明
本発明は低級炭化水素鎖アルコール、水、および増粘剤系を含む組成物を提供する。本発明で使用するアルコールを最初に検討し、次に増粘剤系を検討する。抗菌薬(抗微生物剤)や皮膚軟化剤など、組成物に任意に加えられる成分をその後に検討し、次に本発明の組成物の調製方法を検討する。「安定なヒドロアルコール組成物(Stable Hydroalcoholic Compositions)」と題する関連特許明細書は、弁理士事件整理番号51380 USA 9A米国出願番号第08/493,714号、発明者Scholz,AsmusおよびCharpentierにより1995年6月22日に提出された。
アルコール
本発明で使用されるアルコールは、C1〜C4アルコールなどの低級炭化水素鎖アルコールである。好ましい実施態様で、アルコールは、エタノール、2-プロパノール、またはn-プロパノールから選択され、エタノールが最も好ましい。エタノールは、広いスペクトルおよび微生物の迅速な死滅を提供し、且つ医師、看護婦および臨床医などの消費者に受け入れられる臭いを有するため、好ましいアルコールである。本発明は、1種のアルコールを使用してもよく、または2種以上のアルコールの配合物が組成物に含まれてもよいと考えられる。
本発明では、アルコールと水の重量比は約35:65〜100:0である。アルコールと水の比率が40:60〜95:5の範囲内の組成物は、有効かつ即座に細菌を確実に死滅させる。好ましい実施態様では、アルコール:水は約50:50〜85:15であり、さらに好ましくは60:40〜75:25であり、最も好ましくは、アルコール:水の重量比は64:36〜72:28である。最適抗菌活性を得るため、および組成物を確実に速やかに乾燥させるため、好ましい実施態様では、より高いアルコール:水の比率が使用される。
増粘剤系
本発明に有用な増粘剤系は、最終組成物の化粧品特性に影響を及ぼす。本発明の手用製剤およびハンドローションは、次に挙げる望ましい化粧品特性を有することが好ましい。組成物は、粉を付けた外科手術用手袋の下で手袋用粉末の過剰な凝集を生じてはならず、また手袋材料の完全性に影響を与えてはならない。組成物は、25℃で、好ましくは35℃まで、許容できる粘度を維持しなければならない。最後に、最も好ましい実施態様で、製剤は熱冷周期(50℃以上までの加熱および環境温への冷却)ならびに凍結/解凍周期(−30℃までの冷却および環境温までの加温)に対して安定である。これらの化粧用製品は、本発明の増粘剤系であり且つ後述する選択された乳化剤の種類および量により影響を受ける。
本発明の増粘剤は、許容できる化粧品特性および適当な粘度を提供するために、上述のヒドロアルコール溶剤系と相溶性でなければならない。本発明の組成物の粘度は、ヘリオパスアダプターを具有するBrookfield LVDV-I+などの超低剪断粘度計およびT形スピンドルを使用して測定したとき、23℃で少なくとも4,000cpsであり、好ましくは少なくとも20,000cps、さらに好ましくは少なくとも50,000cpsであり、最も好ましくは、約80,000〜500,000cpsである。皮膚軟化剤系および他の任意の成分が粘度に(正または負のいずれかの)影響を与える可能性があるため、測定される粘度は、添加される補助増粘剤を全く含まない最終組成物の粘度である。
本発明の粘度は、少なくとも1種の乳化剤、好ましくは少なくとも2種の乳化剤を含み、乳化剤の少なくとも1種は、好ましくは室温で固体であり、炭素原子が少なくとも16個、好ましくは炭素原子が少なくとも18個、さらに好ましくは炭素原子が少なくとも22個の長鎖炭化水素を少なくとも1種含む乳化剤によって与えられる。本発明の増粘剤系は数平均鎖長で記載されることができ、好ましくは、約22個以上の炭素数の疎水性数平均鎖長を有する。本発明の「乳化剤」は、同一分子上に親水性(極性)領域および疎水性(非極性)領域を含み、且つ一般式:
(R)a(L)b
に適合する分子を指す。上式で、「R」は疎水基を表し、Lは親水基を表す。本発明では、「R」は炭素原子が少なくとも16個または18個、好ましくは炭素原子が20個、さらに好ましくは炭素原子が少なくとも22個、最も好ましくは炭素原子が少なくとも24個のアルキル基、炭素原子が少なくとも16個または18個、好ましくは炭素原子が20個、さらに好ましくは炭素原子が少なくとも22個、最も好ましくは炭素原子が少なくとも24個のアルケニル基、炭素原子が少なくとも20個、好ましくは炭素原子が24個、さらに好ましくは炭素原子が少なくとも26個のアラルキル基またはアラルケニル基を含む。好ましい実施態様で、Rは枝なしである。上式で、「L」は、組成物質1モル当たりエチレンオキシド単位2〜150モルを有する疎水性物質にエーテル結合またはエステル結合により結合したポリエチレングリコール、疎水性物質モル当たりエチレンオキシド単位とプロピレンオキシド単位を加えて2〜150モルを有し、且つ任意にC1〜C22アルキルまたはアルカリエステル、アルコール、ならびにエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタエリトリトール、グリセロールおよびソルビトールを含むが、この限りではない多価アルコール類、およびソルビタンおよび疎水物質モル当たりエチレンオキシド単位2〜150モルを有するソルビタンのポリエトキシル化誘導体、ならびにこれらの基の組み合わせ、たとえば、ポリエトキシル化多価アルコールを末端とするエチレンオキシドポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールを含む。Lはエチレンオキシド基および/またはプロピレンオキシド基であり、好ましくは、疎水基1モルあたりエチレンオキシド+プロピレンオキシド2〜150モルのエチレンオキシド基および/またはプロピレンオキシド基であり、エーテルもしくはエステル結合を介して疎水基に結合しており、そして場合により、C1〜C38アルキルエステル、C2〜C38アルケニルエステルまたはC6〜C38アルカリールエステル(すなわち、アラルキルエステル)を末端とするもの;アルコール;多価アルコール基、例えば、限定するわけではないが、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンタエリトリトール、グリセロールおよびソルビトール;多価アルコールまたはそのポリエトキシル化誘導体のエステルまたはエーテル基;またはソルビタンまたは前記疎水基1モルあたりアルキレンオキシド単位2〜150モルのソルビタンのポリアルコキシル化(ポリアルキレンオキシド)誘導体のエステルである。上式で、「a」および「b」は、互いに無関係に1〜4である。疎水基および親水基は一般に、2〜20、好ましくは4〜16、さらに好ましくは8〜12の親水性/疎水性バランスを有するように選択される。さらに、増粘剤系の重量平均HLBは好ましくは4〜16であり、さらに好ましくは、8〜12である。たとえば、HLBが10の乳化剤40重量%とHLBが15の乳化剤60重量%の増粘剤系のHLBは13である。
増粘剤系を含む乳化剤は、単一クラスの界面活性剤(たとえば、長鎖ポリエトキシル化アルコール類)から選択することが可能であるが、幾つかの乳化剤クラスの混合物であることが好ましい。多くの市販の乳化剤は実際に、幾つかの鎖長の混合物である。たとえば、商業的に供給されるベヘニルアルコールは、事実上、主としてC22分画とC20分画から成るアルコール類の混合物であるが、検出可能レベルのC24分画、C18分画およびC16分画が含まれている。このため、本願明細書に記載の鎖長は、数平均鎖長を指す。さらに、本発明の多様な組成物では、増粘剤系の成分と考えられるためには、各乳化剤は少なくとも0.05%、さらに好ましくは0.1重量%の濃度で存在しなければならない。本発明の増粘剤系は、比較的低い総乳化剤濃度で、高い粘性を実現することができる。増粘剤系として存在する乳化剤の総濃度は一般に本発明の組成物の約8重量%未満であり、さらに好ましくは約5重量%未満、さらに好ましくは約4重量%未満、最も好ましくは3重量%未満である。通常、増粘剤系は,組成物の合計重量を基準として少なくとも約0.5重量%の量で組成物中に存在する。本発明の最も好ましい組成物において、増粘剤系は組成物の約0.75重量%〜約5重量%である。本願明細書で使用する乳化剤は、乳化剤が製剤中に存在することによって組成物の粘度が上昇すれば、増粘剤系の一部と考えられる。ある乳化剤によって組成物の粘度が上昇しなければ、その乳化剤は、下記の皮膚軟化剤または安定化剤と考えられる。
本発明の高分子増粘剤を実質的に含まない本発明の好ましい組成物は、「溶融温度」(Tm)を有する。組成物をこの溶融温度よりも高く加熱した場合、組成物は劇的に粘度を喪失する。本発明の組成物の溶融温度は、室温で高い粘度を維持するために、25℃より高いことが好ましい。さらに好ましくは、一度皮膚に塗布されたときに粘度を維持するために、溶融温度は25℃より高い。最も好ましくは、冷蔵せずに輸送および取扱いが可能なために、製剤の溶融温度は40℃より高い。増粘剤系は所与の組成物の溶融温度に影響を及ぼす。好ましい溶融温度を獲得するために、好ましい増粘剤系は環境温で固体である乳化剤を少なくとも1種含む。好ましくは、結果として得られる組成物の溶融温度を上昇させるために、増粘剤系の乳化剤はすべて環境温で固体である。
増粘剤系中の乳化剤の構造は、結果として得られる組成物の溶融温度に影響を及ぼす。好ましい実施態様で、増粘剤系中の少なくとも1種の乳化剤は、結晶構造を推進することができる。結晶性は、長い直鎖アルキル基によって推進され、それ故、少なくとも1種の乳化剤が、炭素原子が少なくとも16個、さらに好ましくは少なくとも18個、最も好ましくは少なくとも20個の飽和直鎖炭化水素を含むことが好ましい。ある親水性ヘッド基は、会合および結晶化を特に推進することが確認されている。適当な結晶性乳化剤としては、アルキルアルコール類、およびポリエチレングリコールのアルキルエステル類などがある。
乳化剤鎖長は、組成物の溶融温度に影響を及ぼすほかにも、組成物に使用できるエタノールの最大レベルおよび増粘剤系に必要な乳化剤の濃度を決定する一助となる。アルコールレベルが高ければ、粘性の安定な乳液の製造に、より長鎖の乳化剤を必要とする。より高レベルのアルコールは、より低レベルのアルコールよりも、乳化剤を膨潤するか可溶化させる傾向があると考えられる。したがって、溶融温度を35℃より高く維持するためには、エタノールの濃度が上昇するにつれて、増粘系中の炭化水素の鎖長も長くならなければならない。たとえば、エタノール:水の比率が60:40のSteareth-2乳化剤を主成分とする増粘剤系を使用すると、環境温で粘度が約63,000cpsの安定な組成物が生じる。エタノール:水の比率が66:34の場合、同じ増粘剤を使用しても安定な組成物は生じない。C22炭化水素を有するエタノール:水の比率が60:40の類似した系の粘度は約5,000cpsである。
乳化剤の親水性ヘッド基の性質およびサイズは重要であり、増粘系がもたらす粘性の安定な系を決定する一助となる。乳化剤のある組み合わせによって、粘性の安定な乳液が生じる。
理論に縛られるつもりはないが、水素結合のサイズ、電荷および程度は、乳化剤の相互作用の仕方を決定する重要なパラメーターであると考えられる。
多くの好ましい増粘剤系は、非常に安定な粘弾性組成物を生じることができる。乳化剤の比率を変えることによって、ほぼ純粋に粘性の組成物から非常に弾性で繊維質の組成物まで、弾性の程度を調節することができる。皮膚軟化剤を加える場合、系の弾性を上昇させると安定性が増し、非混和性の皮膚軟化剤の分離を防止する。しかし、通常、弾性組成物は化粧品らしい製品にならないため、弾性過剰は好ましくない。少なくとも2種の疎水性成分を含むある乳化剤を加えると、粘弾性が制限されるが、粘性の安定な組成物を保証することが証明されている。好ましいクラスの多疎水性成分乳化剤は、実質的に次の構造:
を有する第四級アンモニウム塩類であって、
式中、R’およびR”は炭素原子が少なくとも16個の長鎖アルキル炭化水素またはアルケニル炭化水素であり、
R’”は炭素原子が1〜4個の短鎖アルキル基であって、好ましくはメチルまたはエチルであり、
R””はR’またはR’”のいずれかと同等であって、好ましくはR’”と同等であり、
Xはハロゲン、R”’SO3-、R”’SO4-、またはR”’CO2-である。幾つかの好ましい構造としては、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジベヘニルジメチルアンモニウムおよびジベヘニルジメチルアンモニウムメトスルフェートなどがあるが、ジベヘニルジメチルアンモニウムメトスルフェートがより好ましい構造である。他の適当な多疎水性乳化剤としては、ジアルキルグリセロールエステル類、ポリグリセロールアルキルエステル類、エチレングリコールジアルキルエステル類、ポリエチレングリコールジアルキルエステル類、エチレンジアミンなどのジアミン類のジアルキルアミド類、ペンタエリトリトールのポリアルキルエステル類およびジアルキル(任意にエトキシル化した)ホスフェート、およびポリエトキシル化アルキルアルコール類のアルキルエステル類などがある。
次の乳化剤のクラスを、本発明に使用するのに適した乳化剤の非限定的例として提供する。各乳化剤クラスについて、幾つかの好ましい乳化剤の例を提供する。
1.ポリエトキシル化および/またはポリプロポキシル化アルコール類およびエステル類ならびにそれらの誘導体
式中、R6は、N、O、およびSにより利用可能な位置で任意に置換された、炭素原子が少なくとも16個、好ましくは少なくとも18個、最も好ましくは炭素原子が少なくとも20個の直鎖または分岐鎖のアルキル炭化水素鎖またはアルケニル炭化水素鎖であり、mは0〜200、好ましくは2〜30、最も好ましくは4〜20であり、pは0または1であり、
R8はHまたは
であり、R12は1〜38の炭素原子のアルキル基、2〜38個の炭素原子のアルケニル基または6〜38個の炭素原子のアラルキル基であり、可能な位置にN,OまたはSで置換されていてよく、rは0〜50である。
ポリエトキシル化アルコール類およびエステル類のクラスの好ましい乳化剤の例は、ICI Americas Inc.,Wilmington,DEからBrij 72として入手可能なSteareth-2、ICIからBrij 76として入手可能なSteareth-10、Barnet Products IncからNikkol BB-5として入手可能なbeheneth-5、BarnetからNikkol BB-5として入手可能なbeheneth-10、Petrolite Corp.of Tulsa,OKからUnithox 450として入手可能なC31アルキル-10EO、およびPetroliteからUnithox480として入手可能なC31アルキル-40EOなどがある。
2.アルキルアルコールおよびアルケニルアルコール
R6-OH
式中、R6は、上述の乳化剤クラス1に記載されているとおりである。
本発明の増粘剤系に有用な好ましいアルキルアルコール乳化剤およびアルケニルアルコール乳化剤の非限定的な例としては、Henkel’s Emery Division,Cincinnati,OhioからLanette 18として入手可能なステアリルアルコール、HenkelからLanette 22として入手可能なベヘニルアルコール、CrodaからNovolとして入手可能なオレイルアルコール、Petrolite,Tulsa,OklahomaからUnilin 350として入手可能なC-24アルコール、PetroliteからUnilin 425として入手可能なC31アルコール、M.Michel and Co.,New York,New YorkからAR-20として入手可能なアラキジルアルコールなどがある。
3.多価アルコール類のエステル類およびエーテル類
式中、tは0〜4であり、各R9はH,OH,CH2OR10,またはC1-C4から互いに無関係に選択され、好ましくはC1であり、Sは0または1であり、R10は―Hまたは上述の−R2である。
エステル類およびエーテル類の例としては、グリセロールモノベヘネート、ペンタエリトリトール)ジステアレートおよびグリセロールトリベヘネートなどがあある。
ポリエトキシル化多価アルコール類のエステル類およびエーテル類も有用である。たとえば、ポリエトキシル化グリセロールモノステアレート、ポリエトキシル化ペンタエリトリトールベヘネート、ポリエトキシル化プロピレングリコールモノステアレートなどがあるが、この限りではない。
4.ソルビタン 脂肪酸エステル
式中、R7は−CR6またはHであり、各vは互いに無関係に0〜30であり、R6は上述の通りである。
ソルビタンの脂肪酸エステルおよびそのポリエトキシル化誘導体も本発明に有用な乳化剤の例である。
上記乳化剤のある組み合わせは、本発明の粘性の安定な増粘剤系を形成する幾つかの好ましい実施態様で有用である。これらの好ましい系を以下に記載する。
乳化剤のある組合せが適当な増粘剤系を提供するかどうかを決定するために、乳化剤のある組合せを試験することは簡単なことである。スクリーニング方法論を実施例に記載する。実施例は、安定な乳液を生じるのに必要な混合乳化剤の比率に関して、ヘッド基サイズが重要なことを例証するものである。
理論に縛られるつもりはないが、本発明の組成物の物理的構造が、乳液の物理的構造であると考えられる。乳液の古典的定義は、第2の非混和性液体中1液の安定な分散液である。しかし、前述した通り、本組成物は室温でワックスである少なくとも1種の乳化剤を使用して形成されることが好ましい。本発明の組成物は十分に特性化されていないが、第2液相中の、固相、半固相、または液相の粘性の安定な混合物であると考えられる。ある疎水性皮膚軟化剤を本発明に加えると、疎水性乳化剤および非混和性皮膚軟化剤は、ヒドロアルコール液相中に分散される「油」すなわち疎水性相を形成する。ヒドロアルコール相は、本願明細書中で「水」相と呼ばれる。多くの好ましい乳液は幾らか粘弾性であるため、これらの乳液は選択された乳化剤の結晶化温度未満に冷却されて半晶質ゲル様網状構造を形成する液晶乳液であると考えられる。ある製剤は、ヒドロアルコール相中で強く相互に作用する網状構造を形成する単に膨潤した結晶質沈殿(いわゆるコアゲル相)である可能性もある。本発明の組成物は、これらの構造の組合せとして存在してもよい。水性系中の液晶およびコアゲル相については、「Application of Emulsion Stability Theories to Mobile and Semisolid O/W Emulsions」,Cosmetics and Toiletries,Vol.101,pp 73-92(1986)、および「Influence of Long Chain Alcohols(or Acids)and Surfactants on the Stability and Consistencies of Cosmetic Lotions and Creams」,Cosmetics and Toiletries,Vol.92,pp.21-28(1977)に記載されている。発生する分子会合の正確な種類は、特定された温度における、増粘剤系を含む乳化剤の極性部分および水素部分の性質、サイズ、物理的状態および化学的状態を含め、多くの因子によって左右される。
増粘剤系を提供するために組成物に必要なもの以外の乳化剤を、皮膚軟化剤または安定化剤として加えることが可能である。たとえば、皮膚軟化剤は液晶網状構造に組込まれると考えられるため、ある皮膚軟化剤は、疎水性領域および親水性領域も含み、且つ本発明に有用である。これらの乳化剤は、より十分に後述する通り、組成物の安定性を高める傾向がある。さらに、あるジメチコーンコポリオール界面活性剤は、皮膚軟化剤を組込む製剤の安定性を実際に改善することができる。
任意の成分
本発明の組成物は、アルコール、水および増粘際系のほかにも、塩類、皮膚軟化剤、安定化剤、抗菌薬、芳香剤、治療薬、噴射剤および補足的乳化剤を任意に含んでもよい。これらの任意の各成分を、各々が最終組成物の特性に対して及ぼす影響とともに以下で検討する。
塩類
本発明の組成物の溶融温度は、塩類を加えることによって上昇させることが可能である。安定な組成物を維持するためには、塩類の濃度が上昇するにつれて、乳化剤の比率を変化させることがしばしば必要である。不安定な系を作らず、系に存在する抗菌薬と相溶性である塩類を選択することが重要である。たとえば、二グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)は、約0.1Mより高い濃度のハロゲン化塩類の存在下で急速に沈殿する。したがって、系にCHGが含まれる場合、グルコン酸トリエタノールアミンやグルコン酸ナトリウムなどのグルコネートを使用することが好ましい。
安定化剤
安定な組成物は、試料管の長さの中点で測定して2275×gで30分間遠心分離後、10容量%より多く分離しない組成物である。安定性は、系に存在する乳化剤および/または皮膚軟化剤の結晶化、皮膚軟化剤の合体、乳化剤等々に起因する時間依存性であることも認められており、したがって、好ましい組成物は環境条件下で6ヶ月間静置後、10%より多い分離を示さない。2種類の安定化剤が本発明に有用である。この中には、(1)乳化剤親水性ヘッド基と複合体を形成する安定化剤、および(2)乳化剤疎水性テールと会合する安定化剤が含まれる。ある安定化剤は、両機能を果たす。たとえば、アルキルポリグルコシド類、モノアルキルグリセリド類、およびポリグリセロールアルキルエステル類など、ヒドロキシル含有ヘッド基を含む乳化剤は、ホウ素イオンを加えることによって「安定化される」と考えられる。理論に縛られるつもりはないが、ホウ素イオンは隣接するヘッド基と複合体を形成し、これが疎水性テールを極めて近くに維持することによって、疎水性テールの会合を高めると考えられる。ステアリル修飾セルロース誘導体、小麦タンパクなどのステアリル修飾タンパク、ステアリル修飾コラーゲン等々のペンデント長鎖アルキル基(炭素原子が12個より多い、好ましくは16個より多い)を含む天然または合成のポリマーは、本発明の組成物を安定化させることができる。このような添加成分は、本発明の組成物の溶融温度も上昇させ得る。これらのポリマー中のペンデントアルキル基は、増粘系の疎水性物質とのVan der Waals相互作用によって会合し、その結果、結晶構造の安定性を高める。会合性ペンデントアルキル鎖を持たない高分子増粘剤も、恐らく連続相の粘度を上昇させることによって、溶融温度を上昇させることが可能である。このような増粘剤の非限定的な1例は、National Starch of Bridgewater,New Jerseyから入手可能なCelquatTM 230Mなどの第四級セルロースである。好ましい実施態様では、National Starch of Bridgewater,New JerseyからCelquatTM 230Mとして入手可能なステアリルジアンモニウムヒドロキシプロピルセルロースが安定化剤として加えられる。
皮膚軟化剤
皮膚軟化剤は角質層の水分含有量を増加させるように作用するため、一般に皮膚軟化剤はハンドローションまたは手用製剤に加えられる。一般に、皮膚軟化剤はその作用に基づいて2つの広いクラスに分類される。第1クラスの皮膚軟化剤は、閉鎖性バリヤーを形成して、角質層からの水分蒸発を防ぐことによって作用する。第2クラスの皮膚軟化剤は、角質層に浸透して水と物理的に結合し、蒸発を防ぐ。第1クラスの皮膚軟化剤は、室温でワックスである化合物と液体の油である化合物に細分される。第2クラスの皮膚軟化剤には、水溶性であって、しばしば保湿剤と呼ばれるものが含まれる。
本発明のため、その乳化剤が閉鎖性皮膚軟化剤として機能することができ、且つ皮膚の状態を維持または改善するのに役立つことが認められていても、増粘剤系は、加えられる皮膚軟化剤と異なる別個のものと考えられる。乳化剤は、本発明の好ましい実施態様で加えられ、好ましくは、製剤の約3〜30重量%、さらに好ましくは約4〜20重量%、最も好ましくは約5〜12重量%が含まれる。
本発明の好ましい実施態様で、ワックス皮膚軟化剤と液体皮膚軟化剤(油および保湿剤)の比率は約5:1〜約1:5であり、さらに好ましくは約1:3〜3:1である。皮膚軟化剤は、当該技術で周知のクラスのいずれから選択してもよい。米国特許第4,478,853号およびEPO特許出願第0522624A1号およびThe Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Wash.D.C出版(1992)CTFA Cosmetic Ingredient Handbookの「皮膚調整剤Skin Conditioning agents」「皮膚軟化剤emollients」、「保湿剤humectants」、「その他miscellaneous」および「閉鎖性occlusive」の一覧表に、有用な皮膚軟化剤の一般的リストが記載されている。
好ましい実施態様で、皮膚軟化剤は、次の一般皮膚軟化剤、閉鎖性皮膚軟化剤および保湿剤の非限定的リストから選択される。一般皮膚軟化剤の例としては、長鎖直鎖または分岐鎖のアルキアルコールルまたはアルケニルアルコールまたは酸類(C8〜C32)の短鎖アルキルまたはアリールエステル類(C1〜C6)およびそれらのポリエトキシル化誘導体、-OHにより利用可能な位置で任意に置換されたC4〜C12二酸またはジオールの短鎖アルキルまたはアリールエステル類(C1〜C6)、グリセロール、ペンタエリトリトール、エチレングリコール、プロピレングリコールのアルキルまたはアリールC1〜C10エステルならびにこれらのポリエトキシル化誘導体およびポリエチレングリコール体、ポリプロピレングリコールのC12〜C22アルキルエステル類またはエーテル類、ポリプロピレングリコール/ポリエチレングリコールコポリマーのC12〜C22アルキルエステル類またはエーテル類、およびポリエーテルポリシロキサンコポリマーなどがある。好ましい増粘剤系の多くの乳化剤に加えて、閉鎖性皮膚軟化剤としては、環状ジメチコーン、直鎖ジメチコーン、ポリジアルキルシロキサン類、ポリアリール/アルキルシロキンサン類、長直鎖または分岐鎖のアルキルアルコールまたはアルケニルアルコールまたは酸類の長鎖(C8〜C36)のアルキルおよびアルケニルエステル類、長直鎖または分岐鎖(C8〜C36)アルキルアミンまたはアルケニルアミンまたは酸類の長鎖(C8〜C36)アルキルおよびアルケニルアミド類、スクアレン、スクアランおよび鉱油などの直鎖および分岐鎖のアルカン類およびアルケン類を含む炭化水素類、ホホバ油ポリシロキサンポリアルキレンコポリマー、ジアルコキシジメチルポリシロキサン類、ジイソプロピルダイマージリノレートなど、OHにより利用可能な位置で任意に置換されたC12〜C22二酸またはジオールの短鎖アルキルエステルまたはアリールエステル(C1〜C6)、およびC12〜C22アルキルアルコールおよびアルケニルアルコール、ジイソステアリルダイマージリノレートなど、OHにより利用可能な位置で任意に置換されたC12〜C22二酸またはジオールの長鎖アルキルエステルまたはアリールエステル(C8〜C36)、ラノリンおよびラノリン誘導体、蜜蝋およびその誘導体などがある。好ましい保湿剤型皮膚軟化剤の非限定的実施例としては、グリセロール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、パントテノール、グルコン酸塩などがある。
増粘剤系は、本発明の組成物の安定性および総合的な粘稠度の原因であるが、皮膚軟化剤は組成物の粘度、安定性、および溶融温度にも影響を及ぼす可能性がある。本発明に1種の皮膚軟化剤を加えてもよく、組成物に2種以上の皮膚軟化剤を加えてもよい。本発明の製剤に、広範囲の皮膚軟化剤を加えることが可能である。水溶性乳化剤と共にワックスおよび油タイプの皮膚軟化剤を使用することが好ましい。好ましい実施態様では、皮膚軟化剤系は、閉鎖性ワックスおよび油タイプの皮膚軟化剤に加えて、潤いを与えるが油っぽくない組成物を達成する濃度で保湿剤を含み、この組成物は、繰り返し使用したときに皮膚の状態を維持および改善する。理想的には、皮膚軟化剤は、非面皰原生であって、皮膚刺激または感作反応が全く起こらないように選択される。本発明の組成物は閉鎖状態で外科手術用手袋の下で使用されるため、このことは特に重要である。さらに、手袋材料の成分に影響を及ぼさない皮膚軟化剤を選択しなければならない。たとえば、鉱油やペトロラタムなどの炭化水素皮膚軟化剤は、外科手術用手袋の引裂強さに悪影響を及ぼす可能性があるため、手術前殺菌剤として使用される組成物には、これらの皮膚軟化剤を避けなければならない。
理論に縛られたり、制限されたりするつもりはないが、皮膚軟化剤を本組成物に加えた場合、皮膚軟化剤は4つの異なる領域に存在する可能性がある。皮膚軟化剤は、(1)溶剤相中に可溶性種として存在する、(2)混合乳化剤ミセル内または結晶質ゲル網状構造内に乳化小滴として分散されて存在する、(3)混合乳化剤ミセルまたは結晶質ゲル網状構造に組込まれて存在する、(4)異なる別個の乳液として存在する。前述した通り、皮膚軟化剤は組成物の溶融温度に影響を及ぼす可能性がある。溶剤相に溶解できるか分散できるこれらの皮膚軟化剤は、溶融温度にほとんどまたは全く影響を及ぼさない傾向があり、したがって、好ましい。これらの皮膚軟化剤には、保湿剤および一般的皮膚軟化剤が含まれる。最も好ましい一般的皮膚軟化剤は、本質的に水に不溶性であるが、ヒドロアルコール溶剤に溶解するものである。これらの皮膚軟化剤は、溶融温度より高くても依然として溶解でき且つ一様に分散し、室温まで冷却したとき、均質な組成物を生じるため、やはり好ましい。さらに、これらの皮膚軟化剤は、外科手術用手袋にほとんど影響を及ぼさないと考えられる。このような一般的皮膚乳化剤は、一般に炭素原子が約14個より大きい、好ましくは炭素原子12個より大きくない、最も好ましくは炭素原子約9個より大きくない、アルキル鎖またはアルケニル鎖を具有しない。
ヒドロアルコール溶剤に不溶性の皮膚軟化剤は、増粘剤の乳化剤と会合し、且つ/またはミセルまたは結晶質ゲル網状構造に組込まれることが可能である。このクラス内の好ましい皮膚軟化剤は極めて疎水性の皮膚軟化剤であり、それは、疎水性皮膚軟化剤は高い溶融温度を維持する傾向があるためである。たとえば、ラノリンは、ある増粘剤系の高温粘度を上昇させた。増粘剤系の乳化剤と会合したり乳化剤を崩壊させたりすることができる皮膚軟化剤は、溶融温度を低下させる傾向があり、且つ組成物の安定性に影響を及ぼす可能性がある。疎水性物質当たり炭素原子が約12個より大きいある分岐アルキルエステルは、溶融温度の低下に特に有効であった。たとえば、トリオクチルドデシルシトレートは、幾つかの系の溶融温度を著しく低下させた。
増粘剤系に組込まれる皮膚剤軟化剤は、溶融温度を低下させる傾向がある。たとえば、laureth-4(Brij 30)は、約1重量%未満の濃度で溶融温度より高い温度まで加熱されたとき、次第に消減しないため、増粘剤系を組込むようである。laureth-4は、組成物の溶融温度を低下させる傾向がある。
ヒドロアルコールに不溶性のある皮膚軟化剤は、異なる別個の乳液であると考えられる物の中に乳化することができる。これらの皮膚軟化剤は、組成物の温度にほとんど影響を及ぼさない。たとえば、ポリエーテル/ポリシロキサンコポリマー界面活性剤を使用して、ある環状シリコーン類、ポリシロキサン類およびジアルコキシポリシロキサン類をヒドロアルコール溶剤類の中に乳化することができる。Goldschmidt Chemical Corp.,Hopewell,GA.から入手可能なAbil B88183など、あるポリエーテル/ポリシロキサンコポリマー界面活性剤の存在下で、DC344(Dow Corning of Midland,Michiganから入手可能)などの環状シリコーンは、溶融温度より高くても低くても、組成物が一様なままであるように、熱的に安定な乳液を形成することができる。事実、長鎖ジアルコキシポリシロキサンとポリエーテル/ポリシロキサンコポリマーの組合せは、ある増粘剤系の安定性を実際に助長した。ジアルコキシポリシロキサンは、増粘剤系ならびにポリエーテル/ポリシロキサンコポリマーと相互に作用すると考えられる。これらの混合物は次の構造:
ジアルコキシジメチコーン類
R-O-Si(CH3)2-O[Si(CH3)2-O]z-Si(CH3)2-OR
を有し、
式中Rは炭素原子が14〜50個、好ましくは16〜24個の直鎖アルキル基であり、
Zは5〜300である。
ポリエーテル/ポリシロキサンコポリマー
(CH3)3-Si-O-[Si(CH3)R11-O]z[Si(CH3)R8-O]y-Si(CH3)3
式中 R8は、構造:
-R9-O(C2H4O)p(C3H6O)qR10を有するポリエーテル類置換アルキル基であり、
式中 R9は炭素原子が1〜6個のアルキル基であり、
R10は水素または炭素原子が1〜22個のアルキル基であり、
R11は炭素原子が1〜22個のアルキル基またはフェニル基である。
上述の2つの構造に示すように修飾された分岐鎖ポリシロキサンも可能であることに留意されたい。
次のものは、本発明の増粘/安定性を改善する乳化剤/皮膚軟化剤成分の非限定的な例である。
a.あるワックス乳化剤/皮膚軟化剤は、特に有用なことが確認され、ミリスチルミリステート、セチルパルミテート、ミリスチルステアレート、ステアリルベヘネート、ベヘニルイソステアレート、イソステアリルベヘネート、ベヘニルベヘネート、ラウリルベヘネート、ベヘニルエルケートなど、固体の蝋様エステル類を含有する。これらは次式:
R1-CO2-R2
有し、式中R1は少なくともC14炭素原子であり、R2は炭素原子が少なくとも4個のアルキルまたはアルケニルである。
b.融点が23℃より高い多価アルコールの長鎖炭化水素ジエステル類、トリエステル類には、グルセロールトリベヘネートおよびトリステアレートなどの固体エステル類が含まれる。
c.純ラノリン類およびラノリン誘導体(水素化ラノリン)は、優秀な皮膚軟化性を提供するが、油皮膚軟化剤と併用したとき、乳液の安定性も改善する。
e.ペトロラタムは優秀な皮膚軟化性を提供するが、油皮膚軟化剤と併用したとき、乳液の安定性も改善する。ペトロラタムは油性長鎖炭化水素と蝋様長鎖炭化水素との混合物である。
f.融点が50℃より高く、分子量が400より大きい微晶質ワックスおよび分岐鎖炭化水素ワックス。この例としては、数平均分子量が2800の分岐鎖炭化水素ワックスであり、Petrolite Corp.,Tulsaから入手可能なVybar 103、およびやはりPetrolite Corp.,Tulsaから入手可能な微晶質ワックスであるOklahomaおよびUltraflexTMなどがある。
g.酸化ワックスおよび修飾炭化水素ワックスは、本発明で用途を見つけることが可能である。これらは、酸化によって修飾されたワックス類、酸化ワックス類の塩類、ポリオレフィン類の無水マレイン酸付加物および酸化された合成ワックスまたは石油ワックスのウレタン誘導体から調製される。適切なワックスに、Petrolite’s Cardis▲R▼またはPetronauba▲R▼微晶質およびポリエチレン系酸化生成物、Polymekon▲R▼(塩類)およびCeramer▲R▼(酸無水物付加物)を含めることができよう。
h.ポリエチレンの完全に飽和されたホモポリマーまたは様々なアルケンモノマーノコポリマーを使用して、分子量が3,000以下であり、融点が130℃未満であり、溶融粘度が低いポリマーを形成することが可能である。適切なワックスに、Petrolite Corpから入手可能なPolywax▲R▼を含めることができよう。
芳香剤
組成物は芳香剤を含んでもよい。芳香剤が含まれる場合、一部の芳香剤は皮膚刺激および/または感作反応を惹起することが判明しているため、芳香剤を注意深く選択しなければならない。
抗菌薬(抗微生物剤)
本発明の組成物中に存在する低級アルコールのほかにも、他の抗菌薬を加えて本発明の組成物の抗菌作用を強化することが可能である。これは、手術前の手洗いや手術前の患者の皮膚洗浄代替剤など、重大な用途で特に望ましい。適当な補足的抗菌薬としては、ポビドン/ヨードなどのヨウ素やその複合形、二グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)などのクロルヘキシジン塩類、パラクロロメタキシレノール(PCMX)、トリクロサン、ヘキサクロロフェン、ラウリシジン、フェノール類、長鎖疎水性物質(C12〜C22)および第四級基を含む界面活性剤、第四級シラン類、過酸化水素、塩化銀などの銀塩、酸化銀およびスルファジアジン銀などがある。刺激の可能性を低減し、なお且つ効果を維持するためには、抗菌レベルを、塗付の6時間後に、最も好ましくは12時間後に、低い細菌学的カウント維持する最低レベルに調節すべきである。
クロルヘキシジンは長期抗菌効果を保証することができるため、最も好ましい補足的抗菌剤はクロルヘキシジンである。本発明にクロルヘキシジンを加える場合、可溶性の塩として存在することが好ましい。二酢酸塩および二グルコン酸クロルヘキシジンが好ましい。最も好ましい抗菌薬は二グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)である。CHGは、好ましくは0.05〜5.0重量%、さらに好ましくは0.1〜3重量%、最も好ましくは0.25〜2重量%で存在する。クロルヘキシジンはビス(ジグアニド)であり、それ故、非常に塩基性であるため、陰イオン材料と多様なイオン結合を形成することができる。このような理由で、クロルヘキシジン含有組成物の場合、増粘剤系は、非イオン系および/または陽イオン系乳化剤を主成分とすることが好ましい。ある両性イオン性の、極めて不溶性の、すなわち非沈殿性陰イオン乳化剤も有用である。
フォーム
適切な噴射剤を加えることによって、本発明の組成物をエアゾールフォームすなわちムースに調製することが可能である。容器からの適切な噴出を保証してバルブの詰まりを防止するように噴射剤を選択しなければならない。噴射剤はクロロフルオロカーボン類(CFC)、ヒドロクロロフルオロカーボン類(HCFC)、ヒドロフルオロカーボン類(HFC)、過フッ素化アルカン類、および低級アルカン類(C1〜C5)ならびに亜酸化窒素ジメチルエーテルおよび他の溶剤可溶性噴射剤から選択することができる。好ましい噴射剤はプロパン、ブタン、およびイソブタンなどの低級アルカン類であるが、それは、低級アルカン類は粘度を劇的に喪失して製剤を分散させ易くするるためである。プロパン/イソブタンの70/30混合物は特に好ましい実施態様である。エアゾール組成物を製造するためには、抗菌ローションを最初に調製し、圧定格容器に充填する。都合によっては、充填を容易にするために、調製品を溶融温度より高い温度まで加熱してもよい。その後、約2〜30容量%、好ましくは3〜20容量%の圧力下で噴射剤を加える。噴射剤は、別個の層を形成してもよく、組成物中で乳化されたままであってもよい。
治療成分または有効成分を組込むヒドロアルコール液晶溶液の代替用途
本発明の組成物は、UV吸収剤および油と混合して速乾性日焼け止めを提供することができる。過酸化ベンゾイルなどの抗菌薬を製剤に加えることも可能であり、その製剤はアクネ薬として有用である。本発明の系は、バリヤー化合物と配合してバリヤークリームやバリヤーローションを形成することも可能である。バリヤー保護を提供するために加えられる材料としては、おむつかぶれから護るための皮膚バリヤーとして使用する0.1〜60%アルジオキサ、アラントイン、酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、次硝酸ビスマス、ホウ酸、カラミン(ミクロ細孔)、コレカルシフェロール、ココア脂、タラ肝油(併用して)、コロイド状オートミール、塩酸システイン、デクスパンテノール、ジメチコーン、グリセリンカオリン、ラノリン(併用して)、肝酵母細胞誘導体、鉱油、ペルーバルサム、ペルーバルサム油、ペトロラタム、タンパク加水分解物(1-ロイシン、1-イソロイシン、1-メチオニン、1-フェニルアラニン、および1-チロシン)、ラセメチオニン、サメ肝油、重炭酸ナトリウム、イオウ、タルク、タンニン酸、デンプン、ビタミンA、白色ペトロラタム、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛および酸化亜鉛などがあるが、この限りではない。
産業上の利用可能性
調製方法
本発明の組成物は、様々な技術で調製することが可能である。たとえば、その方法はしばしば、乳化剤の融点より高い温度で増粘剤系をヒドロアルコール溶剤に加え、短時間混合して冷却するというほど簡単である。しかし、最高に安定な組成物を確保するためには、増粘剤の融点より高い温度で限定された時間、成分を高剪断にかけた(たとえば、ホモジナイズした)後、冷却しながら低剪断混合を行うことが好ましい。非常に小さい「小滴」サイズを確保できるほど長く、高剪断下で系を混合しなければならないが、過剰に高い剪断混合は粘度および安定性の低減を招く。
個々の増粘剤系によって、冷却速度も重要である。ある増粘剤系は、ホモジナイズしてから徐々に冷却してもよいが、ほとんどの系では急冷が有益と思われる。
成分を加える順序も系の安定性および粘度に影響を及ぼす可能性がある。一般に、混合乳化剤と溶剤不溶性皮膚軟化剤を1つの容器内で一緒に溶融するとうまく行く。ヒドロアルコール溶剤および任意の混和性皮膚軟化剤を第2の容器内で混合する。両成分とも、増粘剤系の溶融温度より高い温度に加熱する。500g未満の一般的なバッチの場合、熱液体成分を速やかに混合した後、約1〜5分間ホモジナイズする。未だ粘度が低い間に、中等度の振動を使用して攪拌し、冷却する。溶融した増粘剤系を溶剤不溶性皮膚軟化剤と一緒に湯(すなわち、溶融温度より高い温度の湯)に加えた後、高剪断混合を行い、その後、アルコールで希釈することも可能である。高剪断混合の量および強度、冷却速度、添加の順序などを含め、加工変数は、当業者により容易に決定される。
試験方法
粘度
以下の実施例で(指示がある場合以外)、粘度は、環境圧下、23℃で、モデルD BrookfieldヘリオパスおよびT形スピンドルB-Fを具備したBrookfield LVDV-I+粘度計を使用して測定した。スピンドルおよび速度は、粘度計がその範囲の中間で作動するように、各個の試料に合せて選択した。すべての試料を23℃で24時間平衡化させてから測定した。粘度は、粘度計範囲の20〜80%内、好ましくは同範囲の30〜70%内に止めながら、可能な最低速度で測定することが好ましい。あらゆる場合に、試料サイズおよび容器幾何学を、壁効果が全くないことが保証されるように選択した。
「壁効果」は、容器による影響を受けない粘度を意味し、無限に大きい容器で測定した粘度と本質的に等しい。このため、粘度がより低い試料は、より大きなスピンドルに適応させるために、より多量の試料が必要であった。下表に、様々な試料粘度に好ましいスピンドルを略述する。
各試料の粘度は、ヘリオパスアダプターを使用してスピンドルが移動した最初のパスで得られた比較的安定な最高示度として測定した。
安定性
ローション/クリームにした製剤12mlを15ml目盛り付き遠沈管に入れて、環境条件で24時間状態調節後、試料の安定性を測定した。この遠沈管をLabofuge B(Heraeus Sepatech GmbH,Model 2650、ローター2150およびバケツ#2101)内、3000rpm(試料管の長さの中点で測定したとき2275×g)で遠心分離した。以下の実施例で、安定性を、分離容量パーセントとして安定性を記録した。
溶融温度(Tm)
試料約15gを25cc密閉ガラスバイアルに入れ、このバイアルを水浴に入れることにより、溶融温度を測定した。水浴の温度を不連続に定期的に上昇させ、所与の温度で約1時間後、内容物を検査した。混合物の粘度が非常に低くなる温度として溶融温度を入手した。
実施例および比較例
本発明を例示するために次の実施例を提供するが、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1
この実施例は、より長い線状アルコールエトキシレートを本発明の組成物に使用する有用性を示すものである。
全成分をジャーに入れ、溶液を65℃に30分間加熱した後、環境温まで冷却することにより、次の製剤を調製した。
上記の製剤から、長鎖アルキルC31およびC38ポリエトキシル化アルコール類の有用性がわkる。
実施例2
この例は、疎水性−親水性−疎水性構造を有する乳化剤(X−5175およびX−1069)を使用した3成分増粘剤系が本発明の組成物の調製に有用であることを示すものである。
油相と水層の両者を80℃に加熱することによって、次の乳液を作製した。油層は、BE−22、BB−5、セチルパルミテート、X−5175、Pripure 3786およびスクアランで構成されていた。水層は、PEG 600、PEG 900、グリセロール、ジメチコーンL45/350、NaClおよび水で構成されていた。次に2相を一緒に混合し、ホモジナイイズし、組成物を環境温まで冷却した。いったん組成物を冷却した後は、エタノールを加えて混合物を軽くホモジナイズした。
実施例3
この実施例は、疎水性−親水性−疎水性構造を有する乳化剤(X−5175)を使用した2成分増粘剤系は本発明の組成物の調製に有用であることをを示すものである。
溶解するまで溶液を65℃に加熱した後、調製品を環境温まで冷却させることによって次の製剤を調製した。
実施例4
この実施例は、多価アルコールエステル類、エトキシル化脂肪アルコールおよび脂肪アルコール類は、本発明の組成物の調製に有用な増粘剤系を形成することを示すものである。この実施例は、粘性の安定な乳液を形成する際にHLBおよびアルコールレベルが重要なことも示す。
Henkel Corp.of Hoboken,NJから入手可能なEmerest▲R▼ステアレート類(多価アルコールエステル)、Petrolite Corpから入手可能なUnithox▲R▼エトキシレート類(ポリエトキシル化脂肪アルコール類)、Petrolite Corpから入手可能なUnilin▲R▼アルコール(アルキルアルコール)をガラスバイアルに入れ、この混合物を溶融するまで115℃に加熱し、渦巻き攪拌して混合することにより、次の製剤を調製した。これを、70℃に加熱しておいたアルコール水混合液に加えた。この溶液を高速で30秒間ホモジナイズした後、冷水に浸し、最低速度で1分間ホモジナイズした。この調製品を環境温まで冷却して一晩平衡化させてから、粘度および安定性を試験した。
他に記載がなければ、Helipath ViscometerでTAスピンドルを0.3rpmで使用して、環境温で粘度を測定した。各製剤15mlを、American Scientific Products Labofuge B遠心分離機で、3,000rpmで30分間遠心分離し、各製剤の分離容量%として安定性を測定した。
エタノールの量が増加するにつれて、試料の安定性および粘度は低減した。
実施例5
この実施例は、脂肪アルコールエトキシレート類を主成分とする1種の乳化剤増粘系は、本発明の組成物の調製に有用な増粘剤系を形成することを示すものである。
内容物を4オンスのジャーに入れ、内容物が溶解するまで内容物を65℃に加熱することによって次の溶液を調製した。透き通った熱溶液を熱から除去し、環境温まで冷却した。
実施例3に記載の通りに、各試料の分離を試験した。
より高いアルコールレベルを有する処方Bで、炭素18個の鎖は安定な系を形成しなかったが、エタノールレベルがさらに高い処方Cで、炭素22個の鎖は安定な系を形成した。
実施例6
この実施例は、グルコン酸クロルヘキシジンなどの補足的抗菌薬を本発明の製剤に加え得ることを例証するものである。
清潔な4オンスのジャー内の溶液をオーブン内で65℃に加熱することにより、次の製剤を調製した。この製剤は、この時点でCHGを含有していなかった。溶液をいったん環境温まで冷却して増粘した後、水性CHG溶液を加えて混合した。
試料を試験してCHG不活性化レベルを測定し、Stuart Pharmaceuticals,Wilmington,DEから入手可能な市販の手用製剤HibiclensTMと比較した。密度1×108胞子/mlのBacillus subtilus ATCC 6633 0.5mlを溶融した(50℃)寒天に加えることによって、細菌胞子懸濁液トリプチカーゼ大豆寒天プレートを作製した。寒天20mlを滅菌ペトリ皿に分注し、寒天を軟化させた。真空源に取付けた直径4mmのゲルパンチを使用して、寒天プレートにウェルを作った。ミクロピペットを使用して、1試料を加えて各ウェルを満たした。接種したプレートを35℃で一晩インキュベートした。各ウェルの阻止域を測定した。阻止域サイズと標準濃度を半対数グラフ用紙にプロットし、試料中のクリルヘキシジン濃度を標準曲線から算出した。
実施例3に略述した方法で、試料の安定性も試験した。23℃で、ヘリオパスアダプター付Brookfield LVDV-I+粘度計を使用して、下表に記載のrpmで試料の粘度を測定した。
上記データから、溶液はCHGと相溶性であり、不活性化レベルはCHG含有製品で一般にみられるものと一致していたことがわかる。
実施例7
この実施例は、本発明の組成物において、様々な鎖長(C16,C18,C20,C22および〜C24)の線状第一級アルコールを、エチレンオキシド5モルを含むエトキシル化ベヘニルエーテルと併用することの影響を示すものである。
下表に示した量の成分すべてをジャーに入れることによって各製剤を調製した。全成分が溶解するまで、このジャーを65℃で1時間加熱した。融点が高いため、C24第一級アルコールを含有する製剤を65℃でホモジナイズした。ジャーを60rpmのローラーにのせて回転させ、24時間冷却した。環境温で、Helipath TC Spindleを使用して、下表に記載のrpmで試料の粘度を測定した。
1種のポリエトキシリ化アルコール乳化剤を含有する試料Aは、安定な組成物を生成した。C16の長鎖脂肪アルコール(セチルアルコール)およびより長いものを使用すると、より望ましい粘度を有する試料が生じた(試料B、C、D、E、F、GおよびH)。
実施例8
この実施例は、様々な鎖長(C16,C18,C20,C22および〜C24)の線状第一級アルコールを、beheneth-10またはbeheneth-20のいずれかのポリエトキシル化ベヘニルと併用する影響を示すものである。
全成分を4オンスのジャーに入れることによって、各試料を調製した。成分が溶融するか溶解するまで、この試料をオーブン内で65℃に加熱した。ジャーを60rpmのローラーにのせて回転させ、24時間冷却した。
各環境温で、Brookfield粘度計でHelipath TCスピンドルを使用して、下表に記載のrpmで各試料の粘度を測定した。上記実施例3に略述した通りに、分離を試験した。
上記のデータから、安定な粘性乳液を完成する際に、脂肪アルコールの炭素鎖長および脂肪アルコールのエトキシル化が重要なことがわかる。たとえば、製剤B、CおよびDは安定な粘性試料を生成したが、より長いポリエチレンオキシド鎖を有する乳化剤を含む製剤F、GおよびHは、不安定な組成物を生成した。
実施例7、試料A〜Hはbeheneth-10を使用し、試料F〜Hはbeheneth-20を使用した。最高レベルのエトキシル化で、試料は安定ではなかった(F〜H)。最低レベルのエトキシル化(試料A〜H、実施例7)およびC20〜C24アルコール類(試料F〜H)で最高の結果が得られた。
実施例9
この実施例は、ワックスおよび油皮膚軟化剤が本発明の組成物の粘度に及ぼす影響を示すものである。全成分をガラスジャーに入れ、全成分が溶解するまで65℃に加熱することによって、製剤Aを調製した。ジャーを作業台に置いて環境温まで冷却させた。製剤Aを使用して製剤BからHまでを調製した。各ジャーに、A58gと、明記された皮膚軟化剤を入れた。各製剤を65℃に加熱し、軽くホモジナイズして環境温まで冷却した。
実施例に略述した通りに、各実施例の粘度および安定性を試験した。
試料EおよびFの粘度および安定性の結果から、比較的短鎖の分岐アルコール類(たとえば、Jarchem Industries Inc.,Newark,N.J.から入手可能なJarcol I-16TM C16イソセチルアルコール)は、結果として生じる乳液の粘度および安定性を低減することがわかる。ベヘニルイソステアレートやラノリンなど、長鎖疎水性成分を含有すると(試料GおよびH)、イソセチルアルコールなど、分岐短鎖油の乳液の許容性を有意に改善する。
実施例10
この例は、炭素原子が16個以上のアルキルカルボン酸一価塩類は、補助乳化剤として本発明に有用なことを示すものである。
下表に略述した処方に従い、全成分を4オンスジャーに入れることによって、試料を作成した。ジャーにふたをして、全成分が溶解するまで65℃に加熱した。ジャーを渦巻き攪拌して成分を混合し、熱から外して環境温まで冷却した。表に記載の通り、粘度を測定した。実施例3に略述した通り、分離試験を行った。
実施例11
この実施例は、ベヘニルエステルと多価アルコールおよびグリセロールモノベヘネートの使用を表すものである。
グリセロールモノベヘネート、Beheneth-5、Unithox 480およびジイソプロピルジメレート(油相)を一緒に溶融することにより、試料を作成した。油相および水層を別々に180°Fに加熱した。水相は、PEG 900、PEG 600、グリセロール、ジメチコーンL45/350、NaClおよび蒸留水で構成されていた。油相および水相を、ホモジナイズすることにより混合し、環境温まで冷却した。この混合物にエタノールを加え、生じた混合物を低速で1分間ホモジナイズした。
実施例12
この例は、油皮膚軟化剤の選択および補助乳化剤濃度に対する高温安定性の感受性を示すものである。
下表に略述した処方に従って、試料を作製した。製造中、組成物のエチルアルコールは加熱しなかった。ベヘニルアルコール、beheneth-5、Unithox 480、Isofol 18T18エステル、Pelemol ISB、グリセロールトリイソステアレート、Isofol 24、イソステアレートおよびIsofol 1616から成る油/ワックス相を、PEG 600、PEG 900、グリセロール、ジメチコーンL45/350およびNaClから成る水層と別個に加熱した。油/ワックス相も水層も80℃に加熱した。いったん全成分が溶解したら、油相を水層に加え、その混合物を冷却したからエチルアルコールを加えた。組成物全体を軽くホモジナイズした。
TCスピンドル付Brookfield Helipath Viscometerを使用して、各試料の粘度を下表に記載の温度および回転で使用した。40℃または47℃に加熱した後でも、試料の相分離が確認された。
所与の温度における粘度
実施例13
この実施例は、補助乳化ワックスが、結果として生じる組成物の、環境温およびより高い温度における粘度を上昇させることを示すものである。油/ワックス/ポリエトキシレートを、水とは別に溶解することにより、試料を作製した.油相も水層も80℃に加熱し、ホモジナイザーで混合し、冷却した後、エチルアルコールを加えた。
TC Helipathスピンドルを使用して、環境温、0.3rpmで各試料の粘度を試験した。結果を下表に略述する。
実施例14
この実施例は、シリコーン補助乳化剤が本発明に有用なことを示すものである。乳化剤は、ジメチコーン、ポリエチレンオキシドおよびベヘネートエステルの3ブロックコポリマーである。
油層は、ベヘニルアルコール、beheneth-5、Isofol 2414およびジメチコーンコポリオールホスホベヘネートで構成されていた。水層は、蒸留水とCHGで構成されていた。水相および油相を別々に80℃に加熱して成分を溶融させ、各々を渦巻き攪拌して混合した。2相を合せて高速で30秒間ホモジナイズした。
混合物をいったん冷却してエタノールを加えた後、その混合物をホモジナイズした。試料作製後、TC Helipath Spindlを使用して、0.3rpm、環境温および30℃で粘度を試験した。結果を下表に示す。
実施例15
以下に、本発明の好ましい製剤を記載する。
油相は、ベヘニルアルコール、セチルパルミテート、beheneth-5、Unithox 480、ジソプロピルジメレートおよびスクアランで構成されていた。油層成分を合せ、全成分が溶融するまで80℃に加熱した。油層を渦巻き攪拌して溶液を混合した。水性相は、PEG 900、PEG 600、グリセロール、ジメチコーンL45/350、NaClおよび蒸留水で構成されていた。水性相成分を合わせて80℃に加熱した。油層を水性相に加え、結果として生じた混合物を高速で30秒間ホモジナイズした。ホモジナイズした組成物を環境温まで冷却した。組成物を一度冷却したらエタノールを加え、結果として得られた混合物を軽くホモジナイズした。
片手の掌にローション2mlを塗付し、両手に完全にこすりつけることによって、触覚試験で製剤を最初に評価した。ボランティア5名は、最初に水とIvory液体石鹸(Procter and Gamble,Cincinnati,Ohio)で洗浄し、各塗付の前に手を完全に乾かした後、約1時間間隔で1日8回、ローションを塗付した。潜在的な乾燥の影響を悪化させるために、これを冬期に計5日間繰返した。総合的感触、油っこさがないこと、保湿、塗付中の滑らかさ、および洗浄中の感触を含め、調査した化粧品カテゴリーのすべてで、ローションは肯定的に評価された。
実施例16:増粘剤系を含有するポリグリセリルエステル
増粘剤系と溶剤を別々のジャー内で75℃に加熱し、溶剤を増粘剤に急激に加え、激しく振盪し、10〜15℃の水浴中に浸しながらオーバーヘッドスターラーで10分間攪拌することにより、次の組成物を作製した。Tmを上述の通りに測定した。
試料AおよびBは均質で粘性且つ半透明なクリームであった。試料Cは、類似していたが、粘度がより高く幾らか真珠光沢があった。試料DおよびEは、均質で粘性且つ半透明でほとんどゲル様の組成物であった。試料AおよびBのTm値から、Promyristyl PM3皮膚軟化剤は製剤の溶融温度を低下させることがわかる。試料Eの感触はかなり良かったが、僅かに粘着性であった。
比較例17〜21
米国特許第4,956,170号(「170号特許」)の実施例の組成物の無ポリマーの粘度を本発明のものと比較するために、「170号特許」に必要であった高分子増粘剤を省いたこと以外は「170号特許」に教示の組成物および方法に従って試料を作製した。これらの比較例から、「170号特許」に開示されている組成物および手順では、組成物から高分子増粘を省くと、所望の組成物が生じないことがわかる。
比較例17(ACRITAMER 940およびJAGUAR HP-120を含まない米国特許第4,956,170号の実施例1)
4オンスのガラスジャーに、エタノールおよびイソプロピルパルミテートを加えた。このジャーを渦巻き攪拌して成分を溶解させた。第2の4オンスのガラスジャーに水を加え、続いてDow Corning 225流体、グリセリン、ペトロラタム、セチルアルコールおよびミリスチルアルコールを加えた。ジャーおよびその内容物を、全成分が液化するまで、58℃に加熱した。次に、第2ジャーにBRIJ 58を加えた。第2ジャー内の溶液を58℃に加熱し、1インチ平方のホールヘッドを具備するSilverson Homogenizerを使用して高速で30秒間ホモジナイズした。ジャーにふたをし、内容物が環境温に達するまで冷流水で冷却した。水性相にアルコール溶液を加え、生じた溶液を低速で30秒間ホモジナイズした。
エタノールを加える前の溶液の粘度は高く、ほとんどゲル化していた。いったんエタノールを加えると、製剤は不安定になって分離し、白色の凝集が浮遊したり容器の壁に付着した。
比較例18(ACRITAMER 940およびJAGUAR HP-120を含まない米国特許第4,956,170号の実施例2)
4オンスのガラスジャーに、エタノールおよびイソプロピルパルミテートを加えた。このジャーを渦巻き攪拌して成分を溶解させた。第2の4オンスのガラスジャーに水を加え、続いてDow Corning 225流体、グリセリン、ペトロラタム、およびステアリルアルコールを加えた。ジャーおよびその内容物を、全成分が液化するまで、66℃に加熱した。次に、第2ジャーにBRIJ 58を加えた。第2ジャー内の溶液を66℃に加熱し、1インチ平方のホールヘッドを具備するSilverson Homogenizerを使用して高速で30秒間ホモジナイズした。ジャーにふたをし、内容物が環境温に達するまで冷流水で冷却した。水性相にアルコール溶液を加え、生じた溶液を低速で30秒間ホモジナイズした。
アルコールを加える前は、組成物は粘度の低い白色の溶液であった。いったんエタノールを加えると、製剤は不安定になって分離し、白色の凝集が浮遊したり、底に沈んだり、容器の壁に付着したりした。
比較例19(ACRITAMER 940芳香剤および色素を含まない米国特許第4,956,170号の実施例5)
4オンスのジャーに、水、ペトロラタム、イソプロピルパルミテートおよびBRIJ 721を加えた。全成分が液化するまでジャーを58℃に加熱した。1インチ平方のホールヘッドを具備するSilverson Homogenizerを使用して高速で30秒間、溶液をホモジナイズした。ジャーにふたをし、内容物が環境温に達するまで冷流水で冷却した。アルコール溶液を水性相に加え、生じた溶液を低速で30秒間ホモジナイズした。
アルコールを加える前は、材料は低粘度の溶液であった。いったんアルコールを加えると、製剤は分離し、白色の凝集容器の壁に付着した。
比較例20(ACRITAMER 940および芳香剤を含まない米国特許第4,956,170号の実施例1)
4オンスのガラスジャーに、水、イソプロピルパルミテート、Dow Corning 225流体、グリセリン、ペトロラタム、BRIJ 58およびステアリルアルコールを加えた。ジャーおよびその内容物を、全成分が液化するまで、77℃に加熱した。1インチ平方のホールヘッドを具備するSilverson Homogenizerを使用して高速で30秒間、ジャー内の溶液をホモジナイズした。ジャーにふたをし、内容物が環境温に達するまで冷流水で冷却した。水性相にアルコール溶液を加え、生じた溶液を低速で30秒間ホモジナイズした。エタノールを加える前の溶液の粘度は高く、ほとんどゲル化していた。いったんエタノールを加えると、製剤は不安定になって分離し、白色の凝集が浮遊したり、底に沈んだり、容器の壁に付着したりした。
比較例21(ACRITAMER 940を含まない米国特許第4,956,170号の実施例21)
4オンスのガラスジャーに、水、イソプロピルパルミテート、Dow Corning 225流体、ペトロラタム、セチルアルコール、ミリスチルアルコールおよびBRIJ 58を加えた。ジャーおよびその内容物を、全成分が液化するまで、66℃に加熱した。1インチ平方のホールヘッドを具備するSilverson Homogenizerを使用して高速で30秒間、ジャー内の溶液をホモジナイズした。ジャーにふたをし、内容物が環境温に達するまで冷流水で冷却した。水性相にアルコール溶液を加え、生じた溶液を低速で30秒間ホモジナイズした。
エタノールを加える前の溶液の粘度は高く、ほとんどゲル状態であった。いったんエタノールを加えると、製剤は不安定になって分離し、白色の凝集が浮遊したり容器の壁に付着したりした。
比較例22および23
米国特許第5,167,950号(「950号」特許)に教示の組成物および方法に従って試料を作製した。「950号」特許の実施例組成物の無ポリマーローションの粘度と、本発明のものとを比較するために、「950号」特許に必要であった高分子増粘剤および噴射剤を省いたこと以外は、下記の「950号」特許に従って比較例試料を作製した。これらの比較例から、所望の粘度を達成するためには、比較的高濃度の短鎖乳化剤が必要なことがわかる。さらに、これらの比較例試料の粘度は、時間が経過すると安定になるようである。
比較例22(Carbomer 951、トリエタノールアミンおよび芳香剤を含まない米国特許第5,167,950号の実施例7)
8オンスのガラスジャーに、エタノールと水を加えて一緒に混合し、60℃に加熱した。Ritapro 300、Brij 72およびBrij 721を加え、ワックスが溶融するまで内容物を60℃に維持した。混合物を攪拌し、環境温まで冷却した。粘度を時間の関数として測定した。粘度は、ヘリオパスアダプター付Brookfield LVDV-I+およびスピンドルT-Cを使用して測定した。スピンドルの速度は下記の通りであった。
試料は、増粘剤系中に5重量%の乳化剤を含んでいたが、この製剤の初期粘度は僅か29,190cpsであった。
比較例23(Carbomer 951、トリエタノールアミンおよび芳香剤を含まない米国特許第5,167,950号の実施例15)
8オンスのガラスジャーに、エタノールと水を加えて一緒に混合し、60℃に加熱した。Ritapro 300、およびLactodan P22を加え、ワックスが溶融するまで内容物を60℃に維持した。混合物を攪拌し、環境温まで冷却した。粘度を時間の関数として測定した。粘度は、ヘリオパスアダプター付Brookfield LVDV-I+およびスピンドルT-Cを使用して測定した。スピンドルの速度は下記の通りであった。
この製剤の粘度は急速に低下し、19日後に初期値の僅か29.6%に低下した。
特許法に従って、好ましい重量の割合、処理条件、および生成物の使用法を提供したが、本発明の範囲はこれに限定されたり、またこれによって限定されるものではない。本発明の様々な修正および変更は、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者に明白になるであろう。本願に記載の実施例は、組成物のタイプ、量および比率を変化させる可能性、ならびに本発明の製剤の製造方法の例示である。
Claims (5)
- a)重量比が60:40〜100:0の低級アルコールおよび水と、
b)組成物の合計重量を基準として少なくとも0.05重量%の量の少なくとも1種の固体乳化剤を含む、組成物の合計重量を基準として0.5重量%〜8重量%の量で存在する増粘剤系とを含み、前記乳化剤は、
(i)(A)炭素原子が少なくとも24個のアルキル基、
(B)炭素原子が少なくとも24個のアルケニル基、および、
(C)炭素原子が少なくとも24個のアラルキル基またはアラルケニル基、
からなる群より選ばれる少なくとも1個の疎水基と、
(ii)(A)エーテルもしくはエステル結合を介して前記疎水基に結合しており、そして場合により、(C1〜C38)アルキルエステル、(C2〜C38)アルケニルエステルまたは(C6〜C38)アラルキルエステルを末端とする、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド含有基、
(B)アルコール基、
(C)多価アルコール基、
(D)多価アルコールまたはそのポリエトキシル化誘導体のエステルまたはエーテル基、
(E)ソルビタンまたは前記疎水基1モルあたりアルキレンオキシド2〜150モルのソルビタンのポリアルコキシル化誘導体のエステル基、および、
(F)それらの組み合わせ
からなる群より選ばれる少なくとも1個の親水基と
を含み、
補助増粘剤を含まない組成物の23℃での粘度が少なくとも4000センチポアズである、皮膚消毒用ヒドロアルコール系組成物。 - a)重量比が60:40〜75:25の低級アルコールおよび水と、
b)組成物の合計重量を基準として少なくとも0.05重量%の量の少なくとも1種の固体乳化剤を含む、組成物の合計重量を基準として0.5重量%〜8重量%の量で存在する増粘剤系とを含み、前記乳化剤は、
(i)(A)炭素原子が少なくとも16個のアルキル基、
(B)炭素原子が少なくとも16個のアルケニル基、および、
(C)炭素原子が少なくとも20個のアラルキル基またはアラルケニル基、
からなる群より選ばれる少なくとも1個の疎水基と、
(ii)(A)エーテルもしくはエステル結合を介して前記疎水基に結合しており、そして場合により、(C1〜C38)アルキルエステル、(C2〜C38)アルケニルエステルまたは(C6〜C38)アラルキルエステルを末端とする、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド含有基、
(B)アルコール基、
(C)多価アルコール基、
(D)多価アルコールまたはそのポリエトキシル化誘導体のエステルまたはエーテル基、
(E)ソルビタンまたは前記疎水基1モルあたりアルキレンオキシド2〜150モルのソルビタンのポリアルコキシル化誘導体のエステル基、および、
(F)それらの組み合わせ
からなる群より選ばれる少なくとも1個の親水基と
を含み、
前記増粘剤系は重量平均親水性種/親油性種バランスが4〜16であり、
組成物の融解温度が35℃より高く、そして、補助増粘剤を含まない組成物の23℃での粘度が少なくとも4000センチポアズである、皮膚消毒用ヒドロアルコール系組成物。 - a)重量比が35:65〜100:0の低級アルコールおよび水と、
b)組成物の合計重量を基準として各々少なくとも0.05重量%の量の少なくとも2種の乳化剤を含む、組成物の合計重量を基準として0.5重量%〜8重量%の量で存在する増粘剤系であって、前記乳化剤の少なくとも1つは固体であり、且つ前記乳化剤の少なくとも1つは、
(i)(A)炭素原子が少なくとも16個のアルキル基、
(B)炭素原子が少なくとも16個のアルケニル基、および、
(C)炭素原子が少なくとも20個のアラルキル基またはアラルケニル基、
からなる群より選ばれる少なくとも1個の疎水基と、
(ii)(A)エーテルもしくはエステル結合を介して前記疎水基に結合しており、そして場合により、(C1〜C38)アルキルエステル、(C2〜C38)アルケニルエステルまたは(C6〜C38)アラルキルエステルを末端とする、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド含有基、
(B)ポリエトキシル化多価アルコールのエステルまたはエーテル基、
(C)前記疎水基1モルあたりアルキレンオキシド2〜150モルのポリアルコキシル化ソルビタンのエステル基、および、
(D)それらの組み合わせ
からなる群より選ばれる少なくとも1個の親水基と
を含み、
他の少なくとも1つの前記乳化剤は、
(i)(A)炭素原子が少なくとも16個のアルキル基、
(B)炭素原子が少なくとも16個のアルケニル基、および、
(C)炭素原子が少なくとも20個のアラルキル基またはアラルケニル基、
からなる群より選ばれる少なくとも1個の疎水基と、
(ii)少なくとも1つのアルコール性またはポリヒドロアルコール性親水基と、
を含む、増粘剤系と、
(c)前記低級アルコールとは異なる抗微生物剤と、
を含む、皮膚消毒用ヒドロアルコール系ローションであって、
前記増粘剤系の重量平均親水性種/親油性種バランスが4〜16であり、そして
ローションの融解温度が35℃より高く、そして、補助増粘剤を含まないローションの23℃での粘度が少なくとも4000センチポアズである、ローション。 - 請求項1または2に記載の安定な皮膚消毒用ヒドロアルコール系組成物の製造方法であって、
a)請求項1または2の増粘剤系を用意すること、
b)前記増粘剤系を溶融しそして組成物を形成するために十分な温度で溶剤系と前記増粘剤系とを調合すること、
を含む方法。 - 前記溶剤系は水および低級アルコールを含み、そして
a)前記増粘剤系と溶剤系とを調合する工程の前に、
i)前記増粘剤系を融解するのに十分な温度に前記増粘剤系を加熱すること、および、
ii)前記増粘剤系の融解温度よりも高い温度に水を加熱すること、
を含み、
b)前記増粘剤系と溶剤系とを調合する工程は、
i)前記増粘剤系と水とを調合すること、および、
ii)前記増粘剤系および水に低級アルコールを加えて組成物を形成することを含む、請求項4に記載の方法。
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