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JP4498706B2 - 光起電力素子及びこれを備えた光センサー - Google Patents
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JP4498706B2 - 光起電力素子及びこれを備えた光センサー - Google Patents

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Description

本発明は、光起電力素子及びこれを備えてなる光センサーに関する。
有機物を能動材料として用いた光起電力素子が多く研究されている。その目的は、単結晶、多結晶、アモルファスのSiでは達成が困難とされている、安価で毒性のない光起電力素子を開発するためである。
光起電力素子は、光エネルギーを電気エネルギー(電圧×電流)に変換する素子であるため、変換効率がその主要な評価対象となる。光電流の生成には内部電界の存在が必要であるが、内部電界を生成する方法としていくつかの素子構成が知られている。
(1)ショットキー接合またはMIS型接合
この素子は、金属/半導体接合で生じる内部電界を利用したものである。有機半導体材料としてメロシアニン染料、フタロシアニン顔料等が報告されている(非特許文献1)。この素子は、開放電圧(Voc)は大きくとれるが、電極として金属材料が用いられているため、電極の光透過率が低くなる。実際の光透過率は、よくても30%、通常は10%前後である。また、これらの材料は耐酸化性に乏しい。従って、この素子形態では高い変換効率と、安定した特性を作り出すことは望めない。
(2)n型無機半導体/p型有機半導体接合を利用したヘテロpn接合
この素子は、n型無機半導体/p型有機半導体を接合したときに生じる内部電界を利用したものである。n型材料としてCdS,ZnO等が用いられる。p型有機半導体材料としてメロシアニン染料、フタロシアニン等が報告されている(非特許文献2)。この素子は、電荷生成が主として有機層でなされるため、分光感度の制限を受ける。通常、有機層は単一の材料から形成されるが、400nmから800nmまで強い光吸収をもつ有機半導体は現在存在しないからである。従って、この素子構成では光入射電極の光透過性や、電極の安定性の問題はクリアできるが、分光感度領域が狭いため、高い変換効率は望めない。
(3)有機/有機ヘテロpn接合を利用したもの
この素子は、電子受容性の有機物と電子供与性の有機物を接合したときに生じる電界を利用したものである。この電子受容性有機物としてはマラカイトグリーン、メチルバイオレット、ピリリウム等の染料、フラバンスロン、ペリレン顔料等の縮合多環芳香族化合物が報告されており、電子供与性有機物としてはフタロシアニン顔料、メロシアニン染料等が報告されている(非特許文献3)。上記2種の構成と較べ、現在のところ最も望ましいものである。透明電極からの光照射が行え、また、2種の材料で光電荷生成が可能であるため、分光感度も広げることができる。しかし、Tang氏の技術は次の様な欠点を有している。
すなわち、前記電子供与性有機物及び電子受容性有機物の光電流、開放電圧、安定性等の特性及び成膜時ピンホールが生じやすいこと等の問題があって未だ十分とは言えない。また記されている材料が、電子受容性有機物は短波長領域に分光感度を有し、電子供与性有機物は長波長領域に分光感度を有しているため積層する組合せが限定されてしまう。
下記特許文献1には、電子供与性有機物または電子受容性有機物として特定のジイミダゾール化合物を用いる光起電力素子が提案されている。しかし、この素子構成においても、未だ電子供与性有機物と電子受容性有機物との組合せの最適化は十分とはいえず、よりいっそうの光電変換効率の向上が求められる。また材料が低分子化合物ゆえ、素子作成プロセスにおいては蒸着プロセスが主となり、多量生産や大面積化が容易ではないという課題も残されている。
A.K.Ghoshら:J.Appl.Phys.49,5982(1978) A.Horら:Appl.Phys.Lett.,42,15(1983) C.Tang:Appl.Phys.Lett.,48,183(1986) 特開平5−21823号公報
本発明は、上記従来の実情に鑑みなされたものであって、その目的は、有機/有機pnタイプの光起電力素子に対し、湿式成膜可能で製造が容易であり、ピンホールを生じにくく、安定性がよく、かつ高い変換効率を与える有機光起電力素子および、それを用いた光センサーを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の構成単位を有する高分子材料を電子供与性有機物層に含有する光起電力素子が上記目的に対して有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明には、以下の発明が包含される。
すなわち、請求項1の発明に係る光起電力素子は、少なくとも一方が透光性である2つの電極の間に、接合により内部電界を生じる電子受容性有機物層と電子供与性有機物層が積層された光起電力素子において、
前記電子供与性有機物層に、少なくとも下記一般式(1)で表される高分子材料を含有することを特徴とする。
Figure 0004498706
(式中、R1,R2はそれぞれ独立にハロゲン原子、置換もしくは無置換で、直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、x,yはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R1,R2が各々複数存在する場合には、同一でも別異でもよく、Arは置換または無置換の芳香族炭化水素基を表し、R3は置換または無置換で、直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基であり、zは2を表し、R3はそれぞれ炭素数が異なり、炭素数の大きいほうは炭素数10の置換または無置換で、分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基である。)
ここで上記一般式(1)で表される高分子材料としては、次の一般式(2)〜(4)で表されるものが好適である。
Figure 0004498706
(式中、R1,R2,R4はそれぞれ独立にハロゲン原子、置換もしくは無置換で、直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、wは0から5の整数を示し、x,yはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R1,R2,R4が各々複数存在する場合には、同一でも別異でもよく、R3は置換または無置換で、直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基であり、zは2を表し、R3はそれぞれ炭素数が異なり、炭素数の大きいほうは炭素数10の置換または無置換で、分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基である。)
Figure 0004498706
(式中、R1,R2,R5,R6はそれぞれ独立にハロゲン原子、置換もしくは無置換で、直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、uは0から5の整数を示し、v,x,yはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R1,R2,R5,R6が各々複数存在する場合には、同一でも別異でもよく、R3は置換または無置換で、直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基であり、zは2を表し、R3はそれぞれ炭素数が異なり、炭素数の大きいほうは炭素数10の置換または無置換で、分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基である。)
Figure 0004498706
(式中、R1,R2,R7,R8,R9,R10はそれぞれ独立にハロゲン原子、置換もしくは無置換で、直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、tは0から3の整数を示し、s,x,yはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R1,R2,R7,R8が各々複数存在する場合には、同一でも別異でもよく、R3は置換または無置換で、直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基であり、zは2を表し、R3はそれぞれ炭素数が異なり、炭素数の大きいほうは炭素数10の置換または無置換で、分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基である。)
請求項5の発明に係る光起電力素子は、
透明電極、電子受容性有機物層、電子供与性有機物層、背面電極がこの順に積層された光起電力素子において、
前記電子供与性有機物層に、上記一般式(1)で表される高分子材料、上記一般式(2)で表される高分子材料、上記一般式(3)で表される高分子材料、上記一般式(4)で表される高分子材料のいずれかを含有することを特徴とする(図1参照)。
請求項6の発明に係る光起電力素子は、透明電極、透光性n型無機半導体層、電子受容性有機物層、電子供与性有機物層、背面電極がこの順に積層された光起電力素子において、
前記電子供与性有機物層に、上記一般式(1)で表される高分子材料、上記一般式(2)で表される高分子材料、上記一般式(3)で表される高分子材料、上記一般式(4)で表される高分子材料のいずれかを含有することを特徴とする(図2参照)。
請求項7の発明に係る光起電力素子は、透明電極、電子受容性有機物層、第一電子供与性有機物層、第二電子供与性有機物層、背面電極がこの順に積層された光起電力素子において、
前記第二電子供与性有機物層に、上記一般式(1)で表される高分子材料、上記一般式(2)で表される高分子材料、上記一般式(3)で表される高分子材料、上記一般式(4)で表される高分子材料のいずれかを含有することを特徴とする(図3参照)。
請求項8の発明に係る光起電力素子は、透明電極、透光性n型無機半導体層、電子受容性有機物層、第一電子供与性有機物層、第二電子供与性有機物層、背面電極がこの順に積層された光起電力素子において、
前記第二電子供与性有機物層に、上記一般式(1)で表される高分子材料、上記一般式(2)で表される高分子材料、上記一般式(3)で表される高分子材料、上記一般式(4)で表される高分子材料のいずれかを含有することを特徴とする(図4参照)。
請求項9の発明に係る光センサーは、請求項1〜8のいずれかに記載の光起電力素子を備えていることを特徴とする。
以上の本発明によれば、安定性に優れかつピンホールを生じにくく、しかも湿式成膜可能で製造が容易な光起電力素子、及びこの光起電力素子を用いた有用な光センサーが提供されるという優れた効果を奏するものである。
以下本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の光起電力素子は電子供与性有機物層中に、特定の構成単位を有する高分子材料が含有されていることを特徴とする。本発明で用いられる高分子材料は、上記一般式(1)で表される有機半導体材料である。
本発明の有機半導体材料は、芳香環上に置換基を有していてもよい。溶媒への溶解性の向上の観点からはアルキル基やアルコキシ基などが挙げられる。これら置換基の炭素数が増加すれば溶解性はより向上するが、その反面キャリア移動度は低下してしまうため、溶解性が損なわれない範囲で所望の特性が得られるような置換基を選択することが好ましい。その場合の好適な置換基の例としては炭素数が1〜25のアルキル基及びアルコキシ基またはアルキルチオ基が挙げられる。更に好適には、炭素数が1〜18のアルキル基及びアルコキシ基またはアルキルチオ基が挙げられる。これら置換基は同一のものを複数導入してもよいし、異なるものを複数導入してもよい。また、これらのアルキル基及びアルコキシ基またはアルキルチオ基はさらにハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基やアルコキシ基またはアルキルチオ基で置換されたフェニル基を含有していてもよい。
アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を一例として挙げることができ、アルコキシ基、アルキルチオ基としては上記アルキル基の結合位に酸素原子または硫黄原子を挿入してアルコキシ基、アルキルチオ基としたものが一例として挙げられる。
上記重合体(有機半導体材料)は、アルキル基やアルコキシ基またはアルキルチオ基の存在により、溶媒への溶解性がさらに向上する。これらの材質において溶解性を向上させることは、フィルムの湿式成膜過程の製造許容範囲が大きくなることから重要である。例えば塗工溶媒の選択肢の拡大、溶液調製時の温度範囲の拡大、溶媒の乾燥時の温度及び圧力範囲の拡大となり、これらプロセッシビリティーの高さにより、結果的に高純度で均一性の高い高品質な薄膜が得られる可能性が高くなる。
前記一般式(1)における置換もしくは無置換の芳香族炭化水素基としては単環基、多環基(縮合多環基、非縮合多環基)の何れでもよく、一例として以下のものを挙げることができる。例えばフェニル基、ナフチル基、ピレニル基、フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基などが挙げられる。
また、これら芳香族炭化水素基は、以下に示す置換基を有していてもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルキル基、アルコキシ基。
(3)アリールオキシ基。(アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するアリールオキシ基が挙げられる。これは、炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルキル基、炭素数1〜25の無置換もしくは置換のアルコキシ基、又はハロゲン原子を置換基として含有してもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。)
(4)アルキルチオ基又はアリールチオ基。(アルキルチオ基又はアリールチオ基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。)
(5)アルキル置換アミノ基。(具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。)
(6)アシル基。(アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。)
上記一般式(1)に示される繰り返し単位を含む重合体のうち、より好ましい第一の態様は、上記一般式(2)で表される。
上記一般式(1)に示される繰り返し単位を含む重合体のうち、より好ましい第二の態様は上記一般式(3)で表される。
上記一般式(1)に示される繰り返し単位を含む重合体のうち、より好ましい第三の態様は上記一般式(4)で表される。
上記一般式(1)〜(4)に示される繰り返し単位を含む重合体の製造方法は、例えばアルデヒドとホスホネートを用いたWittig-Horner反応、アルデヒドとホスホニウム塩を用いたWittig反応、ビニル置換体とハロゲン化物を用いたHeck反応、アミンとハロゲン化物を用いたUllmann反応などを用いることができ、公知の方法により製造可能である。
なお、本発明で用いられる上記一般式(1)〜(4)で表される構造単位からなる重合体の具体的な製造方法は、例えば本願出願人が提出した特願2003−35582号の明細書に、その詳細が記載されている。
上記一般式(1)〜(4)に示される重合体の好ましい分子量はポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合にはクラックが発生するなど、成膜性が悪化し実用性に乏しくなる。また分子量が大きすぎる場合には、一般の有機溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、やはり実用上問題になる。
本発明の半導体材料は種々の一般的有機溶媒、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、トルエン、ジクロロベンゼン及びキシレン等に対し、良好な溶解性を示す。従って本発明の高分子材料を溶解できる適当な溶媒により適当な濃度の溶液を作製し、これを用いて湿式成膜法により半導体薄膜を作製することができる。
有機半導体層を形成するための湿式成膜法としては、スピンコート法、ディッピング法、ブレード塗工法、スプレー塗工法、キャスト法、インクジェット法、印刷法等の公知の湿式成膜技術によって薄膜化することができる。これら各種成膜法に対し、上記記載の溶媒種から適切な溶媒が選択される。膜厚は50〜3000Åが好ましい。
また、本発明では、上記一般式(1)に示される高分子材料のうち、いずれか一種を適宜に選択して用いる(単独で使用)こともできるが、2種以上を併用してもよい。
本発明の高分子材料以外の電子供与性有機物層中に用いられる高分子材料としては、例えば次のような従来公知の材料が挙げられる。
(a)ポリ-N-ビニルカルバゾール誘導体、ポリ-γ-カルバゾリルエチルグルタメート誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ジフェネチルベンゼン誘導体(特開平9−127713号公報に記載)、
(b)α−フェニルスチルベン誘導体(特開平9−297419号公報に記載)、
(c)ブタジエン誘導体(特開平9−80783号公報に記載)、
(d)水素化ブタジエン(特開平9−80784号公報に記載)、
(e)ジフェニルシクロヘキサン誘導体(特開平9−80772号公報に記載)、
(f)ジスチリルトリフェニルアミン誘導体(特開平9−222740号公報に記載)、
(g)ジフェニルジスチリルベンゼン誘導体(特開平9−265197号公報、同9−265201号公報に記載)、
(h)スチルベン誘導体(特開平9−211877号公報に記載)、
(i)m−フェニレンジアミン誘導体(特開平9−304956号公報、同9−304957号公報に記載)、
(j)レゾルシン誘導体(特開平9−329907号公報に記載)、
(k)トリアリールアミン誘導体(特開昭64−9964号、特開平7−199503号、特開平8−176293号、特開平8−208820号、特開平8−253568号、特開平8−269446号、特開平3−221522号、特開平4−11627号、特開平4−183719号、特開平4−124163号、特開平4−320420号、特開平4−316543号、特開平5−310904号、特開平7−56374号、特開平8−62864号の各公報、米国特許5,428,090号明細書、同5,486,439号明細書に記載)。
以上、高分子材料について説明してきたが、光電変換効率の向上等を目的として、低分子型電子供与性有機材料を本発明の高分子材料と共に含有させてもよい。それには従来公知の低分子型電子供与性有機材料を用いることができ、これらの低分子電子供与性有機材料は単独または2種類以上を混合して用いることができる。
従来公知の低分子電子供与性有機材料としては、
(11)α−フェニルスチルベン誘導体(特開昭57−73075号公報に記載)、
(12)ヒドラゾン誘導体(特開昭55−154955号、同55−156954号、同55−52063号、同56−81850号などの各公報に記載)、
(13)トリフェニルメタン誘導体(特公昭5−10983号公報に記載)、
(14)アントラセン誘導体(特開昭51−94829号公報に記載)、
(15)オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体(特開昭52−139065号公報、同52−139066号公報に記載)、
(16)イミダゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体(特開平3−285960号公報に記載)、
(17)ベンジジン誘導体(特公昭58−32372号公報に記載)、
(18)スチリル誘導体(特開昭56−29245号、同58−198043号の各公報に記載)、
(19)カルバゾール誘導体(特開昭58−58552号公報に記載)、
(20)ピレン誘導体(特開平2−94812号公報に記載)、
などが挙げられる。
本発明は、有機/有機pnタイプの光起電力素子において、電子供与性有機物層に特定の高分子材料を用いるものである。かかる光起電力素子は、例えば以下の図1、図2、図3、図4の形態(積層構造)で使用される。
図1は、透明絶縁支持体1の上に透明電極2、電子受容性有機物層3、電子供与性有機物層4および背面電極5を積層し、透明電極2と背面電極5とにそれぞれリード線6を取り付けたものである。
図2は、上記図1に示した透明電極2と電子受容性有機物層3との間に、透光性n型無機半導体層7を設けたものである。この構成の特徴は、透光性n型無機半導体層7が挿入されたことにある。
図3は、図1の素子における電子供与性有機物層4が、第一電子供与性有機物層41と、第二電子供与性有機物層42の2層からなるものに置き換ったものである。
図4は、図3の素子において透明電極2と電子受容性有機物層3との間に、透光性n型無機半導体層7が挿入されたものである。
上記、図1から図4の本素子が光起電力能を有する(すなわち光センサーとしても機能する)理由は、電子受容性有機物層と電子供与有機物層の界面で両層のフェルミレベルの違いによって生ずる局所的な内部電界に起因している。この内部電界が働いている部分に光が吸収されることによりキャリアが発生する。これが最終的に外部に電流として取り出される。従って、この界面にいかに多くの光が到達し吸収されるか、電子受容性有機物層と電気供与有機物層の間に生ずる内部電界の大きさ等のキャリア発生能と電子受容性有機物層、電子供与有機物層の電子及び正孔の移動能及び注入性等が光起電力素子の変換効率の大きな因子となる。これらは電子受容性有機物層、電子供与有機物層に使用される材料に大きく左右されるものであるが、本発明者らは、電子供与性有機物層に上記一般式(1)(上記一般式(2)〜(4)の場合を含む)で表される高分子材料を含有することにより、光電変換効率が向上することを見いだした。ここで光起電力素子の変換効率(η)は次式によって表される。
(数1)
η(%) =(Voc × Jsc × ff × 100)/Pin
上式において、Vocは開放時の電圧、Jscは短絡時の電流、ffはフィルタファクターと呼ばれる光照射時の電圧−電流曲線の因子を示す値である。Pinは入射光エネルギーである。
図2及び図4に設けられている透光性n型無機半導体層7は、電子受容性有機物層と電極材料とのエネルギー障壁をなくし電荷の移動を容易にする役割と、電子受容性有機物層のピンホールの影響を消失させる役割をはたしていると考えられる。
図3及び図4の第二電子供与性有機物層42は、光活性層における吸収光の有効利用や、生成した電荷の再結合確率を低減するなどの役割をしていると考えられる。
次に本発明の光起電力素子に使用される各種の材料、製法等について説明する。
本発明において使用する透明絶縁支持体1としては、ガラス、プラスチックフィルム等が用いられる。
本発明において使用する透明電極2としては、酸化スズインジウム(ITO)、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛、半透明Au等が用いられる。好ましい膜厚は100〜10000Åである。本発明において使用する透光性n型半導体層7の材料としては、酸化亜鉛、3価の金属がドープされた酸化亜鉛、CdS、酸化チタン等が用いられる。膜厚は10〜10000Åである。
本発明において用いる電子受容性有機物層3の材料としては、ペリレン系顔料(Pigment Red(以下PR)179,PR190,PR149,PR189,PR123,Pigment Brown 26等)、ペリノン系顔料(Pigment Orange 43,PR 194等)、アントラキノン系顔料(PR168,PR177,Vat Yellow 4等)、フラバンスロン等の含キノン黄色顔料、クリスタルバイオレット、メチルバイオレット、マラカイトグリーン等の染料フルオレノン、2,4,7トリニトロフルオレノン、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン等のアクセプター化合物を挙げることができる。これらは蒸着、スピンコート法、ディッピング法にて成膜される。膜厚は100〜3000Åが好ましい。
本発明において用いる第一電子供与性有機物層41の材料としては、フタロシアニン系顔料(中心金属がCu,Zn,Co,Ni,Pb,Pt,Fe,Mg等の2価のもの、無金属フタロシアニン、アルミニウムクロルフタロシアニン、インジウムクロルフタロシアニン、インジウムブロムフタロシアニン、ガリウムクロルフタロシアニン等のハロゲン原子が配位した3価金属のフタロシアニン、塩素化銅フタロシアニン、塩素化亜鉛フタロシアニン、その他バナジルフタロシアニン、チタニルフタロシアニン等の酸素が配位したフタロシアニン)、インジゴ、チオインジゴ系顔料(Pigment Blue 66,Pigment Violet 36等)、キナクリドン系顔料(Pigment Violet 19,Pigment Red 122等)、メロシアニン化合物、シアニン化合物、スクアリウム化合物等の染料が挙げられる。これらの層は蒸着、スピンコート法、キャスト法、インクジェット工法、ディッピング塗工法等の公知の方法によって成膜される。薄膜は50〜3000Åが好ましい。
また本発明で用いられる背面電極5としては、Au,Pt,Ni,Pd,Cu,Cr,Ag等の仕事関数の高い金属が用いられる。膜厚は50〜3000Åが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、これら実施例によって本発明は何ら限定されるものではない。
[実施例1]
よく洗浄したITOガラス(松崎真空製、30Ω/□)上に、真空蒸着法で電子受容性有機物層としてペリレンテトラカルボン酸メチルイミド(PL−ME)を約400Åの厚さで設けた。次いで本発明で用いられる上記一般式(1)で表される高分子化合物として、下記重合体(A)の1.0wt%トルエン溶液を調製した。この溶液をスピンコート法により約400Åの膜厚で塗布し、電子供与性有機物層を形成した。その上に金を真空蒸着した。ITOと金がなす面積は0.25cm2とした。2つの電極に銀ペーストにてリード線を取り付けた。
Figure 0004498706
この素子のITO側に、75mW/cm2の白色光を照射しながら、6mV/sで掃引される電圧を印加して変換効率を測定したところVoc=0.38V、Jsc=1.85mA/cm2、ff=0.38となり、変換効率0.36%が得られた。この値は有機光起電力素子としては大きなものである。
[実施例2]
よく洗浄したITOガラス(松崎真空製、30Ω/□)上に基板温度約250℃で、導入ガスとしてアルゴンを用い、DCマグネトロンスパッタ法で、透光性n型無機半導体層として酸化亜鉛を約1500Åの厚さで設けた。その上に、真空蒸着法で電子受容性有機物層としてペリレンテトラカルボン酸メチルイミド(PL−ME)を約400Åの厚さで設けた。次いで本発明で用いられる上記一般式(1)で表される高分子化合物として、下記重合体(B)の1.0wt%トルエン溶液を調製した。この溶液をスピンコート法により約400Åの膜厚で塗布し、電子供与性有機物層を形成した。その上に金を真空蒸着した。ITOと金がなす面積は0.25cm2とした。2つの電極に銀ペーストにてリード線を取り付けた。
Figure 0004498706
以下実施例1と同様にして変換効率を測定した。その結果、Voc=0.40V、Jsc=1.85mA/cm2、ff=0.38となり、変換効率0.37%が得られた。この値は有機光起電力素子としては大きなものである。
[実施例3]
よく洗浄したITOガラス(松崎真空製、30Ω/□)上に、真空蒸着法で電子受容性有機物層としてペリレンテトラカルボン酸メチルイミド(PL−ME)を約400Åの厚さで、次いで第一電子供与性有機物層としてアルミニウムクロルフタロシアニン(AlClPc)を約100Åの厚さで設けた。さらに本発明で用いられる上記一般式(1)で表される高分子化合物として、下記重合体(C)の1.0wt%トルエン溶液を調製した。この溶液をスピンコート法により約400Åの膜厚で塗布し、第二電子供与性有機物層を形成した。その上に金を真空蒸着した。ITOと金がなす面積は0.25cm2とした。2つの電極に銀ペーストにてリード線を取り付けた。
Figure 0004498706
以下実施例1と同様にして変換効率を測定した。その結果、Voc=0.42V、Jsc=1.9mA/cm2、ff=0.42となり、変換効率0.45%が得られた。この値は有機光起電力素子としては大きなものである。
[実施例4]
よく洗浄したITOガラス(松崎真空製、30Ω/□)上に基板温度約250℃で、導入ガスとしてアルゴンを用い、DCマグネトロンスパッタ法で、透光性n型無機半導体層として酸化亜鉛を約1500Åの厚さで設けた。酸化亜鉛上に、真空蒸着法で電子受容性有機物層としてペリレンテトラカルボン酸メチルイミド(PL−ME)を約400Åの厚さで、次いで第一電子供与性有機物層としてアルミニウムクロルフタロシアニン(AlClPc)を約100Åの厚さで設けた。さらに本発明で用いられる上記一般式(1)で表される高分子化合物として、前記重合体(A)の1.0wt%トルエン溶液を調製した。この溶液をスピンコート法により約400Åの膜厚で塗布し、第二電子供与性有機物層を形成した。その上に金を真空蒸着した。
以下実施例1と同様にして変換効率を測定した。その結果、Voc=0.43V、Jsc=2.44mA/cm2、ff=0.46となり、変換効率0.64%が得られた。この値は有機光起電力素子としては大きなものである。
[実施例5]
よく洗浄したITOガラス(松崎真空製、30Ω/□)上に基板温度約250℃で、導入ガスとしてアルゴンを用い、DCマグネトロンスパッタ法で、透光性n型無機半導体層として酸化亜鉛を約1500Åの厚さで設けた。酸化亜鉛上に、真空蒸着法で電子受容性有機物層としてペリレンテトラカルボン酸メチルイミド(PL−ME)を約400Åの厚さで、次いで第一電子供与性有機物層としてアルミニウムクロルフタロシアニン(AlClPc)を約100Åの厚さで設けた。さらに本発明で用いられる上記一般式(1)で表される高分子化合物として、前記重合体(B)の1.0wt%トルエン溶液を調製した。この溶液をスピンコート法により約400Åの膜厚で塗布し、第二電子供与性有機物層を形成した。その上に金を真空蒸着した。
以下実施例1と同様にして変換効率を測定した。その結果、Voc=0.45V、Jsc=2.23mA/cm2、ff=0.46となり、変換効率0.62%が得られた。この値は有機光起電力素子としては大きなものである。
[実施例6]
よく洗浄したITOガラス(松崎真空製、30Ω/□)上に基板温度約250℃で、導入ガスとしてアルゴンを用い、DCマグネトロンスパッタ法で、透光性n型無機半導体層として酸化亜鉛を約1500Åの厚さで設けた。酸化亜鉛上に、真空蒸着法で電子受容性有機物層としてペリレンテトラカルボン酸メチルイミド(PL−ME)を約400Åの厚さで、次いで第一電子供与性有機物層としてアルミニウムクロルフタロシアニン(AlClPc)を約100Åの厚さで設けた。さらに本発明で用いられる上記一般式(1)で表される高分子化合物として、前記重合体(C)の1.0wt%トルエン溶液を調製した。この溶液をスピンコート法により約400Åの膜厚で塗布し、第二電子供与性有機物層を形成した。その上に金を真空蒸着した。
以下実施例1と同様にして変換効率を測定した。その結果、Voc=0.45V、Jsc=2.23mA/cm2、ff=0.48となり、変換効率0.64%が得られた。この値は有機光起電力素子としては大きなものである。
本発明に係る光起電力素子の具体例を示す模式的断面図である。 本発明に係る光起電力素子の別の具体例を示す模式的断面図である。 本発明に係る光起電力素子の更に別の具体例を示す模式的断面図である。 本発明に係る光起電力素子の更に別の具体例を示す模式的断面図である。
符号の説明
1:透明絶縁支持体
2:透明電極
3:電子受容性有機物層
4:電子供与性有機物層
5:背面電極
6:リード線
7:透光性n型無機半導体層
41:第一電子供与性有機物層
42:第二電子供与性有機物層


Claims (9)

  1. 少なくとも一方が透光性である2つの電極の間に、接合により内部電界を生じる電子受容性有機物層と電子供与性有機物層が積層された光起電力素子において、
    前記電子供与性有機物層に、少なくとも下記一般式(1)で表される高分子材料を含有することを特徴とする光起電力素子。
    Figure 0004498706

    (式中、R1,R2はそれぞれ独立にハロゲン原子、置換もしくは無置換で、直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、x,yはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R1,R2が各々複数存在する場合には、同一でも別異でもよく、Arは置換または無置換の芳香族炭化水素基を表し、R3は置換または無置換で、直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基であり、zは2を表し、R3はそれぞれ炭素数が異なり、炭素数の大きいほうは炭素数10の置換または無置換で、分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基である。)
  2. 前記高分子材料が、下記一般式(2)で表されるものであることを特徴とする請求項1に記載の光起電力素子。
    Figure 0004498706

    (式中、R1,R2,R4はそれぞれ独立にハロゲン原子、置換もしくは無置換で、直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、wは0から5の整数を示し、x,yはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R1,R2,R4が各々複数存在する場合には、同一でも別異でもよく、R3は置換または無置換で、直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基であり、zは2を表し、R3はそれぞれ炭素数が異なり、炭素数の大きいほうは炭素数10の置換または無置換で、分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基である。)
  3. 前記高分子材料が、下記一般式(3)で表されるものであることを特徴とする請求項1に記載の光起電力素子。
    Figure 0004498706

    (式中、R1,R2,R5,R6はそれぞれ独立にハロゲン原子、置換もしくは無置換で、直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、uは0から5の整数を示し、v,x,yはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R1,R2,R5,R6が各々複数存在する場合には、同一でも別異でもよく、R3は置換または無置換で、直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基であり、zは2を表し、R3はそれぞれ炭素数が異なり、炭素数の大きいほうは炭素数10の置換または無置換で、分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基である。)
  4. 前記高分子材料が、下記一般式(4)で表されるものであることを特徴とする請求項1に記載の光起電力素子。
    Figure 0004498706

    (式中、R1,R2,R7,R8,R9,R10はそれぞれ独立にハロゲン原子、置換もしくは無置換で、直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、tは0から3の整数を示し、s,x,yはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R1,R2,R7,R8が各々複数存在する場合には、同一でも別異でもよく、R3は置換または無置換で、直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基であり、zは2を表し、R3はそれぞれ炭素数が異なり、炭素数の大きいほうは炭素数10の置換または無置換で、分岐鎖のアルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基である。)
  5. 透明電極、電子受容性有機物層、電子供与性有機物層、背面電極がこの順に積層された光起電力素子において、
    前記電子供与性有機物層に、前記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される高分子材料を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光起電力素子。
  6. 透明電極、透光性n型無機半導体層、電子受容性有機物層、電子供与性有機物層、背面電極がこの順に積層された光起電力素子において、
    前記電子供与性有機物層に、前記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される高分子材料を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光起電力素子。
  7. 透明電極、電子受容性有機物層、第一電子供与性有機物層、第二電子供与性有機物層、背面電極がこの順に積層された光起電力素子において、
    前記第二電子供与性有機物層に、前記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される高分子材料を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光起電力素子。
  8. 透明電極、透光性n型無機半導体層、電子受容性有機物層、第一電子供与性有機物層、第二電子供与性有機物層、背面電極がこの順に積層された光起電力素子において、
    前記第二電子供与性有機物層に、前記一般式(1)〜(4)のいずれかで表される高分子材料を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光起電力素子。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の光起電力素子を備えていることを特徴とする光センサー。
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