JP4501089B2 - 搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送装置とりわけ工場のクリーンルーム等で使用される天井配置型の搬送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の搬送装置の一例を図3および図4に示す。この搬送装置は、工場や倉庫の作業空間の上方たとえば天井付近の搬送経路に沿ってレール1を設置し、そのレール1に沿って走行装置2を走行駆動機構3により走行させるようにしたものである。走行装置2には昇降装置4が搭載され、その昇降装置4は4本のベルト5によってワーク保持装置6を吊り支持するとともに、ベルト5を巻き取り繰り出すことでワーク保持装置6を昇降させる構成とされている。
【0003】
上記の昇降装置4は、図3に示すように各ベルト5をドラム7に巻き取る構成とされていて、図示しないモータにより各ドラム7を同期させて回転させるとともにその回転量を均等に制御し、以て各ベルト5を均等に巻き取りまたは繰り出すことでワーク保持装置6を常に水平姿勢に維持したままでそれを昇降させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記構成の搬送装置においてワーク保持装置6を吊り支持しているベルト5の厚みは1mm程度のものであるが、4本のベルト5の厚みが微妙に異なるものであったり、あるいは当初は均等であっても経持変化により各ベルト5の厚みに微妙な差がついてしまうことが想定される。そのような場合、各ドラム7の回転量が均等であっても各ドラム7におけるベルト5の巻き太りの状況に差が生じることから、各ベルト5の巻き取り量や繰り出し量に差が生じることになる。しかも、ドラム7によるベルト5の巻き取りトルクは巻き太りに応じて変化するから、従来の搬送装置ではワーク保持装置6の水平姿勢を維持し難いものであり、ワーク8を保持する際にチャックミスを生じる等の不測の事態が想定される。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、ベルトの厚みに影響されることなく、また巻き取りトルクが変化することもなく、ワーク保持装置の昇降を正確に制御し得る搬送装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の搬送装置は、軌道に沿って移動する走行装置と、該走行装置からタイミングベルトにより吊り支持されたワーク保持装置と、前記走行装置に搭載されて前記ワーク保持装置を昇降させる昇降装置を具備し、前記昇降装置は、複数の前記タイミングベルトと、前記タイミングベルトを保持しつつ回転することで該タイミングベルトをノンスリップ状態で引き上げかつ引き下げる複数のプーリと、前記複数のプーリを回転駆動するモータと、前記プーリによる前記タイミングベルトの引き上げ引き下げ動作に従動して回転して前記タイミングベルトの基端部を巻き取り繰り出す複数の巻き取りローラと、前記モータからの動力を前記複数のプーリ及び前記複数の巻き取りローラに伝達する動力伝達機構と、前記動力伝達機構と前記複数の巻き取りローラとを接続する複数のクラッチとを備えてなり、前記タイミングベルトが前記プーリとの接触面に歯が形成された歯付きベルトからなり、前記プーリが前記歯付きベルトに噛合する歯付きプーリからなり、前記モータの回転駆動力を前記動力伝達機構および前記クラッチを介して前記巻き取りローラのそれぞれに伝達して、該巻き取りローラを前記プーリに従動せしめて回転させる構成とし、前記クラッチは、前記プーリによって前記タイミングベルトが引き上げられたときにおいて、前記プーリによって前記タイミングベルトが引き上げられた分だけを前記巻き取りローラで巻き取るように、前記巻き取りローラによる前記タイミングベルトの巻き取り速度が前記プーリによる前記タイミングベルトの引き上げ速度を越えようとする時点で前記巻き取りローラの回転を制限し、前記プーリによって前記タイミングベルトが引き下げられたときにおいて、前記プーリによって前記タイミングベルトが引き下げられた分だけを前記巻き取りローラから繰り出すように前記巻き取りローラを空転させるものである。
【0007】
本発明の搬送装置における昇降装置は、従来のもののようにベルトをドラムにより直接的に巻き取りかつ繰り出すことでワーク保持装置を昇降させるのではなく、タイミングベルトを常にプーリにより保持しつつ所望のストロークだけ引き上げかつ引き下げることでワーク保持装置を昇降させる。そして、そのプーリによるタイミングベルトの引き上げ、引き下げ動作に追随せしめて巻き取りローラを従動回転せしめてタイミングベルトの巻き取り、繰り出しを行う。この場合、巻き取りローラはタイミングベルトをプーリにより引き上げられた分だけ巻き取り、かつ、プーリにより引き下げられる分だけ繰り出す。したがって、プーリによるタイミングベルトの引き上げ量や繰り出し量は、巻き取りローラによる巻き取り量や繰り出し量に関わりなく制御することができ、タイミングベルトの厚みに影響されることはない。また、プーリによる引き上げトルクは巻き取りローラによる巻き取りトルクに影響されることなく常に一定となる。また、巻き取りローラをプーリに従動せしめて回転させるために、プーリ駆動用のモータの回転駆動力を動力伝達機構およびクラッチを介して巻き取りローラに伝達するようにした。
【0008】
タイミングベルトを常にプーリにより保持しつつ引き上げかつ引き下げるための構成としては、たとえば、タイミングベルトとしてプーリとの接触面に歯が形成された歯付きベルトを用い、プーリとしてはその歯付きベルトに噛合する歯付きプーリを用いることが考えられる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1および図2は本発明の一実施形態を示すものである。本実施形態の搬送装置は、図3に示した従来のものと同様にレール1(図3参照)に沿って走行する走行装置2に昇降装置10を搭載し、その昇降装置10によってワーク保持装置6(図3参照)を吊り支持するとともに昇降させるように構成されたものであるが、その昇降装置10の構成が従来の昇降装置4と異なる。
【0011】
図1は本実施形態の搬送装置における昇降装置10の概略構成を示す平面図、図2は側断面図であり、符号11はワーク保持装置6を吊り支持している4本のタイミングベルト、12は各タイミングベルト11を引き上げかつ引き下げるためのプーリ、13,14はタイミングベルト11をプーリ12に対して押し付けているピンチローラ、15はガイドローラである。符号16は上記プーリ12を回転駆動するためのモータであり、その駆動力はギア17および回転軸18によって構成される一連の動力伝達機構により各プーリ12に伝達され、このモータ16を駆動することにより各プーリ12は同期して一斉に回転するように構成されている。
【0012】
上記タイミングベルト11はプーリ12との接触面に歯が形成された歯付きベルトであり、プーリ12はそのタイミングベルト11の歯に噛合する歯を有する歯付きプーリとされており、それらの歯を噛合させかつピンチローラ13,14とプーリ12とによりタイミングベルト11を挟み込んだ状態で上記モータ16を駆動してプーリ12を回転させることにより、タイミングベルト11はプーリ12により常に保持されたままでプーリ12に対してスリップすることなく確実に引き上げかつ引き下げられるようになっている。
【0013】
また、上記のプーリ12によるタイミングベルト11の引き上げ引き下げ動作に追随して巻き取りローラ20が従動回転し、これによりタイミングベルト11の基端部が巻き取りかつ繰り出されるようになっている。すなわち、各プーリ12に隣接する位置にはタイミングベルト11の基端部を巻き取る巻き取りローラ20が配置され、その巻き取りローラ20にはクラッチ21を介して回転軸22が連結され、この回転軸22とプーリ12を回転駆動する上記回転軸18の間には動力伝達機構としてのベルト23が巻回されていて、モータ16がプーリ12を回転させてタイミングベルト11を引き上げあるいは引き下げた際には、それと同時に巻き取りローラ20も回転してタイミングベルト11を巻き取りあるいは繰り出すようになっている。ただし、巻き取りローラ20によるタイミングベルト11の巻き取りや繰り出しは、あくまでプーリ12によるタイミングベルト11の引き上げ引き下げ動作に従動する必要があり、そのため、巻き取りローラ20の回転はクラッチ21により制限されて、プーリ12によって引き上げられた分だけを巻き取り、かつプーリ12により引き下げられる分だけを繰り出すようになっている。
【0014】
すなわち、プーリ12と巻き取りローラ20を共に回転させてタイミングベルト11を引き上げつつ巻き取っていく場合、プーリ12により引き上げ速度は一定であるが、巻き取りローラ20は次第に巻き太りを生じることからそれによる巻き取り速度は漸次早くなっていくものである。そして、巻き取りローラ20による巻き取り速度がプーリ12による引き上げ速度よりも大きくなってしまうと、プーリ12による引き上げよりも巻き取りローラ20による巻き取りが優先して引き上げ速度に影響が及んでしまうことになる。そこで、そのような事態を防止するべく、巻き取りローラ20による巻き取り速度がプーリ12による引き上げ速度を越えようとする時点でクラッチ21が滑り始めて巻き取りローラ20の回転が制限され、それ以上の高速巻き取りが自ずと回避されるようになっている。また、プーリ12がタイミングベルト11を引き下げる場合には、巻き取りローラ20は自ずと空転して引き下げ量分のみが繰り出されるようになっており、これにより巻き取りローラ20からの繰り出し量がプーリ12による引き下げ量を上回ってタイミングベルト11が弛んでしまったり、巻き取りローラ20がプーリ12の引き下げ動作を拘束してしまうようなことを回避できる。
【0015】
上記構成の昇降装置10は、タイミングベルト11をプーリ12により保持しつつ所望ストロークだけ引き上げかつ引き下げ、そのうえで、プーリ12による引き上げ引き下げ動作に追随して巻き取りローラ20を従動回転せしめて、タイミングベルト11をプーリ12により引き上げられた分だけ巻き取り、かつ、プーリ12により引き下げられる分だけ繰り出すものであるから、プーリ12によるタイミングベルト11の引き上げ量や繰り出し量は巻き取りローラ20によるタイミングベルト11の巻き取り量や繰り出し量と関わりなく制御することができる。また、プーリ12による引き上げトルクは巻き取りローラ20による巻き取りトルクに関わりなく常に一定となる。したがって、ドラム7の回転量制御によりベルト5を巻き取り繰り出すことでワーク保持装置6を昇降させるようにしていた従来の昇降装置4のように、ベルト5の厚みに影響されてその巻き取り量や繰り出し量が変化したり、巻き太りにより巻き取りトルクが変化してしまうことがない。
【0016】
そのため、上記の昇降装置10を備えた本実施形態の搬送装置にあっては、仮に4本のタイミングベルト11の厚みに差が生じていたとしても、それに起因して各タイミングベルト11の昇降ストロークに差が生じてしまうといった事態を回避でき、その結果、ワーク保持装置6を常に水平姿勢に維持でき、ワーク保持装置6が傾斜してしまうことに起因するチャックミスを確実に防止することができる。
【0017】
なお、上記実施形態ではワーク保持装置6を4本のタイミングベルト11により吊り支持するものとしたが、必要であればタイミングベルト11の本数は適宜増減して良い。また、タイミングベルト11およびプーリ12としては、上記実施形態で採用した歯付きベルトと歯付きプーリに代えて、たとえば、長さ方向に等間隔で穴が形成された穴あきベルトと、その穴あきベルトの穴に係合する突起を有する突起付きプーリ(一種のスプロケットである)を用いても同様の効果が得られる。要は、タイミングベルト11をプーリ12に対してスリップすることなく引き上げることができ、かつ引き下げることができれば良く、その限りにおいて上記で用いたピンチローラ13,14やガイドローラ15は不要であれば省略して良い。
【0018】
また、巻き取りローラ20をプーリ12に従動せしめて回転させるための構成としては、上記実施形態のように巻き取りローラ20をクラッチ21を介してモータ16により回転駆動することに限らず、その他適宜の構成が考えられる。たとえば、巻き取りローラ20をゼンマイ等のバネにより常時巻き取る方向に付勢しておいて、プーリ12により引き上げられたタイミングベルト11が引き上げられた長さだけ自ずと巻き取られるようにし、かつプーリ12がタイミングベルト11を引き下げる際にはバネの付勢力に抗してタイミングベルト11が自ずと繰り出されるように構成することが考えられる。この場合はバネの付勢力の調節とその寿命を考慮する必要があるが、上記実施形態のものより構成の簡略化を図ることができる。さらに他の構成例として、巻き取りローラ20を回転駆動するための小型のアクチュエータを備え、そのアクチュエータをモータ16と関連付けて制御する構成の採用も考えられる。この場合は構成および制御がやや複雑にはなるが、巻き取りローラ20をより確実に作動させることが可能であり、信頼性に優れるものとできる。
【0019】
【発明の効果】
請求項1の発明の搬送装置は、ワーク保持装置を昇降させるための昇降装置を、ワーク保持装置を吊り支持しているタイミングベルトを保持しつつ回転することで該タイミングベルトをノンスリップ状態で引き上げかつ引き下げるプーリと、該プーリを回転駆動するモータと、前記プーリによる前記タイミングベルトの引き上げ引き下げ動作に従動して回転して前記タイミングベルトの基端部を巻き取り繰り出す巻き取りローラを備えた構成のものとしたから、プーリにより引き上げられた分だけタイミングベルトが巻き取られ、かつ、プーリにより引き下げられる分だけタイミングベルトが繰り出されることになり、したがってプーリによるタイミングベルトの引き上げ量や繰り出し量は巻き取りローラによる巻き取り量や繰り出し量に関わりなく制御することが可能であり、また、プーリによる引き上げトルクは巻き取りローラによる巻き取りトルクと関わりなく常に一定になり、それ故にワーク保持装置の昇降ストロークはタイミングベルトの厚みに影響されることがなくなり、その結果、ベルトの厚みの偏差に起因して各ベルトの巻き取り量や繰り出し量が変化してワーク保持装置が傾斜してしまう事態を回避でき、ワーク保持装置が傾斜することに起因するチャックミスを確実に防止することができる。また、プーリ駆動用のモータの回転駆動力を動力伝達機構およびクラッチを介して巻き取りローラに伝達するので、格別の駆動源と制御機構を必要とせずに巻き取りローラをプーリに従動させることができる。また、歯付きベルトと歯付きプーリを用いるので、プーリによりタイミングベルトを保持しつつ所望ストロークだけ確実に引き上げ、引き下げ操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態である搬送装置における昇降装置を示す平面図である。
【図2】 同、側断面図である。
【図3】 従来の搬送装置の概略構成図である。
【図4】 同、要部拡大図である。
【符号の説明】
1 レール(軌道)
2 走行装置
6 ワーク保持装置
10 昇降装置
11 タイミングベルト
12 プーリ
16 モータ
20 巻き取りローラ
21 クラッチ
23 ベルト(動力伝達機構)
Claims (1)
- 軌道に沿って移動する走行装置と、該走行装置からタイミングベルトにより吊り支持されたワーク保持装置と、前記走行装置に搭載されて前記ワーク保持装置を昇降させる昇降装置を具備し、
前記昇降装置は、複数の前記タイミングベルトと、前記タイミングベルトを保持しつつ回転することで該タイミングベルトをノンスリップ状態で引き上げかつ引き下げる複数のプーリと、前記複数のプーリを回転駆動するモータと、前記プーリによる前記タイミングベルトの引き上げ引き下げ動作に従動して回転して前記タイミングベルトの基端部を巻き取り繰り出す複数の巻き取りローラと、前記モータからの動力を前記複数のプーリ及び前記複数の巻き取りローラに伝達する動力伝達機構と、前記動力伝達機構と前記複数の巻き取りローラとを接続する複数のクラッチとを備えてなり、
前記タイミングベルトが前記プーリとの接触面に歯が形成された歯付きベルトからなり、
前記プーリが前記歯付きベルトに噛合する歯付きプーリからなり、
前記モータの回転駆動力を前記動力伝達機構および前記クラッチを介して前記巻き取りローラのそれぞれに伝達して、該巻き取りローラを前記プーリに従動せしめて回転させる構成とし、
前記クラッチは、前記プーリによって前記タイミングベルトが引き上げられたときにおいて、前記プーリによって前記タイミングベルトが引き上げられた分だけを前記巻き取りローラで巻き取るように、前記巻き取りローラによる前記タイミングベルトの巻き取り速度が前記プーリによる前記タイミングベルトの引き上げ速度を越えようとする時点で前記巻き取りローラの回転を制限し、前記プーリによって前記タイミングベルトが引き下げられたときにおいて、前記プーリによって前記タイミングベルトが引き下げられた分だけを前記巻き取りローラから繰り出すように前記巻き取りローラを空転させることを特徴とする搬送装置。
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