以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)図1は、第1実施形態の光部品を示す概略平面図である。この光部品は、可変光減衰器100である。可変光減衰器100は、平面光波回路(Planer Lightwave Circuit:PLC)10、可動ミラー21およびミラー駆動装置30を有する。ミラー21およびミラー駆動装置30は、可動反射装置91を構成する。これらの構成要素は、筐体(図示せず)に格納されている。
PLC10は、2本の光導波路11および12を有する。光導波路11および12は、図1の紙面に平行に延びる平面導波路である。光導波路11および12は、例えば石英ガラスから構成されている。光導波路11および12は、図1に示されるように、基準平面13に対して対称(本実施形態では鏡面対称)に配置された端部を有している。これらの端部は、それぞれ基準平面13に対して角度αの傾きを持って直線状に延びている。したがって、これらの端部において、光導波路11の光軸16と光導波路12の光軸17とは角度2αを成している。光導波路11の端面11aおよび光導波路12の端面12aは、ともに図1の紙面に垂直な平面上に配置されている。
可動ミラー21は、光反射面21aを有する光反射器である。可動ミラー21は、図1の紙面に垂直に延びる柱状体であり、その紙面に垂直な方向に沿って一様な断面を有している。光反射面21aは、光導波路11および12を伝播する所定波長の光に対して極めて高い反射率(例えば90%以上)を有する。光反射面21aは、光導波路11および12の端面11aおよび12aに対向する。光反射面21aと端面11aおよび12aとの間隙には、屈折率整合材38が充填されていてもよい。
光反射面21aは、互いに接続された第1の平面部21bと第2の平面部21cから構成されている。第1平面部21bと第2平面部21cとの接続部(境界)はエッジ21dを形成している。第1および第2平面部21bおよび21cならびにエッジ21dは、ともに図1の紙面に垂直に延びている。第1平面部21bは、光導波路11および12の端面11aおよび12aと平行である。図1に示されるように、第2平面部21cは、第1平面部21bから時計回りにθ1の角度を第1平面部21bとの間に成している。角度θ1は、第2平面部21cの延長平面と第1平面部21bとがなす鋭角θ0の補角である。言い換えると、θ0+θ1=180°である。後述するように、本実施形態では、175°≦θ1<180°であり、0<θ0≦5°である。
図1には、説明の便宜のためにXYZ直交座標系が描かれている。X軸は、導波路11および12の双方の光軸16および17を含む平面と第1平面部21bとの交線に沿って延在する。Y軸は、光軸16および17が成す角度の二等分線に垂直な平面内においてX軸に対して垂直に延在する。Z軸は、その二等分線と平行に延在する。
ミラー駆動装置30は、矢印32および33で示されるように、可動ミラー21を光導波路11および12の端面11aおよび12aと略平行な方向に移動させる。言い換えると、ミラー駆動装置30は、XY平面と実質的に平行に可動ミラー21を移動させる。これに応じて、可動ミラー21の光反射面21aは、XY平面と実質的に平行な移動経路76に沿って移動する。可動ミラー21の移動は可逆的である。光導波路11および12からの光は光反射面21aの位置に応じて第1平面部21bまたは第2平面部21cによって反射される。ミラー駆動装置30の一例は、上記の非特許文献1に示されるような静電アクチュエータである。
本実施形態では、移動経路76は実質的にX方向に延びる直線状である。しかし、移動経路76は曲線状であってもよい。曲率が充分に大きければ、光導波路11および12の端面の付近で光反射面21aを実質的にX方向に移動させることができる。
図2は、光導波路11の光軸16に沿って光導波路11から出射した光41の第1平面部21bによる反射を示している。図2に示されるように、可変光減衰器100は、互いに非平行な光路56および57を有している。光路56および57は、光導波路11および12によって形成される。光路56および57は、光導波路11および12の端面11aおよび12aと光反射面21aとの間に延在し、それぞれ光導波路11および12に光学的に結合されている。本実施形態では、光導波路11および12とほぼ等しい屈折率を有する屈折率整合材38が光導波路11および12の端面と光反射面21aとの間に充填されている。このため、光路56および57の各々の光軸は、光導波路11および12の光軸16および17とそれぞれ実質的に合致する。光反射面21aは、光路56および57と交差するように移動する。第1平面部21bと第2平面部21cとの接続部は、これらの光路56および57の光軸16および17を横切って移動することができる。
図2に示される位置に可動ミラー21が配置されているときは、光導波路11から出射した光41は、ミラー21に向かって光路56上を進行し、第1平面部21bに入射する。第1平面部21bは、光路56から光41を受け取ると、その光41を光軸17に沿って光路57へ反射する。この結果、光導波路11からの光41は光軸17に沿って光導波路12に入射し、光導波路12内を伝播する。
図2に示される位置から矢印33で示される方向に可動ミラー21が移動すると、図3に示されるように、光41は第2平面部21cによって反射されるようになる。第2平面部21cは光41を受け取ると、光軸17から外れた方向に光41を反射する。このため、光路56から光路57への結合効率が低下し、それに応じて光導波路11から光導波路12への結合効率が低下する。
図2に示される位置から図3に示される位置への移動中、光導波路11からの光は可動ミラー21のエッジ21dの付近に照射される。一般に、光導波路によって伝送される光は、光導波路の光軸に垂直な平面内で広がりを有しており、その広がりの大きさはモードフィールド径(Mode Field Diameter:MFD)によって表される。したがって、光導波路11からの光がエッジ21dの付近に到達すると、その光の一部は第1平面部21bによって反射され、残りは第2平面部21cによって反射される。第2平面部21cによって反射された成分は光路57および第2光導波路に結合しにくい。第1および第2平面部21bおよび21cの受光量は光反射面21aの移動に応じて変化する。したがって、光路56から光路57へ伝播する光のパワーおよび光導波路11から光導波路12へ伝播する光のパワーを光反射面21aの移動に応じて連続的に変更することができる。同様に、光路57から光路56へ伝播する光のパワーおよび光導波路12から光導波路11へ伝播する光のパワーも光反射面21aの移動に応じて変更することができる。
本実施形態では、可動ミラー21のエッジ21dの角度θ1が充分に大きいため、光導波路11から出射して光導波路11へ戻る光を低減することができる。これは光路56から可動ミラー21に入射し、光路56へ戻る光の低減を意味する。図4は、図1に示される角度θ0と光導波路11への戻り光の結合効率との関係を示している。ここで、光導波路11および12によって伝送される光は、1.55μmの波長と、モードフィールド径(MFD)20μmのガウシアン分布を有しており、光導波路11および12間の角度2αは10°であり、光導波路11および12の端面11aおよび12aと光反射面21aとの間隙には、屈折率1.45の屈折率整合材38が充填されているものとする。図4に示されるように、角度θ0が5°以下になると、戻り光の結合効率が急激に低下する。
本実施形態ではエッジ21dの角度θ1が175°≦θ1<180°であり、したがって角度θ0が0<θ0≦5°を満たすので、光導波路11から光導波路11への戻り光を充分に低減できる。このため、可変光減衰器100は、戻り光を遮断するためのアイソレータが光導波路11に接続されていなくても好適に動作する。この結果、可変光減衰器100を含む光学システムを簡易かつ安価に構築することができる。
(第2実施形態)図5は、第2実施形態の可変光減衰器200を示す概略平面図である。可変光減衰器200は、第1実施形態の可変光減衰器100における可動ミラー21の代わりに可動ミラー22を有する。ミラー22およびミラー駆動装置30は、可動反射装置92を構成する。可変光減衰器200の他の構成は、第1実施形態と同じである。
可動ミラー22は、光反射面22aを有する光反射器である。可動ミラー22は、図5の紙面に垂直に延びる柱状体であり、その紙面に垂直な方向に沿って一様な断面を有している。光反射面22aは、光導波路11および12を伝搬する所定波長の光に対して極めて高い反射率(例えば90%以上)を有する。光反射面22aは、光導波路11および12の端面11aおよび12aに対向する。光反射面22aと端面11aおよび12aとの間隙には、屈折率整合材38が充填されていてもよい。
第1実施形態の光反射面21aと異なり、光反射面22aは、互いに接続された平面部22bと曲面部22cから構成されている。平面部22bと曲面部22cとの接続部(境界)はエッジ22dを形成している。平面部22b、曲面部22cおよびエッジ22dは、ともに図5の紙面に垂直に延びている。平面部22bは、光導波路11および12の端面11aおよび12aと平行である。曲面部22cのある一つの位置における接平面と平面部22bとが成す角度は、その位置が平面部22bから遠ざかるにつれて単調に変化する。エッジ22dにおける曲面部22cの接平面は、平面部22bから時計回りにθ2の角度を平面部22bとの間に成している。本実施形態では、175°≦θ2<180°である。
ミラー駆動装置30は、矢印32および33で示されるように、可動ミラー22を光導波路11および12の端面11aおよび12aと略平行な方向に移動させる。これに応じて、可動ミラー22の光反射面22aは移動経路76に沿って移動する。平面部22bと曲面部22cとの接続部は、光路56および57の光軸16および17を横切って移動することができる。光導波路11および12から出射した光は光反射面22aの位置に応じて、平面部22bまたは曲面部22cによって反射される。
第1実施形態における平面部21bと同様に、平面部22bは、光軸16に沿って光導波路11から出射し光路56上を伝播する光41を受け取ると、その光41を光軸17に沿って光路57へ反射する。この結果、光導波路11からの光41は光軸17に沿って光導波路12に入射する。したがって、光導波路11からの光が平面部22bによって反射されるときは、光路56から光路57への結合効率および光導波路11から光導波路12への結合効率が高い。一方、曲面部22cは、光41を受け取ると、光軸17から外れた方向に光41を反射する。このため、光路56から光路57への結合効率および光導波路11から光導波路12への結合効率が低下する。したがって、第1実施形態と同様に、可変光減衰器200は、光導波路11から光導波路12へ、あるいはその逆の経路で伝播する光のパワーを光反射面22aの移動に応じて連続的に変更することができる。
第1実施形態と同様に、本実施形態では、可動ミラー22のエッジ22dの角度θ2が充分に大きいため、光導波路11から出射して光導波路11へ戻る光を低減することができる。このため、可変光減衰器200は、戻り光を遮断するためのアイソレータが光導波路11に接続されていなくても好適に動作する。したがって、可変光減衰器200を含む光学システムを簡易かつ安価に構築することができる。
(第3実施形態)図6は、第3実施形態の可変光減衰器300を示す概略平面図である。可変光減衰器300は、第2実施形態の可変光減衰器200における可動ミラー22の代わりに可動ミラー23を有する。ミラー23およびミラー駆動装置30は、可動反射装置93を構成する。可変光減衰器300の他の構成は、第2実施形態と同じである。
可動ミラー23は、光反射面23aを有する光反射器である。可動ミラー23は、図6の紙面に垂直に延びる柱状体であり、その紙面に垂直な方向に沿って一様な断面を有している。光反射面23aは、光導波路11および12を伝搬する所定波長の光に対して極めて高い反射率(例えば90%以上)を有する。光反射面23aは、光導波路11および12の端面11aおよび12aに対向する。光反射面23aと端面11aおよび12aとの間隙には、屈折率整合材38が充填されていてもよい。
第2実施形態の光反射面22aと同様に、光反射面23aは、互いに接続された平面部23bと曲面部23cから構成されている。しかし、第2実施形態と異なり、平面部23bと曲面部23cとの接続部(境界)はエッジを形成しない。言い換えると、曲面部23cの平面部23bに接続された端部における接平面は、平面部23bから時計回りに180°の角度を平面部23bとの間に成している。したがって、平面部23bと曲面部23cとは境界面70上で滑らかに接続されている。平面部23bおよび曲面部23cは、ともに図6の紙面に垂直に延びている。平面部23bは、光導波路11および12の端面11aおよび12aと平行である。曲面部23cのある一つの位置における接平面と平面部23bとが成す角度は、その位置が平面部23bから遠ざかるにつれて単調に変化する。
ミラー駆動装置30は、矢印32および33で示されるように、可動ミラー23を光導波路11および12の端面11aおよび12aと略平行な方向に移動させる。これに応じて、可動ミラー23の光反射面23aは移動経路76に沿って移動する。平面部23bと曲面部23cとの接続部は、光路56および57の光軸16および17を横切って移動することができる。光導波路11および12から出射した光は光反射面23aの位置に応じて、平面部23bまたは曲面部23cによって反射される。
図6には、光軸16に沿って光導波路11から出射した光41の平面部23bによる反射が示されている。図6に示される位置に可動ミラー23が配置されているときは、光導波路11から出射した光41は、ミラー21に向かって光路56上を進行し、平面部23bに入射する。平面部23bは光路56から光41を受け取ると、その光41を光軸17に沿って光路57へ反射する。この結果、光導波路11からの光41は光軸17に沿って光導波路12に入射する。したがって、光導波路11からの光が平面部23bによって反射されるときは、光導波路11から光導波路12への結合効率が高い。可動ミラー23が矢印33で示される方向に移動すると、図7に示されるように、光41は曲面部23cによって反射されるようになる。曲面部23cは光軸17から外れた方向に光41を反射する。このため、光路56から光路57への結合効率が低下し、それに応じて光導波路11から光導波路12への結合効率が低下する。したがって、第1実施形態と同様に、可変光減衰器300は、光導波路11から光導波路12へ、あるいはその逆の経路で伝播する光のパワーを光反射面23aの移動に応じて連続的に変更することができる。
以下では、曲面部23cが円筒面である例を挙げる。この例では、光導波路11および12によって伝送される光は、1.55μmの波長と、モードフィールド径(MFD)20μmのガウシアン分布を有している。曲面部23cの曲率半径は400μmであり、光導波路11および12間の角度2αは10°である。光導波路11および12の端面11aおよび12aと光反射面23aとの間隙には、屈折率1.45の屈折率整合材38が充填されている。
図8は、可動ミラー23の移動量と光導波路11および12間の結合効率との関係を示している。横軸の「ミラー移動量」は、図7の矢印33で示される方向に沿った可動ミラー23の移動量である。ミラー移動量が25μmのとき、平面部23bと曲面部23cとの境界面70が、光導波路11および12の中間に位置する基準平面13と一致する。ミラー移動量が25μm未満のときは、図6に示されるように、光導波路11からの光は主として平面部23bによって反射される。ミラー移動量が25μmを上回るときは、図7に示されるように、光導波路11からの光は主として曲面部23cによって反射される。
図8において実線は、光導波路11から光導波路12へ進行する光の結合効率を示し、一点鎖線は、光導波路11から出射して光導波路11へ戻る光の結合効率を示し、二点鎖線は、光導波路12から出射して光導波路12へ戻る光の結合効率を示している。図8に示されるように、光導波路11から光導波路12への結合効率は、ミラー移動量25μmの付近から単調に減少する。また、光導波路11から光導波路11への戻り光の結合効率は最大でも約−50dBである。これに対し、図21に示されるように、曲面部を有さない可動ミラー20を使用する可変光減衰器50では、光導波路11への戻り光の結合効率が−25dBを超えている。
このように、本実施形態の可変光減衰器300は、光路56および光導波路11への戻り光を大きく低減することができる。これは、平面部23bと曲面部23cとが滑らかに接続され、両者の間にエッジがないためと考えられる。光導波路11への戻り光が充分に小さいため、可変光減衰器300は、戻り光を遮断するためのアイソレータが光導波路11に接続されていなくても好適に動作する。したがって、可変光減衰器300を含む光学システムを簡易かつ安価に構築することができる。
以下では、曲面部23cが円筒面の場合に、曲面部23cの好適な曲率を検討する。図23は、円筒面である曲面部23cの曲率と、光導波路11から光導波路11への戻り光の結合効率との関係を示すグラフである。また、図24は、図23に示されるグラフ上の代表的な数値を示している。ここで、波長、MFD、導波路11および12間の角度、ならびに屈折率整合材の屈折率は図8の例と同じであり、それぞれ1.55μm、20μm、10°、および1.45である。図23に示されるように、曲面部23cの曲率が0.02/μm以下の領域で、戻り光の結合効率が急激に低下している。したがって、曲面部23cの曲率半径は、曲率0.02/μmの逆数、すなわち50μm以上であることが好ましい。
曲面部23cの曲率半径と戻り光の結合効率との関係は、波長、MFD、光導波路間の角度、ならびに光導波路と可動ミラーの間隙の屈折率に応じて変化する。十分な戻り光の低減効果が得られる最小の曲率半径は、波長に反比例し、MFDの2乗に比例し、さらに光導波路と可動ミラーの間隙の屈折率に比例する。例えば、MFDが上記の例の半分、すなわち10μmの場合、戻り光低減のための最小曲率半径は50μmの4分の1、すなわち12.5μmとなる。この場合、曲面部23cの曲率半径は12.5μm以上であることが好ましい。
曲面部23cは円筒面でなくてもよい。図9は、曲面部23cの形状が3次関数y=0.0003×x3で表されるときのミラー移動量と結合効率との関係を示している。また、図10は、曲面部23cの形状が6次関数y=10−7×x6で表されるときのミラー移動量と結合効率との関係を示している。ここで、xy座標の原点は曲面部23cと平面部23bとの境界であり、x軸は平面部23bに平行であり、y軸は平面部23bに垂直である。xおよびyの単位はμmである。他の条件は上記の例と同じである。
図9および図10において実線は、光導波路11から光導波路12へ進行する光の結合効率を示し、一点鎖線は、光導波路11から出射して光導波路11へ戻る光の結合効率を示し、二点鎖線は、光導波路12から出射して光導波路12へ戻る光の結合効率を示している。これらの図に示されるように、曲面部23cが非円筒面であっても、光導波路11への戻り光は充分に低減される。
なお、曲面部23cの曲率半径が過度に小さいと、回折による戻り光が大きくなる。適正な曲率半径は、光の波長および広がり、導波路間の角度などに応じて決まる。
(第4実施形態)上記実施形態では、光導波路11から光導波路11への戻り光は低減できるものの、光導波路12から光導波路12への戻り光の低減は充分でない。図11に示されるように、光軸17に沿って光導波路12から出射し光路57上を伝播する光43は、曲面部23cによって反射されると、光路57および光導波路12に戻りやすい。そこで、本発明の第4実施形態は、光路56および光導波路11への戻り光だけでなく光路57および光導波路12への戻り光も低減できる可変光減衰器400を提示する。
図12は、第4実施形態の可変光減衰器400を示す概略平面図である。可変光減衰器400は、第3実施形態の可変光減衰器300における可動ミラー23の代わりに可動ミラー24を有する。ミラー24およびミラー駆動装置30は、可動反射装置94を構成する。可変光減衰器400の他の構成は、第3実施形態と同様である。
可動ミラー24は、光反射面24aを有する光反射器である。可動ミラー24は、図12の紙面に垂直に延びる柱状体であり、その紙面に垂直な方向に沿って一様な断面を有している。光反射面24aは、光導波路11および12を伝搬する所定波長の光に対して極めて高い反射率(例えば90%以上)を有する。光反射面24aは、光導波路11および12の端面11aおよび12aに対向する。光反射面24aと端面11aおよび12aとの間隙には、屈折率整合材38が充填されていてもよい。
光反射面24aは、第1の平面部24bおよび曲面部24cに加えて、第2の平面部24dを有している。第1平面部24b、曲面部24cおよび第2平面部24dは、ともに図12の紙面に垂直に延びている。第1平面部24bは、光導波路11および12の端面11aおよび12aと平行である。上記実施形態における平面部と同様に、平面部24bは、光導波路11の光軸16に沿って光導波路11から出射した光を光導波路12の光軸17に沿って光を反射する。第3実施形態と同様に、曲面部24cの一端部は、境界面71上で平面部24bに滑らかに接続されている。また、曲面部24cの反対側の端部は、境界面72上で第2平面部24dに滑らかに接続されている。曲面部24cのある一つの位置における接平面と第1平面部24bとが成す角度は、その位置が第1平面部24bから遠ざかるにつれて単調に変化する。
ミラー駆動装置30は、矢印32および33で示されるように、可動ミラー24を光導波路11および12の端面11aおよび12aと略平行な方向に移動させる。これに応じて、可動ミラー24の光反射面24aは移動経路76に沿って移動する。第1平面部24bと曲面部24cとの接続部は、光路56および57の光軸16および17を横切って移動することができる。また、曲面部24cと第2平面部24dとの接続部も、光路56および57の光軸16および17を横切って移動することができる。光導波路11および12から出射した光は光反射面24aの位置に応じて、第1平面部24b、曲面部24cまたは第2平面部24dによって反射される。第3実施形態と同様に、可変光減衰器400は、光導波路11および光路56から光導波路12および光路57へ、あるいはその逆の経路で伝播する光のパワーを光反射面24aの移動に応じて連続的に変更することができる。
第1平面部24bは、光軸17に沿って光導波路12から出射し光路57上を進行する光44を反射する。この結果、光44は光路56上を進行して光導波路11に入射し、光導波路11内を伝播する。可動ミラー24が矢印33で示される方向に移動するにつれて、光44は曲面部24cによって反射されるようになる。曲面部24cによって光44が反射される方向は、その光44の曲面部24cへの入射位置が第1平面部24bから遠ざかるにつれて、光軸16に沿った方向から光軸17に沿った方向に近づく。
可動ミラー24が矢印33で示される方向にさらに移動すると、光44は第2平面部24dによって反射されるようになる。第2平面部24dは、光44を光軸16に沿った方向と光軸17に沿った方向の間に位置する方向へ反射する。これにより、光44の反射方向が固定される。図12に示されるように、本実施形態では、第2平面部24dによって反射された光44は、光導波路11および12の中央に位置する基準平面13に沿って光路58上を進行する。
このように、曲面部24cに第2平面部24dを接続することにより、光反射面24aの移動に応じた光44の反射方向の変化が停止する。これにより、光44が光軸17に沿って反射されることが防止される。曲面部24cおよび第2平面部24dは光44を光軸17から外れた方向に反射するので、光導波路12からの光は光導波路12と結合しにくい。これにより、光路57から光路57への戻り光および光導波路12から光導波路12への戻り光が抑えられる。
図13は、本実施形態の一例における可動ミラー24の移動量と光導波路11および12間の結合効率との関係を示している。この実施例では、曲面部24cが円筒面であり、その曲率半径は300μmである。光導波路11および12によって伝送される光は、1.55μmの波長と、モードフィールド径(MFD)20μmのガウシアン分布を有している。光導波路11および12間の角度2αは20°である。第1平面部24bと第2平面部24dとがなす角度は、第1平面部24bから時計回りに175°である。光導波路11および12の端面11aおよび12aと光反射面24aとの間隙には、屈折率1.45の屈折率整合材38が充填されている。
図13において実線は、光導波路11から光導波路12へ進行する光の結合効率を示し、二点鎖線は、光導波路12から出射して光導波路12へ戻る光の結合効率を示している。図13に示されるように、光導波路12への戻り光の結合効率は最大でも約−50dBである。したがって、本実施形態の可変光減衰器400は、光導波路12への戻り光を大きく低減することができる。光導波路12への戻り光が充分に小さいため、可変光減衰器400は、戻り光を遮断するためのアイソレータが光導波路12に接続されていなくても好適に動作する。また、第3実施形態と同様の理由により、本実施形態の可変光減衰器400は光路56および光導波路11への戻り光も大きく低減することができる。したがって、光導波路11にアイソレータを接続する必要もない。このため、可変光減衰器400を含む光学システムを極めて簡易かつ安価に構築することができる。
(第5実施形態)図14は、第5実施形態の可変光減衰器500を示す概略平面図である。可変光減衰器500は、第4実施形態の可変光減衰器400におけるPLC10の代わりにPLC60を有する。可変光減衰器500の他の構成は、第4実施形態と同じである。
PLC60は、3本の光導波路61、62および63を有する。これらの光導波路は、図14の紙面に平行に延びる平面導波路であり、例えば石英ガラスから構成されている。光導波路61および62は、光導波路63の光軸68を含む基準平面に対して対称(本実施形態では鏡面対称)に配置された端部を有している。これらの端部は、それぞれ光軸68に対して角度αの傾きを持って直線状に延びている。したがって、これらの端部は角度2αを成している。光導波路61〜63の端面61a〜63aは、ともに図14の紙面に垂直な平面上に配置されている。
可変光減衰器500は、光導波路61〜63の端面と光反射面24aとの間にそれぞれ延在する光路56〜58を有する。本実施形態では、光導波路61〜63とほぼ等しい屈折率を有する屈折率整合材38が光導波路11〜13の端面と光反射面24aとの間に充填されている。このため、光路56〜58の各々の光軸は、光導波路61〜63の光軸66〜68とそれぞれ実質的に合致する。
図14に示されるように、光路58および光導波路63は、光軸67に沿って光導波路62から出射した光44が第2平面部24dによって反射されるとき、その光44を光軸68に沿って受光するように配置されている。したがって、第2平面部24dによって反射された光44は、光路58上を進行した後、光導波路63に入射して、光導波路63内を伝播する。これにより、第2平面部24dによって反射された光導波路62からの光が、可変光減衰器500を含む光学システム中の他の光部品に結合することを防ぐことができる。
なお、図14に示されるように、光導波路61からの信号光46は、第2平面部24dによって反射されると、光路57から外れて、光導波路62の側方へ進行する。光導波路62の側方に別の光導波路が存在する場合、信号光46がその光導波路に結合する可能性がある。その光導波路中を信号光が伝播している場合、この光結合はクロストークを引き起こすおそれがある。このようなクロストークを防ぐためには、信号光を光導波路62から光導波路61へ伝送することが好ましい。この場合、光導波路61の端面61aから出射するのは、主として外部の光部品によって反射された強度の低い光である。このため、クロストークを充分に抑えることができる。このことは、第1〜4実施形態の可変光減衰器にも当てはまる。
(第6実施形態)図15は、第6実施形態の可変光減衰器600を示す概略平面図であり、図16は、第6実施形態で使用される可動ミラー25を示す概略斜視図である。本実施形態の可変光減衰器600は、第1実施形態の可変光減衰器100における可動ミラー21の代わりに可動ミラー25を有する。可動ミラー25およびミラー駆動装置30は、可動反射装置95を構成する。可変光減衰器600の他の構成は、第1実施形態と同じである。
可動ミラー25は、光反射面25aを有する光反射器である。光反射面25aは、光導波路11および12を伝搬する所定波長の光に対して極めて高い反射率(例えば90%以上)を有する。光反射面25aは、光導波路11および12の端面11aおよび12aに対向する。光反射面25aと端面11aおよび12aとの間隙には、屈折率整合材38が充填されていてもよい。
光反射面25aは、平面部25bと曲面部25cから構成されている。平面部25bと曲面部25cとは、境界線25dにおいて接続されている。平面部25bは、光導波路11および12の端面11aおよび12aと平行である。上記実施形態における平面部と同様に、平面部25bは、光軸16に沿って光導波路11から出射し光路56上を進行する光を光軸17に沿って光路57へ反射する。図16に示されるように、曲面部25cは平面部25bに対して一定の率で捩れている。本実施形態では、捩れ率は0.3°/1μmである。ここで、境界線25dに対する曲面部25cの先端辺の傾斜角度をφとし、境界線25dから曲面部25cの先端辺までの長さをLとすると、捩れ率はφ/Lで表される。
ミラー駆動装置30は、矢印32および33で示されるように、可動ミラー25を光導波路11および12の端面11aおよび12aと略平行な方向に移動させる。これに応じて、可動ミラー25の光反射面25aは移動経路76に沿って移動する。平面部25bと曲面部25cとの接続部(境界線25d)は、光路56および57の光軸16および17を横切って移動することができる。光導波路11および12から出射した光は光反射面25aの位置に応じて、平面部25bまたは曲面部25cによって反射される。上記の実施形態と同様に、可変光減衰器600は、光導波路11から光導波路12へ、あるいはその逆の経路で伝播する光のパワーを光反射面25aの移動に応じて連続的に変更することができる。
曲面部25cが平面部25bに対して捩れているため、光軸16に沿って光導波路11から出射した光は、光軸16および17を含む平面と非平行な方向に反射される。同様に、光軸17に沿って光導波路12から出射した光も、光軸16および17を含む平面と非平行な方向に反射される。このため、光導波路11および12からの光は、曲面部25cによって、光路56の光軸16および光路57の光軸17から外れた方向に反射される。この結果、光路56から光路56への戻り光、光導波路11から光導波路11への戻り光、光路57から光路57への戻り光、および光導波路12から光導波路12への戻り光が確実に低減される。
図17は、本実施形態の一例における可動ミラー25の移動量と光導波路間の結合効率との関係を示している。この例では、光導波路11および12によって伝送される光は、1.55μmの波長と、モードフィールド径(MFD)20μmのガウシアン分布を有している。光導波路11および12間の角度2αは10°である。光導波路11および12の端面11aおよび12aと光反射面25aとの間隙には、屈折率1.45の屈折率整合材が充填されている。
図17において実線は、光導波路11から光導波路12へ進行する光の結合効率を示し、一点鎖線は、光導波路11から出射して光導波路11へ戻る光の結合効率を示し、二点鎖線は、光導波路12から出射して光導波路12へ戻る光の結合効率を示している。図17では、一点鎖線と二点鎖線とが重なっている。図17に示されるように、光導波路11および12への戻り光の結合効率は、ともに−50dB未満である。したがって、本実施形態の可変光減衰器600は、光導波路11および12への戻り光を双方とも大きく低減することができる。
光導波路11および12への戻り光が充分に小さいため、可変光減衰器600は、戻り光を遮断するためのアイソレータが光導波路11および12に接続されていなくても好適に動作する。したがって、可変光減衰器600を含む光学システムを極めて簡易かつ安価に構築することができる。
(第7実施形態)図25および図26は、第7実施形態の可変光減衰器700を示す概略平面図および概略側面図である。可変光減衰器700は、マルチチャネル(本実施形態では5チャンネル)の信号処理装置である。可変光減衰器700は、入力光ファイバ14、出力光ファイバ15、透過型回折格子73、集光レンズ74、および複数(本実施形態では5個)の可動反射装置91を有する。以下では、これらの可動反射装置91を区別するために、添字を付けて参照番号911〜915と表記する。
入力光ファイバ14は、入力光信号87を受け取るための光導波路である。入力光信号87は、異なる波長を有する複数(本実施形態では5個)の成分光を含む波長多重光である。入力光ファイバ14は、その一方の端部14bで入力光信号87を受け取り、その入力光信号87を伝送して反対側の端部14aから出射させる。つまり、端部14bは、可変光減衰器700の入力ポートとして機能する。
出力光ファイバ15は、出力光信号88を放出するための光導波路である。出力光信号88は、入力光信号87と同じ数の成分光を含む波長多重光である。出力光ファイバ15は、その一方の端部15aで出力光信号88を受け取り、その出力光信号88を伝送して反対側の端部15bから出射させる。つまり、端部15bは、可変光減衰器700の出力ポートとして機能する。
回折格子73は、入力光ファイバ14から入力光信号87を受け取って成分光891〜895に分波するとともに、それらの成分光891〜895を合波して出力光信号88を生成する光合分波器である。回折格子73の一方の面73aは、入力光ファイバ14の端部14aおよび光ファイバ15の端部15aと対向している。回折格子73の他方の面73bは集光レンズ74に対向している。
集光レンズ74は、回折格子73と可動反射装置911〜915との間に配置されている。集光レンズ74は、回折格子73によって分波されたすべての成分光891〜895を集光し、可動反射装置911〜915へ向けて出射させる。また、集光レンズ74は、可動反射装置911〜915によって反射された成分光891〜895を受け取って集光し、回折格子73へ向けて出射させる。
可動反射装置911〜915の各々の構成は、第1実施形態における可動反射装置91と同じである。可動反射装置911〜915は、ミラー駆動装置30に加えて、それぞれ可動ミラー211〜215を有する。可動ミラー211〜215の各々の構成は、第1実施形態における可動ミラー21と同じである。可動ミラー211〜215の光反射面21aの第1平面部21bは、集光レンズ74の集光作用によって成分光891〜895が集束する位置、すなわち成分光891〜895の集光点の近傍にそれぞれ配置されている。
本実施形態では、光反射面21aの第1平面部21bは、集光レンズ74の光軸に対して垂直に配置されている。ミラー駆動装置30は、集光レンズ74の光軸に対して垂直な方向32および33に沿って可動ミラー211〜215を可逆的に移動させる。これに応じて、可動ミラー21の光反射面21aは、移動経路76に沿って移動する。集光レンズ74の光軸はZ方向と平行である。本実施形態では、移動経路76は実質的にX方向に延びる直線状である。しかし、移動経路76は曲線状であってもよい。
可動ミラー211〜215の光反射面21aと集光レンズ74のレンズ面との間には、非平行な二つの光路56および57の第1〜第5の対がそれぞれ設けられている。以下では、第1〜第5対に含まれる光路56および57を、それぞれ参照番号561〜565および571〜575を用いて表記する。図26には光路561および571の対のみが描かれているが、他の光路対の配置も同様である。集光レンズ74を透過した成分光891〜895は、集束しながら光路561〜565上をそれぞれ進行する。
可動ミラー211の光反射面21aの第1平面部21bと第2平面部21cとの接続部は、第1対の光路561および571の光軸16および17を横切って移動することができる。他の可動ミラーの光反射面21aの移動も同様である。つまり、可動ミラー21kの光反射面21aの第1平面部21bと第2平面部21cとの接続部は、第k対の光路56kおよび57kの光軸16および17を横切って移動することができる。
図26に示される位置に可動ミラー211が配置されているときは、成分光891は、ミラー211に向かって光路561上を進行し、第1平面部21bに入射する。第1平面部21bは、光路561から成分光891を受け取ると、光路571へ成分光891を反射する。成分光891は光路571上を進行して集光レンズ74に戻り、集光レンズ74によって集束されながら回折格子73へ向かう。他の可動ミラーの動作も同様である。つまり、可動ミラー21k(kは1以上5以下の整数)の第1平面部21bは、成分光89kを受け取ると、光路57に沿って成分光89kを反射する。成分光89kは光路57k上を進行して集光レンズ74に戻り、集光レンズ74によって集束されながら回折格子73へ向かう。このように、光路57kは、光路56k上を進行する成分光89kが第1平面部21bによって反射された後に進行する光路である。
回折格子73は、成分光891〜895を合波して出力光信号88を生成する。出力光信号88は端部15aを通じて出力光ファイバ15に入射する。出力光ファイバ15は、この出力光信号88を伝送し、端部15bを通じて出射させる。
図26に示される位置から矢印33で示される方向に可動ミラー21が移動すると、成分光89kは第2平面部21cによって反射されるようになる。第2平面部21cは成分光89kを受け取ると、光路57kから外れた方向に成分光89kを反射する。このため、成分光89kの光路56kから光路57kへの結合効率が低下する。これに応じて、回折格子73によって生成される出力光信号88中の成分光89kのパワーが低下する。
成分光89kが可動ミラー21kのエッジ21dの付近に照射されるとき、成分光89kの一部は第1平面部21bによって反射され、残りは第2平面部21cによって反射される。第1および第2平面部21bおよび21cの受光量は、可動ミラー21kの光反射面21aの移動に応じて変化する。したがって、光路56kから光路57kへ伝播する光のパワーおよび出力光信号88中の成分光89kのパワーを、可動ミラー21kの光反射面21aの移動に応じて連続的に変更することができる。可動反射装置911〜915は、可動ミラー211〜215の光反射面21aを個別に移動させる。したがって、可変光減衰器700は、成分光891〜895のパワーを個別に変更することができる。このため、例えば入力光信号87中の成分光891〜895のパワーが不均一な場合に、出力光信号88において成分光891〜895のパワーを均一化することができる。
可変光減衰器700は、成分光891〜895を可動ミラー211〜215で反射することにより、入力光信号87の分波と成分光891〜895の合波を単一の回折格子73で行う。このため、高価な回折格子を複数使用する必要がない。したがって、可変光減衰器700は低コストで製造することができる。
可変光減衰器700は、光アンプと組み合わせて使用するのに適している。可変光減衰器700では入力光路561〜565の各々への戻り光が低減されるので、光アンプを用いて出力光信号を増幅したときに安定した伝送品質を得ることができる。
可変光減衰器700を、光強度モニターおよび制御装置とともに実装して、一つのモジュールを構成してもよい。光強度モニターは、成分光891〜895の一部を取り出し、各々の強度を測定する。成分光の一部の取り出しには、ハーフミラーを用いてもよいし、回折格子73による回折のうち光路561〜565の形成に利用される次数と異なる次数の回折を利用してもよい。制御装置は、光強度モニターで測定した各成分光の強度に従って、可変光減衰器700における可動反射装置91の動作を制御し、入力信号光の成分光のパワーを均一にする。可変光減衰器700では入力光路561〜565の各々への戻り光が低減されるので、このモジュールは安定した伝送品質を達成することができる。なお、上記の光強度モニターは、モジュールの外部に設置されていてもよい。
本実施形態では、第1実施形態と同じ可動反射装置91が使用されている。しかし、この代わりに、他の実施形態と同じ可動反射装置92〜95を使用してもよい。この場合、可動ミラー22〜25の平面部22b〜25bは、光路56から成分光89を受け取ると、その成分光89を光路57へ反射する。この成分光89は光路57上を進行して集光レンズ74に戻り、集光レンズ74によって集束されながら回折格子73へ向かう。このように、光路57は、光路56上を進行する成分光89が平面部22〜25によって反射された後に進行する光路である。
本実施形態では光合分波器として透過型回折格子73を使用するが、反射型回折格子や、他の光合分波器を使用してもよい。また、単一の光合分波器の代わりに、入力光信号88を複数の成分光89に分波する光分波器と、これらの成分光89を合波する光合波器とを別個に用意してもよい。
また、波長多重光の分波および波長成分光の合波の代わりに、波長とは別の特性が異なる複数の成分光を含む多重光をそれらの成分光に分解し、その後、それらの成分光を合成して多重光を生成してもよい。つまり、光合波器は、異なる特性を有する複数の成分光を含む多重光をそれらの成分光に分解する光分解器の一例であり、光分波器は、それらの成分光を合成して多重光を生成する光合成器の一例である。他の例を挙げれば、光分解器は、異なる偏波面を有する複数の成分光を含む偏波多重光をそれらの成分光に分解してもよいし、光合成器は、それらの成分光を合成して偏波多重光を生成してもよい。
言うまでもないことだが、成分光および可動反射装置91の数は本実施形態における5に限られず、2以上の任意の整数から選択できる。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
第1実施形態の可変光減衰器100は、可動ミラー21の代わりに、図18(a)に示される可動ミラー81を有していてもよい。可動ミラー81は、光反射面81aを有しており、その光反射面81aは、互いに接続された第1平面部81bおよび第2平面部81cから構成されている。第1平面部81bと第2平面部81cとの接続部(境界)はエッジ81dを形成している。第1平面部81bは、可動ミラー21の第1平面部21bと同じである。第1平面部81bは、光導波路11および12の端面11aおよび12aと平行に配置される。第2平面部81cと可動ミラー21の第2平面部21cとは、第1平面部81bを含む平面に対して鏡面対称である。第2平面部81cは、第1平面部81bから反時計回りにθ1の角度を第1平面部81bとの間に成している。第1実施形態と同様に、角度θ1は175°≦θ1<180°を満たしている。
同様に、第2実施形態の可変光減衰器200は、可動ミラー22の代わりに、図18(b)に示される可動ミラー82を有していてもよい。可動ミラー82は、光反射面82aを有しており、その光反射面82aは、互いに接続された平面部82bおよび曲面部82cから構成されている。平面部82bと曲面部82cとの接続部(境界)はエッジ82dを形成している。平面部82bは、可動ミラー22の平面部22bと同じである。平面部82bは、光導波路11および12の端面11aおよび12aと平行に配置される。曲面部82cと可動ミラー22の曲面部22cとは、平面部82bを含む平面に対して鏡面対称である。エッジ82dにおける曲面部82cの接平面は、平面部82bから反時計回りにθ2の角度を平面部82bとの間に成している。第2実施形態と同様に、角度θ2は175°≦θ2<180°を満たしている。
さらに、第3実施形態の可変光減衰器300は、可動ミラー23の代わりに、図18(b)に示される可動ミラー83を有していてもよい。可動ミラー83は、光反射面83aを有しており、その光反射面83aは、互いに接続された平面部83bおよび曲面部83cから構成されている。平面部83bは、可動ミラー23の平面部23bと同じである。平面部83bは、光導波路11および12の端面11aおよび12aと平行に配置される。曲面部83cと可動ミラー22の曲面部23cとは、平面部83bを含む平面に対して鏡面対称である。可動ミラー83は、θ2=180°の可動ミラー82に相当する。曲面部83cは平面部83bに滑らかに接続されている。また、第4実施形態と同様に、曲面部83cにおいて平面部83bの反対側に位置する端部に別の平面部が曲面部83cに滑らかに接続されていてもよい。
第4および第5実施形態では、第2平面部24dが曲面部24cに滑らかに接続されている。言い換えると、第2平面部24dは、曲面部24cの第2平面部24dに接続された端部における接平面と180°の角度を成している。しかし、第2平面部24dは曲面部24cに滑らかに接続されていなくてもよい。第2平面部24dが曲面部24cの第2平面部24dに接続された端部における接平面から時計回りまたは反時計回りに175°≦θ3≦180°を満たす角度θ3をその接平面との間に成していれば、上記の角度θ2と同様の理由により、光路56および第1光導波路11への戻り光ならびに光路57および第2光導波路12への戻り光の少なくとも一方を大きく低減することができる。
第5実施形態と同様に、第1実施形態の可変光減衰器100は、第2平面部21cによって反射された光を受光する光導波路をさらに有していてもよい。第2平面部21cによる反射光をその光導波路内で伝播させることにより、その反射光が可変光減衰器100を含む光学システム中の他の光部品に結合することを防ぐことができる。
上記実施形態では、2本の光導波路の端部が基準平面に対して対称に配置されている。しかし、本発明の光部品では、2本の光導波路が特定の基準平面に対して対称に配置されてなくてもよい。例えば、図19(a)に示される光部品では、光導波路11および12の端部が平面13との間に異なる角度α1およびα2を成している。また、図19(b)に示されるように、2本の光導波路11および12の端部は、互いに交差して重なり合っていてもよい。
上記の実施形態では、可動ミラーの平面部に平行な方向に可動ミラーが直線的に移動する。しかし、可動ミラーおよびその光反射面の移動は直線的でなくてもよい。例えば、まっすぐな棒状のアームの一端に可動ミラーを固定し、アームの他端を中心にアームを旋回させることにより可動ミラーを移動させてもよい。この場合、可動ミラーおよび光反射面が動く軌跡は、略円弧状の曲線となる。
上記実施形態では、本発明の光部品の一例として可変光減衰器が挙げられている。しかし、本発明は、一つの光導波路または光路から別の光導波路または光路へ伝播する光のパワーを変更する他の任意の光部品であってもよい。例えば、上記実施形態の可変光減衰器は、可動ミラーを移動させることにより、一つの光導波路から別の光導波路へ伝播する光のパワーをほぼ0にすることが可能である。したがって、これらの可変光減衰器は、光導波路中を伝播する光をオンオフする1×1光スイッチとして使用することができる。また、第5実施形態の可変光減衰器500は、光反射面24aの位置に応じて、光導波路62からの光を光導波路61または光導波路63に選択的に伝送する1×2光スイッチとして使用することができる。
本発明の光部品において、可動ミラーの光反射面に垂直な方向の厚みは任意である。例えば、可動ミラーは、光反射面に垂直な方向に均一な厚みを有していてもよい。
本発明の光部品において、可動ミラーまたはミラー駆動装置は、微小電子機械システム(MEMS)技術を用いて製造されたものが好ましい。ミラー駆動装置の例としては、静電アクチュエータや、電磁力を利用する電磁アクチュエータや、熱変形を利用するアクチュエータが挙げられる。例えば、静電アクチュエータは、可動電極部と固定電極部を有しており、可動電極部にミラーが設置される。両電極間に静電気力を発生させることで可動電極部が動かされ、それに応じてミラーが移動する。
第1〜第6実施形態の光部品が有する光導波路11および12は、PLC10上に設けられた平面導波路である。しかし、平面導波路に代えて、光ファイバなど、他の光導波路を使用してもよい。また、第1〜第6実施形態では、光路56および57を形成する光学素子としてPLC10が使用されている。しかし、他の光学素子(例えば、第7実施形態における集光レンズ74)によって光路56および57が形成されてもよい。
10…平面光波回路(PLC)、11および12…光導波路、13…基準平面、14…入力光ファイバ、15…出力光ファイバ、16および17…光軸、21〜25…可動ミラー、21a〜25a…光反射面、30…ミラー駆動装置、32および33…可動ミラーの移動方向、56および57…光路、73…回折格子、74…集光レンズ、76…ミラーの移動経路、87…入力光信号、88…出力光信号、89…成分光、91〜95…可動反射装置、100…可変光減衰器。