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JP4511226B2 - スローアウェイチップ - Google Patents
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JP4511226B2 - スローアウェイチップ - Google Patents

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Description

本発明は、表面にコーティング層を被覆したスローアウェイチップに関する。
金属の切削加工分野ではその加工条件が年々厳しくなり、これに用いる切削工具として超硬合金やサーメット等硬質焼結体母材の表面にコーティング層を被覆したスローアウェイチップが普及している。かかるスローアウェイチップにおいて、コーティング層を厚くすると耐摩耗性は向上するものの切刃の靱性が劣化するという関係にあることは良く知られている。
この問題を解決する方法として、特許文献1のように切刃部のコーティング層をホーニング加工によって部分的に薄くしたり除去したりする方法が提案されている。また、特許文献2によれば、このコーティング層の表面粗さをRmaxで0.2μm以下と滑らかにホーニング加工することによって、切刃部におけるコーティング層の局部的損傷を防止できることが記載されている。
特開平2−48103号公報 特開平1−16302号公報
しかしながら、最近では切削加工の高能率化が求められて加工条件が過酷なものとなる傾向があることから、上記従来の切刃におけるコーティング層をホーニング加工によって単純に薄くかつ平滑にしたスローアウェイチップであっても、高速切削や重断続切削等のように過酷な切削条件においては、より厚く高温の切りくずが高速で切刃中央部よりすくい面側のすくい面側切刃領域側を移動していくためコーティング層に高い応力や強い衝撃がかかってコーティング層が剥離してしまったり、切刃部に発生するチッピングを抑制することができず、特に耐摩耗性重視のためにコーティング層の膜厚を厚くした仕様においてコーティング層にチッピングが生じてコーティング層が早期に欠損してしまい、いずれの場合にも工具寿命が短くなる傾向にあり、工具寿命にバラツキが見られた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、コーティング層を有するスローアウェイチップにおいて、耐摩耗性に優れるとともに切刃部の耐チッピング性を向上しうるスローアウェイチップを提供することにある。
本発明は、上記課題に対して、切刃部におけるコーティング層の面粗度を全体的に小さくしつつも切刃中央部から前記すくい面側のすくい面側切刃領域における面粗度が、前記切刃中央部から逃げ面側の逃げ面側切刃領域における面粗度よりも小さくなるように調整して研磨加工したことを特徴とする。
これによって、高速切削や荒加工として用いられる重断続切削のように切刃に大きな衝撃がかかる加工条件においても切刃表面部に局所的な大きな衝撃がかかることなく、耐欠損性を高めることができるとともに、逃げ面側切刃領域においては荒加工において被削材の変形を促して切削抵抗を下げる効果があることから、高い耐摩耗性を維持した状態で切刃部に発生するチッピングを抑制することができて長寿命なスローアウェイチップとなるのである。
さらには、切れ刃中央部からすくい面側に切れ刃の面粗さを小さくすることにより、切削工具すくい面部を高速で移動する切りくずの排出が容易になり、結果的に切削温度の上昇抑制、切削抵抗の低減が達成できる。
すなわち、本発明のスローアウェイチップは、硬質焼結体からなる母材の表面に、該母材よりも硬いコーティング層を被覆したスローアウェイチップであって、前記コーティング層の表面におけるすくい面側から交差稜を含んで逃げ面側にわたる切刃領域について、前記すくい面から見たときの前記逃げ面から前記すくい面側切刃領域の研磨終端位置P までの距離L 、前記逃げ面から見たときの前記すくい面から前記逃げ面側切刃領域の研磨終端位置P までの距離L としたとき、その比(L /L )が0.8〜3であるように研磨加工が施されているとともに、前記切刃中央部から前記すくい面側のすくい面側切刃領域における面粗度が、前記切刃中央部から逃げ面側の逃げ面側切刃領域における面粗度よりも小さくなるように研磨されていることを特徴とする。
ここで、前記コーティング層の研磨面に研磨傷が存在することが、コーティング層内に発生する残留応力を開放することができてコーティング層が母材から剥離することを防止できる結果、耐欠損性を向上できるという効果の点で望ましい。
また、前記切刃中央部から前記すくい面側のすくい面側切刃領域における算術平均粗さ(Ra)が0.05〜0.35μm、前記切刃中央部から前記逃げ面側の逃げ面側切刃領域における算術平均粗さ(Ra)が0.10〜0.45μmであることが、耐摩耗性の向上、切削抵抗の低減、耐溶着性および耐欠損性の向上の点で望ましい。
さらに、前記すくい面側から見たときの前記逃げ面から前記すくい面側切刃領域の研磨終端位置PAまでの距離LA、前記逃げ面側から見たときの前記すくい面から前記逃げ面側切刃領域の研磨終端位置PBまでの距離LBとしたとき、その比(LA/LB)が0.8〜3であることが、耐衝撃性の向上による耐欠損性の向上および高い耐摩耗性の維持との両立を図る点で重要である
さらにまた、前記コーティング層の最表面がTi系表面層からなり、前記切刃中央部から前記すくい面側のすくい面側切刃領域において、前記Ti系表面層が最も研磨されていることが、コーティング層内の残留応力を低減できてコーティング層の耐欠損性を向上させるとともに、加工時の切削抵抗を増大させることなく被削材の溶着・凝着に起因する工具切れ刃の損傷、酸化や拡散反応に起因する摩耗の進行を解消するために望ましい。
さらには、前記Ti系表面層が最も研磨されている部分において、前記Ti系表面層の下層に存在するAl層が露出していることが、コーティング層の耐溶着性、耐酸化性および耐塑性変形性の向上による被削材の仕上げ面粗度を改善する点で望ましい。
また、前記すくい面側切刃領域に続くすくい面中央部における算術平均粗さ(Ra)が、前記逃げ面側切刃領域に続く逃げ面中央部における算術平均粗さ(Ra)よりも小さくなるように研磨されていることが、切屑の排出性を向上できる点で望ましい。また、両面が順にすくい面となるような両面使いの切削チップにおいては、座面に配されたときの未使用切れ刃の損傷防止できるという効果もある。
さらに、前記すくい面側切刃領域に続くすくい面中央部において研磨された前記Ti系表面層が残存することが、光沢のある金色を呈する美しい外観となり切刃の使用/未使用状態を目視で容易に確認できる点で望ましい。
上記本発明のスローアウェイチップは、切刃部におけるコーティング層の面粗度を全体的に小さくしつつも切刃中央部から前記すくい面側のすくい面側切刃領域における面粗度が、前記切刃中央部から逃げ面側の逃げ面側切刃領域における面粗度よりも小さくなるように調整して研磨加工したことによって、高速切削や荒加工として用いられる重断続切削のように切刃に大きな衝撃がかかる加工条件においても切刃表面部に局所的な大きな衝撃がかかることなく、耐欠損性を高めることができるとともに、逃げ面側切刃領域においては荒加工において被削材の変形を促して切削抵抗を下げる効果があることから、高い耐摩耗性を維持した状態で切刃部に発生するチッピングを抑制することができて長寿命なスローアウェイチップとなる。
本発明のスローアウェイチップ(以下、単にチップと略す。)の一例について、その要部模式図である図1を基に説明する。
図1によれば、チップ1は、略平板状を呈する母材2のすくい面3をなす主面および逃げ面4をなす側面との交差稜部分に切刃5を形成し、かつ母材2表面にコーティング層6を被覆している。また、図1によれば、切刃5のすくい面3から逃げ面4にわたってホーニング部8を設けている。
本発明によれば、コーティング層6の表面におけるすくい面3から交差稜を含んで逃げ面4にわたる切刃5領域について、切刃中央部8からすくい面3側のすくい面側切刃領域10における面粗度が、切刃中央部8から逃げ面4側の逃げ面側切刃領域9における面粗度よりも小さいことが大きな特徴であり、これによって、高速切削や重断続切削のように切刃に大きな衝撃がかかる加工条件においても切刃に局所的な大きな衝撃がかかることなく、耐欠損性を高めることができるとともに、被削材との摩擦が最も大きな逃げ面側切刃領域においては良好な耐摩耗性を示し、高い耐摩耗性を維持した状態で切刃部に発生するチッピングを抑制することができて長寿命なチップ1となる。また、本発明はコーティング層の総膜厚が15μmより大きい場合、特に17μm以上の時に特に有効に工具寿命を延ばすことができるのである。
なお、本発明における切刃中央部8とは、チップ1の着座面を45°傾けた状態で切刃5を観察したときに最も突出する稜線部分を指す。
ここで、コーティング層6の研磨面7に研磨傷が存在することが、コーティング層6内に発生する残留応力を開放することができてコーティング層6が母材2から剥離することを防止できる結果、耐欠損性を向上できるという効果の点で望ましい。なお、上記研磨傷とは筋状のものをいいラッピング加工またはブラシ加工のように研磨剤がコーティング層表面をこすれながら研磨する加工によってできる。さらに、上記研磨傷はランダムな方向についていることが応力緩和の点で望ましい。
また、切刃中央部8からすくい面3側のすくい面側切刃領域10における算術平均粗さ(Ra)が0.05〜0.35μm、切刃中央部8から逃げ面4側の逃げ面側切刃領域9における算術平均粗さ(Ra)が0.10〜0.45μmであることが、耐摩耗性の向上、切削抵抗の低減、耐溶着性および耐欠損性の向上の点で望ましい。
なお、本発明におけるコーティング層6表面の表面粗さの測定に関しては接触式の表面粗さ計を用いるか、または非接触式のレーザー顕微鏡を用い、測定面がレーザー顕微鏡に対して垂直となるようにチップを動かしながら測定する。また、切刃形状自体がうねりを有するような場合にはこのうねり分を差し引いて直線近似した後に表面粗さを算出する。
さらに、すくい面3から見たときの逃げ面4(チップ1の側面)からすくい面側切刃領域10の研磨終端位置Pまでの距離L、逃げ面4から見たときのすくい面3(チップ1の側面)から逃げ面側切刃領域10の研磨終端位置Pまでの距離Lとしたとき、その比(L/L)が0.8〜3、特に1〜2、さらに1.1〜1.5であることが、耐衝撃性の向上による耐欠損性の向上および高い耐摩耗性の維持との両立を図る点で重要である
さらにまた、コーティング層6の最表面がTi系表面層からなり、切刃中央部8からすくい面3側のすくい面側切刃領域10において前記Ti系表面層が最も研磨されていることが、コーティング層6内の残留応力を低減できてコーティング層6の耐欠損性を向上させるとともに、加工時の切削抵抗を増大させることなく被削材の仕上げ面粗度を平滑化するために望ましい。
さらには、前記Ti系表面層が最も研磨されている部分において、前記Ti系表面層の下層に存在するAl層が露出していることが、コーティング層6の耐溶着性、耐酸化性および耐塑性変形性の向上による被削材の仕上げ面粗度を改善する点で望ましい。
また、すくい面側切刃領域10に続くすくい面中央部12における平均算術平均粗さ(Ra)が、逃げ面側切刃領域9に続く逃げ面中央部13における平均算術平均粗さ(Ra)よりも小さくなるように研磨されていることが、切屑の排出性を向上できる点で望ましい。また、両面が順にすくい面3となるような両面使いの切削チップにおいては、座面に配されたときの未使用切れ刃の損傷を防止できるという効果もある。
さらに、すくい面側切刃領域10に続くすくい面中央部12において研磨された前記Ti系表面層が残存することが、光沢のある黄色味かかった色を呈する美しい外観となり切刃の使用/未使用状態を目視で容易に確認できる点で望ましい。
また、本発明によれば、母材2についてもコーティング層6を形成する前に切刃(交差稜)5に対してホーニング処理(以下、母材ホーニング部15と略す。)を施すことが望ましい。このとき、逃げ面側切刃領域9の研磨終端位置におけるコーティング層6の付着強度が、逃げ面4の中央部13における付着強度よりも高いことが望ましく、これによって、切削時、特に被削材とのこすれに起因したコーティング層6の剥離による微小チッピングが発生しやすい切刃稜線となる母材ホーニング部15の終端付近16でのコーティング層6の付着力を向上させて切刃5におけるコーティング層6の剥離を防止することができることから、チップ1の耐欠損性および耐摩耗性を著しく向上させることができ、チップ1の寿命を延命できる。
尚、本発明における付着強度とは、押し付け荷重を連続的あるいは段階的に上昇させながらダイヤモンドコーンでコーティング層6表面をひっかき、コーティング層6の剥離する強度を測定する、いわゆるスクラッチ試験にて測定したコーティング層6の付着強度を指す。
ここで、コーティング層6の付着強度の改善については、切刃稜線である母材ホーニング部15の終端近傍17について行うことで効果を発揮するが、チップの側端位置(すくい面3)からの高さHが1mmまでの領域において付着強度を改善すれば充分であり、高さHが1mmを超える範囲で付着強度が改善されるような条件は、コストがかさんだりホーニング時間がかかったりして製造上実用的ではない。
また、図1によれば、母材ホーニング部15はRホーニングであるが、切刃5の切れ味を高める点でのようなチャンファホーニングであってもよい。
さらに、母材ホーニング部の終端付近16におけるホーニング部8とコーティング層6との界面の算術平均粗さ(Ra)は、母材ホーニング部の終端付近16でのコーティング層6の付着強度を高めるために、1μm以下、特に0.1〜0.5μmであることが望ましい。なお、上記凹凸はホーニング部8とコーティング層6との界面を含む任意部の断面SEM写真における前記界面での切刃5の基本形状に基づいたうねりを除いた凹凸の差を算術表面粗さ(Ra)算出方法に照らして求めた値を指す。なお、逃げ面4中央部の表面粗さは算術平均粗さ(Ra)で0.5〜2μm、特に0.6〜1.5μmであることが望ましい。この表面粗さ(Ra)はチップ1の断面における走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって定量化する。
一方、本発明において、母材2は、超硬合金、サーメットまたはセラミックのいずれも適応可能であるが、中でもコーティング層6との付着強度の点およびホーニング加工時の形状調整が容易な点で超硬合金に対して最も好適に適応可能である。
他方、コーティング層6に関しては、CVD法またはPVD法によって形成されたTiC、TiCN、TiN、(TiM)N(ただし、MはAl、Si、Zr及びCrの群から選ばれる少なくとも1種)、Al、ダイヤモンド(PCD、DLCを含む)及びcBNの群から選ばれる少なくとも1層またはこれらの複層が適応可能であるが、中でも付着強度の点でCVD法によって形成されたコーティング層が最も有効である。
次に、上述した本発明のチップ1を製造する方法について説明する。
まず、略平板状の母材2を作製し、母材2の切刃5をなす部分にホーニングを施す。
ここで、Rホーニングを施すには、図2(a)に示すように、まず、母材2のすくい面3が加工面となるように配置し、母材2の逃げ面4側を固定冶具21にて固定する。この時、母材2を固定冶具から突き出させる突き出し量hを従来の切刃直下のみでなく、すくい面から1.1mm以上でチップ逃げ面の約1/3の高さまで突き出させる。
そして、Rホーニングを施す方法としては、チップのすくい面側にゴム部材内に砥粒を分散させたグレードG200以上の砥石22を載置して2〜4kg/cmの圧力をかけながら2〜10秒間砥石を回転させるラッピング法によって、切刃5をR形状に削りながら、同時にその直下の逃げ面部分を実質的には削らないが撫でる様に加工することができる。これによって、撫でる様に加工した部分は極わずかに研磨されることによって表面粗さがコーティングの付着力が向上する範囲に改善されるとともに、母材のフレッシュな面が露出することから、後に被覆されたコーティング層におけるかかる部分の付着力が向上して前記母材ホーニング部の終端付近16におけるコーティング層の付着強度およびチップの耐欠損性を向上させることができる。
ここで、Rホーニングでの研磨量は、切刃5の耐摩耗性と耐欠損性との両立を図るために、例えば、すくい面側でa=0.01〜0.2mm、逃げ面側でb=0.005〜0.08mm程度が望ましい。すなわち、Rホーニングの研磨量が上記範囲を超えると切刃終端部が研磨されすぎてコーティング層の付着力が低下する。
一方、切刃にCホーニング(チャンファホーニング)を施すには、図2(b)に示すように、まず、チップ1を固定冶具25によって特定の角度θとなるように配置した状態でホーニングを施す切刃5を突き出させ、切刃5を回転する砥石26に当てて研磨する。なお、切刃5の研磨量は切刃5の研磨状態を顕微鏡で観察しながら制御すればよい。
チャンファホーニングによる研磨量は、切刃5の切れ味とチッピング防止との両立を図るために、例えば、すくい面側でa=0.05〜0.2mm、逃げ面側でb=0.02〜0.1mm、ホーニング角θ=15〜30°程度が望ましい。
なお、逃げ面側切刃領域9の終端位置におけるコーティング層6の付着強度を高めるためには、ホーニング方法としてRホーニング工程を含むことが望ましく、特にCホーニングを施す場合にも事前および/または事後にRホーニングを施しておくことが望ましい。
そして、上記ホーニングを施したチップに対してCVD法またはPVD法等の気相合成法によってコーティング層を被着形成する。
そして、切刃5部分のコーティング層をすくい面側から再度Rホーニングと同じようにして軽く研磨し、コーティングの最上層厚みが他の部分に対して薄くするか、または除去する。
この時、本発明によれば、豚毛ブラシのような撓みやすいブラシと、3μm以下の粒径のダイヤモンド粉末と潤滑油を混ぜた研磨液を用いて、図3に示すようにチップ1をすくい面3がブラシ28表面から内部へ0.05〜1.5mmの範囲で押し込まれるように配してブラシ研磨加工することによって、ブラシがチップ1のすくい面3の端面(交差稜部分)から逃げ面側へ撓みながら研磨されることになり、ブラシの弾性力と押し込み圧力を調整することによりコーティング層6を上述した表面粗度に研磨加工することが可能である。
また、この方法によってすくい面3全体におけるコーティング層6の表面粗さを平滑にするとともに、その研磨状態を調整してすくい面を光沢のある黄色未がかった色とすることができる。
平均粒径1.5μmのWC粒子をCoにて結合した超硬合金からなるCNMG形状のチップ母材の表面に、チップのすくい面側にゴム部材内に砥粒を分散させたグレード400番(TKX)の砥石を載置してRホーニングを施した。なお、ホーニング量は顕微鏡にて観察して確認した。
次に、上記チップ母材に対してCVD法によりTiCN(8μm)−Al(7μm)−TiN(0.5μm)の多層コーティング層を成膜し、このコーティング膜の切刃部のコーティング層を表に示す加工方法で研磨することによりチップを作製した。なお、試料No.1〜5については、表1に示すブラシに0.1〜3μmのダイヤモンド粉末と潤滑油を混ぜた研磨液を用いて、チップを表1に示す深さまで押し込んだ状態で120秒間研磨した。
得られたチップについて、コーティング層のすくい面側切刃領域、逃げ面側切刃領域、すくい面中央部、逃げ面中央部における算術平均表面粗さ(Ra)を3箇所測定して平均値を算出した。なお、測定に関しては接触式の表面粗さ計を用いるか、または非接触式のレーザー顕微鏡を用い、測定面がレーザー顕微鏡に対して垂直となるようにチップを動かしながら測定した。また、切刃形状自体がうねりを有するような場合にはこのうねり分を差し引いて直線近似した後に表面粗さを算出した。
また、投影機や双眼顕微鏡を用いて、チップのすくい面から見たときの逃げ面からすくい面側切刃領域の研磨終端位置Pまでの距離L、逃げ面から見たときの前記すくい面から逃げ面側切刃領域の研磨終端位置Pまでの距離Lをそれぞれ測定し、その比(L/L)を算出した。さらに、切刃においてAl層が露出しているか否かを確認した。結果は表1に記載した。なお、試料No.1〜4については顕微鏡観察によって表面粗さ(Ra)が最も小さい部分が最も研磨されていることを確認した。また、スクラッチ試験の結果、逃げ面中央部よりコーティング層の逃げ面側ホーニング終端のほうが付着力が高いものであった。
また、以下の条件での切削試験を行い切刃が欠損するまでの総切削時間を測定した。結果は表1に示した。
切削条件 切削速度:300m/min
切込み :1.5mm
送り :0.3mm/rev
被削材 :SCM440 4本溝つき
切削状態:湿式
Figure 0004511226
表1に示すとおり、研磨条件によって、切刃中央部から前記逃げ面側の逃げ面側切刃領域における面粗度が、前記切刃中央部からすくい面側のすくい面側切刃領域における面粗度と同じとなった試料No.5〜7では、いずれも耐欠損性が低いものであった。また、試料No.7についてはすくい面全面のTi系表面層が除去されてAl層が露出した状態となり、すくい面が黒色を呈していたために、切刃の使用/未使用の識別が難しいものであった。
本発明のスローアウェイチップの一例を示す概略断面図である。 本発明のスローアウェイチップの母材の研磨工程((a)Rホーニング、(b)チャンファホーニング)を説明するための概念図である。 本発明のスローアウェイチップのコーティング層の研磨工程を説明するための概念図である。
符号の説明
1:スローアウェイチップ(チップ)
2:母材
3:すくい面
4:逃げ面
5:切刃
6:コーティング層
7:研磨面
8:切刃中央部
9:すくい面側切刃領域
10:逃げ面側切刃領域
12:すくい面中央部
13:逃げ面中央部
15:母材ホーニング部
16:コーティング層のホーニング部終端
17:母材ホーニング部終端

Claims (7)

  1. 硬質焼結体からなる母材の表面に、該母材よりも硬いコーティング層を被覆したスローアウェイチップであって、前記コーティング層の表面におけるすくい面側から交差稜を含んで逃げ面側にわたる切刃領域について、前記すくい面から見たときの前記逃げ面から前記すくい面側切刃領域の研磨終端位置P までの距離L 、前記逃げ面から見たときの前記すくい面から前記逃げ面側切刃領域の研磨終端位置P までの距離L としたとき、その比(L /L )が0.8〜3であるように研磨加工が施されているとともに、前記切刃中央部から前記すくい面側のすくい面側切刃領域における面粗度が、前記切刃中央部から逃げ面側の逃げ面側切刃領域における面粗度よりも小さくなるように研磨されていることを特徴とするスローアウェイチップ。
  2. 前記コーティング層の研磨面に研磨傷が存在する請求項1記載のスローアウェイチップ。
  3. 前記切刃中央部から前記すくい面側のすくい面側切刃領域における算術平均粗さ(Ra)が0.05〜0.35μm、前記切刃中央部から前記逃げ面側の逃げ面側切刃領域における算術平均粗さ(Ra)が0.10〜0.45μmである請求項1または2記載のスローアウェイチップ。
  4. 前記コーティング層の最表面がTiN、TiC、TiCN、TiCO、TiNOおよびTiCNOの群から選ばれる少なくとも1種のTi系表面層からなり、前記切刃中央部から前記すくい面側のすくい面側切刃領域において、前記Ti系表面層が最も研磨されている請求項1乃至のいずれか記載のスローアウェイチップ。
  5. 前記Ti系表面層が最も研磨されている部分において、前記Ti系表面層の下層に存在するAl層が露出している請求項記載のスローアウェイチップ。
  6. 前記すくい面中央部における算術平均粗さ(Ra)が、前記逃げ面中央部における算術平均粗さ(Ra)よりも小さくなるように研磨されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか記載のスローアウェイチップ。
  7. 前記すくい面中央部において前記Ti系表面層が研磨されつつ残存する請求項記載のスローアウェイチップ。
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