JP4520109B2 - レーザーパワー制御回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクドライブなどに用いられる半導体レーザーのパワー制御回路に関するものであり、特に、制御回路をMOSトランジスタで構成した場合に課題となる差動増幅器のオフセット電圧の補正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクドライブでは、レーザー光を光ディスクに照射し、反射光を電気信号に変換して信号処理を行うことにより、光ディスク上に形成された物理的なデジタル信号を電気信号として復元させることができる。近年、この原理を用いた光ディスクは、読み出し専用のものや、再書き込みできるものが実用化されており、また、記録密度の違いによりフォーマットは多様化している。このため、光ディスクドライブにおいては、信号の復元過程に入る前に、どの光ディスク媒体であるかの判別が必要となる。一般に、各種の光ディスク媒体により、一定の光パワーが照射されたときの反射光量が異なるため、媒体判別の初期段階で、この反射光量レベルを検出することにより、どの媒体であるかを推定し、サーボ制御を行った後、記録データを読み出すことによって媒体の確定を行う。反射光量に基づく推定が間違っていても、推定媒体を変更して再度データの読み出しを行い、媒体の確定を行うことは可能であるが、フォーマットが多様化しているため、初期の媒体推定で誤判別すると、データ再生開始までに時間を要することになる。
【0003】
このような光ディスクドライブに設けられるレーザーパワー制御回路は、レーザーより照射するレーザーパワーのばらつきを抑え、動作環境が変化してもレーザーパワーを一定に保つよう制御するものである。
【0004】
また、半導体レーザーでは、規定以上のレーザーパワーを得ようとすると動作寿命を縮めることにもなり、レーザーパワーの制御は、光ディスク機器の長時間動作という観点からも重要であると言える。
【0005】
図8は、この機能を具体的な回路にしたもので、従来回路の問題点について以下に述べる。
図8において、1は正電源端子、2は負電源端子、3は光検出素子、4は半導体レーザー、5は半導体レーザー駆動用トランジスタ、6は光電変換用可変抵抗であり、1〜6をOptical Pickup Unit(OPU)と呼び、10で表す。また、20は差動増幅器、21、22は差動増幅器20の入力端子、23はレーザーパワー制御回路の出力端子、30は電圧値Vrを供給する基準電圧源で、100はこれらを含めたレーザーパワー制御回路であり、通常は半導体集積回路として形成される。
【0006】
次に動作について説明を行う。半導体レーザー4は、半導体レーザー駆動用トランジスタ5により、正電源端子1からの電流が供給されると、発光現象が発生する。発光した半導体レーザー光の一部は光検出素子3へ照射され、光起電流により光電変換が行われ、光電変換用可変抵抗6に電流が流れることにより電圧信号となる。以下、この電圧をモニター電圧Vmと称する。
【0007】
差動増幅器20の負極性側端子21には基準電圧源30が接続され、正極性側端子22には前述の光電変換された電圧信号が入力されている。また、差動増幅器20の出力端子23は、半導体レーザー駆動用トランジスタ5のベース端子に接続されている。ここで、正転側端子22の端子電圧が反転側端子21の端子電圧より高ければ、22は差動増幅器20の正転側端子であるため、出力端子23の電圧は上昇し、半導体レーザー駆動用トランジスタ5のベース、エミッタ間電圧は低下する。その結果、半導体レーザー駆動用トランジスタ5に流れる電流は減少し、半導体レーザー4に流れる電流が減少し、照射光パワーも減少する。さらに、光検出素子3の光起電流が減少することにより正転側端子22の端子電圧は低下する。逆に正極性側端子22の端子電圧が反転側端子21より低ければ、一巡して正転側端子22の端子電圧は上昇する方向に働くことになる。
【0008】
以上のようにレーザーパワー制御回路100とOPU10との接続は、負帰還ループが構成されており、最終的に反転側端子21、正転側端子22の端子は、ほぼ等しい電圧となる。
【0009】
一方、半導体レーザー4の発光効率はばらつきが大きく、これは同じ電流を流しても得られるレーザーパワーが異なることを意味する。光電変換用可変抵抗6は、この発光効率ばらつきを調整するためのものであり、半導体レーザー4からのレーザーパワーを測定しながら、規定のレーザーパワーが得られた時に光電変換用可変抵抗6の電圧が一定になるように調整を行う。このとき調整すべき電圧は、レーザーパワー制御回路100内にある基準電圧源30の電圧値Vrである。
【0010】
このように調整されたOPU10をレーザーパワー制御回路100に接続し、負帰還ループを構成することによって、光電変換用可変抵抗6の端子電圧を、パワー調整したときの電圧値Vrに等しくさせることによって、半導体レーザー4から照射する光パワーを一定に制御することが可能になる。
【0011】
近年、半導体集積回路のプロセスが微細化するに伴い、トランジスタの耐圧が下がっているため、3V程度の電源電圧を用いている。一方、半導体レーザー4で高出力のレーザーパワーを得ようとする場合、順方向電圧が高くなり、正電源端子1の電圧を3Vとして動作させるのは困難となるため、OPU10の電源電圧は5V程度とするのが一般的である。半導体レーザー駆動用トランジスタ5のベース電圧は、5Vから半導体レーザー駆動用トランジスタ5のベース・エミッタ間電圧(≒0.7V)分だけ下がった電圧であり、このような背景のもとで図8に示す接続を行うと、レーザーパワー制御回路100の出力端子23の端子電圧は、プロセス耐圧を超えることとなる。
【0012】
図9は、OPU10の正電源端子1の電圧値と、差動増幅器20の電源電圧とが異なる場合に、レーザーパワー制御回路100と、OPU10とを接続する場合の一例である。図9において、8は、半導体集積回路には含まれないトランジスタで、その耐圧は正電源端子1の電圧に対して充分高い。7および9は抵抗である。これらは反転増幅器として働き、抵抗7と抵抗9の両端電圧の比はそれらの抵抗比に等しいことになる。ここで、トランジスタ8のベース電圧は、抵抗9での電圧降下分と、トランジスタ8のベース・エミッタ間電圧(≒0.7V)とを加算したものであるから、抵抗7および9の抵抗比を適切に選べば、レーザーパワー制御回路100の出力端子23の端子電圧がプロセス耐圧を超えることなく、負帰還ループを構成することが出来る。
【0013】
【特許文献1】
特開平2−159780号公報(第5図)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように従来の技術では、理想的な差動増幅器を用いると反転側端子21と正転側端子22との端子電圧は等しくなり、半導体レーザー4より照射されるレーザーパワーは一定となるが、実際には、差動増幅器20にはオフセット電圧と呼ばれる電圧が発生する。
【0015】
図10は、差動増幅器にオフセット電圧が発生したときの状態を等価的に表わしたもので、オフセット電圧Vofsが発生すると差動増幅器の2つの端子間に電位差が生じることになる。その結果、基準電圧源30の電圧値Vrとモニター電圧Vmとの間に電位差が生じ、結果として半導体レーザー4のレーザーパワーが一定とならない。オフセット電圧は差動増幅器20の入力部に使われている差動トランジスタなどの相対精度が求められるトランジスタのミスマッチに起因するものである。このミスマッチは、MOS型トランジスタにて顕著に生じるものであり、MOSトランジスタのゲート幅×ゲート長の平方根に逆比例する。従って、一般的な対応としては、これらのトランジスタサイズを大きくしたり、オフセット電圧分を補正するために基準電圧値Vrを微調整するなどの方法が取られる。
【0016】
ところが、レーザーパワー制御回路は半導体集積回路として作られるため、トランジスタサイズを大きくすればチップサイズが大きくなってしまう。また、基準電圧の微調整はヒューズを使って行うため、いずれも製造コストの上昇につながるという課題を有している。
【0017】
また、光検出素子3はダイオード構造であり、光電変換用可変抵抗6の調整電圧を高くすると順方向に電流が流れ始めるため、比較的低い電圧(100mV〜200mV程度)に調整されるのが一般的である。一方、レーザーパワー制御回路100の出力は、OPU10の電源電圧から決定されるため、この差分が、回路的なオフセット電圧として発生する。基準電圧Vrと、レーザーパワー制御回路出力電圧との差電圧を、Voofsnとし、差動増幅器20のゲインをGとすれば、回路的に発生するオフセット電圧はVoofsn/Gで表される。この回路的なオフセット電圧を小さくすることは、差動増幅器20のゲインGを大きくすることで解決できるが、極端に大きくすると帰還ループのゲイン交点が高くなり、ノイズ帯域が広くなったり、帰還ループの安定性が低下するという課題が発生する。このため、差動増幅器20のゲインGは1000倍程度に抑えるのが一般的な設計値であり、Voofsnは2V程度発生するため、このような設計では入力部への換算オフセット電圧は2mVとなる。この数値は、本来の基準電圧に対して2%に相当するため、必ずしも無視できる値とは言えない。このオフセット電圧はトランジスタのサイズの調整では回避できないため、ヒューズによる基準電圧のトリミングが必要となり、製造コストの上昇につながるという課題も有している。
【0018】
また、図9に示すようにOPU10の電源電圧と、レーザーパワー制御回路100との間に電位差がある場合などには、レーザーパワー制御回路100とOPU10との接続を変更する必要があり、OPU10の仕様にあわせてレーザーパワー制御回路100の仕様を決める必要があるという課題をも有している。
【0019】
本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであり、製造コストの上昇を招くことなく一定のレーザーパワーを得ることができ、かつ各種のOPUに対して接続可能なレーザーパワー制御回路を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明にかかるレーザーパワー制御回路は、半導体レーザーより照射される光の一部を光電変換して得た電気信号を差動増幅器の一端の入力端子に、基準電圧を他端の入力端子に、出力を前記半導体レーザーの駆動回路に、それぞれ接続し、前記光電変換後の電圧と、前記基準電圧とが等しくなるように負帰還回路を構成することにより一定のレーザーパワーを得るレーザーパワー制御回路において、前記差動増幅器の入力端子間に差電圧を発生させる手段と、ADコンバータと、を有し、前記基準電圧と、前記光電変換後の電圧とを、前記ADコンバータでデジタル信号に変換し、前記デジタル信号に変換された基準電圧および光電変換後の電圧に基づき、それらの電圧差が無くなるように前記差動増幅器の入力端子間電圧を制御するものである。
【0021】
また、本発明にかかるレーザーパワー制御回路は、前記レーザーパワー制御回路において、前記差動増幅器のオフセット電圧を電源投入時に読みとり、前記オフセット電圧に相当する電圧を前記差動増幅器の入力端子間に与えることにより、前記差動増幅器のオフセット電圧を補正するものである。
【0022】
また、本発明にかかるレーザーパワー制御回路は、前記レーザーパワー制御回路において、前記差動増幅器のオフセット電圧の読み取り時に、前記ADコンバータの基準電圧を変化させ、分解能を向上させるものである。
【0023】
また、本発明にかかるレーザーパワー制御回路は、前記レーザーパワー制御回路において、前記差動増幅器のオフセット電圧の読み取り時に、前記ADコンバータのダイナミックレンジ内に入るよう、該レーザーパワー制御回路の基準電圧を切り替えるものである。
【0024】
また、本発明にかかるレーザーパワー制御回路は、前記レーザーパワー制御回路において、前記差動増幅器は、第1の増幅器、および第2の増幅器で構成され、前記差動増幅器のオフセット電圧補正時に、前記半導体レーザーの駆動回路と、前記制御回路とを電気的に切り離し前記差動増幅器の入力を短絡したときに、前記差動増幅器の入出力間電位が等しくなるよう、前記差動増幅器の入力端子間電圧を制御するものである。
【0025】
また、本発明にかかるレーザーパワー制御回路は、前記レーザーパワー制御回路において、前記差動増幅器は、第1の増幅器、および第2の増幅器で構成され、前記差動増幅器のオフセット電圧の読み取り時に、前記第1の増幅器単体のオフセット電圧と、前記第1の増幅器と第2の増幅器とを接続した場合のオフセット電圧と、をそれぞれ読み取り、補正量を決定するものである。
【0026】
また、本発明にかかるレーザーパワー制御回路は、前記レーザーパワー制御回路において、前記補正量は、該レーザーパワー制御回路の基準電圧と、出力電圧とに応じて一定の補正を加えたものである。
【0027】
また、本発明にかかるレーザーパワー制御回路は、前記レーザーパワー制御回路において、前記差動増幅器は、第1の帰還型増幅器、および第2の帰還型増幅器で構成され、オフセット電圧読み取り時と、通常動作時とで、帰還ループを構成する帰還型増幅器を切り替えるものである。
【0028】
また、本発明にかかるレーザーパワー制御回路は、前記レーザーパワー制御回路において、前記差動増幅器の各入力端子に、前記光電変換後の電圧と基準電圧とが入れ替え可能に接続されているものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるレーザーパワー制御回路を示す図である。
図1において、1は、正電源端子、2は、負電源端子、3は、半導体レーザー4より照射される半導体レーザー光の一部を光電変換する光検出素子、5は、トランジスタ、6は、光電変換用可変抵抗であり、1〜6をOptical Pickup Unit(OPU)と呼び、10で表す。また、20は、差動増幅器、21は、差動増幅器20の入力端子である反転側端子、22は、差動増幅器20の入力端子である正転側端子、23は、レーザーパワー制御回路の出力端子、30は、電圧値Vrの基準電圧を供給する基準電圧源、31は、正負両極性の出力を持つオフセット補正用可変電圧源、33は、ADコンバータ、32は、第1の入力a,第2の入力b,第3の入力cを切り換えて、いずれかの信号をADコンバータ33に供給するセレクタ、34は、ADコンバータ33より出力されるデジタル信号を演算する演算器、35は、通常動作時にADコンバータ33に信号を入力するための入力端子、100は、これらを含めたレーザーパワー制御回路であり、通常は半導体集積回路として形成される。
【0030】
次にこのレーザーパワー制御回路の動作について説明を行う。
半導体レーザー4は、半導体レーザー駆動用トランジスタ5により正電源端子1からの電流が供給されると、発光現象が発生する。発光現象により生じた半導体レーザー光の一部は光検出素子3へ照射され、光起電流により光電変換が行われ、光電変換用可変抵抗6に電流が流れることにより電圧信号となる。この電圧を、モニター電圧Vmとする。ここで、光電変換用可変抵抗6の抵抗値は、規定の発光パワーが得られた時のモニター電圧Vmが、レーザーパワー制御回路100内の基準電圧源30の電圧値Vrと一致するように調整されている。
【0031】
差動増幅器20の反転側端子21には、オフセット補正用可変電圧源31を介して基準電圧源30が接続されている。またこの接続点は、セレクタ32の第2の入力bにも接続されている。なお、オフセット補正用可変電圧源31は0Vを中心として正負両極性を持った電圧源である。一方、正転側端子22には、前述の光電変換されたモニター電圧Vmが入力される(以下、正転側端子22に入力されるモニター電圧Vmを、端子電圧Vmと称す)とともに、セレクタ32の第1の入力aが接続されている。また、差動増幅器20の出力端子23は、半導体レーザー駆動用トランジスタ5のベース端子に接続されている。
【0032】
ここで、オフセット補正用可変電圧源31の電圧値を0Vとして、差動増幅器20の正転側入力端子22に印加される端子電圧Vmが、差動増幅器20の反転側入力端子21に印加される電圧値Vrより高い場合、出力端子23の電圧は上昇し、半導体レーザー駆動用トランジスタ5のベース、エミッタ間電圧は低下する。その結果、半導体レーザー駆動用トランジスタ5に流れる電流が減少するため、半導体レーザー4に供給される電流が減少し、半導体レーザー4のレーザーパワーも減少する。これに伴い、光検出素子3の光起電流が減少するため、正転側入力端子22に印加される端子電圧Vmは低下する。逆に、正転側入力端子22に印加される端子電圧Vmが、反転側入力端子21に印加される電圧値Vrより低い場合、一巡して正転側入力端子22に印可される端子電圧Vmは上昇する方向に働くことになる。
【0033】
以上のように、レーザーパワー制御回路100とOPU10との接続は、負帰還ループを構成するようになされており、最終的に反転側入力端子21、および正転側入力端子22の端子電圧はほぼ等しい電圧となるように構成されている。しかるに、図10のように差動増幅器20にオフセット電圧Vofsが発生すると、差動増幅器20の反転側端子電圧V(−)は、
V(−)=Vr+Vofs …(1)
となり、差動増幅器20の正転側端子電圧V(+)は、負帰還ループによりV(−)電圧と同じになり、V(+)電圧はOPU10のモニター電圧Vmに等しいため、期待値であるVrからずれが生じることとなる。
【0034】
次に、上記のようなモニター電圧Vmの期待値からのズレを補正する方法について説明を行う。
ADコンバータ33は、通常、連続的に変化するアナログ信号をデジタル変換し離散データとして信号処理を行うために用いられる。また、デジタル信号に変換する際、変換されるアナログ信号周波数の2倍以上の変換スピードでデジタル変換すれば、アナログ信号はデジタル信号として復元できることが知られている。そこで、いくつかのアナログ信号をそれぞれのADコンバータを用いてデジタル変換するのではなく、時系列的にADコンバータの入力を変更してデジタル化する手法が一般的に用いられている。
【0035】
セレクタ32はADコンバータ33への入力信号を切り替えるもので、図1においては、3種類の信号を切り替える構成となっている。その第1の入力aは、差動増幅器20の正転側入力端子22の端子電圧Vmに、第2の入力bは、レーザーパワー制御回路100の基準電圧源30の電圧Vrに、第3の入力cは、入力端子35からの信号に、それぞれ割り付けられている。このようにされたセレクタ32によって、まず、ADコンバータ33の入力を第1の入力aに設定し、ADコンバータ33において、正転側入力端子22の端子電圧Vmをデジタル信号に変換する。次に、ADコンバータ33の入力を、セレクタ32によって第2の入力bに設定し、ADコンバータ33において、基準電圧源30の電圧Vrをデジタル信号に変換する。そして、デジタル信号に変換された電圧Vrおよび端子電圧Vmに基づき、電圧Vrと端子電圧Vmとの差電圧を、演算器34によって算出する。算出した差電圧をオフセット補正用可変電圧源31に与え、基準電圧源30の電圧値Vrとモニター電圧Vmとが等しくなるように、第2の帰還ループを構成することにより、差動増幅器20のオフセット電圧Vofsによってモニター電圧Vmが基準電圧源30の電圧Vrからずれることを補正することができ、一定のレーザーパワーを得ることができる。
【0036】
以上のように、本実施の形態1によるレーザーパワー制御回路によれば、半導体レーザー4より照射される半導体レーザー光の一部を光検出素子3で光電変換して得た電気信号を差動増幅器20の正転側端子22に、基準電圧源30からの基準電圧を反転側端子21に、出力を半導体レーザー4の駆動回路に、それぞれ接続し、光電変換後のモニター電圧Vmと基準電圧源30の電圧Vrとが等しくなるように負帰還回路を構成することにより、一定のレーザーパワーを得るレーザーパワー制御回路において、差動増幅器20の入力端子間に差電圧を発生させる手段と、ADコンバータ33とを有し、前記基準電圧の電圧値と光パワー検出用素子からの入力電圧を前記ADコンバータでデジタル信号に変換し、それらの電圧差が無くなるように差動増幅器20の入力端子間電圧を制御するようにしたので、製造コストの上昇を招くことなく一定のレーザーパワーを得ることができ、かつ各種のOPUに対して接続可能なレーザーパワー制御回路を得ることができる。
【0037】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2によるレーザーパワー制御回路について説明する。
実施の形態1においては、基準電圧源30の電圧値Vrと、モニター電圧Vmとは、時間的に変化の無い直流電圧値である。したがって、差動増幅器20のオフセット電圧を補正するためのループが完了すれば、オフセット補正用可変電圧源31に与えるデジタルデータさえ保持すればよいわけであるから、本実施の形態2は、電源投入時などに、図1における、セレクタ32の入力を、第1の入力a、第2の入力b、あるいは第3の入力cに切替えて、差動増幅器20のオフセット電圧を補正する構成にしたものである。
【0038】
以上のように、本実施の形態2によるレーザーパワー制御回路によれば、差動増幅器20のオフセット電圧を電源投入時に読みとり、このオフセット電圧に相当する電圧を差動増幅器20の入力端子間に与え、前記差動増幅器20のオフセット電圧を補正することにより、時間的に変化するアナログ信号をデジタル信号に変換する際のADコンバータ33の変換スピードを上げる必要が無く、また、差動増幅器20のオフセット電圧を補正するために、ADコンバータ33の仕様を変更する必要がなくなり、非常に簡単な構成で一定のレーザーパワーを得ることが出来る。
【0039】
(実施の形態3)
次に本発明の実施の形態3について、図面を参照しながら説明する。
図2は、本実施の形態3におけるレーザーパワー制御回路を示す図である。図において、40、41はセレクタ、36〜39は電圧源である。なお、実施の形態1と同じものには同じ符号を付している。
【0040】
ADコンバータ33には、Lo側の基準電圧と、Hi側の基準電圧とが用意されており、この基準電圧間のビット数に応じて分割して入力されるアナログ信号を、離散データに変換する。例えば、8ビットADコンバータは、Lo側基準電圧と、Hi側基準電圧との間を256ポイントに分割し、10ビットでは1024ポイントに分割する。ビット数が多ければ分解能は上がるが、回路規模が大きくなるという欠点を有している。従って、必要以上にビット数を大きくすることは無く、また、Lo側の基準電圧は回路の負電源(通常は0V)とし、Hi側の基準電圧は正電源とすることが多い。このような条件の下において上記実施の形態1を構成し、ADコンバータが8ビット、電源電圧が3.3Vとすれば、分解能は約13mVとなり、モニター電圧が100mVに調整されたOPUに対しては、13%相当のずれが発生してしまうこととなる。
【0041】
これに対し、図2に示す本実施の形態3においては、電圧源36、38をADコンバータのLo側の基準電圧として使用し、また、電圧源子37、39をADコンバータのHi側の基準電圧として使用する。すなわち、ADコンバータ33の使う基準電圧を、通常動作時には電圧源36、37とし、オフセット補正時には電圧源38、39とするように、セレクタ40,41において切り替える。
【0042】
以上のように、本実施の形態3によるレーザーパワー制御回路によれば、差動増幅器20のオフセット電圧の読み取り時に、ADコンバータ33の基準電圧を変化させるようにしたので、ADコンバータ33の分解能は、電圧源38と電圧源39との電圧差をADコンバータ33のビット数に応じて分割した値となるため、ビット数の小さいADコンバータでも高精度のオフセット電圧を補正することが可能となる。なお、図2では、Lo側、Hi側とも基準電圧を切り替える構成を示しているが、これは片側だけ切り替える構成にしてもよく、上記と同等の効果を得ることができる。
【0043】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について図面を参照しながら説明する。
図3は、本実施の形態4におけるレーザーパワー制御回路を示す図である。図において、42は、電圧源、51は、基準電圧源30からの電圧と、電圧源42からの電圧とを切り換えて、レーザーパワー制御回路の入力端子である反転側入力端子21に供給するセレクタである。なお、実施の形態1と同じものには同じ符号を付している。
【0044】
デジタル変換されるアナログ信号は、必ずしも負電源から正電源までのすべての範囲を変化するとは限らない。ところが、デジタル信号に変換する際の分解能は小さくすることが望ましく、ビット数を大きくすれば分解能は小さく出来るが、回路規模が大きくなるという欠点を有している。そこで、アナログ信号の変化し得る範囲の上下限値で、ADコンバータ33の基準電圧値を設定すれば、回路規模を大きくすることなく分解能を小さくすることが可能となる。しかしながら、レーザーパワー制御回路の基準電圧は、光検出素子3が順方向バイアスされるのを避けるために負電源近くの電圧値に設定されるため、前述のようにADコンバータの基準電圧を負電源からオフセットさせている場合には、ADコンバータのダイナミックレンジから外れてしまうことがある。
【0045】
図3に示す本実施の形態4は、このような課題を解決するためのもので、差動増幅器20のオフセット電圧補正時に、レーザーパワー制御回路の基準電圧をセレクタ51を用いて切り替える構成にしたものである。
【0046】
以上のように、本実施の形態4によるレーザーパワー制御回路においては、差動増幅器20のオフセット電圧の読み取り時に、ADコンバータ33のダイナミックレンジ内に入るよう、反転側入力端子21を介して該レーザーパワー制御回路に供給する基準電圧を切り替えることにより、ADコンバータ33のビット数を増加させることなく高精度のオフセット電圧の補正を行うことが可能となる。
【0047】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について図面を参照しながら説明する。
図4は、本実施の形態5におけるレーザーパワー制御回路を示す図である。図4において、20bはオペアンプ、45,46は抵抗で、これらにより本実施の形態5の差動増幅器20を構成している。また、43、44はスイッチである。なお、実施の形態1と同じものには同じ符号を付している。
【0048】
上記実施の形態1では、OPU10とレーザーパワー制御回路100とを接続した状態でオフセット電圧を補正している。ところが、差動増幅器20の増幅度は1000倍程度に設定するのが一般的である。また、オフセット電圧補正を行う段階で演算回路34から出力されるデータはデジタル信号であり、これをオフセット補正用可変電圧源31でアナログ電圧に変換する際、スパイク状の電圧信号が発生することがあり、過渡的に半導体レーザー4に過大な信号を与えることとなる。これを低減するにはオフセット補正用可変電圧源31の応答速度を下げれば良いが、上記実施の形態2のように電源投入時だけでオフセット補正を行うと、オフセット補正が完了するまでの時間が長くなり不都合が生じる。
【0049】
本実施の形態5はこの不都合を改善するのを目的としており、差動増幅器20のオフセット電圧補正時にはスイッチ43を開き、スイッチ44をbに接続することにより、OPU10とレーザーパワー制御回路100とを電気的に切り離して差動増幅器20のオフセット電圧を補正するものである。オフセット電圧補正時には、オペアンプ20bの正転側端子22はスイッチ44がb側に接続されるため、基準電圧30の電圧値Vrが入力される。一方、オペアンプ20bは抵抗45により負帰還がかけられ、抵抗46を入力抵抗として反転型のアンプを構成している。したがって、オフセット補正用可変電圧源31の電圧値を0Vとすれば、電圧値Vrはオペアンプ20bの反転側入力端子へ印加されることとなる。ここで、オペアンプ20bにオフセット電圧が発生しなければ、オペアンプ20bの出力電圧は電圧値Vrと等しくなる。そこで、ADコンバータ33の入力に関して電圧値Vrとオペアンプ20bの出力電圧について差電圧を求め、この差電圧が0Vになるようにオフセット補正用可変電圧源31の電圧値を調整すれば、差動増幅器20のオフセット電圧を補正することができる。
【0050】
以上のように、本実施の形態5によるレーザーパワー制御回路においては、差動増幅器20に、オペアンプ20bと抵抗45、46とを設け、差動増幅器20のオフセット電圧補正時に、OPU10と、レーザーパワー制御回路100とを電気的に切り離し、オペアンプ20bの入力を短絡したときのオペアンプ20bの入出力間電位が等しくなるよう、オペアンプ20bの入力端子間電圧を制御するようにしたので、半導体レーザー4に過大な信号を与えることなく、短時間でオフセット電圧の補正を行うことが可能となる。
【0051】
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6について図面を参照しながら説明する。
図5は、本実施の形態6におけるレーザーパワー制御回路を示す図である。図5において、47、48はスイッチ、45a、45bは抵抗であり、スイッチ47が開いている状態では、抵抗45aと抵抗45bとを加算した抵抗値が上記実施の形態5における抵抗45の抵抗値に等しく、また抵抗45bの抵抗値は抵抗46の抵抗値と等しくなるよう設定されている。また、20aは増幅度が1であるバッファーアンプである。なお、実施の形態1および実施の形態5と同じものには同じ符号を付している。
【0052】
上記実施の形態5では、抵抗45、46およびオペアンプ20bで構成される差動増幅器20(以下、反転型アンプと称すこともある)は、増幅度が1000倍程度であり、この状態では、オフセット補正用可変電圧源31などから発生するノイズは、上記反転型アンプで増幅される。例えば、反転型アンプに0.1mV程度のノイズ成分が注入されると、セレクタ32の第1の入力aには100mVものノイズとして現れることとなるため、デジタル的に平均値を求めるなどの取り組みが必要となってしまう。
【0053】
本実施の形態6はこの不都合を改善するためのもので、オフセット補正時にはスイッチ47を閉じることにより反転アンプの増幅度を下げ、ノイズによる不安定さを取り除いた状態で、差動増幅器のオフセット電圧を補正するものである。
【0054】
まず、スイッチ43およびスイッチ48を開き、スイッチ47を閉じ、スイッチ44はbに設定する。この状態では、オペアンプ20bの正転側入力端子22には基準電圧Vrが入力される。また、抵抗46の一端はオープン状態であり、オペアンプ20bの出力電圧が、そのままスイッチ47および抵抗45bを介して反転側入力に帰還されることとなるため、増幅度が1の負帰還アンプが構成される。オペアンプ20bのオフセット電圧をVofs2とすれば、セレクタ32の入力aには、(Vr−Vofs2)なる電圧が入力される。
【0055】
次に、スイッチ47は閉じたままで、スイッチ48を閉じる。バッファーアンプ20aのオフセット電圧をVofs1とし、オフセット補正用可変電圧源31の電圧値を0Vとすれば、バッファーアンプ20bの出力電圧Vo(20b)は、
Vo(20b)=Vr+Vofs1−2×Vofs2 … (2)
で表わされる。各アンプにオフセット電圧が発生しなければ、Vo(20b)=Vrであるため、Vo(20b)をVr+Voofsとすれば、
Voofs=Vofs1−2×Vofs2 … (3)
となる。
【0056】
次に、通常動作状態でのオフセット電圧を求める。通常動作状態では、スイッチ44はa、スイッチ43、48は閉じており、スイッチ47は開いている。反転型アンプ20bの増幅度は、抵抗45a、45bの加算値と、抵抗46の比率で決定される。、この比率をG、また、光検出素子3からの帰還電圧をVmとして、レーザーパワー制御回路100の出力23の電圧Vo(23)について式を求めると、
Vo(23)=G×(Vm−Vr+Vofs1−Vofs2)+(Vm−Vofs2) … (4)
となり、問題となる回路のオフセット電圧は(Vm−Vr)であり、前述のようにVo(23)をVrからの変動量Voofsnとすれば、
Vm−Vr=(Vr−Vm+Vofs2+Voofsn)×(1/G)+(Vofs2−Vofs1) … (5)
で表わされる。ここで、Gは1000倍程度であるため、(5)式の第一項を無視すれば、
Vm−Vr=Vofs2−Vofs1 … (6)
となる。(3)式を変形すれば、
Vofs2−Vofs1=−(Voofs+Vofs2) … (7)
であるから、通常動作状態でのオフセット電圧Vm−Vrを補正するためには、
Voofs+Vofs2=0 … (8)
とすれば良いことがわかる。(8)式におけるVoofsは、レーザーパワー制御回路の負帰還ループを開いて反転アンプ20bの増幅度を1とし、バッファーアンプ20aと接続したときの反転アンプ20bに発生する電圧と基準電圧Vrとの差であり、Vofs2は、スイッチ48を開いてオペアンプ20bのゲインを1とした時出力に現れる電圧と基準電圧Vrとの差であるから、いずれもADコンバータ33と演算器34とで算出できる値である。
【0057】
したがって、レーザーパワー制御回路の負帰還ループを開いた状態で、(8)式が成立するようにオフセット補正用可変電圧源31の電圧値を変化させれば、反転増幅器20bの増幅度を小さくして、ノイズの影響が発生しない状態で、通常動作状態でのオフセット電圧を補正することができる。
【0058】
以上のように、本実施の形態6によるレーザーパワー制御回路によれば、差動増幅器20に、バッファーアンプ20a、およびオペアンプ20bを設け、差動増幅器20のオフセット電圧の読み取り時に、前記オペアンプ20bのオフセット電圧と、バッファーアンプ20aとオペアンプ20bとを接続した場合のオフセット電圧とをそれぞれ読み取り、補正量を決定するようにしたので、通常動作状態でのオフセット電圧を安定に補正することが可能となる。
【0059】
(実施の形態7)
次に、本発明の実施の形態7について図面を参照しながら説明する。
図6は、本実施の形態7におけるレーザーパワー制御回路を示す図である。図6において、49はスイッチである。なお、実施の形態1および実施の形態5と同じものには同じ符号を付している。
【0060】
上記実施の形態6では、スイッチ47を閉じることによって、反転アンプ20bの増幅度を切り替えている。ところが、通常動作状態では、1000倍程度の増幅度を得るためには抵抗46と抵抗45aとの比率も約1000倍となる。このような抵抗46と抵抗45aとを集積回路として実現するためには、抵抗45aの抵抗値は極端に大きくすることができないため数百キロオームに設定し、抵抗46の抵抗値は数百オームに設定する。ここで、スイッチ47はトランジスタで構成されるため、オン抵抗なるものが発生する。上記実施の形態6では、オフセット補正時にはオペアンプ20bの増幅度は1に設定する必要があるが、抵抗46と抵抗45bの抵抗値を同じにしてもスイッチ47のオン抵抗のため増幅度が1とはならない。また、通常動作時にはスイッチ48のオン抵抗が抵抗46の抵抗値に加算されるため、スイッチ48のオン抵抗を充分小さくしておかなければレーザーパワー制御回路のループゲインがずれることとなる。これらスイッチ47、48の抵抗値を無視できるほど小さくするためには、トランジスタサイズを大きくする必要があるが、チップサイズの増大を招き望ましくない。
【0061】
本実施の形態7は、この不都合を改善するためのものであり、スイッチ47、48を構成するトランジスタサイズを大きくすることなく、ゲインの切り替えを行い、オフセット補正を行うものである。
【0062】
スイッチ49は、通常動作時にはa、オフセット補正時にはbに接続する。また、スイッチ47、48は、同一サイズのトランジスタで構成すればオン抵抗は同一となる。ここで、スイッチ49をbに接続すれば、反転アンプ20bの入力抵抗は、スイッチ48と抵抗46の加算値となる。一方、帰還抵抗はスイッチ47と抵抗45bの加算値である。抵抗46、45bを同一抵抗値とし、スイッチ47、48のトランジスタサイズを同一としていることにより増幅度はそれぞれ加算値の比率で表わされ、1となる。また、通常動作時においてはスイッチ49をaに接続するため、スイッチ48と抵抗46の接続点はバッファーアンプ20aの入力電圧と等しくなり、スイッチ48のオン抵抗は無視することができるようになる。従って、ゲイン切替用スイッチ47、48のトランジスタサイズを大きくすることなく、レーザーパワー制御回路のオフセット補正を行うことが可能となる。
【0063】
以上のように、本実施の形態7によるレーザーパワー制御回路によれば、差動増幅器20のオフセット電圧の読み取り時に、前記オペアンプ20bのオフセット電圧と、バッファーアンプ20aとオペアンプ20bとを接続した場合のオフセット電圧と、より決定した補正量に、レーザーパワー制御回路の基準電圧と出力電圧とに応じて一定の補正を加えるようにしたので、スイッチ47、48のオン抵抗を考慮することなく、オフセット補正を行うことができるため、スイッチ47、48の抵抗値を小さくするために、トランジスタサイズを大きくする必要がなくなる。
【0064】
(実施の形態8)
次に、本発明の実施の形態8について説明を行う。
上記実施の形態6においては、オフセット電圧を表わす(5)式において、第一項の増幅度Gが1000倍程度であるため、これをオフセット電圧の補正式から無視した。(5)式第一項において、Vm−VrおよびVofs2はせいぜい数十mV程度であるため、増幅度Gで割れば充分無視できる値である。これに対し、Voofsnは、出力端子23より出力されるレーザーパワー制御回路100の出力電圧の、基準電圧Vrからの差電圧であり、この電圧は数Vに達する。図6に示す回路構成では、半導体レーザー駆動用トランジスタ5のベース電圧は、正電源端子1の電圧値から約0.7V下がった電圧であり、この正電源端子1の電圧値を、半導体集積回路に与える一般的な値である3.3Vとし、また、基準電圧Vrを100mVとすれば、上記Voofsn=3.3−0.7−0.1=2.5Vとなる。この値を増幅度G=1000で割ると2.5mVとなるが、基準電圧Vrに対しては2.5%に相当する。パワー制御の精度としては5%以下に入れることが望ましいため、2.5%は必ずしも無視できる値とは言えない。
【0065】
実施の形態8は、この課題を解決するものである。(5)式において、Vr−VmおよびVofs2は前述のように無視できるため、
Vm−Vr=Voofsn/G+(Vofs2−Vofs1) … (9)
また、(7)式より、
Voofsn/G−(Voofs+Vofs2)=0 … (10)
が成立するようにオフセット補正用可変電圧源31の電圧値を変化させれば良いことがわかる。ここで、Voofsnは、OPU10とレーザーパワー制御回路100との接続関係と、基準電圧Vrとで一意的に決まるほぼ一定の値である。そこで、Voofsn/Gで表わされる補正量をメモリ上に配置しておき、上記条件によって補正量を選択すれば、オフセット補正のシーケンスが長くなることなく、精度良くオフセット補正を行うことが可能となる。
【0066】
(実施の形態9)
次に、本発明の実施の形態9について図面を参照しながら説明する。
図7は、本実施の形態9におけるレーザーパワー制御回路を示す図である。図7において、44、50はスイッチである。なお、実施の形態1と同じものは同じ符号を付している。
【0067】
図7に示すように、レーザーパワー制御回路100の出力端子23からOPU10を介して入力端子22に帰還されるまでの極性が逆極性の場合には、全体として負帰還構成とするために、差動増幅器20の正転側入力端子22に戻すことが必要で、スイッチ44および50をa側に接続する。また、図7に示すように、レーザーパワー制御回路出力23からOPU10を介して正転側入力端子22に帰還されるまでの極性が正極性の場合には、全体として負帰還構成とするために、差動増幅器20の反転側端子21に戻すことが必要であり、スイッチ44および50をb側に接続する。
【0068】
以上のように、本実施の形態9によるレーザーパワー制御回路によれば、スイッチ44、50を用いて差動増幅器20への帰還信号を切り替えることにより、レーザーパワー制御回路の出力23からOPU10を介して帰還される信号の極性に関係なく、同じレーザーパワー制御回路でパワー制御を行うことができるようになり、汎用性の高い駆動回路を得ることができる。
【0069】
【発明の効果】
以上のように、本発明にかかるレーザーパワー制御回路によれば、半導体レーザーより照射される光の一部を光電変換して得た電気信号を差動増幅器の一端の入力端子に、基準電圧を他端の入力端子に、出力を前記半導体レーザーの駆動回路に、それぞれ接続し、前記光電変換後の電圧と、前記基準電圧とが等しくなるように負帰還回路を構成することにより一定のレーザーパワーを得るレーザーパワー制御回路において、前記差動増幅器の入力端子間に差電圧を発生させる手段と、ADコンバータと、を有し、前記基準電圧と、前記光電変換後の電圧とを、前記ADコンバータでデジタル信号に変換し、前記デジタル信号に変換された基準電圧および光電変換後の電圧に基づき、それらの電圧差が無くなるように前記差動増幅器の入力端子間電圧を制御するようにしたので、前記差動増幅器を構成する素子のミスマッチによるオフセット電圧のような相対ばらつきの発生を抑制し、一定のレーザーパワーを得ることが出来る。また、信号処理に用いるADコンバータを時分割で使用することにより、レーザーパワー制御回路の回路規模の増加を避けることが可能となる。
【0070】
また、本発明にかかるレーザーパワー制御回路によれば、前記レーザーパワー制御回路において、前記差動増幅器のオフセット電圧を電源投入時に読みとり、前記オフセット電圧に相当する電圧を前記差動増幅器の入力端子間に与えることにより、前記差動増幅器のオフセット電圧を補正するようにしたので、前記ADコンバータの処理速度を上げる必要が無く、前記ADコンバータの仕様を変更することなく、安定した光パワーを得ることが可能となる。
【0071】
本発明にかかるレーザーパワー制御回路によれば、前記レーザーパワー制御回路において、前記差動増幅器のオフセット電圧の読み取り時に、前記ADコンバータの基準電圧を変化させ、分解能を向上させるようにしたので、前記ADコンバータの分解能を上げることが出来、レーザーパワーのばらつき幅を少なくすることができる。
【0072】
本発明にかかるレーザーパワー制御回路によれば、前記レーザーパワー制御回路において、前記差動増幅器のオフセット電圧の読み取り時に、前記ADコンバータのダイナミックレンジ内に入るよう、該レーザーパワー制御回路の基準電圧を切り替えるようにしたので、前記ADコンバータの仕様を変更することなく、前記差動増幅器のオフセット電圧を測定することが可能となる。
【0073】
本発明にかかるレーザーパワー制御回路によれば、前記レーザーパワー制御回路において、前記差動増幅器は、第1の増幅器、および第2の増幅器で構成され、前記差動増幅器のオフセット電圧補正時に、前記半導体レーザーの駆動回路と、前記制御回路とを電気的に切り離し前記差動増幅器の入力を短絡したときに、前記差動増幅器の入出力間電位が等しくなるよう、前記差動増幅器の入力端子間電圧を制御するようにしたので、前記半導体レーザーにストレスを与えることなく、前記差動増幅器のオフセット電圧を補正することができる。
【0074】
本発明にかかるレーザーパワー制御回路によれば、前記レーザーパワー制御回路において、前記差動増幅器は、第1の増幅器、および第2の増幅器で構成され、前記差動増幅器のオフセット電圧の読み取り時に、前記第1の増幅器単体のオフセット電圧と、前記第1の増幅器と第2の増幅器とを接続した場合のオフセット電圧と、をそれぞれ読み取り、補正量を決定するようにしたので、回路から発生するノイズによる不安定さを抑えることが可能となり、安定に差動増幅器のオフセット電圧を補正することができる。
【0075】
本発明にかかるレーザーパワー制御回路によれば、前記レーザーパワー制御回路において、前記補正量は、該レーザーパワー制御回路の基準電圧と、出力電圧とに応じて一定の補正を加えるようにしたので、ゲイン切替用アナログスイッチのサイズを大きくすることなく、オフセット電圧を補正することができる。
【0076】
本発明にかかるレーザーパワー制御回路によれば、前記レーザーパワー制御回路において、前記差動増幅器は、第1の帰還型増幅器、および第2の帰還型増幅器で構成され、オフセット電圧読み取り時と、通常動作時とで、帰還ループを構成する帰還型増幅器を切り替えるようにしたので、OPUのモニター電圧とレーザーパワー制御回路出力電圧との差から生じる回路的なオフセット電圧をも補正することが可能となり、OPUのモニター電圧設定による光パワーのばらつきをも抑えることが出来る。
【0077】
本発明にかかるレーザーパワー制御回路によれば、前記レーザーパワー制御回路において、前記差動増幅器の各入力端子に、前記光電変換後の電圧と基準電圧とが入れ替え可能に接続されているものとしたので、OPUの駆動入力からモニター出力までの極性に関わらず、同一の半導体集積回路で制御することが可能となり、半導体集積回路の汎用性が高くなることによって、コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1および2におけるレーザーパワー制御回路の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の実施の形態3におけるレーザーパワー制御回路の構成を示す回路図である。
【図3】本発明の実施の形態4におけるレーザーパワー制御回路の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の実施の形態5におけるレーザーパワー制御回路の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の実施の形態6および8におけるレーザーパワー制御回路の構成を示す回路図である。
【図6】本発明の実施の形態7におけるレーザーパワー制御回路の構成を示す回路図である。
【図7】本発明の実施の形態9におけるレーザーパワー制御回路の構成を示す回路図である。
【図8】従来のレーザーパワー制御回路の構成を示す回路図である。
【図9】レーザーパワー制御回路出力からOPUの帰還信号が同極性である場合のレーザーパワー制御回路と、OPUとの接続の一例を表わす回路図である。
【図10】レーザーパワー制御回路を構成する差動増幅器にオフセット電圧が発生した時の等価回路を示す回路図である。
【符号の説明】
3 光検出素子
4 半導体レーザー
5 半導体レーザー駆動用トランジスタ
6 光電変換用可変抵抗
10 オプティカルピックアップユニット(OPU)
20 差動増幅器
30 基準電圧源
31 オフセット補正用可変電圧源
32 ADコンバータの入力信号を切り替える為のセレクタ
33 ADコンバータ
34 演算回路
Claims (9)
- 半導体レーザーより照射される光の一部を光電変換して得た電気信号を差動増幅器の一端の正転側入力端子に、基準電圧源を他端の反転側入力端子に、出力を前記半導体レーザーの駆動回路に、それぞれ接続し、
前記光電変換後の電圧と、前記基準電圧源の電圧とが等しくなるように負帰還回路を構成することにより一定のレーザーパワーを得るレーザーパワー制御回路において、
前記差動増幅器の入力端子間に差電圧を発生させるオフセット補正用可変電圧源と、ADコンバータと、を有し、
前記基準電圧源の電圧と、前記光電変換後の電圧とを、前記ADコンバータでデジタル信号に変換し、
前記デジタル信号に変換された基準電圧源の電圧および光電変換後の電圧に基づき、それらの電圧差が無くなるように前記差動増幅器の入力端子間電圧を制御する、
ことを特徴とするレーザーパワー制御回路。 - 請求項1記載のレーザーパワー制御回路において、
前記ADコンバータの入力を前記差動増幅器の正転側入力端子及び反転側入力端子に各々切替えて、前記差動増幅器のオフセット電圧を電源投入時に読みとり、
前記オフセット電圧に相当する電圧を前記差動増幅器の入力端子間に与えることにより、前記差動増幅器のオフセット電圧を補正する、
ことを特徴とするレーザーパワー制御回路。 - 請求項1記載のレーザーパワー制御回路において、
前記ADコンバータにセレクタを介して複数の電圧源が接続され、前記差動増幅器のオフセット電圧の読み取り時に、前記セレクタにより前記ADコンバータの基準電圧として使用する電圧源を切替えて、前記ADコンバータの基準電圧を変化させ、分解能を向上させる、
ことを特徴とするレーザーパワー制御回路。 - 請求項2記載のレーザーパワー制御回路において、
前記基準電圧源と他の電圧源がセレクタにより前記差動増幅器の反転側入力端子に接続され、前記差動増幅器のオフセット電圧の読み取り時に、前記セレクタにより前記ADコンバータのダイナミックレンジ内に入るよう、該レーザーパワー制御回路の基準電圧を切り替える、
ことを特徴とするレーザーパワー制御回路。 - 請求項1記載のレーザーパワー制御回路において、
前記差動増幅器は、第1の増幅器で構成され、
レーザーパワー制御回路の出力端子とトランジスタの間に配置された第1のスイッチ、および前記差動増幅器の正転側入力端子と反転側入力端子との間の接続を切替える第2のスイッチを備え、
前記差動増幅器のオフセット電圧補正時に、前記第1のスイッチを開き、また前記第2のスイッチを前記差動増幅器の反転側入力端子側に接続することにより、前記半導体レーザーの駆動回路と、前記制御回路とを電気的に切り離し前記差動増幅器の入力を短絡したときに、前記差動増幅器の入出力間電位が等しくなるよう、前記差動増幅器の入力端子間電圧を制御する、
ことを特徴とするレーザーパワー制御回路。 - 請求項1記載のレーザーパワー制御回路において、
前記差動増幅器は、第1の増幅器、および第2の増幅器で構成され、また、レーザーパワー制御回路の出力端子と前記第1の増幅器の反転側入力端子との間に配置された第3のスイッチ、および前記第1の増幅器と第2の増幅器との間に配置された第4のスイッチで構成され、
レーザーパワー制御回路の出力端子とトランジスタの間に配置された第1のスイッチ、および前記差動増幅器の正転側入力端子と反転側入力端子との間の接続を切替える第2のスイッチを備え、
前記差動増幅器のオフセット電圧の読み取り時に、前記第2のスイッチの接続を切り替え、前記第1、3、4のスイッチを開くか又は閉じることにより、前記第1の増幅器単体のオフセット電圧と、前記第1の増幅器と第2の増幅器とを接続した場合のオフセット電圧と、をそれぞれ読み取り、補正量を決定する、
ことを特徴とするレーザーパワー制御回路。 - 請求項6記載のレーザーパワー制御回路において、
第4のスイッチの前記第1の増幅器側と第2の増幅器側との間の接続を切替える第5のスイッチを備え、
前記差動増幅器のオフセット補正時に、前記第5のスイッチを前記第4のスイッチの第2の増幅器側に接続を切替え、
前記補正量は、該レーザーパワー制御回路の基準電圧と、出力電圧とに応じて一定の補正を加えたものである、
ことを特徴とするレーザーパワー制御回路。 - 請求項6記載のレーザーパワー制御回路において、
前記差動増幅器は、第1の帰還型増幅器、および第2の帰還型増幅器で構成され、
前記差動増幅器の正転側入力端子と反転側入力端子との間の接続を切替える第2、第6のスイッチを備え、
前記第2、第6のスイッチにより、オフセット電圧読み取り時と、通常動作時とで、帰還ループを構成する帰還型増幅器を切り替える、
ことを特徴とするレーザーパワー制御回路。 - 請求項6記載のレーザーパワー制御回路において、
前記差動増幅器の各入力端子に、前記光電変換後の電圧と基準電圧とが入れ替え可能に接続されている、
ことを特徴とするレーザーパワー制御回路。
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