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JP4535582B2 - プリンタの制御方法 - Google Patents
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JP4535582B2 - プリンタの制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、手差で挿入される媒体、とくにサイズが種々異なる媒体に対して印字処理を行うプリンタの制御方法に関する。本発明は、印字処理のほか、読取り処理を行うプリンタにも適用できる。
【0002】
【従来の技術】
プリンタにおいて媒体に印字する際に、そのプリンタに挿入された媒体のサイズ(以下、実サイズという場合がある。)が、そのプリンタに印字情報を与えるホストコンピュータから指定されたサイズ(以下、指定サイズという場合がある。)と異なる場合は、種々の支障が生じる。とくに、実サイズが指定サイズよりも小さい時は、印字ヘッドが媒体から外れるため、プラテンがインクで汚染されたり、印字ヘッドのピンがプラテンと衝突して、あるいは媒体に引っ掛かって折損したりするので、これを予防する必要がある。
【0003】
従来のプリンタでは、今から印字処理する媒体のサイズをホストコンピュータ側から指定され、プリンタに今挿入された媒体のサイズを何らかの検知手段により検知して、検知した実サイズが指定サイズと一致するか否かを判断し、一致するときはその媒体を印字位置まで搬送して印字処理を遂行するが、一致しないときはエラー処理、例えば、媒体の返却及び/又はエラー表示などを行うことにより、サイズ不一致による印字ヘッドの損傷や不適正領域への印字を防止するようにしている。
【0004】
自動給紙機構を有するプリンタにおいては、搬送路に対する媒体の給紙位置が一定であるので、媒体の搬送方向と直角な一直線上に給紙位置を基準として複数個の媒体センサを設けて、どのセンサまでが動作されたかにより、媒体サイズの検知を容易に行うことが可能である。
しかしながら、自動給紙機構を備えずに、媒体を手差で挿入するプリンタ、例えば、通帳、小切手、航空券や搭乗券などを処理するプリンタにおいては、オペレータによる媒体挿入位置が必ずしも一定ではないため、印字位置における媒体の位置検知及びサイズ検知をする必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
媒体が手差で挿入されるプリンタにおいて、媒体の搬送方向と直角な一直線上に所定の位置を基準として複数個の媒体センサを設けて、どのセンサまでが媒体ありの検知をしたかにより、挿入された媒体のサイズを検知するようにしたプリンタは、特開平8−238819号公報に開示されている。
しかし、この先行技術は、媒体挿入の際に、搬送路の左端又は右端を基準として挿入する(サイドローディング)か、又は搬送路の中央を基準として挿入する(センターローディング)ことをオペレータに求める。そして、そのいずれかによって、媒体センサの設置位置を決定し、かつ、サイズ検知のための各センサからの検知信号の処理方法も変えなければならない。
従って、媒体の挿入時に所定の基準位置に合わせて挿入しなければならないので、オペレータに対する負担が大きく、しかも、常に適切な位置に正しい姿勢で挿入されるとは限らないので、位置検知に誤差が生じたり、不適切な挿入と判断されて、再挿入を要求されたり、あるいは、サイズ検知に誤差が生じて、適切な印字領域以外の部分に印字されたりするなどの不都合があった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その課題は、オペレータは基準位置に拘束されることなく任意の位置に媒体を挿入することができ、なおかつ、印字位置まで搬送された状態における媒体の位置検知及びサイズ検知を正しく行なうことを可能にすることにある。
【0007】
本発明方法による媒体の位置検知及びサイズ検知の機構は、第一に印字ヘッドに媒体センサを設け、第二に最大サイズの媒体の外側に印字ヘッドのホームポジション検出用マー(以下、HPMという。)を設けて、キャリッジによる印字ヘッドの移動とともに前記媒体センサから得られる検知出力電圧(以下、センサレベルという。)の変化状態を調べ、その変化状態が所定のパターンに合致する場合にHPMを検出したものと判定し、挿入された媒体を印字位置まで搬送した時に、再度、印字ヘッドを所定方向に移動してその時に媒体センサから得られるセンサレベルの変化状態を調べ、その変化状態が所定のパターンに合致する場合に、媒体の端部を検知したものと判定して、位置検知及びその検知した媒体の両端部間の印字ヘッド移動距離から当該媒体のサイズを検知するものである。ここで、「媒体のサイズ」とは実質的に媒体の幅のみを指すので、以下には「幅」の用語を用いる。
【0008】
ところで、媒体を挿入口に手差で挿入する場合は、媒体が搬送方向に対して傾斜するスキューが発生し易い。スキューが発生した場合は、上記印字ヘッドに設けた媒体センサを用いて行う位置検知及び幅検知の精度が低下する。
従って、本発明のもう一つの課題は、媒体スキューを自動的に矯正した後に、前記媒体センサにより位置検知及び幅検知を行うことにより、位置検知及び幅検知の精度を向上することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明が採用した制御方法は、まず、(イ)印字ヘッドに印字位置に存在する媒体を検知するための光反射式センサで構成された1個の媒体センサを設けるとともに、プラテン又はその近傍に前記媒体センサにより検知される媒体とほぼ等しい光反射率を有するホームポジション検知用マーカを設け、(ロ)電源投入直後に行う初期化動作の際に、前記印字ヘッドを所定方向に1ステップ移動するたびに前記媒体センサから得られる検知出力レベルを連続する3個ずつ、かつ、1ステップ移動するたびに順送りにバッファメモリに格納し、そのバッファメモリに格納された検知出力レベルを予め記憶されている基準レベルと順次比較して、前記検知出力レベルが前記基準レベルより低く、かつ、前記検知出力レベルのうち今回検知出力レベルが前回検知出力レベルと等しい回数が所定数以上あるか否かにより、前記媒体センサ及び印字ヘッド移動機構が正常であるか否かを判定する処理と、前記バッファメモリに順次格納された今回検知出力レベル、前回検知出力レベル及び前々回検知出力レベルを比較して、所定の条件を満たすときに前記ホームポジション検知用マーカを検出し、その検出したホームポジション検知用マーカに基づいて前記印字ヘッドのホームポジションを解析して記憶する処理とを含むホーミング動作制御を行ない、(ハ)前記ホーミング動作制御後にプリンタに挿入された媒体を印字位置まで搬送し、続いて、前記印字ヘッドを前記ホームポジションから所定方向に移動するとともに、前記印字ヘッドの所定方向の1ステップ移動するたびに前記媒体センサからの検知出力レベルを取得して記憶するセンサ情報取得処理と、記憶された今回検知出力レベル、前回検知出力レベル及び前々回検知出力レベル順次比較して、所定の条件を満たすときに前記媒体の右端及び左端を検知する処理と、前記印字ヘッドを前記ホームポジションから前記媒体右端検知位置及び媒体左端検知位置まで移動するときのステップ数に基づいて、前記媒体の幅を算出する媒体幅算出処理と、前記媒体右端位置、端位置及び媒体幅を記憶する処理とを含む媒体幅検知制御を行ない、続いて、(ニ)印字コマンドを入力したら、前記記憶された媒体の右端位置、左端位置及び媒体幅に基づいて印字処理制御を行うことを特徴としている。
【0010】
また、本発明方法は、媒体右端を検知する処理の際は、記憶された検知出力レベルをホームポジション側から左方向に調べ、媒体左端を検知する処理の際は、記憶された検知出力レベルをホームポジションと反対側から右方向に調べることを特徴としている。
【0011】
本発明方法は、好ましくは、プリンタの媒体挿入兼排出口に最も近い搬送ローラの付近に、挿入された媒体のスキューを矯正する媒体スキュー矯正機構を設け、ホーミング動作後にプリンタに挿入された媒体のスキューを前記媒体スキュー矯正機構により矯正した後に、印字位置まで搬送することが良い。
【0012】
上記本発明方法を使用するプリンタは、プラテンの長手方向に移動される印字ヘッドにより前記プラテンに支持された媒体の所定領域に印字するプリンタにおいて、印字位置に存在する媒体を検知するための光反射式センサで構成された媒体センサを前記印字ヘッドに設けるとともに、前記プラテン又はその近傍に前記媒体センサにより検知される媒体とほぼ等しい光反射率を有するホームポジション検知用マーカを設け、記憶部には、前記媒体センサの検知出力レベルの大小を判定するための基準レベルを格納する基準レベルレジスタと、印字ヘッドが1ステップ移動するたびに前記媒体センサから順次取得される連続する3個分の検知出力レベル(前々回レベル、前回レベル及び今回レベル)を格納するセンサ情報格納バッファと、後記媒体幅検知により取得される媒体の右端位置、左端位置及び媒体幅の各データを記憶するデータ記憶部とを備え、制御部には、電源投入直後に媒体センサ及び印字ヘッド移動機構が正常か否かを判定するホーミング動作制御手段と、プラテンに挿入された媒体を前記プラテンの所定位置に搬送させる搬送制御手段と、前記印字ヘッドをプラテンの長手方向に移動させるキャリッジモータ制御手段と、前記媒体センサからの検知出力レベルを取得するセンサ情報取得手段と、前記センサ情報格納バッファメモリに格納された各検知出力レベルを用いて、媒体の右端及び左端を検知する位置検知手段と、印字ヘッドが右端検知位置から左端検知位置まで移動するのに要したステップ数から媒体の幅を検知する媒体幅検知手段と、及び左端・右端・幅検知に基づいて入力される印刷データに対して所定印字領域に印字を行なわせる印字制御手段とを備え、前記ホーミング動作制御手段は、電源投入直後に行う初期化動作の際に、前記印字ヘッドを所定方向に1ステップ移動するたびに前記媒体センサから得られる検知出力レベルを連続する3個ずつ、かつ、1ステップ移動するたびに順送りにバッファメモリに格納し、そのバッファメモリに格納された検知出力レベルを予め記憶されている基準レベルと順次比較して、前記検知出力レベルが前記基準レベルより低く、かつ、前記検知出力レベルのうち今回検知出力レベルが前回検知出力レベルと等しい回数が所定数以上であるか否かにより、前記媒体センサ及び印字ヘッド移動機構が正常であるか否かを判定する処理と、前記バッファメモリに順次格納された今回検知出力レベル、前回検知出力レベル及び前々回検知出力レベルを比較して、所定の条件を満たすときに前記ホームポジション検知用マーカを検出し、その検出したホームポジション検知用マーカに基づいて前記印字ヘッドのホームポジションを解析して記憶する処理とを行なうものであり、前記媒体幅検知手段は、前記ホーミング動作制御後にプリンタに挿入された媒体を印字位置まで搬送し、続いて、前記印字ヘッドを前記ホームポジションから所定方向に移動するとともに、前記印字ヘッドの所定方向の1ステップ移動するたびに前記媒体センサからの検知出力レベルを取得して記憶するセンサ情報取得処理と、記憶された今回検知出力レベル、前回検知出力レベル及び前々回検知出力レベルを順次比較して、所定の条件を満たすときに前記媒体の右端及び左端を検知する処理と、前記印字ヘッドを前記ホームポジションから前記媒体右端検知位置及び媒体左端検知位置まで移動するときのステップ数に基づいて、前記媒体の幅を算出する媒体幅算出処理と、前記媒体の右端位置、左端位置及び媒体幅を記憶する処理とを含む媒体幅検知制御を行なうものであることを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明方法を使用するプリンタの実施例について、図面を用いながら説明する。図1ないし図6の図面に基づいて、本発明の効用を助長させる媒体スキュー矯正機構について、先に説明する。
図1はプリンタの要部を示す概略側面図、図2は媒体スキュー矯正機構の一つの構成要素であるピンチローラ押圧力調整手段を示す要部の側面図、図3はスキュー矯正機構のもう一つの構成要素であるスキュー矯正用ストッパ昇降手段を示す要部の側面図、図4は同じくストッパ昇降手段の一部を示す平面図、図5は媒体のスキュー矯正の原理を示す平面図、図6は本発明のプリンタの主要機能を実現する手段の一例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、媒体スキュー矯正機構SCは、後述されるピンチローラpr1の押圧力を調整する手段5と、スキュー矯正用ストッパ70を昇降させる手段7と、図6に示す制御部8に設けられた搬送モータ制御手段81と、スキュー矯正用のカムモータ制御手段82とにより構成されている。
【0015】
図1において、1は媒体セットステージ、2は媒体挿入兼排出口、3は上下の搬送ガイド3a,3bにより構成された搬送路、4は媒体を搬送路3に沿って搬送させる搬送手段である。搬送手段4は、搬送モータM1と、複数対の上下対設されたピンチローラpr1〜pr3及びドライブローラdr1〜dr3からなる搬送ローラR1〜R3とからなっている。媒体挿入兼排出口2から搬送路3に入った直後の位置に媒体有無センサSaが設けてある。
【0016】
また、媒体挿入兼排出口2から最も近い位置に設けてある搬送ローラR1のピンチローラpr1には、これに対設されているドライブローラdr1に対する押圧力を加減する押圧力調整手段5が備えられている。
押圧力調整手段5は、図2に示すように、ピンチローラpr1を支持部材51の縦溝52に昇降自在に支持し、そのピンチローラの軸53の上面に先端を当接させた板バネ54の基端をレバー55の一端に固定してある。そのレバー55は、支56により揺動自在に支持してあり、そのレバーの上端部に設けたコロ57を回転軸6に固着された第1カム58の周面に当接させてある。
回転軸6は、カム駆動モータM2により所定方向に所定角度回転される。第1カム58の凹部58aがコロ57に当接しているときは、レバー55は板バネ54に力を加えないので、ピンチローラpr1はドライブローラdr1に対する押圧力はほぼピンチローラpr1の自重のみに相当する。これに対し、カム駆動モータM2により回転軸6が回転されて第1カム58の凸部58bがコロ57に当接しているときは、レバー55が板バネ54に下向きの力を加えるため、ピンチローラpr1のドライブローラdr1に対する押圧力が大きくなる。
【0017】
図1、図3及び図4に示すように、媒体挿入兼排出口2から最も近い位置に設けてある搬送ローラR1の直後に、搬送面を遮断し又は開放するスキュー矯正用ストッパ70が搬送面に対して昇降自在に設けてある。ストッパ70は前半部71板状に形成され、後半部72がヘ字形に屈曲又は湾曲され、かつピンチローラpr1を逃げるために切欠されて平面形状が櫛歯状に形成されて、搬送面よりも上方に設けられた支軸56回りに揺動自在に支持されている。そして、ストッパ昇降手段7により揺動されて、後半部72の下端部に形成されている媒体停止部72aが搬送路を遮断する位置と開放する位置との間を昇降されるように取付けられている。
ストッパ昇降手段7は次のように構成されている。ストッパ70の前端部の上面は、前記回転軸6に固着された第2カム73の周面に当接されている。第1カム58と第2カム73は、前者の凹面58aがコロ57に当接しているときに、後者の凹面73bがストッパ70に当接するように位置決めされている。
【0018】
そして、第2カム73の凸面73aがストッパ70の前端部71の上面に当接している間は、ストッパ70が支56を中心に時計方向に所定角度まで回転されるため、ストッパ70の媒体停止部72aは搬送面よりも上方に上昇され、搬送路3を遮断しない位置に保持される。
これに対して、図3に示すように、第2カム73の凹面73bがストッパ70の前端部71の上面に当接している間は、ストッパ70が支56を中心に反時計方向に所定角度まで回転されるため、ストッパの媒体停止部72aは搬送面よりも下方に降下され、搬送路3を遮断する位置に保持される。
【0019】
図1、図4及び図5のS1 ,S2 ,S3 …は、ストッパ70による媒体停止位置の直前の搬送方向に直角な直線上に配設された、媒体のスキューが矯正されたか否かを調べるためのスキューチェックセンサである。各スキューチェックセンサS1 ,S2 ,S3 …は、反射型又は透過型の光センサで構成され、ストッパ70に正しい姿勢で停止された時の媒体により隣接する2個以上のスキューチェックセンサがONされるように設置されている。
【0020】
図6に示すように、プリンタの制御装置CONTは、CPUで構成された制御部8と、ROM91及びRAM92を含む記憶部9とを有し、制御部8には、媒体搬送及び媒体スキュー矯正のために、搬送モータ制御手段81、カムモータ制御手段82、スキュー有無判定手段83を有している。ROM91に格納されている各種のシステムプログラムには、媒体搬送及び媒体スキュー矯正のためのプログラムが含まれている。
【0021】
次に、上記媒体スキュー矯正機構の構成及び上記プログラムの実行による媒体スキュー矯正の作用を説明する。図7は、このプリンタに電源が投入されてから、挿入された媒体についての印字処理を終了するまでの全体的動作を示すフローチャートである。図8は図7のステップ3(以下、ステップをPで表す。)の媒体スキュー矯正制御の詳細を示すフローチャートである。
電源投入直後にホーミング動作(P1)が行われる点は従来と同様であるが、このホーミング動作に本発明の特徴の一つがあるので、これについては後述する。そして、ホーミング動作が正常に行われた後に、媒体セットステージ1にセットされた媒体を媒体挿入兼排出口2に手で挿入した時、媒体有無センサSaが媒体ありを検知(P2において肯定(Y))すると、その検知信号に基づいて、制御部8の搬送モータ制御手段81が搬送モータM1を回転させ、また、制御部8のカムモータ制御手段82がカム駆動モータM2を所定ステップ回転させる(P31)。これにより、回転軸6が所定角度回転されて、第1カム58の凹面58a及び第2カム73の凹面73bがそれぞれコロ57及びストッパ70に当接した状態となり、その媒体をさらに奥に差し込むと、その媒体の先端が最初の搬送ローラpr1,dr1から搬送力を与えられるため、媒体は挿入された位置でその姿勢を保持したまま搬送され、その媒体の先端がストッパ70に突き当たる。突き当たった時の媒体の姿勢は、その媒体にスキューがあるか否かにより異なる。
【0022】
媒体にスキューがない場合には、その媒体の先端が全幅に渡って同時にストッパ70に当接する姿勢となる、しかし、図5に示すように、媒体PMにスキューがある場合{図5のPM(a)}には、その媒体の先端の左又は右の一部が先にストッパ70に突き当たる{図5のPM(b)}。今は、ピンチローラpr1のドライブローラdr1に対する押圧力が軽減されているため、媒体のストッパ70に突き当たっている側のドライブローラはその媒体に対してスリップし、媒体のまだストッパ70に突き当たっていない側は、これに接触しているドライブローラdr1により前進されるため、その媒体PMのスキューが矯正される{図5のPM(c)}。
【0023】
上記のように、媒体有無センサSaからの検知信号に基づき、制御部8により搬送モータM1及びカム駆動モータM2が始動され、それぞれ所定ステップ回転駆動されて、挿入された媒体が吸引されると同時に、ストッパ70が下降された後、制御部8のスキュー有無判定手段83は、スキューチェックセンサS1 ,S2 ,S3 …の検知信号を取り込み、隣接する2個以上のスキューチェックセンサからの検知信号がONになったか否かを調べる(P32)。肯定(Y)の場合は、さらに固定量、例えば、4mm(搬送モータ30ステップ駆動に相当)吸入させる(P33)。
【0024】
この追加搬送は、媒体の先端がスキューチェックセンサを動作させる位置まで進んでいないにも関わらず、例えば、媒体の付着物その他の原因で隣接する2個のスキューチェックセンサがON(暗)になることもあり得るので、それによる悪影響を防止するため、確実に媒体の先端により隣接する2個のスキューチェックセンサがON(暗)になったことを確認する目的で行う。
その追加搬送後は、再びカム駆動モータM2が所定角度回転駆動されて、ストッパ70を再び退避位置まで上昇して保持されると同時に、ピンチローラpr1の押圧力を復元させる(つまり、ピンチローラpr1を閉じる。)(P34)。そして、媒体スキュー矯正のための制御を終了する。
このようにして挿入された媒体がスキューを矯正された状態で、プリンタの制御部の印字制御手段810 は、ホストコンピュータHCからの印字要求信号の入力を待機する(P4)。
【0025】
P32において否定(N)の場合、すなわち、隣接する2個のスキューチェックセンサがON(暗)にならない場合は、リトライカウンタを+1して、その時のリトライ回数が最大値に達したか否かを判定し(P36)、最大値に達していない時は、制御部8の搬送モータ制御手段831 は搬送モータM1を所定ステップ逆転させ、カムモータ制御手段82がストッパ70を上昇させ、かつ、ピンチローラpr1を閉じて媒体を若干戻し(P38)、再び搬送モータM1の所定ステップ回転制御(P31)及びスキュー矯正の有無判定処理(P32)を、P32において肯定となるまで所定回数繰り返して行うリトライを行うようにしてある。所定回数のリトライの後もなおスキューが矯正されずリトライ回数が最大値に達した(P36でY)場合は、媒体又はスキューチェックセンサに異常があるものとして、エラー表示及びその媒体を挿入兼排出口2に返却するエラー処理(P37)をして、処理を終了する。
【0026】
上記スキュー矯正制御は、処理モードが通帳モードの場合、すなわち、媒体が通帳など腰の強さが大きい場合のものであるが、処理モードが単票モードの場合、すなわち、腰の強さが小さい媒体の場合は、上記追加搬送の後に、ピンチローラpr1を閉じた時に、媒体の前端部が撓んだ状態で保持される場合があり得る。このような状態のまま、スキュー矯正動作終了後の図7のP5においてホストコンピュータHCからの印字要求に応じて、その媒体を印字位置方向へ搬送すると、スキューが発生したり、ジャムが発生したりする恐れがある。これを防止するため、プリンタ使用開始時に単票モードが設定されている場合は、上記追加搬送 (P33)の後に、ピンチローラpr1の押圧力を寸時減衰させて(ピンチローラpr1を開けて)、その媒体の前端部の撓みを消滅させるようにし、その後に、ストッパ70を開放し、ピンチローラpr1を閉じて(P34)、ホストコンピュータからの印字要求信号の入力を待機する(P4)ように構成されている。
【0027】
上記印字要求信号を入力する(P4でY)と、印字制御手段810 は搬送モータ制御手段31に搬送モータM1を回転駆動させ、搬送手段4によりその媒体を印字位置方向に搬送する(P5)。
【0028】
搬送ローラR1と印字ヘッドHの間に設けてある先端センサSbが媒体の先端を検知して出力する(P6でY)と、搬送モータ制御手段31はステップカウンタ(不図示)をリセットし、かつ、そのカウント値がその検知信号入力時点から媒体が所定印字行に到達するに必要なステップ数と合致した時(P7でY)に、搬送モータM1の回転を停止する(P8)。すなわち、媒体が所定の印字位置に到達した時に搬送を停止させるようになっている。
【0029】
本発明においては、図7にP1で示し、また、上述したように、プリンタに電源が投入された直後に、本発明の一つの要点である、印字ヘッドHをホームポジション(以下、HPという。)に位置させるためのホーミング動作(初期化動作)が行われ、その後に、媒体有無センサSaが媒体を検知した場合(P2でY)に、上記媒体スキュー矯正動作(P3)が行われ、そして、その後に所定印字位置まで搬送された媒体に対して印字処理(P11)を行う前に、本発明のもう一つの要点である媒体の位置検知及び幅検知(P9)が行われるようになっている。
【0030】
そこで、次に、図7のP1のホーミング動作、P9の媒体の位置検知及び幅検知について、順次説明する。
図9は印字ヘッドHに設けられた媒体センサScとHPMの位置関係を示す要部の平面図であり、3c、3dは媒体PMを搬送する搬送路3を形成する左搬送ガイド及び右搬送ガイドである。図10は媒体センサScによるHPMを検知する場合のセンサレベルの変化状態を示す説明図である。
図11は上記ホーミング動作(P1)のメインフローチャート、図12は図11のメインフローチャート中の左方向移動処理(P103 )の詳細を示すサブフローチャート、図13は図11のメインフローチャート中の右方向移動処理(P105 )の主たる動作の流れを概括的に示す要約フローチャート、図14は図11のメインフローチャート中の右方向移動処理(P105 )の詳細の一部(1/4)を示すサブフローチャート、図15は同じく右方向移動処理の一部(2/4)を示すサブフローチャート、図16は同じく右方向移動処理の一部(3/4)を示すサブフローチャート、図17は同じく右方向移動処理の一部(4/4)を示すサブフローチャートである。
図18はHPMの右端エッジ検出の原理説明図、図19はピーク値検出の原理説明図、図20はピーク中間値を算出する原理説明図である。
【0031】
印字ヘッドHは、図1に示すように、一対のガイド軸10により媒体搬送方向に直交する方向に移動自在に支持されキャリッジ11に固定され、キャリッジ11は、図示されていないタイミングベルトを介してキャリッジモータM3により移動されるように構成されている。媒体センサScは、反射式光センサで構成され、媒体搬送面に向けて印字ヘッドHに取付けられている。そして、媒体センサScは、印字ヘッドの移動の際にプラテンの光反射率と媒体の光反射率の違いで、媒体の存否を検出する性能を有している。前記HPMは、従って、媒体とほぼ等しい光反射率を有するシートなどで構成され、キャリッジモータM3の加速範囲において、プラテンの上面又はその付近に貼られている。
【0032】
ROM91に格納されているシステムプログラムの中に、プリンタの電源投入直後に、制御部8が最初に読出して実行するホーミング動作を制御するプログラムがある。
このホーミング動作を行うためのハード構成として、図27に例示するように、記憶部9のRAM92には不揮発メモリで構成されている基準レベルレジスタ921 が備えてあり、この基準レベルレジスタ921 に、媒体センサScが出力する電圧レベル、すなわち、検知出力レベル(センサレベル)の高さを判断するための基準レベルSLが記憶されている。この基準レベルLは、プリンタをテストモードにした時に、任意の値に変更することができる。また、RAM92には、コンパレータ値レジスタ922 が備えられ、これに後述されるように、前記基準レベルの値によるセンサレベルの判定を安定性をもって実行できるようにするためのコンパレータ値(のノーマル値)が格納されている。
【0033】
[ホーミング動作制御]
ホーミング動作制御プログラムの実行が開始されると、図11に示されるメインフローに従って動作が進められ、最初に、リトライカウンタのセットを行う(P101 )。すなわち、後述されるセンサレベル検出の際に、ノイズやゴミや媒体センサの不良のために検出できなかったときに、リトライ動作をするようになっているが、そのリトライ動作回数の最大値を設定する。
【0034】
次に、コンパレータ値のセットを行う(P102 )。コンパレータ値とは、媒体センサScから得られる検知出力からノイズ、その他の不要なレベル変化を除去するための、通常は電子回路により果たされるコンパレータ機能を、本発明ではソフトウェアで処理する場合の除去定数である。すなわち、媒体センサScは移動しながら検出するので、その出力波形には大小様々な波形(外乱)が含まれるため、センサレベルのどこがMAXレベルで、どこがMINレベルかの判定が困難である。この問題を解消するため、キャリッジモータM3に駆動パルスが1ステップ与えられる度に、すなわち、印字ヘッドHが1ステップ移動するたびに、媒体センサから得られるセンサレベルに対して定数の除算及び乗算を行い、端数を捨てることにより、前記外乱を排除する処理を行うようにしている。このコンパレータの機能をソフトウェアで実現するため、ハード構成を用いる場合のようなコストが掛からないというメリットがある。この実施例では、コンパレータ値が、ノーマル値として0.1とセットされている。
【0035】
[左方向移動処理]
コンパレータ値セットに続き、キャリッジモータM3に駆動パルスが1ステップ与えられる度に、割り込み処理として、左方向移動処理(P103 )が行われる。左方向移動処理の基本的な目的は、印字ヘッドのHPを検出する処理を行う前に、媒体センサ及び印字ヘッド移動機構が正常に動作するか否か、あるいはHPMに汚れがあるか否かをチェックすることにある。
【0036】
この左方向移動処理を実行するために、図27に示すように、RAM92に第1センサ情報格納バッファメモリ923 が設けられ、そのセンサ情報格納バッファメモリに、時間的に連続する3個のセンサレベルを順次格納するエリア、すなわち、前々回センサレベルを格納する第1エリア923a,前回センサレベルを格納する第2エリア923b,及び今回センサレベルを格納する第3エリア923cが設けてある。図27はRAM92の記憶内容及び記憶階層構造を示す。
【0037】
左方向移動処理(P103 )を開始すると、図12に示すように、第1エリア923aに前々回センサレベル(以下、前々回レベルという。)を取り込む前々回センサ情報取得処理(P201 )と、第2エリア923bに前回センサレベル(以下、前回レベルという。)を取り込む前回センサ情報取得処理(P202 )と、第3エリア923cに今回センサレベル(以下、今回レベルという。)を取り込む今回センサ情報取得処理(P203 )とを行う。
そして、印字ヘッドが1ステップ移動される度に、前々回センサ情報取得処理(P201 )においては、第2エリア923bに保存されていた前回センサレベルが第1エリア923aに移動されて前々回レベル(FFL)とされ、前回センサ情報取得処理(P202 )においては、第3エリア923cに保存されていた今回レベルが第2エリア923bに移動されて前回レベル(FL)とされ、今回センサ情報取得処理(P203 )においては、媒体センサScからの最新の出力が第3エリア923cに取り込まれて今回レベル(PL)とされるようになっている。
【0038】
前記コンパレータ機能は、今回センサ情報取得処理(P203 )において稼働され、媒体センサScから入力した電圧値をコンパレート値で除算及び乗算を行って、センサレベルからノイズなどを除去して、処理しやすい値に変更して今回レベル(PL)として取り込むように構成してある。
【0039】
このように連続する3個のセンサレベルを取得保存し、かつ、1ステップ毎に順次入れ替え、3個のセンサレベルを基準レベル(SL)と大小比較することにより、媒体センサScから得られる電圧レベルの変化状態がどの様な波形を描くものであるかを認識することができる。本明細書では、基準レベルSLよりも大きいセンサレベルを便宜的にMAXレベルと言い、基準レベルSLよりも小さいセンサレベルを便宜的にMINレベルと言うことにする。
【0040】
図12のP204 からP208 までの処理は、媒体センサScが図10の丸1,丸2,丸3のどこを起点として左方向に移動を開始した場合にも、媒体センサSc及び印字ヘッド移動機構(すなわち、キャリッジモータM3,タイミングベルトなど)が正常か否か、HPMが汚れているか否かを判断するためのものである。
まず、P204 においては、印字ヘッドの移動起点からのステップ数が、移動限界を定める所定ステップ数を越えているか否かを判断する。すなわち、制御部8にキャリッジモータM3に1ステップ与える度に計数するステップカウンタC1が設けてあり、上記センサ情報取得処理を行う度にそのステップカウンタの値(トータルステップ数)が移動限界をオーバーしているか否かを判断し、トータルステップオーバーとなった時は、媒体センサ又は印字ヘッド移動機構が正常でない、あるいはHPMに汚れがあると判断して、後に表示部(不図示)にエラー表示をさせるために、エラーフラグビットを立てるなどのエラーセット(P210 )をするようになっている。
【0041】
P204 において正常と判断された場合は、第1センサ情報バッファメモリ923の第3エリア923cに保存されている今回レベルを基準レベルと比較し(P205 )、今回レベルが基準レベルよりも大きいと判定した時は、図11のメイン動作フローに戻り、次の媒体センサの1ステップ移動の度に、上記センサ情報取得処理(P201 〜P203 )及び判断処理(P204 〜P208 )を反復して行う。P205 において、今回レベルが基準レベルと等しいか、基準レベルよりも小さいと判定した時は、その今回レベルが前回レベルと等しいか否かを判断する(P206 )。等しくないと判定した場合は、図11のメイン動作フローに戻り、次の1ステップ印加時にまたP201 から再開する。P206 において今回レベルが前回レベルと等しいと判定した場合は、図6の制御部8に設けてあるMINレベル検出中カウンタC2をカウントアップ(+1)する(P207 )。
【0042】
そして、そのMINレベル検出中カウンタC2の値が50になったか否か、すなわち、媒体センサの出力レベル(センサレベル)がMINレベルである状態が、媒体センサが50ステップ移動する間継続したか否かを調べる(P208 )。MINレベルカウント値が50未満の場合は、図11のメイン動作フローに戻り、次の1ステップ印加時にまたP201 から割り込み処理を再開する。P208 において、MINレベルカウント値が50に達した場合は、正常と判断してキャリッジモータM3の回転を停止し(P209 )、印字ヘッドH、従って、媒体センサScを停止して、割り込み処理であるこの左方向移動処理を終了する。
すなわち、上記のように、印字ヘッドHがHPである停止位置STLから左方向に移動する場合の媒体センサScのセンサレベルの変化状態を示すと、図10に示すようになるが、媒体センサScの左方向移動の開始位置(起点)が図10の丸1,丸2,丸3のどこであっても、そのセンサレベルがMINレベルである状態が50ステップ以上継続した場合は、媒体センサ及び印字ヘッド移動機構が正常であると判断するようになっている。
【0043】
さらに詳述すると、媒体センサScの起点が図10の丸1、すなわち、HPMよりも左側に存在する場合は、媒体センサが左方向に移動しても今回レベルが常に基準レベルよりも小さく、また、前回レベルと等しいという判定パターンが形成され、MINレベルカウント値が50に達した時に、キャリッジモータM3が停止される。
また、媒体センサの起点が図10の丸2、すなわち、HPMの上方に存在する場合は、媒体センサの左方向移動とともに、今回レベルが基準レベルよりも大きい状態が所定ステップまで継続した後、HPMよりも左側に移動した時点からは今回レベルが基準レベルSLよりも小さく、その後は、今回レベルが前回レベルと等しいという判定パターンが形成され、また、MINレベルカウント値が50に達した時に、キャリッジモータM3が停止される。
さらに、媒体センサの起点が図10の丸3、すなわち、HPMよりも右側に存在する場合は、媒体センサの左方向移動とともに、今回レベルが基準レベルSLよりも大きい状態がHPMの左端に達する所定ステップまで継続した後、HPMよりも左側に移動した時点からは今回レベルが基準レベルよりも小さく、かつ、その後は、今回レベルが前回レベルと等しいという判定パターンが形成され、いずれの場合も、正常と判断される。
しかし、例えば、HPM以外の場所の搬送路に紙片などが存在するなどして、今回レベルが基準レベルよりも大きい状態が続いたり、今回レベルが基準レベルよりも小又は等しくなっても、今回レベルが前回レベルと等しい状態が50ステップ以上継続することなく、一例として、ステップカウンタC1の値が200ステップに達するまで今回レベルが前回レベルと等しい状態にならない場合は、図12のP204 においてトータルステップオーバーとなって、左方向移動処理の結果が正常とは判断されず、エラーセット(P210 )がされる。
【0044】
200ステップ以上をトータルステップオーバーの判断基準にした理由は、今回レベルが基準レベルと等しい又は基準レベルよりも小さい状態となる媒体センサの移動範囲は、HPから左方向に200ステップ移動した位置の中に含まれることに基づく。
【0045】
[右方向移動処理]
左方向移動処理の結果が正常と判断された時は、図11のホーミング動作制御のメインフローにおける右方向移動処理(P105 )が実行される。右方向移動処理は、印字ヘッドの右方向1ステップの移動ごとに、図13及び図14〜図17に示すフローチャートに従って実行される。この右方向移動処理は、概括的には、図13に示すように、媒体センサScがHPMの上方を移動する際に出力するセンサレベルの変化状態からHPMの左端を検出する処理(P30A)と、同センサレベルの変化状態の中からピーク値を検出する処理(P30B)と、検出したピーク値に基づいてHP停止位置を解析する処理(P30C)とからなっている。換言すると、右方向移動処理は、最終的には印字ヘッドのHPを決定するためのものであるが、先の左方向移動処理を終了した時の停止位置から印字ヘッドのストロークの右端方向に移動しながら、媒体センサScから得られる出力レベルを解析することにより、HPMの幅を検知し、かつ、そのHPMから所定の距離に予め定めてある停止位置、すなわち実際のHPを決定する処理を行う。
【0046】
右方向移動処理を行うため、図27に示すように、記憶部9のRAM92には、センサレベルを検出する順序を定める3つのフラグメモリ(924a〜924c)を有している。第1フラグメモリ924aには、MAXレベル検出を行うためのフラグが、第2フラグメモリ924bには、MAXレベル検出を終了した後にピークレベル検出を行うためのフラグが、第3フラグメモリ924cには、ピークレベル検出を終了した後にMINレベル検出を行うためのフラグが、それぞれ所定条件のもとで、すなわち、MAXレベルを検出した後、ピークレベルを検出した後に、順次交替でセットされるようにしてある。
【0047】
右方向移動処理が開始されると、HPパターン左端エッジ検出処理P30Aが実行され、第1フラグメモリ924aにフラグがセットされているか否か、すなわち、図14に示すように、現在はMAXレベル検出中であるかを調べ(P301 )、MAXレベル検出中である場合は、P302 〜P312 が行われる。P302 〜P305 において、上記第1センサ情報バッファメモリ923 の3個のエリア923a〜923cのセンサレベルを用いて、今回レベルを前回レベル及び前々回レベルとを所定条件のもとで比較して、今回レベルが上記コンパレータ値より差が大きい時に、その今回レベルをMAX値として、MAX値格納バッファ926aに保存する。その後の今回レベルがさらに前回レベルよりも同様に大きい場合は、MAX値格納バッファのMAXレベルを更新する。こうして、MAX値格納バッファ926aには最大のMAX値が保存されることになる。
図18のHPパターンの右上がりの波形においては、上記のMAXレベル検出により、丸1の最大のMAX値、すなわち、HPの左端が検出される。
【0048】
そして、MAX値検出中に今回レベルが前回レベル及び前々回レベルと一致した時は、その値がピーク値であると判定して、次のピーク検出を実行させるために、第2フラグメモリ924bにピーク値検出中フラグをセットし(P306 )、かつ、制御部8に備えてあるピークカウンタC3を歩進(+1)させる(P307 )。
上記3個のセンサ情報の比較の結果がMAXレベル検出のための条件を満たさない場合は、いずれもHP未検出エラーがセットされる(P310 ,P311 ,P312 )。
【0049】
[ピーク検出]
P306 においてピーク値検出中フラグセットがされた後の媒体センサScの1ステップ右方向移動の際は、P301 においてMAXレベル検出以外と判定されてP313 に進み、同ステップにおいてピークレベル検出中と判定されて、P314 〜P317 において今回レベルが前回レベル及び前々回レベルと比較される。そして、P315 及びP321 において、今回レベルが前回レベルと等しいと判定された場合は、P322 において前記ピークカウンタC3の値が、媒体センサがHPMの右端から左端までを検出する間に移動されるに必要なステップ数として予め設定されている基準値(HPM幅7mmに対応するステップ数)と等しい、もしくはピークカウンタの値が基準値よりも小さいか、又はピークカウント値が基準値よりも大きいかを判定する。
【0050】
前者と判定した場合は、ピークカウンタC3を歩進させる。媒体センサScがHPMの上方を移動している場合は、MAXレベルがHPMの幅である7mmに対応するステップ数だけ印字ヘッドが移動される間、ピークカウンタC3が更新(+1)されるはずである。実際は、センサレベルがMAXレベルを維持するステップ数は7mmに対応するステップ数よりも若干減少する。
後者と判定した場合、すなわち、P322 においてピークカウント値が基準値よりも大きいと判定された場合は、例えば、媒体の破片その他の異物がプラテン上に挟まれているものと判断して、HPパターン不一致エラーを異常判定バッファ927 にセットし、この右方向移動処理の割り込み処理を終了する。
【0051】
ピークレベル検出中フラグがセット(P306 )された後にP314 において今回レベルが前回レベルよりも小さいと判定されたり、P315 において今回レベルが前回レベルと等しいと判定された後にP321 において今回レベルが前回レベルよりも小さいと判定されたり、P315 において今回レベルが前回レベルよりも小さくなった後、P316 において前回レベルが前々回レベルよりも大きいと判定されたりすることは、実際には有り得ないことであるので、これらの場合は、エラーセット(P320 ,P324 ,P329 )をした後に、この右方向移動処理の割り込み処理を終了するようにしてある。
【0052】
P317 において、前回レベルが前々回レベルよりも小さいか、又は前々回レベルと等しいと判定された場合は、前者の場合は、今回レベルはMINレベルになったものと判断して、第3フラグメモリ924cにMINレベル検出中フラグをセットし(P318 )、かつ、続いて、MINレベル検出中カウンタC2に+1して(P319 )、図11のメインフローに戻る。また、後者の場合、すなわち、前回レベルが前々回レベルと等しいと判定した場合は、MINレベル検出中カウンタC2に+1して(P319')、図11のメインフローに戻る。
さらに、P326 において前回レベルが前々回レベルと等しいか、又は前々回レベルよりも小さい時は、前記ピークカウント値をHPM幅と比較して(P327 )、ピークカウント値がHPM幅よりも大きい場合には、HPパターン不一致エラーをセット(P340 )してこの右方向移動処理の割り込み処理を終了する。これに対して、前記ピークカウント値がHPM幅と等しいか、又はHPM幅よりも小さい場合には、ピーク検出中カウンタを+1して(P328 )、図11のメインフローに戻る。
【0053】
326 において前回レベルが前々回レベルよりも小さいと判定された後に、P328 においてピーク値検出中カウンタを更新(+1)する意味は、媒体センサがHPMの右端を検出した後も、印字ヘッドが5ステップは右方向に移動可能であるので、その右限界まで移動させるためである。
【0054】
上述のように、ピーク値検出処理(P30B)においては、図19に示すように、今回レベルが前回と前々回のセンサレベルと一致した時に、ピーク状態が継続するステップ数をカウントする。そして、ピーク値検出中に今回レベルを前回、前々回のセンサレベルと比較し、今回レベルが小さい時に、HPMの右端を検出したものと判定する。また、第3フラグメモリ924cにMINレベル検出中フラグをセットして、次のHP停止位置解析処理(P30C)に遷移する。
【0055】
MINレベル検出中フラグがセットされた後は、P341 において、MINレベル検出中カウンタのカウント値が5に達したか否かを調べ、5よりも少ない場合は、今回レベルを前回レベルと比較し(P345 )、前回レベルと等しいか、前回レベルよりも大きい場合は、正常でないので、エラーセットをして(P347 )、この右方向移動処理の割り込み処理を終了するようにしてある。しかし、P345 において今回レベルが前回レベルよりも小さい場合は、MINレベル検出中カウンタC2を更新して(P346 )、次の1ステップ時の割り込み処理を待つ。
これに対して、P341 において、MINレベル検出中カウンタC2のカウント値が5以上に達した場合は、ピークレベルを検出した距離の中間値(ピーク中間値)を次の式を演算して求める(P342 )。
PKc={TSC−(PC/2)−MINC}
但し、PKcはピーク中間値、TSCはトータルステップカウント値、PCはピークカウント値、MINCはMINレベル検出中カウンタのカウント値、つまり、5である。
要するに、図20に示すように、ピーク中間値PKcは、媒体センサScの現在停止位置であるMAXレベルを検出した右端Paから5ステップ右方向に移動した点Pbから斜線分のステップ数を左方向に戻った位置に相当する。
【0056】
ピーク中間値PKcが求められたならば、次に、印字ヘッドを現在位置からHP停止位置まで移動するに必要なステップ数が算出される(P343 )。この場合、HP(停止位置)はHPMの右端から右方向に8ステップ移動した位置とされている。また、P342 において求められたピーク中間値は、HPMの中間点と一致するものとして処理している。こうして、P343 においてはHPが次の数式、
HP(ステップ)=PKc+3.5mm/0.2+8
すなわち、ピーク中間値(PKcステップ数)に、HPMの半分の距離である3.5mmに対応するステップ数及び8ステップを加算する数式を演算することにより得られる。
【0057】
そして、最後のP344 おいて、前記演算結果に基づいてキャリッジモータM3を所定ステップ駆動制御して、印字ヘッドHをHPまで移動して右方向移動処理を終了し、図11のメインフローに戻る。
【0058】
図11のP106 において、上記右方向移動処理の上記P311 ,312 ,320 ,324 ,323 ,329 ,340 ,347 の各ステップにおいてエラーセットがされたか否かが調べられ、エラーセットがされなかった場合、すなわち、正常に印字ヘッドがHP停止位置まで移動された場合は、このホーミング動作制御を終了し、図7の全体のフローチャートの媒体挿入待機のP2に移行する。
これに対し、エラーセットがされた場合は、続いて、図11の先の左方向移動処理の際の左方向移動ステップカウント値と今回の右方向移動処理の際の右方向移動ステップカウント値とを比較し、合致するか否かにより、キャリッジモータM3に脱調エラーが発生したか、正常だったかを判定する(P107 )。脱調エラーが発生した場合は、表示部にエラー表示をして(P114 )、このホーミング制御の動作を終了する。
【0059】
P107 における脱調エラー有無の判定において、正常と判定した場合は、リトライカウンタC4(ダウンカウンタ)の値が0になったか否かを調べる(P108 )。0になった場合、すなわち、リトライカウンタにセットされた最大回数のリトライを終了した場合は、プリンタの表示部にエラー表示をして(P114 )、このホーミング制御の動作を終了する。
リトライカウンタの値が0になっていない場合は、リトライを継続するため、コンパレータ値のノーマル値0.1Vに1回リトライする度に加算されるべき電圧値である0.05Vを加算する(P109 )。そして、引き続き、上に説明した左方向移動処理(P110 )と右方向移動処理(P111 )を繰り返し、再び、P112 においてエラーか正常かを判定し、エラーの場合は、さらにリトライカウンタを更新(−1)して、P108 に戻って、再度リトライカウンタの値が0になったか否かを調べる。
リトライが繰り返される度にコンパレート値が0.05Vずつ加算されて、センサ情報取得時の平準率を高めて、左方向移動処理におけるセンサレベルと基準レベルとの比較判定、並びに右方向移動処理における今回、前回、前々回レベルの比較判定を容易にし、上記HPM右端検出、ピーク値検出及びHP停止位置解析のエラー発生率を軽減している。
【0060】
[幅検知制御]
プリンタへの電源投入直後に行われる上記ホーミング動作制御により、媒体センサ及び印字ヘッド移動機構が正常であることが確認され、かつ、HP停止位置の解析が終了した後は、上述のように、挿入される媒体はスキューを自動的に矯正され、最初の搬送ローラR1に挟持された状態で、ホストコンピュータからの印字要求信号の入力を待機している(図7のP4)。そして、印字要求を入力すると、搬送モータ制御手段81が搬送モータM1を回転駆動して、その媒体を印字位置に向けて搬送する(P5)。先端センサSbがその媒体の先端を検知した(P6においてY)時点からその媒体の印字行が印字位置まで搬送された時に(P7においてY)、搬送モータM1の回転を停止し(P8)、続いて、制御部8は、ROM91から本発明の二つ目の要部である媒体幅検知制御のためのプログラムを呼び出してその実行を開始する。
【0061】
[幅検知制御]
媒体幅検知制御を行うため、RAM92には、図27に示すように、印字ヘッドHがその最大ストロークである276mm左方向に移動する際に媒体センサScが出力する全てのセンサレベルを格納する第2センサ情報格納バッファ925 を有している。図24はそのセンサ情報格納バッファを概念的に示すものであり、印字ヘッドの左方向移動に伴って、1ステップずつのセンサレベルを格納する記憶番地を備えている。また、RAM92には、各ステップのセンサレベルを順次比較する場合の結果であるMAXレベル及びMINレベルを保存するためのMAX値格納バッファ926a及びMIN値格納バッファ926bを有している。さらに、上述したように、媒体センサの出力レベルが高い側のレベルか低い側のレベルかを判断する基準レベル(SL)を格納している基準レベルレジスタ921 を有している。
【0062】
図21は媒体幅検知制御を行うメインフローを示すフローチャート、図22は図21のフローの中の幅検知割り込み処理の詳細を示すフローチャート、図2は図21のフローの中の媒体幅測定結果解析処理の詳細を示すフローチャート、図25は今回レベルと前回レベルに基づいて求められるセンターの概念についての説明図、図26は媒体幅検知の原理を説明する概念図である。
【0063】
媒体幅検知制御が開始されると、まず、印字ヘッドの現在位置がHPにあるか否かを調べる(P401 )。HPにある場合は、P403 にジャンプする。印字ヘッドの現在位置がHPにない場合は、上述したホーミング動作制御により、キャリッジモータM3を駆動して、印字ヘッドを先の解析により認識したHP(停止位置)まで移動させ(P402 )、その後にP403 に移行する。P403 ではMAX値格納バッファ926aに基準レベルをすべてのMAXレベルの最大値(MAX値)としてセットし、続いて、P404 でMIN値格納バッファ926bに基準レベルをすべてのMINレベルの最小値(MIN値)としてセットする。P403 とP404 は一つのステップの中で行っても良い。
【0064】
次に、印字ヘッドの左方向移動条件として、276mmを設定する(P405 )。このプリンタの印字可能な最大幅(印字ヘッドの等速移動ストローク)は一例として250mmであるが、両側の印字ヘッド加速範囲を含めて、276mmと設定してある。そして、本発明においては、図9に示すように、加速移動領域にHPMが設けてある。
【0065】
印字ヘッドの左方向移動条件の設定を終了した後は、幅検知割り込み処理(P406 )が開始される。幅検知割り込み処理は、印字ヘッドの1ステップ移動の度に行われる。まず、キャリッジモータM3に1ステップが印加される度にカウントアップされるステップカウンタC1が設けてあり、そのカウンタの現在値が276mmに対応する限度ステップ数と比較される(P412 )。ステップカウンタの現在値が限度ステップ数よりも小さい間は、媒体センサの出力(センサレベル)が第2センサ情報格納バッファ925 に取得される(P413 )。
【0066】
次に、現在のセンサレベルがMAX値と比較され(P414 )、現在のセンサレベルよりもMAX値が大きい場合は、その値がMAX値格納バッファ926aに上書きされて、新しいMAX値とされる(P415 )。
また、現在のセンサレベルがMAX値と等しいか、MAX値よりも小さい場合は、現在のセンサレベルがMIN値と比較され(P416 )、現在のセンサレベルがMIN値よりも小さい場合は、その値がMIN値格納バッファ926bに上書きされて、新しいMIN値とされる(P417 )。これに対し、現在のセンサレベルがMIN値と等しいか、MIN値よりも大きい場合は、1ステップ分の幅検知割り込み処理を終了して図21のメインフローに戻る。
【0067】
P412 において、ステップカウント値が限度ステップ数と等しいか、限度ステップ数よりも大きくなった場合は、キャリッジモータM3の回転を停止し、従って、印字ヘッドを停止する(P418 )
【0068】
このように、幅検知割り込み処理においては、印字ヘッドが1ステップ移動されるごとにステップカウント値が限度ステップ数に達するまで、すなわち、印字ヘッドが左搬送ガイドを越える位置に移動するまで、センサ情報取得が行われ、かつ、1ステップ移動される度にMAX値格納バッファ926a及びMIN値格納バッファ926bのMAX値及びMIN値が更新される。
なお、P413 におけるセンサ情報取得の際にも、上記コンパレータ機能が稼働され、ノイズ等が除去された形で取得される。
【0069】
[媒体位置解析]
上記幅検知割り込み処理(P406 )を終了し、その結果が正常である場合(P407 )は、次の媒体位置解析処理(P408 ) を行う。この媒体位置解析処理は、第2センサ情報格納バッファ925 に取込まれたセンサ情報(センサレベル)を解析して、印字位置まで吸引された媒体の右端位置と左端位置を検出するためのものである。
【0070】
図2は、その媒体位置解析の動作内容を示すフローチャートである。この処理においては、最初に媒体のエッジ(端部)の判別の基準とすべき基準レベルを次の式を演算することにより算出する。
基準レベル=MAX値−(MAX値−MIN値)/2
すなわち、MAX値とMIN値の差の50%をMAX値から減じた値を基準レベルとして、基準レベルレジスタ921 に格納する。
【0071】
[媒体右端検出]
図24のP420 〜P429 において媒体の右端検出を行い、同図のP426 〜P433 において媒体の左端検出を行う。引き続き、詳細に説明する。
右端検出においては、第2センサ情報格納バッファ925 に取込まれたセンサ情報を1ステップからステップ数が増える方向(図24のD方向)の順序でチェックする。これは図26の印字ヘッドHが右側の停止位置HPから左方向に移動する時の媒体センサのセンサレベルをチェックすることに相当する。すなわち、図24の第2センサ情報格納バッファ925 の1ステップ側がHP側に対応し、nステップ側が左搬送ガイド3c側に対応している。そして、P420 ,P421 ,P422 において、チェック対象であるセンサレベル(i+n)を基準レベルと比較し、センサレベルが基準レベルよりも大きい値となるまで、チェックを続ける。センサレベルが基準レベルと等しいか、それよりも大きくなった時は、次に前回レベルと今回レベルに基づいて、次の式を演算してセンターCLを求める(P423 )
センター=今回レベル−(今回レベル−前回レベル)/2
すなわち、今回レベルと前回レベルの差の50%を今回レベルから減じた値をセンターとしている。
【0072】
センターの概念について図25を参照して説明する。FLは前回のステップにおけるセンサレベル、すなわち、前回レベルであり、PLは現在のステップにおけるセンサレベル、すなわち、今回レベルである。前後2つのステップの媒体に対する距離的間隔は1/120インチ(0.2mm)である。今、仮に前回レベルFLは基準レベルSLよりも小さく、今回レベルPLは基準レベルSLよりも大きいとすると、常に今回レベルが基準レベルよりも高くなった時に、その時のステップを媒体右端検知位置として判断すると、基準レベルSLは固定であるのに対し、今回レベルPLは不定であるため、基準レベルSLと今回レベルPLとの間には最大0.4mmの誤差が生じることとなる。常に今回レベルが基準レベルよりも高くなった時に、その前のステップを媒体右端検知位置として採用する場合も同様である。このような誤差の影響を軽減するため、チェック対象のセンサレベルが準レベルSLを越えた場合に、当該センサレベルとその前回のレベルとのほぼ50%の値をセンター(CL)とし、そのセンターが基準レベルSLよりも大きいか、等又は小さいかを判定して(P424 )、その結果に応じて、媒体右端検知位置の調整を行うようにしたものである。
【0073】
すなわち、センターCLが基準レベルSLよりも大きい場合は、次の式を演算して、その演算結果であるステップ数をRAMのワーキングデータ格納エリアである媒体右端位置データ記憶部928aに保存する(P425 )。
媒体右端=加速ステップ数+(今回レベルの位置までのステップ数−1)
ここで、加速ステップ数は、印字ヘッドをHPから左方向移動させる場合のキャリッジモータM3の加速範囲のステップ数である。印字ヘッド移動時に動作するステップカウンタC1は、通常、キャリッジモータM3が等速回転を開始した時点からカウントを開始するが、センサ情報取得は、印字ヘッドの移動開始当初から行われるので、取得されたセンサ情報と印字ヘッド位置とを合致させるためには、ステップカウント値に加速ステップ数を加算する必要がある訳である。
【0074】
また、センターCLが基準レベルSLと等又はより小の場合は、次の式を演算して、その演算結果であるステップ数を前記媒体右端位置データ記憶部928aに保存する(P426 )。
媒体右端=加速ステップ数+今回レベルの位置までのステップ数
図25の例について説明すると、センターCLは基準レベルSLよりも大きいので、この場合は、今回レベルPLが得られた今回ステップ(k)から前回レベルFLが得られた1ステップ前の前回ステップ(k−1)が媒体右端検知位置とされる。もし、センターCLが図25に例示する基準レベルSLよりも小さい場合は、今回レベルPLが得られた今回ステップ(k)が媒体右端検知位置とされる。
【0075】
[媒体左端検出]
上述のようにして媒体右端検知をしたならば、続いて、P426 〜P433 において媒体左端検出処理が行われる。この場合は、第2センサ情報格納バッファ925 に格納されているセンサ情報を、nステップ側から1ステップ方向(図24のU方向)にチェックを行う。これは印字ヘッドHが図26の左搬送ガイド3c側から右側の停止位置HPの方向に移動する時の媒体センサのセンサレベルをチェックすることに相当する。
まず、P426 〜P428 において、P420 〜P422 の場合と同様に、チェック対象であるセンサレベル(i+n)を基準レベルと比較し、センサレベルが基準レベルよりも大きい値となるまでチェックを続け、センサレベルが基準レベルと等しいか、それよりも大きくなった時は、P430 において、P423 の場合と同様に、前回レベルと今回レベルのセンターCLを求める。そして、チェック対象のセンサレベルが基準レベルを越えた場合にP430 において得られたセンターCLが基準レベルSLよりも大きいか、等又は小さいかを判定し(P431 )、センターが基準レベルよりも大きい場合は、次の式を演算して、その演算結果であるステップ数をRAMのワーキングデータ格納エリアである媒体左端位置データ記憶部928bに保存する(P432 )。
媒体左端=加速ステップ数+(今回レベルの位置までのステップ数+1)
また、センターが基準レベルと等又はより小の場合は、次の式を演算して、その演算結果であるステップ数を前記媒体左端位置データ記憶部928bに保存する(P433 )
媒体左端=加速ステップ数+今回レベルの位置までのステップ数
【0076】
上記のようにして、媒体の位置、すなわち、媒体の右端及び左端の位置の解析ができたならば、図21のメインフローに戻り、続いて、その媒体の幅を次の式を演算することにより求め、その演算結果をRAM92のワーキングデータ格納エリアである媒体幅データ記憶部928cに保存する(P409 )。
媒体幅=媒体左端を検出したステップ数−媒体右端を検出したステップ数
【0077】
図21のP410 においては、先に算出された媒体幅の値が、本プリンタについて規定してある所定媒体の幅の最大値と最小値の範囲に適合しているか否かをチェックする。
【0078】
最後に、印字ヘッドの現在の位置情報、すなわち、ステップカウンタC1の現在データをRAM92のワーキングデータエリアにセットして、幅検知制御処理を終了し、図7のメインフローに戻り、ホストコンピュータHCからの印字コマンドの入力を待機する(P10)。
【0079】
印字コマンドを入力した場合は、現在その媒体についてRAM92に保存してある媒体位置データ(右端位置データ及び左端位置データ)及び媒体幅データを基に、既知の方法により、その印字コマンドに応じて印字位置を設定する制御を行いながら、所定の印字処理を行う(P11)。
印字処理を終了したならば、その媒体を挿入兼排出口1に返却するための既知の搬送制御を行い(P12)、媒体有無センサSaが媒体の排出(P13においてY)を検知したことをもって、先に挿入された媒体に対する一連の処理を終了する。
【0080】
上記実施例において、媒体右端検知の際は、センサ情報のチェックを印字ヘッドのHPから左方向移動に対応して第1ステップからステップ数が増える方向(図2のD方向)に行ない、また、媒体左端検知の際はセンサ情報のチェックを印字ヘッドのHPと反対側から右方向移動に対応して最終ステップからステップ数が減る方向(同図のU方向)に行なうので、例えば、媒体の幅方向中間に送り孔が設けてある場合や、破れ孔などが存在する場合にも、その影響を受けずに媒体の右端及び左端検知、従って、媒体の幅検知も正確に行なうことができる特長がある。
【0081】
また、媒体幅検知(右端検知及び左端検知)におけるセンサレベルの判断基準とされる基準レベルは、媒体の特性に適合しない場合には、ソフトウェアによるコンパレータ機能を用いて、媒体の特性に適合するように自動的に変更されるので、光学的センサの出力レベルを固定基準値により良否判定をしている従来技術に比し、格段に高精度な媒体検知が可能である。
【0082】
従来の媒体挿入位置の検知は、スキュー矯正手段により印字位置前方に停止された時の位置を検知していたので、その後、印字位置まで搬送されるまでの間にその媒体にスキューが生じてもこれを検知することなく、その媒体に対して印字処理がされる。従って、印字処理終了後に、不適正な領域に印字されていることが判明することがあったが、本発明においては、印字位置に停止された媒体の存在位置が正確に検知され、これに基づいて印字制御が行われるので、印字領域に関する信頼性が格段に向上される。
【0083】
上記実施例では、HPMを媒体の最大サイズよりも右側の加速範囲に設け、HPをその右側に設けた例について説明したが、HPを左側に設ける場合は、HPMも左側に設けられる。また、上記実施例では、ホーミング動作を行なう時に印字ヘッドを左方向に移動させたが、HPMが左側に設けられる場合は、印字ヘッドが右方向に移動される。さらに、媒体幅検知制御の際も印字ヘッドがHPから右方向に移動される。なお、媒体幅検知の際に取得されたセンサ情報を用いて媒体の右端及び左端を解析する場合に、1ステップからnステップ方向の1方向に解析するようにしても良い。しかし、右端解析及び左端解析をそれぞれ媒体の外側から媒体中間点方向に対応する方向にセンサ情報を解析する場合は、上述したような媒体に設けてある送り孔、破れ孔などによる解析誤りを防止できる利点がある。
【0084】
【発明の効果】
上述のように、本発明によれば、印字ヘッドを移動して、その印字ヘッドに設けた媒体センサによりHPMの検出を行って、そのセンサレベルを解析してHPの検出をし、かつ、その後の印字ヘッドの移動の際に媒体センサのセンサレベルをHPからの各位置に対応して解析して媒体の右端及び左端を検出し、その解析結果を用いて当該媒体の位置検知及び幅算出を行うようにしたので、媒体を任意の位置に挿入することができ、オペレータの負担が著しく軽減され、なおかつ、媒体の位置及び幅が正確に検知されて、その媒体に対する的確な印字処理が保証される。また、印字ヘッドに設けた1個の媒体センサの検知出力レベルを利用して、媒体センサ及び印字ヘッド移動機構が正常であるか否かの判定、印字ヘッドのホームポジション解析、媒体の右端・左端検知、媒体幅検知の各処理を行なうので、センサ設置数を従来技術に比し、格段に減らすことができるため、プリンタの構成の簡潔化、コスト低減を実現することができる。
【0085】
また、請求項の発明によれば、任意の位置に挿入された媒体は、確実にスキューが矯正された後に印字位置に送り込まれて、上記の印字ヘッドに設けた媒体センサを用いて位置検出及び幅検出が行われるので、任意の位置に挿入可能なプリンタにおいて、媒体の適正な印字領域に対する印字処理の信頼性が一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 プリンタの要部を示す概略側面図。
【図2】 スキュー矯正機構の一つの構成要素であるピンチローラ押圧力調整手段を示す要部の側面図。
【図3】 スキュー矯正機構のもう一つの構成要素であるスキュー矯正用ストッパ昇降手段を示す要部の側面図。
【図4】 同じくストッパ昇降手段の一部を示す平面図。
【図5】 媒体のスキュー矯正の原理を示す平面図。
【図6】 本発明のプリンタの主要機能を実現する手段の一例を示すブロック図。
【図7】 プリンタの全体的動作を示すフローチャート。
【図8】 図7のステップP3の媒体スキュー矯正制御の詳細を示すフローチャート。
【図9】 印字ヘッドHに設けられた媒体センサScとHPMの位置関係を示す要部の平面図。
【図10】 媒体センサScによるHPMを検知する場合のセンサレベルの変化状態を示す説明図。
【図11】 ホーミング動作のフローチャート。
【図12】 図11のフローチャート中の左方向移動処理の詳細を示すフローチャート。
【図13】 図11のフローチャート中の右方向移動処理の主たる動作の流れを概括的に示す要約フローチャート。
【図14】 図11のフローチャート中の右方向移動処理の詳細の一部(1/4)を示すフローチャート。
【図15】 同じく右方向移動処理の一部(2/4)を示すフローチャート。
【図16】 同じく右方向移動処理の一部(3/4)を示すフローチャート。
【図17】 同じく右方向移動処理の一部(4/4)を示すフローチャート。
【図18】 HPMの右端エッジ検出の原理説明図。
【図19】 ピーク値検出の原理説明図。
【図20】 ピーク中間値算出の原理説明図。
【図21】 媒体幅検知制御のフローチャート。
【図22】 図21のフローの中の幅検知割り込み処理の詳細を示すフローチャート。
【図23】 第2センサ情報格納バッファを概念的に示す図。
【図24】 図24は図21のフローの中の媒体幅測定結果解析処理の詳細を示すフローチャート。
【図25】 今回レベルと前回レベルに基づいて求められるセンターの概念についての説明図。
【図26】 媒体幅検知の原理を説明する概念図。
【図27】 RAMの記憶階層構造の一例を示すブロック図。
【符号の説明】
図1において
4 搬送手段
M1 搬送モータ
R1〜R3 搬送ローラ
pr1 ピンチローラ
dr1 ドライブローラ
図1,2において
5 ピンチローラの押圧力調整手段
図1,3,4,5において
7 ストッパ昇降手段
70 ストッパ
S1〜S3…スキューチェックセンサ
PM 媒体
図9,10において
HPM 印字ヘッドのホームポジション検出用マーカ
STL 停止位置

Claims (4)

  1. 印字ヘッドに印字位置に存在する媒体を検知するための光反射式センサで構成された1個の媒体センサを設けるとともに、プラテン又はその近傍に前記媒体センサにより検知される媒体とほぼ等しい光反射率を有するホームポジション検知用マーカを設け、
    電源投入直後に行う初期化動作の際に、前記印字ヘッドを所定方向に1ステップ移動するたびに前記媒体センサから得られる検知出力レベルを連続する3個ずつ、かつ、1ステップ移動するたびに順送りにバッファメモリに格納し、そのバッファメモリに格納された検知出力レベルを予め記憶されている基準レベルと順次比較して、前記検知出力レベルが前記基準レベルより低く、かつ、前記検知出力レベルのうち今回検知出力レベルが前回検知出力レベルと等しい回数が所定数以上あるか否かにより、前記媒体センサ及び印字ヘッド移動機構が正常であるか否かを判定する処理と、前記バッファメモリに順次格納された今回検知出力レベル、前回検知出力レベル及び前々回検知出力レベルを比較して、所定の条件を満たすときに前記ホームポジション検知用マーカを検出し、その検出したホームポジション検知用マーカに基づいて前記印字ヘッドのホームポジションを解析して記憶する処理とを含むホーミング動作制御を行ない、
    前記ホーミング動作制御後にプリンタに挿入された媒体を印字位置まで搬送し、続いて、前記印字ヘッドを前記ホームポジションから所定方向に移動するとともに、前記印字ヘッドの所定方向の1ステップ移動するたびに前記媒体センサからの検知出力レベルを取得して記憶するセンサ情報取得処理と、記憶された今回検知出力レベル、前回検知出力レベル及び前々回検知出力レベル順次比較して、所定の条件を満たすときに前記媒体の右端及び左端を検知する処理と、前記印字ヘッドを前記ホームポジションから前記媒体右端検知位置及び媒体左端検知位置まで移動するときのステップ数に基づいて、前記媒体の幅を算出する媒体幅算出処理と、前記媒体右端位置、端位置及び媒体幅を記憶する処理とを含む媒体幅検知制御を行ない、
    印字コマンドを入力したら、前記記憶された媒体の右端位置、左端位置及び媒体幅に基づいて印字処理制御を行うことを特徴とするプリンタの制御方法。
  2. 媒体右端を検知する処理の際は、記憶された検知出力レベルをホームポジション側から左方向に調べ、媒体左端を検知する処理の際は、記憶された検知出力レベルをホームポジションと反対側から右方向に調べることを特徴とする請求項に記載されたプリンタの制御方法。
  3. プリンタの媒体挿入兼排出口に最も近い搬送ローラの付近に、挿入された媒体のスキューを矯正する自動スキュー矯正機構を設け、ホーミング動作後にプリンタに挿入された媒体のスキューを前記自動スキュー矯正機構により矯正した後に、印字位置まで搬送することを特徴とする請求項1又は2に記載されたプリンタの制御方法。
  4. プラテンの長手方向に移動される印字ヘッドにより前記プラテンに支持された媒体の所定領域に印字するプリンタにおいて、
    印字位置に存在する媒体を検知するための光反射式センサで構成された媒体センサを前記印字ヘッドに設けるとともに、前記プラテン又はその近傍に前記媒体センサにより検知される媒体とほぼ等しい光反射率を有するホームポジション検知用マーカを設け、
    記憶部には、前記媒体センサの検知出力レベルの大小を判定するための基準レベルを格納する基準レベルレジスタと、印字ヘッドが1ステップ移動するたびに前記媒体センサから順次取得される連続する3個分の検知出力レベル(前々回レベル、前回レベル及び今回レベル)を格納するセンサ情報格納バッファと、後記媒体幅検知により取得される媒体の右端位置、左端位置及び媒体幅の各データを記憶するデータ記憶部とを備え、
    制御部には、電源投入直後に媒体センサ及び印字ヘッド移動機構が正常か否かを判定するホーミング動作制御手段と、プラテンに挿入された媒体を前記プラテンの所定位置に搬送させる搬送制御手段と、前記印字ヘッドをプラテンの長手方向に移動させるキャリッジモータ制御手段と、前記媒体センサからの検知出力レベルを取得するセンサ情報取得手段と、前記センサ情報格納バッファメモリに格納された各検知出力レベルを用いて、媒体の右端及び左端を検知する位置検知手段と、印字ヘッドが右端検知位置から左端検知位置まで移動するのに要したステップ数から媒体の幅を検知する媒体幅検知手段と、及び左端・右端・幅検知に基づいて入力される印刷データに対して所定印字領域に印字を行なわせる印字制御手段とを備え、
    前記ホーミング動作制御手段は、電源投入直後に行う初期化動作の際に、前記印字ヘッドを所定方向に1ステップ移動するたびに前記媒体センサから得られる検知出力レベルを連続する3個ずつ、かつ、1ステップ移動するたびに順送りにバッファメモリに格納し、そのバッファメモリに格納された検知出力レベルを予め記憶されている基準レベルと順次比較して、前記検知出力レベルが前記基準レベルより低く、かつ、前記検知出力レベルのうち今回検知出力レベルが前回検知出力レベルと等しい回数が所定数以上であるか否かにより、前記媒体センサ及び印字ヘッド移動機構が正常であるか否かを判定する処理と、前記バッファメモリに順次格納された今回検知出力レベル、前回検知出力レベル及び前々回検知出力レベルを比較して、所定の条件を満たすときに前記ホームポジション検知用マーカを検出し、その検出したホームポジション検知用マーカに基づいて前記印字ヘッドのホームポジションを解析して記憶する処理とを行なうものであり、
    前記媒体幅検知手段は、前記ホーミング動作制御後にプリンタに挿入された媒体を印字位置まで搬送し、続いて、前記印字ヘッドを前記ホームポジションから所定方向に移動するとともに、前記印字ヘッドの所定方向の1ステップ移動するたびに前記媒体センサからの検知出力レベルを取得して記憶するセンサ情報取得処理と、記憶された今回検知出力レベル、前回検知出力レベル及び前々回検知出力レベルを順次比較して、所定の条件を満たすときに前記媒体の右端及び左端を検知する処理と、前記印字ヘッドを前記ホームポジションから前記媒体右端検知位置及び媒体左端検知位置まで移動するときのステップ数に基づいて、前記媒体の幅を算出する媒体幅算出処理と、前記媒体の右端位置、左端位置及び媒体幅を記憶する処理とを含む媒体幅検知制御を行なうものであること、
    を特徴とするプリンタ。
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