JP4536283B2 - 硬質ウレタンフォームの原料製造方法、冷蔵庫の製造方法及び冷蔵庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬質ウレタンフォームを化学分解操作により、ウレタンフォーム等の製造原料として再生し、冷蔵庫等の断熱材に再利用するリサイクル技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、省資源の観点から、冷蔵庫やテレビなどの廃家電製品のリサイクルが極めて重要なテーマとなっており、様々な取組みがなされている。冷蔵庫の再資源化に対しては、鉄板や銅管などの金属材料は比較的容易にリサイクルが可能である。しかし、プラスチック類、とりわけ熱硬化性樹脂である硬質ウレタンフォームは断熱材として大量に使用されているが、溶融して再生することが難しく、一般的には埋め立てや焼却、充填材として使用されることが多かった。
【0003】
このような中で、最近の技術として、超臨界水や亜臨界水を処理媒体に用いて高分子材料を分解処理しようとするプロセス技術が提案されている。例えば、特開平10−310663号公報には、ポリウレタン樹脂の分解回収方法として、超臨界状態や亜臨界状態の水を用いてポリウレタン樹脂を化学分解し、ポリウレタン樹脂の原料化合物や利用可能な原料誘導体を回収することが提案されている。また、特許第2885673号公報は、高分子材料を超臨界状態や亜臨界状態の水を用いて分解し、油分に化学分解する方法が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、使用済み冷蔵庫の一構成材料である硬質ウレタンフォームを処理する場合、製品の状態で超臨界水で処理しても、硬質ウレタンフォームは鉄板やABS樹脂で外被されているため、化学分解することはできない。また、冷蔵庫の内装部品に使用されるポリプロピレン樹脂などの種々の高分子材料についても、超臨界水や亜臨界水での化学分解は可能であるが、部材が混合した状態で化学分解すると、生成される種々の低分子材料が不純物として原料混合物に溶解してしまうため、硬質ウレタンフォーム原料として再利用できないという問題がある。
【0005】
従って、工業的な再資源化を目的とする場合、使用済み冷蔵庫からポリウレタン樹脂の原料化合物や利用可能な原料誘導体を回収するためには、異種材料や不純物を含まない硬質ウレタンフォームを取り出すことが何よりも重要である。加えて、鉄や非鉄金属も分解回収し、全体システムとして高リサイクル率で再資源化できる廃棄処理方法の構築が根幹的な課題である。
【0006】
また、もう一つの課題は、化学分解して得られるポリウレタン樹脂の原料化合物や利用可能な原料誘導体は、被分解物である硬質ウレタンフォームの化学構造によって決定されるが、その要因は元々の硬質ウレタンフォーム製造時の構成原料に依存するという点である。よって、元々の硬質ウレタンフォーム製造時の構成原料に応じた原料製造方法を選択することが重要である。
【0007】
さらに、化学分解して得られるポリウレタン樹脂の原料化合物や、利用可能な原料誘導体を再原料化し、冷蔵庫用断熱材に再使用することが、再資源化の達成において重要な課題である。
【0008】
また、廃棄冷蔵庫に使用されている硬質ウレタンフォームの原料種別が不明であると、適合する処理方法や原料製造法が選択決定できず、再資源化できないという致命的な問題を有する課題がある。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑み、使用済み冷蔵庫の材料リサイクル率を向上し、再資源化の貢献を図るための廃棄処理方法による硬質ウレタンフォームの原料製造法、それを用いた冷蔵庫の製造方法、及び冷蔵庫を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の硬質ウレタンフォームの原料製造方法は、硬質ウレタンフォームを含む冷蔵庫を破砕し、前記破砕工程で分離された硬質ウレタンフォーム塊を摩砕粉砕した硬質ウレタンフォーム粉末を、アミノリシス反応又はグリコリシス反応により液状化した後、前記液状化物と超臨界水又は亜臨界水とを接触させることにより硬質ウレタンフォーム粉末を分解する工程を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、使用済みの廃冷蔵庫から硬質ウレタンフォーム塊を取り出し、冷蔵庫の部品に使用されている他の樹脂等の不純物を含まない硬質ウレタンフォームを、工業的に取り出すことができる。特に、硬質ウレタンフォームを液状にすることにより、他のポリプロピレン樹脂などの不純物微片をフィルターで濾過でき、液状化物を超臨界水や亜臨界水処理を行うことにより、不純物を含まない硬質ウレタンフォーム用のポリオールやアミン類に分解できる。
【0012】
本発明の製造方法においては、前記硬質ウレタンフォーム粉末と、エチレングリコール、プロピレングリコール、モノエタノールアミン又はトリレンジアミンから選ばれる少なくとも一つ以上の化合物からなる添加剤を添加して加熱することにより液状化することが好ましい。これらの化合物を添加することにより、選択的にウレタン結合の一部が化学的に分解、液状化されるため、不純物微片を効果的に除去できる。
【0013】
また、本発明の製造方法においては、前記添加剤と硬質ウレタンフォーム粉末との割合が、添加剤/硬質ウレタンフォーム=0.4〜5.0/1(質量比)であり、かつ反応温度が100〜250℃であることが好ましい。
【0014】
また、本発明の製造方法においては、前記液状化物と前記超臨界水又は亜臨界水との割合が、水/液状化物=0.4〜5.0/1(質量比)であり、かつ前記液状化物と前記超臨界水又は亜臨界水とを190〜400℃、10〜25MPaで接触させることが好ましい。
【0015】
また、本発明の製造方法においては、前記硬質ウレタンフォーム粉末の平均粒径が1μm〜3mmであることが好ましい。
【0016】
また、本発明の製造方法においては、前記硬質ウレタンフォームは、ジフェニルメタンジイソシアネート組成物、又は、トリレンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造したものであることが好ましい。
【0017】
次に、本発明の硬質ウレタンフォームの原料製造方法は、硬質ウレタンフォームを含む冷蔵庫を破砕し、前記破砕工程で分離された硬質ウレタンフォーム塊を摩砕粉砕した硬質ウレタンフォーム粉末を、アミノリシス反応又はグリコリシス反応により液状化し、前記液状化物と超臨界水又は亜臨界水とを接触させることにより硬質ウレタンフォーム粉末を分解して得られる粗製物を、分留した後、前記分留成分にエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加重合してポリエーテルポリオールを合成することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の硬質ウレタンフォームの原料製造方法は、硬質ウレタンフォームを含む冷蔵庫を破砕し、前記破砕工程で分離された硬質ウレタンフォーム塊を摩砕粉砕した硬質ウレタンフォーム粉末を、アミノリシス反応又はグリコリシス反応により液状化し、前記液状化物と超臨界水又は亜臨界水とを接触させることにより硬質ウレタンフォーム粉末を分解して得られる粗製物を、分留した後、前記分留成分を出発物質としてイソシアネートを合成することを特徴とする。
【0019】
本発明においては、前記粗製物は、トリレンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造した硬質ウレタンフォームを分解したものであることが好ましい。
【0020】
本発明によれば、冷蔵庫の断熱材として使用していたトリレンジイソシアネート組成物を原料とする硬質ウレタンフォームを、容易に硬質ウレタンフォーム用の原料として再生することができ、工業的に再資源化できる。特に、超臨界水や亜臨界水処理で得られた粗原料群を分留することで、分留成分の一つであるトリレンジアミンから、トリレンジアミン系ポリエーテルポリオールを合成することができる。また、本発明によれば、分留成分の一つであるトリレンジアミンからトリレンジイソシアネートを合成することができる。よって、冷蔵庫から硬質ウレタンフォームの製造原料を再資源化することができる。
【0021】
また、本発明の硬質ウレタンフォームの原料製造方法は、硬質ウレタンフォームを含む冷蔵庫を破砕し、前記破砕工程で分離された硬質ウレタンフォーム塊を摩砕粉砕した硬質ウレタンフォーム粉末を、アミノリシス反応又はグリコリシス反応により液状化した後、前記液状化物と超臨界水又は亜臨界水とを接触させることにより硬質ウレタンフォーム粉末を分解して得られる粗製物に、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加重合してポリエーテルポリオールを合成することを特徴とする。
【0022】
本発明においては、前記粗製物は、ジフェニルメタンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造した硬質ウレタンフォームを分解したものであることが好ましい。
【0023】
本発明によれば、冷蔵庫の断熱材として使用していたジフェニルメタンジイソシアネート組成物を原料とする硬質ウレタンフォームを、再度硬質ウレタンフォーム用の原料として工業的に再資源化できる。特に、超臨界水や亜臨界水処理で得られたアミン類を開始剤として、ポリオールを合成することができる。これにより、容易に硬質ウレタンフォームの製造原料を再資源化することができる。
【0024】
さらに、本発明の冷蔵庫の製造方法は、硬質ウレタンフォームを含む冷蔵庫を破砕し、前記破砕工程で分離された硬質ウレタンフォーム塊を摩砕粉砕した硬質ウレタンフォーム粉末を、アミノリシス反応又はグリコリシス反応により液状化した後、前記液状化物と超臨界水又は亜臨界水とを接触させることにより硬質ウレタンフォーム粉末を分解して得られる粗製物を、分留し、該分留成分を出発物質として製造されたイソシアネートと、
前記分留残さと、
整泡剤、触媒及び発泡剤とを混合して冷蔵庫の内箱と外箱間に注入し、発泡硬化させることを特徴とする。
【0025】
本発明においては、前記硬質ウレタンフォームは、トリレンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造した硬質ウレタンフォームであることが好ましい。
【0026】
本発明によれば、前記の方法により、硬質ウレタンフォームを分解、合成して得られた硬質ウレタンフォーム用原料を、再度ウレタンフォームの製造工程で利用することができるので、省資源を可能とする冷蔵庫を提供することができる。また、将来、使用済み冷蔵庫となった場合も、再度、資源として活用できる。
【0027】
また、本発明の冷蔵庫の製造方法は、硬質ウレタンフォームを含む冷蔵庫を破砕し、前記破砕工程で分離された硬質ウレタンフォーム塊を摩砕粉砕した硬質ウレタンフォーム粉末を、アミノリシス反応又はグリコリシス反応により液状化した後、前記液状化物と超臨界水又は亜臨界水とを接触させることにより硬質ウレタンフォーム粉末を分解して得られる粗製物に、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加重合したポリエーテルポリオールを必須成分として含有するポリエーテルポリオールと、
整泡剤、触媒、発泡剤及びイソシアネートとを混合して冷蔵庫の内箱と外箱間に注入し、発泡硬化させることを特徴とする。
【0028】
本発明においては、前記硬質ウレタンフォームは、ジフェニルメタンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造した硬質ウレタンフォームであることが好ましい。
【0029】
本発明によれば、冷蔵庫の断熱材として使用していたジフェニルメタンジイソシアネート組成物を原料とする硬質ウレタンフォームから得られたポリエーテルポリオールを、硬質ウレタンフォーム用原料として利用することができる。これにより、省資源を可能とする地球環境に優しい冷蔵庫を製造することができる。また、将来、使用済み冷蔵庫となった場合、再度、資源として活用できる。
【0030】
また、本発明の冷蔵庫は、硬質ウレタンフォームを充填してなる冷蔵庫であって、冷蔵庫の断熱材として用いた硬質ウレタンフォームの、原料種別を判別する手段を備えていることを特徴とする。
【0031】
本発明によれば、廃棄冷蔵庫に使用されている硬質ウレタンフォームの原料種別が判定できるため、将来使用済の冷蔵庫となった場合、再度資源として活用できるとともに、適合する処理方法や原料製造法が選択決定できるため、再資源化が容易となる。
【0032】
また、本発明の冷蔵庫においては、前記硬質ウレタンフォームの原料種別の判別対象が、トリレンジイソシアネート組成物、ジフェニルメタンジイソシアネート組成物又はトリレンジイソシアネート組成物とジフェニルメタンジイソシアネート組成物との混合物から選択される一以上の組成物を含む原料を用いて発泡製造した硬質ウレタンフォームであり、前記判別手段が色調によるものであることが好ましい。
【0033】
本発明によれば、廃棄冷蔵庫に使用されている硬質ウレタンフォームの原料種別が、トリレンジイソシアネート組成物、ジフェニルメタンジイソシアネート組成物、またはトリレンジイソシアネート組成物とジフェニルメタンジイソシアネート組成物を混合したもののいずれであるかを、その色調によって判別できる。そのため、それぞれに適合する処理方法や原料製造法が選択決定でき、再資源化を容易に行うことが可能となる。また、原料種別により、色調が異なるため、処理方法や原料製造法を誤って操作することがない。
【0034】
また、本発明の冷蔵庫においては、原料種別を判別可能な手段が、冷蔵庫の外箱又は冷蔵庫背面のウレタン注入口の封止蓋に表示又は記録されていることが好ましい。
【0035】
本発明によれば、リサイクル事業所において、ウレタンの原料種別に適した再原料化処理を効率的に行うことができる。また、記録しておくことにより、冷蔵庫の廃棄物処理時にこの記録情報を読み、硬質ウレタンフォームの処理を決めることができる。
【0036】
また、本発明の冷蔵庫は、前記請求項1〜11のいずれかに記載の方法により製造された原料を必須成分として含むウレタンフォーム製造原料を用いて発泡硬化させたウレタンフォームを断熱材とすることを特徴とする。
【0037】
本発明によれば、冷蔵庫の断熱材として使用していたトリレンジイソシアネート組成物や、ジフェニルメタンジイソシアネート組成物を原料とする硬質ウレタンフォームを、分解合成し、得られたトリレンジイソシアネート組成物やジフェニルメタンジイソシアネート組成物を、再び硬質ウレタンフォーム製造原料として利用するため、省資源を可能とする冷蔵庫を提供できる。さらに、使用した原料が判別可能であるため、将来、使用済み冷蔵庫となった場合、断熱材に使用されていた硬質ウレタンフォームを、再度、資源として活用できる。
【0038】
また、本発明によれば、再合成して得たポリエーテルポリオールを、再び硬質ウレタンフォーム製造原料として利用するため、省資源を可能とする冷蔵庫を提供できる。さらに、使用した原料を判別可能とすることによって、将来、使用済み冷蔵庫となった場合、硬質ウレタンフォームを、再度、資源として活用できる。
【0039】
以上述べたことから明らかなように、本発明は、硬質ウレタンフォームを含む廃冷蔵庫等の廃棄物を破砕する破砕工程と、この破砕工程により破砕された廃棄物片が投入され、鉄、非鉄金属及びゴム類ダクトとに選別する選別処理工程と、前記破砕工程で廃棄物から分離された硬質ウレタンフォーム塊を摩砕、圧縮等により粉末化処理を行う発泡断熱材処理工程と、前記発泡断熱材処理工程で得られた硬質ウレタンフォーム粉末をアミノリシス反応操作やグリコリシス反応操作などにより液状化し、不純物となる樹脂微片や金属粉砕物微片をフィルター除去した後、超臨界水または亜臨界水との反応による化学処理操作により、硬質ウレタンフォームの原料化合物やアミン類に分解する再原料化製造工程とからなる廃棄物処理方法を提供するものである。
【0040】
【発明の実施の形態】
本発明は、冷蔵庫に注入されている硬質ウレタンフォームの原料を判別し、それぞれの原料ごとに適したウレタンフォーム再生処理プロセスを行うことを特徴とするものであり、使用済み冷蔵庫の材料リサイクル率を向上し、再資源化の貢献を図るため、硬質ウレタンフォームの原料別に適合した廃棄物再生処理を行うためのものである。本発明によれば、廃棄冷蔵庫に使用されている硬質ウレタンフォームの原料種別が判別できるため、適合する処理方法や原料製造法が選択決定でき、再資源化を容易に行うことが可能である。
【0041】
以下、本発明による冷蔵庫の実施の形態について、図1から図6を用いて詳細に説明する。
【0042】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における廃棄物処理方法を示した工程図である。
【0043】
まず、廃棄物の処理手順の概略を説明する。運搬された廃棄物は、最初に破砕工程1を通り、選別処理工程2へ進む。この選別処理工程2で、破砕工程1で破砕された廃棄物を重い廃棄物と軽い廃棄物とに分け、それぞれ所定の材料毎に分離回収する。ここで、軽い廃棄物の選別処理の中の発泡断熱材処理工程3で、冷蔵庫に含まれる硬質ウレタンフォームと発泡ガスを回収する。次に、排出された硬質ウレタンフォームは、再原料化製造工程4へ進み、硬質ウレタンフォームの原料化合物やアミン類に分解生成される。
【0044】
次に図1を参照しながら、処理手順を詳細に説明する。図1において、廃棄物処理施設に運搬されてきた廃棄物は、ステップ21で、破砕工程1に材料投入される。冷蔵庫に関しては、材料投入する前に冷凍機内の冷媒を抜き取っておく。そして、材料投入された廃棄物をコンベアによりプレシュレッダーへ移送する(ステップ22)。
【0045】
ステップ23の粗破砕で、プレシュレッダーにより破砕された廃棄物は、破砕機に投入される。ステップ24では、出力1000馬力程度の1軸カーシュレッダーにより、前工程で粗破砕された廃棄物をさらに細かく破砕する。
【0046】
選別処理工程2において、ステップ25では、カーシュレッダーの取り出し部の下方に配置された振動コンベアにより、重い鉄,非鉄金属及びゴム類を除く軽い廃棄物を分離し、ステップ26でベルト式等のコンベアにより移送する。
【0047】
ステップ27の磁力選別機、ステップ28の振動コンベア、そしてステップ29の磁選ドラムにより、廃棄物を鉄系金属を含むものとそうでないものとに分離する。
【0048】
ステップ27Aでは、ステップ26とステップ27において舞い上がる軽量の粉塵を収集し、ダクトを介して集塵工程へ移送する。
【0049】
ステップ29で分離された廃棄物は、コンベアにより移送され(ステップ30)、このコンベア上において手選別により鉄とそれ以外のモーター屑、ケーブル等とに選別される(ステップ31)。ステップ31の手選別で選別された鉄は、コンベアにより集積運搬用の台車へ移送され(ステップ32)、また、モーター屑やケーブルなど鉄以外の廃棄物は、手選別により分離される。
【0050】
ステップ29で分離された鉄系金属を含まない廃棄物は、コンベアにより移送(ステップ52,ステップ54)される途中で、手選別により、非鉄金属が選別され(ステップ53)、残ったゴム等ダストを含む廃棄物が分離集積される。
【0051】
以上のように、破砕工程1は、ステップ21からステップ24までの各手段および工程に、そして、選別処理工程2は、ステップ25からステップ32間で、およびステップ52からステップ54までの各手段および工程にそれぞれ相当している。
【0052】
次に、破砕工程で分離された硬質ウレタンフォームは、ダクトを介して発泡断熱材処理工程3のサイクロンに吸引される(ステップ33)。このサイクロンでは、比較的大きな塊の硬質ウレタンフォームが分離捕集される(ステップ35)。硬質ウレタンフォーム中の発泡剤ガスは、硬質ウレタンフォームの小片とともにサイクロンのバグフィルターに衝突(ステップ36)し、発泡剤ガスは通過して回収装置に送られ回収される(ステップ37)。
【0053】
サイクロン(ステップ35),バグフィルター(ステップ36)でそれぞれ分離された硬質ウレタンフォーム塊、小片は、フォーム減容機へ送られる(ステップ41)。フォーム減容機(ステップ41)は、プレスやスクリュー式の圧縮機により構成され、硬質ウレタンフォーム塊、小片を圧縮時のせん断力により摩砕粉砕して粉末化し、減容するものである。圧縮摩砕時には、常圧下、20〜150℃、好ましくは90〜130℃で加熱することで、硬質ウレタンフォーム中に溶解した発泡剤ガスを気化させて効率的に回収することもできる。
【0054】
本発明で用いる硬質ウレタンフォーム粉末の大きさや形状は、特に限定されないが、一般に、その平均粒子径は1μm〜3mm、好ましくは1μm〜1mm、特に好ましくは1μm〜500μmである。平均粒径が1μm未満の場合は、工業的にさらなる微細化が困難であるため経済性に劣り、また、3mmを越える場合は比表面積が小さいために液状化処理の効率が低下する。
【0055】
以上のように、発泡断熱材処理工程3は、それぞれステップ33からステップ41までの各手段および工程に相当している。
【0056】
次に、発泡剤処理工程3で粉末化された硬質ウレタンフォームは、反応漕に送られる。再原料化製造工程4において、粉末化された硬質ウレタンフォームと、エチレングリコール、プロピレングリコール、モノエタノールアミン又はトリレンジアミンなどの添加類との混合加熱によるグリコリシス反応操作やアミノリシス反応操作によって、液状化物質が生成する(ステップ42)。前記添加剤は、必要に応じて、単独又は混合して用いることができ、その混合比も任意である。
【0057】
前記グリコリシス反応操作やアミノリシス反応操作においては、硬質ウレタンフォーム粉末と添加剤との混合割合は、質量比で硬質ウレタンフォーム粉末:添加剤=1:0.4〜5.0、好ましくは1:0.5〜3.0である。前記比率が0.4未満の場合は、液状化が効果的に進行しなくなる。5.0を越える場合は、反応器を大きくする必要があり、また、ウレタン廃材が占める割合が低くなるため、次工程である超亜臨界分解における単位体積当りの廃材を処理するためのエネルギー効率が悪くなる。反応は、常圧下、温度100〜250℃好ましくは150〜200℃の範囲で行う。反応時間は、反応温度や、用いる硬質ウレタンフォームの種類、添加剤の種類、混合割合等によっても異なるが、一般に1〜12時間である。また、反応を円滑に進行させるため、酢酸バリウムや酢酸タリウム、その他の金属化合物、酸触媒等の触媒を単独で又は併用して添加してもよい。
【0058】
このあと、フィルター濾過(ステップ43)で不純物個体粒が除去され、高温高圧水と共に反応器に導入され、超臨界もしくは亜臨界状態で、約5分〜1時間保持されて、分離反応が起こる(ステップ44)。前記水は、前記グリコリシス反応やアミノリシス反応で得られた液状化物に対して、体積比で0.4〜5.0倍、好ましくは0.5〜3.0倍の割合で導入する。水の割合が0.4未満の場合は、流動性が不十分となり、分解が効果的に進行しなくなる。また、5.0倍を越える場合は、分解効率が飽和に近づくので効果的でなくなるとともに、さらに反応器を大きくする必要が生じるため、次の脱水工程に要するエネルギー量が大きくなる。反応圧力は、10〜25MPa、好ましくは18〜22MPaの範囲である。また、反応温度は、190〜400℃、好ましくは250〜350℃の範囲である。また、上記の不純物微片のフィルター濾過は、特に制限されず、従来公知の方法を適宜使用することができる。
【0059】
分離反応後の排出液は、脱水塔で水と二酸化炭素等を除去(ステップ45)した後、硬質ウレタンフォームの原料化合物やアミン類が得られる。
【0060】
以上のように、本願の請求項1記載の発明は、それぞれステップ42からステップ45までの各手段及び工程に相当している。
【0061】
(実施の形態2)
実施の形態2における一実施例の原料製造法を図2に工程図として示す。
【0062】
まず、廃棄物の処理手順の概略を説明する。実施の形態1と同処理手順については、説明を省く。
【0063】
ジフェニルメタンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造した硬質ウレタンフォームを含む廃冷蔵庫等の廃棄物は、最初に破砕工程1で処理され、選別処理工程2へ進む。この選別処理工程2で、破砕工程1で破砕された廃棄物を重い廃棄物と軽い廃棄物とに分け、それぞれ所定の材料毎に分離回収する。ここで、軽い廃棄物の選別処理の中の発泡断熱材処理工程3で、冷蔵庫に含まれる硬質ウレタンフォームと発泡ガスを回収する。
【0064】
次に排出された硬質ウレタンフォームは、再原料化製造工程4で、エチレングリコールと混合加熱されて液状化物とされた後、フィルター濾過で不純物固体粒が除去され、温度260℃、圧力20MPaで分解される。その後、水を蒸発除去して、硬質ウレタンフォームの原料化合物(ポリエーテルポリオール)やアミン類(p−メチレンジアニリン等)が分解生成される。この後、分解生成物である芳香族系アミン類にエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加重合(ステップ47)を行い、水酸基価450のポリエーテルポリオールを製造する。
【0065】
なお、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドの付加の方法は、特に制限されず、従来公知の方法を適宜使用することができる。
【0066】
また、ポリエーテルポリオールの水酸基価は、特に限定されないが、製造する硬質ウレタンフォームの硬さなどの点から、ジフェニルメタンジイソシアネート組成物を原料とする場合は、水酸基価160〜935mgKOH/gの範囲であることが好ましい。
【0067】
本発明の冷蔵庫の製造方法においては、再生されたポリエーテルポリオールを用いて硬質ウレタンフォームを製造する場合、他のポリエーテルポリオールを併用することもできる。その併用比は任意であるが、再生されたポリエーテルポリオールを、ポリオール全体の30質量%以上、省資源化の観点からは50質量%以上使用するのが好ましい。
【0068】
ここで、併用できるポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、蔗糖、ビスフェノールA等の多官能アルコール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ピペラジン、エタノールアミン、プロパノールアミン等の多官能アミン等から選ばれる1種又は2種以上の化合物に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド又はスチレンオキサイドを所定量付加させたものや、これらの化合物の末端を封鎖した化合物等が挙げられる。また、上記の多官能アルコールや多官能アミン等を、硬質ウレタンフォーム製造時に混合してもよい。
【0069】
(実施の形態3)
実施の形態3における一実施例の冷蔵庫の製造方法と冷蔵庫を図3、図4に示す。7は断熱箱体で、内箱8と外箱9から構成され、形成される空間10に硬質ウレタンフォーム原料を注入し、治具に収納して一体発泡を行う。治具温度を30〜60℃とし、6分間で反応硬化させる。この後、治具11から解放し、次の組立工程に送られる。
【0070】
硬質ウレタン原料は、実施の形態2で得られた水酸基価450mgKOH/gのポリエーテルポリオール100質量部に、触媒(花王株式会社製、「カオライザーNo.1」)3質量部、整泡剤(信越化学工業株式会社製、シリコーン系界面活性剤「F−317」3質量部、発泡剤(シクロペンタン)20質量部、反応調整剤としてぎ酸を0.5質量部を添加混合したプレミックスを予め準備し、この後、c−ジフェニルメタンジイソシアネート又はp−ジフェニルメタンジイソシアネートと機械混合し、硬質ウレタンフォーム12を生成する。一体発泡後、コンプレッサーや凝縮器などの冷凍システム部品(図示せず)、プラスチック製の内装部品(図示せず)を組み込んで冷蔵庫13を得る。なお、図3は、硬質ウレタンフォームを冷蔵庫の箱体に注入する際の状態を示すものであり、冷蔵庫使用状態では、図面右側が冷蔵庫の底面、図面左側が天面となる。
【0071】
(実施の形態4)
実施の形態4における一実施例の原料製造法を図5に工程図として示す。
【0072】
まず、廃棄物の処理手順の概略を説明する。実施の形態1及び2と同処理手順の部分については、説明を省く。
【0073】
トリレンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造した硬質ウレタンフォームを含む廃冷蔵庫等の廃棄物は、実施形態1と同様の各工程で処理され、再原料化製造工程4で、エチレングリコールと混合加熱されて液状化物とされた後、フィルター濾過で不純物固体粒が除去され、温度260℃、圧力20MPaで分解されて、硬質ウレタンフォームの原料化合物(ポリエーテルポリオール)やアミン類(p−トリレンジアミン )に分解生成される。その後、水を蒸発除去する。
【0074】
この後、原料製造工程5において、水除去後の残分である分解生成物を分留し(ステップ46)、分留によって得られる成分の一つであるトリレンジアミンから、従来公知の方法を用いてトリレンジイソシアネートを合成する(ステップ47A)。また、分留成分の残さであるポリエーテルポリオールは、そのまま、硬質ウレタンフォーム製造原料として使用する(ステップ47B)。
【0075】
ここで、ポリエーテルポリオールの水酸基価は、特に限定されないが、製造する硬質ウレタンフォームの硬さなどの点から、トリレンジイソシアネート組成物を原料とする場合は、水酸基価380〜500mgKOH/gの範囲であることが好ましい。
【0076】
なお、分留成分であるトリレンジアミンを出発物質として、ステップ47と同様にエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加重合することもできる。得られたアミン系ポリオールは、本発明の硬質ウレタンフォームを製造する際の原料として使用してもよい。
【0077】
(実施の形態5)
実施の形態5における一実施例の冷蔵庫の製造方法と冷蔵庫を図6、図7に示す。14は断熱箱体で、内箱8と外箱9から構成され、形成される空間10に硬質ウレタンフォーム原料を注入し、一体発泡を行う。この一体発泡時に治具11に収納されている反応硬化条件は、治具温度35〜60℃で8分間であり、この後、治具11から解放し、次の組立工程に送られる。
【0078】
硬質ウレタン原料は、実施の形態4で得られたトリレンジイソシアネート135重量部と分留残さであるポリエーテルポリオール(水酸基価450mgKOH/g)100質量部、触媒(花王株式会社製、「カオライザーNo.1」)3質量部、整泡剤(信越化学工業株式会社製、シリコーン系界面活性剤「F−317」3質量部、発泡剤(シクロペンタン)20質量部、反応調整剤としてぎ酸を0.5質量部を添加混合したプレミックスを機械混合し、硬質ウレタンフォーム15を生成する。一体発泡後、コンプレッサーや凝縮器などの冷凍システム部品(図示せず)、プラスチック製の内装部品(図示せず)を組み込んで冷蔵庫16を得る。
【0079】
(実施の形態6)
実施の形態6における一実施例の冷蔵庫を図8、図9に示す。13、16は冷蔵庫で、それぞれ、硬質ウレタンフォーム12、15を断熱材として構成している。硬質ウレタンフォーム12は、原料としてジフェニルメタンジイソシアネート組成物を使用し、また硬質ウレタンフォーム15は、トリレンジイソシアネート組成物を使用している。17、18は冷蔵庫の外箱に貼り付けた表示管理板であり、硬質ウレタンフォームの原料種別を明記している。
【0080】
また表示管理板17、18はスマートメディアやバーコード等の記録されたものでもよく、この場合、冷蔵庫を破砕するときにこの情報を読みとって、硬質ウレタンフォームの処理方法を変更することができる。
【0081】
本発明において、冷蔵庫に注入されている硬質ウレタンフォームの原料の判別手段としては、冷蔵庫に硬質ウレタンフォーム原料を明記した表示管理板を取り付ける、硬質ウレタンフォーム原料を表示したバーコードを取り付け自動判別する、また硬質ウレタンフォーム原料毎の異なる色調にて判別する手段などが使用できるが、本発明は、これらのみに限定されるものではない。本発明では、硬質ウレタンフォーム原料毎の異なる色調にて判別する手段が特に望ましい。原料ごとの本来の色調の差異により判別する手段だけでなく、硬質ウレタンフォームに顔料を添加するなど、原料ごとに異なる着色処理を施す手段も使用可能である。
【0082】
前記判別手段は、冷蔵庫の外箱、特に天面の奥又は背面のウレタン注入口の封止蓋に表示又は記録されていることが好ましい。断熱材である硬質ウレタンフォームは、通常冷蔵庫の背面に存在するが、扉は破砕工程で取り除かれてしまうからである。また、側面や天面の手前は一般家庭での使用時にシールやワッペンなどが貼付されるため、判別するためのセンサー機能が阻害される可能性があり、また、冷蔵庫の内部に判別手段を設けた場合は、内部探索センサーが必要となり判別が煩雑となるからである。一方、冷蔵庫の背面は通常壁の近傍にあり、購入時の状態で保持されることが多く、センサー機能が阻害される危険性がないからである。
【0083】
なお、本発明の判別手段は、トリレンジイソシアネート組成物、ジフェニルメタンジイソシアネート組成物、またはその組合せの原料に限るものでなく、廃棄物処理をやりやすくするために硬質ウレタンフォームの種別がわかるように色調をつければよいものである。
【0084】
(実施の形態7)
図10は、本発明のトリレンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造した硬質ウレタンフォームを具備することを判別可能な手段を備えた冷蔵庫であり、トリレンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造した硬質ウレタンフォーム19を注入成型された冷蔵庫20に、トリレンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造したことを判別できる表示管理板21を添付したものである。
【0085】
(実施の形態8)
図11は、本発明のジフェニルメタンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造した硬質ウレタンフォームを具備することを判別可能な手段を備えた冷蔵庫であり、ジフェニルメタンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造したことを判別するために、顔料などを添加することによって着色処理が施されている硬質ウレタンフォーム22を注入成型された冷蔵庫23である。
【0086】
(実施の形態9)
図12は、本発明のトリレンジイソシアネート組成物とジフェニルメタンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造した硬質ウレタンフォームを判別可能な手段を備えた冷蔵庫であり、トリレンジイソシアネート組成物とジフェニルメタンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造した硬質ウレタンフォーム24を注入成型された冷蔵庫25に、トリレンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造したことを判別できる表示管理板26を添付したものである。さらに、硬質ウレタンフォーム24には、トリレンジイソシアネート組成物とジフェニルメタンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造したことを明らかにするために、顔料などを添加することによって着色処理が施されているものである。
【0087】
(実施の形態10)
図13は、本発明の廃棄物再生処理方法であり、トリレンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造した硬質ウレタンフォームを充填してなる冷蔵庫を判別する冷蔵庫判別工程と、前記硬質ウレタンフォームを超臨界水中または亜臨界水中で分解する化学処理操作により、硬質ウレタンフォームの原料化合物や複数のアミン類に分解する分解工程と、分解工程で得られたアミン類を分留することにより、前記原料化合物とアミン類を分離する分留工程と、前記アミン類の主成分であるトリレンジアミンからトリレンジイソシアネート組成物を合成するイソシアネート再合成工程を有するものである。
【0088】
(実施の形態11)
図14は、本発明の冷蔵庫であり、原料中に、実施の形態10における分解工程にて得られる硬質ウレタンフォームの原料化合物であるポリオールと、同じくイソシアネート再合成工程にて製造されたトリレンジイソシアネート組成物とを含む硬質ウレタンフォーム27を断熱材とする冷蔵庫28に、トリレンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造したことを判別できる表示管理板29を添付したものである。
【0089】
(実施の形態12)
図15は、本発明の廃棄物再生処理方法であり、ジフェニルメタンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造した硬質ウレタンフォームを充填してなる冷蔵庫を判別する冷蔵庫判別工程と、前記硬質ウレタンフォームを超臨界水中または亜臨界水中で分解する化学処理操作により、硬質ウレタンフォームの原料化合物や複数のアミン類に分解する分解工程と、分解工程で得られた分解物にエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加重合してポリエーテルポリオールを得るポリオール再合成工程を有するものである。
【0090】
(実施の形態13)
図16は、本発明の冷蔵庫であり、原料中に、実施の形態12におけるポリオール再合成工程にて製造されたポリエーテルポリオールとトリレンジイソシアネート組成物を含む硬質ウレタンフォーム30を断熱材とする冷蔵庫31に、トリレンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造したことを判別できる表示管理板32を添付したものである。
【0091】
(実施の形態14)
図17は、本発明の廃棄物再生処理方法であり、トリレンジイソシアネート組成物と、ジフェニルメタンジイソシアネート組成物とを原料として発泡製造した硬質ウレタンフォームを充填してなる冷蔵庫を判別する冷蔵庫判別工程と、前記硬質ウレタンフォームを超臨界水中または亜臨界水中で分解する化学処理操作により、硬質ウレタンフォームの原料化合物や複数のアミン類に分解する分解工程と、分解工程で得られたアミン類を分留することにより、前記原料化合物とアミン類を分離する分留工程と、前記アミン類の主成分であるトリレンジアミンからトリレンジイソシアネート組成物を合成するイソシアネート再合成工程と、分解工程で得られた分解物にエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加重合してポリエーテルポリオールを得るポリオール再合成工程を有するものである。
【0092】
(実施の形態15)
図18は、本発明の冷蔵庫であり、原料中に、実施の形態14におけるイソシアネート再合成工程で製造されたトリレンジイソシアネート組成物と、ポリオール再合成工程により製造されたポリオールとを含む硬質ウレタンフォーム33を断熱材とする冷蔵庫34に、トリレンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造したことを判別できる表示管理板35を添付したものである。
【0093】
(実施の形態16)
図19は、本発明の冷蔵庫であり、原料中に、実施の形態14におけるイソシアネート再合成工程で製造されたトリレンジイソシアネート組成物と、ポリオール再合成工程により製造されたポリオールとを含み、かつ、トリレンジイソシアネート組成物を含むこと明確にするために顔料により着色された硬質ウレタンフォーム36を断熱材とする冷蔵庫37であって、冷蔵庫背面のウレタン注入口の封止蓋38に、硬質ウレタンフォームの色調を判別できるように透明なフィルムを使用しているものである。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、使用済みの廃冷蔵庫から不純物を含まない硬質ウレタンフォーム製造原料を工業的に取り出すことが可能で、かつ、鉄板や非鉄金属も分離回収し、再資源化できる全体システムが確立できる。特に、硬質ウレタンフォームを液状にすることにより、他のポリプロピレン樹脂などの不純物微片をフィルターで濾過できるので、単一の硬質ウレタンフォーム分解組成物を得ることができる。これを超臨界水や亜臨界水処理を行うことにより、不純物のない硬質ウレタンフォームの原料化合物やアミン類に分解できる。
【0095】
また、本発明によれば、ジフェニルメタンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造した硬質ウレタンフォームを含む廃冷蔵庫等の廃棄物を破砕する破砕工程と、前記選別処理工程と、前記発泡断熱材処理工程と、前記再原料化製造工程とから成る廃棄物処理方法で生成された芳香族アミンに、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加重合して、硬質ウレタンフォーム用の原料であるポリエーテルポリオールを製造し得る。従って、冷蔵庫の断熱材として使用していた硬質ウレタンフォームを、再度硬質ウレタンフォーム用の原料に工業的に再資源化できる。特に、超臨界水や亜臨界水処理で得られたアミン類を開始剤として、これにエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加してポリエーテルポリオールとすることにより、容易に硬質ウレタンフォームの製造原料として合成し、再資源化できる。
【0096】
また、本発明によれば、トリレンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造した硬質ウレタンフォームを含む冷蔵庫等の廃棄物を破砕する破砕工程と、前記選別処理工程と、前記発泡断熱材処理工程と、前記再原料化製造工程とから成る廃棄物処理方法で生成された粗原料群を、原料製造工程において分留し、分留成分の一つであるトリレンジアミンから、トリレンジイソシアネート組成物を合成し、ポリエーテルポリオールを再資源し得る。従って、冷蔵庫の断熱材として使用していたトリレンジイソシアネート組成物を原料とする硬質ウレタンフォームを、再度、硬質ウレタンフォーム用の原料に工業的に再資源化できる。特に、超臨界水や亜臨界水処理で得られた粗原料群を分留し、分留成分の一つであるトリレンジアミンから合成したトリレンジイソシアネート組成物を得ることができ、分留残さとしてポリエーテルポリオールを得ることができるので、容易に硬質ウレタンフォームの製造原料を合成し、再資源化できる。
【0097】
また、本発明によれば、分解後、生成されたポリエーテルポリオール、又は分解後、生成されたトリレンジイソシアネート組成物ないしトリレンジアミン系ポリエーテルポリオールを主原料として、これに整泡剤、触媒、発泡剤、反応調整剤、イソシアネートを混合して内箱と外箱間に注入し、発泡硬化させた硬質ウレタンフォームを断熱材とすることができる。すなわち、冷蔵庫の断熱材として使用していたジフェニルメタンジイソシアネート組成物又はトリレンジイソシアネート組成物を原料とする硬質ウレタンフォームから得られたポリエーテルポリオールやイソシアネートを、原料として再利用できるので、省資源化を可能とする地球環境に優しい冷蔵庫を製造することができる。また、将来、使用済の冷蔵庫となった場合、再度、資源として活用できる。
【0098】
また、本発明によれば、硬質ウレタンフォームの原料種別を冷蔵庫の外箱又は冷蔵庫背面のウレタン注入口の封止蓋に表示もしくは記録することにより、廃棄冷蔵庫に使用されている硬質ウレタンフォームの原料種別が簡単に判定でき、適合する処理方法や原料製造方法が選択決定でき、再資源化を容易に行うことができる。すなわち、本発明によれば、トリレンジイソシアネート組成物、または、ジフェニルメタンジイソシアネート組成物、または、トリレンジイソシアネート組成物とジフェニルメタンジイソシアネート組成物を混合したものを原料として発泡製造した硬質ウレタンフォームのいずれを用いているかを、色調によって判別することができる。従って、それぞれに適合する処理方法や原料製造法を選択決定でき、再資源化を容易に行うことが可能となる。また、原料種別により、色調が異なるため、処理方法や原料製造法を誤って操作することがない。また、使用した原料を判別可能とすることによって、将来使用済み冷蔵庫となった場合、再度、資源として活用できる。
【0099】
よって、本発明によれば、使用済み冷蔵庫の材料リサイクル率を向上し、再資源化に貢献することができるとともに、省資源化を可能とする地球環境に優しい冷蔵庫を提供することができる。よって、その工業的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1における工程図である。
【図2】本発明の実施形態2における工程図である。
【図3】本発明の実施形態3における冷蔵庫製造過程での断熱箱体の模式図である。
【図4】本発明の実施形態3における冷蔵庫の模式図である。
【図5】本発明の実施形態4における工程図である。
【図6】本発明の実施形態5における冷蔵庫製造過程での断熱箱体の模式図である。
【図7】本発明の実施形態5における冷蔵庫の模式図である。
【図8】本発明の実施形態6における切欠部を示す冷蔵庫の模式図である。
【図9】本発明の実施形態6における切欠部を示す冷蔵庫の模式図である。
【図10】本発明の実施形態7における冷蔵庫の模式図である。
【図11】本発明の実施形態8における冷蔵庫の模式図である。
【図12】本発明の実施形態9における冷蔵庫の模式図である。
【図13】本発明の実施形態10における工程図である。
【図14】本発明の実施形態11における冷蔵庫の模式図である。
【図15】本発明の実施形態12における工程図である。
【図16】本発明の実施形態13における冷蔵庫の模式図である。
【図17】本発明の実施形態14における工程図である。
【図18】本発明の実施形態15における冷蔵庫の模式図である。
【図19】本発明の実施形態16における冷蔵庫の模式図である。
【符号の説明】
1 破砕工程
2 選別処理工程
3 発泡断熱材処理工程
4 再原料化製造工程
5、6 原料製造工程
7、14 断熱箱体
8 内箱
9 外箱
11 治具
12、15、19、22、24、27、30、33、36 硬質ウレタンフォーム
13、16、20、23、25、28、31、34、37 冷蔵庫
17、18、21、26、29、32、35 表示管理板
38 ウレタン注入口の封止蓋
Claims (15)
- 硬質ウレタンフォームを含む冷蔵庫を破砕し、前記破砕工程で分離された硬質ウレタンフォーム塊を摩砕粉砕した硬質ウレタンフォーム粉末を、アミノリシス反応又はグリコリシス反応により液状化した後、前記液状化物と超臨界水又は亜臨界水とを接触させることにより硬質ウレタンフォーム粉末を分解する工程を含むことを特徴とする硬質ウレタンフォームの原料製造方法。
- 前記硬質ウレタンフォーム粉末と、エチレングリコール、プロピレングリコール、モノエタノールアミン又はトリレンジアミンから選ばれる少なくとも一つ以上の化合物からなる添加剤を添加して加熱することにより液状化する請求項1に記載の製造方法。
- 前記添加剤と硬質ウレタンフォーム粉末との割合が、添加剤/硬質ウレタンフォーム=0.4〜5.0/1(質量比)であり、かつ反応温度が100〜250℃である請求項2に記載の製造方法。
- 前記液状化物と前記超臨界水又は亜臨界水の割合が、水/液状化物=0.4〜5.0/1(質量比)であり、かつ前記液状化物と前記超臨界水又は亜臨界水とを190〜400℃、10〜25MPaで接触させる請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 前記硬質ウレタンフォーム粉末の平均粒径が1μm〜3mmである請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 前記硬質ウレタンフォームは、ジフェニルメタンジイソシアネート組成物、又は、トリレンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造したものである請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
- 前記分解工程で得られた粗製物を、分留し、該分留成分にエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加重合してポリエーテルポリオールを合成する請求項1〜6のいずれかに記載の硬質ウレタンフォームの原料製造方法。
- 前記分解工程で得られた粗製物を、分留し、該分留成分を出発物質としてイソシアネートを合成することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の硬質ウレタンフォームの原料製造方法。
- 前記粗製物は、トリレンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造した硬質ウレタンフォームを分解したものである請求項7又は8に記載の製造方法。
- 前記分解工程で得られた粗製物に、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加重合してポリエーテルポリオールを合成する請求項1〜6のいずれかに記載の硬質ウレタンフォームの原料製造方法。
- 前記粗製物は、ジフェニルメタンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造した硬質ウレタンフォームを分解したものである請求項10に記載の製造方法。
- 硬質ウレタンフォームを含む冷蔵庫を破砕し、前記破砕工程で分離された硬質ウレタンフォーム塊を摩砕粉砕した硬質ウレタンフォーム粉末を、アミノリシス反応又はグリコリシス反応により液状化した後、前記液状化物と超臨界水又は亜臨界水とを接触させることにより硬質ウレタンフォーム粉末を分解して得られる粗製物を、分留し、該分留成分を出発物質として製造されたイソシアネートと、前記分留残さと、整泡剤、触媒及び発泡剤とを混合して冷蔵庫の内箱と外箱間に注入し、発泡硬化させることを特徴とする冷蔵庫の製造方法。
- 前記硬質ウレタンフォームは、トリレンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造した硬質ウレタンフォームである請求項12に記載の冷蔵庫の製造方法。
- 硬質ウレタンフォームを含む冷蔵庫を破砕し、前記破砕工程で分離された硬質ウレタンフォーム塊を摩砕粉砕した硬質ウレタンフォーム粉末を、アミノリシス反応又はグリコリシス反応により液状化した後、前記液状化物と超臨界水又は亜臨界水とを接触させることにより硬質ウレタンフォーム粉末を分解して得られる粗製物に、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドを付加重合したポリエーテルポリオールを必須成分として含有するポリエーテルポリオールと、整泡剤、触媒、発泡剤及びイソシアネートとを混合して冷蔵庫の内箱と外箱間に注入し、発泡硬化させることを特徴とする冷蔵庫の製造方法。
- 前記硬質ウレタンフォームは、ジフェニルメタンジイソシアネート組成物を原料として発泡製造した硬質ウレタンフォームである請求項14に記載の冷蔵庫の製造方法。
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