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JP4545161B2 - 変復調装置およびその復調方法、ならびにそのプログラムと記録媒体 - Google Patents
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JP4545161B2 - 変復調装置およびその復調方法、ならびにそのプログラムと記録媒体 - Google Patents

変復調装置およびその復調方法、ならびにそのプログラムと記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、例えばアナログ電話回線のような通信回線の終端において通信回線と端末装置との間で授受される信号を変復調する変復調装置、特に、周波数偏移変調:FSK(Frequency Shift Keying)方式を採用した変復調装置(モデム)の復調部に関し、詳しくは簡単な処理で正規化処理と同様の効果を得ることが可能な変復調装置および周波数偏移変調の復調方法、ならびにそのプログラムと記録媒体に関する。
従来より、FSK(Frequency Shift Keying)通信方式は電話回線モデムなどで広く使用されており、標準規格となっている国際電信電話諮問委員会(CCITT)のVシリーズ勧告ではV.21、V.23などのFSK方式の電話回線モデム規格がある。
このうち、V.21は、1080Hzと1750Hzの2つの周波数を中心周波数とし、ともに±100Hzの周波数を特性周波数とする旨の勧告がなされている。
また、V.23は、1500Hzまたは1700Hzを中心周波数とし、±200Hzまたは±400Hzの周波数を特性周波数とする旨の勧告がなされている(V.23には、中心周波数420Hz、±30Hzを特性周波数とするバックワードチャネルが存在する)。
FSK方式の従来技術としては、以下の3つが代表的な例である。
1)2つのキャリア周波数(F1,F2)の零交差間隔を直接的に計数してデータを再生する方法。すなわち、これはキャリア周波数(F1,F2)の波形がゼロラインを横切った回数をカウントして、その数で‘F1’または‘F2’を判別し、データを再生する。
2)2つのキャリア周波数成分を抽出する2つの狭帯域な帯域通過形フィルタを設け、FSK信号を入力したときの両者の出力信号レベルを比較する方法。すなわち、これはF1だけの狭帯域の帯域通過形フィルタとF2だけの狭帯域の帯域通過形フィルタにそれぞれのキャリア周波数成分を通過させて、その出力レベルでF1,F2を判別する。
3)2つのキャリア周波数に対する中心周波数を生成し、入力周波数と中心周波数の偏移周波数成分を抽出する方法。すなわち、F1とF2の中心周波数F0を生成して、入力した周波数がF0より+αであるか、−αであるかを判別してF1,F2を抽出する。
上記1)および2)の方法においては復調処理が単純であるが、回線上のノイズの影響を受け易く、信号の判別を誤る可能性が高まるという問題がある。
これに対して3)の方法については比較的複雑な処理ではあるが、安定で精度の高い復調器が実現できるとされている。
一般に回線上の周波数特性は理想的な特性(平坦な周波数特性)を示しておらず、周波数によって減衰量が異なる。
そのため、前記3)の方法においては、周波数偏移成分の算出時に受信レベル(振幅値)の正規化処理を行う必要がある。
理想的な周波数特性を持つ回線の場合は、この正規化処理を省略することができ、また、2つの周波数が比較的近い周波数を使用するように規格が規定されている場合には、周波数特性が平坦であるとみなすこともできる。
しかし、実際には前述のように二値に対応した2つの周波数の減衰量が異なるため、正規化処理を省略することはできない。V.23のデータチャネルのように2つの周波数が800Hzも離れると、一般的には高域側の減衰量が増大してしまう。品質の悪い回線では、10dBもの減衰差が生じることもある。
このような回線で通信を行う場合には、受信レベルの正規化処理を行わないと高ノイズ下(S/N10dB以下)における性能に影響し、十分な通信性能を得ることができない。
しかし、この正規化処理は非常に処理量がかかるため、できれば省略する方が望ましい。たとえばDSP(Digital Signal Processor)などの演算処理装置で実現している場合には、正規化処理を省略すれば、処理量が減ることにより消費電流を低く押さえることができる。
受信レベルの自動制御としては、自動利得制御(AGC)機能がある。一般的にAGC機能は受信レベルの定常安定動作をさせるように、非常に緩慢としたスピードで収束させるように機能するものである。
FSK通信方式でビットレートが高くなると、キャリア周波数の正弦波の1〜2波長分でビット(周波数)の切り替えが行われ、それを判定する必要があるが、AGCのような適応処理では1〜2波長単位での利得制御を行うほど収束スピードが早くできないため、回線の周波数特性を補正する機能にはならない。もっと瞬時に利得を調整する機能が必要である。しかし、そのような適応処理を施そうとすると、正規化処理と同じく処理量が増大してしまうことになる。
(目的)
そこで、本発明の目的は、このような従来の課題を解決し、少ない処理量で正規化処理と同様の効果を得ることができ、回線の周波数特性を補正し、精度の高い変復調装置および周波数偏移変調の復調方法、ならびにそのプログラムと記録媒体を提供することにある。
なお、本発明に係る変復調装置は、前記3つの手法からノイズに強いとされる3)の手法を採用する場合の処理量を軽減する方法を採用する。
上記目的を達成するため、本発明の変復調装置は、2つの周波数の受信レベルの比をもとに復調部前段の帯域制限フィルタ(BPF)を選択的に変更することで、2つの周波数f1,f2間の受信レベルを正規化する処理を省略しながら、正規化処理と同様の効果を得ることができるようにしたものである。
本発明の変復調装置は、周波数が異なる2つの周波数を二値信号のそれぞれの値に対応させて通信を行う周波数偏移変調:FSK(Frequency Shift Keying)通信における変復調装置(モデム)で、回線等へのI/F部(DAA(Direct Access Arrangement)回路部)と、DAA回路部を介した回線等からのアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換部と、フィルタ係数をレジスタ等のメモリに記憶した任意のフィルタ係数を変更可能なディジタルフィルタで構成された帯域制限フィルタ(BPF)とを有するFSK復調部において、二値信号に対応する2つの周波数の受信レベル比を算出する手段と、複数のBPF係数テーブルを備え、受信レベル比算出手段からの受信レベル比(補正量)をもとに、複数のBPF係数テーブルから受信レベル比を補正するための適切な係数を選択するBPF係数選択部とを有し、この係数選択部により選択されたBPF係数を前段の帯域制限フィルタの係数に置き換える。
また、前記受信レベル比算出手段は、2つの周波数(二値信号)に対する中心周波数を生成し、入力信号に中心周波数の同相成分と直交成分を乗算し複素ベクトルを生成する手段と、生成された複素ベクトルから帯域制限フィルタにより中心周波数との差分周波数に関する複素ベクトルを抽出する手段と、ビット判定タイミングで差分周波数の複素ベクトル長(振幅値)を算出する手段と、上記ビット判定タイミング毎に毎回受信レベル比を算出する手段と、算出された受信レベル比(補正量)をレジスタ等の記憶装置に記憶する手段と、A/D変換器からデータが出力されるタイミングごとに毎回算出された受信レベル比の絶対値と前記記憶装置に記憶された受信レベル比の絶対値とを比較する手段と、比較結果からより大なる受信レベル比で記憶装置の記憶内容を更新する手段と、1回目の補正の場合には記憶装置の更新された補正量を、また2回目以降の補正の場合には、1回目の補正量と今回の補正量の加算値が1回目の補正量より大きいことを条件として、1回目の補正量と今回の補正量とを加算した値をBPF係数選択部に送出する。
本発明によれば、周波数特性を持つ回線を介して入力されたFSK信号を復調する場合に、2つの周波数f1.f2間の受信レベルを正規化するための大規模なハードウェアや処理量の多いソフトウェアを不要にして、2つの周波数の受信レベルの比をもとに復調部前段の帯域制限フィルタ(BPF)を選択的に変更し、それにより回線の周波数特性を補正するので、少ない処理量で正規化処理と同様の効果を得ることができる。
また、処理の前段で利得を補正するため、後段の演算精度に有利に働くという効果が得られる。
以下、本発明の実施例を、図面により詳細に説明する。
図12は、本発明が適用される変復調装置(モデム)の概略ブロック図である。
変復調装置1は、CPU側に接続されたコントローラ2と、変調部4と復調部5からなる変復調部3から構成される。コントローラ2は、モデムとしてシーケンスを制御するための手段であり、変復調部3の変調部4はコントローラから入力されたビット列を周波数偏移変調した後、D/A変換を行い、アナログ信号(FSK変調)を伝送路に送出する手段であり、復調部5は、伝送路から入力されたアナログ信号(FSK変調)をA/D変換して帯域制限フィルタを通過させた後、周波数偏移復調を行い、ビット出力をコントローラ2に出力する。
図13と図14は、公知のFSK変復調装置の復調部の一例を示す機能ブロック図である。
なお、図13、図14では、図12のコントローラ2の部分を図示してないが、変復調装置としては規格化されている変調部が必要なことはいうまでもない。
さらに、モデムとしてシーケンスを制御するためのコントローラ2も必要であるが、これらはいずれも公知であるので、図示および説明を省略する。
図13において、回線から入力された信号は、DAA(Direct Access Arrangement)回路部11を介してA/D変換器12に入力され、ディジタルデータに変換される。A/D変換器12から出力されたFSK信号波形のディジタルデータは、ディジタルフィルタで構成された帯域分離フィルタ(BPF)13を通過し、不要な帯域外成分が除去される。そして、その出力信号がFSK復調部14に入力される。このBPF13は、FIR(有限インパルス応答)フィルタで構成されたディジタルフィルタであり、レジスタ等のメモリに記憶されたフィルタ係数を変更することで、任意の周波数特性を実現できるものである。
図14には、図13における周波数偏移復調部の詳細構成の一実施例が示されている。
入力されたFSK信号は、まず複素処理部21に入力される。複素処理部21では入力信号に中心周波数の同相成分と直交成分を乗算することで入力信号の複素処理を行い、複素ベクトルを生成する。
中心周波数をf、入力周波数をf+α、入力信号をcos(2π(f+α)t)とすると、次式(1)のように複素ベクトル(xは整数部、yは虚数部)が得られる。
x=Gcos(2π(f+α)t)×cos(−2πft)
=G/2×〔cos(2πat)+cos((2π2f+a)t)〕
y=Gcos(2π(f+a)t)×sin(−2πft)
=G/2×〔sin(2πat)−sin((2π2f+a)t)〕
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(1)
次に、得られた複素ベクトルを低域通過フィルタ(LPF)22で帯域制限することで、上式(1)の第2項を消去し、次式(2)のような差分周波数のみの複素ベクトルAを抽出することができる。
―A=(x,y)=G/2×cos(2πat),G/2×sin(2πat)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
A/D変換器12でサンプリングされたデータが入力される度に、この複素ベクトルAが抽出され、“角度成分の算出処理部23”に入力される。
次に、“角度成分の算出処理部23”で、1サンプル前の差分周波数複素ベクトルAとの角度成分が算出される。
ここで、2つの複素ベクトルのなす角度sinθで近似でき、以下のような算出式(3)で求められる。式(3)において、分母は絶対値、分子は外積をそれぞれ示している。
Figure 0004545161
次に、同期化処理部24で符号抽出タイミングを生成し、符号抽出タイミングと角度成分の符号ビットからビット判定部25で1,0のビットを決定し、ビットストリームとして出力する。
以上のような方法で、FSK信号の復調処理が行われるが、上式(3)に示したように内部演算処理にルート演算と除算が必要となり、簡単なハードウェア構成では実現できない。
すなわち、上式(3)の分母項は受信信号の振幅値(受信レベル)を示しており、回線の周波数特性が図7に示すような理想的な(平坦な)特性の場合には、上式(3)の分母項はほぼ一定とみなせるので無視することができ、ハードウェア構成を簡略化できるが、図8に示すような周波数特性を有している回線の場合には分母項は決して無視することができず、振幅値(ベクトルの長さ)の正規化は重要な要素となる。
以上の公知の技術に対して、本発明の構成は、上記のルート演算と除算処理を行わないようにするもので、処理量の軽減が期待できるものである。以下に本発明に関する動作について説明を行う。
(全体構成)
図1は、本発明の一実施例を示す復調部の機能ブロック図である。
図1において、DAA回路部31、A/D変換器32、帯域分離フィルタ(BPF)33については、図13に示した構成と同じである。本発明においては、周波数偏移復調部34の内部に新たにレベル補正量算出部35を設けるとともに、レベル補正量算出部35からのf1,f2周波数間のレベル補正量出力をもとに動作する帯域制限フィルタ係数選択部36および帯域制限フィルタ係数テーブル37を設け、帯域制限フィルタ係数選択部36によりテーブル37から入力したレベル補正量に最も近い帯域分離フィルタ33のフィルタ係数を選択して、その係数をロードして、帯域分離フィルタ33の係数を選択した係数に置き換える。
(レベル補正量算出部)
図2は、図1におけるレベル補正量算出部の詳細ブロック図である。
図2における上方のブロックはいずれもプログラムを示す機能部であり、下方の演算器50、レジスタ51、メモリ52はそれぞれハードウェアを示している。各ブロックのプログラムをハードウェアを用いて実行することにより、レベル補正量算出機能が実現される。
最初の補正量でBPF33の係数が変更されると、最初の補正が前段(BPF)にかかってしまうため、2回目以降の補正は前回の補正量が含まれていることを考える必要がある。前回の補正量(f1とf2の受信レベル比)をαとすると、2回目以降の補正量はf1との受信レベル比をα’とすると、補正量はα+α’となる。前回の補正量で十分周波数特性が補正されている場合には、|α+α’|≦|α|となるはずである。従って、2回目以降は、|α+α’|>|α|となったときにα+α’を新しい補正値として更新する処理を行う必要がある。
レベル補正量算出部35は、BPF33からの2つの周波数(二値信号)を入力して、2つの周波数に対する中心周波数を生成し、入力信号に中心周波数の同相成分と直交成分を乗算して複素ベクトルを生成する処理部41と、その複素ベクトルを入力して、帯域制限フィルタにより中心周波数との差分周波数に関する複素ベクトルを抽出する処理部42と、ビット判定タイミングで差分周波数の複素ベクトル長(振幅値)を算出する処理部43と、2つのビット(周波数)の振幅値から振幅(受信)レベル比を算出する処理部44と、算出された受信レベル比(補正量)をレジスタ等の記憶装置に記憶する処理部45と、上記ビット判定タイミング毎に毎回算出された受信レベル比の絶対値と記憶装置に記憶された受信レベル比の絶対値とを比較する処理部46と、比較結果から大きい方の受信レベル比で記憶装置の記憶内容を更新する処理部47と、補正量によってBPF係数が変更された後に補正する場合には、|α+α’|>|α|であるか否かを判定する手段48と、記憶装置の受信レベル比が更新されるタイミングで、補正量(α+α’)の値をBPF係数選択部36に送出する処理部49とを備えている。
(レベル補正量算出処理)
図5は、レベル補正量算出部の処理フローチャートである。
ここで、図1および図2に記述されている特性周波数f1,f2間の受信レベル比(補正量)の算出方法について、図5のフローにより説明する。
一般的にFSKモデムでは、最初のf1信号(マーク)を検出した後にデータハンドリングを開始する(ステップ101)。このとき、f1信号受信時のビット判定タイミングにおける振幅値(複素ベクトルA長)を算出しておき、レジスタ等のメモリに記憶しておく(ステップ103)。次に、データハンドリングが開始され(ステップ104)、f2信号(スペース)を受信すると(ステップ105)、その振幅値(複素ベクトルA長)を上記と同じようにビット判定タイミングで算出し(ステップ106)、次に、先に記憶されているf1信号の振幅値との比を算出し、その比を補正量としてレジスタ等のメモリに記憶する(ステップ107)。以後、f2信号“0”がビット判定されるタイミングで同様にf1信号の振幅値との比が算出される(ステップ105〜107)。そして、先に記憶されている補正量との比較を行うが、2回目以降の補正であるかを判断し(ステップ109)、2回目以降であれば、2回目以降の補正量をα’、前回の補正量をαとすると、|α+α’|>|α|であるか否かを判定する(ステップ110)。そして、2回目以降の場合に上記条件が満たされる場合は、(α+α’)を新しい補正量としてレジスタ等のメモリに記憶されている補正量を更新し、その補正量をBPF係数選択部36に送出する(ステップ111)。
ここで、f1信号とf2信号の符号付きの振幅比(周波数間のレベル補正量)を算出する簡単な方法の具体例をあげておく。
最初に記憶したf1信号の振幅値を元に、たとえば±10dBの範囲で1dB刻みの値(Thresh)を算出し、レジスタ等のメモリに記憶しておく(ステップ103)。
次に、f2信号を受信し“0”がビット判定されるタイミングでf2信号の振幅値を算出し、その振幅値と各Threshと比較し、f1信号に対する受信レベル比を±1.0dBの誤差範囲で特定し、補正量としてメモリ等の記憶装置に記憶する(ステップ107)。
以後、同様に“0”がビット判定されるタイミングで算出されるf2信号の振幅値と各Threshと比較し、f1信号に対する受信レベル比(補正量)を特定する。
なお、前述のように、1回目の補正ではαを補正量として係数選択部に送出するが、2回目以降の場合には、|α+α’|>|α|であるか否かを判定して、式が成立した場合に(α+α’)の補正量を係数選択部に送出する。
以上のような処理を行うことで、実際に比を求めるより処理を軽減することができる。
(BPF係数選択部)
次に、BPF係数選択部について説明を行う。
図3は、BPF係数テーブルのデータ構成図、図4は、FIR(有限インパルス応答)フィルタで構成されたディジタルフィルタのブロック図、図6は、BPF係数選択部の動作フローチャート、図7は、理想的な周波数特性曲線図、図8は、実回線での周波数特性曲線図、図9は、BPFの周波数特性曲線図(1)、図10は、BPFの周波数特性曲線図(2)、図11は、BPFの周波数特性曲線図(3)である。
帯域制限フィルタ係数選択部36は、周波数偏移復調部34のレベル補正量算出部35から2つの特性周波数f1,f2間の受信レベル比(レベル補正量)が出力されると、そのデータを元にBPF係数選択テーブル部37からより適切なBPF係数を選択して、帯域制限フィルタ部33の係数を置き換える構成になっている。
FSK変復調装置の復調部は、通常はBPFの特性として図9の実線で示すような周波数特性を持たせて帯域外の不要な信号を除去するが、図8に示すように回線の周波数特性により、f2周波数の受信レベルがf1周波数の受信レベルより減衰する。このf1とf2の受信レベル比は回線によってある程度想定可能なため、図10、図11のように周波数特性に応じたBPFの係数(1)(2)を用意し、f1・f2信号の補正量と対応させておく。図10では、高周波の減衰量が大きいため(点線の特性曲線参照)、f1の信号レベルよりf2の信号レベルを持ち上げている(実線の特性曲線参照)。図11では、さらに高周波の減衰量が大きいため、f1の信号レベルよりf2の信号レベルを図10の場合よりもさらに持ち上げている(実線の特性曲線参照)。
すなわち、復調部の帯域制限フィルタ(BPF)33であるディジタルフィルタの機能ブロックは、図4に示すように、複数個のタップTを接続して、それぞれフィルタ係数h〜hの係数を組として設定している。一方、BPF係数テーブル37には、図3に示すようなC1〜Cnの係数種別毎にh〜hの各フィルタ係数を用意しており、それぞれ図10、図11の周波数特性に対応させている。
このように、BPF係数テーブル37には、いくつかのBPF係数を用意して、テーブル参照データとしてメモリに格納しておく。
BPF係数選択部36には、入力として前述のf1・f2間のレベル補正値が入力されるので、この入力値をもとに係数テーブル37から最も近いものを選択し、BPF33に1組の係数無をロードして前段のBPF係数データをテーブルから選択されたBPF係数データ群で置き換える。
このときBPF33は、図4に示すようなFIRフィルタで構成されているので、任意のタイミングでフィルタ係数を変更しても安定しているので問題はない。
このように前段のBPF部33で回線の周波数特性を補正することによって、上述の角度成分算出時のベクトルの正規化が行われることになり、内部処理で行われる正規化のための演算処理を省略することが可能であるため、簡素な構成で性能向上を実現できる。
ところで、本発明の実施例(図1、図2)の各部はブロックで示してあり、それらは全てハード的に構成されているように見えるが、この実施例では、A/D変換器以降の処理ブロックを全てDSP(Digital Signal Processor)のソフトウェアで処理されるようになっている。しかし、これら全てをハードウェアで構成しても良いし、一部をハード的な回路で構成しても良い。
BPF係数選択部36は、図6に示すように、レベル補正量算出部35からf1,f2間のレベル補正値が送られてきたか否かを常時検出し(ステップ111)、送られてきたならば、BPF係数テーブル37を参照して、送られてきたレベル補正値を元に最も近い係数組を選択する(ステップ112)。次に、選択したBPF係数組(Cn)を帯域制限フィルタ(BPF)33にロードすることによりBPF係数組と置き換える(ステップ113)。
図5および図6に示すレベル補正量算出部およびBPF係数選択部の処理フローチャートをそれぞれプログラムに変換して、CD−ROM等の記録媒体に格納しておけば、パソコン等のコンピュータに記録媒体を装着し、プログラムをローディングして実施させることで、本発明を容易に実現することができる。なお、任意のコンピュータからネットワークを介して他のコンピュータに本発明のプログラムをダウンロードすることによっても容易に実現可能である。
本発明の一実施例を示す周波数偏移変復調装置の復調部のブロック図である。 図1におけるレベル補正量算出部の詳細ブロック図である。 本発明の一実施例を示す帯域制限フィルタ係数テーブルのデータ構成図である。 図1における帯域制限フィルタ(BPF)を構成するFIRフィルタの機能ブロック図である。 本発明の一実施例を示すレベル補正量算出部の動作フローチャートである。 本発明の一実施例を示すBPF係数選択部の動作フローチャートである。 FSK変復調器の理想的な周波数特性曲線図である。 同じく実回線での周波数特性曲線図である。 本発明におけるBPFの周波数特性曲線図(1)である。 同じくBPFの周波数特性曲線図(2)である。 同じくBPFの周波数特性曲線図(3)である。 本発明が適用される変復調装置の概略ブロック図である。 本発明が適用されるFSK変復調装置の復調部のブロック図である。 図13におけるFSK復調部の機能ブロック図である。
符号の説明
31・・・DAA回路部
32・・・A/D変換器
33・・・帯域制限フィルタ(BPF)
34・・・周波数偏移復調部
35・・・レベル補正量算出部
36・・・BPF係数選択部
37・・・BPF係数テーブル
41・・・複素ベクトル生成処理部
42・・・差分周波数複素ベクトル抽出処理部
43・・・差分周波数複素ベクトル長算出処理部
44・・・振幅レベル比算出処理部
45・・・受信レベル比の記憶処理部
46・・・タイミング毎受信レベル比の比較処理部
47・・・記憶内容の更新処理部
49・・・更新された受信レベル比送出処理部
51・・・レジスタ
52・・・演算器
1・・・変復調装置
2・・・コントローラ
3・・・変調復調部
4・・・変調部
5・・・復調部

Claims (11)

  1. 周波数が異なる2つの周波数を二値信号のそれぞれの値に対応させて通信を行う周波数偏移変調通信における変復調装置のうち、回線等へのI/F部、該I/F部を介した回線等からのアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換部と、フィルタ係数をメモリに記憶して、該フィルタ係数を任意に変更可能なディジタルフィルタで構成された帯域制限フィルタとを有する周波数偏移変復調装置の復調部において、
    上記二値信号に対応する2つの周波数の受信レベル比を算出する手段と、
    複数の帯域制限フィルタ係数テーブルを備え、上記受信レベル比をもとに上記係数テーブルから受信レベル比を補正するための係数を選択する帯域制限フィルタ係数選択手段とを有し、
    該帯域制限フィルタ係数選択手段により選択された帯域制限フィルタの係数に置き換える変復調装置であって、
    前記2つの周波数の受信レベル比を算出する手段は、前記2つの周波数に対する中心周波数を生成し、入力信号に該中心周波数の同相成分と直交成分を乗算して複素ベクトルを生成する手段と、
    生成された複素ベクトルから帯域制限フィルタにより上記中心周波数との差分周波数に関する複素ベクトルを抽出する手段と、
    ビット判定タイミングで差分周波数の複素ベクトル長を算出する手段と、
    2つの周波数の振幅値から受信レベル比を算出する手段と、
    算出された受信レベル比から補正量を算出し、該補正量を記憶装置に記憶する手段と、
    上記ビット判定タイミング毎に毎回算出された補正量と前回記憶されている補正量とを比較する手段と、
    比較結果から記憶されている補正量より大なる補正量の時に、該補正量で上記記憶装置の記憶内容を更新する手段とを有し、
    上記記憶装置の補正量が更新されるタイミングで該補正量を帯域制限フィルタ係数選択手段に送出することを特徴とする変復調装置。
  2. 請求項1に記載の変復調装置において、
    前記2つの周波数の受信レベル比を算出する手段は、周波数偏移復調部内に設けられることを特徴とする変復調装置。
  3. 請求項1もしくは請求項のいずれかに記載の変復調装置において、
    前記帯域制限フィルタのフィルタ係数を適切な係数に変更するフィルタ係数選択手段は、前記2つの周波数の受信レベル比を算出する手段から2つの周波数間のレベル補正値が入力したならば、入力値をもとに帯域制限フィルタ係数テーブルから上記レベル補正値に最も近いものを選択し、帯域制限フィルタの係数値を選択した値に置き換えることを特徴とする変復調装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の変復調装置において、
    前記帯域制限フィルタ係数テーブルは、帯域制限フィルタを構成するFIRフィルタのいくつかの帯域制限フィルタ係数を組にした複数組の係数を格納しておリ、帯域制限フィルタの係数選択手段は、レベル補正量に最も近いフィルタ係数の組を現在のフィルタ係数組に置き換えるように帯域制限フィルタにロードすることを特徴とする変復調装置。
  5. 周波数が異なる2つの周波数を二値信号のそれぞれの値に対応させて通信を行う周波数偏移変調通信における復調方法において、
    回線からI/F部を介して入力したアナログ信号をディジタル信号に変換し、メモリに記憶された係数値を任意に選択して帯域制限フィルタに設定した後、周波数偏移変復調装置で復調する復調方法であって、
    上記二値信号に対応する2つの周波数の受信レベル比を算出し、
    上記受信レベル比をもとに、帯域制限フィルタ係数テーブルから該受信レベル比を補正するための係数値を選択し、
    選択された係数値を帯域制限フィルタにロードして、現在の係数値を選択された係数値に置き換える復調方法であって、
    前記2つの周波数の受信レベル比の算出処理は、
    前記2つの周波数に対する中心周波数を生成し、入力信号に該中心周波数の同相成分と直交成分を乗算して複素ベクトルを生成するステップと、
    生成された複素ベクトルから帯域制限フィルタにより上記中心周波数との差分周波数に関する複数ベクトルを抽出するステップと、
    ビット判定タイミングで差分周波数の複素ベクトル長を算出するステップと、
    2つの周波数の振幅値から受信レベル比を算出するステップと、
    算出された受信レベル比から補正量を算出し、該補正量を記憶装置に記憶するステップと、
    上記ビット判定タイミング毎に毎回算出された補正量と前回更新記憶されている補正量とを比較するステップと、
    比較結果から記憶されている補正量より大なる補正量の時に、該補正量で上記記憶装置の記憶内容を更新するステップと、
    上記記憶装置の補正量が更新されるタイミングで該補正量を送出するステップとを有することを特徴とする復調方法。
  6. 請求項5に記載の復調方法において、
    前記2つの周波数の受信レベル比を算出する処理は、周波数偏移復調部内で処理されることを特徴とする復調方法。
  7. 請求項5もしくは請求項6のいずれかに記載の復調方法において、
    前記帯域制限フィルタのフィルタ係数の適切な係数に置き換えて変更する処理は、前記2つの周波数の受信レベル比を算出する処理により2つの周波数間のレベル補正値が入力したならば、入力された上記レベル補正値をもとに帯域制限フィルタ係数テーブルから上記レベル補正値に最も近い特性が得られる係数組を選択し、該帯域制限フィルタに該係数組をロードして、現在の係数値を選択した係数値に置き換えることを特徴とする復調方法。
  8. 請求項5から請求項7のいずれかに記載の復調方法において、
    前記2つの周波数の受信レベル比を算出する処理は、最初に記憶したf1信号の振幅値を元に、予め定めた範囲を予め定めた幅で刻んだ値を算出し、該算出値を記憶しておき、次にf2信号を受信し、f2信号の振幅値を算出し、該振幅値と記憶された値とを比較し、f1信号に対する受信レベル比を予め定めた刻み幅を誤差範囲として特定し、受信レベル比とすることを特徴とする復調方法。
  9. 請求項5から請求項のいずれか1つに記載の復調方法において、
    前記周波数偏移変復調装置の復調処理は、2つのキャリア周波数に対する中心周波数を生成し、入力周波数と該中心周波数の偏移周波数成分を抽出することにより復調することを特徴とする復調方法。
  10. 請求項5から請求項のいずれか1つに記載の復調方法の各ステップをそれぞれコンピュータに実行させるためのプログラム。
  11. 請求項5から請求項のいずれか1つに記載の復調方法の各ステップをそれぞれプログラムに変換し、変換されたプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
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