JP4545938B2 - 無線通信に関する方法及び配置構成 - Google Patents
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Description
(発明の分野)
本発明は、無線通信に関する方法及び配置構成に関し、より具体的に言えば、本分野における、無線チャネルが使用される音声通信の音声品質の推定に関する部分に関するものである。
【0002】
(発明の背景)
従来の公衆陸上移動電話網(PLMN:Public Land Mobile telephone Networks)、すなわち、セルラ無線電話システムは、陸上システムと1つ又は複数の移動局とを含む。陸上システムは、通常、少なくとも1つの移動体サービス交換センター(MSC:Mobile Sertvice switching Center)を含み、これが下記では単に基地局と呼ばれる1つ又は複数の無線基地局に接続される。1つ又は複数のMSCは、通常、公衆交換電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network)、すなわち、従来の非移動体電話システムに接続される。各基地局は、セルとして知られる地理的領域を処理する。セル内に位置する移動局は、無線インタフェースを介して基地局と通信する。移動局は、PLMN網内にいる他の移動局又はPSTNに接続された電話と、基地局及びMSCを介して通信することができる。
【0003】
現在では、基地局と移動局との間の無線通信を調整するために、複数の多重アクセス又は多重化方式が使用される。最も一般的な方法は、周波数分割多重アクセス(FDMA:Frequency Division Multiple Access)、時分割多重アクセス(TDMA:Time Division Multiple Access)、及び符号分割多重アクセス(CDMA:Code Division Multiple Access)又は符号多重化としても知られるスペクトル拡散方法である。
【0004】
FDMAでは、使用可能な無線周波数スペースがいくつかの(狭い)帯域通過チャネルに分割される。基地局と所与の移動局との間のそれぞれの通信では、帯域通過チャネルの1つが(移動局から基地局への)アップリンクに使用され、もう1つの別の帯域通過チャネルが(基地局から移動局への)ダウンリンクに使用される。そのセル内にある他の移動局は、上記のどちらの帯域通過チャネルも使用しない。充分に小さい帯域幅ですべてのタイプの帯域幅変調(デジタル及びアナログの両方の)が使用される。FDMAシステムは同期化を必要としない。FDMAは主に、例えば、北欧移動体電話システム(NMT:Nordic Mobile Telephone system)及び高性能移動体電話システム(AMPS:Advanced Mobile Phone System)などの、旧式のアナログPLMNで使用されている。
【0005】
使用可能な無線周波数空間は、通常は、TDMAシステムのいくつかの帯域通過チャネルにも分割され、これら後者の帯域通過チャネルは、FDMAシステムの場合よりもかなり多くの帯域幅を有する。但し、理論上、使用可能な無線周波数空間は単一の帯域通過チャネルからなる場合がある。所与の移動局と基地局との間の通信に関して、理論上は、帯域通過チャネルの1つがアップリンクとダウンリンクの両方に使用できるはずであるが、通常は帯域通過チャネルの1つがアップリンクに使用され、前記チャネルのもう1つがダウンリンクに使用される。但し、前述の移動局と基地局は2つの帯域通過チャネルへの常時アクセスを有しておらず、これらのチャネルを、いわゆるタイム・スロットと呼ばれる所定の時間間隔に渡って使用できるだけである。アップリンクに使用されるタイム・スロットは、通常、ダウンリンクに使用されるタイム・スロットを基準にしてタイムシフトされ、これはすなわち、移動局が送受信を同時に行わないということである。TDMAは、いくつかのデジタルPLMNで使用される。例えば、GSM(Grobal System for Mobile Communications)及びD−AMPSシステム(デジタルAMPS)などで使用されている。
【0006】
通常、スペクトル拡散方法を、FDMAアクセス方法及びTDMAアクセス方法を表現するのに使用するのと同じ簡単な用語で言い表すことはできない。但し、スペクトル拡散方法に共通の特徴は、同時に伝送される情報よりもかなり帯域幅の大きい無線信号を使用することであり、その結果、耐干渉性が良くなる。最も一般的なスペクトル拡散方法は、周波数ジャンプ及び直接拡散(DS:Direct Sequence)システムである。例えば、米国標準IS−95(暫定標準)には、DSシステム形式の1つが記載されている。
【0007】
デジタルPLMNシステムでは、マイクロフォンで録音された音(音声)が離散化及びデジタル化される。デジタル化された音声は、さらに音声符号器を使って圧縮される。音声符号器からのデジタル情報は、エラー修正符号でチャネル符号化され、フレーム内にある他のデジタル情報と組み合わせられて、無線インタフェースを介して伝送される。TDMAシステムの場合、通常は、各タイム・スロットで1フレームが伝送される。したがって、各フレームには音声を表すいくつかのビットが含まれる。音声ビットは、通常、音声再生に関する重要性を基準にして、クラス別に分けられる。D−AMPSシステムでは、各フレームに244の音声ビットが含まれ、これが1A、1B、及び2と指定されたクラスに分けられる。クラス1Aに属する音声ビットが、音声再生に関して最も重要である。クラス1Aに属する音声ビットの1つに誤りがあると、音声はそのフレームから再生できず、以前に受け取ったフレームを考慮に入れるアルゴリズムを使用して生成しなければならない。但し、音声の再生は、クラス1B及び2に属する音声ビットでのエラーにはそれほど敏感ではない。さらにエラー修正符号化により、ビット・エラーの合計数がそれほど多くなければ、音声ビット内のビット・エラーを修正することができる。フレームの1つが音声の再生に使用できなくなったときに、フレーム消去が発生したと言われる。本明細書では、時間単位当たりのフレーム消去数をフレーム消去率(FER:Frame Erasure Rate)と呼ぶ。
【0008】
もちろん、移動局のユーザは、受け入れられる音声品質を常時得ることになる。但し、音声品質はユーザの主観的評価である。一般に、PLMNシステムは、ユーザが音声品質をどのように体験したかを実際に尋ねることはできないため、客観的で測定可能なパラメータを基礎として音声品質を推定しなければならない。音声品質は、現在のPLMNシステムでは通常、ビット・エラー率(BER:Bit Error Rate)、言い換えれば、伝送される合計ビット数に対するビット・エラーの割合を使用して推定され、通常は、パーセント又は移動局によって受信される信号の強さ、あるいはこれらパラメータの組み合わせによって現わされる。
【0009】
PLMNシステムでは、音声品質が極端に悪い場合、いくつかの方法を実行することができる。1つのオプションはチャネルの切換えである。こうした状況では、チャネルの切換え又は変更のことをハンドオフ又はハンドオーバと呼ぶ。ちょうどその時点で移動局が通信している基地局に対し割り振られたチャネルに、チャネルの変更が行なわれる場合、これは内部セル・ハンドオフと呼ばれる。他方、前記基地局とは別の基地局に対し割り振られたチャネルに変更が実行される場合、これは外部セル・ハンドオフと呼ばれる。音声品質を改善するために試行される他のオプションは、基地局の伝送パワーを向上させるためのものである。但し、音声品質を改善するために実施されるこれらの方法には、独自の問題がある。ハンドオフを過度に使用すると、ハンドオフがユーザにより妨害とみなされる音声伝送の中断を招くので、音声品質が損なわれる可能性がある。ハンドオフが実行されたときに、進行中の呼が完全に失われる危険性もある。ハンドオフ手順は、PLMNシステムのプロセッサ容量にもかなりの負担を与える。ハンドオフを実行できるようにするためにチャネルを予約しておく必要があるので、PLMNシステムの容量の使用も損なわれる。基地局の伝送パワーを上げると、その結果PLMNシステムにかなりの干渉を発生させ、これがさらに容量の活用を損なうことになる。
【0010】
前述の内容から、音声品質の主観的な判定にかなり近い程度の音声品質を推定するために、PLMNシステムで使用できる客観的な方法を得ることが好ましいことを理解されよう。これにより、いくつかの不必要なハンドオフ手順を減らすか又はなくすことができる。さらに、基地局からの伝送パワーもそれほど高くする必要がないため、結果的に干渉が少なくなる。
【0011】
(発明の概要)
本発明は、主に、デジタル無線電話システム(PLMN)において移動局と基地局との間で音声通信を行うために、無線チャネルを使用して達成される音声品質を客観的に推定する問題に対処するものであって、これによって受け取られる音声品質の推定は、ユーザの音声品質に対する主観的評価に可能な最高の範囲まで一致するものでなければならない。
【0012】
端的に言えば、前述の問題は以下の内容に従って解決される。無線チャネルに関連付けられたビット・エラー率が測定される。無線チャネルに関連付けられたフェーディング周波数も測定される。この状況では、フェーディング周波数は、移動局と基地局との間の電波のマルチパス伝播により自己干渉が弱め合う結果として、単位時間当たりで受け取られる信号の強度が大幅に損なわれる回数を意味する。したがって、フェーディング周波数は、無線環境及び移動局の速度に影響される。本発明により、音声品質は、測定されたビット・エラー率及び測定されたフェーディング周波数を使用して推定され、これにより、ユーザの音声品質の推定にかなり近い推定を達成することができる。
【0013】
したがって、本発明の主な目的は、例えばより効率の良いハンドオフ手順ならびに移動局と基地局のより効率の良い伝送パワーの制御の結果として、無線電話システムでの音声の品質及び容量の活用を改善できるように、音声品質の改善された客観的な推定を得ることである。本発明は、この目的を達成するための方法及び配置構成に関する。
【0014】
より明示的に言えば、前述の問題は次のように解決される。移動局で取得される音声品質を推定する場合、無線チャネルのダウンリンク上にある前記移動局でビット・エラー率が測定される。代わりに、基地局で取得される音声品質を推定する場合、無線チャネルのアップリンク上にある基地局でビット・エラー率が測定される。本発明によれば、フェーディング周波数が移動局で測定されるか基地局で測定されるかにかかわらず、同一の測定値を使用することができるので、フェーディング周波数は、ダウンリンク上にある移動局又はアップリンク上にある基地局のどちらでも測定することができる。但し、好ましい実施形態では、通常は、移動局に比べて基地局の方が測定プロセスを実行するためのプロセッサへのアクセス容量が多いため、フェーディング周波数は基地局で測定される。音声品質は、ユーザがビット・エラー率及びフェーディング周波数に関連して音声品質をどのように知覚するかを示す実験データを使用して、測定されたビット・エラー率及び測定されたフェーディング周波数に基づいて推定される。
【0015】
本発明によって与えられる重要な利点の1つは、音声品質がPLMNにおいて効率的な方法で客観的に推定できるようになることであり、これによって、PLMNにおける一般的な音声品質及び容量の利用を改善することができる。
【0016】
次に本発明について、好ましい例示的な実施形態を参照し、さらに添付の図面も参照しながらより詳細に説明する。
【0017】
(好ましい実施形態の説明)
図1は、通信システム1を記載したブロック構成図である。通信システム1はデジタルPLMN3を含む。PLMN3は、第1、第2、及び第3基地局BS1、BS2、及びBS3に回線によって接続された第1MSC5(移動体サービス交換センター)を含む。第1、第2、及び第3基地局BS1、BS2、及びBS3は、それぞれセルC1、C2、及びC3を処理するようにされる。第1移動局MS1は、第1基地局BS1によって処理されるセルC1内に配置され、第2移動局MS2は、第2基地局BS2によって処理されるセルC2内に配置され、第3及び第4移動局MS3及びMS4は、第3基地局BS3によって処理されるセルC3内に配置される。PLMN3は、第2及び第3MSC7及び9も含み、これらの交換センターは、相互にならびに第1MSC5に、接続回線によって接続される。第1MSC5と同様に、第2MSC7は接続回線によって第1グループの基地局に接続され、図1ではこれら基地局の1つが参照番号11によって識別されている。第1グループにある基地局11は、関連付けられたセルを処理するようにされ、図1ではこれらのセルの1つが参照番号13によって識別されている。移動局(図示せず)は、第1グループの基地局11に対応するセル13内にも配置される。第3MSC9は回線によって第2グループの基地局に接続され、図1では前記基地局の1つが参照番号17によって識別されている。第2グループにある基地局17は関連付けられたセルを処理するようにされ、図1では前記セルの1つが参照番号15によって識別されている。移動局(図示せず)は、第2グループの基地局17に対応するセル15内にも配置される。
【0018】
図1の通信システム1は、PSTN(公衆交換電話網)19、言い換えれば従来の(非移動体)電話システムを含む。第1MSC5はPSTN19に接続される。第1(非移動体)電話21がPSTN19に接続される。
【0019】
図1に示された通信システム1は、第1移動局MS1が通信システム1内の他のユニットと通信可能にするように適合される。したがって、第1移動局MS1は、例えば第1基地局BS1、第1MSC5、及び第2基地局BS2を介して、第2移動局MS2と通信することができる。第1移動局MS1は、第1基地局BS1、第1MSC5、第2MSC7、及び第1グループにある基地局11を介して、第1グループの基地局11に対応するセル13内の移動局とも通信することができる。第1移動局MS1は、もちろん、第2グループの基地局17に対応するセル15内にある移動局と対応して通信することができる。第1移動局は、第1基地局BS1、第1MSC5、及びPSTN19を介して、第1電話21と通信することもできる。
【0020】
図2は、第1移動局MS1及び第1基地局BS1をより詳細に示す構成図である。第1基地局BS1は、アンテナ近接部分27に接続されたアンテナ・ユニット25を含む。第1基地局BS1は、アンテナ・ユニット25に対してトランシーバ31のインタフェースを形成するアンテナ近接部分27に接続された、トランシーバの配列を有するモデム部分29も含む。第1基地局BS1は、トランシーバ31が接続された制御部分33も含む。制御部分33は、第1基地局BS1の動作を制御し、第1基地局BS1を第1MSC5に接続する回線に対してインタフェースを形成するようになっている。第1基地局BS1は、電源部分35も含む。
【0021】
図2は、通信システム1内にある他のユニット、例えば第2移動局MS2と音声通話中の第1移動局MS1を示す図である。第1基地局BS1と第1移動局MS1との間の無線通信は、アップリンク39及びダウンリンク41を有する無線チャネル37上で実行される。PLMN3は、TDMAを使用するようになっている。したがって、図示された例では、アップリンク39は第1帯域通過チャネルにある第1タイム・スロットのシーケンスからなり、ダウンリンク41は対応する様式の第2帯域通過チャネルにある第2タイム・スロットのシーケンスからなる。音声ビットを含むフレームが、第1タイム・スロット・シーケンスで、第1移動局MS1から第1基地局BS1へ送られ、それに対応して、第2タイム・スロット・シーケンスで、音声ビットを含むフレームが第1基地局BS1から第1移動局に送られる。第1移動局MS1は、所定の測定期間に渡り、ダウンリンク41上の平均信号強度SSa及びビット・エラー率(BER)を測定するために機能する。第1移動局MS1は、測定された平均信号強度SSa及び測定されたビット・エラー率BERに関する情報を、制御チャネル43を介して第1基地局BS1に送信するようにもなっている。
【0022】
第1無線基地局BS1からダウンリンク41で送信された無線信号は、ビル、車、又は環境内の何らかの他の物体など様々な物体に対する反射により、通常、様々な経路に沿って第1移動局MS1に達する。様々な経路に沿って所与の地点に伝播された信号間の波長の差異が、信号間の約180°の位相シフトに対応する場合、弱め合う干渉によって信号は消えることになる。この現象は、レイリー・フェーディングとして知られており、当分野の技術者に非常によく知られている。レイリー・フェーディングは、第1基地局BS1からの無線信号の強度が、スペース内のある地点では完全に消滅するか又は非常に低いことを暗示する。第1移動局MS1がこのスペース内で移動する場合、信号強度が非常に低いか又は無いこれらの地点を時折通過することになり、これによって、第1移動局が受け取る信号強度は完全に消滅するか、又はそれに対応して非常に低くなる。対応して、第1移動局MS1の前記スペース内の位置に応じて、無線信号が第1移動局MS1から送信されると第1基地局BS1でレイリー・フェーディングが発生する。この現象は当分野の技術者によく知られている。レイリー・フェーディングが発生した結果、第1移動局MS1、又はこの場合には第1基地局BS1によって受け取られる信号強度がかなり弱まる周波数のことを、通常、フェーディング周波数と呼ぶ。フェーディング周波数は、一方ではレイリー・フェーディングを発生させる地点の前記スペース内での密度に応じて、また他方では第1移動局MS1が移動する速度に応じて変化する。
【0023】
図3は、4つのフレームR1〜R4が、ダウンリンク41を介して第1移動局MS1にどのように送信されるかを概略的に示すタイミングチャートである。
【0024】
図4は、ダウンリンク41上で第1移動局MS1によって受け取られる瞬間信号強度SSを概略的に表す曲線49を示す対応するタイミングチャートである。図4の曲線には、そのうちの1つに参照番号51が付けられたいくつかの谷があり、ここではスペース内でレイリー・フェーディングが発生する地点を第1移動局MS1が通過する結果、信号強度SSが非常に低くなる。図4の谷51が、第1フレームR1及び第4フレームR4でそれぞれ比較的多くのビット・エラーを発生させるのに対して、第2フレームR2及び第3フレームR3は、それぞれ谷51によってほとんど影響を受けない。第1及び第4フレームはエラー修正符号で符号化されるが、これらのフレームを消去させるほど多くのビット・エラーがあるので、その結果音声品質が低下する。
【0025】
図5は、ダウンリンク41上で第1移動局MS1によって受け取られる瞬間信号強度SSがたどる代替コースを概略的に表す曲線53を示すタイミングチャートである。図5の曲線53には、レイリー・フェーディングによって発生するいくつかの谷があり、これらの谷のうち1つに参照番号55が付けられている。但し、例えば、第1移動局MS1がより高速で移動しているか、又はスペース内でレイリー・フェーディングの発生する地点がより密集していることによって、フェーディング周波数が図4よりも大きい。図5の谷55は、フレームR1〜R4のすべてでビット・エラーを発生させる。但し、図4の谷51及び図5の谷55は、同じビット・エラー率を発生させる。図5で谷55によって発生するビット・エラーは、様々なフレームR1〜R4でより均一に分配されるため、エラー修正符号化がビット・エラーを修正できる可能性が増加し、それによってフレーム消去の確率が減少する。
【0026】
第1基地局BS1は、アップリンク39上のフェーディング周波数を測定するための手段45を含む。フェーディング周波数測定手段45はトランシーバ31に接続され、例示のケースでは、関連付けられたソフトウェア(図示せず)を有するコンピュータを含む。
【0027】
本発明によれば、アップリンク39上の第1基地局BS1で測定されるフェーディング周波数が、一般に、ダウンリンク41上の第1移動局で測定されるフェーディング周波数に対応することが観測されている。これは、電磁波が、第1基地局BS1から第1移動局MS1へ伝播するのと同様の方法で、第1移動局MS1から第1基地局BS1へ伝播するためであり、したがって、反射によって生じる弱め合う自己干渉は、アップリンク39上とダウンリンク41上でそれぞれ同じコースをたどることになる。したがって、フェーディング周波数が、アップリンク39上の第1基地局BS1で測定されるか、ダウンリンク41上の移動局で測定されるかは、どちらの場合も本質的に同じ測定値が得られることになるので、無関係である。例えば図2の例では、第1基地局BS1の方が第1移動局MS1よりも、こうした測定プロセスに関する容量が大きいため、フェーディング周波数は第1基地局BS1で測定される。
【0028】
フレーム消去は、ユーザが第1移動局MS1を使用して取得する音声品質の推定に大きな影響を与える。したがって、図3から図5を参照した考察によれば、ユーザが体験する音声品質は、一部はダウンリンク41上のビット・エラー率によって影響され、一部はダウンリンク41上のフェーディング周波数によって影響されるものであることが理解されよう。ビット・エラー率が固定値の場合、音声品質はフェーディング周波数と積極的な(増大する)関係を有することになる。それに対応して、フェーディング周波数が固定値の場合、音声品質はビット・エラー率と消極的な(減少する)関係を有することになる。
【0029】
音声品質は、例えばユーザが体験した音声品質に、ビット・エラー率及びフェーディング周波数の異なる値に対応する格付けを(例えば0から5などの所定のスケールに従って)与える実験によって明らかにすることができるが、最終的に、音声品質はユーザの主観的体験である。ユーザの主観的な音声品質の推定を処理する方法の1つが、ビット・エラー率(BER)及びフェーディング周波数(f)の関数である品質関数Q(BER,f)を定義することである。この場合、品質関数Q(BER,f)の目的は、所定の正確度を使用し、実験的に観測されたビット・エラー率及びフェーディング周波数に関して、ユーザが音声品質をどのように体験するかを反映させることである。例えば、ビット・エラー率の値及びフェーディング周波数の値を所定の数だけ組み合わせて、ユーザの音声品質の評価を示すテーブルにまとめることができる。品質関数Q(BER,f)は、まとめられたテーブルを基礎として定義され、これによって、前記空間内の第1移動局MS1の位置に応じたビット・エラーの率と、テーブルに含まれないフェーディング周波数との組み合わせに対応する品質関数の値が、テーブルにリストされた値からの補間などによって取得される。あるいは、品質関数Q(BER,f)を、いくつかの定数を含む所定の数学的仮説を基礎として定義することが可能であって、前記定数は、所定の数学的仮説がユーザによる音声品質評価の可能な最高近似を与えるように、体験を基礎として決定される。品質関数Q(BER,f)は、Q(BER,f)=a・BER+b・fに従って直線的に設定され、この式でa及びbは実験に基づいて決定されるものであって、その結果、線形の仮説が、ビット・エラー率(BER)及びフェーディング周波数(f)に比例して、最大限可能な範囲でユーザの音声品質の推定を近似する。
【0030】
図6は、ビット・エラー率(BER)に対応する縦軸と、フェーディング周波数(f)に対応する横軸とを有する図である。図6には、6つの等品質曲線C1〜C6、すなわち一定の音声品質に対応する曲線が含まれている。したがって、等品質曲線C1〜C6は、それぞれ品質関数Q(BER,f)の定数値Q1〜Q6に対応する。等品質曲線C1〜C6は正の勾配を有し、これは品質面からのビット・エラー率の増加が、フェーディング周波数の増加によって補償されることを反映する。
【0031】
例えば、品質関数Q(BER,f)の値Q3を、許容される最低の音声品質に対応する品質値の所定のしきい値QTとしてみる。図7は、この第3等品質曲線C3のみを、図6と同様に図示したものである。したがって、第3等品質曲線C3上又はこれよりも下にあるすべての地点が、音声品質が許容されるビット・エラー率とフェーディング周波数との組み合わせに対応する。第3等品質曲線C3より上の地点は、音声品質が許容されないビット・エラー率とフェーディング周波数との組み合わせに対応する。フェーディング周波数の所与の値f*の場合、図7に示すように、第3等品質曲線C3が、ビット・エラー率のしきい値BERT(f*)を定義する。ビット・エラー率のしきい値BERT(f*)は、音声品質が所与のフェーディング周波数値f*で許容できる最大のビット・エラー率の値を表す。別のアプローチによれば、図7に示すように、ビット・エラー率の所与の値BER*に関する第3等品質曲線C3は、フェーディング周波数のしきい値fT(BER*)を定義する。フェーディング周波数のしきい値fT(BER*)は、音声品質が所与のビット・エラー率BER*の値で許容できる最小のビット・エラー率の値を表す。
【0032】
図7に示される第3等品質曲線C3は、比較的複雑な形状を有する。実際に使用する場合には、より単純な曲線形状で第3等品質曲線C3を近似することができる。図8は、第1及び第2曲線形状61及び63を使用して、第3等品質曲線C3(破線)がどのように近似されるかを示した図6及び図7に類似した図である。第1曲線形状61は、第3等品質曲線C3の直線近似である。第2曲線形状63は、第3等品質曲線C3がステップ関数を使用して近似されることを暗示する。ステップ関数は、第3等品質曲線C3をより良く近似するためにいくつかのステップを含むことができるが、図8では、第2曲線形状63が1つのステップを備えたステップ関数に対応している。
【0033】
第3等品質曲線C3又はその近似を取得するために、品質関数Q(BER,f)を介する迂回ルートをとる必要はない。別法として、第3等品質曲線C3又はその近似を得ることを意図した実験を行うことができる。
【0034】
図9は、第1移動局MS1を使用して取得される音声品質を客観的に推定する方法の一例を示すフローチャートである。
【0035】
図9に記載された手順は、スタート71の後に第1ステップ73を開始し、ここで、第1移動局MS1によってダウンリンク41上のビット・エラー率BERが測定され、第1基地局BS1によってアップリンク39上のフェーディング周波数fが測定される。あるいはその代わりに、第1移動局MS1によってダウンリンク41上のフェーディング周波数fが測定される。測定されたビット・エラー率BERに関する情報は、第1移動局MS1から第1基地局BS1に制御チャネル43で送信される。
【0036】
図9に示された方法は第2ステップ75に進み、ここで、第1基地局BS1により、測定されたビット・エラー率BER及び測定されたフェーディング周波数fに関して品質関数Q(BER,f)が評価される。あるいは、品質関数Q(BER,f)は、例えば第1MSC5内又はPLMNの何らかの他のノード内など、他のどこかで評価することもできる。図9に示された例の場合、品質関数Q(BER,f)は、実験データを一覧したテーブルを基礎として記述され、第1基地局BS1内のメモリ(図示せず)に格納される。あるいは、品質関数Q(BER,f)は、何らかの他の方法で、例えば前述のような数学的仮説などを基礎として定義することができる。図9の例では、品質関数Q(BER,f)を、品質関数Q(BER,f)が高い値をとるほど音声品質が良くなるように定義するか、あるいはその逆の方法で、品質関数Q(BER,f)の値が高いほど音声品質が悪くなるように定義することもできる。
【0037】
図9に記載された方法は、第3ステップ77に進み、ここで第1基地局BS1が、推定された品質関数Q(BER,f)を基礎として音声品質が許容できるか否かを決定する。この時点で、推定された品質関数がしきい値QTと比較される。推定された品質関数Q(BER,f)がしきい値QTを超えない場合、音声品質は許容できるとみなされる。図9の例では、しきい値QTは第1基地局BS1のメモリ・デバイス(図示せず)に格納された所定の値である。あるいは、しきい値QTは、例えばPLMN3上でのトラフィックの負荷に呼応して変化する値であってもよい。しきい値QTは、例えばトラフィックの負荷が高い場合は低い方の音声品質に対応して変化し、トラフィックの負荷が低い場合は高い方の音声品質に対応して変化する。図9に示された方法は、第3ステップ77の後、ストップ79で示されるように終了する。
【0038】
図9に示された方法は、もちろん、アップリンク39上で第1基地局BS1が取得する音声の品質を推定するために、必要な変更を加えて使用することができる。本来、このような場合には、ビット・エラー率はアップリンク39上の第1基地局BS1で測定されることになる。
【0039】
第1基地局BS1は、図9に記載された方法あるいは本発明による代替方法を実行するための手段を含む。例えば、第1基地局BS1はこのために、コンピュータ及び関連付けられたソフトウェア、又はハードウェア構成要素を有する回路、あるいはこれらの手段の組み合わせを含む。したがって、本発明は、図9に記載された方法及び本発明による代替方法を実行するための配置構成をも含む。
【0040】
図10は、第1移動局MS1を使用して取得される音声品質を客観的に推定するための、本発明の他の方法の一例を示すフローチャートである。
【0041】
図10に記載された方法は、スタート81の後に第1ステップ83を開始し、ここで、第1移動局MSによってダウンリンク41上でビット・エラー率BERが測定され、第1基地局BS1によってアップリンク39上でフェーディング周波数fが測定される。あるいは、第1移動局MSによってダウンリンク41上でフェーディング周波数fが測定され、これによって測定されたフェーディング周波数fに関する情報は、第1基地局に送信される。測定されたビット・エラー率BERに関する情報は、第1移動局MS1から第1基地局BS1に制御チャネル43で送信される。
【0042】
図10に記載された方法は第2ステップ85に進み、ここでビット・エラー率に関するしきい値BERT(f)が、測定されたフェーディング周波数fとは関係なく選択される。ビット・エラー率に関するしきい値BERT(f)は、第3等品質曲線C3に対応するデータ、又は第3等品質曲線C3を近似する曲線形状を記述したデータを含むしきい値テーブルから選択される。しきい値テーブルは、例えば第1基地局BS1に配置された記憶デバイス(図示せず)に格納される。上記で説明したように、しきい値テーブルは、所定数のフェーディング周波数の値に関するビット・エラー率のしきい値を定義するものである。このテーブルに、測定されたフェーディング周波数fに対応する値が含まれていない場合、ビット・エラー率に関するしきい値BERT(f)は、しきい値テーブル内で見つけられた値から補間などによって選択される。
【0043】
図10に記載された方法は第3ステップ87に進み、ここで測定されたビット・エラー率BERが、ビット・エラー率に関して選択されたしきい値BERT(f)を超えているか否かが決定される。第3ステップ87で、測定されたビット・エラー率BERが、ビット・エラー率に関して選択されたしきい値BERT(f)を超えていると判定されると、音声品質は許容できないものであり、第4ステップ89に進んで、音声品質が許容できないことが報告される。これに対して、第3ステップ87で、測定されたビット・エラー率BERが、ビット・エラー率に関して選択されたしきい値BERT(f)を超えていないと判定されると、音声品質は許容できるものであり、第5ステップ91に進んで、音声品質が許容できることが報告される。図10に記載された方法は、第4ステップ89又は第5ステップ91の後、ストップ93で示されるように終了する。
【0044】
図10に記載された方法は、もちろん、アップリンク39上で第1基地局BS1が取得する音声の品質を推定するために、必要な変更を加えて使用することができる。このような場合には、もちろんビット・エラー率はアップリンク39上の第1基地局BS1で測定されることになる。
【0045】
図10に記載された方法の代替の方法として、第2ステップ85が、測定されたビット・エラー率BERに従ってフェーディング周波数しきい値fT(BER)が代わりに選択されるステップに置き換えられる。但し、同じしきい値テーブルを使用することができる。測定されたフェーディング周波数fが、選択されたフェーディング周波数しきい値fT(BER)よりも下の場合、音声品質は許容できないとみなされる。そうでなければ、音声品質は許容できるとみなされる。
【0046】
第1基地局BS1は、図10に記載された方法及び本発明による代替方法を実行するための手段を含む。例えば、第1基地局BS1は、このためにコンピュータ及び関連付けられたソフトウェア、又はハードウェア構成要素を有する回路、あるいはこれらの手段の組み合わせを含む。したがって、本発明は、図10に記載された方法及び本発明による代替方法を実行するための配置構成にも関するものである。以上、無線チャネル37上で音声品質を客観的に推定するための、本発明の方法及び本発明の配置構成について述べてきた。本発明によれば、これらの方法及び配置構成が、PLMN3における音声品質及び容量使用を改善するために、PLMN3において、ハンドオフ手順やパワー調整手順で使用することも提案される。
【0047】
したがって、図11は、PLMN3でチャネルを割り振る方法を記載したフローチャートの一例を示す。
【0048】
図11に記載された手順は、スタート97の後に第1ステップ99を開始し、ここで第1移動局MS1によってダウンリンク41上でビット・エラー率BER及び平均信号強度SSaが測定され、第1基地局BS1によってアップリンク39上でフェーディング周波数が測定される。測定されたビット・エラー率BER及び測定された平均信号強度SSaに関する情報が、第1移動局MS1から第1基地局BS1に制御チャネル43で送信される。
【0049】
図11に記載された方法は第2ステップ101に進み、ここで、測定された平均信号強度SSaが十分高いか否かが第1基地局によって判定される。この時点で、測定された平均信号強度が所定の値と比較され、これによって、測定された平均信号強度が所定の値を超える場合は、強度が充分であるとみなされる。図11に記載された方法の第2ステップ101で、測定された平均信号強度が充分強いと判定された場合第3ステップ103に進み、そうでない場合手順は第1ステップ99から再開される。
【0050】
図11に記載された方法又は手順の第3ステップ103では、測定されたフェーディング周波数fに従って、ビット・エラー率に関するしきい値BERT(f)が選択される。これは、図10に記載された方法で実行されるのに対応して実行される。
【0051】
図11に記載された方法は第4ステップ105に進み、ここで、測定されたビット・エラー率BERが、ビット・エラー率に関して選択されたしきい値BERT(f)を超えるか否かが判定される。第4ステップ105で、測定されたビット・エラー率BERが、ビット・エラー率に関して選択されたしきい値BERT(f)を超えないと判定されると、音声品質は許容できないとみなされ、第1ステップから再開される。そうでない場合、音声品質は許容できるとみなされ、第5ステップ107に進む。図11に記載された方法の第5ステップ107は、内部セル・ハンドオフの実行に関係する。この点で、第1基地局は内部セル・ハンドオフで第1MSC5に要求を送信する。第1MSC5は、内部セル・ハンドオフを実行する新しい無線チャネルを選択し、選択された新しい無線チャネルに関する情報を第1基地局BS1に送信し、次に第1基地局BS1が、選択された新しい無線チャネルに関する情報を第1移動局MS1に送信する。その後、第1移動局MS1及び第1基地局BS1が、選択された新しい無線チャネル上での通信を確立する。その後、図11に記載された方法は、第5ステップ107の後に、第1ステップ99から再開されるが、もちろん、測定は選択された新しい無線チャネルを参照して行われる。
【0052】
音声品質は、図9に記載された方法で推定されるのと同じ方法で、測定されたビット・エラー率BER及び測定されたフェーディング周波数fを基礎とし、さらに、測定されたフェーディング周波数fを条件とするビット・エラー率に関するしきい値BERT(f)を使用して、図11に記載された方法で推定される。図11に記載された方法の代替方法では、音声品質は、測定されたビット・エラー率BERを条件としてフェーディング周波数しきい値fT(BER)を用いて推定されるか、又は前述のように品質関数Q(BER,f)を用いて推定される。
【0053】
PLMN3は、図11に記載された方法又は本発明による代替方法を実行するための手段を含む。例えば、第1基地局BS1はこのために、コンピュータ及び関連付けられたソフトウェア、又はハードウェア構成要素を有する回路、あるいはこれらの手段の組み合わせを含む。したがって、本発明は、図11に記載された方法及び本発明による代替方法を実行するための配置構成にも関するものである。
【0054】
図12は、例えば第1基地局BS1の伝送パワーを調整する方法を示すフローチャートである。
【0055】
スタート111の後、図12に記載された方法は第1ステップ113で開始され、ここで、ビット・エラー率BERはダウンリンク41上の第1移動局MS1で測定され、フェーディング周波数fはアップリンク39上の第1基地局BS1で測定される。測定されたビット・エラー率BERに関する情報は、第1移動局MS1から第1基地局BS1に、制御チャネル43で送信される。
【0056】
図12に記載された方法は第2ステップ115に進み、ここで、測定されたフェーディング周波数fを基礎として、ビット・エラー率に関するしきい値BERT(f)が選択される。その後の手順は、図10に記載された方法で行われる手順に対応する。
【0057】
図12に記載された方法は第1ステップ117に進み、ここで、測定されたビット・エラー率BERが、ビット・エラー率の選択されたしきい値BERT(f)を超えるか否かが判定される。この時点で、測定されたビット・エラー率BERが、ビット・エラー率の選択されたしきい値BERT(f)を超えると判定された場合、第1移動局MS1で取得された音声品質は許容可能な品質よりも低いため、図12に記載された方法は第4ステップ119に進む。
【0058】
図12の第4ステップ119では、第1移動局MS1で取得される音声品質が改善されるように、第1基地局BS1の伝送パワーがダウンリンク41上で増加される。第1基地局BS1は、C/I値(搬送波対干渉比)がビット・エラー率にどのように関係するかを記述するデータを含むC/Iテーブルが格納された、メモリ・デバイス(図示せず)を含む。以下の表1は、こうしたC/Iテーブルの1つの公式化を例示したものである。表1の第1列は、いわゆるBERクラスであって測定されたビット・エラー率を開示し、第2列は、それぞれBERクラスに対応するビット・エラー率の値を開示している。最後の第3列は、それぞれBERクラスに対応するC/I値v0〜v7を開示している。v0〜v7の数値は、どの移動体電話システムが使用されるか、及び当該移動体電話システムでの条件によって異なる。当業者であれば、制御された環境下で測定及び実験を実行するか、又はシミュレーションを行うかのいずれかによって、当該移動体電話システムにおいて、それぞれのBERクラスとそれぞれのC/I値v0〜v7との間の関係を確立することができよう。例えば、所与のC/I値を生成するように実験が行われ、対応するビット・エラー率が受信側ユニットで測定される。
【0059】
【表1】
【0060】
第1基地局BS1は、C/Iテーブルを用いて、測定されたビット・エラー率BERに対応する第1C/I値vi(dB単位で測定)、ならびにビット・エラー率の選択されたしきい値BERT(f)に対応する第2C/I値vj(dB単位で測定)を生成する。第1基地局BS1は、第1C/I値viと第2C/I値vjとの差異(vi−vj)に対応する程度だけ、伝送パワー(dB単位で測定される)を増加させる。
【0061】
図12に記載された方法は、第4ステップ119が完了すると、第1ステップ113から再開される。図12に記載された方法は、第3ステップ117で、測定されたビット・エラー率BERが、ビット・エラー率の選択されたしきい値BERT(f)を超えないことが判定されるまで、これまでに記載されたステップを続行する。
【0062】
図12に示された第3ステップ117で、ビット・エラー率がビット・エラー率の選択されたしきい値を超えないことが判定されると、図12に記載された方法は、第5ステップ121に進む。第5ステップでは、測定されたビット・エラー率がビット・エラー率のしきい値より下か否かが判定される。
【0063】
第5ステップ121で、ビット・エラー率がビット・エラー率のしきい値より下でないことが判定されると、図12に記載された方法は第1ステップ113から再開される。
【0064】
その代わりに、図12の第5ステップ121で、ビット・エラー率がビット・エラー率のしきい値より下であることが判定された場合は、その後、第1移動局で取得される音声品質はまさに許容可能な程度よりも良いものであり、第6ステップ123に進む。第6ステップ123では、第1基地局BS1の伝送パワーを減少させる。この時点で、第1基地局はC/Iテーブルを用いて、測定されたビット・エラー率BERに対応する第1C/I値vi(dB単位で測定)ならびにビット・エラー率の選択されたしきい値BERT(f)に対応する第2C/I値bj(dB単位で測定)を生成する。第1基地局BS1は、第2C/I値vjと第1C/I値viとの差異(vj−vi)に対応する程度だけ、伝送パワー(dB単位で測定される)を減少させる。図12に記載された方法は、第6ステップ123が完了すると、第1ステップ113から再開される。
【0065】
図12に記載された方法では、第1移動局MS1で取得される音声品質がまさに許容可能な品質よりも良いか悪いかが判定され、ビット・エラー率に関するしきい値BERT(f)は、図10に記載された方法で使用されたのと同じ様式で使用される。あるいはこの判定は、代わりに品質関数Q(BER,f)を用いて図9に記載された方法で使用されたのと同じ様式で実行するか、又は前述のようにフェーディング周波数しきい値fT(BER)を用いて実行することができる。
【0066】
第1移動局MS1で得られた音声品質が、ちょうど許容可能な品質よりも悪い場合、第1基地局BS1の伝送パワーは、図12に記載された方法の所定のアルゴリズムに従って増加される。これに対して、第1移動局MS1で得られた音声品質が、まさに許容可能な品質よりも良い場合、伝送パワーは、対応するアルゴリズムに従って減少させられる。したがって、図12に記載された方法の意図は、第1移動局で許容できる音声品質を得ることであり、同時に、不必要に高い伝送パワーを避けることによって、音声品質が可能な最高の程度で干渉を避けることである。図12に記載された方法の代替方法として、何らかの他の方法で、例えば所与の一定のデシベル値に対応して、伝送パワーを増加/減少させてもよい。
【0067】
図12に記載された方法の代替方法では、第3ステップ117及び第5ステップ121が許容範囲を導入することによって修正され、その結果、測定の不正確さによって望ましくない伝送パワーの揺れを発生させることがなくなる。そして、第3ステップ117で使用されるしきい値が第5ステップ121で使用されるしきい値よりもわずかに大きく、その結果、制御でのヒステリシスが達成されて、伝送パワーで望ましくない揺れが発生するリスクが減少するように、第3ステップ117及び第5ステップ121で使用される選択されたしきい値がわずかに異なっている。
【0068】
以上、本発明について、TDMAアクセスを有するPLMNを参照しながら前述の例で説明してきた。但し、本発明が、この多重形式に厳密に限定されるものでないことを理解されよう。本発明は、音声ビットが、符号化フレーム又は同様の情報パケットで、例えばIS−95などのCDMAアクセス及び主として狭帯域CDMAアクセスで、無線インタフェースを介して伝送されるすべての多重形式に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態例を示し、PLMNを含む通信システムを記載したブロック構成図である。
【図2】 PLMNに含まれる第1移動局及び第1基地局を記載したブロック構成図である。
【図3】 第1移動局によるフレームの受取りを示すタイミングチャートである。
【図4】 第1移動局によって受け取られる瞬間信号強度を示す曲線を含むタイミングチャートである。
【図5】 第1移動局の速度が図4の移動局よりも速いか、又はフェーディング距離が短い場合に、第1移動局によって受け取られる瞬間信号強度を示す曲線を含むタイミングチャートである。
【図6】 いくつかの等品質曲線を含む図である。
【図7】 図6に示された等品質曲線のうちの1つを示す概略図である。
【図8】 図7の曲線をより単純な曲線形状で近似する方法を示す図である。
【図9】 第1移動局によって受け取られる音声品質を客観的に推定する方法を示す、本発明の一実施形態例に従ったフローチャートである。
【図10】 本発明の他の実施形態例により、第1移動局によって受け取られる音声品質を客観的に推定する方法を示すフローチャートである。
【図11】 本発明の例示的な一実施形態により、公衆陸上移動体電話網(PLMN)でのチャネル割振り方法を示すフローチャートである。
【図12】 本発明の一実施形態により、基地局からの伝送パワーを調整する方法を示すフローチャートである。
Claims (30)
- デジタル無線電話システム(3)において、移動局(MS1)と無線基地局(BS1)との間で音声通信を行うためアップリンク(39)及びダウンリンク(41)を有する無線チャネル(37)の品質を推定する方法であって、
a)無線チャネル(37)に関連付けられたビット・エラー率を測定するステップと、
b)前記無線チャネル(37)に関連付けられたフェーディング周波数を測定するステップと、
c)測定されたビット・エラー率と測定されたフェーディング周波数とに基づいて、無線チャネル(37)に関連付けられた音声品質を推定するステップとを含むことを特徴とする方法。 - 前記ステップc)が、
d)ビット・エラー率(BER)とフェーディング周波数(f)との関数として品質関数(Q(BER,f))を定義する部分ステップと、
e)測定されたビット・エラー率(BER)と測定されたフェーディング周波数(f)とに関する品質関数(Q(BER,f))の評価に対応し、音声品質を示す第1値(Q)を生成する部分ステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記ステップc)が、
f)第1値(Q)に基づいて、音声品質が許容可能であるか否かを判定する部分ステップをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。 - 前記部分ステップd)が、品質関数がビット・エラー率の増加に従って減少し、フェーディング周波数の増加に従って増加するような品質関数を定義するステップを含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の方法。
- 前記ステップc)が、
g)測定されたフェーディング周波数に基づいて、ビット・エラー率に関するしきい値を選択する部分ステップと、
h)測定されたビット・エラー率がを超えない場合に、音声品質が許容可能であると判定する部分ステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記部分ステップg)が、前記ビット・エラー率のしきい値が測定されたフェーディング周波数の増加に対して本質的に増大する関係を有するように、前記ビット・エラー率のしきい値を選択するステップを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
- 前記ステップc)が、
i)測定されたビット・エラー率に基づいて、フェーディング周波数のしきい値を選択する部分ステップと、
j)測定されたフェーディング周波数がフェーディング周波数のしきい値よりも下でない場合に、音声品質が許容可能であると判定する部分ステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記部分ステップi)が、前記フェーディング周波数のしきい値が測定されたビット・エラー率の増加に対して一般に減少する関係を有するように、前記フェーディング周波数のしきい値を選択するステップを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
- 前記ステップa)が、ダウンリンク(41)上の移動局(MS1)でビット・エラー率を測定するステップを含み、前記ステップb)が、アップリンク(39)上の無線基地局(BS1)でフェーディング周波数を測定するステップを含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
- デジタル無線電話システム(3)において、移動局(MS1)と無線基地局(BS1)との間の音声通信に関するチャネル割振りに関する方法であって、
a)移動局(MS1)と無線基地局(BS1)との間の音声通信がその時点に間に合って実行される無線チャネル(37)に関連付けられたビット・エラー率を測定するステップと、
b)無線チャネル(37)に関連付けられたフェーディング周波数を測定するステップと、
c)無線チャネル(37)に関連付けられた音声品質が許容可能であるか否かを、測定されたビット・エラー率と測定されたフェーディング周波数とに基づいて判定するステップと、
d)音声品質が許容できないと判定された場合に、ハンドオフを実行するステップとを含むことを特徴とする方法。 - 前記ステップc)が、
e)ビット・エラー率(BER)とフェーディング周波数(f)との関数として、品質関数(Q(BER,f))を定義する部分ステップと、
f)測定されたビット・エラー率(BER)と測定されたフェーディング周波数(f)とに関する品質関数(Q(BER,f))の評価に対応し、音声品質を示す第1値(Q)を生成する部分ステップと、
g)前記第1値(Q)に基づいて、音声品質が許容可能であるか否かを判定するステップとを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。 - 品質関数を、ビット・エラー率で減少し、フェーディング周波数で増大するように定義することを特徴とする請求項11に記載の方法。
- 前記ステップc)が、
h)測定されたフェーディング周波数に基づいて、ビット・エラー率のしきい値を選択する部分ステップと、
i)測定されたフェーディング周波数がフェーディング周波数のしきい値を超えていない場合に、音声品質が許容可能であることを決定する部分ステップとを含む請求項10に記載の方法。 - 前記ステップc)が、
j)測定されたエラー・ビット率に基づいて、フェーディング周波数のしきい値を選択する部分ステップと、
k)測定されたフェーディング周波数がフェーディング周波数のしきい値よりも下でない場合に、音声品質が許容可能であることを判定する部分ステップとを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。 - 前記ステップa)が、無線チャネル(37)のダウンリンク(41)上にある移動局(MS1)でビット・エラー率を測定するステップを含み、前記ステップb)が、無線チャネル(37)のアップリンク(39)上にある無線基地局(BS1)でフェーディング周波数を測定するステップを含むことを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1項に記載の方法。
- デジタル無線電話システム(3)において、無線基地局(BS1)のパワーを制御する方法であって、
a)無線基地局(BS1)と移動局(MS1)との間の音声通信に使用される無線チャネル(37)のダウンリンク(51)上の移動局(MS1)でビット・エラー率を測定するステップと、
b)無線チャネル(37)に関連付けられたフェーディング周波数を測定するステップと、
c)測定されたビット・エラー率と測定されたフェーディング周波数とに基づいて、ダウンリンク上の移動局(MS1)で得られた音声品質が許容可能な程度よりも高いか又は許容可能な程度よりも低いかを判定するステップと、
d)音声品質が許容可能な程度よりも低いと判定した場合、ダウンリンク(41)上での基地局(BS1)の伝送パワーを増加させるステップと、
e)音声品質が許容可能な程度よりも高いと判定した場合、前記伝送パワーを減少させるステップとを含むことを特徴とする方法。 - 前記ステップc)が、
f)ビット・エラー率(BER)とフェーディング周波数(f)との関数として、品質関数(Q(BER,f))を定義する部分ステップと、
g)測定されたビット・エラー率(BER)と測定されたフェーディング周波数(f)とに関する品質関数(Q(BER,f))の評価に対応する第1値(Q)を生成する部分ステップと、
h)第1値(Q)に基づいて、音声品質が許容可能な程度よりも高いか又は許容可能な程度よりも低いかを判定する部分ステップとを含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。 - 前記ステップc)が、
i)測定されたフェーディング周波数に基づいて、ビット・エラー率のしきい値を選択する部分ステップと、
j)測定されたビット・エラー率が前記ビット・エラー率のしきい値よりも下の場合に、音声品質が許容可能な程度よりも高いことを決定する部分ステップと、
k)測定されたビット・エラー率が前記ビット・エラー率のしきい値を超える場合に、音声品質が許容可能な程度よりも低いことを決定する部分ステップとを含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。 - 前記ステップd)が、
l)測定されたビット・エラー率に対応する第1C/I値を生成する部分ステップと、
m)選択されたビット・エラー率のしきい値に対応する第2C/I値を生成する部分ステップと、
n)第1C/I値と第2C/I値との偏差の程度に従って、伝送パワーを増加させる部分ステップとを含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。 - 前記ステップe)が、
o)測定されたビット・エラー率に対応する第1C/I値を生成する部分ステップと、
p)選択されたビット・エラー率のしきい値に対応する第2C/I値を生成する部分ステップと、
q)第2C/I値と第1C/I値との偏差の程度に従って、伝送パワーを減少させる部分ステップとを含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。 - 前記ステップc)が、
r)測定されたビット・エラー率に基づいて、フェーディング周波数のしきい値を選択する部分ステップと、
s)測定されたフェーディング周波数がフェーディング周波数のしきい値を超える場合に、音声品質が許容可能な程度よりも高いことを決定する部分ステップと、
t)測定されたフェーディング周波数がフェーディング周波数のしきい値よりも低い場合に、音声品質が許容可能な程度よりも低いことを決定する部分ステップとを含むことを特徴とする請求項16に記載の方法。 - デジタル無線電話システム(3)において、移動局(MS1)と無線基地局(BS1)との間で音声通信を行うためアップリンク(39)及びダウンリンク(41)を有する無線チャネル(37)の品質を推定する無線基地局(BS1)であり、無線チャネル(37)に関連付けられたビット・エラー率を測定するための手段を含む無線基地局(BS1)であって、
無線チャネル(37)に関連付けられたフェーディング周波数を測定するための手段と、
測定されたビット・エラー率と測定されたフェーディング周波数とに基づいて、無線チャネル(37)に関連付けられた音声品質を推定するための手段とを有することを特徴とする無線基地局。 - 前記音声品質を推定するための手段が、
ビット・エラー率(BER)とフェーディング周波数(f)との関数として品質関数(Q(BER,f))を定義するための手段と、
測定されたビット・エラー率(BER)と測定されたフェーディング周波数(f)とに関する品質関数(Q(BER,f))の評価に対応し、音声品質を示す第1値(Q)を生成するための手段とを含むことを特徴とする請求項22に記載の無線基地局。 - 前記第1値(Q)に基づいて、音声品質が許容可能であるか否かを判定するための手段を有することを特徴とする請求項23に記載の無線基地局。
- 前記品質関数の定義手段が、品質関数がビット・エラー率の増加に従って減少し、フェーディング周波数の増加に従って増加するような品質関数を定義することを特徴とする請求項23又は24に記載の無線基地局。
- 前記音声品質の推定手段が、
測定されたフェーディング周波数に基づいて、ビット・エラー率のしきい値を選択するための手段と、
測定されたビット・エラー率がビット・エラー率のしきい値を超えない場合に、音声品質が許容可能であると判定するための手段とを含むことを特徴とする請求項22に記載の無線基地局。 - 前記ビット・エラー率のしきい値を選択するための手段が、前記ビット・エラー率のしきい値が測定されたフェーディング周波数の増加に対して本質的に増大するように、前記ビット・エラー率のしきい値を選択するように適合されることを特徴とする請求項26に記載の無線基地局。
- 前記音声品質の推定手段が、
測定されたビット・エラー率に基づいて、フェーディング周波数のしきい値を選択するための手段と、
測定されたフェーディング周波数がフェーディング周波数のしきい値よりも下でない場合に、音声品質が許容可能であると決定するための手段とを含むことを特徴とする請求項22に記載の無線基地局。 - 前記フェーディング周波数のしきい値を選択するための手段が、前記フェーディング周波数のしきい値が測定されたビット・エラー率の増加に対して一般に減少するように、前記フェーディング周波数のしきい値を選択するように適合されることを特徴とする請求項28に記載の無線基地局。
- 前記ビット・エラー率を測定するための手段が、前記ビット・エラー率をダウンリンク(41)上の移動局(MS1)で測定するように適合され、前記フェーディング周波数を測定するための手段が、前記フェーディング周波数をアップリンク(39)上の無線基地局(BS1)で測定するように適合されることを特徴とする請求項22乃至29のいずれか1項に記載の無線基地局。
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