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JP4546314B2 - 微細構造乾燥処理法及びその装置 - Google Patents
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Description

本発明は、新規な微細構造乾燥処理法及びその装置に関する。
従来、大規模で高密度、高性能デバイスを製造するには、シリコンウェハ上に成膜したレジストに対して露光、現像、リンス洗浄、乾燥を経てパターンを形成した後、コーティング、エッチング、リンス洗浄、乾燥等のプロセスを経て製造される。特に、レジストは、光、X線、電子線などに感光する高分子材料であり、各工程において、現像、リンス洗浄工程では現像液、リンス液等の薬液を使用しているため、リンス洗浄工程後は乾燥工程が必須である。
この乾燥工程において、基板上に形成したレジストパターン間のスペース幅が100nm以下と微細になるとパターン間に残存する薬液の表面張力の作用により、パターン間にラプラス力(毛細管力)が作用してパターン倒れが発生する問題が生ずる。
一方では、例えば加速センサーやアクチュエータ等の微細な可動部や構造を持つ三次元微細構造部品のMEMS(Micro Electromechanical System)部品の製造は、フッ酸等のエッチング液で可動部位を含む微細構造を形成する工程と、純水リンスでエッチング液を除去(洗浄)する工程と、乾燥する工程を含んでいる。この乾燥工程においてもレジストパターンと同様に微細構造間に残る薬液による表面張力が作用して、可動部が基板に固着する現象が発生している。
レジストパターンやMEMS等の微細構造間に残存する薬液の表面張力の作用によるパターン倒れや素子の固着を防止するために、微細構造物間に作用する表面張力を軽減する乾燥プロセスとして、特許文献1に示す所定の圧力容器を用いると共に、二酸化炭素等の超臨界流体を用いた方法がある。この二酸化炭素等の超臨界流体を用いた乾燥法は、以下の基本工程を有する。
(1)液体又は超臨界状態の流体に可溶でない試料に含まれる例えば水等の残存液体は、予め流体に可溶な薬液、例えば乾燥流体として二酸化炭素を使用する場合には二酸化炭素に可溶なエタノールや2−プロパノール等の有機溶剤やその混合液等のリンス液と置換しておく工程。
(2)リンス液に浸漬、又は濡れた状態、具体的には基板上にリンス液が載った状態の試料を高圧容器となる高圧容器に設置し、高圧容器を密閉する工程。
(3)高圧容器に液体状態又は超臨界状態の乾燥流体を高圧容器に導入し、所定の圧力まで昇圧する工程。
(4)高圧容器内に導入した液体又は超臨界状態の乾燥流体を加熱しその比重を変化させて、リンス液と異なる比重とし、リンス液を高圧容器の上部又は下部に集め、液体又は超臨界状態の流体と置換させ、集められたリンス液を高圧容器外に排出させる工程。
(5)リンス液の置換後に高圧容器とその乾燥流体を臨界点以上に昇圧及び昇温させる工程。
(6)高圧容器から超臨界状態の流体を徐々に排出させ大気圧まで減圧する工程。
(7)高圧容器から基板を取り出す工程。
特開2004−335675号公報
しかし、従来の超臨界流体を用いた乾燥法は、高圧容器全体を低温と臨界温度以上に温度制御して乾燥流体の状態と密度を制御することでリンス液を選択的に高圧容器外に排出できる「臨界点乾燥法」に比較すると乾燥時間がかなり短縮されたものの、熱容量の大きな高圧容器全体を5℃から50℃の設定温度に制御するための昇温・降温に時間を要していた。
本発明の目的は、乾燥時に乾燥流体だけを局部的に加熱するだけで、リンス液の表面張力の影響によりパターン倒れや素子の固着が発生しうる微細なパターンを形成した100mm以上の大口径基板に対して効率良く短時間で均一に乾燥させることができる微細構造乾燥処理法及びその装置を提供することにある。
本発明は、高圧容器内にリンス液に浸漬又は濡れた状態の微細構造を有する基板を設置し、高圧容器内にリンス液の比重と異なる比重の乾燥流体を導入して満たした後、前記乾燥流体によって満たした前記高圧容器を前記基板と共に設定角度に傾斜させてリンス液と乾燥流体の比重差を利用して選択的に高圧容器内よりリンス液を前記傾斜した前記高圧容器の最上部又は最下部となる少なくとも一方に設けられたリンス液排出口より前記高圧容器内より排出後、乾燥流体を局部的に臨界温度以上に加熱しながら大気圧まで減圧し前記乾燥流体を前記リンス液排出口とは別個に設けられた乾燥流体排出口より前記高圧容器外に排出させるもので、好ましくは、基板近傍の前記流体を局部的に加熱することにより、基板近傍の前記流体に対流を生じさせ乾燥流体でリンス液を溶解することを促進させる工程を有する微細構造乾燥処理法にある。
2種の流体の界面には、主に表面エネルギーの差に起因する表面張力が作用すること、又、2種の流体の間に溶解性を示す場合は溶解度及び溶解速度が高いほど表面張力が小さくなることが知られている。
超臨界乾燥法においては、リンス液と液体又は超臨界状態の乾燥流体の間に2層の界面が存在し、これらの界面にも表面張力が作用することになるが、通常、リンス液と乾燥流体は相溶性を示す物質の組合せを用いるため、リンス液と流体の2層の界面に作用する表面張力は小さくなる。
例えば乾燥流体用いる二酸化炭素はヘキサンと同等と言われる有機溶媒的な性質を有している。
この二酸化炭素を乾燥流体として用いる場合は、二酸化炭素に溶けることが分かっているアルコールやアセトン、酢酸イソアミル等の有機溶剤を用いるが、液化二酸化炭素への溶解性は高くなく、界面には表面エネルギーの差に起因する表面張力が作用することになる。
しかし、超臨界状態または液化二酸化炭素とアルコールやアセトン、酢酸イソアミル等のリンス液との界面の表面張力の大きさは測定されていないのが現状で、発明者らの実験結果においてはスペース幅20nm、ライン幅40nm、厚さ160nmのレジストパターンが超臨界状態または液化二酸化炭素とアルコールやアセトン、酢酸イソアミル等のリンス液との界面の表面張力の影響で倒れることが無いことが分かっている。
一方、液体から超臨界状態を経た気体への相変化には表面張力が作用しないことが知られており、従来の臨界点乾燥法はこの現象を利用したものであるが前述したように流体とリンス液の界面には表面張力が作用するため、超臨界乾燥法を適用しても完全に表面張力の影響を皆無にすることはできないが、必要とされる表面張力の低減効果を満たすことはできる。
従って、従来の臨界点乾燥法である液体から超臨界状態を経て気体へと状態変化させる工程は必ずしも必要ではなく、気液曲線を横切る状態変化を有する工程があっても必要とする表面張力を低減する効果を満たすことができることになる。
液体から気体に状態変化させる場合に作用する表面張力の大きさは、気液曲線における臨界点に近いほど小さくなる点に着目すると、
(流体を液体から気体に状態変化させる場合の表面張力)を(リンス液と流体の界面に作用する表面張力)より小さくする条件を満たすように状態変化させることである。
例えば、液化二酸化炭素を乾燥流体とし、リンス液を2−プロパノールとして前述のレジストパターンに対して適用した場合、圧力7.5MPa、温度25℃の条件で徐々に大気圧まで減圧して液体から気体へと状態変化をさせた場合と、圧力7.5MPa、温度35℃の超臨界状態を経て気体へと相を変化させた場合に同様の表面張力の低減効果即ち乾燥結果を得ることが実験より分かった。
高圧容器内を乾燥流体によって満たした後、リンス液を高圧容器内より排出させるリンス液排出工程と、基板近傍に設置した温度調節機能により乾燥流体を臨界温度以上に加熱対流を生じさせてリンス液と乾燥流体の溶解を促進させることが好ましい。
基盤近傍に配置した温度調節機能の温度を臨界温度以上に加熱することにより高圧容器内の基盤近傍に超臨界状態と液体状態とが混在した状態を形成し、乾燥流体でリンス液を溶解を促進させるのに適当な対流を生じさせ且つ、基板の温度は臨界温度を超えないように加熱を制御することが好ましい。
特に、本発明は、リンス液に浸漬又は濡れた状態の微細構造を有する基板を設置した内容積1リットル以内の高圧容器内に乾燥流体を満たした後、高圧容器内の下部に集められたリンス液を高圧容器外に排出し、次いで、基板近傍の乾燥流体を局部的に臨界温度以上に加熱しながらリンス液を流体に溶解させると共に同様に加熱しながら大気圧まで減圧することにより、高圧容器内に乾燥流体を導入してから大気圧まで減圧するまでの乾燥に要する所要時間を10分以内で行うことができる。
又、本発明は、
リンス液に浸漬又は濡れた状態の微細構造を有する基板を保持する基板設置台と、
基板設置台に保持された基板を乾燥する高圧容器と、
高圧容器前記リンス液の比重と異なる比重の乾燥流体を導入する導入手段と、
前記高圧容器を前記基板と共に傾斜させる傾斜手段と、
乾燥流体によって満たされた高圧容器内よりリンス液を前記傾斜した前記高圧容器の最上部又は最下部となる少なくとも一方に設けられたリンス液排出口より排出させるリンス液排出手段と、
基板の上下の少なくとも一方の基板近傍に配置した耐圧管構造内に設けた電熱線による加熱又は配管内への熱流体の流入によって前記乾燥流体を局部的に加熱を行う温度調節機能と、
温度調節機能によって局部的に乾燥流体を加熱しながら前記リンス液排出口とは別個に設けられた乾燥流体排出口より高圧容器外に排出させる乾燥流体排出手段とを有する微細構造乾燥装置にある。
更に、本発明は、
リンス液に浸漬又は濡れた状態の微細構造を有する基板を保持する基板設置台と、
基板設置台に保持された基板を乾燥する高圧容器と、
高圧容器前記リンス液の比重と異なる比重の乾燥流体を導入する導入手段と、
前記高圧容器を前記基板と共に傾斜させる傾斜手段と、
前記乾燥流体によって満たされた高圧容器内よりリンス液を前記傾斜した前記高圧容器の最上部又は最下部となる少なくとも一方に設けられたリンス液排出口より排出させるリンス液排出手段と、
基板の上下の少なくとも一方の近傍に設けられ前記乾燥流体を局部的に加熱する温度調節機能と、
温度調節機能により前記乾燥流体を超臨界状態と液体状態とが混在した状態に加熱保持する高圧容器内の圧力を制御する圧力制御手段と、
温度調節機能により前記乾燥流体を加熱しながら前記リンス液排出口とは別個に設けられた乾燥流体排出口より高圧容器外に排出する乾燥流体排出手段とを有する微細構造乾燥装置にある。
温度調節機能は、所定の温度に設定する設定手段と、一定の温度に保持する制御手段とを有すること、又、リンス液排出口は、リンス液の排出時に高圧容器の最も上部及び下部に位置するように少なくとも一方に配置されることが好ましい。
本発明によれば、乾燥時に乾燥流体だけを局部的に加熱するだけで、乾燥時のリンス液の表面張力の影響によりパターン倒れや素子の固着が発生しうる微細なパターンを形成した100mm以上の大口径基板に対して効率良く短時間で均一に乾燥させることができる微細構造乾燥処理法及びその装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体的な実施例によって説明する。
図1は本発明の微細構造乾燥装置の一例を示す模式断面図である。高圧容器である高圧容器103は上部の蓋105及び下部容器部124から構成され、蓋105を開放して基板101を設置する。
高圧容器103は、後述する図2に示すように水平から垂直まで傾斜できる傾斜手段を持つ。高圧容器103には下部容器124の両側に紙面に対して垂直に傾斜用のギアを有する回転軸が設けられ、モータによって紙面に対して水平から90度まで左右両側に傾斜できるものである。
フィルタ112、バルブ113は下部容器124に固定され、圧力制御装置123との間が高圧フレキシブル配管によって接続され、更に、背圧制御バルブ109、バルブ110が蓋105に、バルブ117、圧力制御バルブ118が下部容器124に固定され、それらの先が高圧フレキシブル配管によって接続され、図2に示すように傾斜可能である。
基板101は現像やウェットエッチングの工程を経て表面に微細構造が形成された後に、洗浄及びアルコール等の有機溶剤のリンス処理が施されており、その表面にはリンス液102が全面に載った状態であり、高圧容器103に設けられた基板設置台104に設置される。
高圧容器103は、バルブ113を介して高圧ポンプ114及び液体二酸化炭素容器115が配管され、バルブ117を介して圧力制御バルブ118が配管され、その内容積を1リットル以内にするものである。
高圧容器103は蓋105にバルブ110及び下部容器部124にバルブ107を介して背圧制御バルブ109、108がそれぞれ接続され、設定圧力を超えると排出口119又は排出口120より高圧容器内の流体又はリンス液102が排出される。
高圧容器103内には、基板101上のその近傍に設けた温度調整機能111と、基板設置台104下のその近傍に設けた温度調整機能106とを備え、いずれも非磁性ステンレス鋼の耐圧配管内に熱媒体を循環させるか又は耐圧配管内に電熱線を設けたもので、棒状又は渦巻き状であり、所定の温度で、一定の温度に保持に可能に制御する制御手段を有する。温度調整機能111は基板103の数mm上に設定され、基板101の温度を臨界温度以上にすることなくその近傍の乾燥流体を局部的に臨界温度以上に加熱することができる。
本実施例は、高圧容器内にリンス液に浸漬又は濡れた状態の微細構造を有する基板を設置する工程と、高圧容器内にリンス液より軽い状態の乾燥流体を導入して満たす導入工程と、乾燥流体によって満たされた高圧容器を傾斜させて高圧容器内の大半のリンス液を高圧容器内より排出させるリンス液排出工程と、基板近傍の乾燥流体を部分的に加熱して対流を生じさせ、リンス液を乾燥流体によって溶解・置換を促進させる溶解・置換工程と、乾燥流体を局部的に加熱しながら大気圧まで減圧する減圧工程と、を有する微細構造乾燥処理法である。以下、本実施例の乾燥工程を具体的に説明する。
(1)直径200mmのシリコン基板上にEBレジスト(ZEP−7000:日本ゼオン製)を220nmの膜厚で製膜、乾燥した後、電子線でパターンを描画してから酢酸ノルマルヘキシルで90秒現像、2−プロパノールで100秒間リンスし、表面に微細構造が形成された基板101を、高圧容器103の基板設置台104に設置する。このとき、基板101の上には液体二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素に可溶な2−プロパノールからなるリンス液102が基板面に載った状態であるか、基板101がリンス液102に浸漬した状態である。
(2)高圧容器103を水平にしてから蓋105を開け、基板101を基板設置台104に設置してから、高圧容器103を気密した後、バルブ117、107、110を閉じる。
(3)バルブ113を開放すると室温の25℃の液体二酸化炭素116が高圧容器103に導入される。このとき圧力制御装置123により基板101上に形成された微細構造が破損しないように、3MPa/分程度で7.5MPaまで昇圧するように制御する。また、高圧容器103に導入される液体二酸化炭素116はフィルタ112を通過し不純物が除去される。リンス液102は25℃の液体二酸化炭素116より比重が大きいためリンス液102は基板101上に載ったまま25℃の液体二酸化炭素116に囲まれている状態である。
(4)図2は、高圧容器を傾斜させた状態を示す微細構造乾燥装置の断面図である。室温の25℃である高圧容器103を傾斜手段によって傾斜させると、基板101に載った2−プロパノールからなるリンス液121の大半が25℃の液体二酸化炭素116より比重が大きいため基板101表面から離れ、高圧容器103内に充填した液体状態の二酸化炭素122と殆ど溶けずに、リンス液121は傾斜した高圧容器103内の下部に集まる。
(5)高圧ポンプ114で液体二酸化炭素116の圧送は継続する。バルブ107を開放すると、傾斜した高圧容器103内の下部に集めた2−プロパノールのリンス液121はリンス液排出口120を経て背圧制御バルブ108より選択的に排出することができる。
図3は、リンス液の大半が排出された後の高圧容器103内に液体二酸化炭素が満たされた状態を示す模式断面図である。リンス液121はリンス液排出口108より排出され、高圧容器103内はほぼ液体二酸化炭素122のみで満たされる。
(6)高圧容器103を傾斜させたまま、高圧ポンプ114で液体二酸化炭素116の圧送を継続しながら温度調整機能111、106を60℃に制御する。温度調整機能111、106に接している液体二酸化炭素122が局部的に超臨界状態の60℃に加熱され、温度調整機能111、106近傍の二酸化炭素122はほぼ制御温度となるが、基板101は加熱された二酸化炭素122によって約28℃まで加熱される。又、高圧容器103内には液体と超臨界状態の二酸化炭素が混在し、その比重差による二酸化炭素の対流が生じ、基板101上の微細構造間に残存するリンス液を液体又は超臨界状態の二酸化炭素によって置換できる。
又、温度調整機能111、106は液体二酸化炭素122が基板103面上で適当な対流が生じるように、空間を確保するため数本の棒状又は螺旋状である。
そして、加熱によって高圧容器103内の圧力は昇圧するが、設定圧力7.5MPaを超えると背圧制御バルブ109から二酸化炭素が排出され、高圧容器103内は7.5MPaに保ち、この状態を数分間保つ。これによって微細構造間に残存するリンス液を完全に置換することができる。
又、高圧容器103を元に戻して加熱した後、加熱しながら傾斜させて二酸化炭素を排出させること、それを繰り返し行うこともでき、更に、振動子151を用いることにより微細構造間に残存するリンス液の置換が容易に行われ、乾燥時間が短縮できる。
(7)高圧ポンプ114での液体二酸化炭素116の圧送を停止させ、バルブ113、110を閉じ、バルブ117を大気圧に開放し、温度調整機能111、106を60℃に保ったまま乾燥流体排出口を経て圧力制御バルブ118より二酸化炭素を排出する。高圧容器103内の圧力が大気圧になった時点で乾燥が終了し、高圧容器103内より基板101が取り出される。
この二酸化炭素の状態変化では、液体二酸化炭素の表面張力が微細構造に素子の固着や倒れを作用させることが無い。
本実施例では、微細構造乾燥のために利用する流体として比較的低い温度、低い圧力で超臨界状態となる二酸化炭素を用いた場合を例として示したが、二酸化炭素の臨界圧力は7.38MPa、臨界温度は31℃である。
そして、圧力を7.5MPa、温度を25℃から60℃に可変させることで液体二酸化炭素の密度を0.7g/mlから0.15g/mlに変化させることができ、本実施例に示す2−プロパノールをリンス液として用いた場合、ほぼ10分以内の短時間かつ均一な乾燥結果を得ることができる乾燥プロセスを達成できるものである。
本実施例は、高圧容器内にリンス液に浸漬又は濡れた状態の微細構造を有する基板を設置する工程と、高圧容器内に前記リンス液より重い状態の乾燥流体を導入して満たす導入工程と、高圧容器内を前燥流体によって満たした後、高圧容器を傾斜させてリンス液を高圧容器内より排出させると共に、基板近傍の乾燥流体を部分的に加熱し、リンス液を乾燥流体によって置換させながらリンス液を高圧容器内より排出させるリンス液排出工程と、リンス液を排出後、乾燥流体を局部的に加熱しながら大気圧まで減圧する減圧工程と、を有する微細構造乾燥処理法にある。
以下、本実施例の乾燥工程を具体的に説明する。本実施例における装置は実施例1と同じであるが、温度調整機能111、106は、非磁性ステンレス鋼の耐圧配管内に熱媒体を循環させるもので、又、実施例1の(1)及び(2)までの工程は本実施例でも同じである。
(3)バルブ113を開放すると5℃の液体状態の二酸化炭素116が高圧容器103に導入される。このとき圧力制御装置123により基板101上に形成された微細構造が破損しないように、且つリンス液102と液体二酸化炭素の混濁を最小限に抑えるため3MPa/分程度で10MPaまで昇圧するように制御する。高圧容器103に導入される液体二酸化炭素はフィルタ112を通過し不純物が除去される。リンス液102は5℃の液体二酸化炭素116より比重が小さいためリンス液102は基板101基板の表面から離れ、高圧容器103内に充填した液体状態の二酸化炭素122と殆ど溶けずに、リンス液121は高圧容器103内の上部に集まる。
(4)図4は、高圧容器を傾斜させた状態を示す微細構造乾燥装置の断面図である。高圧容器103を傾斜手段によって傾斜させると、基板101に載った2−プロパノールからなるリンス液121の大半が5℃の液体二酸化炭素116より比重が小さいため基板101表面から離れ、リンス液121は傾斜した高圧容器103内の上部に集まる。
5℃の液体二酸化炭素の比重が0.95g/mlになり、リンス液である2−プロパノールの比重0.80g/mlとの比重差が約0.15g/ml程度になるため、図4に示すように、2−プロパノールは傾斜した高圧容器103内の上部に集まる。10MPaまでの昇圧及び5℃までの降温は同時に移行させても良い。
(5)高圧ポンプ114で液体二酸化炭素116の圧送は継続する。バルブ110を開放すると、傾斜した高圧容器103内の上部に集めた2−プロパノールのリンス液121はリンス液排出口119を経て背圧制御バルブ109より選択的に排出することができる。
図3と同様に、リンス液の大半が排出された後の高圧容器103内に液体二酸化炭素が満たされた状態となり、リンス液121は排出口109より排出され、高圧容器103内はほぼ液体二酸化炭素122のみで満たされる。
(6)高圧容器103を傾斜させたまま、高圧ポンプ114で液体二酸化炭素116の圧送を継続しながら温度調整機能111、106を40℃に制御する。温度調整機能111、106に接している液体二酸化炭素122は局部的に超臨界状態の40℃に加熱され、温度調整機能111、106近傍の二酸化炭素122はほぼ制御温度となるが、基板101近傍は加熱された二酸化炭素122によって約25℃となる。又、高圧容器103内には液体と超臨界状態の二酸化炭素が混在し、その比重差による対流によって基板101上の微細構造間に残存するリンス液を液体と超臨界状態とが混在した二酸化炭素によって置換できる。又、温度調整機能111、106はその加熱によって液体二酸化炭素122の対流が基板103面上で全体に容易に生じるように空間を有する棒状又は螺旋状である。
そして、加熱によって高圧容器103内の圧力は昇圧するが、設定圧力10MPaを超えると背圧制御バルブ109から排出され、高圧容器103内は10MPaに保ち、この状態を数分間保つ。これによって微細構造間に残存するリンス液をほぼ完全に置換することができる。
(7)高圧ポンプ114での液体二酸化炭素116の圧送を停止させ、バルブ113、110を閉じ、バルブ117を大気圧に開放し、温度調整機能111、106を40℃に保ったまま乾燥流体排出口を経て圧力制御バルブ118より二酸化炭素を排出する。高圧容器103内の圧力が大気圧になった時点で乾燥が終了し、高圧容器103内より基板101が取り出される。
この状態の変化では、液体二酸化炭素の表面張力が微細構造に素子の固着や倒れを作用させることが無い。
本実施例では、微細構造乾燥のために利用する流体として比較的低い温度、低い圧力で超臨界状態となる二酸化炭素を用いた場合を例として示したが、二酸化炭素の臨界圧力は7.38MPa、臨界温度は31℃である。そして、圧力を10MPa、温度を0から30℃に可変させることで液体二酸化炭素の密度を0.65から0.90g/mlに変化させることができ、本実施例に示す2−プロパノールをリンス液として用いた場合、短時間かつ均一な乾燥結果を得ることができる乾燥プロセスを達成できるものである。
本実施例は、MEMSサンプルのようなフッ酸のエッチングで微細構造が形成され、純水でリンス処理した後の乾燥工程を行うものである。本実施例においても、レジストパターンと同様に表面張力の作用によりシリコンやレジスト等の三次元構造体の可動部を含む微細構造が基板(ベース部)と貼りつく現象が生じ、デバイス不良の要因となる。この現象を防止するために本発明を適用したものである。
リンス液の純水は液体又は超臨界状態の二酸化炭素に殆ど溶けないため、予め二酸化炭素に可溶なリンスと置換しておく。本実施例のMEMSサンプルのリンス液として比重1.55g/mlである炭化水素系洗浄剤(HCFC)とエタノールを5:1に混合したリンス液を用いた。二酸化炭素の比重を制御しても基板上に載ったHCFCを高圧容器の上側に集めることができないが、本実施例では高圧容器を図2に示すように右に90度から左に90度のいずれかに回転させて傾斜させることにより基板上に載ったリンス液を傾斜した高圧容器下部に集めて効果的に排出することができ、実施例1と同様に短時間で且つ均一な乾燥結果を得ることができる。
本実施例においては、実施例1の(1)〜(7)と同様の乾燥工程によって行うことができる。
本実施例において、HCFCとエタノールの混合液をリンスとしたのは、エタノールは水を置換するためであり、HCFCは二酸化炭素と置換するためである。
以上のように、本実施例によってMEMS部品のようなデバイスに対しても100mm以上の大口径基板に形成した微細構造の可動部が張り付くことなく均一に短時間で乾燥することができる。
本発明に係る微細構造乾燥装置の断面図である。 本発明における高圧容器の傾斜及び温度変化後の微細構造乾燥装置の断面図である。 本発明におけるリンス液排出後の微細構造乾燥装置の断面図である。 本発明における高圧容器の傾斜及び温度変化後の微細構造乾燥装置の断面図である。
符号の説明
101…基板、102、121…リンス液、103…高圧容器、104…基板設置台、105…蓋、106、111…温度調整機能、107、110、113、117…バルブ、108、109…背圧制御バルブ、112…フィルタ、114…高圧ポンプ、115…液体二酸化炭素容器、116、122…液体二酸化炭素、118…圧力制御バルブ、119、120…リンス液排出口、123…圧力制御装置、124…下部容器、125…回転方向、151…振動子。

Claims (10)

  1. 高圧容器内にリンス液に浸漬又は濡れた状態の微細構造を有する基板を設置する工程と、
    前記高圧容器内に前記リンス液の比重と異なる比重の乾燥流体を導入して満たす導入工程と、
    前記乾燥流体によって満たした前記高圧容器を前記基板と共に設定角度に傾斜させて前記乾燥流体と前記リンス液の比重差を利用して前記リンス液を前記傾斜した前記高圧容器の最上部又は最下部となる少なくとも一方に設けられたリンス液排出口より選択的に前記高圧容器内より排出させるリンス液排出工程と、
    前記乾燥流体を局部的に臨界温度以上に加熱する工程と、
    前記乾燥流体を局部的に加熱しながら大気圧まで減圧し前記乾燥流体を前記リンス液排出口とは別個に設けられた乾燥流体排出口より前記高圧容器外に排出させる排出工程と、
    を有することを特徴とする微細構造乾燥処理法。
  2. 請求項1において、前記基板の温度が前記臨界温度を超えないように前記加熱を行うことを特徴とする微細構造乾燥処理法。
  3. 請求項1又は2において、前記基板近傍の前記乾燥流体を前記局部的に加熱することにより、前記基板近傍の前記乾燥流体に適当な対流を生じさせ、前記リンス液と前記乾燥流体の溶解を促進させる工程を有することを特徴とする微細構造乾燥処理法。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記加熱を前記基板近傍に設置した温度調節機能により行うことを特徴とする微細構造乾燥処理法。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記加熱を前乾燥流体が超臨界状態と液体の状態とが混在した状態で行うことを特徴とする微細構造乾燥処理法。
  6. 請求項1〜5において、前記乾燥流体としてその比重が前記リンス液の比重より大きいものを前記導入し、前記リンス液を前記傾斜した前記高圧容器の前記最上部に設けられた前記リンス液排出口より排出させ、又は、前記乾燥流体としてその比重が前記リンス液の比重より小さいものを前記導入し、前記リンス液を前記傾斜した前記高圧容器の前記最下部に設けられた前記リンス液排出口より排出させることを特徴とする微細構造乾燥処理法。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、前記乾燥流体が二酸化炭素であることを特徴とする微細構造乾燥処理法。
  8. リンス液に浸漬又は濡れた状態の微細構造を有する基板を保持する基板設置台と、
    該基板設置台に保持された前記基板を乾燥する高圧容器と、
    前記高圧容器内に前記リンス液の比重と異なる比重の乾燥流体を導入する導入手段と、
    前記高圧容器を前記基板と共に傾斜させる傾斜手段と、
    前記乾燥流体によって満たされた前記高圧容器内より前記リンス液を前記傾斜した前記高圧容器の最上部又は最下部となる少なくとも一方に設けられたリンス液排出口より排出させるリンス液排出手段と、
    前記基板の上下の少なくとも一方の近傍に配置した耐圧管内に設けられた電熱線による加熱又は耐圧管内への熱流体の流入によって前記乾燥流体を局部的に加熱する温度調節機能と、
    前記乾燥流体を前記温度調節機能によって加熱しながら前記リンス液排出口とは別個に設けられた乾燥流体排出口より前記高圧容器外に排出させる乾燥流体排出手段と、
    を有することを特徴とする微細構造乾燥装置。
  9. リンス液に浸漬又は濡れた状態の微細構造を有する基板を保持する基板設置台と、
    該基板設置台に保持された前記基板を乾燥する高圧容器と、
    前記高圧容器前記リンス液の比重と異なる比重の乾燥流体を導入する導入手段と、
    前記高圧容器を前記基板と共に傾斜させる傾斜手段と、
    前記乾燥流体によって満たされた前記高圧容器内より前記リンス液を前記傾斜した前記高圧容器の最上部又は最下部となる少なくとも一方に設けられたリンス液排出口より排出させるリンス液排出手段と、
    前記基板の上下の少なくとも一方の近傍に設けられ前乾燥流体を局部的に加熱する温度調節機能と、
    前記温度調節機能により前記乾燥流体を超臨界状態と液体状態とが混在した状態に加熱保持する前記高圧容器内の圧力を制御する圧力制御手段と、
    前記乾燥流体を前記温度調節機能によって加熱しながら前記リンス液排出口とは別個に設けられた乾燥流体排出口より前記高圧容器外に排出させる乾燥流体排出手段と、
    を有することを特徴とする微細構造乾燥装置。
  10. 請求項8又は9において、前記温度調節機能は、所定の温度に設定する設定手段と、一定の温度に保持する制御手段とを有することを特徴とする微細構造乾燥装置。
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