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JP4554485B2 - 漏洩同軸ケーブルシステム - Google Patents
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本発明は、移動体通信に利用される漏洩同軸ケーブルシステムに関する。
移動体通信の手段として例えば、新幹線やトンネルなどに沿って漏洩同軸ケーブルが布設されている。移動体側には平面アンテナやダイポールアンテナ、ホイップアンテナなどを設けて通信を行う。漏洩同軸ケーブルは、放射方向を制限できて、無用な混信を抑制できるため、様々な閉域通信に利用されている(特許文献1)。また、その特性を生かすために、電波輻射方向を調整する技術も紹介されている(特許文献2)。
特開2003−174398号公報 特開2005−20134号公報
ここで、従来の技術には、次のような解決すべき課題があった。
従来の漏洩同軸ケーブルシステムで、移動体側に広く利用されているダイポールアンテナやホイップアンテナは、送受信電界の変動が大きく、安定性が乏しいという問題があった。送受信のためのパワーが小さいと、通信の瞬断による障害が発生する。このために、送受信のためのパワーを大きく設定すると、周辺に妨害電波をもたらす。本発明は以上の点に着目してなされたもので、漏洩同軸ケーブルによる通信性能を向上させた漏洩同軸ケーブルシステムを提供することを目的とする。
本発明の各実施例においては、それぞれ次のような構成により上記の課題を解決する。
〈構成1〉
一端に送(受)信機を接続し他端に終端抵抗器を接続した固定側漏洩同軸ケーブルと、一端に送(受)信機を接続し他端に終端抵抗器を接続した移動体側漏洩同軸ケーブルとを、互いに送(受)信機と終端抵抗器の位置が長手方向に見て反対側にあるように平行に対向させた状態で、移動体側漏洩同軸ケーブルを、固定側漏洩同軸ケーブルの長手方向に沿って移動させるように移動路を形成し、上記固定側漏洩同軸ケーブルおよび移動体側漏洩同軸ケーブルのいずれもが、ケーブル軸に垂直な方向に対して、ほぼ等しい角度だけ傾斜した電波を輻射したとき、両ケーブルの電波の輻射方向が平行でかつ反対向きになるように、上記固定側漏洩同軸ケーブルと移動体側漏洩同軸ケーブルの外部導体に設けたスロットの電波輻射パラメータを決定したことを特徴とする漏洩同軸ケーブルシステム。
移動体側漏洩同軸ケーブルと固定側漏洩同軸ケーブルの電波の輻射方向が平行でかつ反対向きになるようにすると、両者の電磁結合効率が最大になり、小電力で能率の良い通信が可能である。
〈構成2〉
構成1に記載の漏洩同軸ケーブルシステムにおいて、ケーブル軸に垂直な方向に対して角度αだけ傾斜した電波が輻射されるとき、このαが、−45度以上+45度以下になるように、上記固定側漏洩同軸ケーブルと移動体側漏洩同軸ケーブルの外部導体に設けたスロットの電波輻射パラメータを決定したことを特徴とする漏洩同軸ケーブルシステム。
実験によれば、αが−45度以上+45度以下の場合に効率の良い通信が可能であった。
〈構成3〉
構成1に記載の漏洩同軸ケーブルシステムにおいて、移動体側漏洩同軸ケーブルは、固定側漏洩同軸ケーブルのスロットの配列周期以上の長さを有することを特徴とする漏洩同軸ケーブルシステム。
この長さにより、スロットの配列周期に起因する受信電界の変動を平均化できる。
〈構成4〉
構成1に記載の漏洩同軸ケーブルシステムにおいて、移動体側漏洩同軸ケーブルの結合損失が、固定側漏洩同軸ケーブルより小さくなるようにしたことを特徴とする漏洩同軸ケーブルシステム。
この条件により、十分に結合損失の小さい通信が可能である。
この発明は、例えば、工場内での通信や駅構内での通信等に使用される。工場では、ラインに沿って固定側漏洩同軸ケーブルを布設する。ロボットには、移動体側漏洩同軸ケーブルを取り付ける。駅構内では、駅のホーム下や屋根に沿って固定側漏洩同軸ケーブルを布設する。駅のホームで列車の乗降客をビデオカメラで撮影し、そのデータを固定側漏洩同軸ケーブルを用いて送信する。このデータを、列車に取り付けた移動体側漏洩同軸ケーブルで受信し、運転台や車掌室のモニタで乗降客の映像を監視する。固定側漏洩同軸ケーブルと移動体側漏洩同軸ケーブルの指向性を合致させるので、電波の到達範囲を限定して、十分低いパワーで安全に妨害のない通信ができる。以下、本発明を図の実施例を用いて詳細に説明する。
図1は、実施例1の漏洩同軸ケーブルシステムを示す説明図である。
固定側漏洩同軸ケーブル1の一端には、送受信機2が接続されている。例えば、この送受信機2から信号電波が固定側漏洩同軸ケーブル1に供給される。固定側漏洩同軸ケーブル1の他端には、終端抵抗器3が接続されている。この固定側漏洩同軸ケーブル1から輻射される電波の方向は、固定側漏洩同軸ケーブル1の外部導体(図示していない)に形成されたスロットのサイズや傾きや配列周期によって決定される。外部導体に設けたスロットのサイズや傾きや配列周期等の、輻射電波の特性を決定する要素を電波輻射パラメータと呼ぶことにする。
図の例では、固定側漏洩同軸ケーブル1の軸に垂直な方向(図の矢印9に示す方向)に対して、角度−αだけ傾斜した方向に電波が輻射される。なお、輻射角度は、矢印9に対して終端抵抗器3側を+、送受信機側を−で表示することにする。このように、漏洩同軸ケーブルは、部分的にみると特定の方向にのみ強い電波のビームを発するように振る舞う。しかし、全体としてはこの指向性は無視できる。従って、ダイポールアンテナで良好な電波の送受信ができる。ところが、固定側漏洩同軸ケーブル1の周辺の様々な構造物により、電磁界が乱される。
そこで、本発明では、移動体側にも同様の構造の短い漏洩同軸ケーブル4を使用する。移動体側漏洩同軸ケーブル4の一端には、送受信機5が接続されている。移動体側漏洩同軸ケーブル4は、送受信機5と終端抵抗器6の位置が、その長手方向に見て、固定側漏洩同軸ケーブル1の反対側にあるように平行に対向させた状態で使用される。
即ち、この図の状態で、移動体は、固定側漏洩同軸ケーブル1の長手方向に沿って平行に移動する。図示しない移動体の移動路をこのように形成して通信を行う。また、その他端には、終端抵抗器6が接続されている。移動体側漏洩同軸ケーブル4は、その軸に垂直な方向(図の矢印19に示す方向)に対して、角度−αだけ傾斜した方向に電波を輻射する。従って、固定側漏洩同軸ケーブル1および移動体側漏洩同軸ケーブル4のいずれもが、ケーブル軸に垂直な方向に対して、ほぼ等しい角度αだけ傾斜した方向に電波を輻射したとき、両ケーブルの電波の輻射方向が平行でかつ反対向きになる。
例えば、固定側漏洩同軸ケーブル1に接続された送受信機2を送信専用とし、移動体側漏洩同軸ケーブル4に接続された送受信機5を受信専用とすることもできる。その逆に、移動体側漏洩同軸ケーブル4に接続された送受信機5を送信専用とし、固定側漏洩同軸ケーブル1に接続された送受信機2を受信専用とすることもできる。いずれの場合においても、固定側漏洩同軸ケーブル1と移動体側漏洩同軸ケーブル4を部分的に見たとき、その指向性を一致させるように電波輻射パラメータを決定する。これにより、固定側漏洩同軸ケーブル1の微小部分と移動体側漏洩同軸ケーブル4の微小部分とが、互いに指向性を一致させた通信を行う。
一般に、固定側漏洩同軸ケーブル1がその長手方向に沿って形成する電磁界は、そのスロット周期で変動する。従って、ダイポールアンテナを移動路に沿って移動させたとき、送受信電界はスロット周期で変動する。ここで、例えば、移動体側漏洩同軸ケーブル4の長さが、少なくとも固定側漏洩同軸ケーブル1のスロットの配列周期以上の長さを有するときは、微小長さの指向性を持つアンテナ群が移動体側漏洩同軸ケーブル4の長さ分だけ、その長手方向に縦に配列されているのと同様の状態になる。各微小長さのアンテナの利得にそれぞればらつきがあっても、全体の利得を加算すると、場所による総合利得の変動が抑制される。即ち、スロットの配列周期で変動する送受信電界が平均化される。なお、固定側漏洩同軸ケーブル1の近傍に構造物が点在していたとき、その影響により電磁界が変動する。これは、移動体側漏洩同軸ケーブル4の長さがある程度長ければ吸収できる。こうして、最小限のパワーで安定な通信が可能になる。
なお、ケーブル軸に垂直な方向に対して角度αだけ傾斜した電波が輻射されるとき、このαが、−45度以上+45度以下になるように、固定側漏洩同軸ケーブルと移動体側漏洩同軸ケーブルの外部導体に設けたスロットの電波輻射パラメータを決定することが好ましい。その理由を以下に述べる。
輻射角度が大きくなると、漏洩同軸ケーブルの始端又は終端において、見掛け上ケーブルが存在していても、実際には電波が輻射していないヌルポイントが生じてしまう。輻射角度が−(マイナス)方向に大きく傾いた場合、漏洩同軸ケーブルの終端側に、また+(プラス)方向に大きく傾いた場合には漏洩同軸ケーブルの始端側にヌルポイントが生じることになる。この輻射角度は漏洩同軸ケーブルの等価誘電率、スロットピッチ及び周波数により決定される。理想的な輻射角度は0度であるが、この場合共振点となるため実用上設定することは出来ない。したがって、実用的には0度を除く−45度以上+45度以下に決定することが望ましい。この範囲であれば、ヌルポイントが発生しても実用上は支障がないように運用ができる。
また、固定側漏洩同軸ケーブルの結合損失よりも移動体側漏洩同軸ケーブルの結合損失が小さいことが好ましい。その理由も以下に述べる。漏洩同軸ケーブルは、電波を輻射させるアンテナ機能とケーブル長手方向に均一に電波を伝送させる伝送路の機能を有している。故に、一般のアンテナに較べ利得を小さくし、伝送路としての減衰量を小さくしなければならない。しかし、移動体側漏洩同軸ケーブルの使用方法を想定すると、ケーブルの長さは数m程度もあれば十分で、性能評価試験に使用した移動体側漏洩同軸ケーブルは2mであった。漏洩同軸ケーブルの長さが短くなれば、減衰量が大きくなっても十分使用可能であるため、アンテナとしての利得を大きくする(結合損失を小さくする)ことが出来、、受信電界を大きくすることが出来る。したがって、固定側漏洩同軸ケーブルの結合損失よりも移動体側漏洩同軸ケーブルの結合損失が小さいことが好ましい。また、使用例として固定側漏洩同軸ケーブルと移動体側漏洩同軸ケーブルの長さが逆転するような場合には、固定側漏洩同軸ケーブルの結合損失を小さくすれば良いこととなる。
図2は、本発明の効果を実証するための実験設備の斜視図である。
図に示すように、試験用の固定側漏洩同軸ケーブル1の一端に、送受信機2を接続し、他端に終端抵抗器3を接続した。また、走行車10は、アーム11により移動体側漏洩同軸ケーブル4を支持している。この移動体側漏洩同軸ケーブル4の一端には、送受信機5を接続し、他端に終端抵抗器6を接続した。走行車10は、固定側漏洩同軸ケーブル1と平行な矢印12方向に移動する。固定側漏洩同軸ケーブル1には、使用する電波の周波数が2.45GHzで伝送損失が、0.253dB/mのものを使用した。全長は15.4メートルであった。
図3は、図2の実験に使用した受信側の空中線種の特性説明図である。
移動体側漏洩同軸ケーブルAは、固定側漏洩同軸ケーブル1と同一の特性を備える。移動体側漏洩同軸ケーブルBは、固定側漏洩同軸ケーブル1と異なる特性を備える。いずれも、全長は2メートルである。図5と図7に結果を示した実験では、移動体側漏洩同軸ケーブルA、Bと、固定側漏洩同軸ケーブル1とは、ケーブル軸に垂直な方向に対して、ほぼ等しい角度αだけ傾斜した方向に電波を輻射したとき、両ケーブルの電波の輻射方向が平行でかつ反対向きになるようにしてある。図4と図6に結果を示した実験では、電波の輻射方向が平行でなく、終端抵抗器の位置が同じ側にくるようにした。
固定側漏洩同軸ケーブルから1.5メートル離れた地点と、0.5メートル離れた地点の電界強度を測定して、結合損失を求めた。漏洩同軸ケーブル本体の特性評価をするため、ケーブル端末部での測定データは採用しなかった。従って、固定側漏洩同軸ケーブルの両端からそれぞれ1.5メートル分の測定データを削除して算出した。なお、結合損失は下記の式により求める。比較実験をおこなう標準ダイポールアンテナの特性も図示した。
結合損失(dB)=“信号入力値”−“電界強度測定値”−“測定系の損失分
図4は、移動体側漏洩同軸ケーブルAによる比較例のシステムの結合損失測定結果を示す特性図である。
図2に示したように、固定側漏洩同軸ケーブルの一端から他端に向かって走行車10を走行させて、場所毎の結合損失を測定した。横軸は移動体側漏洩同軸ケーブルの位置であり、数値は固定側漏洩同軸ケーブルの一端からの距離をメートルを単位にして表示した。縦軸は、結合損失をdBを単位にして表示した。黒線は固定側漏洩同軸ケーブルと移動体側漏洩同軸ケーブルとの間の距離が1.5メートルのときの結合損失である。白線は固定側漏洩同軸ケーブルと移動体側漏洩同軸ケーブルとの間の距離が0.5メートルのときの結合損失である。
図5は、移動体側漏洩同軸ケーブルAによる本発明のシステムの結合損失測定結果を示す特性図である。
移動体側漏洩同軸ケーブルAと固定側漏洩同軸ケーブル1とは、ケーブル軸に垂直な方向に対して、ほぼ等しい角度αだけ傾斜した方向に電波を輻射したとき、両ケーブルの電波の輻射方向が平行でかつ反対向きになるようにしてある。移動体側漏洩同軸ケーブルAの方向性により、図4の例と比較して、あきらかな結合損失の差(50%値で10〜15dB程度)が見られた。図4の場合よりも結合損失が低く、効率の良い送受信が可能となり、且つ受信電界も安定している。
図6は、移動体側漏洩同軸ケーブルBによる比較例のシステムの結合損失測定結果を示す特性図である。図7は、本発明のシステムの結合損失測定結果を示す特性図である。図8は、標準ダイポールアンテナによる測定値の特性図である。
ここでも、図4と図5と比較をした結果と同様の結果を得た。本発明の構成により、結合損失が低く、効率の良い送受信が可能となり、且つ受信電界も安定した通信ができる。なお、移動体側漏洩同軸ケーブルAの結合損失と移動体側漏洩同軸ケーブルBの結合損失を比較すると、後者の方が良好で受信電界も安定している。従って、固定側漏洩同軸ケーブル1より結合損失が小さい移動体側漏洩同軸ケーブルを使用することが好ましいことが実証された。
実施例1の漏洩同軸ケーブルシステムを示す説明図である。 本発明の効果を実証するための実験設備の斜視図である。 図2の実験に使用した受信側の空中線種の特性説明図である。 移動体側漏洩同軸ケーブルAによる比較例のシステムの結合損失測定結果を示す特性図である。 移動体側漏洩同軸ケーブルAによる本発明のシステムの結合損失測定結果を示す特性図である。 移動体側漏洩同軸ケーブルBによる比較例のシステムの結合損失測定結果を示す特性図である。 本発明のシステムの結合損失測定結果を示す特性図である。 標準ダイポールアンテナによる測定値の特性図である。
符号の説明
1 固定側漏洩同軸ケーブル
2 送受信機
3 終端抵抗器
4 移動体側漏洩同軸ケーブル
5 送受信機
6 終端抵抗器
7、8 輻射方向
9、15 矢印

Claims (1)

  1. 一端に送(受)信機を接続し他端に終端抵抗器を接続した固定側漏洩同軸ケーブルと、
    一端に送(受)信機を接続し他端に終端抵抗器を接続した移動体側漏洩同軸ケーブルとを、
    互いに送(受)信機と終端抵抗器の位置が長手方向に見て反対側にあるように平行に対向させた状態で、移動体側漏洩同軸ケーブルを、固定側漏洩同軸ケーブルの長手方向に沿って移動させるように移動路を形成し、
    前記固定側漏洩同軸ケーブルおよび移動体側漏洩同軸ケーブルのいずれもが、
    ケーブル軸に垂直な方向に対して角度αだけ傾斜した電波が輻射されるとき、このαが、−45度以上+45度以下になるように、前記固定側漏洩同軸ケーブルと移動体側漏洩同軸ケーブルの外部導体に設けたスロットの電波輻射パラメータを決定し、
    前記移動体側漏洩同軸ケーブルは、前記固定側漏洩同軸ケーブルより短くて、前記固定側漏洩同軸ケーブルのスロットの配列周期以上の長さを有し、
    前記ケーブル軸に垂直な方向に対して、ほぼ等しい角度だけ傾斜した電波を輻射したとき、両ケーブルの電波の輻射方向が平行でかつ反対向きになるように配置し、
    前記移動体側漏洩同軸ケーブルの結合損失が、前記固定側漏洩同軸ケーブルより小さくなるようにしたことを特徴とする漏洩同軸ケーブルシステム。
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