JP4558110B2 - ポリマー電解質二次電池及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高強度で耐熱性を有する安全性の優れた固体型ポリマー電解質層を備えるポリマー電解質二次電池及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の発達にともない、小型・軽量、かつエネルギー密度が高く繰り返しの充電回数が多い二次電池の開発が望まれている。この種の電池として水溶液電解液でなく非水電解液を使用するリチウムおよびリチウムイオン二次電池が注目されている。
【0003】
リチウムおよびリチウム合金を負極として用いる溶液型のリチウム二次電池の場合、充放電繰り返しに伴い負極上に糸状のリチウム結晶体(デンドライト)が生じ短絡等を起こすことから、それを抑制し、しかもセパレータとしての特性を有する固体状のポリマー電解質の開発が望まれている。
【0004】
また、リチウム二次電池のデンドライトの問題を解消し商品化されたリチウムイオン二次電池においては、電極の短絡防止に用いているセパレータ自身の電解液の保持力は十分でなく電解液の液漏れを起こし易いことから、外装として金属缶の使用が不可欠となっている。これにより、電池の製造コストが高くなるだけでなく、電池の軽量化も十分に出来ない状況にある。このような背景から、リチウムイオン二次電池においても電解液の液漏れをなくし、電池の軽量化を目指す観点から、セパレータとしての機能も有する安全性の高いポリマー電解質を利用したポリマー電解質二次電池の開発が望まれている。
【0005】
この様な背景から、高いイオン伝導度と安全性とを兼ね備えたポリマー電解質系の検討が精力的に行われている。そのアプローチの一つは、ポリマーに液体成分(溶媒もしくは可塑剤)を含有させず、ポリマーと電解質のみで固体型の電解質を作製しようとするいわゆる真性ポリマー電解質のアプローチである。このタイプの電解質は、液体成分が含有されていないために、比較的強度のある膜を得ることが出来るが、イオン伝導度の限界が10-5S/cm程度と低く、しかも電極活物質層との接合が十分に取れない等の理由により、古くから検討が行われているにも関わらず未だに実用化に達していないのが現状である。
【0006】
一方、前記の真性ポリマー電解質のイオン伝導度の低さ、界面接合の不十分さ等の欠点を補う系として精力的に検討されているのが、真性ポリマー電解質に液体成分(溶媒もしくは可塑剤)を添加したいわゆるゲル電解質と称されるものである。この系の場合、ゲル電解質膜のイオン伝導度は含有する液体成分の量に依存しており、かなりの量の液体成分を含有させることにより、実用的に十分と考えられる10-3S/cm以上のイオン伝導度を示す系がいくつか報告されるようになっている。しかし、これらの系のほとんどは、液体成分の添加に伴い膜の力学的特性が急激に損なわれ、固体電解質が本来持つべきセパレータとしての安全機能が消失したものとなっていた。
【0007】
このような状況のもと、米国特許第5,296,318号明細書には、ゲル電解質膜の力学強度とイオン伝導度が両立するとされる系が記載されている。これは、弗化ビニリデンとヘキサフロロプロピレン共重合体をポリマーとして用いたゲル電解質膜であり、ゲル電解質としては特質すべき力学特性を示す系として注目されている。しかし、この系ですら、二次電池用のセパレータ機能の一つの指標である突刺し強度が、汎用のセパレータより一桁低いため、このフィルムをロールで取り扱う際に張力をかけると、容易に変形・破損したり、電極と積層した場合にわずかな圧力で押しつぶされ短絡するなど、電池の製造プロセスを考慮した場合、十分な機械的性質を有しているとは言い難かった。また、そのゲル電解質膜の力学的耐熱温度(メルトフロー温度)は、100℃強と通常のポリオレフィン系セパレータより50℃ほど低いものであり、耐熱性の面でも必ずしもリチウムイオン二次電池の安全性を保障できるものとはなっていなかった。この耐熱性を改善する方法として、米国特許第5,429,891号明細書には、架橋性のモノマーを前記の弗化ビニリデン系ポリマー構造中に含有させそのモノマーの重合により架橋構造を導入する方法も提案されているが、残存モノマーによる電気化学反応への悪影響が懸念されるとともに、必ずしも十分なレベルまで耐熱性は改善されていなかった。
【0008】
また、このタイプのポリマー電解質を用いたポリマー電池の製造法として、米国特許第5,470,357号明細書には、可塑剤とともに製膜したポリマーフィルムを正極及び負極層と熱圧着法によりラミネート後、可塑剤を抽出し非水電解液を含浸させる方法が記載されている。この手法の場合、グリッドあるいは網状の有孔集電体の利用により、可塑剤の抽出と電解液の含浸の効率化を計っているが、その抽出、電解液置換工程を短縮することは困難で、ポリマー電池の製造プロセスとしては好ましいものではなかった。
【0009】
一方、ゲル電解質膜で不十分とされている力学的特性を補う目的で、種々の支持体を補強材として併用するゲル電解質が提案されたいる。例えば、特開平9-22724号公報には、ポリオレフィン等の合成繊維不織布を塗工型のポリマーゲル電解質製膜時の支持体として併用する技術が記載されている。ポリオレフィン不織布の併用により、電極との積層の際のつぶれを回避することは可能であるが、ポリオレフィン繊維自身の強度が十分でないため、膜厚を薄くすることが困難であるとともに得られた電解質膜の力学的耐熱性もポリオレフィン不織布に支配されるため高々160℃程度であった。また、この場合の電池エレメントを構成した後での電解液含浸工程が必要であった。
【0010】
また、米国特許5,603,982号明細書には、電解液とモノマーを溶液状態で透気度の高いポリオレフィン等の不織布に含浸させ、その後そのモノマーを重合させ固体電解質とする手法が記載されいる。この手法の場合、電解液含有状態で重合を行なうため、前記のような製膜(電池エレメント作製)後の電解液含浸工程は不要となるが、不織布に含浸させる溶液の粘度が低いため、不織布の液保持力が十分でないために、その膜を上下からガラス等の平板基材で挟み込み、モノマーの重合を実施する必要があった。この手法の場合も、その製造工程が複雑なだけでなく、ポリオレフィン系不織布を採用しているため、薄膜化を実現することは困難であった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、実用的な高いイオン伝導度と、セパレータとしての強い短絡防止強度と、短絡防止に関しての高い耐熱性とを兼ね備えた安全性に優れた固体型ポリマー電解質膜を利用したポリマー電解質二次電池、即ちイオン伝導度と、強度と、耐熱性の三者を兼ね備えた、安全性の高い固体型ポリマー電解質膜を利用したポリマー電解質二次電池とその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、非水電解液を保持したゲル状のポリマー電解質膜に電池の製造工程に耐える十分な機械的強度と、電池としての安全性を高めるに十分な力学的な耐熱性を付与することを目的とし、ゲル状のポリマー電解質を含浸させうる高強度で耐熱性があり、しかもイオン伝導性を損なわない透気度の高い多孔質薄膜支持体の探索を実施してきた。その結果、多孔質支持体材料として、従来のポリオレフィンではなく、全芳香族ポリアミドを採用することにより、強度と耐熱性を兼ね備えた固体型のポリマー電解質を利用したポリマー電解質二次電池を開発できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち本発明は、非水電解液を保持した、リチウムイオンを吸蔵放出する正極材料を有してなる正極と、非水電解液を保持した、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質負極材料を有してなる負極とが、非水電解液を保持したポリマー電解質膜を介して接合されたポリマー電解質二次電池において、前記ポリマー電解質膜は、非水電解液とこの電解液を保持可能なポリマー樹脂とを有してなるゲル状のポリマー電解質を、多孔質薄膜に含浸させて一体化した複合型ポリマー電解質膜であり、前記多孔質薄膜は、突き刺し強度が200g以上かつ透気度が10sec/100cc・in2以下の全芳香族ポリアミドからなる多孔質薄膜であり、前記ポリマー電解質膜は、イオン伝導度が25℃にて5×10−4S/cm以上であり、突刺し強度が300g以上であり、かつ膜の力学的な耐熱温度が300℃以上であり、前記ポリマー電解質膜の平均膜厚が、前記多孔質薄膜の平均膜厚の1.05〜2.0倍であることを特徴とするポリマー電解質二次電池であり、また、その製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のポリマー電解質二次電池及びその製造方法に関して説明する。
【0015】
(ポリマー電解質膜)
先ず、本発明に用いるポリマー電解質膜について説明する。本発明のポリマー電解質膜は、25℃にて5×10-4S/cm以上の実用上十分な高いイオン伝導度を示し、かつ電池に適用するに十分な300g以上の突刺し強度を示し、かつ300℃以上の力学的な耐熱温度を有する実用的なイオン伝導度と安全性を兼ね備えたポリマー電解質膜である。ここで、イオン伝導度は、固体状のポリマー電解質膜を20mmφのSUS電極で挟み、交流インピーダンス法により測定した10K Hzでのインピーダンスより求めた値を意味している。この値が、5×10-4S/cmよりも低いと、電池として組み上げた際のインピーダンスが高くなり、高レート充放電の際の容量が低下し好ましくなくなる。
【0016】
本発明のポリマー電解質膜の場合、突刺し強度が300g以上と高いことも特徴である。突刺し強度は、現状の溶液型リチウムイオン二次現地のセパレータの短絡防止強度を表す指標としてセパレータの評価に利用されている物性であり、本発明においては、下記の条件にて測定した値を突刺し強度とした。
【0017】
支持体を11.3mmφの固定枠にセットし、先端部半径0.5mmの針を支持体の中央に垂直に突き立て、50mm/分の一定速度で針を押し込み、支持体に穴が開いた時の針にかかっている力を突刺し強度とした。
【0018】
この値が300g未満の場合、このポリマー電解質膜の突刺し強度が十分でなくなり、電池の製造工程で、電極同士の短絡発生確率が高くなり好ましくなくなるとともに、電池として組み上げた際の安全性(短絡防止特性)が十分に確保されず好ましくなくなる。
【0019】
また、本発明のポリマー電解質膜は、300℃以上の高い力学的な耐熱性有している点も特徴である。ここで、力学的な耐熱温度は、以下の条件で測定した値を意味している。
【0020】
膜厚約45μm、幅5mm、長さ25mmの短冊状のポリマー電解質膜に1gの荷重をかけ、10℃/分の速度で温度を昇温させ熱機械的特性分析(TMA)を実施し、膜が破断するか、あるいは膜が10%伸びる温度を力学的な耐熱温度とした。
【0021】
この温度が300℃未満では、電池の異常反応等により、電池の内部温度が急激に上がった際に電極間の短絡を十分に防止できず、安全上好ましくなくなる。
【0022】
本発明の、ポリマー電解質膜は、強度、耐熱性に特徴のある多孔質支持体薄膜に実用的に十分なイオン伝導度を有するゲル状のポリマー電解質を含浸複合化することにより作製される。その際のゲル状のポリマー電解質の含有量は、30〜85重量%の範囲が好ましい。ゲル状のポリマー電解質含有量が30重量%未満では、多孔質支持体と複合化した際に十分なイオン伝導度が得られず好ましくない。また、その含有量が85重量%より多くなると、複合膜の強度が低下したり、あるいは、複合型ポリマー電解質膜の膜厚が増加し電池の体積エネルギー密度低下を引起こし好ましくなくなる。また本発明の複合型ポリマー電解質膜の場合、電解質膜内部に完全に多孔質支持体薄膜が包埋し、電解質膜表面がゲル状のポリマー電解質で覆われていることが重要である。複合電解質表面がゲル状のポリマー電解質で完全に覆われておらず、多孔質薄膜支持体が露出している部分があると、正極及び負極との間で良好な界面接合を遂行することが困難となり好ましくなくなる。具体的には、複合ポリマー電解質膜の平均膜厚は、用いる多孔質薄膜の平均膜厚の1.05〜2.0倍の範囲が好ましい。複合ポリマー電解質膜の膜厚が用いた多孔質薄膜の膜厚の1.05倍よりも薄い場合、部分的に多孔質膜膜が露出した部分が出来るとともに、正極および負極の表面凹凸を複合ポリマー電解質膜の表面を覆ったゲル状のポリマー電解質で吸収できなくなり、結果的に良好な界面接合を遂行することが困難となり好ましくない。また、複合ポリマー電解質膜の膜厚が用いた多孔質薄膜のそれの2.0倍よりも厚い場合は、結果的に複合ポリマー電解質膜の膜厚が厚くなり、電池の体積エネルギー密度を低下させ好ましくなくなる。
【0023】
本発明に用いるポリマー電解質としては、イオン伝導度の観点から、非水電解液を保持したゲル状のポリマー電解質が好適に採用される。ゲル状のポリマー電解質用のポリマー樹脂としては、ポリエチレンオキサイド(PEO)、PEOとポリプロピレンオキサイド(PPO)との共重合体、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、PANとPMMAの共重合体、アクリロニトリルとスチレンの共重合体(NSR)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ弗化ビニリデン(PVdF)の共重合体、プルラン等の多糖ポリマー、ポリグリシジルメチルエーテルの共重合体、およびエチレンオキサイド骨格を有する(メタ)アクリレート系の重合体・共重合体等を挙げることが出来るがこれに限定されるものではない。但し、製膜工程の容易さから、流動(溶液)状態のポリマーからアラミド支持体に直接含浸塗工できるタイプのポリマーがより好適に用いられる。
【0024】
特に、好ましいゲル状のポリマー電解質用のポリマー樹脂として、含浸塗工が可能でしかも耐酸化性の優れたPVdFを主成分とするPVdF共重合体を挙げることが出来る。好適に用いられる共重合成分としては、ヘキサフロロプロピレン(HFP)、パーフロロメチルビニルエーテル(FMVE)、クロロトリフロロエチレン(CTFE)、弗化ビニルおよびテトラフロロエチレン(TFE)が挙げられ、これらの共重合成分とVdFの2原もしくは3原共重合体が本発明のポリマー材料としては好適である。また、これら共重合成分の好適な共重合割合としては3〜10モル%の範囲が挙げられる。
【0025】
これらゲル電解質用のポリマー樹脂に保持させる非水電解液としてはリチウム塩を溶解した非水溶媒(可塑剤)が好適に用いられる。その際、ポリマー樹脂に対する非水電解液の保持量(含浸量)は、ポリマー樹脂100重量部に対して、非水電解液100重量部以上が必要である。非水電解液の量がこれよりも少ないと、多孔質支持体と複合化した際に十分なイオン伝導度を確保できず好ましくない。
【0026】
使用する非水溶媒(可塑剤)としてはリチウムイオン二次電池に一般的に用いられているプロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、1,2-ジメトキシエタン(DME)、1,2-ジエトキシエタン(DEE)、γーブチロラクトン(γーBL)、スルフォラン、アセトニトリル等を挙げることが出来る。前記非水溶媒は、単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。特に、PC、EC、γ-BL、DMC,DEC,MECおよびDMEから選ばれる少なくとも1種以上の液体が好適に用いられる。
【0027】
この非水溶媒に溶解する好適なリチウム塩としては、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六弗化リン酸リチウム(LiPF6)、ホウ四弗化リチウム(LiBF4)、六弗化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフロロスルフォン酸リチウム(CF3SO3Li)、リチウムパーフロロメチルスルフォニルイミド[LiN(CF3SO2)2]およびリチウムパーフロロエチルスルフォニルイミド[LiN(C2F5SO2)2]等が挙げられるがこれに限定されるものではない。溶解するリチウム塩の濃度としては、0.2から2M(モル/L)の範囲が好適に用いられる。
【0028】
次に、本発明に用いる多孔質支持体薄膜について説明する。本発明の多孔質支持体薄膜としては、平均膜厚が50μm以下で、突刺し強度が200g以上で、かつ透気度が10sec/100cc・in2以下の高強度・高透気度薄膜が好適に用いられる。平均膜厚が50μm以上になれば、高強度の支持体を得ることは容易となるが、得られるポリマー電解質複合膜の膜厚が厚くなり、電池として組み上げた際の体積エネルギー密度を低下させ好ましくない。
【0029】
本発明の支持体の突刺し強度としては、200g以上のものが好適に用いられる。この値が、200gより低い支持体を用いた場合は、ポリマー電解質を含浸させ複合化した後でも300g以上の突刺し強度を実現することが困難となり、電池の製造工程での短絡の発生確率が上がったり、電池として組み上げた際の安全性(短絡防止特性)が十分でなくなり好ましくない。
【0030】
本発明の支持体の透気度は、ガーレー法(100ccの空気が1in2の面積を2.3cmHgの圧力で透過するに要する時間)により測定した値を示している。本発明の多孔質支持体薄膜としては、この値が、10sec/100cc・in2以下の高い透気度を示す支持体が好適に用いられる。この値が、10sec/100cc・in2よりも大きい透気度の低い支持体を用いた場合、工業的に最も有利と考えられるポリマー溶液からの塗工法によるポリマー電解質の含浸複合化が困難となるとともに、複合化ポリマー電解質のイオン伝導度も十分に高めることが困難になり好ましくない。
【0031】
本発明の高強度・高透気度の多孔質薄膜支持体用の材料としては、強度と耐熱性の観点から全芳香族のポリアミドが用いられる。その支持体形状としては、全芳香族ポリアミドの重合体であるアラミド繊維からなる不織布、織物、あるいは、そのアラミド繊維の隙間に全芳香族ポリアミドの重合体である合成パルプが分散する通気性のある紙様のシート、あるいは、全芳香族ポリアミドの重合体であるアラミド樹脂からなる孔が多数開いた通気性のあるフィルム等を挙げることが出来る。前記した支持体としての必要特性を満足しておれば、これらの内どの形状のものも本発明に利用することが可能であるが、透気度を考慮した場合、不織布状のシートが最も好適に用いられる。その目付け量としては、12〜30g/m2の範囲が好適に用いられる。目付け量が12g/m2未満の場合、透気度の高い支持体を得るのは容易となるが、突刺し強度として200g以上のものを得ることが困難となり、結果的に短絡防止強度の優れた固体型電解質膜を得ることが出来なくなる。一方、目付け量が30g/m2よりも多くなると、突刺し強度を満足することは容易となるが、平均膜厚50μm以下の支持体を得ることが困難となる。また、無理に密度を上げ薄膜化すると、透気度が低下し結果的にイオン伝導度の高い複合膜を得ることが困難になり好ましくない。
【0032】
全芳香族ポリアミド重合体の分子構造としては、メタ系、パラ系を問わず本発明に利用可能である。メタ系の代表としては、m−フェニレンイソフタルアミドを主たる構成単位とする全芳香族ポリアミド、パラ系の代表としては、p−フェニレンテレフタルアミドを主たる構成単位とする全芳香族ポリアミドなどを挙げることができる。
【0033】
次に、本発明の複合型ポリマー電解質膜の製造方法について説明する。本発明の固体型ポリマー電解質膜は、平均膜厚が50μm以下で、突刺し強度が200g以上で、かつ透気度が10sec/100cc・in2以下の高強度・高透気度の多孔質薄膜支持体に、ポリマー樹脂100重量部に対してリチウム塩を溶解した非水電解液を100重量部以上保持したゲル状の電解質を含浸させれたものである。この際、ゲル状のポリマー電解質を含浸複合化する方法は特に限定するものではないが、工業的な生産が容易な流動(溶液)状態のポリマーを直接多孔質薄膜支持体に含浸塗工する方法がより好まれる。そのような手法としては、例えば下記の方法が挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0034】
▲1▼ゲル電解質用のポリマー樹脂と非水電解液とを混合加熱溶解し、その溶液状態のドープを多孔質薄膜支持体に直接塗工・含浸させ、冷却固化することで複合化する方法。
【0035】
▲2▼ゲル電解質用のポリマー樹脂と非水電解液とポリマーを溶解する揮発性の溶媒とを混合溶解し、その溶液状態のドープを多孔質薄膜支持体に直接塗工・含浸させ、ついで揮発性溶媒を乾燥除去することで複合化する方法。
【0036】
▲3▼ゲル電解質用のポリマー樹脂とそのポリマーを溶解し水に相溶する溶媒と相分離剤(ゲル化剤もしくは開孔剤)とを混合溶解し、その溶液状態のドープを多孔質薄膜支持体に直接塗工・含浸させ、ついでその膜を水系の凝固浴に浸漬しポリマーを凝固後、水洗・乾燥を行なった複合膜を電解液に浸漬し、ポリマー樹脂をゲル化させ複合膜とする方法。
【0037】
(正極)
本発明の正極は、代表的にはリチウムイオンを吸蔵放出する活物質と、非水電解液と、この電解液を保持し活物質を結着させるバインダーポリマーと、集電体とから構成される事ができる。
【0038】
前記活物質としては、種々のリチウム含有酸化物やカルコゲン化合物を挙げることができる。リチウム含有酸化物としては、LiCoO2などのリチウム含有コバルト酸化物、LiNiO2などのリチウム含有ニッケル酸化物、LiMn2O4などのリチウム含有マンガン複合酸化物、リチウム含有ニッケルコガルト酸化物、リチウム含有非晶質五酸化バナジウムなどを挙げることができる。また、カルコゲン化合物としては、二硫化チタン、二硫化モリブデンなどを挙げることができる。
【0039】
非水電解液としては、前述したポリマー電解質膜で説明したものと同様のものを用いることができる。
【0040】
非水電解液を保持し、活物質を結着させるバインダーポリマーとしては、ポリ弗化ビニリデン(PVdF)、PVdFとヘキサフロロプロピレン(HFP)やパーフロロメチルビニルーテル(FMVE)との共重合体などのPVdF共重合体樹脂、ポリテトラフロロエチレン、フッ素系ゴムなどのフッ素系樹脂や、スチレンーブタジエン共重合体、スチレンーアクリロニトリル共重合体、エチレンープロピレンーターポリマーなどの炭化水素系ポリマーや、カルボキシメチルセルロース、ポリイミド樹脂などを用いることができる。これらは単独で用いても、2種以上を混合して用いても構わない。
【0041】
バインダーポリマーの添加量は、活物質100重量部に対して3〜30重量部の範囲が好ましい。バインダーが3重量部未満の場合、活物質をつなぎ止める十分な結着力が得られず好ましくない。また、それが30重量部より多くなると、正極における活物質密度が低下し、結果的に電池のエネルギー密度低下を引起こし好ましくなくなる。
【0042】
集電体としては、酸化安定性の優れた材料が好適に用いられる。具体的には、アルミニウム、ステンレススチール、ニッケル、炭素などを挙げることができる。特に好適には、ホイル状のアルミニウムが用いられる。
【0043】
また、本発明の正極は、人造黒鉛、カーボンブラック(アセチレンブラック)、ニッケル粉末などを導電助材として含有しても構わない。
【0044】
本発明の正極の製造法は特に限定されるものではないが、下記の方法などを採用することができる。
【0045】
▲1▼活物質、バインダーポリマー、バインダーを溶解する揮発性溶媒を所定量混合溶解し、活物質のペーストを作製する。得られたペーストを集電体上に塗工後、揮発性溶媒を乾燥除去した膜を非水電解液に浸漬し電解液を保持させる方法。
【0046】
▲2▼活物質、バインダーポリマー、バインダーを溶解する水溶性の溶媒を所定量混合溶解し、活物質のペーストを作製する。得られたペーストを集電体上に塗工後、得られた塗膜を水系の凝固浴へ浸漬し、バインダーポリマーの凝固を行ない、ついで膜の水洗・乾燥を実施した膜を非水電解液に含浸に電解液を保持させる方法。
【0047】
▲3▼活物質、バインダーポリマー、バインダーを溶解する低沸点の揮発性溶媒、非水電解液を所定量混合溶解し、活物質のペーストを作製する。得られたペーストを集電体上に塗工後、低沸点の揮発性溶媒のみを乾燥除去し、電解液が保持された正極を直接製膜する方法。
【0048】
(負極)
次に、本発明の負極について説明する。本発明の負極は、代表的にはリチウムイオンを吸蔵放出する炭素質活物質と、非水電解液と、この電解液を保持し活物質を結着させるバインダーポリマーと、集電体とから構成される事ができる。
【0049】
前記炭素質活物質としては、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、フェノールノボラック樹脂、セルロースなどの有機高分子化合物を焼結したもの、コークスやピッチを焼結したもの、人造黒鉛や天然黒鉛に代表される炭素質材料を挙げることができる。
【0050】
非水電解液としては、前述したポリマー電解質膜で説明したものと同様のものを用いることができる。
【0051】
非水電解液を保持し、活物質を結着させるバインダーポリマーとしては、前述した正極と同様のものを用いることができる。
【0052】
バインダーポリマーの添加量は、活物質100重量部に対して3〜30重量部の範囲が好ましい。バインダーが3重量部未満の場合、活物質をつなぎ止める十分な結着力が得られず好ましくない。また、それが30重量部より多くなると、負極における活物質密度が低下し、結果的に電池のエネルギー密度低下を引起こし好ましくなくなる。
【0053】
集電体としては、還元安定性の優れた材料が好適に用いられる。具体的には、金属銅、ステンレススチール、ニッケル、炭素などを挙げることができる。特に好適には、ホイル状の金属銅が用いられる。
【0054】
また、本発明の負極は、人造黒鉛、カーボンブラック(アセチレンブラック)、ニッケル粉末などを導電助材として含有しても構わない。
【0055】
本発明の負極の製造法は特に限定されるものではないが、前述の正極で説明した方法と同様のものを採用することができる。
【0056】
(電池の製造)
次に、本発明のポリマー電解質二次電池の製造法について説明する。本発明の製造法の場合、非水電解液を保持させた正極、複合ポリマー電解質膜、負極を積層し熱圧着法にラミネートを行なうことで、後からの非水電解液の含浸プロセスを必要とせずに電池エレメントを構成する点が特徴である。また、非水電解液保持状態の複合型ポリマー電解質膜を用い熱圧着を実施することのより、電解質ポリマーの融点降下により、熱圧着を温度を下げられる点、および耐熱性の高強度支持体と複合化していることにより、熱圧着時にポリマー電解質膜のつぶれが併発しないことも本製造法の特徴である。
【0057】
熱圧着法としては、種々の手法が採用可能で特に限定されるものではないが、例えば、ダブルロールラミネータ等の熱ローラを用いる方法を挙げることができる。その際、採用される温度としては、室温〜150℃範囲が採用される。圧着温度が室温以下の場合、電極と複合型ポリマー電解質膜の接着が十分でなく好ましくない。また、その温度が150℃よりも高くなると、熱による電解質の分解や負極材料と電解液との分解反応が併発し好ましくなくなる。より好適には、30℃〜120℃の範囲が採用される。
【0058】
本発明のポリマー電解質二次電池の場合、正極と複合型ポリマー電解質膜、及び負極と複合型ポリマー電解質膜が各々10gf/cm以上の剥離強度で接着し、良好な界面接合が遂行されていることも特徴である。ここで、剥離強度は、以下の条件により測定した値を意味している。
【0059】
熱圧着法により貼り合せた正極又は負極と複合型ポリマー電解質膜とを幅3cm、長さ6cmの短冊状に切り出し、180°剥離試験法により10cm/分の速度で電極と複合電解質膜とを引き剥がし、その時の単位幅当たりの平均剥離強度(gf/cm)を剥離強度とした。
【0060】
この値が10gf/cm未満の場合、電極とポリマー電解質膜との界面接合が不十分となり、界面インピーダンスの増加を引起こしたり、電池製造のハンドリングの際に界面剥離を併発したりし好ましくなくなる。
【0061】
【実施例】
以下、本発明の内容を実施例を用い詳細に説明する。
【0062】
[実施例1]
「複合型ポリマー電解質膜」
<アラミド支持体>
太さ1.25deの結晶化させたm−アラミド短繊維に太さ3deの非結晶化m−アラミド長繊維をバインダーとして添加し、乾式抄造法により目付け量19g/m2で製膜しカレンダーロールをかけ不織布状のシートを得た。得られた支持体の特性は以下の通りであった。平均膜厚36μm、密度0.53g/cm3、空隙率62%、透気度0.04sec/100cc・in2、突刺し強度330g。
【0063】
<ゲル電解質の複合化>
ゲル電解質用のポリマー樹脂としてPVdFにパフロロメチルビニルエーテル(FMVE)を5.3モル%共重合したPVdF共重合体用いた。このポリマー樹脂100重量部に対して、1MのLiBF4を溶解したPC/EC(1/1重量比)電解液を300重量部添加し、さらに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を添加し混合溶解し、ポリマー濃度12重量%のドープを調製した。得られたドープを前記のアラミド支持体に含浸・塗工し、50℃にてTHFを乾燥除去することで複合型型ポリマー電解質膜を作製した。得られた電解質膜の特性は下記の通りであった。平均膜厚45μm(複合膜表裏に4-5μm厚さのポリマー電解質層あり)、突刺し強度443g、イオン伝導度1.3×10-3S/cm(25℃)、TMA耐熱温度>400℃。
【0064】
「正極」
コバルト酸リチウム(LiCoO2;関西触媒製)粉末85重量部とカーボンブラック5重量部とポリ弗化ビニリデン(PVdF)の乾燥重量が10重量部になるように、12wt%のPVdFのN-メチルーピロリドン(NMP)溶液を用い、正極材ペーストを作製した。得られたペーストを厚さ20μmのアルミ箔上に塗布乾燥し、厚さ120μmの正極塗膜を作製した。ついで、得られた正極を1MのLiBF4を溶解したPC/EC(1/1重量比)に浸漬し、電解液を保持した正極とした。
【0065】
「負極」
炭素質負極材としてメゾフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB;大阪瓦斯化学)粉末90重量部とPVdFの乾燥重量が10重量部になるように、12wt%のPVdFのNMP溶液を用い、負極材ペーストを作製した。得られたペーストを膜厚18μmの銅箔上に塗布乾燥し、厚さ125μmの負極塗膜を作製した。得られた負極を1MのLiBF4を溶解したPC/EC(1/1重量比)に浸漬し、電解液を保持した負極を作製した。
【0066】
「電池製造」
正極、負極および複合型ポリマー電解質膜をそれぞれ3cm×6cmサイズに切り出し、正極、複合型ポリマー電解質膜、負極の順に重ね合せ、ダブルロールラミネータを用い、80℃で熱圧着を実施した。同様に作製した電池エレメント(正極/複合型ポリマー電解質膜/負極積層体)について、180°剥離試験を実施したところ、正極と複合型ポリマー電解質膜は30gf/cm、負極とのそれは22gf/cmの剥離力で接着しており、良好な界面接合が遂行されていることが分かった。得られた電池エレメントのそれぞれの集電体にステンレスシート端子を取り付け、ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレンテレフタレート積層シート(膜厚50μm)でラミネートしてシート状の電池を作製した。得られた電池について、1mA/cm2の電流密度での充放電を実施した。この際、充電は4.2Vまで実施し、放電は2.7Vでカットした。初回放電の電流効率は80%で、繰り返しの充放電が可能であった。また、その際の負極重量当たりの放電量は200mAh/gであった。
【0067】
[比較例1]
「ポリマー電解質膜」
アラミド支持体を用いずに、実施例1で用いたゲル電解質用のドープをシリコンコートの離型フィルム上に塗工し、ゲル電解質フィルムからなる単独膜を作製した。得られたフィルムの特性は以下の通りであった。膜厚45μm、突刺し強度20g、イオン伝導度2.5×10-3S/cm、TMA耐熱温度100℃。実施例1の膜に比較し、伝導度は良好であるが、突刺し強度と耐熱性が低いものであった。
【0068】
「電池製造」
実施例1で作製した正極および負極と、本比較例のポリマー電解質膜を用い、実施例1と同様に、ダブルロールラミネータを用い電池エレメントの作製を試みた。しかし、ポリマー電解質膜の力学特性が十分でないために、ラミネートの際にポリマー電解質膜のつぶれが併発し、良好な電池エレメントを作製できなかった。
【0069】
[実施例2]
「複合型ポリマー電解質膜」
ゲル電解質用のポリマー樹脂としてVdFにヘキサフロロプロピレン(HFP)を5モル%共重合したポリマー(VdF-HFP)を用いた以外は、実施例1と同様のアラミド支持体と製造法を採用し、複合型ポリマー電解質膜を作製した。得られた電解質膜の特性は以下の通りである。平均膜厚45μm(複合膜表裏に4-5μm厚さのポリマー電解質層あり)、突刺し強度450g、イオン伝導度1.3×10-3S/cm(25℃)、TMA耐熱温度>400℃。
【0070】
「正極」
コバルト酸リチウム(LiCoO2;関西触媒製)粉末85重量部とカーボンブラック5重量部とバインダーとして前記ポリマー電解質にもちいたVdF-HFPの乾燥重量が10重量部、そして非水電解液である1MのLiBF4を溶解したPC/EC(1/1重量比)の量が20重量部になるように、12重量%のVdF−HFPのテトラヒドロフラン(THF)溶液を用い、正極材ペーストを作製した。得られたペーストを厚さ20μmのアルミ箔上に塗布後50℃で乾燥しTHF除去し、厚さ120μmの非水電解液を保持した正極塗膜を作製した。
【0071】
「負極」
炭素質負極材としてメゾフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB;大阪瓦斯化学)粉末90重量部とバインダーとして前記ポリマー電解質にもちいたVdF-HFPの乾燥重量が10重量部、そして非水電解液である1MのLiBF4を溶解したPC/EC(1/1重量比)の量が20重量部になるように、12重量%のVdF−HFPのテトラヒドロフラン(THF)溶液を用い、負極材ペーストを作製した。得られたペーストを膜厚18μmの銅箔上に塗布後50℃で乾燥しTHFを除去し、厚さ125μmの非水電解液を保持した負極塗膜を作製した。
【0072】
「電池製造」
実施例1と同様にして正極/複合型ポリマー電解質膜/負極積層体からなる電池エレメントおよびそれをアルミラミネートフィルム中に封入したシート状電池を作製した。正極及び負極とポリマー電解質膜との剥離強度はそれぞれ35gf/cm、24gf/cmで良好な界面接合が遂行されていることが分かった。シート状電池について、1mA/cm2の電流密度で、実施例1と同様にして充放電を実施したところ、繰り返しの充放電が可能であることが確認された・その際の初回放電の電流効率は79%、負極炭素重量当たりの放電量は196mAh/gであった。
【0073】
[比較例2]
「複合型ポリマー電解質膜」
実施例2と同様のアラミド支持体とポリマー電解質ドープを用い、実施例2と同様にして、アラミド支持体にポリマー電解質が含浸された複合型ポリマー電解質膜を作製した。但し、この際、支持体へのポリマー電解質の含浸量を低下させた。このため、平均膜厚は36μmで支持体単独の値と変化なく、複合膜の表裏には部分的に支持体が露出している部分があった。その他の特性は以下の通りであった。突刺し強度428g、イオン伝導度1.1×10-3S/cm(25℃)、TMA耐熱温度>400℃。
【0074】
「電池製造」
前記の複合型ポリマー電解質膜と実施例2で用いた正極および負極を用い、実施例1と同様にしてダブルロールラミネーターによる熱圧着処理を実施した。この積層エレメントについて剥離試験を実施したところ、平均の剥離強度は正極および負極についてそれぞれ5gf/cm、3gf/cmと低いものであった。また、正・負の両電極とも電解質膜に全く接着(接合)していない部分が目視レベルでも観測され、良好な界面接合が遂行されていないことが分かった。
【0075】
【発明の効果】
以上詳述してきたように本発明によれば、高いイオン伝導度と、強い短絡防止強度と、高い力学的耐熱性とを兼ね備えた安全性の優れた複合型ポリマー電解質膜利用することにより、安全性の高いポリマー電解質二次電池を容易な製造方法で提供することが可能となった。
Claims (8)
- 非水電解液を保持した、リチウムイオンを吸蔵放出する正極材料を有してなる正極と、非水電解液を保持した、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質負極材料を有してなる負極とが、非水電解液を保持したポリマー電解質膜を介して接合されたポリマー電解質二次電池において、
前記ポリマー電解質膜は、非水電解液とこの電解液を保持可能なポリマー樹脂とを有してなるゲル状のポリマー電解質を、多孔質薄膜に含浸させて一体化した複合型ポリマー電解質膜であり、
前記多孔質薄膜は、突き刺し強度が200g以上かつ透気度が10sec/100cc・in2以下の全芳香族ポリアミドからなる多孔質薄膜であり、
前記ポリマー電解質膜は、イオン伝導度が25℃にて5×10−4S/cm以上であり、突刺し強度が300g以上であり、かつ膜の力学的な耐熱温度が300℃以上であり、
前記ポリマー電解質膜の平均膜厚が、前記多孔質薄膜の平均膜厚の1.05〜2.0倍であること
を特徴とするポリマー電解質二次電池。 - 該複合型ポリマー電解質膜におけるゲル状のポリマー電解質の含有量が30〜85重量%であることを特徴とする請求項1記載のポリマー電解質二次電池。
- 該ゲル状のポリマー電解質が、ポリマー樹脂100重量部に対してリチウム塩を溶解した非水電解液を100重量部以上含有することを特徴とする請求項1又は2記載のポリマー電解質二次電池。
- 該ポリマー樹脂が、ポリ弗化ビニリデン(PVdF)を主成分とするPVdF共重合体であることを特徴とする請求項3記載のポリマー電解質二次電池。
- 該多孔質薄膜の平均膜厚が50μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリマー電解質二次電池。
- 該多孔質薄膜が目付け量12〜30g/m2の不織布状のシートであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリマー電解質二次電池。
- 正極とポリマー電解質膜との界面および負極とポリマー電解質膜との界面が各々10gf/cm以上の剥離強度で接着していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリマー電解質二次電池。
- 非水電解液を保持した状態の正極と、非水電解液を保持した状態のポリマー電解質膜と、非水電解液を保持した状態の負極とをこの順に重ね合せ、熱圧着法により貼り合せる工程を含むポリマー電解質二次電池の製造方法であって、
前記ポリマー電解質膜には、非水電解液とこの電解液を保持可能なポリマー樹脂とを有してなるゲル状のポリマー電解質を、多孔質薄膜に含浸させて一体化した複合型ポリマー電解質膜を用い、
前記多孔質薄膜は、突き刺し強度が200g以上かつ透気度が10sec/100cc・in2以下の全芳香族ポリアミドからなる多孔質薄膜であり、
前記ポリマー電解質膜は、イオン伝導度が25℃にて5×10−4S/cm以上であり、突刺し強度が300g以上であり、かつ膜の力学的な耐熱温度が300℃以上であり、
前記ポリマー電解質膜の平均膜厚が、前記多孔質薄膜の平均膜厚の1.05〜2.0倍であること
を特徴とするポリマー電解質二次電池の製造方法。
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