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JP4560752B2 - ばら物運搬船の防水扉装置 - Google Patents
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JP4560752B2 - ばら物運搬船の防水扉装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は石炭、鉄鉱石、ウッドチップ、石灰石、穀物などの不定形固体貨物であるばら物を海上輸送するばら物運搬船、詳しくは船倉に隔壁で仕切られて船体前後方向へ配置された複数の貨物室を有するとともに、隔壁を貫通して船底部に設置したベルトコンベヤからなる切出コンベヤを含むアンローディングシステムを具えているばら物運搬船の防水扉装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
船倉の船体長手方向へ配置された複数の貨物室に積載されているばら物を陸揚げするため、貨物室を仕切った隔壁を貫通して船底部に設置した切出コンベヤと、貨物室の底部に配備してばら物を排出し切出コンベヤに移す払出機と、船首または船尾に設置して切出コンベヤのばら物を上甲板の上方へ送る垂直コンベヤと、上甲板の上に設置して垂直コンベヤのばら物を埠頭の所定個所に送る陸揚げコンベヤとを有するアンローディングシステムをばら物運搬船に具えることは広く知られている。
【0003】
そして、このようなアンローディングシステムを具えたばら物運搬船が座礁や衝突によって船体に損傷を受けたとき、浸水が船体全域に及んで沈没することのないように、隔壁の切出コンベヤ貫通個所を閉塞して貨物室の水密化を計る防水扉装置を設けることが考えられており、例えば特開平5−124576号公報などに提示されている。
【0004】
前記公報に提示されている防水扉装置は、図5に示すように、切出コンベヤ80の往路ベルト部80aの上方に位置させた第一扉体81と、往路ベルト部80aと復路ベルト部80bとの間に位置させた第二扉体82と、復路ベルト部80bの下方に位置させた第三扉体83とを具え、第一扉体81と第二扉体82とを昇降可能とし、第三扉体83を船底84上に水密に固定したものであって、第一扉体81の上方に流体圧シリンダからなる昇降装置85が設置されている。
【0005】
そして、昇降装置85を作動させて第一扉体81と第二扉体82とを隔壁86の開口87の両側方に設けた案内溝88に従って下降させ、各扉体81,82,83により往路ベルト部80aと復路ベルト部80bとがそれぞれ上下から扁平状態に挟み込んだ状態で開口87を閉鎖するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、通常用いられるコンベヤベルトは表面を被覆するゴム材が耐久性を図ることから適宜の硬質で、且つ強度を持たせるために例えばスチールコードなどの心材を有しているので、10〜20mm程度の厚みを有している。
【0007】
そのため、各扉体81,82,83により開口87を閉塞したとき、図6に示すように、シール83aおよび82bを介して第二扉体82と第三扉体83とに挟まれる復路ベルト部80bの両側端、およびシール82aおよび81aを介して第一扉体81と第二扉体82とに挟まれる往路ベルト部80aにおけるそれぞれの両側端には隙間89ができやすく、水密生が劣っていた。
【0008】
そこで、従来は、扉体81,82,83によって開口87を閉じたときに、前記各隙間89にシール材を手作業で充填するなどの別途作業が必要であり、閉口の閉鎖ならびに開放作業が繁雑で手間が掛かっていた。
【0009】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、扉体によって開口を閉鎖したときに、扉体間に挟まれるベルト部の両側端に形成される隙間を自動的に塞ぐことが可能な防水扉装置をばら物運搬船に具えさせることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、隔壁で仕切られた複数の貨物室が船体長手方向へ並んで配置されているとともに、前記貨物室の底から排出したばら物を船首または船尾へ送るベルトコンベヤからなる切出コンベヤが前記隔壁に設けた開口を貫通して設置されており、前記開口の両側開口縁に沿って配置された案内枠体間に前記切出コンベヤの往路ベルト部ならびに復路ベルト部を挟む複数の扉体が配置されて、前記複数の扉体を全部または少なくとも一つを除いて昇降させることにより互いに閉じて往路ベルト部ならびに復路ベルト部を挟んだ状態で前記開口を閉塞するばら物運搬船の防水扉装置を次のようにして前記課題を解決させたものである。
【0011】
即ち、 前記往路ベルト部ならびに復路ベルト部を挟んで配置される扉体の内で一つの昇降可能な扉体における挟み面の両側端部に一対のスライドシールが前記挟み面に沿って移動可能にそれぞれ配置されているとともに、前記開口開放しているときには前記各スライドシールはその内端に前記スライドシールが配置されている扉体に配置した弾性体が連結されて内側方向へ付勢され、且つ前記各スライドシールの外端には一端を前記案内枠体に止着した所定長さの索条が緊張状態で連結されて前記各スライドシールが前記往路ベルト部または復路ベルト部の両側端部よりも外側方向の所定位置に待機されており、前記開口を閉塞するために前記スライドシールが配置されている扉体を上昇または下降させたとき、前記索条が弛んで前記各スライドシールが前記弾性体の付勢力により内側方向へ移動して前記往路ベルト部ならびに復路ベルト部の両側端にそれぞれ密着させた。
【0012】
そして、各扉体を昇降させて開口を開放すると、扉体の上昇または下降によって再び索条に張力が働き、スライドシールは弾性体の付勢力に抗して元の位置に復帰する。
【0013】
このように、扉体の昇降動作に連動して往路ベルト部ならびに復路ベルト部の両側端をスライドシールで自動的に塞ぐので簡単且つ確実に水密状態を形成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1乃至図4は本発明が適用されるばら物運搬船の概略を示したものであって、船体1の内部の船倉2を隔壁3で仕切って船体長手方向へ並んだ複数の、図示形態では三つの貨物室4が設けられている。各貨物室4はホッパ形状とされ、それらの底の平坦な床板5にスリット状の切出口6が設けられているとともに、床板5の上面に沿って往復走行する払出機7が配備されている。また、床板5の下方にはベルトコンベヤからなる切出コンベヤ9が隔壁3を貫通して設置されている。
【0015】
貨物室4のばら物は払出機7によって切出口6から排出され、切出コンベヤ9に乗って船尾へと送られて上甲板10の上方へ延びる垂直コンベヤ11を経て陸揚げコンベヤ12に移し替えられ、埠頭の所定個所に陸揚げされる。
【0016】
切出コンベヤ9が貫通する全ての隔壁3の全ての開口13のそれぞれに、以下に詳述する形態で代表される本発明に係る防水扉装置14が設置されている。
【0017】
この防水扉装置14は図2および図3に示すように、開口13を囲んで隔壁3の一側面に水密に取り付け固定した枠体15と、切出コンベヤ9の往路ベルト部9aの上方に設置した第一扉体16と、往路ベルト部9aと復路ベルト部9bとの間に設置した第二扉体17と、復路ベルト部9bの下方に設置した第三扉体18とを有している。
【0018】
枠体15は各扉体16,17,18が接する正面に弾性シール材からなり開口13を囲んで配置したパッキング19を固着させているとともに、左右の縦枠部15a,15aの前方に位置させて平板状の案内枠体20を突出させている。
【0019】
第一扉体16は往路ベルト部9aのトラフ形状に合致する台形状の突出部16aと両端に突出した支軸16bとを有しており、枠体15の上横部15bの両側方において縦枠部15aと案内枠体20との間に設置した軸受21,21に支軸16b回転可能に支持されているとともに、この支軸16bの一端は回動駆動機構23を構成する減速機23aを経て原動機23bである電動機に結合されている。この第一扉体16はほぼ水平の待機位置と鉛直下向きであってパッキング19に密着する閉止位置との間で回動するものであり、下向きとされたとき下方へ向かう端面にパッキング24が固着されている。
【0020】
第二扉体17は往路ベルト部9aのトラフ形状に合致する台形状のくぼみ部17aを有しており、案内枠体20に支持されて待機位置と往路ベルト部9aに接した閉止位置との間で昇降可能とされている。また、この第二扉体17の上下の端面にパッキング25,26が固着されている。
【0021】
第三扉体18は上端面にパッキング27が固着されており、左右両側端部を案内枠体20に昇降可能に支持されている。
【0022】
第三扉体18を昇降させる昇降駆動機構28は、その下方に設置した基台29に取り付けた左右二台のウォームジャッキからなる昇降機30,30と、これらを同時駆動する伝動軸31の一端に結合した原動機である電動機32および減速機33とによって構成されている。
【0023】
更に、往路ベルト9aを挟んで上下に配置される第一扉体16と第二扉体17の内で昇降する第二扉体17の左右両側端部に、および復路ベルト部9bを挟んで上下に配置される第二扉体17と第三扉体18の内で昇降する第三扉体18の左右両側端部には、前記往路ベルト部9aおよび復路ベルト部9bとほぼ等しい厚みを有する一対のスライドシール33,33が、前記挟み面に沿って左右方向へ移動可能にそれぞれ配置されている。
【0024】
また、各スライドシール33,33の内端は前記各スライドシール33が配置されている第二扉体17または第三扉体18に配置した引張りバネからなる弾性体34,34に連結されて内側方向へ付勢され、且つ各スライドシール33,33の外端は一端を前記案内枠体20にそれぞれ備えたリール35,35にそれぞれ止着した所定長さのワイヤロープからなる索条36,36が緊張状態で連結されて前記各スライドシール33,33が往路ベルト部9aの両側端部よりも外側方向の所定位置に待機されている。
【0025】
第二扉体17が水平状態で貨物室4の床板5の下面に沿っており、第三扉体18が昇降機30,30によって下降している待機位置(図1参照)において、切出コンベヤ9の往路ベルト部9aは第一扉体16に接触することなく走行して貨物室4(図1参照)から排出されたばら物91を搬送する。
【0026】
そして、開口13を閉鎖するときは、先ず回動駆動機構23によって水平状態の第一扉体16を回動させて鉛直下向きとし、枠体15のパッキング19にこれと向かい合った面の上端部および左右両側端部を水密に圧接させる。このとき、その下向き端面は往路ベルト部9aから僅か上方へ離れている。
【0027】
次に、昇降駆動機構28によって第三扉体18を上昇させると、その平坦直線状の上端面が復路ベルト部9bの下面に接してこれを押し上げ、次に復路ベルト部9bの上面が第二扉体17の平坦直線状の下端面に接してこれを押し上げ、更に第二扉体17の上端面が往路ベルト部9aの下面に接してこれを押し上げ、第一扉体16の下端面に接触させるに至る(図4参照)。
【0028】
復路ベルト部9bは扁平形状のまま上方へ少し持ち上げられ、往路ベルト部9aはトラフ形状のまま上方へ少し持ち上げられるものであり、互いに直接密着して水密とする。このことにより、切出コンベヤ9の殊に往路ベルト部9aに変形ぐせをつけたりベルトを劣化させたりすることなく航行中の水密を得ることができる。
【0029】
特に、本実施の形態では、前記開口13を閉塞するために第二扉体17および第三扉体18を上昇させたとき、第二扉体17および第三扉体18にそれぞれ配置されている前記スライドシール33,33の外側に連結されている各索条36,36が弛んで前記弾性体34,34の付勢力により内側方向へ移動して前記往路ベルト部9aならびに復路ベルト部9bの両側端にそれぞれ密着する(図4参照)。
【0030】
従って、従来と異なり、第一扉体16と第二扉体17とに挟まれる往路ベルト部9aおよび第二扉体17と第三扉体18とに挟まれる復路ベルト部9bの両側端に形成される隙間がスライドシール33,33により確実に塞がれるのできわめて優れた水密性を確保することができる。
【0031】
また、水密状態を解除して開口13を開放するには、昇降駆動機構28によって第三扉体18を下降させると第二扉体17が自重で下降し、次に回動駆動機構23によって第一扉体16を水平状態とすればよく、このとき、前記各スライドシール33の外側端に連結されている各索条36が内側端に連結している弾性体34の付勢力に抗して緊張状態を形成して各スライドシール33を外側方向へ牽引移動させて元の図2および図3に示す位置へと復帰させるので、往路ベルト部9aおよび復路ベルト部9bに接触することなく切り出し作業ができる。
【0032】
殊に、各スライドシール33は、第二扉体17および第三扉体18の昇降に連動して摺動するので、別途に特別な駆動機構や制御機構を必要とせず、きわめて経済的である。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると広いスペースを必要とすることなく設置してベルトを無理に変形させたり引張ったりして荷揚げ作業に支障を与えることなく切出コンベヤの隔壁貫通個所である開口をベルトコンベヤにおけるベルトの両端部をスライドシールにより確実にシールして水密・閉塞することができ、且つスライドシールは各扉体の昇降に連動して摺動するので、別途に特別な駆動機構や制御機構を必要とせず、きわめて経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるばら物運搬船の一例を概略的に示す縦断面図。
【図2】本発明に係る防水扉装置の実施の形態を示す開放時における正面図。
【図3】図2の平面図。
【図4】図2に示した実施の形態の閉止時における正面図。
【図5】従来例を示す解放時における正面図。
【図6】図5に示した従来例の閉止時における正面図。
【符号の説明】
3 隔壁、4 貨物室、9 切出コンベヤ、9a 往路ベルト部、9b 復路ベルト部、13 開口、14 防水扉装置、16 第一扉体、17 第二扉体、18 第三扉体、20 案内枠体、33 スライドシール、,34 弾性体、35 索条

Claims (1)

  1. 隔壁で仕切られた複数の貨物室が船体長手方向へ並んで配置されているとともに、前記貨物室の底から排出したばら物を船首または船尾へ送るベルトコンベヤからなる切出コンベヤが前記隔壁に設けた開口を貫通して設置されており、前記開口の両側開口縁に沿って配置された案内枠体間に前記切出コンベヤの往路ベルト部ならびに復路ベルト部を挟む複数の扉体が配置されて、前記複数の扉体を全部または少なくとも一つを除いて昇降させることにより互いに閉じて往路ベルト部ならびに復路ベルト部を挟んだ状態で前記開口を閉塞するばら物運搬船の防水扉装置であって、
    前記往路ベルト部ならびに復路ベルト部を挟んで配置される扉体の内で一つの昇降可能な扉体における挟み面の両側端部に一対のスライドシールが前記挟み面に沿って移動可能にそれぞれ配置されているとともに、前記開口開放しているときには前記各スライドシールはその内端に前記スライドシールが配置されている扉体に配置した弾性体が連結されて内側方向へ付勢され、且つ前記各スライドシールの外端には一端を前記案内枠体に止着した所定長さの索条が緊張状態で連結されて前記各スライドシールが前記往路ベルト部または復路ベルト部の両側端部よりも外側方向の所定位置に待機されており、前記開口を閉塞するために前記スライドシールが配置されている扉体を上昇または下降させたとき、前記索条が弛んで前記各スライドシールが前記弾性体の付勢力により内側方向へ移動して前記往路ベルト部ならびに復路ベルト部の両側端にそれぞれ密着することを特徴とするばら物運搬船の防水扉装置。
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