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JP4572529B2 - 半導体素子の製造方法 - Google Patents
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Description

この発明は、半導体素子の製造方法に関し、特にウエハ表面に支持基板を貼り付けた状態でウエハ裏面を研削およびエッチングしてデバイス厚の薄い半導体素子を製造する方法に関する。
従来より、コンピュータや通信機器の主要部分には、多数のトランジスタや抵抗等を、電気回路を構成するようにむすびつけて1チップ上に集積した集積回路(IC)が多用されている。このようなICの中で、電力用半導体素子を含むものは、パワーICと呼ばれている。電力用半導体素子の一つに、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下、IGBTとする)がある。
IGBTは、電圧駆動型であり、オン電圧が低く、かつ高速スイッチング特性を有する素子である。その応用範囲は、インバータなどの産業用分野から電子レンジなどの民生機器分野へと拡がっている。また、新しいチップ構造を用いた、より低オン電圧のIGBTが開発されており、IGBTを用いた応用装置の低損失化や高効率化が図られてきている。
IGBTには、パンチスルー(以下、PTとする)型、ノンパンチスルー(以下、NPTとする)型、フィールドストップ(以下、FSとする)型の構造があり、nチャネル型の縦型二重拡散構造のものが主流である。したがって、本明細書では、nチャネル型IGBTを例にして説明するが、pチャネル型IGBTでも同様である。
PT型IGBTは、p+半導体基板上にn+バッファ層とn-活性層をエピタキシャル成長させたエピタキシャルウエハを用いて形成される。そのため、たとえば耐圧600V系の素子では、活性層の厚さは70μm程度であるが、基板を含む総厚さは200〜300μm程度になる。PT型IGBTでは、n-活性層中の空乏層がn+バッファ層に到達する。
図11は、低ドーズ量の浅いp+コレクタ層を有するNPT型IGBTの1/2セル分の構成を示す断面図である。一般に、NPT型IGBTの作製には、FZウエハが用いられる。FZウエハとは、フローティングゾーン法により作製された半導体のインゴットから切り出されたウエハのことである。図11に示すように、たとえばFZウエハよりなるn-半導体基板を活性層1とし、その表面側に、p+ベース領域2が選択的に形成されている。ベース領域2の表面層には、n+エミッタ領域3が選択的に形成されている。また、基板表面上には、ゲート酸化膜4を介してゲート電極5が形成されている。
エミッタ電極6は、エミッタ領域3およびベース領域2に接触しているとともに、層間絶縁膜7によりゲート電極5から絶縁されている。基板裏面には、p+コレクタ層8およびコレクタ電極9が形成されている。NPT型の場合には、活性層1の厚さがPT型よりも厚くなるが、素子全体としては、PT型の素子に比べて、大幅に薄くなる。そして、正孔の注入率を制御することができるので、ライフタイム制御をおこなわなくても、高速スイッチングが可能である。また、エピタキシャルウエハを用いずに、FZウエハを用いているため、安価である。
図12は、FS型IGBTの1/2セル分の構成を示す断面図である。FS型IGBTの作製には、FZウエハが用いられることがある。図12に示すように、基板表面側の素子構造は、図11に示すNPT型の素子と同じである。基板裏面側には、n-活性層1とp+コレクタ層8との間に、n+バッファ層10が設けられている。FS型の場合、活性層1の厚さは、PT型と同じ70μm程度(耐圧600V系)であり、素子全体の厚さは100〜200μm程度である。そして、ノンパンチスルー型と同様に、ライフタイム制御が不要である。
最近では、総合損失をより低減するため、ウエハを薄く削り、デバイス厚をできるだけ薄くする試みがなされている。たとえば、耐圧600V系の素子の場合、FS−IGBTの厚さは70μm程度が想定されている。耐圧クラスが低くなると、素子の厚さはさらに薄くなる。このような厚さのFS型IGBTまたはそれに類似したデバイスの製造方法として、以下に説明するように、FZウエハを研磨する方法と、エピタキシャルウエハを研磨する方法が知られている。
図13(図13−1〜図13−5)は、従来のFZウエハを用いたFS型IGBTの製造プロセスを示す図である。まず、活性層1となるn-FZウエハの表面側に、ベース領域、エミッタ領域、ゲート酸化膜、ゲート電極、層間絶縁膜、エミッタ電極およびパッシベーション膜よりなる表面側素子構造部11を形成する(図13−1)。ゲート酸化膜は、たとえばSiO2でできている。ゲート電極は、たとえばポリシリコンでできている。層間絶縁膜は、たとえばBPSGでできている。エミッタ電極は、たとえばAl−Si膜でできている。Al−Si膜は、安定した接合性を有する低抵抗配線を実現するために、400〜500℃程度の低温で熱処理される。パッシベーション膜は、たとえばポリイミド膜でできている。
ついで、ウエハの裏面を、バックグラインド、ポリシュあるいはエッチング等の加工方法を単独または組合せて研削し、ウエハを所望の厚さ、たとえば70μmの厚さとする(図13−2)。なお、エッチングの場合、厳密には研削ではないが、本明細書では、ウエハを薄くする手段については問わないので、エッチングを含めて研削とする。
ついで、ウエハの裏面から、たとえばn型不純物であるリン(P)と、p型不純物であるボロン(B)をイオン注入し、電気炉で350〜500℃の熱処理(アニール)をおこない、バッファ層10およびコレクタ層8を形成する(図13−3)。ついで、ウエハの裏面、すなわちコレクタ層8の表面に、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)および金(Au)などの複数の金属を蒸着し、コレクタ電極9を形成する(図13−4)。
最後に、コレクタ電極9側にダイシングテープ12を貼り付けてダイシングをおこない、ウエハを複数のチップ13に切断する(図13−5)。各チップ13は、そのコレクタ電極9が装置の固定部材に半田付けされ、かつエミッタ電極等の表面電極にアルミワイヤ電極が固着されることにより、種々の装置に実装される。
図14(図14−1〜図14−5)は、従来のエピタキシャルウエハを用いたFS型IGBTの製造プロセスを示す図である。まず、バッファ層10となるn+半導体基板上に、活性層1となるエピタキシャル層を成長させたエピタキシャルウエハを用意する。そして、そのエピタキシャルウエハのエピタキシャル層側の表面に、ベース領域、エミッタ領域、ゲート酸化膜、ゲート電極、層間絶縁膜、エミッタ電極およびパッシベーション膜よりなる表面側素子構造部11を形成する(図14−1)。
ゲート酸化膜は、たとえばSiO2でできている。ゲート電極は、たとえばポリシリコンでできている。層間絶縁膜は、たとえばBPSGでできている。エミッタ電極は、たとえばAl−Si膜でできている。Al−Si膜は、安定した接合性を有する低抵抗配線を実現するために、400〜500℃程度の低温で熱処理される。パッシベーション膜は、たとえばポリイミド膜でできている。表面側素子構造部11を形成時の拡散工程においてn層が拡散していく。ついで、バックグラインド等により、ウエハをたとえば70μmの厚さにし、n+半導体基板がたとえば10μmの厚さで残るようにする(図14−2)。
ついで、ウエハの裏面から、たとえばp型不純物であるボロンをイオン注入し、電気炉で350〜500℃のアニールをおこない、コレクタ層8を形成する(図14−3)。ついで、コレクタ層8の表面に、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)および金(Au)などの複数の金属層よりなるコレクタ電極9を形成する(図14−4)。最後に、コレクタ電極9側にダイシングテープ12を貼り付けてダイシングをおこない、ウエハを複数のチップ13に切断する(図14−5)。各チップ13は、そのコレクタ電極9が装置の固定部材に半田付けされ、かつエミッタ電極等の表面電極にアルミワイヤ電極が固着されることにより、種々の装置に実装される。
ところで、近年、ウエハの露光エッチング加工に際し、ベース膜の上にウエハを置き、そのウエハの上を乾式のフォトレジスト膜で覆い、さらにその上を保護膜で覆うようにして、ウエハにフォトレジスト膜を形成する技術が実用されている。そして、この乾式のフォトレジスト膜の周縁がウエハの周縁より0.2〜0.3mm程度はみ出すように、ベース膜とフォトレジスト膜と保護膜をウエハの外縁に沿って切断するレーザ切断機が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
特開2001−345252号公報
上述した従来の製造方法によりたとえば70μm厚程度の素子を作製しようとすると、バックグラインド後のウエハが薄過ぎるため、ウエハ裏面側からイオン注入をおこなう際に、ウエハが割れやすいという問題点がある。また、ウエハ裏面にコレクタ電極となる金属膜を蒸着すると、その金属膜が、基板側からみて圧縮応力の大きな膜となるため、ウエハに割れが生じやすいという問題点がある。
また、電気炉によるアニール時にウエハに発生する応力によって、ウエハが割れやすくなるという問題点がある。また、ウエハ割れが生じなくても、圧縮応力によってウエハが大きく反るため、ダイシングが困難になるという問題点がある。また、ダイシング後のチップの形が歪むため、設計通りの特性が得られないおそれがある。
そこで、本出願人は、半導体素子の表面側素子構造部が形成されたウエハの表面に、UV照射や加熱により剥離可能な両面接着タイプの接着シートを介して支持基板を接合し、この状態でバックグラインドとウエハ裏面に対する処理をおこなった後、UVの照射や加熱により接着シートを剥離させて支持基板からウエハを離脱させる方法を先に提案している(特願2002−302137号)。この方法によれば、ウエハ裏面に対する処理をおこなっている間のウエハの反りや、ウエハに作用する応力を抑制することができるので、ウエハ裏面に対する処理をおこなっている間にウエハが割れるのを防ぐことができる。
しかしながら、上述した支持基板を接合する方法では、つぎのような問題が生じることがある。通常、バックグラインド後に、ウエハ裏面の、研削により生じた応力を有する層を取り除くため、高速回転させたウエハの裏面にフッ化水素、硝酸等の強酸を含む混合液を滴下してウエハ裏面のエッチングをおこなう。その際、ウエハ裏面に滴下した混合液が、ウエハ、接着シートおよび支持基板よりなる積層体の側面に垂れることがある。
その場合、強酸に対する耐性の低い接着シートを用いていると、接着シートのウエハエッジ部分が変質し、UVを照射したり加熱してもウエハエッジ部分の接着力が弱くならなくなってしまう。そうなると、UV照射や加熱によりウエハの中央部分が支持基板から剥離しても、ウエハエッジ部分が支持基板に接着されたままであるため、応力が生じてウエハが割れてしまう。また、無理にウエハを引き剥がそうとすると、ウエハが極めて薄く、機械的強度が低いため、ウエハが割れてしまう。
また、バックグラインド後に、ウエハ裏面に真空蒸着法などにより金属電極を形成する場合、その電極を構成する金属膜が、ウエハ、接着シートおよび支持基板よりなる積層体の側面にも蒸着されることがある。その場合には、ウエハの側面と接着シートの側面と支持基板の側面が、蒸着された金属膜によって連結された状態となるため、支持基板からウエハを離脱させようとしても、ウエハエッジ部分が剥がれなくなってしまう。したがって、接着シートが変質する場合と同様に、支持基板からウエハを離脱させる際にウエハが割れてしまう。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、ウエハ裏面をバックグラインドしてデバイス厚の薄いIGBT等の半導体素子を製造するにあたって、ウエハ表面に支持基板を接合した状態でウエハ裏面の加工をおこなった後、ウエハが割れるのを防ぎながら、支持基板からウエハを容易に離脱させることができる半導体素子の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる半導体素子の製造方法は、加熱発泡により剥離可能な両面接着タイプの接着シート、またはUV光の照射で接着剤が硬化することにより剥離可能な両面接着タイプの接着シートを介して、半導体ウエハの表面に支持基板を接合する工程と、前記支持基板を接合した状態のまま前記半導体ウエハの裏面側を加工して該半導体ウエハを薄くする工程と、前記半導体ウエハの裏面側を均等にエッチングする工程と、薄くなって、裏面側がエッチングされた前記半導体ウエハの外周に沿ってレーザ光線を照射することにより、前記ウエハ中央部分と前記ウエハ周縁部分とを切り離す工程と、加熱またはUV光の照射により、前記ウエハ中央部分を前記支持基板から離脱させる工程と、を含むことを特徴とする。
また、請求項2の発明にかかる半導体素子の製造方法は、加熱発泡により剥離可能な両面接着タイプの接着シート、またはUV光の照射で接着剤が硬化することにより剥離可能な両面接着タイプの接着シートを介して、半導体ウエハの表面に支持基板を接合する工程と、前記支持基板を接合した状態のまま前記半導体ウエハの裏面側を加工して該半導体ウエハを薄くする工程と、前記半導体ウエハの裏面側を均等にエッチングする工程と、薄くなって、裏面側がエッチングされた前記半導体ウエハの裏面に金属膜を成膜する工程と、前記半導体ウエハの裏面に前記金属膜を成膜した後に、前記半導体ウエハの外周に沿ってレーザ光線を照射し、その照射領域の前記金属膜および半導体を除去することにより、前記ウエハ中央部分と前記ウエハ周縁部分とを切り離す工程と、加熱またはUV光の照射により、ウエハ周縁部分から切り離されたウエハ中央部分を前記支持基板から離脱させる工程と、を含むことを特徴とする。
この発明によれば、ウエハ中央部分を支持基板から離脱させる際に、半導体ウエハの中央部分が周縁部分から切り離されているので、ウエハと支持基板とを接合している接着シートのウエハエッジ部分が変質してそのウエハエッジ部分の接着力が弱くならなくても、ウエハ中央部分を支持基板から離脱させることができる。また、この発明によれば、ウエハ中央部分を支持基板から離脱させる際に、半導体ウエハの中央部分が周縁部分から切り離されているので、ウエハと支持基板とがそれらの側面を覆う金属膜により連結されていても、ウエハ中央部分を支持基板から離脱させることができる。
本発明にかかる半導体素子の製造方法によれば、ウエハが割れるのを防ぎながら、支持基板からウエハを容易に離脱させることができる。したがって、デバイス厚の薄いIGBT等の半導体素子を容易に製造することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体素子の製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。実施の形態においては、本発明方法によりIGBTを製造する場合を例にして説明する。
図9(図9−1〜図9−3)および図10(図10−1〜図10−4)は、本発明の実施の形態にかかる半導体素子の製造方法のプロセス全体の概略を示す図である。まず、これらの図を参照しながら、ウエハの表面に支持基板を接合させた状態でウエハの裏面を加工することにより、デバイス厚の薄い半導体素子を作製する方法について説明する。特に限定しないが、ここではnドープのエピタキシャルウエハを用いることとする。
まず、n+半導体基板41の上に、エピタキシャル層42を成長させたエピタキシャルウエハの表面側、すなわちエピタキシャル層42の表面に、SiO2等のゲート酸化膜とポリシリコン等からなるゲート電極を堆積し、これらを加工する。そして、その表面にBPSG等の層間絶縁膜を堆積し、これを加工することによって、絶縁ゲート構造を作製する。つづいて、P+ベース層を形成し、その中にn+エミッタ層を形成する。
そして、Al−Si膜等からなる表面電極、すなわちエミッタ電極を形成し、400〜500℃程度で熱処理をおこなって、Al−Si膜を安定した接合性を有する低抵抗配線とする。その上全面に、ポリイミド等のパッシベーション膜を積層し、図12に示す構成と同様の表面側素子構造部22ができあがる(図9−1)。この表面側素子構造部22を作製する際の拡散工程において、エピタキシャル層42にn型不純物が拡散し、エピタキシャル層42が活性層となる。
本明細書では、エピタキシャルウエハの、表面側素子構造部22が形成される側の面をウエハ表面とし、その反対側の面をウエハ裏面とする。なお、図9および図10においては、表面側素子構造部22の詳細な構成の図示を省略する。
ついで、ウエハを裏返し、表面側素子構造部22の表面に、接着シート31を介して、支持基板32を接合する(図9−2)。ここでは、支持基板32として、たとえばUV光を透過する石英ガラスウエハを用いる。支持基板32の厚さは、たとえば625μmである。
また、接着シート31として、たとえばUV光の照射で接着剤が硬化することにより剥離可能な高剛性UVテープ型シートや耐熱性UVテープ型シート、あるいは加熱発泡により剥離可能な加熱発泡テープ型シートで、接着時に気泡が入らないものを用いる。接着シート31の厚さは、たとえば100μm程度であるのが適当である。また、接着シート31は、耐熱温度が高く、アウトガスが少なく、剥離しやすいものがよい。
ついで、支持基板32を接合した状態で、ウエハ裏面をバックグラインドやエッチング等により研削し、表面側素子構造部22を含むウエハ全体の厚さが所望の厚さ、たとえば70μmで、かつn+半導体基板41がたとえば10μmの厚さで残るようにする(図9−3)。ついで、ウエハの裏面から、たとえばp型不純物であるボロン等を、ドーズ量がたとえば1×1013〜1×1015cm-2で、加速電圧がたとえば20k〜100keVでイオン注入する。
その後、ウエハ裏面にレーザを照射してアニールをおこない、コレクタ層となるp+層24を形成する(図10−1)。特に限定しないが、ここでは、レーザとして、XeClパルスレーザ(波長:308nm、半値幅:49ns、周波数:100Hz)を用いる。そして、たとえば一回の照射エリアを約1mm角とし、50%〜90%オーバーラップさせて照射する。このレーザアニールによって、ウエハ裏面のp+層24のみを活性化させることができ、接着シート31の耐熱温度に関係なく熱処理をおこなうことができる。なお、XeClに代えて、YAG2ω、YAG3ω、XeFやKrFを用いてもよい。
ついで、ウエハ裏面に、たとえばアルミニウム、チタン、ニッケルおよび金などの複数の金属を蒸着し、コレクタ電極となる裏面電極25を形成する(図10−2)。ここで、低温スパッタ法により金属膜の蒸着をおこなうのが適当である。その理由は、接着シート31の耐熱温度がおおよそ、高剛性UVテープ型シートでは100℃以下であり、耐熱性UVテープ型シートでは200℃以下であり、加熱発泡テープ型シートでは150℃以下であるため、成膜時の温度は100℃以下であるのが望ましいからである。
ついで、ウエハ裏面に一般的なダイシングテープ26を貼り付ける。そして、支持基板32側からUV光を照射し、表面側素子構造部22のパッシベーション膜との界面で接着シート31を剥離させ、接着シート31および支持基板32を取り除く(図10−3)。その際、表面側素子構造部22に接着シート31の接着剤の残渣が残らないように注意する。なお、接着シート31が加熱発泡テープ型シートの場合には、UV光の照射の代わりに、加熱発泡により接着シート31を剥離させる。
その後、ウエハを複数のチップ27に切断する(図10−4)。図示省略するが、各チップ27は、裏面電極25を介して配線基板等の固定部材に半田付けされる。そして、各チップ27のウエハ表面側の電極には、アルミワイヤ電極が超音波ワイヤボンディング装置により固着される。
上述したウエハに支持基板を接合させる方法によれば、ウエハ裏面に対する処理をおこなっている間のウエハの反りや、ウエハに作用する応力を抑制することができる。また、応力の発生源となる電気炉アニールに代えて、レーザアニールを採用したことにより、ウエハに作用する応力を抑制することができる。したがって、ウエハ裏面に対する処理をおこなっている間にウエハが割れるのを防ぐことができる。また、ウエハの反りが小さくなるので、容易にダイシングをおこなうことができるとともに、設計通りのデバイス特性が得られる。また、レーザアニールをおこなうことによって、p+層24の高濃度化が図れるので、オン電圧の低減を図ることができる。
なお、接着シート31として加熱発泡テープ型シートを用いた場合には、支持基板32は、UV光を透過させる必要がないので、金属やセラミックや硬質プラスチックなど、UV光が透過しない材質でできていてもよい。また、接着シート31は、その両面の粘着剤がUV硬化型であってもよいし、両面の粘着剤が加熱発泡型であってもよいし、支持基板32側の面および素子側の面がそれぞれUV硬化型および加熱発泡型であってもよいし、その逆でもよい。また、同様の製造プロセスにより、NPT型のIGBTを作製することができる。また、FZウエハを用いた場合も、同様の製造プロセスにより、IGBTを作製することができる。
つぎに、上述した製造方法に本発明を適用した場合の製造プロセスについて、図1〜図8を参照しながら説明する。図3は、図9−2に相当する工程において、ウエハの表面に接着シートを介して支持基板を接合した状態の一例を示す断面図である。図3に示すように、接着シート50は、たとえば、剛性を有する基材52の一方の面に、加熱発泡により接着力が低下して剥離が可能な加熱発泡テープ51が貼り付けられ、基材52のもう一方の面に、UV光の照射で接着剤が硬化して接着力が低下することにより剥離が可能なUVテープ53が貼り付けられた構成となっている。特に限定しないが、ウエハ60を加熱発泡テープ51に接着し、支持基板70をUVテープ53に接着する。
この状態で、図4に示すように、ウエハ60の厚さが所望の厚さに近くなるまで、回転する支軸80に取り付けられた砥石81でウエハ裏面を研削する。ついで、図5に示すように、ウエハ裏面が均等にエッチングされるように、スピンエッチングをおこなう。すなわち、高速回転させたウエハ60の裏面にエッチング液ノズル82からフッ化水素、硝酸等の強酸を含むエッチング液83を滴下してウエハ裏面をエッチングする。これによって、ウエハ裏面の、研削により生じた応力を有する層が取り除かれる。この研削およびエッチング工程は、図9−3に示す工程に相当する。
スピンエッチングの際に、ウエハ裏面に滴下したエッチング液83の一部は、ウエハ60、接着シート50および支持基板70よりなる積層体の側面に垂れる場合がある。この積層体の側面には、接着シート50の加熱発泡テープ51やUVテープ53の縁が露出しているので、これらのテープ51,53の縁部分が変質してしまうことがある。たとえば、エッチング液83との接触により加熱発泡テープ51の縁部分が変質して、加熱しても接着力が低下しない性質になることがある。UVテープ53の場合も同様であり、エッチング液83との接触によりUVテープ53の縁部分が変質して、UV光を照射しても接着力が低下しない性質になることがある。
このように接着シート50の縁部分が変質して剥離不良部分になってしまうと、後にウエハ60を支持基板70から離脱させる際に、ウエハ60の周縁部分が支持基板70に接合されたままの状態となり、ウエハ60を支持基板70から容易には離脱させることができなくなってしまう。そこで、図1および図2に示すように、ウエハ60を支持基板70から離脱させる前に、図示しないレーザ切断機を用いて、ウエハ60の外周から数mm程度内側のところにレーザ光84を照射する。そして、ウエハ60に対してレーザ光84をウエハ60の周縁に沿って一周させて、ウエハ60の中央部分61をくり貫くように切断する。なお、図1は、図2のA−Aにおける断面図である。
接着シート50が変質してできる剥離不良部分54は、ウエハ60の外周から数mm程度内側のところまでにしかできない。したがって、ウエハ60の外周から数mm程度内側のところを切断することによって、ウエハ60の中央部分61が、ウエハ60の、接着シート50の剥離不良部分54によって支持基板70に接合されている周縁部分62から分離される。ウエハ60において有効なチップが形成されている領域は、ウエハ60の外周から数mm程度内側のところよりもさらに内側である。したがって、ウエハ60の外周から数mm程度内側のところを切断してウエハ中央部分61とウエハ周縁部分62とを分離しても、ウエハ中央部分61に形成されている有効なチップを損傷することはない。
ウエハ中央部分61をウエハ周縁部分62から分離した後、図6に示すように、ウエハ60、接着シート50および支持基板70よりなる積層体をホットプレート85の上に置いて加熱する。ウエハ中央部分61は、変質していない接着シート50を介して支持基板70に接合されている。したがって、ウエハ中央部分61では、加熱発泡テープ51の接着力が低下する。それによって、ウエハ中央部分61の加熱発泡テープ51が剥離し、ウエハ中央部分61が支持基板70から離脱する。
ウエハ中央部分61を支持基板70から離脱させる工程は、図10−3に示す工程に相当する。ただし、ここではウエハ60が加熱発泡テープ51に接着されているので、UV照射をおこなわずに、加熱している。ウエハ60がUVテープに接着されている場合には、加熱する代わりに、UV照射をおこなえばよい。また、ここでの説明では、裏面電極となる金属膜を被着させない状態で支持基板70からウエハ中央部分61を離脱させている。
ウエハ60の裏面に電極となる金属膜を被着させた後に、支持基板70からウエハ中央部分61を離脱させる場合は、つぎのようになる。図7は、図10−2に相当する工程において、裏面電極となる金属膜63を蒸着した状態の一例を示す断面図である。図7に示すように、金属膜63は、ウエハ60の裏面だけでなく、ウエハ60、接着シート50および支持基板70よりなる積層体の側面にも蒸着される。したがって、この積層体の側面に被着した金属膜63によって、ウエハ60、接着シート50および支持基板70が連結された状態となる。つまり、ウエハ60の縁部分と接着シート50の縁部分と支持基板70の縁部分とがくっついた状態となる。
この場合も、後にウエハ60を支持基板70から離脱させる際に、ウエハ60の周縁部分が支持基板70に接合されたままの状態となり、ウエハ60を支持基板70から容易には離脱させることができなくなってしまう。そこで、図8に示すように、ウエハ60を支持基板70から離脱させる前に、図示しないレーザ切断機によりウエハ60の外周のすぐ内側のところ(ただし、有効なチップが形成されている領域の外側)にレーザ光84を照射し、ウエハ60に対してレーザ光84をウエハ60の周縁に沿って一周させて、ウエハ60の中央部分61をくり貫くように切断する。
このようにして、ウエハ60の中央部分61が、ウエハ60の、金属膜63により接着シート50および支持基板70に接合されている周縁部分62から分離される。その後、ホットプレート等により加熱することによって、ウエハ中央部分61が支持基板70から離脱する。ウエハ60がUVテープ53に接着されている場合には、加熱する代わりに、UV照射をおこなう。
一例として、加熱発泡テープ51として、たとえば日東電工株式会社のNo.3195を用いることができる。また、UVテープ53として、たとえば日東電工株式会社のUB−3083Dなどを用いることができる。また、レーザ切断機のレーザ源として、切断する対象がSiである場合には、たとえば波長1064nmのYAGレーザを用いることができる。また、Siおよび電極となる金属膜を切断する場合には、波長532nmのYAG2倍高調波レーザを用いることができる。
これらの波長のレーザでは、ガラスや石英などの極めて透過性のよい材料を切断することができない。したがって、支持基板70として、ガラスや石英などの極めて透過性のよい材料でできた基板を用いることにすれば、レーザによるウエハ切断時にレーザ照射によるダメージを受けないので、支持基板70を繰り返し再利用することができる。上述した製造プロセスでは、支持基板70はUVテープ53に接着されているので、UV光を照射することにより支持基板70からUVテープ53を剥離させることができる。
また、支持基板70は、ウエハ60と同じ形をしており、ウエハ60と同じ大きさであるか、またはウエハ60よりも少し大きくてもよい。支持基板70の厚さは、特に限定しないが、たとえば500〜1000μm程度である。そして、支持基板70は、ウエハ60を支持するのに十分な剛性を有する。また、支持基板70の表面(ウエハ60との接合面)の状態は、研削後のウエハ60の裏面、すなわち研削面の平坦性に大きく影響するため、支持基板70の表面の面内厚さのバラツキは5μm以下であるのが好ましい。以上のことを考慮すると、支持基板70として、石英、ガラスまたはSiなどの材料が適当である。
以上説明したように、実施の形態によれば、ウエハ60を支持基板70から離脱させる際に、ウエハ中央部分61がウエハ周縁部分62から切り離されているので、ウエハ60と支持基板70とを接合している接着シート50のウエハエッジ部分が変質してそのウエハエッジ部分の接着力が弱くならなくても、ウエハ中央部分61を支持基板70から容易に離脱させることができる。また、ウエハ60と支持基板70とがそれらの側面を覆う金属膜63により連結されていても、ウエハ中央部分61を支持基板70から容易に離脱させることができる。したがって、ウエハ60が割れるのを防ぎながら、支持基板70からウエハ中央部分61を離脱させ、デバイス厚の薄いIGBT等の半導体素子を容易に製造することができる。
また、実施の形態によれば、レーザ切断機を用いてウエハ60を切断するので、通常、ウエハの切断に使用される砥石刃のダイサーでは切断することのできないウエハの外形に合せた曲線的な切断を容易におこなうことができる。さらに、100μm以下の厚さのウエハを砥石刃のダイサーで切断する場合に比べて、切断面の欠け(チッピング)という現象がなく、また機械的な力が加わらないのでクラック等が極めて発生しにくいという効果もある。
以上において、本発明は、半導体素子の表面構成は問わないので、半導体素子の表面側素子構造部はプレーナ型でもトレンチ型でもよい。また、本発明は、バックグラインド後のウエハの厚さが70μmであるIGBTに限らず、ウエハ裏面をバックグラインドしてウエハ厚さを100μm以下にする工程を有するたとえば電力用の半導体素子の製造方法に適用できる。
以上のように、本発明にかかる半導体素子の製造方法は、デバイス厚の薄い半導体素子を製造するのに有用であり、特に、汎用インバータ、ACサーボ、無停電電源(UPS)またはスイッチング電源などの産業分野や、電子レンジ、炊飯器またはストロボなどの民生機器分野に用いられるIGBT等の電力用半導体素子の製造に適している。
本発明の実施の形態にかかる製造方法を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態にかかる製造方法を説明するための平面図である。 本発明の実施の形態にかかる製造方法を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態にかかる製造方法を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態にかかる製造方法を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態にかかる製造方法を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態にかかる製造方法を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態にかかる製造方法を説明するための断面図である。 本発明の実施の形態にかかる製造方法のプロセス全体の概略を示す図(その1)である。 本発明の実施の形態にかかる製造方法のプロセス全体の概略を示す図(その2)である。 本発明の実施の形態にかかる製造方法のプロセス全体の概略を示す図(その3)である。 本発明の実施の形態にかかる製造方法のプロセス全体の概略を示す図(その4)である。 本発明の実施の形態にかかる製造方法のプロセス全体の概略を示す図(その5)である。 本発明の実施の形態にかかる製造方法のプロセス全体の概略を示す図(その6)である。 本発明の実施の形態にかかる製造方法のプロセス全体の概略を示す図(その7)である。 NPT型IGBTの構成を示す断面図である。 FS型IGBTの構成を示す断面図である。 従来のFZウエハを用いたFS型IGBTの製造プロセスを示す図(その1)である。 従来のFZウエハを用いたFS型IGBTの製造プロセスを示す図(その2)である。 従来のFZウエハを用いたFS型IGBTの製造プロセスを示す図(その3)である。 従来のFZウエハを用いたFS型IGBTの製造プロセスを示す図(その4)である。 従来のFZウエハを用いたFS型IGBTの製造プロセスを示す図(その5)である。 従来のエピタキシャルウエハを用いたFS型IGBTの製造プロセスを示す図(その1)である。 従来のエピタキシャルウエハを用いたFS型IGBTの製造プロセスを示す図(その2)である。 従来のエピタキシャルウエハを用いたFS型IGBTの製造プロセスを示す図(その3)である。 従来のエピタキシャルウエハを用いたFS型IGBTの製造プロセスを示す図(その4)である。 従来のエピタキシャルウエハを用いたFS型IGBTの製造プロセスを示す図(その5)である。
符号の説明
31,50 接着シート
32,70 支持基板
60 ウエハ
61 ウエハ中央部分
62 ウエハ周縁部分
63 金属膜
84 レーザ光

Claims (2)

  1. 加熱発泡により剥離可能な両面接着タイプの接着シート、またはUV光の照射で接着剤が硬化することにより剥離可能な両面接着タイプの接着シートを介して、半導体ウエハの表面に支持基板を接合する工程と、
    前記支持基板を接合した状態のまま前記半導体ウエハの裏面側を加工して該半導体ウエハを薄くする工程と、
    前記半導体ウエハの裏面側を均等にエッチングする工程と、
    薄くなって、裏面側がエッチングされた前記半導体ウエハの外周に沿ってレーザ光線を照射することにより、前記ウエハ中央部分と前記ウエハ周縁部分とを切り離す工程と、
    加熱またはUV光の照射により、前記ウエハ中央部分を前記支持基板から離脱させる工程と、
    を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  2. 加熱発泡により剥離可能な両面接着タイプの接着シート、またはUV光の照射で接着剤が硬化することにより剥離可能な両面接着タイプの接着シートを介して、半導体ウエハの表面に支持基板を接合する工程と、
    前記支持基板を接合した状態のまま前記半導体ウエハの裏面側を加工して該半導体ウエハを薄くする工程と、
    前記半導体ウエハの裏面側を均等にエッチングする工程と、
    薄くなって、裏面側がエッチングされた前記半導体ウエハの裏面に金属膜を成膜する工程と、
    前記半導体ウエハの裏面に前記金属膜を成膜した後に、前記半導体ウエハの外周に沿ってレーザ光線を照射し、その照射領域の前記金属膜および半導体を除去することにより、前記ウエハ中央部分と前記ウエハ周縁部分とを切り離す工程と、
    加熱またはUV光の照射により、ウエハ周縁部分から切り離されたウエハ中央部分を前記支持基板から離脱させる工程と、
    を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
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